(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154422
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】エネルギー管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20120101AFI20221005BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021057454
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】村田 裕志
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA00
(57)【要約】
【課題】エネルギー管理者が参照したいグラフに到達するまでの時間と労力を軽減する。
【解決手段】エネルギー管理システムは、グラフが表示された参照回数とグラフを表示させた参照ユーザ数をグラフ毎に集計する回数取得部13と、グラフを定義するグラフ定義情報と、参照回数閾値と参照ユーザ数閾値とを含む高頻度条件定義情報をグラフ毎に作成するグラフ定義登録部14と、直近一定期間における参照ユーザ数が参照ユーザ数閾値を超え、かつ直近一定期間における参照回数が参照回数閾値を超えるグラフについて高頻度条件が成立したと判定する優先表示判定部15と、高頻度条件が成立したと判定されたグラフを優先表示のグラフに分類するグラフ分類部16と、優先表示のグラフとして分類されたグラフの識別情報を優先表示フォルダの表示位置に表示する表示部17を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー管理対象に関係する計測データを取得するように構成された計測データ取得部と、
エネルギー管理のためのグラフを定義するグラフ定義情報を作成するように構成されたグラフ定義部と、
グラフの優先性に関する情報をグラフ毎に取得するように構成された情報取得部と、
前記優先性に関する情報に対して条件を設定するように構成された条件定義部と、
前記優先性に関する情報について前記条件定義部によって設定された条件が成立したか否かを判定するように構成された条件判定部と、
前記条件判定部の判定結果に基づき、優先表示または非優先表示のカテゴリーのいずれか一つにグラフを分類するように構成されたグラフ分類部と、
グラフの識別情報をそのグラフが分類された前記カテゴリーに対応する表示オブジェクトの表示位置に表示するように構成された表示部とを備えることを特徴とするエネルギー管理システム。
【請求項2】
管理対象からエネルギー管理に関係する計測データを取得するように構成された計測データ取得部と、
エネルギー管理のためのグラフを定義するグラフ定義情報を作成するように構成されたグラフ定義部と、
グラフが表示された参照回数とグラフを表示させた参照ユーザ数とをグラフ毎に集計するように構成された回数取得部と、
参照回数閾値と参照ユーザ数閾値とを含む高頻度条件定義情報をグラフ毎に作成するように構成された高頻度条件定義部と、
直近一定期間における前記参照ユーザ数が前記参照ユーザ数閾値を超え、かつ直近一定期間における前記参照回数が前記参照回数閾値を超えるグラフについて高頻度条件が成立したと判定するように構成された高頻度条件判定部と、
前記高頻度条件が成立したと判定されたグラフを優先表示のグラフに分類し、前記高頻度条件が成立しないと判定されたグラフを非優先表示のグラフに分類するように構成されたグラフ分類部と、
前記優先表示のグラフとして分類されたグラフの識別情報を画面上の表示オブジェクトである優先表示フォルダの表示位置に表示し、前記非優先表示のグラフとして分類されたグラフの識別情報を前記画面上の表示オブジェクトである非優先表示フォルダの表示位置に表示するように構成された表示部とを備えることを特徴とするエネルギー管理システム。
【請求項3】
管理対象からエネルギー管理に関係する計測データを取得するように構成された計測データ取得部と、
エネルギー管理のためのグラフを定義するグラフ定義情報を作成するように構成されたグラフ定義部と、
現在日時を取得するように構成された時刻取得部と、
表示月の情報を含む日付/時刻条件定義情報をグラフ毎に作成するように構成された日付/時刻条件定義部と、
前記表示月が現在月と一致したグラフについて日付/時刻条件が成立したと判定するように構成された日付/時刻条件判定部と、
前記日付/時刻条件が成立したと判定されたグラフを優先表示のグラフに分類し、前記日付/時刻条件が成立しないと判定されたグラフを非優先表示のグラフに分類するように構成されたグラフ分類部と、
前記優先表示のグラフとして分類されたグラフの識別情報を画面上の表示オブジェクトである優先表示フォルダの表示位置に表示し、前記非優先表示のグラフとして分類されたグラフの識別情報を前記画面上の表示オブジェクトである非優先表示フォルダの表示位置に表示するように構成された表示部とを備えることを特徴とするエネルギー管理システム。
【請求項4】
管理対象からエネルギー管理に関係する計測データを取得するように構成された計測データ取得部と、
エネルギー管理のためのグラフを定義するグラフ定義情報を作成するように構成されたグラフ定義部と、
現在日時を取得するように構成された時刻取得部と、
表示日の情報を含む日付/時刻条件定義情報をグラフ毎に作成するように構成された日付/時刻条件定義部と、
前記表示日が現在日と一致したグラフについて日付/時刻条件が成立したと判定するように構成された日付/時刻条件判定部と、
前記日付/時刻条件が成立したと判定されたグラフを優先表示のグラフに分類し、前記日付/時刻条件が成立しないと判定されたグラフを非優先表示のグラフに分類するように構成されたグラフ分類部と、
前記優先表示のグラフとして分類されたグラフの識別情報を画面上の表示オブジェクトである優先表示フォルダの表示位置に表示し、前記非優先表示のグラフとして分類されたグラフの識別情報を前記画面上の表示オブジェクトである非優先表示フォルダの表示位置に表示するように構成された表示部とを備えることを特徴とするエネルギー管理システム。
【請求項5】
管理対象からエネルギー管理に関係する計測データを取得するように構成された計測データ取得部と、
エネルギー管理のためのグラフを定義するグラフ定義情報を作成するように構成されたグラフ定義部と、
現在日時を取得するように構成された時刻取得部と、
表示時刻の情報を含む日付/時刻条件定義情報をグラフ毎に作成するように構成された日付/時刻条件定義部と、
前記表示時刻が現在時刻と一致したグラフについて日付/時刻条件が成立したと判定するように構成された日付/時刻条件判定部と、
前記日付/時刻条件が成立したと判定されたグラフを優先表示のグラフに分類し、前記日付/時刻条件が成立しないと判定されたグラフを非優先表示のグラフに分類するように構成されたグラフ分類部と、
前記優先表示のグラフとして分類されたグラフの識別情報を画面上の表示オブジェクトである優先表示フォルダの表示位置に表示し、前記非優先表示のグラフとして分類されたグラフの識別情報を前記画面上の表示オブジェクトである非優先表示フォルダの表示位置に表示するように構成された表示部とを備えることを特徴とするエネルギー管理システム。
【請求項6】
管理対象からエネルギー管理に関係する計測データを取得するように構成された計測データ取得部と、
エネルギー管理のためのグラフを定義するグラフ定義情報を作成するように構成されたグラフ定義部と、
対象のグラフで表示する計測データのうち条件式に入力する計測データを指定する引用ポイントの情報と前記条件式の情報とを含むデータ条件定義情報をグラフ毎に作成するように構成されたデータ条件定義部と、
前記引用ポイントで指定された計測データまたは計測データの代表値が前記条件式を満足するグラフについてデータ条件が成立したと判定するように構成されたデータ条件判定部と、
前記データ条件が成立したと判定されたグラフを優先表示のグラフに分類し、前記データ条件が成立しないと判定されたグラフを非優先表示のグラフに分類するように構成されたグラフ分類部と、
前記優先表示のグラフとして分類されたグラフの識別情報を画面上の表示オブジェクトである優先表示フォルダの表示位置に表示し、前記非優先表示のグラフとして分類されたグラフの識別情報を前記画面上の表示オブジェクトである非優先表示フォルダの表示位置に表示するように構成された表示部とを備えることを特徴とするエネルギー管理システム。
【請求項7】
請求項6記載のエネルギー管理システムにおいて、
前記管理対象のエネルギー管理に関係する量の予測値を演算するように構成された予測部をさらに備え、
前記データ条件判定部は、前記データ条件定義情報の引用ポイントの情報で計測データの代わりに前記予測値が指定されている場合に、前記引用ポイントで指定された予測値または予測値の代表値が前記条件式を満足するグラフについてデータ条件が成立したと判定することを特徴とするエネルギー管理システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のエネルギー管理システムにおいて、
前記表示部は、前記表示オブジェクトに表示されたグラフの識別情報が選択されたときに、この選択されたグラフを前記計測データ取得部によって取得された計測データと前記グラフ定義情報とに基づいて表示することを特徴とするエネルギー管理システム。
【請求項9】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のエネルギー管理システムにおいて、
前記管理対象のエネルギー管理に関係する量の予測値を演算するように構成された予測部をさらに備え、
前記表示部は、前記表示オブジェクトに表示されたグラフの識別情報が選択され、この選択されたグラフの前記グラフ定義情報で前記予測値を表示することが指定されているときに、前記選択されたグラフを前記予測値と前記グラフ定義情報とに基づいて表示することを特徴とするエネルギー管理システム。
【請求項10】
請求項7記載のエネルギー管理システムにおいて、
