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特開2022-154293プラズマ処理装置用電極板及びその製造方法
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  • 特開-プラズマ処理装置用電極板及びその製造方法 図1
  • 特開-プラズマ処理装置用電極板及びその製造方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154293
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】プラズマ処理装置用電極板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20221005BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20221005BHJP
   C30B 29/06 20060101ALI20221005BHJP
   C30B 33/02 20060101ALI20221005BHJP
   C30B 33/08 20060101ALI20221005BHJP
   H05H 1/46 20060101ALN20221005BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/31 C
C30B29/06 C
C30B33/02
C30B33/08
H05H1/46 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021057244
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和
(72)【発明者】
【氏名】松澤 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 輝紀
(72)【発明者】
【氏名】高畠 康太
【テーマコード(参考)】
2G084
4G077
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA05
2G084BB11
2G084BB23
2G084CC12
2G084DD02
2G084DD15
2G084DD23
2G084DD64
2G084DD68
4G077AA02
4G077AB06
4G077AB09
4G077AB10
4G077BA04
4G077FE13
4G077FG05
4G077FG20
4G077HA20
5F004AA01
5F004BB13
5F004BB28
5F004BB29
5F004BD04
5F045AA08
5F045BB02
5F045EF05
5F045EH05
5F045EH08
5F045EH14
(57)【要約】
【課題】厚い電極板においても、プラズマ処理中の比抵抗値のばらつきを抑制することができ、均一なプラズマ処理を行わせ、長寿命化を図る。0
【解決手段】シリコン製の厚さ15mm以上 35mm以下の素地板を形成するスライス工程と、素地板を貫通する多数の通気孔を素地板の体積に対する通気孔の体積の総和の比率が0.04以上1.0未満となるように形成する通気孔形成工程と、通気孔を形成した素地板に550℃以上の温度に加熱した後、100℃/分以上180℃/分以下の速度で冷却する熱処理を施す熱処理工程とを有する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン製の厚さ15mm以上 35mm以下の素地板を形成するスライス工程と、前記素地板を貫通する多数の通気孔を前記素地板の体積に対する通気孔の体積の総和の比率が0.04以上1.0未満となるように形成する通気孔形成工程と、前記通気孔を形成した前記素地板に550℃以上の温度に加熱した後、100℃/分以上180℃/分以下の速度で冷却する熱処理を施す熱処理工程とを有することを特徴とするプラズマ処理装置用電極板の製造方法。
【請求項2】
前記熱処理工程後に前記素地板の表面をエッチングするエッチング工程を有することを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置用電極板の製造方法。
【請求項3】
シリコン製で厚さが15mm以上35mm以下、電極板の体積に対する通気孔の体積の総和の比率が0.04以上1.0未満であり、比抵抗値の面内ばらつきが1.5Ω・cm以下であることを特徴とするプラズマ処理装置用電極板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ処理装置に用いられる電極板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス製造プロセスに使用されるプラズマエッチング装置やプラズマCVD装置等のプラズマ処理装置は、チャンバー内に、高周波電源に接続される一対の電極を、例えば上下方向に対向配置し、その下側電極の上に被処理基板を配置した状態として、上側電極に形成した通気孔から処理ガスを被処理基板に向かって流通させながら高周波電圧を印加することによりプラズマを発生させ、被処理基板にエッチング等の処理を行う構成とされている。
