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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154298
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】容器搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/86 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
B65G47/86 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021057255
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000238005
【氏名又は名称】株式会社フジシールインターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河内 康行
【テーマコード(参考)】
3F072
【Fターム(参考)】
3F072AA08
3F072GA01
3F072GF01
3F072GG03
3F072HA06
3F072KC02
3F072KC06
(57)【要約】
【課題】第1回転体の回転を停止した場合であっても、第2回転体の回転を継続することができる容器搬送装置を提供する。
【解決手段】容器搬送装置1は、複数の第1保持装置40および複数の第2保持装置50が第1回転体23および第2回転体31の回転に伴って順次到達する受け渡し位置P3において、第1保持装置40と第2保持装置50との間で容器の受け渡しが可能となるように構成された第1搬送機構および第2搬送機構を備え、第2搬送機構が作動中に第1搬送機構が停止される際に、受け渡し位置P3よりも上流側に位置する解除位置で第1保持装置40による容器90の保持が解除されることにより、容器90が第1搬送機構から排斥され、第1回転体23が完全に停止した完全停止時に、第1回転体23の回転軸方向から見た場合に、第2保持装置40の回転軌跡に重なる位置にある第1保持装置40が容器90を保持していない状態となる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1回転体、および、各々が容器を保持可能に設けられ、前記第1回転体の周方向に並んで配置された複数の第1保持装置を含む、第1搬送機構と、
第2回転体、および、各々が容器を保持可能に設けられ、前記第2回転体の周方向に並んで配置された複数の第2保持装置を含む、第2搬送機構と、を備え、
前記第1搬送機構および前記第2搬送機構は、前記複数の第1保持装置の各々および前記複数の第2保持装置の各々が前記第1回転体および前記第2回転体の回転に伴って順次到達する受け渡し位置において、前記第1保持装置と前記第2保持装置との間で容器の受け渡しが可能となるように構成されており、
前記第2搬送機構が作動中に前記第1搬送機構が停止される際に、前記受け渡し位置よりも前記第1回転体の回転方向上流側に位置する解除位置で前記第1保持装置による容器の保持が解除されることにより、該容器が前記第1搬送機構から排斥され、
前記第1回転体が完全に停止した完全停止時に、前記第1回転体の回転軸方向から見た場合に、前記第2回転体の回転によって形成される前記第2保持装置の回転軌跡に重なる位置にある前記第1保持装置が容器を保持していない状態となる、容器搬送装置。
【請求項2】
前記複数の第1保持装置の各々は、押圧されることにより容器の保持を解除する被押圧部を有し、
前記第1搬送機構は、押圧部を含み、
前記第2搬送機構が作動中に前記第1搬送機構が停止される際に、前記押圧部は、前記被押圧部を押圧する、請求項1に記載の容器搬送装置。
【請求項3】
前記第1保持装置は、開閉可能に設けられ、容器を側方側から把持する把持部を含み、
前記第2保持装置は、昇降可能に設けられ、前記受け渡し位置において、前記把持部よりも上方の位置で容器を下方に向けて押さえる押さえ部を含む、請求項1または2に記載の容器搬送装置。
【請求項4】
