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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154469
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】衣服
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/002 20060101AFI20221005BHJP
   A41D 13/005 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
A41D13/002 105
A41D13/005 103
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021057525
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(71)【出願人】
【識別番号】000003001
【氏名又は名称】帝人株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】397023549
【氏名又は名称】株式会社チクマ
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 和博
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 信義
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 日向子
【テーマコード(参考)】
3B011
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AB01
3B011AC02
(57)【要約】
【課題】着用者の顔を冷却する冷却効率を向上させる。
【解決手段】本開示の一態様における衣服は、胴部と、フェイスカバーとを備える。胴部は、送風装置が着脱可能に取り付けられるように構成された取付部を備え、衣服を着用した着用者の胴体の少なくとも一部を覆うように構成される。フェイスカバーは、胴部に取り付けられて、着用者の顔の少なくとも一部を覆うように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服であって、
送風装置が着脱可能に取り付けられるように構成された取付部を備え、前記衣服を着用した着用者の胴体の少なくとも一部を覆うように構成された胴部と、
前記胴部に取り付けられて、前記着用者の顔の少なくとも一部を覆うように構成されたフェイスカバーと
を備える衣服。
【請求項2】
請求項1に記載の衣服であって、
前記フェイスカバーは前記胴部に着脱可能に取り付けられるように構成された衣服。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の衣服であって、
前記フェイスカバーは、前記胴部の襟の外側で前記胴部に取り付けられるように構成された衣服。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の衣服であって、
前記フェイスカバーは、前記胴部の襟の内側で前記胴部に取り付けられるように構成された衣服。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の衣服であって、
互いに連結された状態と、互いに分離された状態とに切り替え可能な第1連結部材と第1被連結部材とを備え、
前記第1連結部材は、前記襟の周縁に沿って前記襟に取り付けられるように構成され、
前記第1被連結部材は、前記フェイスカバーに取り付けられるように構成された衣服。
【請求項6】
請求項5に記載の衣服であって、
前記第1連結部材および前記第1被連結部材は複数のボタンを含む衣服。
【請求項7】
請求項1に記載の衣服であって、
前記胴部は、更に、前記着用者の頭部を覆うとともに前記着用者の顔の一部を露出させる開口部を備えるフードを備え、
前記フェイスカバーは、前記着用者の顔の少なくとも一部を覆うようにして前記フードに取り付けられるように構成され、
前記フェイスカバーは、前記着用者の顔を覆う範囲を変更可能である衣服。
【請求項8】
請求項7に記載の衣服であって、
前記フェイスカバーは、前記開口部の一部分を塞ぐようにして前記フードに取り付けられるように構成された衣服。
【請求項9】
請求項8に記載の衣服であって、
互いに連結された状態と、互いに分離された状態とに切り替え可能な第2連結部材と第2被連結部材とを備え、
前記第2連結部材は、前記開口部における前記着用者の右側の端縁と左側の端縁とに沿って前記フードに取り付けられるように構成され、
前記第2被連結部材は、前記フェイスカバーに取り付けられるように構成された衣服。
【請求項10】
請求項9に記載の衣服であって、
前記第2連結部材および前記第2被連結部材は複数のボタンを含む衣服。
