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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154294
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】振動モータ
(51)【国際特許分類】
   B06B 1/04 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
B06B1/04 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021057245
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】佐野 良行
(72)【発明者】
【氏名】南沢 武士
【テーマコード(参考)】
5D107
【Fターム(参考)】
5D107AA20
5D107BB08
5D107CC09
5D107DD12
5D107FF10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ノイズを抑制することができる振動モータを提供する。
【解決手段】振動モータ1は、中心軸Jに沿って振動可能な振動体5と、振動体5の軸方向の一方側に配置される第1弾性部材6Aと、振動体5及び第1弾性部材6Aを内部に収容する筐体2と、を備える。第1弾性部材6Aは、筐体2に固定される第1外側固定部61と、第1外側固定部61よりも径方向の内側に配置され、振動体5に固定される第1内側固定部62と、第1外側固定部61と第1内側固定部62とを接続し、軸方向に弾性変形可能な接続部63と、を有する。振動体5は、軸方向の一方側に突出する第1突出部56を有する。第1内側固定部62は、第1突出部56に固定されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸に沿って振動可能な振動体と、
前記振動体の軸方向の一方側に配置される第1弾性部材と、
前記振動体及び前記第1弾性部材を内部に収容する筐体と、を備え、
前記第1弾性部材は、
前記筐体に固定される第1外側固定部と、
前記第1外側固定部よりも径方向の内側に配置され、前記振動体に固定される第1内側固定部と、
前記第1外側固定部と前記第1内側固定部とを接続し、軸方向に弾性変形可能な接続部と、を有し、
前記振動体は、軸方向の一方側に突出する第1突出部を有し、
前記第1内側固定部は、前記第1突出部に固定されている振動モータ。
【請求項2】
前記振動体の軸方向の他方側に配置される第2弾性部材をさらに備え、
前記第2弾性部材は、
前記筐体に固定される第2外側固定部と、
前記第2外側固定部よりも径方向の内側に配置され、前記振動体に固定される第2内側固定部と、
前記第2外側固定部と前記第2内側固定部とを接続し、軸方向に弾性変形可能な接続部と、を有し、
前記振動体は、軸方向の他方側に突出する第2突出部を有し、
前記第2内側固定部は、前記第2突出部に固定されている請求項1に記載の振動モータ。
【請求項3】
前記振動体は、
中心軸に沿って配置されるシャフトと、
前記シャフトの外周面に固定されるマグネットと、
前記マグネットの軸方向の一方側に配置される第1ヨークと、
前記マグネットの軸方向の他方側に配置される第2ヨークと、を有し、
前記第1突出部は、前記第1ヨークに設けられ、かつ、前記シャフトにおける軸方向の一方側の端部が嵌め合わされた筒状であり、
前記第2突出部は、前記第2ヨークに設けられ、かつ、前記シャフトにおける軸方向の他方側の端部が嵌め合わされた筒状である請求項2に記載の振動モータ。
【請求項4】
前記接続部は、軸方向から見て互いに重なる部分を有しない請求項1から3のいずれか一項に記載の振動モータ。
【請求項5】
前記接続部は、軸方向と直交する平面に沿って配置されている請求項4に記載の振動モータ。
【請求項6】
