(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154325
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】空間活用情報提示装置、空間活用情報提示方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20120101AFI20221005BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021057292
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(71)【出願人】
【識別番号】302038316
【氏名又は名称】株式会社エフエム・ソリューション
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】竹内 彰
(72)【発明者】
【氏名】大川 明子
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 一
(72)【発明者】
【氏名】中島 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】中村 留理
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】対象者が活動しやすく、望ましい活動を実現する活動空間を検討するための空間活用情報を提示する。
【解決手段】空間活用情報提示装置1は、複数の対象者によって用いられる活動エリアを含む活動空間における空間活用情報を提示し、対象者それぞれの望ましい活動情報を取得する活動情報取得部10と、活動情報に基づいて空間活用情報を生成する空間活用情報生成部20とを備え、活動情報は、所属部署に係る所属情報を含み、対象者を識別する識別情報と、活動種類を示す活動内容情報と、活動場所を示す活動場所情報と、活動の時間帯などの時間情報とを含み、空間活用情報生成部20は、活動時間集計情報を生成する活動時間集計部23を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一人または複数の対象者によって用いられる少なくとも一つの活動エリアを含む活動空間における空間活用情報を提示する空間活用情報提示装置であって、
前記対象者それぞれの望ましい活動情報を取得する活動情報取得部と、
取得した複数の活動情報に基づいて空間活用情報を生成する空間活用情報生成部とを備え、
前記活動情報は、
少なくとも前記対象者に係る所属情報を含み、前記対象者を識別する識別情報と、
活動種類を示す活動内容情報と、
前記活動内容情報と対応し、前記活動内容情報で示される活動場所を示す活動場所情報と、
前記活動内容情報と対応し、前記活動内容情報で示される活動の時間帯、時間及び単位時間の数を示す単位時間数の少なくとも一つを含む時間情報とを含み、
前記空間活用情報生成部は、
前記所属部署、前記活動種類または前記活動種類によってグルーピングされた活動種類グループ、及び、前記活動場所または前記活動場所によってグルーピングされた活動場所グループの少なくとも一つをパラメータとして、当該パラメータと紐づく活動の時間または時間に係る量を集計した活動時間集計情報を前記空間活用情報として生成する活動時間集計部を有する
空間活用情報提示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の空間活用情報提示装置において、
前記活動情報は、さらに
前記活動内容情報と対応し、前記活動内容情報で示される活動の主催を示す主催情報を含む空間活用情報提示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の空間活用情報提示装置において、
前記活動情報は、さらに
前記活動内容情報と対応し、前記活動内容情報で示される活動における作業そのものに用いる作業ツール、作業結果を示すために用いる出力ツール、対象者と相手とのコミュニケーションに用いるコミュニケーションツールの少なくとも一つを含むツール情報を含む空間活用情報提示装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空間活用情報提示装置において、
前記活動情報は、さらに、
前記活動内容情報と対応し、前記活動内容情報で示される活動の参加人数を示す参加人数情報を含む空間活用情報提示装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の空間活用情報提示装置において、
前記空間活用情報生成部は、
前記所属部署ごとに、前記活動情報の前記時間情報によって示される回答時間総数を求めるとともに、前記所属部署と、対応する所属人数が予め紐づけられ、記憶部に記憶された所属人数テーブルを参照し、前記所属部署ごとの総対象時間を求め、前記回答総数と前記総対象時間とに基づいて、回答人数補正値を求める補正値演算部を有し、
前記活動時間集計部は、前記回答人数補正値によって補正された前記活動の時間または時間に係る量を集計する空間活用情報提示装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の空間活用情報提示装置において、
前記活動時間集計部は、前記活動時間集計情報として、前記活動内容情報によって示される前記活動種類ごとに、活動種類グループが予め紐づけられ、記憶部に記憶された活動種類テーブルを参照し、前記所属部署ごとに、特定の前記活動種類グループの前記活動種類を実施する時間、または、当該時間の全体の活動時間に対する割合を生成する空間活用情報提示装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の空間活用情報提示装置において、
前記活動時間集計部は、前記活動時間集計情報として、前記活動場所情報によって示される前記活動場所ごとに、前記活動場所グループが予め紐づけられ、記憶部に記憶された活動場所テーブルを参照し、前記所属部署ごとに、特定の前記活動場所グループの前記活動場所で活動を実施する時間、または、当該時間の全体の活動時間に対する割合を生成する空間活用情報提示装置。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の空間活用情報提示装置において、
前記活動時間集計情報が示す値の範囲によって示される複数の分類が予め設定され、記憶部に記憶された分類テーブルを参照し、各前記所属部署の前記集計時間集計情報に基づいて、複数の所属部署を、複数の関係グループに分類する部署分類情報を、空間活用情報として求める部署分類部を備える空間活用情報提示装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の空間活用情報提示装置において、
前記空間活用情報生成部は、
前記活動場所ごとに使用什器が予め紐づけられ、記憶部に記憶された使用什器テーブルを参照し、前記活動時間集計部によって集計された前記活動場所ごとの前記活動の時間または時間に係る量に基づいて、前記活動場所ごとに前記使用什器の数を、前記空間活用情報として求める什器数演算部を備える空間活用情報提示装置。
【請求項10】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の空間活用情報提示装置において、
前記活動空間の制約条件を含む活動空間情報を取得する活動エリア情報取得部と、
什器の種類、平面寸法を含む什器情報を取得する什器情報取得部と、
前記空間活用情報と、前記活動空間情報と、前記什器情報とに基づいて、前記活動空間の什器レイアウトを生成するレイアウト生成部とを備える空間活用情報提示装置。
【請求項11】
一人または複数の対象者によって用いられる少なくとも一つの活動エリアを含む活動空間における空間活用情報を提示する空間活用情報提示方法であって、
前記対象者それぞれの望ましい活動情報を取得する活動情報取得ステップと、
取得した複数の活動情報に基づいて空間活用情報を生成する空間活用情報生成ステップとを備え、
前記活動情報は、
少なくとも前記対象者に係る所属情報を含み、前記対象者を識別する識別情報と、
活動種類を示す活動内容情報と、
前記活動内容情報と対応し、前記活動内容情報で示される活動場所を示す活動場所情報と、
前記活動内容情報と対応し、前記活動内容情報で示される活動の時間帯、時間及び単位時間の数を示す単位時間数の少なくとも一つを含む時間情報とを含み、
前記空間活用情報生成ステップは、
