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特開2022-154390単電池ユニットおよび単電池ユニットの製造方法
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  • 特開-単電池ユニットおよび単電池ユニットの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154390
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】単電池ユニットおよび単電池ユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/284 20210101AFI20221005BHJP
   H01M 50/105 20210101ALI20221005BHJP
   H01M 50/178 20210101ALI20221005BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALI20221005BHJP
   H01M 50/50 20210101ALI20221005BHJP
   H01M 50/555 20210101ALI20221005BHJP
   H01M 50/202 20210101ALI20221005BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20221005BHJP
   H01M 50/298 20210101ALI20221005BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20221005BHJP
【FI】
H01M50/284
H01M50/105
H01M50/178
H01M10/0585
H01M50/50 101
H01M50/555
H01M50/202 501P
H01M50/296
H01M50/298
H01M50/533
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021057413
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】519100310
【氏名又は名称】APB株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀江 英明
(72)【発明者】
【氏名】小林 真也
(72)【発明者】
【氏名】工藤 峻
(72)【発明者】
【氏名】有元 絵理佳
(72)【発明者】
【氏名】川崎 洋志
(72)【発明者】
【氏名】末永 卓也
【テーマコード(参考)】
5H011
5H029
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA04
5H011BB03
5H011DD07
5H011EE04
5H011FF04
5H011GG09
5H029AJ14
5H029AK03
5H029AL02
5H029AL06
5H029AM02
5H029AM16
5H029BJ04
5H029BJ12
5H029DJ02
5H029DJ05
5H029DJ14
5H029HJ04
5H029HJ12
5H040AA22
5H040AT04
5H040AY08
5H040DD02
5H040DD09
5H040NN01
5H040NN03
5H043AA05
5H043AA17
5H043BA19
5H043CA08
5H043CA13
5H043DA02
5H043DA09
5H043DA20
5H043FA06
5H043FA26
5H043FA31
5H043JA04D
5H043KA44D
5H043LA21D
5H043LA22D
(57)【要約】
【課題】正極集電体および負極集電体に対する回路部材の組み付けを容易に行うことができる単電池ユニットおよび単電池ユニットの製造方法を提供すること。
【解決手段】正極集電体21aと、正極集電体21aと電気的に接続される正極活物質層22aと、負極集電体21bと、負極集電体21bと電気的に接続される負極活物質層22bと、正極活物質層22aと、負極活物質層22bとの間に配置されるセパレータ3と、正極集電体21aと、負極集電体21bとの間に配置され、かつ、セパレータ3の外周端部31を固定する枠体4と、電子部品63が実装され、かつ正極集電体21aおよび負極集電体21bに電気的に接続される回路部材6と、を備える。正極集電体21aおよび負極集電体21bは、厚さ方向のうち一方から見た場合において、枠体4の枠内において少なくとも一部が外部に露出して形成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極集電体と、
前記正極集電体と電気的に接続される正極活物質層と、
負極集電体と、
前記負極集電体と電気的に接続される負極活物質層と、
前記正極活物質層と、前記負極活物質層との間に配置されるセパレータと、
前記正極集電体と、前記負極集電体との間に配置され、かつ、セパレータの外周端部を固定する枠体と、
電子部品が実装され、かつ前記正極集電体および前記負極集電体に電気的に接続される回路部材と、
を備え、
前記正極集電体および前記負極集電体は、厚さ方向のうち一方から見た場合において、前記枠体の枠内において少なくとも一部が外部に露出して形成される、
ことを特徴とする単電池ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の単電池ユニットにおいて、
前記回路部材は、
厚さ方向のうち一方から見た場合において、前記枠体の枠内に位置し、前記正極集電体および前記負極集電体とそれぞれ電気的に接続される、
ことを特徴とする単電池ユニット。
【請求項3】
請求項1または2に記載の単電池ユニットにおいて、