前記接続部は、周方向に延びる接続片を有する請求項1から5のいずれか一項に記載の振動モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動モータに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等の各種機器に搭載される振動モータが知られている。例えば、特許文献1には、固定体と、振動体と、コイルスプリングと、を備えた振動モータが開示されている。振動体は、コイルスプリングによって固定体に対して軸方向に振動可能に支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-121240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の振動モータでは、コイルスプリングが収縮する際に、螺旋状の線材が接触して金属音であるノイズが生じる場合がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、ノイズを抑制することができる振動モータを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の振動モータの一つの態様は、中心軸に沿って振動可能な振動体と、前記振動体の軸方向の一方側に配置される第1弾性部材と、前記振動体及び前記第1弾性部材を内部に収容する筐体と、を備える。前記第1弾性部材は、前記筐体に固定される第1外側固定部と、前記第1外側固定部よりも径方向の内側に配置され、前記振動体に固定される第1内側固定部と、前記第1外側固定部と前記第1内側固定部とを接続し、軸方向に弾性変形可能な接続部と、を有する。前記振動体は、軸方向の一方側に突出する第1突出部を有する。前記第1内側固定部は、前記第1突出部に固定されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、ノイズを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態の振動モータの断面斜視図である。
図2図2は、一実施形態の振動モータの縦断面図である。
図3図3は、一実施形態の振動モータの分解斜視図である。
図4図4は、一実施形態の振動モータの分解斜視図である。
図5図5は、一実施形態の振動モータの弾性部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る振動モータ1について説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0010】
図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。以下の説明において特に断りのない限り、中心軸線Jに平行な方向(Z軸方向)を単に「軸方向」と呼び、+Z側を単に「上側」と呼び、-Z側を単に「下側」と呼ぶ。また、中心軸線J周りの周方向を単に「周方向」と呼び、中心軸線Jに対する径方向を単に「径方向」と呼ぶ。なお、本明細書における上下方向は、説明の便宜のために設定する方向であって、振動モータ1の使用時の姿勢を限定するものではない。
【0011】
図1は、一実施形態の振動モータの1断面斜視図である。図2は、振動モータの1の縦断面図である。
【0012】
図1に示すように、振動モータ1は、筐体2と、振動体5と、一対の弾性部材6と、磁気駆動機構7と、を備える。弾性部材6は、振動体5の上側(+Z側)及び下側(-Z側)に1つずつ配置される。振動体5は、一対の弾性部材6によって、中心軸線Jに沿って振動可能に支持される。振動体5が停止しているとき、振動体5は、上側(+Z側)の弾性部材6の弾性力と下側(-Z側)の弾性部材6の弾性力とが釣り合った中立位置(図1に示す位置)に位置する。以下の説明において、特段記載しない限り、中立位置の姿勢及び形状に基づいて説明する。
【0013】
筐体2は、カバー20と、コイルボビン40と、を備える。筐体2の内部には、振動体5及び一対の弾性部材6が収容されている。カバー20は、中心軸線Jに沿って延びる。カバー20は、第1カバー21と、第2カバー31と、を有する。第1カバー21は、第2カバー31よりも下側(-Z側)に配置されている。
【0014】
第1カバー21は、第1筒状部22と、フランジ部23と、第2筒状部24と、底板部25と、を有する。
【0015】
第1筒状部22は、中心軸Jを軸線とする円筒状である。第1筒状部22の内部には、振動体5の軸方向の中央部及び下部が収容されている。
【0016】
図3及び図4は、振動モータ1の分解斜視図である。図3に示すように、第1筒状部22の上端部には、下側(-Z側)に凹む凹部22aが設けられている。第1筒状部22の上端部には、上側(+Z側)に突出する凸部22bが設けられている。
【0017】
図1に示すように、フランジ部23は、第1筒状部22の下端部から径方向の内側に延びている。フランジ部23は、中心軸Jを中心とする円環状である。フランジ部23の内周面(+Z側を向く面)である段差部23aは、中心軸Jを中心とする円環状である。
【0018】
第2筒状部24は、フランジ部23の径方向の内側の端部から下側(-Z側)に延びている。第2筒状部24は、中心軸Jを軸線とする円筒状である。第2筒状部24の内径は、第1筒状部22の内径よりも小さい。第2筒状部24は、フランジ部23を介して第1筒状部22の下側に繋がっている。