前記所属部署、前記活動種類または前記活動種類によってグルーピングされた活動種類グループ、及び、前記活動場所または前記活動場所によってグルーピングされた活動場所グループの少なくとも一つをパラメータとして、当該パラメータと紐づく活動の時間または時間に係る量を集計した活動時間集計情報を前記空間活用情報として生成する活動時間集計ステップを有する空間活用情報提示方法。
【請求項12】
一人または複数の対象者によって用いられる少なくとも一つの活動エリアを含む活動空間における空間活用情報を提示する空間活用情報提示装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記対象者それぞれの望ましい活動情報を取得する活動情報取得手段と、及び、
取得した複数の活動情報に基づいて空間活用情報を生成する空間活用情報生成手段として機能させ、
前記活動情報は、
少なくとも前記対象者に係る所属情報を含み、前記対象者を識別する識別情報と、
活動種類を示す活動内容情報と、
前記活動内容情報と対応し、前記活動内容情報で示される活動場所を示す活動場所情報と、
前記活動内容情報と対応し、前記活動内容情報で示される活動の時間帯、時間及び単位時間の数を示す単位時間数の少なくとも一つを含む時間情報とを含み、
前記空間活用情報生成手段は、
前記所属部署、前記活動種類または前記活動種類によってグルーピングされた活動種類グループ、及び、前記活動場所または前記活動場所によってグルーピングされた活動場所グループの少なくとも一つをパラメータとして、当該パラメータと紐づく活動の時間または時間に係る量を集計した活動時間集計情報を前記空間活用情報として生成する活動時間集計手段を含む
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間活用情報提示装置、空間活用情報提示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、オフィスなどの活動空間を設計するための支援装置が提案されている。例えば、特許文献1では、機能空間要素の機能を具象した複数のアイコンと、アイコンにそれぞれ対応した機能空間要素の具体的態様を提示するための態様例を格納する態様例格納手段と、アイコンに基づいて、態様例格納手段に格納している態様例を検索するための態様例検索手段とを具備し、態様例検索手段で検索して得た態様例を提示し得るように構成しているオフィスレイアウト支援装置が提案されている。
【0003】
また、特許文献2では、オフィスなどの活動空間を有効に活用することを目的として、また、働きやすさ、コミュニティの向上などを目的として、活動空間を解析する技術が提案されている。すなわち、特許文献2では、現在の解析対象エリア内の利用状況の情報を提供するためのシステムであって、解析対象エリア内に存在する人物を識別する人物識別情報と、解析対象エリア内に設けられた複数の小エリアのうち前記人物識別情報で特定される人物が位置する小エリアの識別情報と、当該小エリアの識別情報で示される小エリアに前記人物識別情報で特定される人物が存在する存在時刻とを取得し、当該取得した人物識別情報と小エリアの識別情報と存在時刻との組み合わせを蓄積し、蓄積された複数の前記人物識別情報と小エリアの識別情報と存在時刻との組み合わせの情報に基づいて、小エリアそれぞれの利用状況を解析する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-301706号公報
【特許文献2】特開2012-118727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、レイアウトを設計するための操作支援をするのみで、どのような視点でレイアウトするのが望ましいかなど考え方を支援することはできなかった。また、特許文献2に記載された技術では、現状の働き方やコミュニティを解析してレイアウトに反映させることができるものの、新しい視点や現状の働き方と異なる対象者のニーズを反映させることはできなかった。
【0006】
近年、フリーアドレス制を新たに導入するオフィスなどの活動空間、テレワークを推進する活動空間、部署間での相乗効果を求める活動空間が求められる中で、対象者が活動しやすい活動空間、対象者にとって望ましい活動するための考え方を導入するための支援が求められていた。
【0007】
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、対象者が活動しやすく、望ましい活動を実現する活動空間を検討するための空間活用情報を提示することが可能な空間活用情報提示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明の一態様に係る空間活用情報提示装置は、一人または複数の対象者によって用いられる少なくとも一つの活動エリアを含む活動空間における空間活用情報を提示する空間活用情報提示装置であって、前記対象者それぞれの望ましい活動情報を取得する活動情報取得部と、取得した複数の活動情報に基づいて空間活用情報を生成する空間活用情報生成部とを備え、前記活動情報は、少なくとも前記対象者に係る所属情報を含み、前記対象者を識別する識別情報と、活動種類を示す活動内容情報と、前記活動内容情報と対応し、前記活動内容情報で示される活動場所を示す活動場所情報と、前記活動内容情報と対応し、前記活動内容情報で示される活動の時間帯、時間及び単位時間の数を示す単位時間数の少なくとも一つを含む時間情報とを含み、前記空間活用情報生成部は、前記所属部署、前記活動種類または前記活動種類によってグルーピングされた活動種類グループ、及び、前記活動場所または前記活動場所によってグルーピングされた活動場所グループの少なくとも一つをパラメータとして、当該パラメータと紐づく活動の時間または時間に係る量を集計した活動時間集計情報を前記空間活用情報として生成する活動時間集計部を有する。
【0009】
また、上記空間活用情報提示装置において、前記活動情報は、さらに前記活動内容情報と対応し、前記活動内容情報で示される活動の主催を示す主催情報を含んでも良い。
【0010】
また、上記空間活用情報提示装置において、前記活動情報は、さらに前記活動内容情報と対応し、前記活動内容情報で示される活動における作業そのものに用いる作業ツール、作業結果を示すために用いる出力ツール、対象者と相手とのコミュニケーションに用いるコミュニケーションツールの少なくとも一つを含むツール情報を含んでも良い。
【0011】
また、上記空間活用情報提示装置において、前記活動情報は、さらに、前記活動内容情報と対応し、前記活動内容情報で示される活動の参加人数を示す参加人数情報を含んでも良い。
【0012】
また、上記空間活用情報提示装置において、前記空間活用情報生成部は、前記所属部署ごとに、前記活動情報の前記時間情報によって示される回答時間総数を求めるとともに、前記所属部署と、対応する所属人数が予め紐づけられ、記憶部に記憶された所属人数テーブルを参照し、前記所属部署ごとの総対象時間を求め、前記回答総数と前記総対象時間とに基づいて、回答人数補正値を求める補正値演算部を有し、前記活動時間集計部は、前記回答人数補正値によって補正された前記活動の時間または時間に係る量を集計するものとしても良い。
【0013】
また、上記空間活用情報提示装置において、前記活動時間集計部は、前記活動時間集計情報として、前記活動内容情報によって示される前記活動種類ごとに、活動種類グループが予め紐づけられ、記憶部に記憶された活動種類テーブルを参照し、前記所属部署ごとに、特定の前記活動種類グループの前記活動種類を実施する時間、または、当該時間の全体の活動時間に対する割合を生成するものとしても良い。
【0014】
また、上記空間活用情報提示装置において、前記活動時間集計部は、前記活動時間集計情報として、前記活動場所情報によって示される前記活動場所ごとに、前記活動場所グループが予め紐づけられ、記憶部に記憶された活動場所テーブルを参照し、前記所属部署ごとに、特定の前記活動場所グループの前記活動場所で活動を実施する時間、または、当該時間の全体の活動時間に対する割合を生成するものとしても良い。
【0015】
また、上記空間活用情報提示装置において、前記活動時間集計情報が示す値の範囲によって示される複数の分類が予め設定され、記憶部に記憶された分類テーブルを参照し、各前記所属部署の前記集計時間集計情報に基づいて、複数の所属部署を、複数の関係グループに分類する部署分類情報を、空間活用情報として求める部署分類部を備えるものとしても良い。
【0016】
また、上記空間活用情報提示装置において、前記空間活用情報生成部は、前記活動場所ごとに使用什器が予め紐づけられ、記憶部に記憶された使用什器テーブルを参照し、前記活動時間集計部によって集計された前記活動場所ごとの前記活動の時間または時間に係る量に基づいて、前記活動場所ごとに前記使用什器の数を、前記空間活用情報として求める什器数演算部を備えるものとしても良い。
