(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154357
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】画像処理システムおよび画像処理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/232 20060101AFI20221005BHJP
G06T 3/00 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
H04N5/232 290
G06T3/00 750
G06T3/00 720
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021057354
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 靖弘
(72)【発明者】
【氏名】井上 優
(72)【発明者】
【氏名】平松 拓朗
(72)【発明者】
【氏名】高原 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】加藤 俊也
(72)【発明者】
【氏名】石川 琢視
【テーマコード(参考)】
5B057
5C122
【Fターム(参考)】
5B057AA19
5B057BA02
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CC01
5B057CD01
5B057CD12
5B057CE08
5B057DA07
5B057DB02
5B057DB09
5C122DA11
5C122EA61
5C122FA18
5C122FH04
5C122FH06
5C122FH11
5C122FH18
5C122GE24
5C122GG14
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】作業エリアの状況が認識しやすい俯瞰画像を生成すること。
【解決手段】実施形態に係る画像処理システムは、マーカーが設置される基準面を撮像する複数のカメラと、情報処理装置と、を具備する。また、マーカーは、互いに隣接する一対のカメラ同士のいずれの視野にも入るように設置される。また、情報処理装置は、取得部と、補正部と、変換部と、生成部と、を有する。取得部は、複数のカメラによってそれぞれ撮像された複数の撮像画像を取得する。補正部は、複数の撮像画像の歪みをマーカーに基づいてそれぞれ補正する。変換部は、補正部で生成された複数の補正画像を、基準面とは異なる高さの面を基準とする変換画像に変換する。生成部は、複数の変換画像を合成することにより、基準面とは異なる高さの面を基準とする俯瞰画像を生成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マーカーが設置される基準面を撮像する複数のカメラと;
情報処理装置と;
を具備し、
前記マーカーは、互いに隣接する一対の前記カメラ同士のいずれの視野にも入るように設置され、
前記情報処理装置は、
複数の前記カメラによってそれぞれ撮像された複数の撮像画像を取得する取得部と;
複数の前記撮像画像の歪みを前記マーカーに基づいてそれぞれ補正する補正部と;
前記補正部で生成された複数の補正画像を、前記基準面とは異なる高さの面を基準とする変換画像に変換する変換部と;
複数の前記変換画像を合成することにより、前記基準面とは異なる高さの面を基準とする俯瞰画像を生成する生成部と;
を有する画像処理システム。
【請求項2】
前記変換部は、
一部の前記カメラによって撮像され、前記補正部で生成された前記補正画像を、前記変換画像に変換し、
前記生成部は、
前記変換部で生成された前記変換画像と、残りの前記カメラによって撮像され、前記補正部で生成された前記補正画像とを合成することにより、一部の領域が前記基準面とは異なる高さの面を基準とし、残りの領域が前記基準面を基準とする俯瞰画像を生成する
請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、
前記カメラの視野に入った物体の高さを推定する推定部;
をさらに有し、
前記変換部は、前記物体が含まれる前記補正画像を、前記推定部で推定された前記物体の高さと同じ高さの面を基準とする前記変換画像に変換する
請求項2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
複数の前記カメラは、複数の照明装置にそれぞれ具備される
請求項1~3のいずれか一つに記載の画像処理システム。
【請求項5】
情報処理装置が、
マーカーが設置される基準面を撮像する複数のカメラによってそれぞれ撮像された複数の撮像画像を取得する取得工程と;
複数の前記撮像画像の歪みを、互いに隣接する一対の前記カメラ同士のいずれの視野にも入るように設置される前記マーカーに基づいてそれぞれ補正する補正工程と;
前記補正工程で生成された複数の補正画像を、前記基準面とは異なる高さの面を基準とする変換画像に変換する変換工程と;
複数の前記変換画像を合成することにより、前記基準面とは異なる高さの面を基準とする俯瞰画像を生成する生成工程と;