前記表示部は、前記表示オブジェクトに表示されたグラフの識別情報が選択され、この選択されたグラフの前記グラフ定義情報で前記予測値を表示することが指定されているときに、前記選択されたグラフを前記予測値と前記グラフ定義情報とに基づいて表示することを特徴とするエネルギー管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル等の管理対象のエネルギー管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビルのエネルギー管理を行うために、エネルギー管理システムがある。エネルギー管理システムは、設備機器、居住環境の計測・計量データを収集蓄積し、収集したデータをグラフにすることができる(非特許文献1、特許文献1参照)。
【0003】
エネルギー管理者は、エネルギー使用量の確認、設備の運転効率評価、エネルギー変動要因分析、室内環境評価など目的に応じて多種多様のグラフを登録し、必要に応じて登録したグラフを参照している。特にエネルギー管理が必要な大規模ビルでは、グラフ枚数が数百枚になることも珍しくない。
【0004】
従来技術では、フォルダを作成して登録したグラフを分類し、エネルギー管理者が目的のグラフを参照し易くなるようにしている。しかし、ビルのエネルギー管理では以下の(I)~(III)の要因により、見たいグラフを参照するまでに時間と労力がかかってしまう。
【0005】
(I)フォルダの階層が深い。
エネルギー使用量の変化があった箇所を特定するため、フォルダが深い階層構造になる。
図33は、エネルギー管理グラフを分類するフォルダの階層例を示す図である。画面100に表示されたフォルダの中には、1つ以上のグラフが登録されている。
図33の例では、2階層であるが、ビルによっては、建物(1階層)-フロア(2階層)-エリア(3階層)-用途(4階層)といったようにフォルダの階層数が大きくなる場合もある。
【0006】
(II)フォルダの数が多い。
エネルギー管理業務は多岐にわたるためフォルダの数が多くなる。エネルギー管理業務の例としては、例えばエネルギー使用量の予実管理、エネルギー使用量の増減要因分析、設備機器の運転効率の管理、室内環境の評価、省エネルギー対策の効果検証などがある。
図33の例では、フォルダ6のみを展開して下層のフォルダ6-1~6-5を表示させ、フォルダ1~5は展開していないが、複数のフォルダを展開すると画面には入りきらず、スクロールバーが必要になるほどフォルダ数が多くなる。
【0007】
(III)1つのフォルダに入っているグラフの数が多い。
ビルには、冷凍機、冷却塔、搬送ポンプ、空調機、VAV(Variable Air Volume)ユニットなどの機器があり、同一種別の機器が複数存在するため、同じ構成のグラフが多数登録される結果、フォルダに登録されるグラフの数が多くなる。特にエネルギー管理が必要な大規模ビルでは、空調機が100台を超えることも珍しくない。
図34の例では、2階層目のフォルダ1-1にグラフ1-1-1~1-1-10の10個のグラフが登録されている例を示している。このように多量のグラフが登録されていると、エネルギー管理者が見たいグラフを参照するまで時間がかかってしまう。
【0008】
非特許文献1で開示されたクラウドサービスには、グラフ検索機能があり、見たいグラフを参照できるまでの時間と労力の短縮を図っている。グラフ検索機能を使う場合には、
図35に示すように検索ダイアログボックス101に検索語を入力する。
図35の例では、検索ダイアログボックス101に「グラフ2-」と入力したことにより、フォルダ2-1に登録されているグラフ2-1-1~2-1-10を見つけることができたことを示している。
【0009】
しかしながら、このようなグラフ検索機能では、下記の(IV)~(VI)の作業がエネルギー管理者への負担となり、改善が求められている。
(IV)管理者は毎回同じ検索作業が必要となる。
(V)グラフ名称を覚えておく必要がある。
(VI)グラフを絞り込むための適切な検索語を入力する必要がある。
【0010】
また、非特許文献1で開示されたクラウドサービスには、ブックマーク機能がある。ブックマーク機能を使うときには、
図36に示すように参照したいグラフと表示するデータの日時とを指定(
図36のブックマーク名称)することにより、次回参照するまでの時間と労力の短縮を図っている。
【0011】
しかし、ブックマーク機能では、下記の(VII)、(VIII)の作業がエネルギー管理者への負担となり、改善が求められている。
(VII)多数のブックマークがあるとブックマークを探す作業が必要となる。
(VIII)ブックマークのデータ参照日時の更新作業が必要となる。
例えば、あるグラフに昨年度の月データを表示させるブックマークを追加しても、翌年度になるとブックマークで指定したデータが参考にならない場合があり、表示する年度の設定を更新する必要がある。
【0012】
エネルギー管理システムにおけるグラフの利用状況には、グラフ毎に参照するタイミングが異なるという特性がある。
例えばエネルギー管理者は、夏期、冬期、中間期など季節によって異なる設備のエネルギー使用量のグラフを参照する。また、エネルギー管理者は、月の上旬にはエネルギー管理報告書作成のために、前月のビル全体のエネルギー使用量のグラフを参照し、月の中旬には当月のエネルギー管理目標の予実を確認するために、ビル全体のエネルギー使用量のグラフを参照する。また、エネルギー管理者は、特定の条件でエネルギー使用量がエネルギー契約を遵守できるかを確認する。
【0013】
このようにグラフ毎に参照するタイミングが異なるにも関わらず、非特許文献1で開示されたエネルギー管理システムは、毎回、管理者に大量のグラフを全て表示させ、管理者にフォルダやグラフの探索作業をさせ、エネルギー管理業務の作業効率を低下させているという問題があった。また、非特許文献1で開示されたエネルギー管理システムでは、管理者が参照していないが、優先的に表示することが望ましいグラフを表示できないという問題があった。優先的に表示することが望ましいグラフとしては、季節、時刻と関連が強いエネルギー管理グラフ、頻度は少ないが特定の条件が成立した時に確認すべきエネルギー管理上重要なグラフなどがある。
【0014】
エネルギー管理システムが導入される大規模なビルでは、複数の管理者がエネルギー管理業務を行うことが多い。そのため、管理者間にスキルの差が発生すると、業務上問題(作業効率等)があり、業務を標準化することが重要となっている。業務を標準化するため、管理者が参照しているグラフを共有する、すなわち情報の差をなくすために他の管理者が重要と思っているグラフを優先的に表示することが望ましい。
【0015】
特許文献1で開示されたエネルギー管理システムには、グラフの使用頻度と日時データを管理者毎に蓄積し、管理者が過去に参照したグラフを優先的に表示する機能がある。管理者が過去に参照したグラフを優先的に表示することで、次回参照するまでの時間と労力の短縮を図っている。しかしながら、特許文献1で開示されたエネルギー管理システムでは、ビルの他の管理者を含めた使用頻度に基づいた優先表示ができないため、管理者の負担軽減とはならず、改善が求められている。
【0016】
大規模ビルは、熱源設備、空調設備、照明設備、衛生設備、昇降設備など多種多様な設備がある。また、同じ設備構成のビルでもビル毎に運用が異なる。したがって、ビル毎にエネルギー管理上の課題は異なる。エネルギー管理業務を行うためには、管理者間のスキルの継承だけではなく、そのビル特有の課題を共有することが重要である。しかしながら、特許文献1のエネルギー管理システムでは、管理者間で重要と思っているグラフを共有できておらず、エネルギー管理業務の作業効率を低下させているという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】高橋哲也他,“ビル管理業務の効率化に貢献するビル向けクラウドサービスの開発-全体像とエネルギー管理機能”,azbilテクニカルレビュー 2016年4月発行号,p.34-40,2016年,<https://www.azbil.com/jp/corporate/pr/library/review/pdf/2016_04_8.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、エネルギー管理者が参照したいグラフに到達するまでの時間と労力を軽減することができるエネルギー管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明のエネルギー管理システムは、エネルギー管理対象に関係する計測データを取得するように構成された計測データ取得部と、エネルギー管理のためのグラフを定義するグラフ定義情報を作成するように構成されたグラフ定義部と、グラフの優先性に関する情報をグラフ毎に取得するように構成された情報取得部と、前記優先性に関する情報に対して条件を設定するように構成された条件定義部と、前記優先性に関する情報について前記条件定義部によって設定された条件が成立したか否かを判定するように構成された条件判定部と、前記条件判定部の判定結果に基づき、優先表示または非優先表示のカテゴリーのいずれか一つにグラフを分類するように構成されたグラフ分類部と、グラフの識別情報をそのグラフが分類された前記カテゴリーに対応する表示オブジェクトの表示位置に表示するように構成された表示部とを備えることを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明のエネルギー管理システムは、管理対象からエネルギー管理に関係する計測データを取得するように構成された計測データ取得部と、エネルギー管理のためのグラフを定義するグラフ定義情報を作成するように構成されたグラフ定義部と、グラフが表示された参照回数とグラフを表示させた参照ユーザ数とをグラフ毎に集計するように構成された回数取得部と、参照回数閾値と参照ユーザ数閾値とを含む高頻度条件定義情報をグラフ毎に作成するように構成された高頻度条件定義部と、直近一定期間における前記参照ユーザ数が前記参照ユーザ数閾値を超え、かつ直近一定期間における前記参照回数が前記参照回数閾値を超えるグラフについて高頻度条件が成立したと判定するように構成された高頻度条件判定部と、前記高頻度条件が成立したと判定されたグラフを優先表示のグラフに分類し、前記高頻度条件が成立しないと判定されたグラフを非優先表示のグラフに分類するように構成されたグラフ分類部と、前記優先表示のグラフとして分類されたグラフの識別情報を画面上の表示オブジェクトである優先表示フォルダの表示位置に表示し、前記非優先表示のグラフとして分類されたグラフの識別情報を前記画面上の表示オブジェクトである非優先表示フォルダの表示位置に表示するように構成された表示部とを備えることを特徴とするものである。