【0017】
また、上記空間活用情報提示装置において、前記活動空間の制約条件を含む活動空間情報を取得する活動エリア情報取得部と、什器の種類、平面寸法を含む什器情報を取得する什器情報取得部と、前記空間活用情報と、前記活動空間情報と、前記什器情報とに基づいて、前記活動空間の什器レイアウトを生成するレイアウト生成部とを備えるものとしても良い。
【0018】
また、本発明の一態様に係る空間活用情報提示方法は、一人または複数の対象者によって用いられる少なくとも一つの活動エリアを含む活動空間における空間活用情報を提示する空間活用情報提示方法であって、前記対象者それぞれの望ましい活動情報を取得する活動情報取得ステップと、取得した複数の活動情報に基づいて空間活用情報を生成する空間活用情報生成ステップとを備え、前記活動情報は、少なくとも前記対象者が所属する所属部署に係る所属情報を含み、前記対象者を識別する識別情報と、活動種類を示す活動内容情報と、前記活動内容情報と対応し、前記活動内容情報で示される活動場所を示す活動場所情報と、前記活動内容情報と対応し、前記活動内容情報で示される活動の時間帯、時間及び単位時間の数を示す単位時間数の少なくとも一つを含む時間情報とを含み、前記空間活用情報生成ステップは、前記所属部署、前記活動種類または前記活動種類によってグルーピングされた活動種類グループ、及び、前記活動場所または前記活動場所によってグルーピングされた活動場所グループの少なくとも一つをパラメータとして、当該パラメータと紐づく活動の時間または時間に係る量を集計した活動時間集計情報を前記空間活用情報として生成する活動時間集計ステップを有する。
【0019】
また、本発明の一態様に係るプログラムは、一人または複数の対象者によって用いられる少なくとも一つの活動エリアを含む活動空間における空間活用情報を提示する空間活用情報提示装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記対象者それぞれの望ましい活動情報を取得する活動情報取得手段と、及び、取得した複数の活動情報に基づいて空間活用情報を生成する空間活用情報生成手段として機能させ、前記活動情報は、少なくとも前記対象者が所属する所属部署に係る所属情報を含み、前記対象者を識別する識別情報と、活動種類を示す活動内容情報と、前記活動内容情報と対応し、前記活動内容情報で示される活動場所を示す活動場所情報と、前記活動内容情報と対応し、前記活動内容情報で示される活動の時間帯、時間及び単位時間の数を示す単位時間数の少なくとも一つを含む時間情報とを含み、前記空間活用情報生成手段は、前記所属部署、前記活動種類または前記活動種類によってグルーピングされた活動種類グループ、及び、前記活動場所または前記活動場所によってグルーピングされた活動場所グループの少なくとも一つをパラメータとして、当該パラメータと紐づく活動の時間または時間に係る量を集計した活動時間集計情報を前記空間活用情報として生成する活動時間集計手段を含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、対象者が活動しやすく、望ましい活動を実現する活動空間を検討するための空間活用情報を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1の実施形態の空間活用情報提示装置の機能構成を説明するブロック図である。
【
図2】第1の実施形態の活動内容情報を説明する説明図である。
【
図3】第1の実施形態の活動場所情報を説明する説明図である。
【
図4】第1の実施形態の入力フォームを説明する説明図である。
【
図5】第1の実施形態の集合データを説明する説明図である。
【
図6】第1の実施形態の空間活用情報提示装置において活動時間集計部で集計した結果の一例であり、活動種類ごとに、かつ、活動場所ごとの集計した活動時間集計情報を示す説明図である。
【
図7】第1の実施形態の空間活用情報提示装置において活動時間集計部で集計した結果の一例であり、部署ごとに、かつ、活動種類及び活動場所の区分ごとの集計した活動時間集計情報を示す説明図である。
【
図8】第1の実施形態の空間活用情報提示装置において部署分類部で分類した結果である部署分類情報を説明する説明図である。
【
図9】第1の実施形態の使用什器テーブルを説明する説明図である。
【
図10】第1の実施形態の空間活用情報提示装置において什器数演算部で生成した使用什器数情報を説明する説明図である。
【
図11】第1の実施形態の空間活用情報提示装置のハード構成を説明するブロック図である。
【
図12】第1の実施形態の空間活用情報提示方法を説明するフロー図である。
【
図13】第2の実施形態の空間活用情報提示装置の機能構成を説明するブロック図である。
【
図14】第2の実施形態の空間活用情報提示方法を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1の実施形態)
以下、本発明に係る第1の実施形態の空間活用情報提示装置1及び空間活用情報提示方法を説明する。
本実施形態の空間活用情報提示装置1は、一人または複数の対象者によって用いられる活動空間において当該活動空間を活用するための空間活用情報を提示する装置である。ここで、活動空間とは、少なくとも一つの活動エリアを含む空間である。活動空間とは、例えばビル内に設けられるオフィス空間を示す。オフィス空間は、例えば、活動エリアとして、複数の対象者がそれぞれ作業をするための事務処理用デスクが配置されたデスクエリア、複数の対象者のうちの複数名が集合して打合せをするためのミーティングエリア、複数の対象者が共同で利用する共同設備エリアなどが含まれる。詳細は後述する。なお、活動空間は、オフィス空間に限られず、また、屋内にも限られない。少なくとも一つの活動エリアを含み、複数の対象者が活動する空間であればよい。また、複数の対象者とは、提示対象となる活動空間を利用する者であって、活動内容を調査する対象となる者である。空間活用情報とは、複数の対象者が当該活動空間において所定の目標や目的を達成するために望ましい活用状況を示す情報である。
【0023】
図1は、本実施形態の空間活用情報提示装置1の機能構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の空間活用情報提示装置1は、活動情報取得部10と、空間活用情報生成部20と、記憶部7とを備える。活動情報取得部10は、所定の目標や目的を達成するために望ましい活動として対象者が考える活動に関する情報として、当該対象者から提供された活動情報を取得する。活動情報取得部10は、複数の対象者から取得した活動情報を順次記憶部7に記憶していく。
【0024】
ここで、活動情報は、識別情報と、活動内容情報と、活動場所情報と、時間情報とを少なくとも含む。識別情報は、回答者である対象者を識別するための情報である。識別情報は、少なくとも対象者に係る所属情報を含む。本実施形態では、所属情報は、対象者が所属する所属部署に関する情報を含む。所属情報は、部門・部・課などの複数の階層で構成されていても良いし、部のみなど単一の階層で構成されていても良い。また、所属情報は、所属部署名に代えて、または、所属部署名とともに、所属部署を示すコードを含んでいても良い。例えば、コード1、2、3・・・により1部、2部、3部・・・と所属部署を示すようにしても良い。また、コードを複数桁とすることによって、上位の桁を、上位階層を示す記号とし、下位の桁を、下位階層を示す記号としても良い。例えば、第1部門第1部をコード11と示すとともに、第2部門第3部をコード23と示すようにしても良い。また、所属情報は、職位、役職または職種などの情報を含んでも良い。すなわち、所属情報は、所属部署、職位、役職者または職種など、対象者の組織上のカテゴリを示す情報を含んでいる。
【0025】
また、識別情報は、個人を識別するための個人識別情報を含んでも良い。個人識別情報を含むことにより、同一対象者からの重複回答を識別または制限することが可能となる。なお、同一の対象者が同一時間で異なる活動を実施するような複数の回答をしない限り、個人識別情報を含まないようにしても良い。個人識別情報としては、個人を特定できる個人特定情報であっても良いし、個人を特定できない個人不特定情報であっても良い。個人特定情報としては、例えば氏名、社員番号などが挙げられる。個人不特定情報としては、予めランダムに割り当てられるとともに、割り当てた後は固有かつ個人と紐づかない番号などが挙げられる。
【0026】
活動内容情報は、対象者が実施する活動の活動種類を示す。具体的には、活動内容情報は、例えば
図2に示すように、複数の活動種類によって分けられる。なお、以下においては説明の簡略化のため、