を実行する画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像処理システムおよび画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のカメラを用いて工場の作業エリアの俯瞰画像を生成する画像処理システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような画像処理システムでは、撮像画像の歪みが大きい場合、隣接する一対のカメラでそれぞれ撮像された一対の撮像画像のつなぎ目が不連続となってしまうため、作業エリアの状況を直感的に認識することが困難であった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、作業エリアの状況が認識しやすい俯瞰画像を生成することができる画像処理システムおよび画像処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る画像処理システムは、マーカーが設置される基準面を撮像する複数のカメラと、情報処理装置と、を具備する。また、前記マーカーは、互いに隣接する一対の前記カメラ同士のいずれの視野にも入るように設置される。また、前記情報処理装置は、取得部と、補正部と、変換部と、生成部と、を有する。取得部は、複数の前記カメラによってそれぞれ撮像された複数の撮像画像を取得する。補正部は、複数の前記撮像画像の歪みを前記マーカーに基づいてそれぞれ補正する。変換部は、前記補正部で生成された複数の補正画像を、前記基準面とは異なる高さの面を基準とする変換画像に変換する。生成部は、複数の前記変換画像を合成することにより、前記基準面とは異なる高さの面を基準とする俯瞰画像を生成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、作業エリアの状況が認識しやすい俯瞰画像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る画像処理システムが有する照明装置の外観例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る画像処理システムの概要を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る作業エリアにおける照明装置およびマーカーの配置の一例を示す概略平面図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るマーカーの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図8A】
図8Aは、歪みが補正された補正画像の一例を示す図である。
【
図8B】
図8Bは、歪みが補正された補正画像の一例を示す図である。
【
図8C】
図8Cは、歪みが補正された補正画像の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、歪みが補正された補正画像の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、変換処理を行う前の俯瞰画像の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、変換処理が施された俯瞰画像の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、実施形態の変形例に係る情報処理装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下で説明する実施形態に係る画像処理システム1は、マーカーMが設置される基準面を撮像する複数のカメラ16と、情報処理装置20と、を具備する。また、マーカーMは、互いに隣接する一対のカメラ16同士のいずれの視野16bにも入るように設置される。また、情報処理装置20は、取得部23aと、補正部23bと、変換部23dと、生成部23cと、を有する。取得部23aは、複数のカメラ16によってそれぞれ撮像された複数の撮像画像Vを取得する。補正部は、複数の撮像画像Vの歪みをマーカーMに基づいてそれぞれ補正する。変換部23dは、補正部23bで生成された複数の補正画像Vaを、基準面とは異なる高さの面を基準とする変換画像Vbに変換する。生成部23cは、複数の変換画像Vbを合成することにより、基準面とは異なる高さの面を基準とする俯瞰画像Vs’を生成する。
【0010】
また、以下で説明する実施形態に係る画像処理システム1において、変換部23dは、一部のカメラ16によって撮像され、補正部23bで生成された補正画像Vaを、変換画像Vbに変換する。また、生成部23cは、変換部23dで生成された変換画像Vbと、残りのカメラ16によって撮像され、補正部23bで生成された補正画像Vaとを合成することにより、一部の領域が基準面とは異なる高さの面を基準とし、残りの領域が基準面を基準とする俯瞰画像Vs’を生成する。
【0011】
また、以下で説明する実施形態に係る画像処理システム1において、情報処理装置20は、カメラ16の視野16bに入った物体の高さを推定する推定部23e、をさらに有する。また、変換部23dは、物体が含まれる補正画像Vaを、推定部23eで推定された物体の高さと同じ高さの面を基準とする変換画像Vbに変換する。