前記枠体は、厚さ方向における両表面まで切り欠かれる切欠部が形成され、
前記正極集電体および前記負極集電体の一方である第1集電体は、厚さ方向から見た場合において、端部が前記両表面のうち、一方の表面である第1表面上に位置し、
前記正極集電体および前記負極集電体の他方である第2集電体は、厚さ方向から見た場合において、端部の少なくとも一部が前記切欠部に位置し、
前記回路部材は、
厚さ方向から見た場合において、前記切欠部に位置し、
厚さ方向において前記第1集電体の端部と対向する第1対向部のうち、前記第1集電体と対向する対向面に形成された第1接続部と、
厚さ方向において前記第2集電体の端部と対向する第2対向部のうち、前記第2集電体と対向する対向面に形成された第2接続部と、
を有し、
前記第1接続部は、導電性部材を介して第1集電体と電気的に接続され、
前記第2接続部は、導電性部材を介して前記第2集電体と電気的に接続される、
単電池ユニット。
【請求項4】
請求項3に記載の単電池ユニットにおいて、
前記枠体のうち、厚さ方向から見た場合において、前記第1接続部と対向する部分の厚さをT1とし、前記正極活物質層、前記セパレータ、前記負極活物質層および前記第1集電体を合わせた厚さをT2とした場合に、T1<T2である、
単電池ユニット。
【請求項5】
請求項4に記載の単電池ユニットにおいて、
前記枠体のうち、厚さ方向から見た場合において、前記第1接続部と対向する部分、前記第1集電体、前記導電性部材および前記第1対向部を合わせた厚さをT3とし、前記正極活物質層、前記セパレータ、前記負極活物質層および前記第1集電体を合わせた厚さをT2とした場合に、T3≦T2である、
単電池ユニット。
【請求項6】
正極集電体と、
前記正極集電体と電気的に接続される正極活物質層と、
負極集電体と、
前記負極集電体と電気的に接続される負極活物質層と、
前記正極活物質層と、前記負極活物質層との間に配置されるセパレータと、
前記正極集電体と、前記負極集電体との間に配置され、かつ、セパレータの外周端部を固定する枠体と、
電子部品が実装され、かつ前記正極集電体および前記負極集電体に電気的に接続される回路部材と、
を備え、
前記正極集電体および前記負極集電体は、厚さ方向のうち一方から見た場合において、前記枠体の枠内において少なくとも一部が外部に露出して形成される単電池ユニットの製造方法であって、
前記正極集電体、前記正極活物質層、前記セパレータ、前記負極活物質層、前記負極集電体、前記枠体を組み付ける工程と、
厚さ方向のうち一方から見た場合において、前記枠体に前記回路部材が対向した状態から、前記回路部材を厚さ方向のうち一方向に向かって移動させて、前記回路部材を正極集電体と電気的に接続し、かつ前記回路部材を前記負極集電体と電気的に接続する工程と、
を含む、ことを特徴とする単電池ユニットの製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の単電池ユニットの製造方法において、
前記枠体は、厚さ方向における両表面まで切り欠かれる切欠部が形成され、
前記正極集電体および前記負極集電体の一方である第1集電体は、厚さ方向から見た場合において、端部が前記両表面のうち、一方の表面である第1表面上に位置し、
前記正極集電体および前記負極集電体の他方である第2集電体は、厚さ方向から見た場合において、端部が前記切欠部に位置し、
前記回路部材は、
厚さ方向において前記第1集電体の端部と対向する第1対向部のうち、前記第1集電体と対向する対向面に形成された第1接続部と、
厚さ方向において前記第2集電体の端部と対向する第2対向部のうち、前記第2集電体と対向する対向面に形成された第2接続部と、
を有し、
前記正極集電体、前記正極活物質層、前記セパレータ、前記負極活物質層、前記負極集電体、前記枠体を組み付ける工程と、
前記第1集電体または前記第1接続部の一方に導電性部材を電気的に接続する工程と、
前記第2集電体または前記第2接続部の一方に導電性部材を電気的に接続する工程と、
厚さ方向のうち一方から見た場合において、前記切欠部に対して前記回路部材が対向した状態から、前記回路部材を厚さ方向のうち一方向に向かって移動させて、前記導電性部材を介して前記第1接続部を前記第1集電体と電気的に接続し、かつ前記導電性部材を介して前記第2接続部を前記第2集電体と電気的に接続する工程と、
を含む、ことを特徴とする単電池ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単電池ユニットおよび単電池ユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年注目されているリチウムイオン電池は、一般に、集電体の表面に活物質層が形成された複数の電極を、セパレータを介して積層させることで構成される。このようなリチウムイオン電池は、一般に、正極集電体、正極活物質層、セパレータ、負極活物質層および負極集電体が順に積層された構成を有する。
【0003】
例えば、特許文献1には、切欠きを有するシート状のリチウムイオン電池の切欠き部分にICチップ(集積回路)を配置し、ICチップの電源としてリチウムイオン電池を用いた構成が開示されている。詳細には、リチウムイオン電池のその平面形状を中抜き構造として、当該中抜き部分にICチップを配置しており、リチウムイオン電池の中抜き部分側に引き出された負極接続リードおよび正極接続リードに、ICチップの電極パッドを接続する構成が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-338998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1においては、リチウムイオン電池に対してICチップを搭載することができるものではあるが、ICチップに対してリチウムイオン電池の電力を供給するために、ICチップを上下方向において負極集電体に電気的に接続されている負極接続リードと、正極集電体に対して電気的に接続されている正極接続リードとの間で挟み込むことが必要となる。