【0003】
このプラズマ処理装置で使用される電極板は、単結晶シリコン、柱状昌シリコン等からなるインゴットを円板状に薄く切断した後、通気孔を形成するなどの機械加工や、表面研磨のためのエッチング処理、研磨加工などを経て仕上げられる。また、被処理基板に面内均一なプラズマ処理を行うために、電極板の面内において比抵抗値のばらつきが少ないものが求められる。
【0004】
特許文献1では、P型シリコンからなる電極板を製造する場合に、シリコン素材を550℃以上700℃以下の温度に30分以上120分以下の時間保持した後、100℃/分以上180℃/分以下の速度で冷却する第1熱処理工程と、第1熱処理工程後にシリコン素材を300℃以上350℃以下の温度に20時間以上30時間以下の時間保持した後、冷却する第2熱処理工程とを有し、その後、通気孔形成工程、仕上げ工程を経て電極板を製造することが開示されている。この場合の電極板の厚さは5mm以上20mm以下であると記載されている。
【0005】
特許文献2では、シリコンインゴットから得た素地板に通気孔を形成した後、表面のダメージ除去のためにエッチングし、その後、400~1000℃の温度にてドナーキリング工程を行うことで抵抗を安定化させることが開示されている。特許文献2には、得られる電極板の厚さや通気孔の径等については記載ない。
【0006】
特許文献3では、開気孔率が10~40%、結晶構造が6H型のα-SiCを主体とする多孔性の炭化ケイ素焼結体の基体(素地板)に穿孔工程によりガス導入孔(通気孔)を多数形成下後、焼結体を不活性ガス雰囲気において1500~2300℃、10~600分加熱処理することにより、穿孔による孔内壁部の弱体化した粒界部分を再焼結させ、パーティクルの発生を抑制できることが開示されている。この電極板は、直径100~300mmφ、厚み1~5mmtであり、比抵抗率は10Ω・cm以下が好ましいと記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2018-133537号公報
【特許文献2】特表2010-519763号公報
【特許文献3】特開2001-7082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の電極板は、特許文献1に記載のように5mm以上20mm以下の厚さであったが、近年、高寿命化のため、電極板の厚さを増大させることが求められている。その場合、従来の方法では比抵抗値を均一化することが難しい。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、厚い電極板においても、プラズマ処理中の比抵抗値のばらつきを抑制することができ、均一なプラズマ処理を行わせ、長寿命化を図ることができるプラズマ処理装置用電極板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のプラズマ処理装置用電極板の製造方法は、シリコンインゴットから厚さ15mm以上35mm以下の素地板を形成するスライス工程と、前記素地板を貫通する多数の通気孔を前記素地板の体積に対する通気孔の体積の総和の比率が0.04%以上1.0%未満となるように形成する通気孔形成工程と、前記通気孔を形成した前記素地板を550℃以上の温度に加熱した後、100℃/分以上180℃/分以下の速度で冷却する熱処理を施す熱処理工程とを有する。
【0011】
比抵抗値のばらつき抑制のためには、加熱後に急冷することで酸素ドナーを低減させ、比抵抗値を安定させることができる。電極板の厚さが大きいと、加熱及び急冷の効果が内部まで到達しにくくなる。
この製造方法では、素地板に所定の体積比率で通気孔を形成した後に熱処理しており、その通気孔が所定の体積比率で存在していることにより、熱処理時に内部まで均等に加熱され、また、冷却時には内部まで速やかに急冷することができる。通気孔の体積比率が0.04未満では、加熱及び急冷の効果が内部まで到達しにくいため、比抵抗値が安定しない。その体積比率が1.0以上であると、電極板として処理ガスの回り込みが発生してパーティクルが発生しやすくなる。この通気孔の体積比率は0.05%以上0.8%以下が好ましい。
【0012】
また、熱処理時の冷却速度は100℃/分未満では、ドナー抑制効果が低減して比抵抗値が安定しない。180℃/分をこえると、電極板に割れが生じるおそれがある。この冷却速度は110℃/分以上180℃/分以下が好ましい。
なお、電極板の厚さは20mmを超える電極板に適用すると好ましく、25mm以上の厚さの電極板に特に有効である。電極板の厚さが35mmを超えると比抵抗値の安定化が難しくなる。
また、シリコンインゴットは、単結晶シリコン、柱状昌シリコン又は多結晶シリコンから製造される。
【0013】
このプラズマ処理装置用電極板の製造方法において、前記熱処理工程後に前記素地板の表面をエッチングするエッチング工程を有するとよい。エッチングすることにより、加工ダメージ層の除去だけでなく、熱処理時に素地板表面に形成される可能性のある酸化被膜を除去することができ、パーティクルの発生をより抑制することができる。
【0014】