【0012】
また、以下で説明する実施形態に係る画像処理システム1において、複数のカメラ16は、複数の照明装置10にそれぞれ具備される。
【0013】
また、以下で説明する実施形態に係る画像処理方法は、情報処理装置20が、取得工程と、補正工程と、変換工程と、生成工程と、を実行する。取得工程は、マーカーMが設置される基準面を撮像する複数のカメラ16によってそれぞれ撮像された複数の撮像画像Vを取得する。補正工程は、複数の撮像画像Vの歪みを、互いに隣接する一対のカメラ16同士のいずれの視野16bにも入るように設置されるマーカーMに基づいてそれぞれ補正する。変換工程は、補正工程で生成された複数の補正画像Vaを、基準面とは異なる高さの面を基準とする変換画像Vbに変換する。生成工程は、複数の変換画像Vbを合成することにより、基準面とは異なる高さの面を基準とする俯瞰画像Vs’を生成する。
【0014】
以下、図面を参照して、実施形態に係る画像処理システムおよび画像処理方法を説明する。実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0015】
[照明装置]
最初に、実施形態に係る照明装置10の構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、実施形態に係る画像処理システム1(
図2参照)が有する照明装置10の外観例を示す斜視図である。
【0016】
図1に示すように、照明装置10は、照明部11と、撮像ユニット12と、本体部13とを具備する。照明装置10は、たとえば、本体部13が天井面近傍のレール31(
図4参照)などに設置され、照明部11から出力される光が床面32(
図4参照)へと照射される天井直付けタイプの照明装置である。照明装置10は、たとえば工場での生産ラインの監視やオフィス内での従業員の状態監視などの用途で主に屋内で使用される。
【0017】
なお、説明を分かりやすくするために、本開示の図面には、鉛直下向きを正方向とし、鉛直上向きを負方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。また、X軸は照明装置10の長さ方向に、Y軸は照明装置10の幅方向に、それぞれ沿うように図示している。
【0018】
照明部11は、Y軸方向に沿うように配置された、長尺状のシャーシまたは基板(不図示)上に所定の間隔で配置された複数の発光素子(不図示)を有し、シャーシとの間に発光素子が収容されるよう床面32側、すなわちZ軸正方向側に拡散カバー14が設けられた照明バーである。
【0019】
拡散カバー14は、たとえば、アクリルやポリカーボネートなどの透光性の材料から作られている。拡散カバー14は、フロスト処理が施されて複数の発光素子から出射される光を拡散する機能を有するようになっている。なお、拡散カバー14に適宜拡散材や着色剤を混入させてもよい。
【0020】
撮像ユニット12は、遮光カバー15と、カメラ16とを有する。撮像ユニット12は、照明部11のX軸負方向側に隣り合うように並んで配置される。
【0021】
本体部13は、照明部11および撮像ユニット12を保持する。また、本体部13は、照明装置10を天井その他の所定の位置に取り付けるための取付部材を兼ねる。
【0022】
遮光カバー15は、本体部13との間にカメラ16を覆うように本体部13のZ軸正方向側に配設される。また、遮光カバー15は、カメラ16のレンズと対向する位置に設けられた貫通口を有する。このような遮光カバー15を配設することで、照明部11の拡散カバー14から照射された光をカメラ16のレンズに入り込みにくくすることができる。
【0023】
[画像処理システム]
つづいて、実施形態に係る画像処理システム1の構成について、
図2~
図5を参照しながら説明する。
図2は、実施形態に係る画像処理システム1の概要を示す図である。なお、以下では、画像処理システム1が工場に導入される場合を例に挙げて説明する。
【0024】
図2に示すように、実施形態に係る画像処理システム1は、複数の照明装置10と、情報処理装置20とを具備する。また、
図2に示す例では、各照明装置10が工場の作業現場(たとえば、倉庫など)に設置される場合を示す。
【0025】
複数の照明装置10は、たとえば、倉庫内の作業エリア30(
図3参照)の上部にそれぞれ設けられ、カメラ16により、各作業エリア30を上部から撮像する。
【0026】
情報処理装置20は、作業現場に設置された各照明装置10を管理する装置である。たとえば、情報処理装置20は、ネットワークNを介して、各照明装置10の照明部11の照明態様や、カメラ16の撮像処理などを遠隔で制御する。
【0027】
また、情報処理装置20は、各照明装置10のカメラ16で撮像された撮像画像を収集し、記憶する。たとえば、情報処理装置20によって収集された撮像画像は、作業現場の監視などに用いられる。なお、本開示において、照明装置10のカメラ16で撮像された撮像画像には、撮像映像が含まれる。
【0028】
図3は、実施形態に係る作業エリア30における照明装置10およびマーカーMの配置の一例を示す概略平面図であり、
図4は、
図3に示すA-A線の矢視断面図である。