従って、正極集電体および負極集電体に対してICチップを電気的に接続することを考慮して、リチウムイオン電池に対してICチップを組み付けることとなるため、組み付け方法や、組み付け手順に配慮しなければならないという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、正極集電体および負極集電体に対する回路部材の組付性を向上することができる単電池ユニットおよび単電池ユニットの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の単電池ユニットは、正極集電体と、前記正極集電体と電気的に接続される正極活物質層と、負極集電体と、前記負極集電体と電気的に接続される負極活物質層と、前記正極活物質層と、前記負極活物質層との間に配置されるセパレータと、前記正極集電体と、前記負極集電体との間に配置され、かつ、セパレータの外周端部を固定する枠体と、電子部品が実装され、かつ前記正極集電体および前記負極集電体に電気的に接続される回路部材と、を備え、前記正極集電体および前記負極集電体は、厚さ方向のうち一方から見た場合において、前記枠体の枠内において少なくとも一部が外部に露出して形成される、ことを特徴とする。
【0008】
また、上記の課題を解決するために、本発明の単電池ユニットの製造方法は、正極集電体と、前記正極集電体と電気的に接続される正極活物質層と、負極集電体と、前記負極集電体と電気的に接続される負極活物質層と、前記正極活物質層と、前記負極活物質層との間に配置されるセパレータと、前記正極集電体と、前記負極集電体との間に配置され、かつ、セパレータの外周端部を固定する枠体と、電子部品が実装され、かつ前記正極集電体および前記負極集電体に電気的に接続される回路部材と、を備え、前記正極集電体および前記負極集電体は、厚さ方向のうち一方から見た場合において、前記枠体の枠内において少なくとも一部が外部に露出して形成される単電池ユニットの製造方法であって、前記正極集電体、前記正極活物質層、前記セパレータ、前記負極活物質層、前記負極集電体、前記枠体を組み付ける工程と、厚さ方向のうち一方から見た場合において、前記枠体に前記回路部材が対向した状態から、前記回路部材を厚さ方向のうち一方向に向かって移動させて、前記回路部材を正極集電体と電気的に接続し、かつ前記回路部材を前記負極集電体と電気的に接続する工程と、を含む、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る単電池ユニットおよび単電池ユニットの製造方法は、正極集電体および負極集電体に対する回路部材の組付性を向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る単電池ユニットの全体斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る単電池ユニットの要部断面図である。
図3図3は、実施形態に係る単電池ユニットの回路部材の斜視図である。
図4図4は、実施形態に係る単電池ユニットの製造方法を示すフローチャート図である。
図5図5は、回路部材組み付け工程を示す斜視図である。
図6図6は、実施形態に係る単電池ユニットを用いた組電池の一部断面全体斜視図である。
図7図7は、実施形態の変形例に係る単電池ユニットの全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0012】
[実施形態]
図1は、実施形態に係る単電池ユニットの全体斜視図である。図2は、実施形態に係る単電池ユニットの要部断面図である。図3は、実施形態に係る単電池ユニットの回路部材の斜視図である。図1図3図5図7も含む)における各構成要素を模擬的に図示したものであり、実際の各構成要素の寸法とは異なるものである。図2は、図1のA-A断面図であり、奥行き方向の一部が省略された図である。図3は、下方向から見た場合の斜視図である。図におけるX方向は、本実施形態における単電池ユニット1の幅方向である。図におけるY方向は、幅方向と直交し、本実施形態における単電池ユニット1の奥行方向である。Z方向は、厚さ方向であり、幅方向および奥行き方向と直交し、本実施形態における単電池ユニット10の上下方向である。Y1方向は手前方向で、Y2方向は奥方向である。Z1方向は厚さ方向のうち他方向である上方向で、Z2方向は厚さ方向のうち一方向である下方向である。以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、各部が相互に組み付けられた状態での方向を表すものとする。
【0013】
<単電池ユニット>
単電池ユニット1は、本実施形態では、正極2aと負極2bとの間をリチウムイオンが移動することで充電や放電を行う二次電池である。なお、以下の説明では、「正極2a」と「負極2b」とを特に区別して説明する必要がない場合には、単に「電極2」という場合がある。
【0014】
単電池ユニット1は、図1および図2に示すように、正極2aと、負極2bと、セパレータ3と、枠体4と、導電性部材5と、回路部材6とを有する。正極2aは、単電池ユニット1を構成する2つの電極(電池用電極)2のうち、一方の電極2である。負極2bは、単電池ユニット1を構成する2つの電極2のうち、他方の電極2である。セパレータ3は、正極2aと負極2bとの間に配置される板状の部材である。枠体4は、セパレータ3の外周端部31を囲う枠状の部材である。単電池ユニット1は、正極2a、セパレータ3、負極2bの順番で積層され、かつ、枠体4がセパレータ3の外周端部31を囲う位置関係で一体化される。
【0015】