図2における記号を用いて説明することがある。例えば、「1人で事務処理」で示される活動種類の活動内容情報を活動Aと示すことがある。ここで、活動Cの収束思考とは例えば収集したアイデアをまとめる活動を含む。また、活動Dの拡散思考とは例えばアイデア出しを行う活動を含む。また、活動Iの情報伝達とは、参加者への説明や周知を行う活動を含む。また、活動Jの意見収集とは、参加者から能動的に発信される意見を主催者が収集する活動だけでなく、主催者からの聴取により参加者から受動的に発信される意見を収集する活動も含む。また、活動Nの移動とは、自社の拠点間移動や、他社や顧客への移動などを含む。また、活動E、Mの休憩とは、単なる休憩だけでなく、気分転換のための活動や、食事なども含み、複数人の場合には雑談などのコミュニケーション活動も含む。活動の勤務外とは、休暇、早退、欠勤などを含む。
図2に示す活動種類、活動種類の定義づけは一例にすぎず、一部の活動種類を削除したり、他の活動種類を追加したり、
図2で定義される各活動種類を、活動の性質等に応じて複数の活動種類に分割したり、複数の活動種類をまとめたりしても良い。
【0027】
また、活動内容情報は、その活動種類の性質に応じて複数の活動区分に区分することができる。例えば、活動A、Lは、具体的な作業を行う活動として作業活動に区分できる。また、活動F、Iは、情報や意思の伝達を行う活動として伝達活動に区分できる。活動B、Jは、情報やアイデアを収集する活動として収集活動に区分できる。活動D、Hは、アイデアを創作する活動として創作活動に区分できる。活動C、Gは、情報やアイデアを整理し、判断する活動として整理・判断活動に区分できる。また、活動E、Mは、休憩をとる点で共通し休憩活動に区分できる。また、活動Kを秘匿性の高い活動として秘匿活動に区分しているが、単数での活動においても秘匿活動に区分される活動種類を定義しても良い。
【0028】
また、活動内容情報は、その活動種類が単数、すなわち個人で実施する活動か、複数で実施する活動かに応じて2種類の人数区分に区分することができる。複数についてはチームと不特定多数の集合とを分けて区分しても良い。また、不特定多数の集合は、それぞれが単数で活動するものとして定義しても良い。また、なお、活動Nについては単数、複数の区分以外の区分としているが、単数の移動と、複数の移動とで活動種類を分けても良い。また、活動Oについては単数の区分としているがその他の区分としても良いし、単数・複数の区分で異なる定義ができる場合には単数の勤務外、複数の勤務外と活動種類を分けても良い。
【0029】
また、活動内容情報は、その活動種類に係る活動が原則定型化された業務である定型業務と、その時々で活動の内容が変化する非定型の業務である非定型業務かに応じて定型・非定型区分に区分することができる。なお、
図2では、人数区分で単数に区分された活動のみについて定型・非定型区分を適用しているが、複数に区分された作業についても適用しても良い。
【0030】
また、活動内容情報は、その活動種類が参加者の中で、主催者等の特定の者から一方向で実施される活動か、参加者同士により双方向で実施される活動かに応じてコミュニケーション区分に区分することができる。なお、
図2では、人数区分で複数に区分された作業のみについて区分しているが、単数に区分された作業についても一方向に区分しても良い。
【0031】
以上のように、
図2に例示された活動種類は、例えば、活動区分、人数区分、定型・非定型区分、コミュニケーション区分によって区分されるが、これらの区分や複数の区分の組み合わせにより活動種類を定義、すなわち活動種類を上位概念化して定義しても良い。また、これらの区分は一例にすぎず、他の定義により区分しても良い。
【0032】
活動場所情報は、活動種類情報と対応している。すなわち、活動内容情報で示される活動を実施する活動場所を示す。具体的には、活動場所情報は、例えば
図3に示すように、複数の活動場所によって分けられる。なお、以下においては説明の簡略化のため、
図3における記号を用いて説明することがある。例えば、「固定席デスクエリア」で示される活動場所の活動場所情報を、場所01と示すことがある。
【0033】
ここで、場所01の固定席デスクエリアとは、個人の席に関して、個人と机及び椅子とが一対一で紐づけられている席を有するエリアである。また、場所02のフリーアドレス席デスクエリアとは、多数で共用する複数の机及び椅子が設けられ、利用時において個人の選択、管理者の指定などにより個人と席とが紐づけられる席を有するエリアである。また、場所03の集中作業エリアは、ブースなどで囲まれていることにより集中作業が可能な環境とされているエリアである。また、場所04のタッチダウンエリアは、対象となるオフィスの外から当該オフィス内に入って当該オフィスを利用する社内の者、例えば他の拠点の社員や出張者が利用可能なエリアである。場所05のオープンミーティングエリアは、囲いなどがない、または、囲いが限定的で原則会議へ周囲に存在している他の者がアクセス可能とされている会議・打合せを目的としたエリア、場所06のセミクローズドエリアは、例えば上方が開放されている、出入り口にドアが無いなどの仕切があるものの完全閉鎖となっていない会議・打合せを目的としたエリアである。場所10の共用設備エリアは、コピー機、共用端末、作業台などの業務遂行のために共同で利用する設備があるエリアである。場所11のリフレッシュエリアは、例えば休憩用テーブルや椅子が設けられたエリアや、所謂ラウンジと呼ばれるエリアなどである。場所12の収納エリアは、物品を収納する倉庫や、書架が配置されたエリアなどである。場所13の専用エリアは、役員室など特定の立場にいる者が専用で利用するエリアである。場所14のエントランスエリアは、受付、待合室など、外部からの来訪者や、社内において特定の場所へアクセスする際の待機場所、受付場所などに該当するエリアである。
図3に示す活動場所、活動場所の定義づけは一例にすぎず、一部の活動場所を削除したり、他の活動場所を追加したり、
図3で定義される各活動場所を、その性質等に応じて複数の活動場所に分割したり、複数の活動場所をまとめたりしても良い。
【0034】
また、活動場所情報は、その活動場所がオフィス内(対象となる活動空間内)か、オフィス外(対象となる活動空間外)かによってオフィス内外区分によって区分することができる。また、活動場所情報は、その活動場所であるのか、それ以外なのかによって自席・自席以外区分によって区分することができる。なお、
図3では、場所15~17については区分付けをしていないが、自席以外と区分付けすることができる。また、場所16については自席と区分しても良い。また、活動場所情報は、その活動場所が仕切などによって閉ざされた空間となっているクローズ空間であるのか、他の者が自由にアクセス可能なオープン空間であるのかによってオープン・クローズ区分によって区分することができる。なお、
図3においては、各活動場所とオープン・クローズ区分を一対一に対応させてオープン区分またはクローズ区分を指定しているが、
図3の例に限らない。例えば、場所03の協働作業エリアは、対象者等が協働して作業するエリアであり、クローズ区分を指定しているが、オープン区分としても良いし、クローズ区分の協働作業エリアとオープン区分の協働作業エリアとを別に設定しても良い。なお、場所17については区分付けをしていないが、オープンに区分づけされるケースと、クローズに区分付けされるケースとを分けても良い。
【0035】
以上のように、
図3に例示された活動場所は、例えば、オフィス内外区分、自席・自席以外区分、オープン・クローズ区分によって区分されるが、これらの区分や複数の区分の組み合わせにより活動場所を上位概念化して定義しても良い。また、これらの区分は一例にすぎず、他の定義により区分しても良い。
【0036】
時間情報は、活動内容情報と対応している。時間情報は、活動内容情報で示される活動を実施する時間帯、時間及び単位時間数の少なくとも一つによって構成されている。なお、時間情報としては、時間帯を含む情報を取得することが望ましい。時間帯とは、例えば10時00分~11時00分、11時00分~12時00分などの開始時間と終了時間によって示される情報である。また、時間帯としては、午前・午後などの半日単位や、月曜日・火曜日などの曜日単位の他、週単位、月単位としても良い。また、曜日単位の情報と時間単位の情報を組み合わせて、月曜日における10時00分~11時00分などとしても良い。時間は、1時間、2時間など時の長さによって示される情報である。単位時間数とは、単位時間として予め設定された時間の数によって示される情報である。単位時間とは1時間でもよいし、30分でもよいし、1日や1日当りの標準労働時間でもよい。そして、単位時間数とは、単位時間の数であるから、上記のような単位時間において2単位分、2ターム分などと示される。本実施形態では、時間情報は、開始時間と終了時間によって示される情報と、曜日を示す情報とにより構成されている。