【0022】
また、本発明のエネルギー管理システムは、管理対象からエネルギー管理に関係する計測データを取得するように構成された計測データ取得部と、エネルギー管理のためのグラフを定義するグラフ定義情報を作成するように構成されたグラフ定義部と、現在日時を取得するように構成された時刻取得部と、表示月の情報を含む日付/時刻条件定義情報をグラフ毎に作成するように構成された日付/時刻条件定義部と、前記表示月が現在月と一致したグラフについて日付/時刻条件が成立したと判定するように構成された日付/時刻条件判定部と、前記日付/時刻条件が成立したと判定されたグラフを優先表示のグラフに分類し、前記日付/時刻条件が成立しないと判定されたグラフを非優先表示のグラフに分類するように構成されたグラフ分類部と、前記優先表示のグラフとして分類されたグラフの識別情報を画面上の表示オブジェクトである優先表示フォルダの表示位置に表示し、前記非優先表示のグラフとして分類されたグラフの識別情報を前記画面上の表示オブジェクトである非優先表示フォルダの表示位置に表示するように構成された表示部とを備えることを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明のエネルギー管理システムは、管理対象からエネルギー管理に関係する計測データを取得するように構成された計測データ取得部と、エネルギー管理のためのグラフを定義するグラフ定義情報を作成するように構成されたグラフ定義部と、現在日時を取得するように構成された時刻取得部と、表示日の情報を含む日付/時刻条件定義情報をグラフ毎に作成するように構成された日付/時刻条件定義部と、前記表示日が現在日と一致したグラフについて日付/時刻条件が成立したと判定するように構成された日付/時刻条件判定部と、前記日付/時刻条件が成立したと判定されたグラフを優先表示のグラフに分類し、前記日付/時刻条件が成立しないと判定されたグラフを非優先表示のグラフに分類するように構成されたグラフ分類部と、前記優先表示のグラフとして分類されたグラフの識別情報を画面上の表示オブジェクトである優先表示フォルダの表示位置に表示し、前記非優先表示のグラフとして分類されたグラフの識別情報を前記画面上の表示オブジェクトである非優先表示フォルダの表示位置に表示するように構成された表示部とを備えることを特徴とするものである。
【0024】
また、本発明のエネルギー管理システムは、管理対象からエネルギー管理に関係する計測データを取得するように構成された計測データ取得部と、エネルギー管理のためのグラフを定義するグラフ定義情報を作成するように構成されたグラフ定義部と、現在日時を取得するように構成された時刻取得部と、表示時刻の情報を含む日付/時刻条件定義情報をグラフ毎に作成するように構成された日付/時刻条件定義部と、前記表示時刻が現在時刻と一致したグラフについて日付/時刻条件が成立したと判定するように構成された日付/時刻条件判定部と、前記日付/時刻条件が成立したと判定されたグラフを優先表示のグラフに分類し、前記日付/時刻条件が成立しないと判定されたグラフを非優先表示のグラフに分類するように構成されたグラフ分類部と、前記優先表示のグラフとして分類されたグラフの識別情報を画面上の表示オブジェクトである優先表示フォルダの表示位置に表示し、前記非優先表示のグラフとして分類されたグラフの識別情報を前記画面上の表示オブジェクトである非優先表示フォルダの表示位置に表示するように構成された表示部とを備えることを特徴とするものである。
【0025】
また、本発明のエネルギー管理システムは、管理対象からエネルギー管理に関係する計測データを取得するように構成された計測データ取得部と、エネルギー管理のためのグラフを定義するグラフ定義情報を作成するように構成されたグラフ定義部と、対象のグラフで表示する計測データのうち条件式に入力する計測データを指定する引用ポイントの情報と前記条件式の情報とを含むデータ条件定義情報をグラフ毎に作成するように構成されたデータ条件定義部と、前記引用ポイントで指定された計測データまたは計測データの代表値が前記条件式を満足するグラフについてデータ条件が成立したと判定するように構成されたデータ条件判定部と、前記データ条件が成立したと判定されたグラフを優先表示のグラフに分類し、前記データ条件が成立しないと判定されたグラフを非優先表示のグラフに分類するように構成されたグラフ分類部と、前記優先表示のグラフとして分類されたグラフの識別情報を画面上の表示オブジェクトである優先表示フォルダの表示位置に表示し、前記非優先表示のグラフとして分類されたグラフの識別情報を前記画面上の表示オブジェクトである非優先表示フォルダの表示位置に表示するように構成された表示部とを備えることを特徴とするものである。
【0026】
また、本発明のエネルギー管理システムの1構成例は、前記管理対象のエネルギー管理に関係する量の予測値を演算するように構成された予測部をさらに備え、前記データ条件判定部は、前記データ条件定義情報の引用ポイントの情報で計測データの代わりに前記予測値が指定されている場合に、前記引用ポイントで指定された予測値または予測値の代表値が前記条件式を満足するグラフについてデータ条件が成立したと判定することを特徴とするものである。
また、本発明のエネルギー管理システムの1構成例において、前記表示部は、前記表示オブジェクトに表示されたグラフの識別情報が選択されたときに、この選択されたグラフを前記計測データ取得部によって取得された計測データと前記グラフ定義情報とに基づいて表示することを特徴とするものである。
また、本発明のエネルギー管理システムの1構成例は、前記管理対象のエネルギー管理に関係する量の予測値を演算するように構成された予測部をさらに備え、前記表示部は、前記表示オブジェクトに表示されたグラフの識別情報が選択され、この選択されたグラフの前記グラフ定義情報で前記予測値を表示することが指定されているときに、前記選択されたグラフを前記予測値と前記グラフ定義情報とに基づいて表示することを特徴とするものである。
また、本発明のエネルギー管理システムの1構成例において、前記表示部は、前記表示オブジェクトに表示されたグラフの識別情報が選択され、この選択されたグラフの前記グラフ定義情報で前記予測値を表示することが指定されているときに、前記選択されたグラフを前記予測値と前記グラフ定義情報とに基づいて表示することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、ユーザは、多数のグラフの中から、管理対象のビルでエネルギー管理上、課題となっているグラフに短時間かつ少ない労力でアクセスできる。また、本発明では、ユーザが気づかなかったグラフを優先表示のグラフに分類することが可能になる。その結果、本発明では、エネルギー管理業務の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施例に係るエネルギー管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1の実施例に係るエネルギー管理システムのグラフ定義登録部の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施例に係るエネルギー管理システムの優先表示条件定義部の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1の実施例に係るエネルギー管理システムの優先表示判定部の構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1の実施例に係るエネルギー管理システムのグラフ定義登録部の動作を説明するフローチャートである。
【
図6】
図6は、本発明の第1の実施例に係るエネルギー管理システムの表示部の動作を説明するフローチャートである。
【
図7】
図7は、本発明の第1の実施例に係るエネルギー管理システムの高頻度条件判定部とグラフ分類部の動作を説明するフローチャートである。
【
図8】
図8は、本発明の第1の実施例に係るエネルギー管理システムの高頻度条件判定部の高頻度条件成立判定処理を説明するフローチャートである。
【
図9】
図9は、本発明の第1の実施例における高頻度条件定義情報入力画面の例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の第1の実施例においてグラフを非優先表示のグラフに分類した場合のフォルダの表示例を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の第1の実施例においてグラフを優先表示のグラフに分類した場合のフォルダの表示例を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の第2の実施例に係るエネルギー管理システムのグラフ定義登録部の動作を説明するフローチャートである。
【
図13】
図13は、本発明の第2の実施例に係るエネルギー管理システムの日付/時刻条件判定部とグラフ分類部の動作を説明するフローチャートである。
【
図14】
図14は、本発明の第2の実施例に係るエネルギー管理システムの日付/時刻条件判定部の日付/時刻条件成立判定処理を説明するフローチャートである。
【
図15】
図15は、本発明の第2の実施例における日付/時刻条件定義情報入力画面の例を示す図である。
【
図16】
図16は、本発明の第2の実施例においてグラフを非優先表示のグラフに分類した場合のフォルダの表示例を示す図である。
【
図17】
図17は、本発明の第2の実施例においてグラフを優先表示のグラフに分類した場合のフォルダの表示例を示す図である。
【
図18】
図18は、本発明の第3の実施例に係るエネルギー管理システムの日付/時刻条件判定部の日付/時刻条件成立判定処理を説明するフローチャートである。
【
図19】
図19は、本発明の第3の実施例における日付/時刻条件定義情報入力画面の例を示す図である。
【
図20】
図20は、本発明の第3の実施例においてグラフを非優先表示のグラフに分類した場合のフォルダの表示例を示す図である。
【
図21】
図21は、本発明の第3の実施例においてグラフを優先表示のグラフに分類した場合のフォルダの表示例を示す図である。
【
図22】