【0019】
底板部25は、第2筒状部24の下端部から径方向の内側に延びている。底板部25は、中心軸線Jと直交する平面に沿う板状である。底板部25は、中心軸J方向から見て円形である。
【0020】
第2カバー31は、第1筒状部32と、フランジ部33と、第2筒状部34と、底板部35と、を有する。
【0021】
第1筒状部32は、中心軸Jを軸線とする円筒状である。第1筒状部32の内径は、第1カバー21の第1筒状部22の内径と略同一である。第1筒状部32の内部には、振動体5の上部が収容されている。
【0022】
図3に示すように、第1筒状部32の下端部には、上側(+Z側)に凹む凹部32aが設けられている。第1筒状部32の下端部には、下側(-Z側)に突出する凸部32bが設けられている。
【0023】
図1に示すように、フランジ部33は、第1筒状部32の上端部から径方向の内側に延びている。フランジ部33は、中心軸Jを中心とする円環状である。フランジ部33の内周面(-Z側を向く面)である段差部33aは、中心軸Jを中心とする円環状である。
【0024】
第2筒状部34は、フランジ部33の径方向の内側の端部から上側(+Z側)に延びている。第2筒状部34は、中心軸Jを軸線とする円筒状である。第2筒状部34の内径は、第1筒状部32の内径よりも小さく、第1カバー21の第2筒状部24の内径と略同一である。第2筒状部34は、フランジ部33を介して第1筒状部32の上側に繋がっている。
【0025】
底板部35は、第2筒状部34の上端部から径方向の内側に延びている。底板部35は、中心軸線Jと直交する平面に沿う板状である。底板部35は、中心軸J方向から見て円形である。
【0026】
コイルボビン40は、胴部41と、第一環状部42と、第二環状部43と、を有する。胴部41は、中心軸Jを軸線とする円筒状である。胴部41は、第1カバー21の第1筒状部22の径方向の内側に、第1筒状部22と隙間をあけて配置されている。胴部41の外周面には、後述するコイル71が巻かれている。
【0027】
第一環状部42は、胴部41の上端部から径方向の外側に延びている。第一環状部42は、中心軸Jを中心とする円環状である。図3に示すように、第一環状部42は、第2カバー31の第1筒状部32の内側に配置されている。第一環状部42の外周面には、径方向の外側に突出する嵌合部42aが設けられている。嵌合部42aは、第1カバー21の凸部22bと第2カバー31の凹部32aとの間に嵌み合わされている。
【0028】
図1に示すように、第二環状部43は、胴部41の下端部から径方向の外側に延びている。第二環状部43は、第1カバー21の第1筒状部22の内側に配置されている。図3に示すように、第二環状部43の外周面には、径方向の外側に突出するコネクタ部43aが設けられている。コネクタ部43aは、第1カバー21の凹部22aと第2カバー31の凸部32bとの間に嵌合されている。コネクタ部43aには、外部電源が接続される。コネクタ部43aには、コイル71と電気的に接続された不図示の端子が保持されている。
【0029】
図1に示すように、振動体5は、シャフト51と、センターヨーク52と、一対のマグネット53と、一対のバックヨーク54と、を有する。振動体5は、筐体2の内部に収容されている。シャフト51は、中心軸Jに沿って延びる。
【0030】
センターヨーク52は、中心軸Jを中心とする円環状である。センターヨーク52は、磁性部材である。センターヨーク52の中心には、軸方向に貫通する取付孔52aが設けられている。シャフト51は、取付孔52aに挿通されている。センターヨーク52は、シャフト51の外周面51aに固定されている。
【0031】
一対のマグネット53のうち、センターヨーク52の上側(+Z側)に配置されるものを第1マグネット53Aと呼び、センターヨーク52の下側(-Z側)に配置されるものを第2マグネット53Bと呼ぶ。第1マグネット53Aと第2マグネット53Bとは、同一の形状である。
【0032】
マグネット53は、中心軸Jを中心とする円環状である。マグネット53の中心には、軸方向に貫通する取付孔53aが設けられている。シャフト51は、取付孔53aに挿通されている。マグネット53は、シャフト51の外周面51aに固定されている。マグネット53の外形は、センターヨーク52の外形よりも僅かに大きい。マグネット53とセンターヨーク52とは、磁力によって固着されている。
【0033】