【0037】
また、本実施形態において、活動情報は、さらに参加人数情報と主催情報とツール情報とを含む。参加人数情報は、活動内容情報と対応している。参加人数情報は、活動内容情報で示される活動を実施する具体的な参加人数を示している。なお、活動内容情報が、本実施形態のように単数で実施する活動種類と、複数で実施する活動種類を分けて定義している場合、後述する入力時において単数で実施する活動種類を入力した場合には参加人数情報としては1人以外が指定できないように、また複数で実施する活動種類を入力した場合には参加人数情報としては1人が指定できないように入力規制しても良い。
【0038】
主催情報は、活動内容情報と対応している。主催情報は、活動内容情報で示される活動を主催する主催者に関する情報である。主催情報は、主催者が対象者自身(あなた)であるか、対象者以外の者(あなた以外)であるかを示す主催者情報と、主催者の所属部署に関する情報である主催部署情報とを含むものとしても良いし、いずれか一方のみでも良い。なお、主催情報を主催者情報と主催部署情報の両方によって構成する場合、後述する入力時において、主催者情報で対象者自身を指定した場合には、記憶部7に記憶されていて対象者特定情報と所属部署が紐づけられた対象者テーブルに基づいて、対象者が所属する部署以外が選択できないように規制しても良い。
【0039】
ツール情報は、活動内容情報と対応している。ツール情報は、活動内容情報で示される活動において用いるツールに関する情報である。ツール情報は、活動において実施される作業そのものに用いる作業ツールに関する情報、活動結果を示すために用いる出力ツールに関する情報、対象者と相手とのコミュニケーションに用いるコミュニケーションツールの少なくとも一つを含んでいる。作業ツールとしては、例えば、個人に紐づけられた(例えば個人に貸与された)コンピュータ端末(対応するディスプレイを含む)などを含む。また、出力ツールとしては、ディスプレイモニタ、ホワイトボード、プリンタなどを含む。また、コミュニケーションツールとしては、電話、電話会議システム、TV会議システム及びWEB会議システムなどを含む。ホワイトボードをコミュニケーションツールとして定義しても良い。
【0040】
以上のように識別情報と活動内容情報と活動場所情報と時間情報とを少なくとも含み、さらに本実施形態においては参加人数情報と主催情報とツール情報とを含んで構成される活動情報が対象者から提供される。すなわち、例えば、対象者が自身のコンピュータ端末からサーバにアクセスして予め設定された入力フォームに入力することで生成される活動情報が活動情報取得部10により取得される。
図4は入力フォームの一例を示している。
図4に示すように、A1、B1列には時間情報である曜日及び時間帯が入力される。また、C1列には活動内容情報である活動種類が入力される。また、D1列には活動場所情報である活動場所が入力される。E1列には参加人数情報である参加人数が入力される。また、F1、G1列には主催情報である主催者及び主催部署が入力される。H1~K1列には、ツール情報である各ツールの使用数が入力される。なお、入力フォーム等を用いず、アンケート結果を記載したデータを対象者から回収して、活動情報を生成するものしても良い。
【0041】
活動情報取得部10は、複数の対象者に対する活動情報の取得が完了する生成指令を空間活用情報生成部20に出力する。生成指令を出力する条件としては、全対象者から活動情報を取得した場合の他、活動情報から集計される回答時間が回答総時間に達した場合、一定の割合の対象者や回答時間に達した場合、所定の回答期間が経過した場合などが挙げられる。
【0042】
次に、空間活用情報生成部20について説明する。空間活用情報生成部20は、活動情報取得部10から生成指令を受け付けると空間活用情報を生成する。空間活用情報生成部20は、集合データ生成部21と、補正値演算部22と、活動時間集計部23と、部署分類部24と、什器数演算部25とを備える。集合データ生成部21は、活動情報取得部10が取得した複数の活動情報から活動情報の集合である集合データを生成する。また、集合データ生成部21は、集合データを生成する際に、活動情報に含まれる各情報に加えて、当該情報に基づいて演算し、または、当該情報及び予め記憶部7に記憶された各参照テーブルを参照して新たな情報を加えて集合データを生成しても良い。また、集合データを、上記対象者個別の活動情報に代えて活動情報として取得する者としても良い。
【0043】
図5は、集合データの一例を示している。
図5に示すように、本実施形態の集合データは、各行が、各対象者から提供された活動情報における各単位時間(時間帯)のレコードを示している。すなわち、言い換えれば、本実施形態では、活動情報が特定の対象者の各単位時間(時間帯)のレコードの集合であるのに対して、集合データは、複数の対象者の各単位時間(時間帯)のレコードの集合である。集合データのA2、B2列は識別情報であって、集合データのA2列と、
図4に示す活動情報における社員番号とが対応している。また、集合データのB2列は、A2列の情報に基づいて、参照テーブルとして予め記憶部7に記憶された所属部署と社員番号との対応テーブルを参照して、対応する所属部署を抽出し入力する。集合データのC2~E2列は、時間情報であって、集合データのC2列と
図4に示す活動情報におけるA1列とが対応し、また、集合データのD2列と
図4に示す活動情報におけるB1列とが対応している。集合データのE2列は、D2列の時間帯に基づいて演算される当該時間帯の幅を示す時間(時間)である。集合データのF2列は、活動内容情報であって、
図4に示す活動情報のC1列と対応している。集合データのG2列は、活動場所情報であって、
図4に示す活動情報のD1列と対応している。集合データのH2列は、参加人数情報であって、
図4に示す活動情報のE1列と対応している。集合データのI2、J2列は主催情報であって、集合データのI2列は
図4に示す活動情報のF1列と、集合データのJ2列は
図4に示す活動情報のG1列とそれぞれ対応している。集合データのK2~N2列は、ツール情報であって、それぞれ
図4に示す活動情報のH1~K1列と対応している。なお、本実施形態では、上記のとおり集合データ生成部21が複数の活動情報から集合データを生成しているが、集合データを生成せずに、以下の各処理部において複数の活動情報から必要な情報に関して数値処理、分類処理など各種処理を実行するようにしても良い。
【0044】
補正値演算部22は、集合データに基づいて回答人数補正値を演算する。回答人数補正値は、全対象者に対して、一部の対象者のみが活動情報を提供した場合、及び、特定の対象者について全対象期間のうちの一部の期間のみの活動情報を提供した場合に、提供された活動情報に基づいて全対象者が活動情報を提供した場合の推定値を求めるために用いる。すなわち、補正値演算部22は、集合データに基づいて、所属部署ごとに、活動情報の時間情報によって示される回答時間総数を求める。回答時間総数は、
図5に示す集合データにおいてE2列の時間のうち、該当するレコードの分を集計することで求めることができる。
【0045】
さらに補正値演算部22は、所属部署と、所属部署対応する所属人数が予め紐づけられ、記憶部7に記憶された所属人数テーブルを参照し、所属部署ごとの総対象時間を求める。総対象時間は、所属人数に、一人当たりの回答対象時間(例えば、月曜日から金曜日の計5日間、1日当り8時間であれば40時間)をかけることで求めることができる。そして、回答時間総数と総対象時間とに基づいて、回答人数補正値を求める。より具体的には、例えば、すなわち、特定の部、例えば第1部が3名で構成されている場合には、回答時間総数は、一人当たりの回答対象時間と回答対象者数をかけて120時間となる。一方、第1部のうちの2名のみが活動情報を提供し、そのうち1名が回答対象期間の全時間に回答、すなわち40時間分ついて回答したのに対して、もう1名は月曜日と火曜日のみを回答、すなわち16時間分について回答したとする。この場合、第1部の回答人数補正値は、回答時間総数(120時間)を回答総数(56時間=40時間+16時間+0時間)で割った値となり、2.14となる。全対象者が全対象期間に回答した場合、ごく一部で未回答部分が存在しているにすぎず補正の必要がない場合、その他補正の必要がない理由がある場合には、補正値演算部22による回答人数補正値の演算及び回答人数補正値による補正は不要としても良い。
【0046】