【請求項11】
請求項7に記載の衣服であって、
前記フェイスカバーは、前記フードの前記開口部の下端から下方に延びるようにして前記フードに取り付けられるように構成され、
前記フェイスカバーは、前記着用者の顔における右側の一部分を覆うように構成された右側被覆部と、前記着用者の顔における左側の一部分を覆うように構成された左側被覆部とを備え、
前記右側被覆部および前記左側被覆部は、互いに連結された状態と、互いに分離された状態とに切り替え可能に構成されている衣服。
【請求項12】
請求項11に記載の衣服であって、
互いに連結された状態と、互いに分離された状態とに切り替え可能な第3連結部材と第3被連結部材とを備え、
前記第3連結部材は、前記右側被覆部における左側の端縁に沿って前記右側被覆部に取り付けられるように構成され、
前記第3被連結部材は、前記左側被覆部における右側の端縁に沿って前記左側被覆部に取り付けられるように構成された衣服。
【請求項13】
請求項12に記載の衣服であって、
前記第3連結部材および前記第3被連結部材は複数のボタンを含む衣服。
【請求項14】
請求項1~請求項13の何れか1項に記載の衣服であって、
前記取付部に取り付けられた前記送風装置を備える衣服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、送風装置が取り付けられる衣服に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、送風装置が取り付けられる送風機能付き衣服が記載されている。このような衣服は、送風装置によって衣服内に風を送り込むことによって着用者の体温の上昇を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6380964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
送風機能付き衣服を着用した着用者が顔にフェイスカバーを装着した場合に、送風機能付き衣服の送風装置からの風をフェイスカバーの内側に取り込むことができない。このため、フェイスカバーの内側が蒸れて着用者に不快感を与えてしまう恐れがあった。
【0005】
本開示の一態様は、着用者の顔を冷却する冷却効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様における衣服は、胴部と、フェイスカバーとを備える。
胴部は、送風装置が着脱可能に取り付けられるように構成された取付部を有し、衣服を着用した着用者の胴体の少なくとも一部を覆うように構成される。
【0007】
フェイスカバーは、胴部に取り付けられて、着用者の顔の少なくとも一部を覆うように構成される。
このように構成された本開示の衣服は、送風装置によって胴部と着用者との間に送り込まれた空気を、更に、フェイスカバーと着用者との間に送り込むことができ、着用者の顔の冷却効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態の作業上着および着用者の斜視図である。
図2】第1実施形態のファンベストの正面図である。
図3】第1実施形態のファンベストの背面図である。
図4】第2実施形態の作業上着の正面図である。
図5図5Aは第2実施形態のフェイスカバーの正面図であり、図5Bはフェイスカバーの背面図である。
図6】第2実施形態のファンベストの斜視図である。
図7】第3実施形態の作業上着の第1の正面図である。
図8】第3実施形態の作業上着の第2の正面図である。
図9】別の実施形態のファンベストの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態の総括]
ある実施形態における衣服は、胴部を備えてもよい。胴部は、送風装置が着脱可能に取り付けられるように構成された取付部を備えてもよい。加えて/あるいは、胴部は、衣服を着用した着用者の胴体の少なくとも一部を覆うように構成されてもよい。加えて/あるいは、衣服は、フェイスカバーを備えてもよい。フェイスカバーは、胴部に取り付けられて、着用者の顔の少なくとも一部を覆うように構成されてもよい。
【0010】
ある実施形態における衣服が上記の胴部および上記のフェイスカバーを備えているのであれば、このような衣服は、送風装置によって胴部と着用者との間に送り込まれた空気を、更に、フェイスカバーと着用者との間に送り込むことができ、着用者の顔の冷却効率を向上させることができる。
【0011】
加えて/あるいは、フェイスカバーは胴部に着脱可能に取り付けられるように構成されてもよい。このような衣服は、フェイスカバーが着用者にとって不要である状況において、着用者にフェイスカバーを胴部から外させることができる。
【0012】
加えて/あるいは、フェイスカバーは、胴部の襟の外側で胴部に取り付けられるように構成されてもよい。このような衣服は、フェイスカバーを胴部の外側で露出させて配置することができるため、着用者が衣服を着用している時において着用者にフェイスカバーを容易に取り外させることができる。