【0029】
図3に示すように、実施形態では、作業エリア30に複数の照明装置10が平面視で行列状に並んで配置される。かかる複数の照明装置10は、たとえば、
図4に示すように、作業エリア30の上部に位置するレール31に設置される。
【0030】
また、照明装置10に具備されるカメラ16は、
図4に示すように、作業エリア30の床面32に対して略垂直な光軸16aでかかる床面32を撮像する。床面32は、基準面の一例である。
【0031】
また、複数のカメラ16(すなわち、複数の照明装置10)は、たとえば、床面32に対して略等しい高さH1に設置される。たとえば、実施形態では、レール31が床面32と略平行に設置されることにより、複数のカメラ16が床面32に対して略等しい高さH1に設置される。
【0032】
床面32には、
図3に示すように、複数のマーカーMが設置される。かかるマーカーMは、平面視において、互いに隣接する一対のカメラ16同士の間に設置される。さらに、このマーカーMは、
図4に示すように、互いに隣接する一対のカメラ16同士のいずれの視野16bにも入るように設置される。
【0033】
図5は、実施形態に係るマーカーMの一例を示す図である。
図5に示すように、実施形態に係るマーカーMは、間隔を空けて一列に交互に並んだ2つのマーカーM1および2つのマーカーM2によって構成される。
【0034】
マーカーM1およびマーカーM2は、たとえば、いずれも略正方形状であり、1辺の長さが同じ長さX1(たとえば、10(cm)程度)である。一方で、マーカーM1およびマーカーM2は、たとえば、互いに異なる色(たとえば、赤と青)を有している。また、互いに隣接するマーカーM1の中心とマーカーM2の中心との間隔は、たとえば、すべて略等しい長さX2(たとえば、25(cm)程度)である。
【0035】
このように、全体的に細長い形状を有するマーカーMの両端は、
図3に示すように、平面視において、マーカーMに隣接する一対のカメラ16にそれぞれ向かうように配置される。すなわち、平面視で1つのカメラ16の周囲に位置し、かかるカメラ16の視野16bに入る複数のマーカーMは、すべての一方の端部がかかるカメラ16に向かうように配置される。
【0036】
これにより、マーカーMが隣接する両方のカメラ16の視野16bの中に、かかるマーカーMの少なくとも一部を入りやすくすることができる。なお、作業エリア30の床面32に設置される複数のマーカーMは、すべて同じ形状であるとよい。
【0037】
また、実施形態に係るマーカーMは、
図5の例に限られず、寸法が既知であるマーカーであれば、さまざまな形状や配置のマーカーを用いることができる。たとえば、
図5の例では、合わせて4つのマーカーM1、M2を組み合わせてマーカーMを形成する例について示したが、本開示はかかる例に限られず、たとえば、合わせて2つ以上のマーカーM1、M2を組み合わせてマーカーMを形成してもよい。
【0038】
[情報処理装置]
つづいて、実施形態に係る情報処理装置20の構成について、
図6を参照しながら説明する。
図6は、実施形態に係る情報処理装置20の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、情報処理装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、基準クロック生成部24とを具備する。
【0039】
通信部21は、たとえば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。通信部21は、たとえば、ネットワークNを介して、複数の照明装置10(
図2参照)との間で情報の送受信を行う。
【0040】
記憶部22は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。
【0041】
制御部23は、コントローラ(controller)であり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置20内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
【0042】
また、制御部23は、たとえば、コントローラであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。
【0043】
図6に示すように、制御部23は、取得部23aと、補正部23bと、生成部23cと、変換部23dと、推定部23eとを具備し、以下に説明する制御処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部23の内部構成は、
図6に示した構成に限られず、後述する制御処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0044】
取得部23aは、複数の照明装置10のカメラ16によってそれぞれ撮像された複数の撮像画像V(
図7A~
図7C参照)を取得する。たとえば、取得部23aは、リアルタイムで各照明装置10のカメラ16から複数の撮像画像Vを取得し、取得した複数の撮像画像Vを記憶部22に格納する。
【0045】