活動時間集計部23は、空間活用情報として活動時間集計情報を生成する。活動時間集計情報は、活動情報から得られるパラメータと紐づく活動の時間または時間に係る量を集計した値である。ここで、活動の時間とは実際に活動に充てられた時間である。活動の時間に係る量としては、例えば対象となる活動の時間における一人当たりの回答対象時間に対する割合が挙げられる。一人当たりの回答対象時間とは、対象期間における活動時間の総数であり、例えば月曜日~金曜日の5日間の期間において、毎日8時間の活動を実施するとすれば、5日間×8時間=40時間となる。したがって、特定の対象者が、1週間のうち、特定の活動を実施すると示した時間が月曜日の9時00分~9時30分の30分であった場合には、活動の時間における一人当たりの回答対象時間に対する割合は、0.5時間/40時間=0.0125となる。言い換えれば、活動の時間における一人当たりの回答対象時間に対する割合は、1時間当りの活動の時間ということもできる。
【0047】
また、活動情報から得られるパラメータとしては、例えば所属部署、活動種類及び活動場所が挙げられる。所属部署としては、上位、下位様々な階層が適用可能である。また、活動種類に代えて、複数の活動種類によってグルーピングされた活動種類グループとしても良い。活動種類グループとしては、例えば、上記のように活動区分の各区分をそれぞれグループとすることができる。同様に、人数区分、定型・非定型区分、コミュニケーション区分の各区分をそれぞれグループとすることができる。また、活動場所に代えて、複数の活動場所によってグルーピングされた活動場所グループとしても良い。活動場所グループとしては、例えば、上記のようにオフィス内外区分の各区分をそれぞれグループとすることができる。同様に、自席・自席以外区分、オープン・クローズ区分の各区分をそれぞれグループとすることができる。
【0048】
このようなグループごとの集計に際しては、活動時間集計部23は、活動種類ごとに活動種類グループが予め紐づけられ、記憶部7に記憶された活動種類テーブル、または、活動場所ごとに、活動場所グループが予め紐づけられ、記憶部7に記憶された活動場所テーブルを参照し、集合データにおける各レコードがどのグループに含まれるかを特定する。そして、活動情報から得られるパラメータと紐づく活動の時間または時間に係る量を集計とは、パラメータが共通する活動の時間を集計、または、時間に係る量を集計することを意味する。また、集計に際しては、補正の必要がある場合には、回答人数補正値によって補正を行う。すなわち、集計するに際して、集計前の各要素に、対応する所属部署の回答人数補正値をかけて補正を行い、補正後の値により集計する。なお、集計対象の所属部署が一致している場合には集計後に回答人数補正値による補正を行っても良い。ここで、複数のパラメータのマトリクスとして、各条件に合う集計値を求めても良い。
図6及び
図7は、複数のパラメータのマトリクスで集計した例を示している。
図6に示す例は、所属部署によらず、活動種類ごとの集計をしている。また、活動種類ごとに、活動場所ごとの集計をしている。
図7に示す例では、部署ごとの集計をしている。また、部署ごとに、オフィス内外区分、自席・自席以外区分、人数区分、定型・非定型区分、コミュニケーション区分の各区分での集計をしている。
【0049】
部署分類部24は、空間活用情報として部署分類情報を生成する。部署分類情報は、活動時間集計情報に基づいて、複数の所属部署が複数の関係グループに分類された情報である。記憶部7には、活動時間集計部23において用いたグループと対応して分類するための範囲が示された分類テーブルが記憶されている。部署分類部24は、分類するための値は活動時間集計情報自体でもよいし、活動時間集計情報に基づいて得られる割合でもよい。例えば、本実施形態では、部署分類部24は、活動時間集計情報に基づいて割合を求める。具体的には、部署分類部24は、活動時間集計部23において用いたグループとしてオフィス内外区分の集計結果に基づいてオフィス内での時間の割合(オフィス内/(オフィス内+オフィス外))を求める。同様に、部署分類部24は、自席・自席以外区分の集計結果に基づいて自席の時間の割合、人数区分の集計結果に基づいて単数の時間の割合、定型・非定型区分の集計結果に基づいて定型業務の時間の割合、コミュニケーション区分の集計結果に基づいて一方向の時間の割合を求める。割合の対象(すなわち分子となる値)は、いずれもモビリティ(流動性)の低い側の活動と言え、言い換えれば割合が高い場合にはいずれのパラメータにおいてもモビリティが高いと言える。
【0050】
そして、部署分類部24は、活動時間集計部23において用いたグループごとに設定された数値範囲に基づいて、モビリティが低い分類Aと、モビリティが高い分類Cと中間の分類Bとに分類する。例えば、分類Aは70%以上、分類Bは40%以上70%未満、分類Cは40%未満などと設定されている。そして、当該分類に基づいて、一または複数の部署で働き方の関係性などにより関係グループを形成する。働き方の関係性としては同一傾向の部署の観点や、異なる傾向であるが依存・被依存や、上流・下流など業務の関係性で働き方グループを形成するものとしても良い。
図8の例では、関係グループIと関係グループIIの2つのグループに分けている。例えば、
図8の例においては、5つの区分について、関係グループを決定する評価を行うための優先順位をつけている。具体的には、モビリティへの影響度を考慮して、オフィス内外区分、自席・自席以外区分、人数区分、定型・非定型区分、コミュニケーション区分の順に優先順位をつけている。そして、
図8の例では、最も優先順位の高いオフィス内外区分では部署間で分類に差がないことから、次の自席・自席以外区分で分類における差を確認する。自席・自席以外区分及び次の優先順位となる人数区分でも部署間で分類に差がないことから、次の定型・非定型区分で部署間での分類における差を確認する。定型・非定型区分では、第1部、第3部が比較的モビリティの高い分類Bとなり、第2部、第4部が比較的モビリティの低い分類Aとなり、区別できるため、定型・非定型区分に基づいて関係グループI、IIの2つにグループ分けを行った。なお、関係グループを決定する評価を行うための優先順位の付け方はあくまでも一例であり、上記5つの区分でも優先順位を異なるものとしても良い。また、優先順位に従って評価し関係グループを決定する方法は一例にすぎず、他の方法によっても良い。例えば、分類A、B、Cを点数化して、全区分の合計値または特定の区分における合計値に基づいて評価しても良い。特定の区分としては一つの区分でも良いし、複数の区分、例えばオフィス内外区分と自席・自席以外区分との合計値としても良い。また、オフィス内外区分と自席・自席以外区分との合計値で有意な差が認められない場合には、残りの区分の合計値で評価するようにしても良い。また、合計値を求める際、区分ごとに重み付けを与えて合計しても良い。
【0051】
なお、本実施形態では、部署分類部24は、モビリティの程度によって分類するものとしたがこれに限るものではない。例えば、部署分類部24は、クリエイティビティ(創造性)やコンフィデンシャリティ(秘匿性)によって分類しても良い。例えば、クリエイティビティで分類するのであれば、活動種類や活動場所を比較的クリエイティブなケースと、比較的クリエイティブでないケースとに分類する。比較的クリエイティブな作業としては例えば1人で収束思考・拡散思考、複数人で意見収集も目的の会議などを分類する。また、比較的クリエイティブでない作業としては例えば1人で事務処理、複数人で情報伝達目的の会議などを分類する。また、コンフィデンシャリティ(秘匿性)によって分類するのであれば、活動種類や活動場所を比較的コンフィデンシャルなケースと、比較的コンフィデンシャルでないケースとに分類する。比較的コンフィデンシャルな場所としては、例えば集中作業エリア、セミクローズドエリア、専用エリアなどを分類する。比較的コンフィデンシャルでない場所としては、例えばオープンミーティングエリアやエントランスエリアや自宅などを分類する。
【0052】
什器数演算部25は、空間活用情報として、活動場所ごとの使用什器の数である使用什器情報を生成する。具体的には、什器数演算部25は、活動時間集計部23から活動場所ごとの活動の時間または時間に係る量を取得する。本実施形態では、什器数演算部25は、
図6に示すマトリクスを活動時間集計部23又は活動時間集計部23が記憶部7に記憶した情報として記憶部7から取得する。
【0053】
次に、什器数演算部25は、使用什器が予め紐づけられ、記憶部7に記憶された使用什器テーブルを参照する。
図9は使用什器テーブルの一例である。