一対のバックヨーク54は、一対のマグネット53を軸方向の両側から挟んで配置されている。一対のバックヨーク54のうち、第1マグネット53Aの上側(+Z側)に配置されるものを第1バックヨーク54Aと呼び、第2マグネット53Bの下側(-Z側)に配置されるものを第2バックヨーク54Bと呼ぶ。第1バックヨーク54Aと第2バックヨーク54Bとは、同一の形状の部材が軸方向に対称配置された関係にある。
【0034】
バックヨーク54は、磁性部材である。第1バックヨーク54Aと第1マグネット53Aとは、磁力によって固着されている。第2バックヨーク54Bと第2マグネット53Bとは、磁力によって固着されている。第1バックヨーク54Aは、第1ヨークに相当する。第2バックヨーク54Bは、第2ヨークに相当する。
【0035】
バックヨーク54は、基板部55と、突出部56と、を有する。基板部55は、中心軸Jを中心とする円環状である。基板部55は、平板状である。基板部55の板面は、軸方向を向いている。基板部55の外形は、マグネット53の外形よりも僅かに小さい。
【0036】
第1バックヨーク54Aの突出部56は、基板部55の中心から上側(+Z側)に突出している。第2バックヨーク54Bの突出部56は、基板部55の中心から下側(-Z側)に突出している。第1バックヨーク54Aの突出部56は、第1突出部に相当する。第2バックヨーク54Bの突出部56は、第2突出部に相当する。
【0037】
突出部56は、中心軸Jを軸線とする円筒状である。突出部56の内部及び基板部55の内部には、軸方向に貫通する取付孔56aが設けられている。突出部56は、例えば、バーリング加工によって製造される。
【0038】
第1バックヨーク54Aの取付孔56aの下部には、シャフト51の上端部が嵌め合わされている。第2バックヨーク54Bの取付孔56aの上部には、シャフト51の下端部が嵌め合わされている。
【0039】
弾性部材6は、振動体5の軸方向の両側に配置されている。一対の弾性部材6のうち、第1バックヨーク54Aの上側(+Z側)に配置されるものを第1弾性部材6Aと呼び、第2バックヨーク54Bの下側(-Z側)に配置されるものを第2弾性部材6Bと呼ぶ。第1弾性部材6Aと第2弾性部材6Bとは、同一の形状である。
【0040】
図5は、振動モータ1の弾性部材6の平面図である。図5に示すように、弾性部材6は、平板状である。弾性部材6の板面は、軸方向を向いている。弾性部材6の外形は、円形である。軸方向から見て、弾性部材6の外形は、振動体5の外形よりも大きい。
【0041】
中心軸線J周りの周方向のうち、一方側(+Z側から見て反時計回りの方向)をL1側とし、他方側(+Z側から見て時計回りの方向)をL2側とする。
【0042】
弾性部材6は、外側固定部61と、内側固定部62と、接続部63と、を有している。外側固定部61は、弾性部材6の外縁に沿う略円環状である。内側固定部62は、弾性部材6の中心部分である。内側固定部62は、外側固定部61よりも径方向の内側に配置されている。内側固定部62には、軸方向に貫通する取付孔62aが設けられている。
【0043】
第1弾性部材6Aの外側固定部61は、第1外側固定部に相当する。第1弾性部材6Aの内側固定部62は、第1内側固定部に相当する。第2弾性部材6Bの外側固定部61は、第2外側固定部に相当する。第2弾性部材6Bの内側固定部62は、第2内側固定部に相当する。
【0044】
外側固定部61と内側固定部62とは、接続部63で接続されている。接続部63は、3つの接続板部64を有している。接続板部64は、第1接続片65と、第2接続片66と、第3接続片67と、を有している。
【0045】
外側固定部61には、周方向に離間して3箇所に接続位置61aがある。各接続板部64の第1接続片65は、接続位置61aから延びている。第1接続片65は、周方向の一方側(L1側)に延びている。第1接続片65は、外側固定部61の径方向の内側に外側固定部61と離れて配置されている。
【0046】
第2接続片66は、第1接続片65の端部から周方向の他方側(L2側)に延びている。第2接続片66は、第1接続片65の径方向の内側に第1接続片65と離れて配置されている。
【0047】
第3接続片67は、第2接続片66の端部から周方向の一方側(L1側)に延びている。第3接続片67は、第2接続片66の径方向の内側に第2接続片66と離れて配置されている。第3接続片67の端部は、内側固定部62に接続されている。3つの接続板部64の第3接続片67の端部が内側固定部62に接続される接続位置62bは、周方向に離間して3箇所である。
【0048】
各接続板部64は、第1接続片65、第2接続片66及び第3接続片67によって、折れ曲がった形状をしている。接続板部64は、軸方向に弾性変形可能である。接続部63は、軸方向から見て互いに重なる部分を有しない。