図22は、本発明の第4の実施例に係るエネルギー管理システムの日付/時刻条件判定部の日付/時刻条件成立判定処理を説明するフローチャートである。
【
図23】
図23は、本発明の第4の実施例における日付/時刻条件定義情報入力画面の例を示す図である。
【
図24】
図24は、本発明の第4の実施例においてグラフを非優先表示のグラフに分類した場合のフォルダの表示例を示す図である。
【
図25】
図25は、本発明の第4の実施例においてグラフを優先表示のグラフに分類した場合のフォルダの表示例を示す図である。
【
図26】
図26は、本発明の第5の実施例に係るエネルギー管理システムのグラフ定義登録部の動作を説明するフローチャートである。
【
図27】
図27は、本発明の第5の実施例に係るエネルギー管理システムのデータ条件判定部とグラフ分類部の動作を説明するフローチャートである。
【
図28】
図28は、本発明の第5の実施例に係るエネルギー管理システムのデータ条件判定部のデータ条件成立判定処理を説明するフローチャートである。
【
図29】
図29は、本発明の第5の実施例におけるデータ条件定義情報入力画面の例を示す図である。
【
図30】
図30は、本発明の第5の実施例においてグラフを非優先表示のグラフに分類した場合のフォルダの表示例を示す図である。
【
図31】
図31は、本発明の第5の実施例においてグラフを優先表示のグラフに分類した場合のフォルダの表示例を示す図である。
【
図32】
図32は、本発明の第1~第5の実施例に係るエネルギー管理システムを実現するコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【
図33】
図33は、エネルギー管理グラフを分類するフォルダの階層例を示す図である。
【
図34】
図34は、フォルダの中に多数のグラフが登録されている例を示す図である。
【
図35】
図35は、従来技術のグラフ検索機能を説明する図である。
【
図36】
図36は、従来技術のブックマーク機能を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[発明の原理]
エネルギー管理者が必要なグラフに辿り着くことが大変であることは、上記で説明したとおりである。
一方、発明者は、エネルギー監視が設備監視と異なり、常時同じグラフを監視するのではなく、グラフ毎に参照するタイミングや頻度が異なるという性質があることに着眼した。また、発明者は、大規模ビルのエネルギー管理業務の効率化のためには、管理者間の設備に関するスキルの継承だけではなく、そのビル特有のエネルギー管理上重要な課題を管理者間で共有することが重要であるということに着眼した。
【0030】
[第1の実施例]
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施例に係るエネルギー管理システムの構成を示すブロック図である。エネルギー管理システムは、計測データ取得部10と、情報蓄積部11と、時刻取得部12(情報取得部)と、回数取得部13(情報取得部)と、グラフ定義登録部14と、優先表示判定部15と、グラフ分類部16と、表示部17と、表示装置19と、管理者が操作するキーボードやマウス等の入力装置20と、予測部21とを備えている。
【0031】
図2はグラフ定義登録部14の構成を示すブロック図である。グラフ定義登録部14は、フォルダ定義部140と、グラフ種別定義部141と、系列定義部142と、優先表示条件定義部143とを備えている。グラフ種別定義部141と系列定義部142とは、グラフ定義部146を構成している。
【0032】
図3は優先表示条件定義部143の構成を示すブロック図である。優先表示条件定義部143は、高頻度条件定義部1430と、日付/時刻条件定義部1431と、データ条件定義部1432とを備えている。
【0033】
図4は優先表示判定部15の構成を示すブロック図である。優先表示判定部15は、高頻度条件判定部150と、日付/時刻条件判定部151と、データ条件判定部152とを備えている。
【0034】
本実施例では、直近一定期間で既定数の管理者が既定回数以上参照したグラフを優先表示のグラフとする。ビル毎に運用が異なる以上、エネルギー管理上の課題は異なることは明白である。したがって、同じ構成のグラフを登録しても、管理者が参照するグラフの頻度は異なる。あるビルにおいて空調機器よりも熱源機器の運転効率の削減が課題になっていれば、グラフの参照回数、参照ユーザ数が増えるため、熱源機器関連のグラフを優先表示のグラフに分類する。本実施例のエネルギー管理システムでは、優先表示条件定義部143に高頻度条件定義部1430があればよく、優先表示判定部15に高頻度条件判定部150があればよい。
【0035】
図5はグラフ定義登録部14の動作を説明するフローチャートである。グラフ定義登録部14のフォルダ定義部140は、エネルギー管理システムを使用する管理者(以下、ユーザとする)の入力に従って、グラフを分類するためのフォルダを定義するフォルダ定義情報を作成する(
図5ステップS100)。フォルダ定義情報としては、対応するグラフの番号(グラフid)、グラフの名称(識別情報)、フォルダの番号(フォルダid)、フォルダの名称、上位フォルダのフォルダid、上位フォルダの名称などがある。
【0036】
グラフ定義登録部14のグラフ種別定義部141は、グラフの種別を定義するグラフ種別定義情報をユーザの入力に従って作成する(
図5ステップS101)。グラフ種別定義情報としては、グラフid、グラフの名称、グラフの種別の情報(時系列グラフ、散布図、ヒストグラム、円グラフなど)などがある。
【0037】
グラフ定義登録部14の系列定義部142は、グラフで表示するデータを定義する系列定義情報をユーザの入力に従って作成する(
図5ステップS102)。系列定義情報としては、グラフid、グラフの名称、グラフの縦軸に割り当てる計測データまたは予測値または温度や頻度などの量、グラフの横軸に割り当てる計測データまたは予測値または温度や時間などの量、円グラフで表示する計測データまたは予測値、グラフの縦軸の最大値と最小値、グラフの横軸の最大値と最小値、グラフの縦軸の単位、グラフの横軸の単位、グラフの縦軸の計測データまたは予測値を取得する期間、グラフの横軸の計測データまたは予測値を取得する期間の情報などがある。
【0038】
グラフ定義登録部14の優先表示条件定義部143の高頻度条件定義部1430は、直近一定期間で既定数のユーザが既定回数以上参照したグラフを優先表示のグラフとするための高頻度条件定義情報をユーザの入力に従って作成する(
図5ステップS103)。高頻度条件定義情報としては、グラフid、グラフの名称、グラフを表示させた参照ユーザ数およびグラフが表示された参照回数の集計をリセットする周期(例えば半月、1カ月など)を指定する集計リセット情報、参照ユーザ数閾値、参照回数閾値などがある。なお、高頻度条件定義情報はユーザによる入力がない場合には設定しなくてよい。
【0039】
フォルダ定義情報とグラフ定義情報(グラフ種別定義情報、系列定義情報)と高頻度条件定義情報とは、情報蓄積部11に格納される。以上で、フォルダとそのフォルダに登録するグラフの定義が終了する。
【0040】
次に、計測データ取得部10は、図示しない管理対象のビルのコントローラやセンサからネットワークを介してエネルギー使用量、電力使用量、水使用量、ガス使用量等の計測データを一定時間毎に取得する。計測データ取得部10は、取得した計測データに、データの番号(データid)とデータの名称と管理対象のビルの番号(ビルid)とビルの名称と計測データを取得した設備の番号(設備id)と設備の名称と取得日時のデータなどを付加して情報蓄積部11に格納する。
【0041】
図6は表示部17の動作を説明するフローチャートである。表示部17は、グラフ参照のためのフォルダ(表示オブジェクト)を、情報蓄積部11に記憶されたフォルダ定義情報に従って表示装置19の画面に表示する(
図6ステップS200)。表示部17は、初期状態では、最上位のルートフォルダの名称とフォルダのマーク「>」のみを表示する。
【0042】
ユーザが入力装置20を操作して画面上でルートフォルダを選択すると(
図6ステップS201においてYES)、表示部17は、フォルダ定義情報に従って、ルートフォルダを展開するようにフォルダ表示を変更する(
図6ステップS202)。このとき、表示部17は、ルートフォルダのマーク「>」を、1層目の下位フォルダがあることを示す「∨」に変更し、ルートフォルダの下の表示位置に、1層目の下位フォルダの名称と1層目の下位フォルダのマーク「>」とを表示する。
【0043】
同様に、ユーザが入力装置20を操作して画面上で1層目の下位フォルダを選択すると(ステップS201においてYES)、表示部17は、フォルダ定義情報に従って、選択された下位フォルダを展開するようにフォルダ表示を変更する(ステップS202)。このとき、表示部17は、選択された1層目の下位フォルダに属する2層目の下位フォルダがある場合、選択された1層目の下位フォルダのマーク「>」を、2層目の下位フォルダがあることを示す「∨」に変更し、選択された下位フォルダの下の表示位置に、2層目の下位フォルダの名称と2層目の下位フォルダのマーク「>」とを表示する。2層目以降の下位フォルダが選択された場合にも同様の表示変更が行われる。
【0044】
また、ユーザが入力装置20を操作して画面上で展開済みのフォルダを再度選択すると(ステップS201においてYES)、表示部17は、フォルダ定義情報に従って、選択されたフォルダを折り畳むようにフォルダ表示を変更する(ステップS202)。このとき、表示部17は、選択されたフォルダに属する下位フォルダの名称と下位フォルダのマーク「>」の表示を消し、選択されたフォルダのマークを「∨」から「>」に戻す。以上のようなフォルダの操作は従来と同様である。
【0045】
上記のようなフォルダ操作に際して、ユーザが選択したフォルダに1乃至複数のグラフが登録されている場合、表示部17は、フォルダ定義情報に従って、選択されたフォルダを展開するようにフォルダ表示を変更する(ステップS202)。このとき、表示部17は、選択されたフォルダの下の表示位置に、登録されたグラフの名称とグラフであることを表すマーク「⊥」とを表示する。この表示方法は、
図34の例と同じである。
【0046】
次に、ユーザが入力装置20を操作して画面上でグラフの名称を選択すると(