図9に示すように、使用什器テーブルは、活動場所ごとの使用什器が予め紐づけられている。例えば、固定席を設けるデスクエリアでは、活動種類によってベンチテーブル及びミーティングテーブルのいずれかが設定されている。また、フリーアドレスを設けるデスクエリアでは、活動種類によって複数人用テーブル及びミーティングテーブルのいずれかが設定されている。また、集中作業エリアでは、活動種類によって単数人用ブースタイプ什器及び複数人用ブースタイプ什器のいずれかが設定されている。なお、本例では同一種類エリアであっても活動種類に応じて2種類の什器から選択するようにしたがこれに限られず、活動種類によらず1種類の什器としても良いし、3種類以上の什器により選択するものとしても良い。また、特定のエリアは複数種類の什器から選択して、他のエリアは1種類の什器としても良い。また、本例ではデスク関係のみを例として挙げているが、椅子や棚などの種類の使用什器についても同様の使用什器テーブルを設ける。
【0054】
什器数演算部25は、上記のような使用什器テーブルを参照し、各活動場所における使用什器数を演算する。すなわち、使用什器テーブルにおいて使用対象となる活動種類及び活動場所の組み合わせの箇所について、活動時間集計部23の演算結果である活動の時間または時間に係る量を取得する。そして、活動場所ごとかつ使用什器ごとの、対象使用什器に係る活動時間または時間に係る量を集計する。これが、活動場所における対象使用什器の使用時間または使用時間に係る量となり、これに基づいて使用什器の必要基数を求める。なお、使用什器の必要基数を求める場合には、予め設定された稼働率を考慮する。すなわち、稼働率が80%に設定するのであれば、計算結果を0.8で除した値に基づいて使用什器数を算定する。このようにすることにより回答対象時間における活動時間総数、すなわち利用頻度に基づいて使用什器の必要基数を求めるとともに、特定の時間帯における活動時間によって決定しないようにすることで、稼働率を高めるとともに什器利用時における利用者による積極的な分散化を図ることができる。また、上記においては、活動の時間または時間に係る量を集計した後に使用什器数を演算するものとしたが、活動種類及び活動場所の組み合わせごとに、使用什器数を演算し、演算した使用什器数を集計するようにしても良い。また、所属部署ごとに使用什器数を演算しても良い。以上のような什器数演算部25による演算により、什器数演算部25は、例えば
図10に示すような使用什器数情報を生成する。なお、上記においては、什器数演算部25は、活動種類ごとかつ活動場所ごとに使用什器を設定するものとしたが、これに限らない。
【0055】
なお、本実施形態の空間活用情報生成部20としては、空間活用情報生成部20は、活動時間集計部23と、部署分類部24と、什器数演算部25とを備え、空間活用情報として、活動時間集計情報、部署分類情報、使用什器情報を生成するものとしたがこれに限るものではない。空間活用情報生成部20は、空間活用情報として、以下のような情報を生成するものとしても良い。すなわち、例えば、活動の時間、または、時間に係る量の集計値に関して、活動場所ごと、活動場所ごとかつ所属部署ごと、活動種類ごと、活動種類ごとかつ所属部署ごと、及び、活動場所ごとかつ活動内容ごとかつ所属部署ごとのいずれかの情報としても良い。また、活動の時間、または、時間に係る量について、活動種類、活動場所及び所属部署の少なくとも1つによって分類した上で、各時間帯における集計をしても良い。また、各時間帯における活動種類または活動場所の利用率を分布として示しても良い。また、ツール情報に基づいてツールについても什器と同様に使用ツール数を集計した値を生成しても良い。また、主催情報に基づいて、主催部署と、対象者の所属部署とを紐づけて部門交流度を生成しても良い。
【0056】
次に、実施形態における上記空間活用情報提示装置1の機能構成を実現するハード構成の一例について説明する。
図11は、本実施形態の空間活用情報提示装置1のハード構成の一例を示す図である。
図11に示すように、空間活用提示装置1は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ2とメモリ3とを備える制御部4を備え、プログラムを実行する。空間活用提示装置1は、プログラムの実行によって制御部4、入力部6、記憶部7及び出力部8を備える装置として機能する。より具体的には、プロセッサ2が記憶部7に記憶されているプログラムを読み出し、読み出したプログラムをメモリ3に記憶させる。プロセッサ2が、メモリ3に記憶させたプログラムを実行することによって、空間活用提示装置1は、制御部4、入力部6、記憶部7及び出力部8を備える装置として機能する。制御部4は、上記活動情報取得部10及び空間活用情報生成部20を備え、これらによる機能を実行する。
【0057】
入力部6は、マウスやキーボード、タッチパネル等の入力装置を含んで構成される。入力部6は、これらの入力装置を自装置に接続するインタフェースとして構成されてもよい。入力部6は、自装置に対する各種情報の入力を受け付ける。入力部6は、入力された情報を制御部4に出力する。
【0058】
記憶部7は、例えば、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの非一時的コンピュータ読み出し可能な記憶媒体を用いて構成される。記憶部7は空間活用提示装置1に関する各種情報を記憶する。
【0059】
出力部8は、各種情報を出力する。出力部8は、例えば、生成した空間活用情報を出力する。出力部8は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置を含んで構成される。出力部8は、これらの表示装置を自装置に接続するインタフェースとして構成されてもよい。
【0060】
次に、本実施形態の空間活用情報提示装置1を用いた空間活用情報提示方法について説明する。
図12は、本実施形態の空間活用情報提示方法のフロー図を示している。
図12に示すように、本実施形態の空間活用情報提示方法は、活動情報取得ステップS1と、空間活用情報生成ステップS2とを備える。活動情報取得ステップS1では、活動情報取得部10が、所定の目標や目的を達成するために望ましい活動として対象者が考える活動に関する情報として、当該対象者から提供された活動情報を取得する(ステップS11)。複数の対象者から取得した活動情報は、順次記憶部7に記憶される。活動情報取得部10は、所定の条件を満たしたら、複数の対象者に対する活動情報の取得が完了する生成指令を空間活用情報生成部20に出力する。本実施形態では、所定の条件が回答期間を経過した場合としてフロー図に示している。活動情報取得部10は、活動情報を取得後、回答期間が経過したか判定する(ステップS12)。回答期間が経過した場合には、次の空間活用情報生成ステップS2に移行する。回答期間が経過していない場合には、活動情報取得部10はさらに活動情報を受け付ける。
【0061】
空間活用情報生成ステップS2は、集合データ生成ステップS21と、補正値演算ステップS22と、活動時間集計ステップS23と、部署分類ステップS24と、什器数演算ステップS25とを備える。集合データ生成ステップS21では、集合データ生成部21が、活動情報取得ステップS1で取得した複数の活動情報から活動情報の集合である集合データを生成する。なお、上記のとおり、集合データを生成する際に、活動情報に含まれる各情報に加えて、当該情報に基づいて演算し、または、当該情報及び予め記憶部7に記憶された各参照テーブルを参照して新たな情報を加えて集合データを生成しても良い。また、集合データを、上記対象者個別の活動情報に代えて活動情報として取得する者としても良い。この場合には集合データ生成ステップS21を省略するものとしても良い。
【0062】
次に、補正値演算ステップS22では、補正値演算部22が、集合データに基づいて回答人数補正値を演算する。回答人数補正値の演算方法の詳細については上記のとおりである。なお、全対象者が全対象期間に回答した場合、ごく一部で未回答部分が存在しているにすぎず補正の必要がない場合、その他補正の必要がない理由がある場合には、補正値演算ステップS22による補正値演算部22による回答人数補正値の演算及び回答人数補正値による補正は不要としても良い。
【0063】
次に、活動時間集計ステップS23では、活動時間集計部23が、空間活用情報として活動時間集計情報を生成する。次に、部署分類部24では、部署分類部24が、空間活用情報として部署分類情報を生成する。次に、什器数演算ステップS25では、什器数演算部25が、空間活用情報として、活動場所ごとの使用什器の数である使用什器情報を生成する。なお、活動時間集計情報、部署分類情報及び使用什器情報の詳細については上記のとおりである。以上のようにして生成された空間活用情報である活動時間集計情報、部署分類情報、使用什器情報については画像生成して、出力部8よってイメージとして表示しても良い。
【0064】