【0049】
本実施形態では、接続部63は、3つの接続板部64を有するが、1つまたは2つの接続板部を有する構成であってよいし、4つ以上の接続板部を有する構成であってもよい。接続板部64は、第1~第3の3つの接続片を有するが、1つまたは2つの接続片を有してもよいし、4つ以上の接続片を有してもよい。
【0050】
図2に示すように、第1弾性部材6Aの弾性力と第2弾性部材6Bの弾性力とが釣り合った中立位置で、弾性部材6は、軸方向と直交する平面(XY平面)に沿って配置されている。
【0051】
第1弾性部材6Aの外側固定部61は、第2カバー31の段差部33aに溶接等によって固定されている。第1弾性部材6Aの内側固定部62は、第1バックヨーク54Aの突出部56の端面56bに溶接等によって固定されている。第1バックヨーク54Aの取付孔56aと第1弾性部材6Aの取付孔62aとは、連通する。
【0052】
第2弾性部材6Bの外側固定部61は、第1カバー21の段差部23aに溶接等によって固定されている。第2弾性部材6Bの内側固定部62は、第2バックヨーク54Bの突出部56の端面56bに溶接等によって固定されている。第2バックヨーク54Bの取付孔56aと第2弾性部材6Bの取付孔62aとは、連通する。
【0053】
筐体2の内部では、第1弾性部材6A及び第2弾性部材6Bを挟んで軸方向の両側に空間s1,s11がある。
【0054】
第1弾性部材6Aの上側(+Z側)の空間s1は、第2カバー31の第2筒状部34の内側の空間である。空間s1は、第2カバー31の底板部35及び第2筒状部34で囲まれる空間である。軸方向から見て、空間s1は、第1バックヨーク54Aの突出部56、突出部56が固定された第1弾性部材6Aの内側固定部62及び接続部63と重なっている。
【0055】
第2弾性部材6Bの下側(-Z側)の空間s11は、第1カバー21の第2筒状部24の内側の空間である。空間s11は、第1カバー21の底板部25及び第2筒状部24で囲まれる空間である。軸方向から見て、空間s11は、第2バックヨーク54Bの突出部56、突出部56が固定された第2弾性部材6Bの内側固定部62及び接続部63と重なっている。
【0056】
磁気駆動機構7は、コイル71を有する。コイル71は、コイルボビン40の胴部41の外周面に巻回されている。コイル71への通電により磁界を発生させ、ローレンツ力によりコイル71に対してマグネット53を軸方向に相対移動させる。これにより、コイル71が設けられた筐体2に対して、マグネット53を有する振動体5を相対移動させて、振動体5を振動させる。振動モータ1は、コイル71への通電パターンを制御することにより、振動体5の振動数を制御する。
【0057】
振動体5が振動して上側(+Z側)に移動すると、図2に二点鎖線M1で示すように、第1バックヨーク54Aの突出部56は空間s1に移動する。第1バックヨーク54Aの突出部56及び第2カバー31の段差部33aに固定された第1弾性部材6Aにおいて、接続部63が軸方向に弾性変形する。接続部63は、径方向の内側に向かうにしたがって次第に上側に向かって傾斜する。第1弾性部材6Aは、略下向きV字状になる。第2カバー31の空間s1には、第1バックヨーク54Aの突出部56、第1弾性部材6Aの内側固定部62及び接続部63が収容される。第2弾性部材6Bにおいても、第2バックヨーク54Bの突出部56が上側に移動するにともない、接続部63は軸方向に弾性変形する。接続部63は、径方向の内側に向かうにしたがって次第に上側に向かって傾斜する。第2弾性部材6Bは、略下向きV字状となる。
【0058】
振動体5が振動して下側(-Z側)に移動すると、図2に二点鎖線M2で示すように、第2バックヨーク54Bの突出部56は空間s11に移動する。第2バックヨーク54Bの突出部56及び第1カバー21の段差部23aに固定された第2弾性部材6Bにおいて、接続部63が軸方向に弾性変形する。接続部63は、径方向の内側に向かうにしたがって次第に下側に向かって傾斜する。第2弾性部材6Bは、略V字状になる。第1カバー21の空間s11には、第2バックヨーク54Bの突出部56、第2弾性部材6Bの内側固定部62及び接続部63が収容される。第1弾性部材6Aにおいても、第1バックヨーク54Aの突出部56が下側に移動するにともない、接続部63が軸方向に弾性変形する。接続部63は、径方向の内側に向かうにしたがって次第に下側に向かって傾斜する。第1弾性部材6Aは、略V字状になる。
【0059】