図6ステップS203においてYES)、表示部17は、選択されたグラフのグラフ種別定義情報と系列定義情報と系列定義情報で指定された計測データとに基づいて、選択されたグラフを表示する(
図6ステップS204)。こうして、ユーザは、所望のグラフ(例えばエネルギー使用量のグラフ)を参照することができる。
なお、本発明はグラフの種別に限定されるものではなく、様々な種別のグラフに適用することができる。
【0047】
また、本発明では、計測データだけでなく、例えばエネルギー使用量の予測値のグラフや、受電電力の予測値のグラフを表示することが可能である。予測部21は、管理対象のエネルギー管理に関係する量の予測値を演算する。予測部21は、直近1週間のエネルギー使用量の平均値をエネルギー使用量の予測値としたり、直近1週間の受電電力の平均値を受電電力の予測値としたりしてもよい。また、予測部21は、過去のエネルギー使用量の実績値と気象予報データとを基に、学習モデルを用いて未来のエネルギー使用量の予測値を演算したり、過去の受電電力の実績値と気象予報データとを基に、学習モデルを用いて未来の受電電力の予測値を演算したりすることも可能である。このような予測方法は非特許文献1に開示されている。
【0048】
予測値を用いる場合、表示部17は、選択されたグラフのグラフ種別定義情報と系列定義情報と系列定義情報で指定された予測値とに基づいて、選択されたグラフを表示する(ステップS204)。
【0049】
ユーザが入力装置20を操作して表示中のグラフを消す操作をすると(
図6ステップS205においてYES)、表示部17は、選択されたグラフを非表示にする(
図6ステップS206)。
【0050】
また、表示部17は、後述のようにグラフの分類が変更されると(
図6ステップS207においてYES)、必要に応じてフォルダ表示を変更する(
図6ステップS208)。このステップS207,S208の詳細については後述する。
【0051】
図7は優先表示判定部15の高頻度条件判定部150とグラフ分類部16の動作を説明するフローチャートである。高頻度条件判定部150は、エネルギー管理システムに登録されている全てのグラフのグラフidをフォルダ定義情報から取得する(
図7ステップS300)。続いて、高頻度条件判定部150は、高頻度条件定義情報が設定されているかどうかをグラフ毎(グラフid毎)に判定する(
図7ステップS301)。高頻度条件判定部150は、高頻度条件定義情報が設定されているグラフについて、高頻度条件が成立するかどうかをグラフ毎に判定する(
図7ステップS302)。
【0052】
グラフ分類部16は、高頻度条件判定部150によって高頻度条件が成立すると判定されたグラフを優先表示のグラフに分類し(
図7ステップS303)、高頻度条件が成立しないと判定されたグラフおよび高頻度条件定義情報が設定されていないグラフを非優先表示のグラフに分類する(
図7ステップS304)。優先表示のグラフか非優先表示のグラフかをグラフ毎(グラフid毎)に示すグラフ分類情報は、情報蓄積部11に格納される。こうして、優先表示または非優先表示のカテゴリーのいずれか一つにグラフを分類する。
【0053】
高頻度条件判定部150とグラフ分類部16とは、
図7の処理を一定周期(例えば30分周期)で繰り返し実行する。
次に、ステップS302の高頻度条件成立判定処理について
図8のフローチャートを参照して説明する。
【0054】
回数取得部13は、グラフの優先性に関する情報として、グラフが表示された参照回数とグラフを表示させた参照ユーザ数とをグラフ毎に集計している。ユーザの識別は、例えばエネルギー管理システムにアクセスしたユーザ毎に割り当てられるログインIDによって識別可能である。
【0055】
参照回数と参照ユーザ数とをリセットする周期は、高頻度条件定義情報によってグラフ毎に設定されている。回数取得部13は、高頻度条件定義情報によって設定された集計リセット周期に達したグラフについて、参照回数と参照ユーザ数とを0にリセットし、参照回数と参照ユーザ数の集計を再度開始する。回数取得部13がカウントした参照回数と参照ユーザ数とは、情報蓄積部11に格納される。
なお、本発明では、参照ユーザ数をカウントするときに、同一のユーザであっても複数回の参照があった場合には複数人としてカウントする(グラフを参照した、ユーザのログインIDの数をカウントする)。
【0056】
高頻度条件成立判定処理において、高頻度条件判定部150は、判定対象のグラフの参照ユーザ数を情報蓄積部11から取得する(
図8ステップS400)。続いて、高頻度条件判定部150は、取得した参照ユーザ数が判定対象のグラフの高頻度条件定義情報で設定された参照ユーザ数閾値を超えているかどうかを判定する(
図8ステップS401)。
【0057】
高頻度条件判定部150は、参照ユーザ数が参照ユーザ数閾値以下の場合(ステップS401においてNO)、判定対象のグラフについて高頻度条件が成立しないと判定する(
図8ステップS402)。高頻度条件判定部150は、参照ユーザ数が参照ユーザ数閾値を超える場合(ステップS401においてYES)、判定対象のグラフの参照回数を情報蓄積部11から取得する(
図8ステップS403)。
【0058】
高頻度条件判定部150は、取得した参照回数が判定対象のグラフの高頻度条件定義情報で設定された参照回数閾値を超えているかどうかを判定する(
図8ステップS404)。高頻度条件判定部150は、参照回数が参照回数閾値以下の場合(ステップS404においてNO)、判定対象のグラフについて高頻度条件が成立しないと判定する(ステップS402)。
【0059】
高頻度条件判定部150は、参照回数が参照回数閾値を超える場合(ステップS404においてYES)、判定対象のグラフについて高頻度条件が成立すると判定する(
図8ステップS405)。
高頻度条件判定部150は、以上のような高頻度条件成立判定処理(
図7ステップS302)を高頻度条件定義情報が設定されているグラフ毎に行う。
【0060】
高頻度条件判定部150によって高頻度条件が成立したと判定されたグラフが存在すると、情報蓄積部11に格納されているグラフ分類情報がグラフ分類部16によって変更される(
図7ステップS303)。
【0061】
表示部17は、グラフ分情情報が変更されると(
図6ステップS207においてYES)、必要に応じてフォルダ表示を変更する(
図6ステップS208)。具体的には、表示部17は、優先表示のグラフとして新たに分類されたグラフの名称とマーク「⊥」とを優先表示フォルダの表示位置に表示する。また、表示部17は、優先表示のグラフとして新たに分類されたグラフが、非優先表示フォルダ(従来と同様のフォルダ)に表示されていた場合には、このグラフの名称とマーク「⊥」とを非優先表示フォルダから除く。
【0062】
次に、本実施例の具体例について説明する。ユーザは、グラフ10-1-1の定義時に、
図9に示すように高頻度条件定義情報を設定する。
図9の高頻度条件定義情報入力画面90の例では、ユーザが「設定」のリストボックスで「有効」を選択すると、グラフ10-1-1について高頻度条件定義情報が設定される。ユーザは、集計リセット周期を15日とし、参照ユーザ数閾値を5とし、参照回数閾値を20とする。
【0063】
グラフの定義後、高頻度条件判定部150は、グラフ10-1-1について一定周期(例えば30分周期)で
図7の処理を実行する。
回数取得部13は、グラフ10-1-1が定義された日を集計期間の1日目とし、翌日を集計期間の2日目として15日間の参照ユーザ数と参照回数とを集計する。回数取得部13は、集計期間が集計リセット周期を超えると、参照回数と参照ユーザ数とを0にリセットし、リセットした日を集計期間の1日目として、参照回数と参照ユーザ数の集計を再度開始する。
【0064】
グラフ10-1-1の集計期間内の参照ユーザ数が4、参照回数が15になったとする。このとき、参照ユーザ数が参照ユーザ閾値(=5)未満で、かつ参照回数が参照回数閾値(=20)未満なので、高頻度条件判定部150は、グラフ10-1-1について高頻度条件が成立しないと判定する(
図8ステップS402)。
【0065】
したがって、グラフ分類部16は、グラフ10-1-1を非優先表示のグラフに分類する(
図7ステップS304)。非優先表示のグラフに分類されたため、グラフ10-1-1のフォルダ表示に変更はない。
ユーザがエネルギー管理システムにアクセスすると、
図10に示すようにグラフ10-1-1は、画面100上の非優先表示フォルダの表示位置に表示される。
【0066】
別の例として、グラフ10-1-1の集計期間内の参照ユーザ数が6、参照回数が21になったとする。このとき、参照ユーザ数が参照ユーザ閾値(=5)を超え、かつ参照回数が参照回数閾値(=20)を超えているので、高頻度条件判定部150は、グラフ10-1-1について高頻度条件が成立すると判定する(
図8ステップS405)。
【0067】
したがって、グラフ分類部16は、グラフ10-1-1を優先表示のグラフに分類する(
図7ステップS303)。
これにより、ユーザがエネルギー管理システムにアクセスすると、
図11に示すように、グラフ10-1-1は、画面100上の優先表示フォルダの表示位置に表示される。また、
図11から明らかなように、グラフ10-1-1を除いた非優先表示フォルダが表示される(
図6ステップS208)。
【0068】
本実施例では、ユーザは、多数のグラフの中から、管理対象のビルでエネルギー管理上、課題となっているグラフに短時間かつ少ない労力でアクセスできる。また、本実施例では、ユーザが気づかなかったグラフを優先表示のグラフに分類することが可能になる。その結果、本実施例では、エネルギー管理業務の効率を向上させることができる。
【0069】
[第2の実施例]
次に、本発明の第2の実施例について説明する。エネルギー管理システムのユーザは、空調用冷水を製造する冷凍機運転に関するグラフを夏期(6~9月)に参照し、空調用温水を製造する温水発生機運転に関するグラフを冬期(12~2月)に参照し、空調機の外気冷房運転に関するグラフを主に中間期(3~5,10~11月)に参照する必要がある。そこで、本実施例では、指定の表示月が現在月と一致したグラフを優先表示のグラフとする。
【0070】
本実施例においても、エネルギー管理システムの構成は第1の実施例と同様であるので、
図1~
図4の符号を用いて説明する。本実施例のエネルギー管理システムでは、優先表示条件定義部143に日付/時刻条件定義部1431があればよく、優先表示判定部15に日付/時刻条件判定部151があればよい。