正極2aは、正極集電体21aと、正極活物質層22aとを有する。本実施形態における正極集電体21aは、第2集電体であり、一定の厚さおよび可撓性を有し、厚さ方向のうち一方、すなわち下方に見た場合において矩形状に形成されている。正極集電体21aは、単電池ユニット1の最も下方側に位置し、上方側に正極活物質層22aが積層されている。正極集電体21aは、上下方向における両表面211a,212aのうち、上表面211aに正極活物質層22aが接触しており、正極活物質層22aが電気的に接続している。正極集電体21aは、上表面211aのうち、下方に見た場合において、奥行き方向における両端部のうち、手前側端部213a側に対して、回路部材6が電気的に接続される。ここで、上表面211aのうち、回路部材6が電気的に接続される領域を正極接続領域(第2接続領域)214aとする(図5参照)。正極活物質層22aは、上下方向において、正極集電体21aとセパレータ3との間に位置するものであり、外周が枠体4に囲まれて形成されている。正極活物質層22aは、一定の厚さを有し、下方に見た場合において矩形状に形成されている。
【0016】
負極2bは、負極集電体21bと、負極活物質層22bとを有する。本実施形態における負極集電体21bは、第1集電体であり、一定の厚さおよび可撓性を有し、下方に見た場合において矩形状に形成されている。負極集電体21bは、単電池ユニット1の最も上方側に位置し、下方側に負極活物質層22bが積層されている。負極集電体21bは、上下方向における両表面211b,212bのうち、下表面212bに負極活物質層22bが接触しており、負極活物質層22bが接触しており、負極活物質層22bが電気的に接続している。負極集電体21bは、上表面211bのうち、下方に見た場合において、奥行き方向における両端部のうち、手前側端部213b側に対して、回路部材6が電気的に接続される。ここで、上表面211bのうち、回路部材6が電気的に接続される領域を負極接続領域(第1接続領域)214bとする(図5参照)。負極活物質層22bは、上下方向において、負極集電体21bとセパレータ3との間に位置するものであり、外周が枠体4に囲まれて形成されている。負極活物質層22bは、一定の厚さを有し、下方に見た場合において矩形状に形成されている。
【0017】
また、以下の説明では、「正極集電体21a」と「負極集電体21b」とを特に区別して説明する必要がない場合には、単に「集電体21」という場合がある。同様に、「正極活物質層22a」と「負極活物質層22b」とを特に区別して説明する必要がない場合には、単に「電極活物質層22」という場合がある。
【0018】
セパレータ3は、正極活物質層22aと負極活物質層22bとの間に配置されるものである。セパレータ3は、正極2aと負極2bとの間の隔壁として機能し、正極活物質層22aと負極活物質層22bとが互いに接触することを抑制するものである。本実施形態におけるセパレータ3は、一定の厚さを有し、下方にみた場合において、正極集電体21aおよび負極集電体21bよりも小さく、かつ正極活物質層22aおよび負極活物質層22bよりも大きく矩形板状に形成されている。セパレータ3は、外周端部31が枠体4の枠内に位置して、すなわち外周端部31が枠体4の内部に埋没して形成されている。なお、セパレータ3は、下方にみた場合において、正極活物質層22aおよび負極活物質層22bと同じ大きさに形成されていてもよい。
【0019】
枠体4は、単電池ユニット1の骨格を形成するものである。枠体4は、上下方向において正極集電体21aおよび負極集電体21bとの間に配置されるものである。枠体4は、上下方向において外部に開口する内部空間Sが形成されており、内部空間Sのうち正極集電体21aとセパレータ3との間で正極活物質層22aを封止し、内部空間Sのうち負極集電体21bとセパレータ3との間で、負極活物質層22bを封止するものである。本実施形態における枠体4は、後述する段差部43を除き、一定の厚さを有し、セパレータ3の外周端部31を囲う額縁状に形成されている。枠体4は、上下方向における両表面である上表面41と、下表面42と、段差部43と、切欠部44とを有する。上表面41は、第1表面であり、内部空間Sを覆う負極集電体21bが固定される。下表面42は、第2表面であり、内部空間Sを覆う正極集電体21aが固定される。なお、枠体4に対する集電体21の固定は、例えば、熱による融着、図示しない接着部材による接着などがある。段差部43は、奥行き方向における両端部のうち、手前側端部45、すなわち回路部材6が組み付ける側に形成されている。段差部43は、枠体4が上表面41から下方向に向かって窪んで形成されている。ここで、段差部43は、回路部材6が単電池ユニット1に組み付けられた状態である回路部材組付状態の場合に、下方に見た場合において、後述する第1接続部65と対向するものである。段差部43の厚さT1は、正極活物質層22a、セパレータ3、負極活物質層22bおよび負極集電体21bを合わせた厚さT2よりも小さく設定されている。つまり、負極集電体21bのうち、負極接続領域214bを有する手前側端部213bは、負極集電体21bのうち、負極活物質層22bと上下方向において対向する部分よりも下方側に位置する。従って、回路部材6を負極集電体21bのうち、負極接続領域214bを有する手前側端部213bに対して電気的に接続する場合は、回路部材6を負極集電体21bのうち、負極活物質層22bと上下方向において対向する部分において電気的に接続する場合と比較して、単電池ユニット1の上下方向における長さ、すなわち単電池ユニット1の厚さが大きくなることを抑制することができる。段差部43の上下方向における段差は、負極集電体21b、導電性部材5、回路部材6の後述する第1対向部61を合わせた厚さ以上に設定されている。すなわち、段差部43の厚さT1、負極集電体21b、導電性部材5および第1対向部61を合わせた厚さT3は、厚さT2以下に設定されている。これにより、回路部材6を負極集電体21bのうち、負極接続領域214bを有する手前側端部213bに対して電気的に接続する場合は、回路部材6が負極集電体21bのうち、負極活物質層22bと上下方向において対向する部分よりも上方側に突出しないので、単電池ユニット1の上下方向における長さ、すなわち単電池ユニット1の厚さが厚くなることをさらに抑制することができる。切欠部44は、回路部材6の少なくとも一部を収容するものであり、下方に見た場合において回路部材6が位置する。本実施形態における切欠部44は、段差部43の幅方向における中央部において、上表面41から下表面42まで切り欠かれて形成されている。切欠部44の幅方向における長さは、回路部材6の幅方向における長さよりも長く設定されている。なお、本実施形態における枠体4は、正極側枠体および負極側枠体の2分割構造で製造され、のちに一体とされるものであるが、これに限定されるものではなく、セパレータ3の外周端部を埋没した状態で一体的に製造されてもよい。