【0013】
加えて/あるいは、フェイスカバーは、胴部の襟の内側で胴部に取り付けられるように構成されてもよい。このような衣服は、フェイスカバーの一部が胴部の内部に配置されるので、着用者の意図に反してフェイスカバーが胴部から外れてしまうのを抑制することができる。
【0014】
加えて/あるいは、衣服は、第1連結部材と第1被連結部材とを備えてもよい。第1連結部材と第1被連結部材とは、互いに連結された状態と、互いに分離された状態とに切り替え可能であってもよい。第1連結部材は、襟の周縁に沿って襟に取り付けられるように構成されてもよい。第1被連結部材は、フェイスカバーに取り付けられるように構成されてもよい。このような衣服は、フェイスカバーによって着用者の首回りを覆うことができるため、着用者の首回りの冷却効率を向上させることができる。
【0015】
加えて/あるいは、第1連結部材および第1被連結部材は複数のボタンを含んでもよい。このような衣服は、フェイスカバーを胴部に対して着脱可能にする機構を簡便に作製させることができる。
【0016】
加えて/あるいは、胴部は、更に、フードを備えてもよい。フードは、着用者の頭部を覆うとともに着用者の顔の一部を露出させる開口部を備えてもよい。フェイスカバーは、着用者の顔の少なくとも一部を覆うようにしてフードに取り付けられるように構成されてもよい。フェイスカバーは、着用者の顔を覆う範囲を変更可能であってもよい。このような衣服は、フェイスカバーが着用者の顔を覆う範囲を着用者自身で変更させることができる。
【0017】
加えて/あるいは、フェイスカバーは、開口部の一部分を塞ぐようにしてフードに取り付けられるように構成されてもよい。
加えて/あるいは、衣服は、第2連結部材と第2被連結部材とを備えてもよい。第2連結部材と第2被連結部材とは、互いに連結された状態と、互いに分離された状態とに切り替え可能であってもよい。第2連結部材は、開口部における着用者の右側の端縁と左側の端縁とに沿ってフードに取り付けられるように構成されてもよい。第2被連結部材は、フェイスカバーに取り付けられるように構成されてもよい。このような衣服は、フードの開口部における右側の端縁において第2連結部材と第2被連結部材とが連結されている範囲と、フードの開口部における左側の端縁において第2連結部材と第2被連結部材とが連結されている範囲とによって、フェイスカバーが着用者の顔を覆う範囲を変更することができる。
【0018】
加えて/あるいは、第2連結部材および第2被連結部材は複数のボタンを含んでもよい。このような衣服は、フェイスカバーが着用者の顔を覆う範囲を変更するための機構を簡便に作製させることができる。
【0019】
加えて/あるいは、フェイスカバーは、フードの開口部の下端から下方に延びるようにしてフードに取り付けられるように構成されてもよい。フェイスカバーは、右側被覆部と、左側被覆部とを備えてもよい。右側被覆部は、着用者の顔における右側の一部分を覆うように構成されてもよい。左側被覆部は、着用者の顔における左側の一部分を覆うように構成されてもよい。右側被覆部および左側被覆部は、互いに連結された状態と、互いに分離された状態とに切り替え可能に構成されてもよい。このような衣服は、右側被覆部および左側被覆部が互いに連結された状態と互いに分離された状態とに切り替えることにより、フェイスカバーが着用者の顔を覆う範囲を変更することができる。
【0020】
加えて/あるいは、衣服は、第3連結部材と第3被連結部材とを備えてもよい。第3連結部材と第3被連結部材とは、互いに連結された状態と、互いに分離された状態とに切り替え可能であってもよい。第3連結部材は、右側被覆部における左側の端縁に沿って右側被覆部に取り付けられるように構成されてもよい。第3被連結部材は、左側被覆部における右側の端縁に沿って左側被覆部に取り付けられるように構成されてもよい。このような衣服は、右側被覆部と左側被覆部とが上記の端縁に沿って連結されている範囲によって、フェイスカバーが着用者の顔を覆う範囲を変更することができる。
【0021】
加えて/あるいは、第3連結部材および第3被連結部材は複数のボタンを含んでもよい。このような衣服は、フェイスカバーが着用者の顔を覆う範囲を変更するための機構を簡便に作製させることができる。
加えて/あるいは、衣服は、取付部に取り付けられた送風装置を備えてもよい。このような衣服は、送風装置によって胴部と着用者との間に送り込まれた空気を、更に、フェイスカバーと着用者との間に送り込むことができ、着用者の顔の冷却効率を向上させることができる。
【0022】
ある実施形態では、上述の特徴はどのように組み合わされてもよい。ある実施形態では、上述の特徴のいずれかは、除外されてもよい。
[特定の例示的な実施形態]
[第1実施形態]
以下に本開示の例示的な第1実施形態を図面とともに説明する。
【0023】
本実施形態の作業上着1は、建築現場などで着用され、図1に示すように、着用者の胴体を覆う袖無し上衣である。
作業上着1は、着用者の胴体を覆うファンベスト2と、着用者の顔の口元を覆うフェイスカバー3とを備える。