前記第2搬送機構が作動中に前記第1搬送機構が停止される際に、前記解除位置よりも前記第1回転体の回転方向下流側に位置し、かつ、前記受け渡し位置よりも前記第1回転体の回転方向上流側に位置する前記第1保持装置は、前記第1回転体が完全に停止するまでに、容器を保持した状態で前記受け渡し位置に到達し、前記第2保持装置との間で容器の受け渡しを行なう、請求項1から3のいずれか1項に記載の容器搬送装置。
【請求項5】
前記第1搬送機構から排斥された容器を回収する回収部をさらに備えた、請求項1から4のいずれか1項に記載の容器搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1搬送機構と第2搬送機構との間に容器を受け渡し可能に構成された容器搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上流側回転ホイール(第1回転体)に設けられた上流側グリッパ(第1保持装置)と、下流側回転ホイール(第2回転体)に設けられた下流側グリッパ(第2保持装置)との間で、物品を受け渡し可能に設けられた物品搬送装置として、特許第5211517号公報(特許文献1)には、上流側グリッパおよび下流側グリッパの一方を、物品の受け渡しを可能にする使用状態と、上流側グリッパおよび下流側グリッパの他方に保持された物品に干渉しない退避状態とを切り替える退避手段を設け、上流側回転ホイールおよび下流側回転ホイールの一方が異常停止した際に、退避手段が使用状態から退避状態に切り替えることにより、上流側回転ホイールおよび下流側回転ホイールの他方の回転を継続させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5211517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示の容器搬送装置においては、上流側回転ホイールおよび下流側回転ホイールの一方が異常停止した場合には、上流側グリッパおよび下流側グリッパの他方が把持する物品に干渉しないように、受け渡し位置で上流側グリッパおよび下流側グリッパの一方を退避させる。このため、異常停止時には、上流側グリッパおよび下流側グリッパの一方を大きく移動させるための機構が必要となってしまう。このため、容器搬送装置においては、依然として改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、互いに隣り合うように配置された第1回転体および第2回転体の回転に伴って、受け渡し位置に到達する第1保持装置と第2保持装置との間で、容器の受け渡しが可能な容器搬送装置において、第1回転体の回転を停止した場合であっても、簡素な構成で第2保持装置と容器との干渉を回避することができる容器搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に基づく容器搬送装置は、第1回転体、および、各々が容器を保持可能に設けられ、上記第1回転体の周方向に並んで配置された複数の第1保持装置を含む、第1搬送機構と、第2回転体、および、各々が容器を保持可能に設けられ、上記第2回転体の周方向に並んで配置された複数の第2保持装置を含む、第2搬送機構と、を備える。上記第1搬送機構および上記第2搬送機構は、上記複数の第1保持装置の各々および上記複数の第2保持装置の各々が上記第1回転体および上記第2回転体の回転に伴って順次到達する受け渡し位置において、上記第1保持装置と上記第2保持装置との間で容器の受け渡しが可能となるように構成されている。上記第2搬送機構が作動中に前記第1搬送機構が停止される際に、上記受け渡し位置よりも上記第1回転体の回転方向上流側に位置する解除位置で上記第1保持装置による容器の保持が解除されることにより、容器が第1搬送機構から排斥される。上記第1回転体が完全に停止した完全停止時に、上記第2回転体の回転によって形成される上記第2保持装置の回転軌跡に重なる位置にある上記第1保持装置が容器を保持していない状態となる。
【0007】
上記本開示に基づく容器搬送装置にあっては、上記複数の第1保持装置の各々は、押圧されることにより容器の保持を解除する被押圧部を有していてもよい。また、上記第1搬送機構は、押圧部を含んでいてもよい。この場合には、上記第2搬送機構が作動中に前記第1搬送機構が停止される際に、上記押圧部は、上記被押圧部を押圧することが好ましい。
【0008】