【0071】
図12は本実施例のグラフ定義登録部14の動作を説明するフローチャートである。グラフ定義登録部14のフォルダ定義部140とグラフ種別定義部141と系列定義部142の動作(
図12ステップS100~S102)は、第1の実施例で説明したとおりである。
【0072】
グラフ定義登録部14の優先表示条件定義部143の日付/時刻条件定義部1431は、指定の表示月が現在月と一致したグラフを優先表示のグラフとするための日付/時刻条件定義情報をユーザの入力に従って作成する(
図12ステップS104)。日付/時刻条件定義情報としては、グラフid、グラフの名称、表示月の情報などがある。本実施例では、表示日と表示時刻の情報は設定しなくてもよい。表示月の設定形式としては、例えば12月と設定してもよいし、2020年12月のように設定してもよい。
【0073】
フォルダ定義情報、グラフ種別定義情報、系列定義情報および日付/時刻条件定義情報は、情報蓄積部11に格納される。なお、日付/時刻条件定義情報はユーザによる入力がない場合には設定しなくてよい。
計測データ取得部10と表示部17の動作は第1の実施例と同様である。
【0074】
図13は優先表示判定部15の日付/時刻条件判定部151とグラフ分類部16の動作を説明するフローチャートである。日付/時刻条件判定部151は、エネルギー管理システムに登録されている全てのグラフのグラフidをフォルダ定義情報から取得する(
図13ステップS500)。続いて、日付/時刻条件判定部151は、日付/時刻条件定義情報が設定されているかどうかをグラフ毎(グラフid毎)に判定する(
図7ステップS501)。日付/時刻条件判定部151は、日付/時刻条件定義情報が設定されているグラフについて、日付/時刻条件が成立するかどうかをグラフ毎に判定する(
図7ステップS502)。
【0075】
グラフ分類部16は、日付/時刻条件判定部151によって日付/時刻条件が成立すると判定されたグラフを優先表示のグラフに分類し(
図13ステップS503)、日付/時刻条件が成立しないと判定されたグラフおよび日付/時刻条件定義情報が設定されていないグラフを非優先表示のグラフに分類する(
図13ステップS504)。上記のとおりグラフ分類情報は、情報蓄積部11に格納される。
【0076】
日付/時刻条件判定部151とグラフ分類部16とは、
図13の処理を一定周期(例えば30分周期)で繰り返し実行する。
次に、ステップS502の日付/時刻条件成立判定処理について
図14のフローチャートを参照して説明する。
【0077】
時刻取得部12は、グラフの優先性に関する情報として、現在日時を取得する(
図14ステップS600)。日付/時刻条件成立判定処理において、日付/時刻条件判定部151は、判定対象のグラフの日付/時刻条件定義情報で設定された表示月と現在月とが一致するかどうかを判定する(
図14ステップS601)。
【0078】
日付/時刻条件判定部151は、判定対象のグラフの日付/時刻条件定義情報で設定された表示月と現在月とが一致しない場合(ステップS601においてNO)、判定対象のグラフについて日付/時刻条件が成立しないと判定する(
図14ステップS602)。また、日付/時刻条件判定部151は、判定対象のグラフの日付/時刻条件定義情報で設定された表示月と現在月とが一致する場合(ステップS601においてYES)、判定対象のグラフについて日付/時刻条件が成立すると判定する(
図14ステップS603)。
日付/時刻条件判定部151は、以上のような日付/時刻条件成立判定処理(
図13ステップS502)を日付/時刻条件定義情報が設定されているグラフ毎に行う。
【0079】
日付/時刻条件判定部151によって日付/時刻条件が成立したと判定されたグラフが存在すると、情報蓄積部11に格納されているグラフ分類情報がグラフ分類部16によって変更される(
図13ステップS503)。
表示部17は、グラフ分情情報が変更されると(
図6ステップS207においてYES)、必要に応じてフォルダ表示を変更する(
図6ステップS208)。
【0080】
次に、本実施例の具体例について説明する。ユーザは、グラフ9-8-5の定義時に、グラフ9-8-5で表示するデータとして、空調用冷水製造熱量を設定した。そして、ユーザは、
図15に示すように日付/時刻条件定義情報を設定した。
図15の日付/時刻条件定義情報入力画面144の例では、ユーザが「設定」のリストボックスで「有効」を選択すると、グラフ9-8-5について日付/時刻条件定義情報が設定される。ユーザは、表示月を6月から9月とした。
【0081】
グラフの定義後、日付/時刻条件判定部151は、グラフ9-8-5について一定周期(例えば30分周期)で
図13の処理を実行する。
時刻取得部12が取得した情報によれば、現在月が5月であったとする。このとき、現在月と日付/時刻条件定義情報で設定された表示月(6月~9月)とが一致しないため、日付/時刻条件判定部151は、グラフ9-8-5について日付/時刻条件が成立しないと判定する(
図14ステップS602)。
【0082】
したがって、グラフ分類部16は、グラフ9-8-5を非優先表示のグラフに分類する(
図13ステップS504)。非優先表示のグラフに分類されたため、グラフ9-8-5のフォルダ表示に変更はない。
ユーザがエネルギー管理システムにアクセスすると、
図16に示すようにグラフ9-8-5は、画面100上の非優先表示フォルダの表示位置に表示される。
【0083】
別の例として、現在月が6月になったとする。このとき、現在月と日付/時刻条件定義情報で設定された表示月(6月~9月)とが一致するため、日付/時刻条件判定部151は、グラフ9-8-5について日付/時刻条件が成立すると判定する(
図14ステップS603)。
【0084】
したがって、グラフ分類部16は、グラフ9-8-5を優先表示のグラフに分類する(
図13ステップS503)。
これにより、ユーザがエネルギー管理システムにアクセスすると、
図17に示すように、グラフ9-8-5は、画面100上の優先表示フォルダの表示位置に表示される。また、
図17から明らかなように、グラフ9-8-5を除いた非優先表示フォルダが表示される(
図6ステップS208)。
【0085】
本実施例において、冬期(12~2月)に、温水発生器運転に関するグラフを優先表示させる場合は、日付/時刻条件定義情報入力画面で、優先表示開始月を12月、優先表示終了月を2月と設定すればよい。今年度だけとしたい場合は、日付/時刻条件定義情報入力画面に2020/12~2021/2というように日付を入力できるようにすればよい。
【0086】
中間期(3~5月,10~11月)に、外気冷房運転に関するグラフを優先表示させる場合は、日付/時刻条件定義情報入力画面で、第1の優先表示開始月を3月、第1の優先表示終了月を5月、第2の優先表示開始月を10月、第2の優先表示終了月を11月と設定すればよい。今年度だけとしたい場合は、日付/時刻条件定義情報入力画面に2020/12~2021/2というように日付を入力できるようにすればよい。
【0087】
[第3の実施例]
次に、本発明の第3の実施例について説明する。エネルギー管理システムのユーザは、1カ月のエネルギー使用量実績と目標値とに乖離がないかどうかを確認し、乖離があれば運用の見直しを行うなど必要な対策を取るために、月中旬(15日)に、ビル全体のエネルギー使用量のグラフを参照する必要がある。また、ユーザは、前月のエネルギー管理報告書を作成するために、月初め(1日)にビル全体のエネルギー使用量のグラフを参照する必要がある。また、ビル等の建物では、毎年特定の日付にイベントが発生する場合がある。イベント発生時のみ使う設備機器(例えばイベント発生時に運転する空調機など)があれば、その設備機器に関するグラフを参照する必要がある。そこで、本実施例では、指定の表示日が現在日と一致したグラフを優先表示のグラフとする。
【0088】
本実施例においても、エネルギー管理システムの構成は第1の実施例と同様であるので、
図1~
図4の符号を用いて説明する。本実施例のエネルギー管理システムでは、優先表示条件定義部143に日付/時刻条件定義部1431があればよく、優先表示判定部15に日付/時刻条件判定部151があればよい。
グラフ定義登録部14のフォルダ定義部140とグラフ種別定義部141と系列定義部142の動作は、第1、第2の実施例で説明したとおりである。
【0089】
グラフ定義登録部14の優先表示条件定義部143の日付/時刻条件定義部1431は、指定の表示日が現在日と一致したグラフを優先表示のグラフとするための日付/時刻条件定義情報をユーザの入力に従って作成する(
図12ステップS104)。本実施例の日付/時刻条件定義情報としては、グラフid、グラフの名称、表示日の情報などがある。本実施例では、表示月と表示時刻の情報は設定しなくてもよい。表示日の設定形式としては、例えば15日と設定してもよいし、14日から16日というように範囲で設定してもよいし、2020年12月15日のように設定してもよい。
【0090】
計測データ取得部10と表示部17の動作は第1の実施例と同様である。優先表示判定部15の日付/時刻条件判定部151とグラフ分類部16の動作(
図13)は第2の実施例と同様なので、本実施例の日付/時刻条件成立判定処理について
図18のフローチャートを参照して説明する。
【0091】
第2の実施例と同様に、時刻取得部12は、グラフの優先性に関する情報として、現在日時を取得する(
図18ステップS600)。日付/時刻条件成立判定処理において、日付/時刻条件判定部151は、判定対象のグラフの日付/時刻条件定義情報で設定された表示日と現在日とが一致するかどうかを判定する(
図18ステップS604)。
【0092】
日付/時刻条件判定部151は、判定対象のグラフの日付/時刻条件定義情報で設定された表示日と現在日とが一致しない場合(ステップS604においてNO)、判定対象のグラフについて日付/時刻条件が成立しないと判定する(
図18ステップS605)。また、日付/時刻条件判定部151は、判定対象のグラフの日付/時刻条件定義情報で設定された表示日と現在日とが一致する場合(ステップS604においてYES)、判定対象のグラフについて日付/時刻条件が成立すると判定する(
図18ステップS606)。
日付/時刻条件判定部151は、以上のような日付/時刻条件成立判定処理(