【0020】
ここで、正極集電体21aは、下方に見た場合において、手前側端部213aが手前側端部45まで形成されている。つまり、正極集電体21aは、下方に見た場合において、手前側端部213aの一部が切欠部44に位置する。正極集電体21aは、下方に見た場合において、切欠部44を介して枠体4の枠内において少なくとも一部が外部に露出して形成されている。負極集電体21bは、下方に見た場合において、手前側端部213bが上表面41上に形成されている。本実施形態における負極集電体21bは、下方に見た場合において、手前側端部213aが上表面41のうち段差部43に対応する部分まで形成されている。負極集電体21bは、下方に見た場合において、枠体4の枠内において全部が直接外部に露出して形成されている。
【0021】
導電性部材5は、集電体21と回路部材6との間に配置され、集電体21と回路部材6とを電気的に接続するものである。導電性部材5は、正極集電体21aと回路部材6の後述する正極側ランド(第2接続部)67とを電気的に接続する正極側導電性部材(第2導電性部材)51、および負極集電体21bと回路部材6の後述する負極側ランド(第1接続部)65とを電気的に接続する負極側導電性部材(第1導電性部材)52である。本実施形態における導電性部材5は、回路部材6を電極2と電気的に接続する機能に加え、回路部材6を電極2に固定する機能を有する。導電性部材5としては、例えば、導電性接着材料(異方性導電膜(ACF)など)で構成された導電性テープを矩形状に分断したものであり、少なくとも上下方向における両表面に接着層が形成されるものである。
【0022】
回路部材6は、単電池ユニット1の状態に関する状態情報を外部に出力するものである。本実施形態における回路部材6は、単電池ユニット1の電圧、電流、温度、アコースティックエミッションの少なくとも1つを電池状態情報として、外部に出力するものである。回路部材6は、正極集電体21aおよび負極集電体21bとそれぞれ電気的に接続されている。本実施形態における回路部材6は、可撓性を有するFPC(フレキシブルプリント基板)であり、図2および図3に示すように、第1対向部61と、第2対向部62と、電子部品63と、負極側ランド65と、正極側ランド67とを有する。第1対向部61は、負極集電体21bの手前側端部213bと対向するものであり、奥行き方向に延在して形成され、奥行き方向における両端部のうち、手前側端部が第2対向部62と連結されている。第2対向部62は、正極集電体21aの手前側端部213aと対向するものであり、上下方向に延在して形成され、上下方向における両端部のうち、上方前側端部が第1対向部61と連結されている。つまり、回路部材6は、幅方向から見た場合において、L字状に形成されている。電子部品63は、回路部材6に実装されるものであり、配線L1を介して負極集電体21bと電気的に接続さ、配線L2を介して正極集電体21aと電気的に接続され、単電池ユニット1から供給される電力により、駆動するものである。本実施形態における電子部品63は、光を出射するLED素子であり、電池状態情報を光信号として外部に出力するものである。電子部品63は、出射面が単電池ユニット1の側面、本実施形態では手前方向に位置し、手前方向に光を出射する。負極側ランド65は、負極集電体21bが電気的に接続されるものであり、本実施形態では回路部材6の負極集電体21bと上下方向において対向する面に形成されたランドである。負極側ランド65は、第1対向部61の上下方向における両面のうち、下方側面である第1対向面64に形成されている。正極側ランド67は、正極集電体21aが電気的に接続されるものであり、本実施形態では回路部材6の正極集電体21aと上下方向において対向する面に形成されたランドである。正極側ランド67は、第2対向部62の上下方向における両面のうち、下方側面である第2対向面66に形成されている。回路部材6の奥行き方向における長さは、切欠部44の奥行き方向における長さよりも短く設定されている。従って、回路部材6は、回路部材6が単電池ユニット1に組み付けられた状態で、下方に見た場合において、切欠部44に位置、すなわち枠体4の枠内に位置する。回路部材6の上下方向における長さは、回路部材6が単電池ユニット1に組み付けられた状態において、第1対向部61の上下方向における両面のうち、上方側面が、上表面212bのうち、負極活物質層22bと上下方向において対向する部分よりも低くなるように設定されている。従って、回路部材6は、回路部材組付状態の場合に、幅方向から見た場合において、切欠部44および段差部43に収容され、すなわち枠体4の枠内に位置する。なお、回路部材6には、電子部品63とは異なる複数の電子部品が実装されており、これらの電子部品により電池状態情報を検出する。また、電子部品63は、光信号により外部に状態情報を出力するものであるが、これに限定されるものではなく、電気信号、音響信号などにより、外部に状態情報を出力するものであってもよい。
【0023】
<正極集電体の具体例>
正極集電体21aを構成する正極集電体としては、公知のリチウムイオン単電池に用いられる集電体を用いることができ、例えば、公知の金属集電体及び導電材料と樹脂とから構成されてなる樹脂集電体(特開2012-150905号公報及び国際公開第2015-005116号等に記載の樹脂集電体等)を用いることができる。正極集電体21aを構成する正極集電体は、電池特性等の観点から、樹脂集電体であることが好ましい。