補正部23bは、複数の撮像画像Vの歪みを、かかる撮像画像Vに含まれるマーカーMに基づいてそれぞれ補正し、歪みが補正された複数の補正画像Va(
図8A~
図8C参照)を生成する。
【0046】
生成部23cは、補正部23bで生成された複数の補正画像Vaを合成することにより、床面32を基準とする俯瞰画像Vs(
図9参照)を生成する。
【0047】
変換部23dは、補正部23bによって生成された複数の補正画像Vaを、床面32とは異なる高さの面を基準とする変換画像Vb(
図13参照)に変換する。推定部23eは、カメラ16の視野16bに入った物体の高さを推定する。
【0048】
基準クロック生成部24は、複数のカメラ16でそれぞれ撮像される撮像画像の時刻を同期させるための基準クロックを生成する。これにより、実施形態では、時刻の揃った複数の撮像画像Vを取得部23aが取得することができる。
【0049】
[画像処理の詳細]
つづいて、情報処理装置20が実施する画像処理の詳細について、
図7A~
図11を参照しながら説明する。
図7A~
図7Cは、撮像画像V1~V3の一例を示す図である。なお、
図7A~
図7Cには、順々にY軸正方向に向かうように並んだ3つのカメラ16でそれぞれ同じ時刻に撮像された撮像画像V1~V3がそれぞれ示されている。なお、本開示では、撮像画像V1~V3を総称して「撮像画像V」とも呼称する。
【0050】
図7Aに示すように、撮像画像V1には、たとえば、視野16b(
図4参照)の上下左右方向にそれぞれ配置される4つのマーカーMと、床面32(
図4参照)に記される太線L1aおよび破線L2aと、フォークリフトF1とが記録される。
【0051】
また、
図7Bに示すように、撮像画像V2には、たとえば、視野16bの上下左右方向にそれぞれ配置される4つのマーカーMと、床面32に記される太線L1bおよび破線L2bとが記録される。
【0052】
また、
図7Cに示すように、撮像画像V3には、たとえば、視野16bの上下左右方向にそれぞれ配置される4つのマーカーMと、床面32に記される太線L1cおよび破線L2cと、フォークリフトF2とが記録される。
【0053】
ここで、実施形態では、
図7A~
図7Cに示すように、複数のカメラ16でそれぞれ撮像される撮像画像V1~V3には、歪みが生じている。かかる複数の撮像画像V1~V3に生じている歪みは、たとえば、カメラ16に設けられるレンズの歪曲収差などが原因である。
【0054】
そして、このように歪んでいる複数の撮像画像V1~V3をそのまま合成して俯瞰画像を生成すると、かかる俯瞰画像では、撮像画像V1と撮像画像V2とのつなぎ目や、撮像画像V2と撮像画像V3とのつなぎ目が不連続となってしまう。
【0055】
したがって、撮像画像V1~V3をそのまま合成して俯瞰画像を生成した場合、作業エリア30の状況を直感的に認識することは困難である。
【0056】
そこで、実施形態では、俯瞰画像を生成する前に、撮像画像V1~V3の歪みを補正部23bで補正し、補正画像V1a~V3aを生成する。
図8A~
図8Cは、歪みが補正された補正画像V1a~V3aの一例を示す図である。
【0057】
補正部23bは、複数の撮像画像V1~V3にそれぞれ含まれるマーカーMに基づいて、種々の公知の手法を用いて複数の撮像画像V1~V3の歪みを補正する。ここで、実施形態では、
図5に示したように、マーカーMのサイズ(長さX1、X2)が既知であり、また
図4に示したように、床面32に対するカメラ16の高さH1も既知である。
【0058】
そのため、実施形態では、
図8A~
図8Cに示すように、歪みが精度よく補正された複数の補正画像V1a~V3aを取得することができる。なお、本開示では、補正画像V1a~V3aを総称して「補正画像Va」とも呼称する。
【0059】
つづいて、実施形態では、生成部23cが、歪み補正が施された補正画像V1a~V3aを合成して、床面32を基準とする俯瞰画像Vsを生成する。
図9は、俯瞰画像Vsの一例を示す図である。
【0060】
図9に示すように、互いに隣接する箇所を撮像した補正画像V1aおよび補正画像V2aでは、同じマーカーMをそれぞれ撮像している。そのため、生成部23cは、かかる同じマーカーMが重複領域V12で重なって表示されるように、補正画像V1aおよび補正画像V2aを合成する。
【0061】
同様に、互いに隣接する箇所を撮像した補正画像V2aおよび補正画像V3aでは、同じマーカーMをそれぞれ撮像している。そのため、生成部23cは、かかる同じマーカーMが重複領域V23で重なって表示されるように、補正画像V2aおよび補正画像V3aを合成する。
【0062】
このように、実施形態では、床面32に設置されたマーカーMを位置合わせに利用して複数の補正画像V1a~V3aを合成する。これにより、実施形態に係る生成部23cは、作業エリア30の状況が認識しやすい俯瞰画像Vsを生成することができる。
【0063】
たとえば、生成部23cは、
図9に示すように、太線L1a~L1cが1本の太線L1に合成され、破線L2a~L2cが1本の破線L2に合成された俯瞰画像Vsを生成することができる。また、生成部23cは、作業エリア30においてフォークリフトF1、F2がどこで作業をしているかを容易に認識することができる俯瞰画像Vsを生成することができる。
【0064】