【0024】
図2および図3に示すように、ファンベスト2は、着用者の胴体の右前側を覆う右前身頃11と、着用者の胴体の左前側を覆う左前身頃12と、着用者の胴体の後ろ側を覆う後身頃13とを備える。
【0025】
以下では、右、左、上および下をそれぞれ、着用者にとっての右、左、上および下として説明する。
右前身頃11の上部と後身頃13の上部との間には、着用者の右腕を通すための右アームホール14が形成されている。同様に、左前身頃12の上部と後身頃13の上部との間には、着用者の左腕を通すための左アームホール15が形成されている。
【0026】
右前身頃11、左前身頃12および後身頃13の上部には、着用者の首周りを覆う襟16が形成されている。襟16の外側には、襟16の周囲に沿って複数の雄型スナップボタン17が取り付けられる。
【0027】
図1に示すように、フェイスカバー3は、雄型スナップボタン17に対して着脱可能に係合される複数の雌型スナップボタン21を備える。複数の雌型スナップボタン21を一つずつ雄型スナップボタン17に係合させることにより、フェイスカバー3は、ファンベスト2に取り付けられる。
【0028】
図3に示すように、後身頃13の下部には、円形に開口した取付部7が形成されている。送風装置8は、取付部7の内部に嵌め込まれるようにして着脱可能に取り付けられる。送風装置8は、外気を取り込み、ファンベスト2の表地と裏地との間に形成された内部空間に風を送り込む。そして、送風装置8によって内部空間に送り込まれた空気は、裏地に設けられた通風孔から排出される。
【0029】
このように構成された作業上着1は、ファンベスト2と、フェイスカバー3とを備える。
ファンベスト2は、送風装置8が着脱可能に取り付けられるように構成された取付部7を備え、作業上着1を着用した着用者の胴体の少なくとも一部を覆う。フェイスカバー3は、ファンベスト2に取り付けられて、着用者の顔の一部を覆う。
【0030】
このような作業上着1は、送風装置8によってファンベスト2と着用者との間に送り込まれた空気を、更に、フェイスカバー3と着用者との間に送り込むことができ、着用者の顔の冷却効率を向上させることができる。
【0031】
フェイスカバー3はファンベスト2に着脱可能に取り付けられる。このような作業上着1は、フェイスカバー3が着用者にとって不要である状況において、着用者にフェイスカバー3をファンベスト2から外させることができる。
【0032】
フェイスカバー3は、ファンベスト2の襟16の外側でファンベスト2に取り付けられる。このような作業上着1は、フェイスカバー3をファンベスト2の外側で露出させて配置することができるため、着用者が作業上着1を着用している時において着用者にフェイスカバー3を容易に取り外させることができる。
【0033】
作業上着1は、雄型スナップボタン17と雌型スナップボタン21とを備えてもよい。雄型スナップボタン17と雌型スナップボタン21とは、互いに連結された状態と、互いに分離された状態とに切り替え可能である。雄型スナップボタン17は、襟16の周縁に沿って襟に取り付けられる。雌型スナップボタン21は、フェイスカバー3に取り付けられる。このような作業上着1は、フェイスカバー3によって着用者の首回りを覆うことができるため、着用者の首回りの冷却効率を向上させることができる。
【0034】
雄型スナップボタン17および雌型スナップボタン21は複数のボタンである。このような作業上着1は、フェイスカバー3をファンベスト2に対して着脱可能にする機構を簡便に作製させることができる。
【0035】
以上説明した実施形態において、作業上着1は本開示における衣服の一例に相当し、ファンベスト2は本開示における胴部の一例に相当し、雄型スナップボタン17は本開示における第1連結部材の一例に相当し、雌型スナップボタン21は本開示における第1被連結部材の一例に相当する。
【0036】
[第2実施形態]
以下に本開示の第2実施形態を図面とともに説明する。なお第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。共通する構成については同一の符号を付す。
【0037】
第2実施形態の作業上着1は、図4に示すように、ファンベスト2にフード30が追加された点と、フェイスカバー3の代わりにフェイスカバー4を備える点とが第1実施形態と異なる。
【0038】
フード30は、ファンベスト2における襟16の付近でファンベスト2に連結されており、着用者の頭部を覆う。そしてフード30には、着用者の顔の一部を露出させる開口部31が形成されている。
【0039】
図5A,5Bに示すように、フェイスカバー4は、矩形状に形成された布地における左下および右下の二つの角部を切り欠いた形状を有している。
フェイスカバー4は、図5Aに示されたフェイスカバー4の表面4aから、図5Bに示されたフェイスカバー4の裏面4bに貫通して表面4aで係合部が露出するように取り付けられる複数の雌型スナップボタン23を備える。
【0040】