【0024】
金属集電体としては、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、タンタル、ニオブ、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン及びこれらの金属を1種以上含む合金、並びに、ステンレス合金からなる群から選択される一種以上の金属材料が挙げられる。これらの金属材料は、薄板や金属箔等の形態で用いてもよい。また、上記金属材料以外で構成される基材表面にスパッタリング、電着、塗布等の方法により上記金属材料を形成したものを金属集電体として用いてもよい。
【0025】
樹脂集電体としては、導電性フィラーとマトリックス樹脂とを含むことが好ましい。マトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)等が挙げられるが、特に限定されない。導電性フィラーは、導電性を有する材料から選択されれば特に限定されない。例えば、導電性フィラーは、その形状が繊維状である導電性繊維であってもよい。
【0026】
樹脂集電体は、マトリックス樹脂及び導電性フィラーのほかに、その他の成分(分散剤、架橋促進剤、架橋剤、着色剤、紫外線吸収剤、可塑剤等)を含んでいてもよい。また、複数の樹脂集電体を積層して用いてもよく、樹脂集電体と金属箔とを積層して用いても良い。
【0027】
正極集電体21aの厚さは、特に限定されないが、5~150μmであることが好ましい。複数の樹脂集電体を積層して正極集電体21aとして用いる場合には、積層後の全体の厚さが5~150μmであることが好ましい。正極集電体21aは、例えば、マトリックス樹脂、導電性フィラー及び必要により用いるフィラー用分散剤を溶融混練して得られる導電性樹脂組成物を公知の方法でフィルム状に成形することにより得ることができる。
【0028】
<正極活物質の具体例>
正極活物質層22aは、正極活物質を含む混合物の非結着体であることが好ましい。ここで、非結着体とは、正極活物質層中において正極活物質の位置が固定されておらず、正極活物質同士及び正極活物質同士及び正極活物質と集電体とが不可逆的に固定されていないことを意味する。正極活物質層22aが非結着体である場合、正極活物質同士は不可逆的に固定されていないため、正極活物質同士の界面を機械的に破壊することなく分離することができ、正極活物質層22aに応力がかかった場合でも正極活物質が移動することで正極活物質層22aの破壊を防止することができ好ましい。非結着体である正極活物質層22aは、正極活物質層22aを、正極活物質と電解液とを含みかつ結着剤を含まない正極活物質層22aにする等の方法で得ることができる。なお、本明細書において、結着剤とは、正極活物質同士及び正極活物質と集電体とを可逆的に固定することができない薬剤を意味し、デンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、スチレン-ブタジエンゴム、ポリエチレン及びポリプロピレン等の公知の溶剤乾燥型のリチウムイオン電池用結着剤等が挙げられる。これらの結着剤は、溶剤に溶解又は分散して用いられ、溶剤を揮発、留去することで表面が粘着性を示すことなく固体化するので正極活物質同士及び正極活物質と集電体とを可逆的に固定することができない。
【0029】
正極活物質としては、例えば、リチウムと遷移金属との複合酸化物、遷移金属元素が2種である複合酸化物及び金属元素が3種類以上である複合酸化物等が挙げられるが、特に限定されない。
【0030】
正極活物質は、その表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆材により被覆された被覆正極活物質であってもよい。正極活物質の周囲が被覆材で被覆されていると、正極の体積変化が緩和され、正極の膨張を抑制することができる。
【0031】
被覆材を構成する高分子化合物としては、特開2017-054703号公報及び国際公開第2015-005117号等に活物質被覆用樹脂として記載されたものを好適に用いることができる。
【0032】
被覆材には、導電剤が含まれていてもよい。導電剤としては、正極集電体21aに含まれる導電性フィラーと同様のものを好適に用いることができる。
【0033】
正極活物質層22aには、粘着性樹脂が含まれていてもよい。粘着性樹脂としては、例えば、特開2017-054703号公報に記載された非水系二次電池活物質被覆用樹脂に少量の有機溶剤を混合してそのガラス転移温度を室温以下に調節したもの、及び、特開平10-255805公報に粘着剤として記載されたもの等を好適に用いることができる。なお、粘着性樹脂は、溶媒成分を揮発させて乾燥させても固体化せずに粘着性(水、溶剤、熱などを使用せずに僅かな圧力を加えることで接着する性質)を有する樹脂を意味する。一方、結着剤として用いられる溶液乾燥型の電極用バインダーは、溶媒成分を揮発させることで乾燥、固体化して活物質同士を強固に接着固定するものを意味する。したがって、上述した結着剤(溶液乾燥型の電極バインダー)と粘着性樹脂とは、異なる材料である。
【0034】
正極活物質層22aには、電解質と非水溶媒を含む電解液が含まれていてもよい。電解質としては、公知の電解液に用いられているもの等が使用できる。非水溶媒としては、公知の電解液に用いられているもの(例えば、リン酸エステル、ニトリル化合物等及びこれらの混合物等)が使用できる。例えば、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)の混合液、又は、エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)の混合液を用いることができる。
【0035】