ここまで説明したように、実施形態に係る情報処理装置20は、基準面である床面32に設置された複数のマーカーMを用いて、複数の撮像画像Vから俯瞰画像Vsを生成する。これにより、情報処理装置20は、作業エリア30の状況が認識しやすい俯瞰画像Vsを生成することができる。
【0065】
また、実施形態では、カメラ16の光軸16aが床面32に対して略垂直であるとよい。これにより、カメラ16の光軸16aが床面32に対して傾いている場合と比べて、上下左右に歪みの偏りが小さい(換言すると、上下左右に略均等に歪んだ)撮像画像Vを取得することができる。
【0066】
そのため、実施形態では、補正部23bにおいて上下左右に歪みの偏りが大きい撮像画像Vを補正する場合と比べて、歪みの小さい補正画像Vaを生成することができる。したがって、実施形態によれば、作業エリア30の状況がさらに認識しやすい俯瞰画像Vsを生成することができる。
【0067】
なお、実施形態では、カメラ16の光軸16aが床面32に対して傾いている場合に、補正部23bは、上述した撮像画像Vの歪みを補正するのと同時に、かかる傾きも補正された補正画像Vaを生成してもよい。
【0068】
これにより、隣接する補正画像Vaと重複領域で良好に重複する補正画像Vaを生成することができることから、作業エリア30の状況がさらに認識しやすい俯瞰画像Vsを生成することができる。
【0069】
なお、カメラ16の光軸16aが床面32に対して傾いている場合、補正部23bは、撮像画像Vに含まれるマーカーMに基づいて、傾きが補正された補正画像Vaを生成するとよい。
【0070】
これにより、補正部23bは、歪みおよび傾きがさらに精度よく補正された補正画像Vaを生成することができる。したがって、実施形態によれば、作業エリア30の状況がさらに認識しやすい俯瞰画像Vsを生成することができる。
【0071】
また、実施形態では、マーカーMが、撮像画像Vの周縁部に位置するように設置されるとよい。このように、中央部に比べて歪みの大きい撮像画像Vの周縁部にマーカーMを表示させることにより、歪みが大きい周縁部を精度よく補正することができる。
【0072】
したがって、実施形態によれば、歪みがさらに精度よく補正された補正画像Vaを生成することができることから、作業エリア30の状況がさらに認識しやすい俯瞰画像Vsを生成することができる。
【0073】
また、実施形態では、マーカーMが撮像画像Vの周縁部に位置するように設置されることにより、かかるマーカーMを重複領域で重ねられるように、一対の補正画像Va同士を合成することができる。したがって、実施形態によれば、重複領域での不整合が小さく、作業エリア30の状況が認識しやすい俯瞰画像Vsを生成することができる。
【0074】
また、実施形態では、複数のカメラ16が、床面32に対して略等しい高さH1に設置されるとよい。これにより、複数のカメラ16で撮像可能な範囲を揃えることができることから、俯瞰画像Vsを生成する前に、各補正画像Vaの倍率を揃える処理を省くことができる。
【0075】
したがって、実施形態によれば、複数のカメラ16が床面32に対して略等しい高さH1に設置されることにより、俯瞰画像Vsを簡便に生成することができる。
【0076】
なお、本開示では、すべてのカメラ16が床面32に対して略等しい高さH1に設置されてもよいし、一部のカメラ16が異なる高さで設置されていてもよい。さらに、本開示では、すべてのカメラ16が互いに異なる高さで設置されていてもよい。
【0077】
なお、少なくとも一部のカメラ16が残りのカメラ16と異なる高さで設置されている場合、補正部23bは、俯瞰画像Vsを生成する前に、各補正画像Vaの倍率を揃える処理を実施するとよい。これにより、生成部23cは、作業エリア30の状況が認識しやすい俯瞰画像Vsを生成することができる。
【0078】
また、実施形態では、複数の照明装置10にそれぞれ具備される複数のカメラ16を用いて俯瞰画像Vsを生成するとよい。これにより、照度が高く鮮明な作業エリア30の撮像画像Vを取得することができることから、照度が高く鮮明な俯瞰画像Vsを生成することができる。したがって、実施形態によれば、作業エリア30の状況がさらに認識しやすい俯瞰画像Vsを生成することができる。
【0079】
さらに、複数の照明装置10にそれぞれ具備される複数のカメラ16を用いて俯瞰画像Vsを生成することにより、かかる照明装置10に起因する床面32の光沢度の高い部位を活用することができる。
図10は、撮像画像V4の一例を示す図である。
【0080】
図10に示すように、撮像画像V4には、複数のマーカーMに加えて、照明装置10に起因する床面32の光沢度の高い部位Gが映り込んでいる。この光沢度の高い部位Gは、たとえば、比較的反射率が大きい床面32において顕著に発生する。
【0081】
そして、実施形態では、
図2に示したように、複数の照明装置10が行列状に配置されることから、複数の部位Gは、撮像画像V4において行列状でかつ歪んだ位置に映り込んでいる。
【0082】
ここで、実施形態では、この部位GをマーカーMとは異なる第2のマーカーとして用いて撮像画像V4を補正する。そして、実施形態では、複数の照明装置10が並ぶ間隔が既知であることから、
図11に示すように、歪みがさらに精度よく補正された補正画像V4aを取得することができる。