雌型スナップボタン23は、フェイスカバー4における右側の端縁4cと左側の端縁4dと下側の端縁4eとに沿ってフェイスカバー4に取り付けられる。
図6に示すように、フード30の開口部31における右側の端縁31aと左側の端縁31bとに沿ってフード30の内側に雄型スナップボタン32が取り付けられる。フード30における右側の端縁31aに取り付けられている雄型スナップボタン32は、フェイスカバー4における右側の端縁4cに取り付けられている雌型スナップボタン23に係合される。同様に、フード30における左側の端縁31bに取り付けられている雄型スナップボタン32は、フェイスカバー4における左側の端縁4dに取り付けられている雌型スナップボタン23に係合される。
【0041】
また、フード30の開口部31の下側におけるフード30の内側に複数の雄型スナップボタン33が取り付けられる。雄型スナップボタン33は、フェイスカバー4における下側の端縁4eに取り付けられている雌型スナップボタン23に係合される。
【0042】
上記のようにして複数の雌型スナップボタン23を一つずつ雄型スナップボタン32,33に係合させることにより、フェイスカバー4は、開口部31の一部分を塞ぐようにしてフード30に取り付けられる。
【0043】
このように構成された作業上着1は、ファンベスト2と、フェイスカバー4とを備える。
ファンベスト2は、送風装置8が着脱可能に取り付けられるように構成された取付部7を備え、作業上着1を着用した着用者の胴体の少なくとも一部を覆う。フェイスカバー4は、ファンベスト2のフード30に取り付けられて、着用者の顔の一部を覆う。
【0044】
このような作業上着1は、送風装置8によってファンベスト2と着用者との間に送り込まれた空気を、更に、フェイスカバー3と着用者との間に送り込むことができ、着用者の顔の冷却効率を向上させることができる。
【0045】
フェイスカバー4はファンベスト2のフード30に着脱可能に取り付けられる。このような作業上着1は、フェイスカバー4が着用者にとって不要である状況において、着用者にフェイスカバー4をファンベスト2から外させることができる。
【0046】
そしてフェイスカバー4は、フード30の開口部31の一部分を塞ぐようにしてフードに取り付けられ、着用者の顔を覆う範囲を変更可能である。このような作業上着1は、フェイスカバー4が着用者の顔を覆う範囲を着用者自身で変更させることができる。
【0047】
作業上着1は、雄型スナップボタン32と雌型スナップボタン23とを備える。雄型スナップボタン32と雌型スナップボタン23とは、互いに連結された状態と、互いに分離された状態とに切り替え可能である。雄型スナップボタン32は、開口部31における着用者の右側の端縁31aと左側の端縁31bとに沿ってフード30に取り付けられる。雌型スナップボタン23は、フェイスカバー4に取り付けられる。このような作業上着1は、フード30の開口部31における右側の端縁31aにおいて雄型スナップボタン32と雌型スナップボタン23とが連結されている範囲と、フード30の開口部31における左側の端縁31bにおいて雄型スナップボタン32と雌型スナップボタン23とが連結されている範囲とによって、フェイスカバー4が着用者の顔を覆う範囲を変更することができる。
【0048】
雄型スナップボタン32および雌型スナップボタン23は複数のボタンである。このような作業上着1は、フェイスカバー4が着用者の顔を覆う範囲を変更するための機構を簡便に作製させることができる。
【0049】
以上説明した実施形態において、雄型スナップボタン32は本開示における第2連結部材の一例に相当し、雌型スナップボタン23は本開示における第2被連結部材の一例に相当する。
【0050】
[第3実施形態]
以下に本開示の第3実施形態を図面とともに説明する。なお第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。共通する構成については同一の符号を付す。
【0051】
第3実施形態の作業上着1は、図7に示すように、ファンベスト2にフード40が追加された点と、フェイスカバー3の代わりにフェイスカバー5を備える点とが第1実施形態と異なる。
【0052】
フード40は、ファンベスト2における襟16の付近でファンベスト2に連結されており、着用者の頭部を覆う。そしてフード40には、着用者の顔の一部を露出させる開口部41が形成されている。
【0053】
フェイスカバー5は、フード40と一体に形成されており、図7における一点鎖線の矩形で示すように、フード40における開口部41より下側の領域である。すなわち、フェイスカバー5は、フード40と同一の素材で形成された布地であり、フード40に対して一体に取り付けられている。
【0054】
フェイスカバー5は、着用者の顔における右側の口元を覆う右側被覆部51と、着用者の顔における左側の口元を覆う左側被覆部52とを備える。
図8に示すように、右側被覆部51には、右側被覆部51における左側の端縁51aに沿って複数の雄型スナップボタン53が取り付けられる。また左側被覆部52には、左側被覆部52における右側の端縁52aに沿って雌型スナップボタン54が取り付けられる。