図13ステップS502)を日付/時刻条件定義情報が設定されているグラフ毎に行う。
【0093】
日付/時刻条件判定部151によって日付/時刻条件が成立したと判定されたグラフが存在すると、情報蓄積部11に格納されているグラフ分類情報がグラフ分類部16によって変更される(
図13ステップS503)。
表示部17は、グラフ分情情報が変更されると(
図6ステップS207においてYES)、必要に応じてフォルダ表示を変更する(
図6ステップS208)。
【0094】
次に、本実施例の具体例について説明する。ユーザは、グラフ30-10-7の定義時に、グラフ30-10-7で表示するデータとして、ビルエネルギー使用量合計を設定した。そして、ユーザは、
図19に示すように日付/時刻条件定義情報を設定した。
図19の日付/時刻条件定義情報入力画面144の例では、ユーザが「設定」のリストボックスで「有効」を選択すると、グラフ30-10-7について日付/時刻条件定義情報が設定される。ユーザは、優先表示開始日を14日とし、優先表示終了日を16日とした。
【0095】
グラフの定義後、日付/時刻条件判定部151は、グラフ30-10-7について一定周期(例えば30分周期)で
図13の処理を実行する。
時刻取得部12が取得した情報によれば、現在日が10日であったとする。このとき、現在日と日付/時刻条件定義情報で設定された表示日(14日~16日)とが一致しないため、日付/時刻条件判定部151は、グラフ30-10-7について日付/時刻条件が成立しないと判定する(
図18ステップS605)。
【0096】
したがって、グラフ分類部16は、グラフ30-10-7を非優先表示のグラフに分類する(
図13ステップS504)。
ユーザがエネルギー管理システムにアクセスすると、
図20に示すようにグラフ30-10-7は、画面100上の非優先表示フォルダの表示位置に表示される。
【0097】
別の例として、現在日が14日になったとする。このとき、現在日と日付/時刻条件定義情報で設定された表示日(14日~16日)とが一致するため、日付/時刻条件判定部151は、グラフ30-10-7について日付/時刻条件が成立すると判定する(
図18ステップS606)。
【0098】
したがって、グラフ分類部16は、グラフ30-10-7を優先表示のグラフに分類する(
図13ステップS503)。
これにより、ユーザがエネルギー管理システムにアクセスすると、
図21に示すように、グラフ30-10-7は、画面100上の優先表示フォルダの表示位置に表示される。また、
図21から明らかなように、グラフ30-10-7を除いた非優先表示フォルダが表示される(
図6ステップS208)。
【0099】
本実施例において、月初め(1日)に優先表示させる場合は、日付/時刻条件定義情報入力画面で、優先表示開始日と優先表示終了日を1日と設定すればよい。今月だけとしたい場合は、日付/時刻条件定義情報入力画面に2020/12/1~2020/12/12というように日付を入力できるようにすればよい。
【0100】
[第4の実施例]
次に、本発明の第4の実施例について説明する。蓄熱層があるビルでは、昼間(8~22時)のピーク電力を削減する目的で、夜間(23~7時)の安価な電力を用いて空調用冷水または温水を蓄熱して、昼間に放熱している。エネルギー管理システムのユーザは、蓄熱層を活用できているか、放熱ロスはないかを確認するために、夜間の蓄熱層に関連するグラフを参照する必要がある。また、ビル等の建物では、多くの空調機が昼間に稼働するため、昼間に基準階空調機に関連するグラフや室内環境に関するグラフを参照する必要がある。そこで、本実施例では、指定の表示時刻が現在時刻と一致したグラフを優先表示のグラフとする。
【0101】
本実施例においても、エネルギー管理システムの構成は第1の実施例と同様であるので、
図1~
図4の符号を用いて説明する。本実施例のエネルギー管理システムでは、優先表示条件定義部143に日付/時刻条件定義部1431があればよく、優先表示判定部15に日付/時刻条件判定部151があればよい。
グラフ定義登録部14のフォルダ定義部140とグラフ種別定義部141と系列定義部142の動作は、第1、第2の実施例で説明したとおりである。
【0102】
グラフ定義登録部14の優先表示条件定義部143の日付/時刻条件定義部1431は、指定の表示時刻が現在時刻と一致したグラフを優先表示のグラフとするための日付/時刻条件定義情報をユーザの入力に従って作成する(
図12ステップS104)。本実施例の日付/時刻条件定義情報としては、グラフid、グラフの名称、表示時刻の情報などがある。本実施例では、表示月と表示日の情報は設定しなくてもよい。表示時刻の設定形式としては、例えば7時と設定してもよいし、23時から7時というように範囲で設定してもよいし、2020年12月15日7時00分というように設定してもよい。
【0103】
計測データ取得部10と表示部17の動作は第1の実施例と同様である。優先表示判定部15の日付/時刻条件判定部151とグラフ分類部16の動作(
図13)は第2の実施例と同様なので、本実施例の日付/時刻条件成立判定処理について
図22のフローチャートを参照して説明する。
【0104】
第2の実施例と同様に、時刻取得部12は、グラフの優先性に関する情報として、現在日時を取得する(
図22ステップS600)。日付/時刻条件成立判定処理において、日付/時刻条件判定部151は、判定対象のグラフの日付/時刻条件定義情報で設定された表示時刻と現在時刻とが一致するかどうかを判定する(
図22ステップS607)。
【0105】
日付/時刻条件判定部151は、判定対象のグラフの日付/時刻条件定義情報で設定された表示時刻と現在時刻とが一致しない場合(ステップS607においてNO)、判定対象のグラフについて日付/時刻条件が成立しないと判定する(
図22ステップS608)。また、日付/時刻条件判定部151は、判定対象のグラフの日付/時刻条件定義情報で設定された表示時刻と現在時刻とが一致する場合(ステップS607においてYES)、判定対象のグラフについて日付/時刻条件が成立すると判定する(
図22ステップS609)。日付/時刻条件判定部151は、以上のような日付/時刻条件成立判定処理(
図13ステップS502)を日付/時刻条件定義情報が設定されているグラフ毎に行う。
【0106】
日付/時刻条件判定部151によって日付/時刻条件が成立したと判定されたグラフが存在すると、情報蓄積部11に格納されているグラフ分類情報がグラフ分類部16によって変更される(
図13ステップS503)。
表示部17は、グラフ分情情報が変更されると(
図6ステップS207においてYES)、必要に応じてフォルダ表示を変更する(
図6ステップS208)。
【0107】
次に、本実施例の具体例について説明する。ユーザは、グラフ15-4-10の定義時に、グラフ15-4-10で表示するデータとして、冷水蓄熱量と温水蓄熱量を設定した。そして、ユーザは、
図23に示すように日付/時刻条件定義情報を設定した。
図23の日付/時刻条件定義情報入力画面144の例では、ユーザが「設定」のリストボックスで「有効」を選択すると、グラフ15-4-10について日付/時刻条件定義情報が設定される。ユーザは、優先表示開始時刻を23時とし、優先表示終了時刻を7時とした。
【0108】
グラフの定義後、日付/時刻条件判定部151は、グラフ15-4-10について一定周期(例えば30分周期)で
図13の処理を実行する。
時刻取得部12が取得した情報によれば、現在時刻が13時であったとする。このとき、現在時刻と日付/時刻条件定義情報で設定された表示時刻(23時~7時)とが一致しないため、日付/時刻条件判定部151は、グラフ15-4-10について日付/時刻条件が成立しないと判定する(
図22ステップS608)。
【0109】
したがって、グラフ分類部16は、グラフ15-4-10を非優先表示のグラフに分類する(
図13ステップS504)。
ユーザがエネルギー管理システムにアクセスすると、
図24に示すようにグラフ15-4-10は、画面100上の非優先表示フォルダの表示位置に表示される。
【0110】
別の例として、現在時刻が23時になったとする。このとき、現在時刻と日付/時刻条件定義情報で設定された表示時刻(23時~7時)とが一致するため、日付/時刻条件判定部151は、グラフ15-4-10について日付/時刻条件が成立すると判定する(
図22ステップS609)。
【0111】
したがって、グラフ分類部16は、グラフ15-4-10を優先表示のグラフに分類する(
図13ステップS503)。
これにより、ユーザがエネルギー管理システムにアクセスすると、
図25に示すように、グラフ15-4-10は、画面100上の優先表示フォルダの表示位置に表示される。また、
図25から明らかなように、グラフ15-4-10を除いた非優先表示フォルダが表示される(
図6ステップS208)。
【0112】
本実施例において、当日だけとしたい場合は、日付/時刻条件定義情報入力画面に2020/12/31の18時~2021/1/1の1時というように日付を入力できるようにすればよい。
【0113】
[第5の実施例]
次に、本発明の第5の実施例について説明する。エネルギー管理システムのユーザは、エネルギー使用量を削減しつつ、エネルギー契約の遵守も求められる。受電電力が契約電力に近づいたときに、受電電力に関するグラフを優先表示させることで、節電対策を行うことができる。受電電力の数時間先の予測値(例えば3時間)を用いることで、より早い段階で対策を取ることもできる。そこで、本実施例では、計測データまたは予測値について条件式が成立したグラフを優先表示のグラフとする。
【0114】
本実施例においても、エネルギー管理システムの構成は第1の実施例と同様であるので、
図1~
図4の符号を用いて説明する。本実施例のエネルギー管理システムでは、優先表示条件定義部143にデータ条件定義部1432があればよく、優先表示判定部15にデータ条件判定部152があればよい。
【0115】
図26は本実施例のグラフ定義登録部14の動作を説明するフローチャートである。グラフ定義登録部14のフォルダ定義部140とグラフ種別定義部141と系列定義部142の動作(
図26ステップS100~S102)は、第1~第4の実施例で説明したとおりである。
【0116】
グラフ定義登録部14の優先表示条件定義部143のデータ条件定義部1432は、計測データまたは予測値について条件式が成立したグラフを優先表示のグラフとするためのデータ条件定義情報をユーザの入力に従って作成する(