図11は、歪みが補正された補正画像V4aの一例を示す図である。
【0083】
したがって、実施形態によれば、作業エリア30の状況がさらに認識しやすい俯瞰画像Vsを生成することができる。
【0084】
また、実施形態では、一部の照明装置10の照明態様を変更しながら、部位Gを用いて補正処理を行ってもよい。これにより、照明様態が変更された照明装置10に起因する部位Gの映り込み状態を変更することができることから、映り込み状態が変化した部位Gの位置に基づいて撮像画像Vの補正処理を実施することができる。
【0085】
したがって、実施形態によれば、歪みがさらに精度よく補正された補正画像Vaを生成することができることから、作業エリア30の状況がさらに認識しやすい俯瞰画像Vsを生成することができる。
【0086】
[変形例]
つづいて、実施形態の変形例について、
図12および
図13を参照しながら説明する。
図12は、変換処理を行う前の俯瞰画像Vsの一例を示す図である。
【0087】
上述したように、実施形態に係る画像処理では、床面32を基準とする俯瞰画像Vsが生成される。そのため、実施形態の
図9に示したように、床面32に記された太線L1や破線L2などは高い精度で歪みを補正することができる。
【0088】
一方で、床面32を基準とする俯瞰画像Vsにおいて、床面32よりも高い位置にある物体は、妥当な位置からズレた位置に補正される。また、この高い位置にある物体の位置ズレは、撮像画像Vの周縁部で顕著に発生する。
【0089】
そのため、
図12に示すように、補正画像V5aと補正画像V6aとの境界部にそれぞれ高い物体がある場合には、かかる補正画像V5aと補正画像V6aとの境界が不連続となった俯瞰画像Vsが生成される。
【0090】
たとえば、
図12の例では、補正画像V5aにトラックT1が表示され、補正画像V6aにフォークリフトF3が表示される。一方で、トラックT1およびフォークリフトF3はいずれも高い物体であることから、妥当な位置からズレた位置に補正されるため、補正画像V5aと補正画像V6aとの境界が不連続となっている。
【0091】
そこで、この変形例では、かかる不具合を改善するため、補正部23bによる撮像画像Vに対する補正処理の後に、床面32とは異なる高さの面を基準とする変換画像に変換する変換処理を行う。
図13は、変換処理が施された俯瞰画像Vs’の一例を示す図である。
【0092】
図13の例では、たとえば、変換部23dが、
図12に示した補正画像V5a、V6aを、床面32より高い面(たとえば、床面32から1(m)の高さの面)を基準とする変換画像V5b、V6bに、種々の公知の手法を用いて変換する。
【0093】
そして、生成部23cは、かかる変換画像V5bおよび変換画像V6bを合成して、俯瞰画像Vs’を生成する。なお、本開示では、変換画像V5b、V6bを総称して「変換画像Vb」とも呼称する。
【0094】
これにより、床面32とは異なる高さの面を基準とする俯瞰画像Vs’を生成することができることから、かかる床面32とは異なる高さの面において歪みの小さい俯瞰画像Vs’を生成することができる。そのため、
図13に示すように、かかるフォークリフトF3がトラックT1に荷物を搬入する様子を俯瞰画像Vs’によって認識することができる。
【0095】
このように、変形例では、変換部23dによって補正画像Vaを変換画像Vbに変換することにより、俯瞰画像Vs’において境界が不連続になることを抑制することができる。したがって、変形例によれば、作業エリア30の状況が認識しやすい俯瞰画像Vs’を生成することができる。
【0096】
なお、この変形例では、すべてのカメラ16の補正画像Vaを変換部23dで変換して俯瞰画像Vs’を生成してもよい。また、この変形例では、一部のカメラ16の補正画像Vaを変換部23dで変換するとともに、残りのカメラ16の補正画像Vaは変換せずにそのままの形で残した状態で俯瞰画像Vs’を生成してもよい。
【0097】
このように、一部のカメラ16の補正画像Vaを変換部23dで変換して俯瞰画像Vs’を生成することにより、高い物体が存在しない領域と、高い物体が存在する領域とが混在する作業エリア30において、状況が認識しやすい俯瞰画像Vs’を生成することができる。
【0098】
また、この変形例では、情報処理装置20の管理者などが設定した値に基づいて、変換処理の基準となる床面32とは異なる高さの値が設定されてもよい。たとえば、俯瞰画像Vsにおいて着目したい物体があった場合に、かかる管理者がこの着目したい物体が存在する領域およびこの物体の高さを指定することで、変換部23dは、指定された領域において指定された高さの面を基準とする俯瞰画像Vs’を生成するとよい。
【0099】
これによっても、高い物体が存在しない領域と、高い物体が存在する領域とが混在する作業エリア30において、状況が認識しやすい俯瞰画像Vs’を生成することができる。
【0100】
また、この変形例では、変換処理の基準となる床面32とは異なる高さの値が、推定部23eによって推定されてもよい。かかる推定部23eは、カメラ16の視野16bに物体(たとえば、高所作業車など)が侵入した場合に、かかる物体の高さを推定する。
【0101】