上記本開示に基づく容器搬送装置にあっては、上記第1保持装置は、開閉可能に設けられ、容器を側方側から把持する把持部を含んでいてもよい。上記第2保持装置は、昇降可能に設けられ、上記受け渡し位置において、上記把持部よりも上方の位置で容器を下方に向けて押さえる押さえ部を含んでいてもよい。
【0009】
上記本開示に基づく容器搬送装置にあっては、上記第2搬送機構が作動中に前記第1搬送機構が停止される際に、上記解除位置よりも上記第1回転体の回転方向下流側に位置し、かつ、上記受け渡し位置よりも上記第1回転体の回転方向上流側に位置する上記第1保持装置は、上記第1回転体が完全に停止するまでに、容器を保持した状態で上記受け渡し位置に到達し、上記第2保持装置との間で容器の受け渡しを行なうことが好ましい。
【0010】
上記本開示に基づく容器搬送装置は、上記第1搬送機構から排斥された容器を回収する回収部をさらに備えていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、互いに隣り合うように配置された第1回転体および第2回転体の回転に伴って、受け渡し位置に到達する第1保持装置と第2保持装置との間で、容器の受け渡しが可能な容器搬送装置において、第1回転体の回転を停止した場合であっても、簡素な構成で第2保持装置と容器との干渉を回避することができる容器搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態に係る容器搬送装置の概略図である。
図2】実施の形態に係る容器搬送装置の構成図である。
図3】実施の形態に係る容器搬送装置の通常搬送時において、第1保持装置と第2保持装置とが移動する様子を示す概略平面図である。
図4】実施の形態に係る容器搬送装置の通常搬送時において、受け渡し位置で第1保持装置と第2保持装置との間で容器を受け渡す様子を示す概略図である。
図5】実施の形態に係る容器搬送装置において、第1搬送機構の停止開始時における第1保持装置および第2保持装置の様子を示す概略平面図である。
図6】実施の形態に係る容器搬送装置において、第1搬送機構が完全に停止した状態における第1保持装置および第2保持装置の様子を示す概略平面図である。
図7】実施の形態に係る容器搬送装置において、第1搬送機構が完全に停止した状態において受け渡し位置する第1保持装置と第2保持装置との様子を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0014】
図1は、実施の形態に係る容器搬送装置の概略図である。図1を参照して、容器搬送装置1について説明する。
【0015】
容器搬送装置1は、第1搬送機構2および第2搬送機構3を備え、第1搬送機構2側から第2搬送機構3側に容器90(図3参照)を搬送する。第1搬送機構2および第2搬送機構3は、後述する回転体23に設けられた保持装置と回転体31に設けられた保持装置との間で容器90の受け渡しが可能となるように構成されている。容器90は、たとえば、ペットボトル等の合成樹脂で構成されるボトルであるが、これに限定されず、ガラス製の容器、ブロー容器、デラミボトル等を適宜採用することができる。
【0016】
第1搬送機構2は、容器90の搬送方向において、第2搬送機構3の上流側に設けられている。図1においては、第1搬送機構2と第2搬送機構3との境界をBLで示している。第1搬送機構2は、たとえば、充填ライン等である。第1搬送機構2は、上記搬送方向において上流側から順に配置された複数の回転体21、22、23を含む。回転体23は、第1回転体に相当する。
【0017】
複数の回転体21、22、23は、それぞれ、矢印AR1、AR2、AR3で示す方向に回転する。複数の回転体21、22、23は、後述する容器90の受け渡し位置において、回転方向が同一方向となるように回転する。容器90は、回転体21側から回転体23側に搬送される。
【0018】
複数の回転体21、22、23の各々には、容器90を保持するための複数の保持装置が設けられている。各回転体に設けられた複数の保持装置は、各回転体の周方向に並んで配置されている。
【0019】
なお、回転体21、23に設けられた複数の保持装置の各々は、後述する第1保持装置40と(図3参照)ほぼ同様の構成を有する。回転体22に設けられた複数の保持装置の各々は、後述する第2保持装置50(図4参照)とほぼ同様の構成を有する。