以上のように、本実施形態の空間活用情報提示装置1及び空間活用情報提示方法では、複数の活動情報に基づいて、複数の対象者によって用いられる活動エリアを含む活動空間を活用するための空間活用情報を提示することができる。ここで、活動情報は、対象者それぞれの望ましい活用形態を示す情報であるため、現在の活動空間の活用状態や対象者の活動状況に捉われず、望ましい空間の活用のための情報を提示することができる。また、所定のコンセプトに応じた空間の活用を提示するのではなく、個々の望ましいと考える活動に関する情報を提示することができるとともに、所属部署、活動種類及び活動場所の少なくとも一つによって集計した結果を提示することができるため、対象者の多様性を考慮しつつ所属部署、活動種類及び活動場所の少なくとも一つを考慮した纏まりのある空間の活用に関する情報を提示することができる。
【0065】
また、活動情報に主催情報を含めることで、単一部署における複数活動や、部署間に跨る複数活動を考慮した空間の活用に関する情報を提示することができる。また、活動情報にツール情報を含めることで、活動に求められるものとして空間に配備すべき各種ツールも考慮した空間の活用に関する情報を提示することができる。さらに、活動情報に参加人数情報を含めることで、主にミーティング等集合して活動するための空間の活用に関する情報を提示することができる。
【0066】
また、空間活用情報を生成するに際して、回答人数補正値によって活動の時間または時間に係る量を補正することで、活動情報を回答した対象者に数や回答時間の影響を抑制して該当部署全体としての空間の活用に関する情報を提示することができる。
【0067】
また、活動時間集計情報として、所属部署ごとに、特定の活動種類グループの活動種類を実施する時間または当該時間の全体の活動時間に対する割合を生成することで、所属部署ごとに、所定の特性を有する活動種類グループに含まれる活動がどの程度を占めるかを把握することができ、これによりその特性に応じた空間の活用方法を検討することができる。また、活動時間集計情報として、所属部署ごとに、特定の活動場所グループの活動場所で活動する時間または当該時間の全体の活動時間に対する割合を生成することで、所属部署ごとに、所定の特性を有する活動場所グループに含まれる活動場所での活動がどの程度を占めるかを把握することができ、これによりその特性に応じた空間の活用方法を検討することができる。
【0068】
また、空間活用情報として部署分類情報を生成することで、類似した部署、または、関係性の深い部署を把握することができ、その関係性に応じた空間の活用方法を検討することができる。また、空間活用情報として使用什器情報を生成することで、活動時間集計情報に応じた数の使用什器の数を求めることができる。
【0069】
なお、上記の空間活用情報提示装置1及び空間活用情報提示方法では、活動情報として、所定の目標や目的を達成するために望ましい活動として対象者が考える活動に関する情報を用いて空間活用情報を生成したが、加えて、現在の活動に関する情報も取得しても良い。現在の活動に関する情報についても現在の活動情報として同様の処理を行い、対比を行うことができる。また、現在の活動に関する情報については上記のように対象者が入力するものとしても良いが、スケジューラや活動空間に配置されたセンサによるセンシングによって記録された結果を情報として用いても良い。
【0070】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態の空間活用情報提示装置及び空間情報提示方法について説明する。なお、以下に説明する第2の実施形態において上記第1の実施形態と共通する構成やステップについては図中に同符号を付してその説明を省略する。
【0071】
図13に示すように、本実施形態の空間活用情報提示装置1Aは、活動エリア情報取得部30と、什器情報取得部40と、レイアウト生成部50とをさらに備える。活動エリア情報取得部30は、記憶部7に記憶された活動空間の制約条件を含む活動空間情報を取得する。ここで制約条件とは、例えば活動空間全体の平面寸法や平面積などである。また、活動空間が一または複数の活動エリアを有する場合には活動エリアの位置、平面寸法、平面積なども制約条件に含まれる。また、活動空間において、什器の配置が禁止されているエリアや、活動対象外のエリアがある場合にはこれらの位置、平面寸法、平面積なども制約条件に含まれる。什器の配置が禁止されているエリアや活動対象外のエリアとしては例えば廊下、非常口の周辺のエリア、エレベータの配置エリア、窓側に面する所定幅のエリア、防災設備を配置するエリア、収納物など重量物を設置可能なヘビーデューティーエリアなどである。また、制約条件としては例えば特定の部署同士を隣接させる、同一エリアにさせる、特定の部署のデスクエリアの縦横比に関する制限など、各エリアに関する条件を含めても良い。
【0072】
什器情報取得部40は、記憶部7に記憶された什器情報を取得する。什器情報は、
図9に示される使用什器に関する情報である。使用什器に関する情報とは、平面寸法、利用可能人数、重量、使用する向き、什器同士の離間最小距離などである。
【0073】
レイアウト生成部50は、上記活動空間情報及び什器情報と、空間活用情報生成部20が生成した空間活用情報に基づいて、活動空間に什器を配置した什器レイアウト情報を生成する。ここで、什器レイアウト情報には、部署ごとの占有エリアに関する情報が含まれていても良い。また、活動の時間、または、時間に係る量など使用頻度などに関する情報が含まれていても良い。本実施形態では、空間活用情報である部署分類情報に基づいて、同じ関係グループにある部署を互いに隣接してデスクエリアを配置する、または、同じデスクエリアとして配置するものとしても良い。また、複数人での活動頻度が高い部署についてはミーティングエリアと近いエリアにデスクエリアを配置するものとしても良い。また、各エリアの占有面積や平面寸法については、活動時間集計情報や什器数情報に基づいて求めるものとしても良い。そして、活動空間内において各活動エリアの配置が完了した後、什器数情報に基づいて各活動エリアに什器を配置する。この際、活動空間情報に基づいて制約条件をクリアしつつ、什器情報に従って什器を配置することができる。
【0074】
なお、本実施形態の空間活用情報提示装置1Aのハード構成は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。制御部が、活動エリア情報取得部30と、什器情報取得部40と、レイアウト生成部50を機能構成として備える。
【0075】
本実施形態の空間活用情報提示装置1Aを用いた空間情報提示方法では、第1の実施形態の空間情報提示方法の各ステップに加えて、活動エリア情報取得ステップS3と、什器情報取得ステップS4と、レイアウト生成ステップS5とを備える。活動エリア情報取得ステップS3では、活動エリア情報取得部30が、活動エリア情報を取得する。什器情報取得ステップS4では、什器情報取得部40が什器情報を取得する。さらに、レイアウト生成ステップS5では、レイアウト生成部50が、上記活動空間情報及び什器情報と、空間活用情報生成部20が生成した空間活用情報に基づいて、活動空間に什器を配置した什器レイアウト情報を生成する。
【0076】
このように本実施形態の空間活用情報提示装置1及び空間活用情報提示方法では、空間活用情報を考慮してレイアウトを提示することができるので、現在の活動空間の活用状態や対象者の活動状況に捉われず、望ましい空間の活用のためのレイアウトを提示することができる。また、所定のコンセプトに応じたレイアウトを提示するのではなく、個々の望ましいと考える活動が可能なレイアウトを提示することができるとともに、対象者の多様性を考慮しつつ所属部署、活動種類及び活動場所の少なくとも一つを考慮した纏まりのあるレイアウトを提示することができる。
【0077】
なお、本実施形態では、活動エリア情報に基づいて制約条件を考慮したレイアウトを生成するものとしたが、これに限るものではなく、制約条件を考慮せずにレイアウトを生成しても良い。また、制約条件としては活動空間及び活動エリアの平面寸法の縦横比のみを考慮した標準レイアウトを生成するものとしても良い。
【0078】
以上、実施形態の空間活用情報提示装置1、1A及び空間活用情報提示方法について説明したが、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではない。これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0079】
1、1A 空間活用情報提示装置
7 記憶部
10 活動情報取得部
20 空間活用情報生成部
22 補正値演算部
23 活動時間集計部
24 部署分類部
25 什器数演算部
30 活動エリア情報取得部
40 什器情報取得部
50 レイアウト生成部
S1 活動情報取得ステップ
S2 空間活用情報生成ステップ
S23 活動時間集計ステップ