正極活物質層22aには、導電助剤が含まれていてもよい。導電助剤としては、正極集電体21aに含まれる導電性フィラーと同様の導電性材料を好適に用いることができる。
【0036】
正極活物質層22aの厚さは、特に限定されるものではないが、電池性能の観点から、150~600μmであることが好ましく、200~450μmであることがより好ましい。
【0037】
<負極集電体の具体例>
負極集電体21bを構成する負極集電体としては、正極集電体で記載した構成と同様のものを適宜選択して用いることができ、同様の方法により得ることができる。負極集電体21bは、電池特性等の観点から、樹脂集電体であることが好ましい。負極集電体21bの厚さは、特に限定されないが、5~150μmであることが好ましい。
【0038】
<負極活物質の具体例>
負極活物質層22bは、負極活物質を含む混合物の非結着体であることが好ましい。負極活物質層が非結着体であることが好ましい理由、及び非結着体である負極活物質層22bを得る方法等は、正極活物質層22aが非結着体であることが好ましい理由、及び非結着体である正極活物質層22aを得る方法と同様である。
【0039】
負極活物質としては、例えば、炭素系材料、珪素系材料及びこれらの混合物などを用いることができるが、特に限定されない。
【0040】
負極活物質は、その表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆材により被覆された被覆負極活物質であってもよい。負極活物質の周囲が被覆材で被覆されていると、負極の体積変化が緩和され、負極の膨張を抑制することができる。
【0041】
被覆材としては、被覆正極活物質を構成する被覆材と同様のものを好適に用いることができる。
【0042】
負極活物質層22bは、電解質と非水溶媒を含む電解液を含有する。電解液の組成は、正極活物質層22aに含まれる電解液と同様の電解液を好適に用いることができる。
【0043】
負極活物質層22bには、導電助剤が含まれていてもよい。導電助剤としては、正極活物質層22aに含まれる導電性フィラーと同様の導電性材料を好適に用いることができる。
【0044】
負極活物質層22bには、粘着性樹脂が含まれていてもよい。粘着性樹脂としては、正極活物質層22aの任意成分である粘着性樹脂と同様のものを好適に用いることができる。
【0045】
負極活物質層22bの厚さは、特に限定されるものではないが、電池性能の観点から、150~600μmであることが好ましく、200~450μmであることがより好ましい。
【0046】
<セパレータの具体例>
セパレータ3に保持される電解質としては、例えば、電解液又はゲルポリマー電解質などが挙げられる。セパレータ3は、これらの電解質を用いることで、高いリチウムイオン伝導性が確保される。セパレータ3の形態としては、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン製の多孔性フィルム等が挙げられるが、特に限定されない。
【0047】
<枠体の具体例>
枠体4としては、電解液に対して耐久性のある材料であれば特に限定されないが、例えば、高分子材料が好ましく、熱硬化性高分子材料がより好ましい。枠体4を構成する材料としては、絶縁性、シール性(液密性)、電池動作温度下での耐熱性等を有するものであればよく、樹脂材料が好適に採用される。より具体的には、枠体4としては、例えば、エポキシ系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂及びポリフッ化ビニリデン樹脂等が挙げられ、耐久性が高く取り扱いが容易であることからエポキシ系樹脂が好ましい。
【0048】
<単電池ユニットの製造方法>
次に、単電池ユニット1の製造方法について説明する。図4は、実施形態に係る単電池ユニットの製造方法を示すフローチャート図である。図5は、回路部材組み付け工程を示す斜視図である。
【0049】
まず、図4に示すように、電極を製造する(ST1)。ここで、電極2の製造は、例えば、図示しないチャンバーの内部空間に枠体供給機構、活物質供給機構、ロールプレス機構およびカット機構が配置された電池用電極製造装置が用いられる。電池用電極製造装置は、外部から減圧された内部空間に搬入された帯状の集電体に対して、枠体供給機構により枠体4を固定し、活物質供給機構により枠体4の枠内に活物質が供給され、ロールプレス機構により、枠体4の枠内に供給された活物質を圧縮することで、枠内に充填させ、カット機構により帯状の集電体から枠体4の枠内に活物質が充填された単体の集電体を生成することで、正極2a、負極2bを製造する。
【0050】
次に、電極2に対してセパレータ3、枠体4を組み付ける(ST2)。ここで、セパレータ3、枠体4は、例えば、図示しないロボットアームを有する単電池ユニット製造装置が用いられる。単電池ユニット製造装置は、まず、正極2aに対してセパレータ3を組み付ける。具体的には、単電池ユニット製造装置は、載置台に載置された正極2aの図示しない正極側枠体の上下方向における両表面のうち、上表面にセパレータ3を固定する。なお、正極側枠体に対するセパレータ3の固定は、例えば、熱による融着、図示しない接着部材による接着などがある。単電池ユニット製造装置は、次に、セパレータ3が組み付けられた正極2aに対して負極2bを組み付ける。具体的には、単電池ユニット製造装置は、載置台に載置された正極2aに対して、セパレータ3と負極活物質層22bとが上下方向において対向するように、負極2bを配置し、負極2bを正極2aに向かって移動、すなわち負極2bを下方向に移動させ、セパレータ3と負極活物質層22bとが接触した状態で、正極側枠体に対して負極側枠体を固定する。なお、正極側枠体に対する負極側枠体の固定は、例えば、熱による融着、図示しない接着部材による接着などがある。これにより、単電池ユニット製造装置は、正極集電体21a、正極活物質層22a、セパレータ3、負極活物質層22b、負極集電体21bおよび枠体4を組み付ける。
【0051】