【0020】
互いに隣り合う回転体の各々に設けられた複数の保持装置は、互いに隣り合う回転体の回転に伴って順次受け渡し位置に到達し、当該受け渡し位置において、互いに隣り合う回転体のうち上流側に配置された回転体に設けられた保持装置から、互いに隣り合う回転体のうち下流側に配置された回転体に設けられた保持装置に容器90が受け渡される。
【0021】
すなわち、回転体21に設けられた複数の保持装置の各々、および回転体22に設けられた複数の保持装置の各々は、回転体21および回転体22の回転体に伴って受け渡し位置P1に順次到達し、当該受け渡し位置P1にて、回転体21に設けられた保持装置から回転体22に設けられた保持装置に容器90が受け渡される。
【0022】
同様に、回転体22に設けられた複数の保持装置の各々、および回転体23に設けられた複数の保持装置の各々は、回転体22および回転体23の回転に伴って受け渡し位置P2に順次到達し、当該受け渡し位置P2にて、回転体22に設けられた保持装置から回転体23に設けられた保持装置に容器90が受け渡される。
【0023】
また、上記においては、第1搬送機構2に含まれる回転体の個数が3つである場合を例示して説明したが、これに限定されない。第1搬送機構2の最も下流側において回転体23が設けられる限り、第1搬送機構2に含まれる回転体の個数は、単数でもよいし、2つでもよいし、4つ以上であってもよい。
【0024】
第2搬送機構3は、上記搬送方向において、第1搬送機構2の下流側に設けられている。第2搬送機構3は、たとえば、充填ラインの後工程であり、充填された容器90を搬送する搬送ラインを含む。第2搬送機構3は、上記搬送方向において上流側から順に配置された複数の回転体31、32を含む。回転体31は、第2回転体に相当する。
【0025】
複数の回転体31、32は、それぞれ、矢印AR4、AR5で示す方向に回転する。複数の回転体31、32は、後述する容器90の受け渡し位置において、回転方向が同一方向となるように回転する。容器90は、回転体31側から回転体32側に搬送される。
【0026】
複数の回転体31、32の各々には、容器90を保持するための複数の保持装置が設けられている。各回転体に設けられた複数の保持装置は、各回転体の周方向に並んで配置されている。なお、回転体31は、第2回転体に相当する。
【0027】
回転体31は、上述する第1搬送機構2の回転体23に隣り合うように配置されている。回転体31に設けられた複数の保持装置の各々、および上述の回転体23に設けられた複数の保持装置の各々は、回転体31および回転体23の回転体に伴って受け渡し位置P3に順次到達し、当該受け渡し位置P3にて、回転体23に設けられた保持装置から回転体31に設けられた保持装置に容器90が受け渡される。
【0028】
また、回転体31に設けられた複数の保持装置の各々、および回転体32に設けられた複数の保持装置の各々は、回転体31および回転体32の回転体に伴って受け渡し位置P4に順次到達し、当該受け渡し位置P4にて、回転体31に設けられた保持装置から回転体32に設けられた保持装置に容器90が受け渡される。
【0029】
なお、回転体31に設けられた複数の保持装置の各々は、第2保持装置50とほぼ同様の構成を有する。回転体32に設けられた複数の保持装置の各々は、第1保持装置40とほぼ同様の構成を有する。
【0030】
このように、回転体21から回転体32には、保持装置として第2保持装置50と第1保持装置40とが交互に設けられている。
【0031】
図2は、実施の形態に係る容器搬送装置の構成図である。図2を参照して、容器搬送装置1の構成について説明する。
【0032】
容器搬送装置1は、第1制御部25、停止検知部26、および第2制御部35をさらに備える。第1制御部25は、第1搬送機構2を制御する。第2制御部35は、第2搬送機構3を制御する。このように、第1搬送機構2および第2搬送機構3は、独立して制御される。このため、たとえば、第1搬送機構2を停止しつつ、第2搬送機構3を作動させることができる。また、第2搬送機構3を停止しつつ、第1搬送機構2を作動させることもできる。
【0033】