本発明のプラズマ処理装置用電極板は、シリコン製で厚さが15mm以上35mm以下、電極板の体積に対する通気孔の体積の総和の比率が0.04以上1.0未満であり、比抵抗値の面内ばらつきが1.5Ω・cm以下である。比抵抗値のばらつきは3Ω・cm以下とするのが好ましい。
比抵抗値のばらつきが小さいと、プラズマ処理において発生するプラズマが安定することから、被処理板の不良率が抑えられ、電極板の消耗も均一で長寿命化に有利である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、厚い電極板においても、プラズマ処理中の比抵抗値のばらつきを抑制することができ、均一なプラズマ処理を行わせ、長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態のプラズマ処理装置用電極板を示す(a)が平面図、(b)が一部の断面図である。
図2】実施形態のプラズマ処理装置用電極板の製造方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るプラズマ処理装置用電極板及びその製造方法の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本実施形態のプラズマ処理装置用電極板(以下、単に電極板とする)11は、図1に示すように、単結晶シリコン、柱状昌シリコン又は多結晶シリコンにより、例えば厚さが15mm以上35mm以下、直径200mm以上600mm以下の円板状に形成される。また、この電極板11には、数mm~10mmピッチで数百個~数千個の通気孔21が厚さ方向に平行に貫通状態に形成されている。なお、各通気孔21は、ドリル加工又はレーザ加工により形成され、電極板11の体積に対する通気孔21の体積の総和の比率(以下、体積比率という)が0.04%以上1.0%未満に設定されている。この通気孔21は端部に面取りがされる場合があるが、体積はこの面取り部を含んで計測される。
また、この電極板11は、比抵抗値の面内ばらつきが1.5Ω・cm以下である。
【0018】
このように構成される電極板11は、例えば図2のフローチャートに示すように、単結晶シリコン等のシリコンインゴットを形成するインゴット形成工程と、そのシリコンインゴットを円板状に薄く切断(スライス)して板状の素地板を形成するスライス工程と、素地板の外周部を切削して所定の外径の素地板に形成する外形加工と、外形加工後の素地板に多数の通気孔21を形成する通気孔形成工程と、通気孔21を形成した素地板に熱処理を施す熱処理工程と、熱処理後の素地板にエッチング処理を施すエッチング工程と、エッチング工程後に表面を研磨するなどの仕上げ工程を経て製造される。
【0019】
インゴット形成工程では、チョクラルスキー法や鋳造法等の方法により、単結晶シリコン、柱状昌シリコン又は多結晶シリコンによって円柱状、ブロック状等のシリコンインゴットを形成する。
【0020】
スライス工程では、ダイヤモンドバンドソーやワイヤソー等で薄く切断して円板状の素地板を形成する。切断後、加工ダメージ層を少なくするため、両面に研削加工を施す。
外形加工では、切削加工により素地板の外形を加工し、目的とする電極板11の外形となる円板状に形成する。
【0021】
通気孔形成工程では、素地板の一方の表面側から厚さ方向に平行にドリルを下降させる、またはレーザ照射を行うことにより、1個ずつ通気孔21を加工する。この通気孔形成工程では、前述したように数百~数千個の通気孔21が形成されるが、これら通気孔21の体積の合計が、素地板の体積に対して、0.04以上1.0未満の体積比率となるように形成する。例えば、直径380mmの素地板に対して、0.8mmの内径の通気孔21を606個形成すると、その体積比率は0.27となる。
【0022】
通気孔形成工程において複数の通気孔21が素地板に形成された後、熱処理工程では、通気孔21を形成した素地板を加熱炉内に入れ、アルゴン雰囲気等の不活性雰囲気中において550℃以上の温度に加熱する。例えば、550℃以上1000℃以下の温度に加熱する。そのピーク温度に4時間以上16時間保持した後、素地板を加熱炉から取り出し、冷気を送るなどにより急冷する。そのときの冷却速度は100℃/分以上180℃/分以下である。特に、450℃前後の温度域を冷却する際に素地板内の酸素から電子が放出され、ドナーになって比抵抗値がばらつく要因となるので、その温度域を速やかに通過させることで電子の放出を抑制し、その結果、比抵抗値のばらつきが抑制される。
【0023】
この熱処理工程において、その前に通気孔形成工程により素地板には多数の通気孔21が形成されているので、加熱の際に素地板の内部まで均等に加熱されるとともに、急冷時も素地板の全体が急速に冷却され、電子の放出を効果的に抑制し、比抵抗値のばらつきを抑えることができる。冷却速度は110℃/min以上180℃/min以下とするのが好ましい。
なお、この熱処理は、その前の工程で行われるスライス工程や通気孔工程で生じる歪を除去する効果もある。
【0024】