図26ステップS105)。データ条件定義情報としては、グラフid、グラフの名称、対象のグラフで表示する計測データまたは予測値のうち条件式に入力する計測データまたは予測値を指定する引用ポイント、データ粒度、条件式に入力する計測データまたは予測値の形式を指定する集計タイプ、条件式、および判定周期条件の情報などがある。
【0117】
データ粒度としては、例えば分、時間、日、月、年を設定できる。集計タイプとしては、計測データまたは予測値を直に入力する生データ、計測データの代表値または予測値の代表値がある。代表値としては、最大値、最小値、平均値、合計値などがある。条件式は、単一の条件式だけでなく、複数の条件式の論理和または論理積の形式で設定してもよい。判定周期条件としては、例えば30分、1時間、1日、1カ月、1年を設定できる。
【0118】
フォルダ定義情報、グラフ種別定義情報、系列定義情報およびデータ条件定義情報は、情報蓄積部11に格納される。なお、データ条件定義情報はユーザによる入力がない場合には設定しなくてよい。
計測データ取得部10と表示部17の動作は第1の実施例と同様である。第1の実施例で説明したとおり、予測部21は、エネルギー使用量や受電電力を予測することが可能である。
【0119】
図27は優先表示判定部15のデータ条件判定部152とグラフ分類部16の動作を説明するフローチャートである。データ条件判定部152は、エネルギー管理システムに登録されている全てのグラフのグラフidをフォルダ定義情報から取得する(
図27ステップS700)。続いて、データ条件判定部152は、データ条件定義情報が設定されているかどうかをグラフ毎(グラフid毎)に判定する(
図7ステップS701)。データ条件判定部152は、データ条件定義情報が設定されているグラフについて、データ条件が成立するかどうかをグラフ毎に判定する(
図7ステップS702)。なお、本実施例では、条件式に入力する計測データまたは予測値がグラフの優先性に関する情報であるので、データ条件判定部152が、グラフの優先性に関する情報を取得する情報取得部としての機能も実現していることになる。
【0120】
グラフ分類部16は、データ条件判定部152によってデータ条件が成立すると判定されたグラフを優先表示のグラフに分類し(
図27ステップS703)、データ条件が成立しないと判定されたグラフおよびデータ条件定義情報が設定されていないグラフを非優先表示のグラフに分類する(
図27ステップS704)。
【0121】
データ条件判定部152とグラフ分類部16とは、
図27の処理を一定周期(例えば30分周期)で繰り返し実行する。
次に、ステップS702のデータ条件成立判定処理について
図28のフローチャートを参照して説明する。
【0122】
時刻取得部12は、現在日時を取得する(
図28ステップS800)。データ条件成立判定処理において、データ条件判定部152は、判定対象のグラフのデータ条件定義情報で設定された判定周期条件が成立するかどうかを判定する(
図28ステップS801)。設定された判定周期条件が30分であれば、現在時刻がhh時30分またはhh時00分(hhは0~24)で判定周期条件が成立する。設定された判定周期条件が1日であれば、現在時刻が0時00分で判定周期条件が成立する。設定された判定周期条件が1カ月であれば、現在の日付がMM月1日(MMは1~12)で判定周期条件が成立する。設定された判定周期条件が1年であれば、現在の日付が1月1日で判定周期条件が成立する。
【0123】
データ条件判定部152は、判定周期条件が成立しない場合(ステップS801においてNO)、判定対象のグラフについてデータ条件が成立しないと判定する(
図28ステップS802)。また、データ条件判定部152は、判定周期条件が成立する場合(ステップS801においてYES)、判定対象のグラフについてデータ条件定義情報で指定された引用ポイントの計測データまたは予測値を、集計タイプで指定された形式およびデータ粒度で指定された細かさで集計する(
図28ステップS803)。
【0124】
データ条件判定部152は、集計タイプで生データが指定されている場合、引用ポイントで指定された計測データまたは予測値を取得する。データ条件判定部152は、集計タイプで最大値、最小値、平均値または合計値が指定されている場合、引用ポイントで指定された計測データまたは予測値の、判定周期幅の直近の期間における最大値、最小値、平均値または合計値を取得する。
【0125】
そして、データ条件判定部152は、ステップS803で取得した値が、判定対象のグラフについてデータ条件定義情報で設定された条件式を満たすかどうかを判定する(
図28ステップS804)。データ条件判定部152は、ステップS803で取得した値が条件式を満足しない場合(ステップS804においてNO)、判定対象のグラフについてデータ条件が成立しないと判定する(ステップS802)。また、データ条件判定部152は、ステップS803で取得した値が条件式を満足する場合(ステップS804においてYES)、判定対象のグラフについてデータ条件が成立すると判定する(
図28ステップS805)。
データ条件判定部152は、以上のようなデータ条件成立判定処理(
図27ステップS702)をデータ条件定義情報が設定されているグラフ毎に行う。
【0126】
データ条件判定部152によってデータ条件が成立したと判定されたグラフが存在すると、情報蓄積部11に格納されているグラフ分類情報がグラフ分類部16によって変更される(
図27ステップS703)。
表示部17は、グラフ分情情報が変更されると(
図6ステップS207においてYES)、必要に応じてフォルダ表示を変更する(
図6ステップS208)。
【0127】
次に、本実施例の具体例について説明する。ユーザは、グラフ20-8-1の定義時に、グラフ20-8-1で表示するデータとして、受電電力量を設定した。そして、ユーザは、
図29に示すようにデータ条件定義情報を設定した。
図29のデータ条件定義情報入力画面145の例では、ユーザが「設定」のリストボックスで「有効」を選択すると、グラフ20-8-1についてデータ条件定義情報が設定される。ユーザは、引用ポイントを受電電力とし、データ粒度のリストボックスで30分を選択し、集計タイプのリストボックスで平均値を選択し、条件式のリストボックスで「>1000」を選択し、判定周期のリストボックスで30分を選択した。なお、
図29の例では、簡単な例を挙げているが、条件式として、複数の条件式の論理和または論理積を設定してもよい。
【0128】
グラフの定義後、データ条件判定部152は、グラフ20-8-1について判定周期(30分)毎にステップS702のデータ条件成立判定処理を実行する。12時00から12時30分の30分間における管理対象の受電電力の平均値が950であったとする。12時35分に判定を行ったとき、受電電力の平均値950は1000未満となり、条件式を満足しないため、データ条件判定部152は、グラフ20-8-1についてデータ条件が成立しないと判定する(
図28ステップS802)。
【0129】
したがって、グラフ分類部16は、グラフ20-8-1を非優先表示のグラフに分類する(
図27ステップS704)。非優先表示のグラフに分類されたため、グラフ20-8-1のフォルダ表示に変更はない。
ユーザがエネルギー管理システムにアクセスすると、
図30に示すようにグラフ20-8-1は、画面100上の非優先表示フォルダの表示位置に表示される。
【0130】
別の例として、12時30から13時00分の30分間における管理対象の受電電力の平均値が1020であったとする。1時05分に判定を行ったとき、受電電力の平均値1020は1000より大となり、条件式を満足するため、データ条件判定部152は、グラフ20-8-1についてデータ条件が成立すると判定する(
図28ステップS805)。
【0131】
したがって、グラフ分類部16は、グラフ20-8-1を優先表示のグラフに分類する(
図27ステップS703)。
これにより、ユーザがエネルギー管理システムにアクセスすると、
図31に示すように、グラフ20-8-1は、画面100上の優先表示フォルダの表示位置に表示される。また、
図31から明らかなように、グラフ20-8-1を除いた非優先表示フォルダが表示される(
図6ステップS208)。
【0132】
予測部21によって演算される受電電力予測値を使う場合には、データ条件定義情報の引用ポイントを受電電力予測値に設定すればよい。
【0133】
第1~第5の実施例では、高頻度条件と日付/時刻条件とデータ条件とを別々に判定しているが、第1~第5の実施例を適宜組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0134】
第1~第5の実施例で説明したエネルギー管理システムは、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインターフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このコンピュータの構成例を
図32に示す。
【0135】
コンピュータは、CPU200と、記憶装置201と、インタフェース装置(I/F)202とを備えている。I/F202には、表示装置19と入力装置20と管理対象のコントローラやセンサ等が接続される。本発明のエネルギー管理方法を実現させるためのプログラムは記憶装置201に格納される。CPU200は、記憶装置201に格納されたプログラムに従って第1~第5の実施例で説明した処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明は、エネルギー管理のためのグラフを表示する技術に適用することができる。
【符号の説明】
【0137】
10…計測データ取得部、11…情報蓄積部、12…時刻取得部、13…回数取得部、14…グラフ定義登録部、15…優先表示判定部、16…グラフ分類部、17…表示部、19…表示装置、20…入力装置、21…予測部、140…フォルダ定義部、141…グラフ種別定義部、142…系列定義部、143…優先表示条件定義部、146…グラフ定義部、150…高頻度条件判定部、151…日付/時刻条件判定部、152…データ条件判定部、1430…高頻度条件定義部、1431…日付/時刻条件定義部、1432…データ条件定義部。