第1制御部25は、停止検知部26からの入力を受ける。停止検知部26は、たとえば、第1搬送機構2において異常が発生した際に作業員が停止ボタンを押すことにより、停止信号を検知する。また、停止検知部26は、容器90を種類を切り替える際に作業員が停止ボタンを押すことにより、停止信号を検知してもよい。さらには、停止検知部26は、第1搬送機構2を構成する部品に異常が生じたことをセンサにて検知することにより、停止信号を検知してもよい。
【0034】
停止検知部26が停止信号を検知した場合には、第1制御部25は、第1搬送機構2の動作を停止させる。なお、第1制御部25が第1搬送機構2の停止を開始してから第1搬送機構2が完全に停止するまでは、一定程度(特定的には、0.2秒から0.4秒程度)時間がかかる。
【0035】
なお、上記においては、第1搬送機構2側に停止検知部26が設けられている場合を例示するが、第2搬送機構3側においても同様に停止検知部が設けられていてもよい。
【0036】
図3は、実施の形態に係る容器搬送装置の通常搬送時において、第1保持装置と第2保持装置とが移動する様子を示す概略平面図である。図4は、実施の形態に係る容器搬送装置の通常搬送時において、受け渡し位置で第1保持装置と第2保持装置との間で容器を受け渡す様子を示す概略図である。図3および図4を参照して、第1保持装置40、および第2保持装置50、ならびに、これらの通常搬送時に様子について説明する。
【0037】
図3に示すように、第1保持装置40は、開閉可能に設けられた把持部を含む。当該把持部は、第1把持爪部41および第2把持爪部42を有し、容器90の側方側から容器90を挟みこむことにより、容器90を保持する。より特定的には、第1把持爪部41および第2把持爪部42は、容器90が有するフランジ部95(図4参照)の直下で容器90のネック部を挟み込む。
【0038】
第1把持爪部41および第2把持爪部42は、それぞれの揺動軸43、44を中心に揺動可能に設けられている。第1把持爪部41および第2把持爪部42の先端側が互いに離れるように揺動することにより、把持部は開状態となり、把持部による容器90の保持が解除される。一方、第1把持爪部41および第2把持爪部42の先端側が互いに近づくように揺動することにより、把持部は閉状態となり、容器90が保持された状態となる。
【0039】
第1把持爪部41および第2把持爪部42は、不図示の弾性付勢部材によって閉状態となる方向に付勢されている。第1保持装置40は、被押圧部としてのカムフォロア45を有する。カムフォロア45は、カム27に押圧されることにより、上記弾性付勢部材の付勢力に抗して第1把持爪部41および第2把持爪部42を揺動させる。これにより、第1把持爪部41および第2把持爪部42が開く。
【0040】
上記カム27は、受取位置P3の近傍において第1把持爪部41および第2把持爪部42の根元側に配置されている。カム27は、受け渡し位置P3からそのやや下流側に位置する第1保持装置40のカムフォロア45を押圧可能に設けられている。
【0041】
図4に示すように、第2保持装置50は、昇降可能に設けられた押さえ部51、支持部54、およびカムフォロア55を有する。押さえ部51は、上下方向(容器90の軸方向)と平行な方向に沿って延びるアーム部52と、アーム部52の先端側で拡径する拡径部53とを含む。拡径部53は、略有底筒状に設けられている。拡径部53は、容器90のキャップ部98に覆い被さりつつ、キャップ部98の上面を押圧可能に設けられている。
【0042】
アーム部52の根元側は、支持部54に指示されている。支持部54にはカムフォロア55が設けられている。カムフォロア55が、第2搬送機構3に設けられたカム37に押圧されることにより、支持部54が下方に移動する。この際、アーム部52も支持部54とともに下方に移動し、アーム部52の先端に設けられた拡径部53が、容器90(より特定的にはキャップ部98)を下方に向けて押圧する。当該拡径部53は、押さえ部51が最も下方に下降した場合に、第1保持装置40(より特定的には、第1把持爪部41および第2把持爪部42)の上方側で、キャップ部98を押圧する。このため、押さえ部51と、第1保持装置40とは干渉しない。
【0043】
なお、カム37は、回転体31の上流側に位置する受け渡し位置P3から下流側に位置する受け渡し位置P4まで、押さえ部51が容器90を押さえた状態が維持されるように形成されている。
【0044】