そして、変換部23dは、推定部23eで推定された物体の高さと同じ高さの面を基準として、かかる物体が存在する領域の補正画像Vaを変換画像Vbに変換する。これによっても、高い物体が存在しない領域と、高い物体が存在する領域とが混在する作業エリア30において、状況が認識しやすい俯瞰画像Vs’を生成することができる。
【0102】
なお、本開示では、
図4に示すように、互いに隣接する一対のカメラ16同士の間に、いずれのカメラ16の視野16bにも含まれない死角が存在する。そのため、ここまで説明した変換処理で設定可能な高さは、基準面である床面32から、両方のカメラ16の視野16bが重複する高さH2までの間に限られる。
【0103】
また、上記の変形例では、床面32を基準として補正された補正画像Vaを生成した後に、かかる補正画像Vaを床面32とは異なる高さの面を基準とする変換画像Vbに変換する例について示したが、本開示はかかる例に限られない。
【0104】
たとえば、本開示では、床面32とは異なる高さの面に位置するマーカー(図示せず)を用いることにより、床面32とは異なる高さの面を基準とするとともに、歪みが補正された変換画像Vbを撮像画像Vから直接生成してもよい。これによっても、作業エリア30の状況が認識しやすい俯瞰画像Vs’を生成することができる。
【0105】
[情報処理の手順]
つづいて、実施形態および変形例に係る情報処理装置20の制御処理の手順について、
図14および
図15を参照しながら説明する。
図14は、実施形態に係る情報処理装置20の制御処理の手順を示すフローチャートである。
【0106】
図14に示すように、まず、情報処理装置20は、複数の照明装置10のカメラ16から複数の撮像画像を取得する(ステップS101)。そして、情報処理装置20は、床面32に設置されるマーカーMに基づいて、各撮像画像Vの歪みを補正し(ステップS102)、複数の補正画像Vaを生成する。
【0107】
最後に、情報処理装置20は、複数の補正画像Vaを合成することにより、俯瞰画像Vsを生成して(ステップS103)、一連の処理を終了する。
【0108】
図15は、実施形態の変形例に係る情報処理装置20の制御処理の手順を示すフローチャートである。
【0109】
図15に示すように、まず、情報処理装置20は、複数の照明装置10のカメラ16から複数の撮像画像を取得する(ステップS201)。そして、情報処理装置20は、床面32に設置されるマーカーMに基づいて、各撮像画像Vの歪みを補正し(ステップS202)、複数の補正画像Vaを生成する。
【0110】
次に、情報処理装置20は、管理者などが指定した領域において、床面32とは異なる高さの面を基準にする指示があるか否かを判定する(ステップS203)。そして、床面32とは異なる高さの面を基準にする指示がある場合(ステップS203,Yes)、情報処理装置20は、指定された領域を撮像するカメラ16の補正画像Vaを、この床面32とは異なる高さの面を基準とする変換画像Vbに変換する(ステップS204)。
【0111】
最後に、情報処理装置20は、複数の補正画像Vaおよび変換画像Vbを合成することにより、俯瞰画像Vsを生成して(ステップS205)、一連の処理を終了する。
【0112】
一方で、ステップS203の処理において、床面32とは異なる高さの面を基準にする指示がない場合(ステップS203,No)、情報処理装置20は、カメラ16の視野16bに物体が侵入したか否かを判定する(ステップS206)。
【0113】
そして、カメラ16の視野16bに物体が侵入した場合(ステップS206,Yes)、情報処理装置20は、かかる物体の高さを推定し(ステップS207)、ステップS204の処理に移行する。
【0114】
一方で、カメラ16の視野16bに物体が侵入していない場合(ステップS206,No)、情報処理装置20は、ステップS205の処理に移行する。
【0115】
[実施形態の効果]
上述してきたように、実施形態に係る画像処理システム1は、複数のカメラ16でそれぞれ撮像された複数の撮像画像を、床面32に設置されるマーカーMに基づいて歪み補正および画像合成を行って、俯瞰画像Vsを生成する。このため、実施形態に係る画像処理システム1は、作業エリア30の状況が認識しやすい俯瞰画像Vsを生成することができる。
【0116】
また、実施形態の変形例に係る画像処理システム1は、床面32に設置されるマーカーMに基づいて補正された補正画像Vaを、床面32とは異なる高さの面を基準とする変換画像Vbに変換する。このため、実施形態に係る画像処理システム1は、高い物体が存在する領域が含まれている場合でも、作業エリア30の状況が認識しやすい俯瞰画像Vs’を生成することができる。
【0117】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0118】
1 画像処理システム
10 照明装置
16 カメラ
16a 光軸
16b 視野
20 情報処理装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
23a 取得部
23b 補正部
23c 生成部
23d 変換部
23e 推定部
24 基準クロック生成部
30 作業エリア
32 床面(基準面の一例)
M マーカー
V 撮像画像
Va 補正画像
Vb 変換画像
Vs 俯瞰画像
Vs’ 俯瞰画像