エッチング工程では、素地板を酸性のエッチング液に浸漬することにより実行される。エッチング液としては、例えば、フッ酸(HF)、硝酸(HNO)、酢酸(CHCOOH)を混合したフッ硝酢酸が用いられる。エッチング液への浸漬時間は10分~95分である。熱処理工程で冷却を大気中で行うことにより表面に酸化皮膜が形成されており、これをエッチング工程で除去する。また、通気孔形成工程で形成した通気孔21内面のマイクロクラック等の加工ダメージも除去することができる。
【0025】
仕上げ工程では、回転する研磨パッドの上にコロイダルシリカやダイヤモンド砥粒等の研磨材を含有したスラリー(研磨液)を供給しながら素地板の両面を研磨する。研磨後に素地板を流水等で洗浄することにより電極板11として仕上げられる。超音波洗浄を実施してもよい。
【0026】
このようにして製造される電極板11は、通気孔形成工程の後に熱処理工程を実施しており、通気孔21が0.04以上1.0未満となる体積比率で存在していることにより、熱処理時に内部まで均等に加熱され、また、内部まで速やかに急冷することができる。このため、比抵抗値の面内ばらつきが1.5Ω・cm以下と小さい電極板11を製造することができ、安定したプラズマ処理により均一な処理を行うことができる。
通気孔21の体積比率が0.04未満では、加熱及び急冷の効果が内部まで到達しにくいため、比抵抗値が安定しない。その体積比率が1.0以上であると、電極板11として処理ガスの回り込みが発生してパーティクルが発生する。この通気孔21の体積比率は0.05以上0.8以下が好ましい。また、比抵抗値の面内ばらつきは3Ω・cm以下が好ましい。
【0027】
なお、本発明は上記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
通気孔21はすべて同じ内径に形成してもよいが、電極板11の位置によって内径を変えてもよい。また、電極板11の表面と裏面とで内径を異ならせた通気孔21としてもよい。
【実施例0028】
単結晶のシリコンインゴットをスライスし、外径380mmで種々の厚さの素地板を形成し、通気孔形成工程、熱処理工程、エッチング工程、仕上げ工程を経て電極板を作製した。通気孔の内径及び電極板の体積に対する体積比率は表1の通りとした。通気孔は、均一内径のストレート状に形成した。その内径は電極板の表面における通気孔の開口について3次元測定機にて測定し、その体積は、電極板の厚さを測定して算出した。また、通気孔を有しない電極板も比較のため作製した(比較例2)。
熱処理はそれぞれ630℃まで加熱し、表1に示す冷却速度で冷却した。熱処理しなかったものも比較例として作製した(比較例1)。
これら電極板について、比抵抗値の面内ばらつき、プラズマ処理中のパーティクル発生数を測定するとともに、使用寿命を評価した。
比抵抗値は、4探針法を用い、電極板の表面に探針を配置して測定し、電極板平面内の3箇所の測定値の最大値と最小値との差をばらつきとした。
パーティクル発生数は電極板をスパッタ装置に取り付け、
チャンバー内圧力:10-1Torr
エッチングガス組成:90sccmCHF + 4sccmO + 150sccmHe
高周波電力:2kW
真空周波数:20kCycle
の条件で100時間連続してスパッタして、パーティクルカウンターにてパーティクルをカウントし、100個以上発生したものを「不良」、100個未満であったものを「良」とした。
使用寿命は、使用時間により判定し、500時間使用可を「良」、500時間未満を「不良」とした。
総合評価は、比抵抗値が1.5Ω・cm以下で、パーティクル発生数、使用寿命がともに「良」の場合を「A」、比抵抗値が1.5Ω・cm以上で、パーティクル発生数が「良」、使用寿命が「良」の場合を「B」、比抵抗値が1.5Ω・cmを超えていたもの、あるいはパーティクル発生数が「不良」、あるいは使用寿命が「不良」の場合を「C」とした。比較例2は通気孔を形成しなかった場合であり「―」、電極としての特性がないため「C」とした。
【0029】
結果を表1に示す。なお、通気孔を形成しなかった比較例2は比抵抗値のみ測定した。また、比較例6は熱処理において割れが生じたため、比抵抗値以下の測定を行わなかった。
【0030】
【表1】
【0031】
表1中、実施例1~6は、厚さが15mm以上30mm以下において、比抵抗値のばらつきが1.3Ω・cm以下と小さかった。また、パーティクルの発生も少なく、寿命も十分であった。
【0032】
これに対して、比較例1は熱処理しなかったため、比抵抗値のばらつきが1.8Ω・cmと大きいために、均一なプラズマ処理を行うことができない。比較例2は通気孔を有しない電極板であり、熱処理しても比抵抗値のばらつきが1.6Ω・cmと大きかった。比較例3は通気孔の体積比率が1.0と大きかったため、比抵抗値のばらつきは小さかったが、パーティクルが多く発生し、総合評価はCであった。比較例4は厚さが40mmと大きく、かつ熱処理時の冷却速度が80℃/minと小さかったため、比抵抗値のばらつきが1.7と大きかった。比較例5は熱処理時の冷却速度が50℃/minと小さかったため、比抵抗値のばらつきが1.8と大きかった。比較例6は熱処理時の冷却速度が200℃/minと大きかったため、冷却時に割れが発生した。
従来例はいずれも厚さが13mmで薄く、比抵抗値のばらつきは小さく、パーティクルの発生も認められなかったが、消耗による寿命が短いものであった。
【符号の説明】
【0033】
11 電極板
21 通気孔
図1
図2