次に、導電性部材5を組み付ける(ST3)。ここで、本実施形態における導電性部材5は、図5に示すように、単電池ユニット製造装置または手作業により、回路部材6に予め組み付けられる。正極側導電性部材51は、回路部材6の正極側ランド67に予め帖着され、電気的に接続された状態となる。負極側導電性部材52は、回路部材6の負極側ランド65に予め帖着され、電気的に接続された状態となる。なお、導電性部材5は、回路部材6に予め組み付けられる場合に限定されるものではなく、集電体2に予め組み付けられていてもよい。
【0052】
次に、図4に示すように、回路部材6を組み付ける(ST4)。ここで、本実施形態における回路部材6は、図5に示すように、単電池ユニット製造装置または手作業により、下方から見た場合において、枠体4に回路部材6が対向した状態から、回路部材6を下方向に向かって移動させて、正極側導電性部材51を正極集電体21aの正極接続領域214aに帖着させることで、正極側導電性部材51を介して回路部材6を正極集電体21aと電気的に接続するとともに、負極側導電性部材52を負極集電体21bの負極接続領域214bに帖着させることで、負極側導電性部材52を介して回路部材6を負極集電体21bと電気的に接続する。これにより、回路部材6は、電極2に組み付けられ、単電池ユニット1が製造される。
【0053】
以上のように、本実施形態における単電池ユニット1および単電池ユニット1の製造方法は、正極集電体21a、正極活物質層22a、セパレータ3、負極活物質層22b、負極集電体21bおよび枠体4が組み付けられた電極組付状態における正極集電体21aおよび負極集電体21bに対して、回路部材6を一方向、すなわち下方向に移動させることで、導電性部材5を介して、回路部材6を電気的に接続することができる。従って、正極集電体21aおよび負極集電体21bに対する回路部材6の組み付けを行う際に、回路部材6を他の要素どうしの組み付け後、すなわち一番最後に組み付けることができる。また、正極集電体21aおよび負極集電体21bに対する回路部材6の組み付けを行う際に、回路部材6に対して複雑な組み付け作業を行うことなく、単純な動作で組み付けを実現することができる。これにより、正極集電体21aおよび負極集電体21bに対する回路部材6の組み付けを容易に行うことができるので、組付性を向上することができる。
【0054】
<組電池>
単電池ユニット1は、複数組み合わせて、電圧及び容量を調節した組電池、すなわち電池パックの形態で使用することが可能である。図6は、実施形態に係る単電池ユニットを用いた組電池の一部断面全体斜視図である。電池パック100は、図6に示すように、組電池110と、正極端子120と、負極端子130と、導光部材140と、外装体150とを有する組電池110は、複数の単電池ユニット1を上下方向において積層したものである。本実施形態における組電池110は、隣り合う単電池1の互いの異なる極性の電極2が接触、すなわち一方の正極2aと他方の負極2bとが接触するように直接接続にて積層される。正極端子120は、電池パック100における正極としての機能を有し、組電池110の上下方向における上方側端部に配置される単電池ユニット1の正極2aが電気的に接続されている。負極端子130は、電池パック100における負極としての機能を有し、組電池110の上下方向における下方側端部に配置される単電池ユニット1の負極2bが電気的に接続されている。導光部材140は、各単電池ユニット1の電子部品63から出力される光信号を導光するものである。導光部材140は、各単電池ユニット1の電子部品63と奥行き方向において対向して配置されており、先端部から出射された光信号は、図示しない受光部材により受光され、各単電池ユニット1の状態情報が電池パック100の外部に出力される。外装体150は、組電池110を保護するものである。外装体150は、内部空間SPに組電池110、正極端子120、負極端子130、導光部材140を収容するものである。外装体150は、例えばラミネートフィルムが用いられる。正極端子120の先端部、負極端子130の先端部および導光部材140の先端部は、外装体150の外部に露出している。このように、複数の単電池ユニット1を上下方向において積層した電池パック100においても、単電池ユニット1の厚さが厚くなることが抑制されているので、電池パック100の厚さが厚くなることを抑制することができる。
【0055】
なお、本実施形態における単電池ユニット1は、回路部材6の幅方向から見た場合における形状がL字状であったがこれに限定されるものではない。図7は、実施形態の変形例に係る単電池ユニットの全体斜視図である。変形例に係る単電池ユニット1の回路部材6は、下方に見た場合において、矩形状に形成されている。正極側ランド67、負極側ランド65および電子部品63は、回路部材6の上下方向における両表面のうち、下表面68にともに形成されている。正極側ランド67は、下表面68のうち、手間方向側端部において幅方向における両端部にそれぞれ形成されている。負極側ランド65は、下表面68のうち、奥行き方向側端部において幅方向における中央部に形成されている。電子部品63は、下表面68のうち、手前方向側端部において幅方向における中央部に形成されており、回路部材組付状態の場合に、手前方向側端部、すなわち出射面が単電池ユニット1の外部に露出する。変形例に係る単電池ユニット1においても、正極集電体21aおよび負極集電体21bに対する回路部材6の組み付けを容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0056】
1:単電池ユニット、 2:電極、 2a:正極、 2b:負極 21:集電体層、
21a:正極集電体、 21b:負極集電体、 22:電極活物質層、
22a:正極活物質層、 22b:負極集電体、 3:セパレータ、 4:枠体
5:導電性部材、 6回路部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7