本実施形態によれば、中心軸Jに沿って振動可能な振動体5と、振動体5の上側(+Z側)に配置される第1弾性部材6Aと、振動体5及び第1弾性部材6Aを内部に収容する筐体2と、を備える。第1弾性部材6Aは、筐体2に固定される外側固定部61と、外側固定部61よりも径方向の内側に配置され、振動体5に固定される内側固定部62と、外側固定部61と内側固定部62とを接続し、軸方向に弾性変形可能な接続部63と、を有する。振動体5は、上側(+X側)に突出する第1バックヨーク54Aの突出部56を有する。第1弾性部材6Aの内側固定部62は、第1バックヨーク54Aの突出部56に固定されている。この構成においては、第1弾性部材6Aの内側固定部62が固定される第1バックヨーク54Aの突出部56が上側(+Z側)に突出しているため、第1弾性部材6Aが軸方向に振動する振幅量を確保でき、接続部63が干渉することがなくノイズを抑制することができる。
【0060】
本実施形態によれば、振動体5の下側(-Z側)に配置される第2弾性部材6Bをさらに備える。第2弾性部材6Bは、筐体2に固定される外側固定部61と、外側固定部61よりも径方向の内側に配置され、振動体5に固定される内側固定部62と、外側固定部61と内側固定部62とを接続し、軸方向に弾性変形可能な接続部63と、を有する。振動体5は、下側(-Z側)に突出する第2バックヨーク54Bの突出部56を有する。内側固定部62は、第2バックヨーク54Bの突出部56に固定されている。この構成においては、第2弾性部材6Bの内側固定部62が固定される第2バックヨーク54Bの突出部56が下側(-Z側)に突出しているため、第2弾性部材6Bが軸方向に振動する振幅量を確保でき、接続部63が干渉することがなくノイズを抑制することができる。
【0061】
本実施形態によれば、振動体5は、中心軸Jに沿って配置されるシャフト51と、
シャフト51の外周面51aに固定されるマグネット53と、マグネット53の上側(+Z側)に配置される第1バックヨーク54Aと、マグネット53の下側(-Z側)に配置される第2バックヨーク54Bと、を有する。上側の突出部56は、第1バックヨーク54Aに設けられ、かつ、シャフト51の上端部が嵌め合わされた筒状である。下側の突出部56は、第2バックヨーク54Bに設けられ、かつ、シャフト51の下端部が嵌め合わされた筒状である。この構成においては、シャフト51を介してマグネット53、第1バックヨーク54A及び第2バックヨーク54Bという部材どうしを好適に連結することができる。さらに、突出部56は第1バックヨーク54A及び第2バックヨーク54Bに設ければよいため、突出部56を振動体5に容易に設けることができる。
【0062】
本実施形態によれば、接続部63は、軸方向から見て互いに重なる部分を有しない。この構成においては、弾性部材6が軸方向に変形する際に、接続部63の構成部材である第1接続片65、第2接続片66及び第3接続片67どうしが接触することがなく、ノイズをより一層抑制することができる。
【0063】
本実施形態によれば、接続部63は、軸方向と直交する平面に沿って配置されている。この構成においては、弾性部材6の軸方向の変形代であるストロークを大きく確保することができる。
【0064】
本実施形態によれば、接続部63は、周方向に延びる第1接続片65、第2接続片66及び第3接続片67を有する。この構成においては、外側固定部61と内側固定部62とを接続する接続部63の長さを長くすることができるため、弾性部材6のストロークを大きく確保することができる。
【0065】
以上に、本発明の実施形態を説明したが、実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【0066】
例えば、振動体5の軸方向の両側に弾性部材6が配置されているが、これに限られない。弾性部材6は、振動体5の軸方向の少なくとも一方側にのみ設けられていればよい。
【0067】
また、弾性部材6は、板面を軸方向に向けた平板状であるが、これに限られない。弾性部材は、軸方向に高さがあり、弾性変形可能な形状であってもよい。
【符号の説明】
【0068】
1…振動モータ、2…筐体、5…振動体、6…弾性部材、6A…第1弾性部材、6B…第2弾性部材、22…第1筒状部、23a…段差部、24…第2筒状部、32…第1筒状部、33a…段差部、34…第2筒状部、51…シャフト、51a…外周面、53…マグネット、54…ヨーク、54A…第1ヨーク(第1バックヨーク)、54B…第2ヨーク(第2バックヨーク)、56…第1突出部、第2突出部(突出部)61…第1外側固定部、第2外側固定部(外側固定部)、62…第1内側固定部、第2内側固定部(内側固定部)、63…接続部、65…接続片(第1接続片)、66…接続片(第2接続片)、67…接続片(第3接続片)、J…中心軸、s1,s11…空間
図1
図2
図3
図4
図5