【0055】
このため、複数の雌型スナップボタン54を一つずつ雄型スナップボタン53に係合させることにより、右側被覆部51と左側被覆部52とが連結されて、右側被覆部51と左側被覆部52とにより着用者の口元が覆われた状態となる。一方、雌型スナップボタン54と雄型スナップボタン53との係合を解除して、右側被覆部51と左側被覆部52とが分離されると、着用者の口元が露出した状態になる。
【0056】
このように構成された作業上着1は、ファンベスト2と、フェイスカバー5とを備える。
ファンベスト2は、送風装置8が着脱可能に取り付けられるように構成された取付部7を備え、作業上着1を着用した着用者の胴体の少なくとも一部を覆う。フェイスカバー5は、ファンベスト2のフード40に取り付けられて、着用者の顔の一部を覆う。
【0057】
このような作業上着1は、送風装置8によってファンベスト2と着用者との間に送り込まれた空気を、更に、フェイスカバー5と着用者との間に送り込むことができ、着用者の顔の冷却効率を向上させることができる。
【0058】
フェイスカバー5は、フード40の開口部41の下端から下方に延びるようにしてフード40に取り付けられる。フェイスカバー5は、右側被覆部51と、左側被覆部52とを備える。右側被覆部51と、着用者の顔における右側の一部分を覆う。左側被覆部52は、着用者の顔における左側の一部分を覆う。右側被覆部51および左側被覆部52は、互いに連結された状態と、互いに分離された状態とに切り替え可能に構成される。このような作業上着1は、右側被覆部51および左側被覆部52が互いに連結された状態と互いに分離された状態とに切り替えることにより、フェイスカバー5が着用者の顔を覆う範囲を変更することができる。
【0059】
作業上着1は、雄型スナップボタン53と雌型スナップボタン54とを備える。雄型スナップボタン53と雌型スナップボタン54とは、互いに連結された状態と、互いに分離された状態とに切り替え可能である。雄型スナップボタン53は、右側被覆部51における左側の端縁51aに沿って右側被覆部51に取り付けられる。雌型スナップボタン54は、左側被覆部52における右側の端縁52aに沿って左側被覆部52に取り付けられる。このような作業上着1は、右側被覆部51と左側被覆部52とが上記の端縁51a,52aに沿って連結されている範囲によって、フェイスカバー5が着用者の顔を覆う範囲を変更することができる。
【0060】
雄型スナップボタン53および雌型スナップボタン54は複数のボタンである。このような作業上着1は、フェイスカバー5が着用者の顔を覆う範囲を変更するための機構を簡便に作製させることができる。
【0061】
以上説明した実施形態において、雄型スナップボタン53は本開示における第3連結部材の一例に相当し、雌型スナップボタン54は本開示における第3被連結部材の一例に相当する。
【0062】
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。
例えば上記第1実施形態では、襟16の外側に複数の雄型スナップボタン17が取り付けられる形態を示した。しかし、図9に示すように、襟16の内側において襟16の周囲に沿って複数の雄型スナップボタン17が取り付けられてもよい。これにより、フェイスカバー3は、ファンベスト2の襟16の内側でファンベスト2に取り付けられる。このような作業上着1は、フェイスカバー3の一部がファンベスト2の内部に配置されるので、着用者の意図に反してフェイスカバー3がファンベスト2から外れてしまうのを抑制することができる。
【0063】
また上記第3実施形態では、フェイスカバー5がフード40と一体に形成されることによりフェイスカバー5がフード40に取り付けられている形態を示した。しかし、フェイスカバー5がフード40とは別体に形成されるようにしてもよい。例えば、図7において一点鎖線で示す矩形内(すなわち、フェイスカバー5の領域)を、フード40とは異なる素材の布地で置き換えることによって、フード40とは異なる素材で形成されたフェイスカバー5をフード40に取り付けるようにしてもよい。
【0064】
また上記実施形態では、スナップボタンによってフェイスカバー3,4がファンベスト2に取り付けられたり、フェイスカバー5が着用者の顔を覆う範囲をスナップボタンによって変更可能にしたりする形態を示した。しかし、スナップボタンの代わりに、例えば、ボタンホールおよびボタンを用いてもよいし、スライドファスナを用いてもよいし、面ファスナを用いてもよい。
【0065】
上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加または置換してもよい。
【符号の説明】
【0066】
1…作業上着、2…ファンベスト、3,4,5…フェイスカバー、7…取付部、8…送風装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9