上記においては、押さえ部51が、カム機構によって昇降する場合を例示して説明したが、これに限定されず、モータ等の電気を動力源とする機器によって昇降されてもよい。
【0045】
再び図3に示すように、通常の搬送時には、回転体23側においては、上流側に位置する受け渡し位置P2で容器90を保持した第1保持装置40は、容器90を保持した状態を維持しつつ、回転体23の回転に伴って、下流側に位置する受け渡し位置P3に到達する。
【0046】
受け渡し位置P3に到達した第1保持装置40は、カムフォロア45がカム27に当接する。当該第1保持装置40は、受け渡し位置P3から下流側に移動するにつれて、カムフォロア45がカム27に相対的に押圧されることにより、所定の位置で把持部が開状態となり、第1保持装置40による容器90の保持が解除される。
【0047】
その一方で、受け渡し位置P3において、容器90は、第2保持装置50に保持されている。このため、第1保持装置40による保持が解除された容器90は、回転体31の回転に伴って第2保持装置50が回転することにより、当該第2保持装置50に保持された状態で、下流側に位置する受け渡し位置P4まで搬送される。
【0048】
図5は、実施の形態に係る容器搬送装置において、第1搬送機構の停止開始時における第1保持装置および第2保持装置の様子を示す概略平面図である。図5を参照して、第1搬送機構2の停止開始時における第1保持装置40および第2保持装置50の様子について説明する。
【0049】
図5に示すように、第1搬送機構2は、押圧部としてのカム28を含む。上記停止検知部26によって停止信号が検知され、第1制御部25が、第1搬送機構2を停止させる際には(より特定的には、第2搬送機構3が作動中に第1搬送機構2が停止される際には)、第1制御部25は、回転体23の回転を停止させつつ、受け渡し位置P3よりも回転体23の回転方向上流側に位置する解除位置で第1保持装置40による容器90の解除をする。
【0050】
この際、第1制御部25は、解除位置に位置する第1保持装置40のカムフォロア45がカム28に押圧されるように、当該カム28を移動させる。解除位置でカムフォロア45がカム28に押圧されることにより、上述のように第1把持爪部41および第2把持爪部42が開き、第1保持装置40による容器90の保持が解除される。
【0051】
この場合には、保持が解除されることで容器90は下方に落下し、第1搬送機構2から外部に排斥される。解除位置の下方には、不図示の回収部が設けられており、落下した容器90は、回収部によって回収される。
【0052】
回転体23の回転の停止が開始されてから完全に停止するまでの間には、上述の通り一定の時間を要するため、当該時間に解除位置に順次到達した第1保持装置40では、容器90の保持が解除されていく。
【0053】
一方で、解除位置と受け渡し位置P3との位置に間に位置する第1保持装置40の各々は、回転体23の回転の停止が開始されてから完全に停止するまでの間に、容器90を保持した状態で、回転体23の回転に伴って順次受け渡し位置P3に到達し、回転体31の回転に伴って順次受け渡し位置P3に到達する第2保持装置50との間で容器90の受け渡しを行なう。
【0054】
図6は、実施の形態に係る容器搬送装置において、第1搬送機構が完全に停止した状態における第1保持装置および第2保持装置の様子を示す概略平面図である。図6を参照して、第1搬送機構2が完全に停止した状態における第1保持装置40および第2保持装置50の様子について説明する。
【0055】
図6に示すように、第1搬送機構2が完全に停止した状態においては、上述のように回転体23の回転の停止開始時に解除位置にいた第1保持装置40は、受け渡し位置P3で停止する。なお、上記停止開始時に解除位置にいた第1保持装置40は、受け渡し位置P3から回転方向の上流側または下流側にずれた位置で停止していてもよい。すなわち、回転体23の回転の停止開始時に解除位置にいた第1保持装置40は、完全停止時に、受け渡し位置P3の近傍に位置する。
【0056】
一方で受け渡し位置P3の近傍で停止した第1保持装置40よりも、回転体23の回転方向下流側に位置する第1保持装置40は、上述で説明したように回転体23の回転の停止が開始されてから完全に停止するまでの間に、受け渡し位置P3で第2保持装置50との間で容器90の受け渡しを行なったことにより、容器90を保持しない状態で停止している。
【0057】
同様に、回転体23の回転の停止開始時から完全停止時までの間に上記解除位置を通過した第1保持装置40(すなわち、完全停止時に解除位置よりも回転体23の回転方向下流側に位置し、かつ、受け渡し位置P3よりも回転体23の回転方向上流側に位置する第1保持装置)は、解除位置で容器90の保持が解除されることから、容器90を保持しない状態で停止している。
【0058】
第1搬送機構2が停止した状態においては、上述のように受け渡し位置P3にいる第1保持装置40は、上方から見た場合に、回転体31の回転に伴って第2保持装置50が回転移動することで形成される第2保持装置50の回転軌跡に重なる位置で停止している。また、受け渡し位置P3に位置する第1保持装置40は、容器90を保持していない状態で停止している。
【0059】
同様に、受け渡し位置P3の下流側において、上方から見た場合に、第2保持装置50の上記回転軌跡に重なる位置で停止した第1保持装置40も、容器90を保持していない状態で停止している。
【0060】
一方で、受け渡し位置P3、および当該受け渡し位置P3の下流側に位置する第2保持装置50(より特定的には、押さえ部51)は、下降した状態で回転体31の回転方向に沿って回転している。
【0061】
また、受け渡し位置P3の上流側において、第2保持装置50の上記回転軌跡に重なる位置で停止した第1保持装置40が停止している場合には、当該第1保持装置40も、容器90を保持していない。
【0062】
図7は、実施の形態に係る容器搬送装置において、第1搬送機構が完全に停止した状態において受け渡し位置する第1保持装置と第2保持装置との様子を示す概略図である。
【0063】
図7に示すように、第2保持装置50の上記回転軌跡に重なる位置で停止した第1保持装置40は、容器90を保持していないことから、第2保持装置50が下降した場合であっても、第2保持装置50が容器90と干渉することが防止できる。加えて、上述のように、押さえ部51が最も下方に下降した場合であっても、押さえ部51は、第1保持装置40(より特定的には、第1把持爪部41および第2把持爪部42)の上方に位置することから、第2保持装置50と第1保持装置40とが干渉することも防止できる。この結果、第2回転体31の回転を維持することができ、ひいては、第2機構3が作動した状態を維持することができる。
【0064】
以上のように、互いに隣り合うように配置された第1回転体および第2回転体の回転に伴って、受け渡し位置に到達する第1保持装置と第2保持装置との間で、容器の受け渡しが可能に設けられた本実施の形態に係る容器搬送装置1にあっては、回転体23の回転を停止した場合であっても、解除位置で第1保持装置40による容器90の保持を解除させる解除機構を設けた簡素な構成で、第2保持装置50と容器90との干渉を回避することができる。
【0065】
(その他の変形例)
なお、上述した実施の形態においては、第1搬送機構2において第1回転体として回転体23に設けられた保持装置が、第1保持装置40であり、当該回転体23に隣り合うように配置された第2回転体としての回転体31に設けられた保持装置が、第2保持装置50である場合を例示して説明したがこれに限定されない。上述のように、第2搬送機構3を作動させつつ、第1搬送機構2を停止させる際に、解除位置で容器90の保持を解除して第1搬送機構2から容器90を排斥できる限り、回転体23に設けられた保持装置が、第2保持装置50であり、回転体31に設けられた保持装置が、第1保持装置40であってもよい。
【0066】
以上、今回発明された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0067】
1 容器搬送装置、2 第1搬送機構、3 第2搬送機構、21,22,23 回転体、25 第1制御部、26 停止検知部、27,28 カム、31,32 回転体、35 第2制御部、37 カム、40 第1保持装置、41 第1把持爪部、42 第2把持爪部、43 揺動軸、45 カムフォロア、50 第2保持装置、51 押さえ部、52 アーム部、53 拡径部、54 支持部、55 カムフォロア、90 容器、95 フランジ部、98 キャップ部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7