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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154493
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/08 20060101AFI20221005BHJP
   F24F 1/0011 20190101ALI20221005BHJP
   F24F 11/79 20180101ALI20221005BHJP
【FI】
F24F13/08 C
F24F1/0011
F24F13/08 A
F24F11/79
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021057557
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(71)【出願人】
【識別番号】305027401
【氏名又は名称】東京都公立大学法人
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】松井 範幸
(72)【発明者】
【氏名】小方 聡
【テーマコード(参考)】
3L049
3L081
3L260
【Fターム(参考)】
3L049BB05
3L081AA02
3L081AB05
3L081CA03
3L260AB02
3L260BA08
3L260BA42
3L260CB23
3L260FA08
3L260FB12
3L260FC14
(57)【要約】
【課題】プラズマアクチュエータを用いた風向制御により、通風路を通過した気流の圧力損失を低減すると共に、プラズマアクチュエータに供給される電力の消費を低減することができる空気調和機を提供する。
【解決手段】気流が通過する通風路26と、通風路26を通過した気流を案内する平面状の第1案内面41と、第1案内面41より気流の下流側で第1案内面41に接続する湾曲面45と、を備えた第1風向板24と、湾曲面45に配置され、気流の向きを変更するプラズマアクチュエータ32と、プラズマアクチュエータ32に供給する電力を制御する制御部37とを備え、湾曲面45は、気流の下流側に向かって気流から徐々に離れるように湾曲する第1湾曲面46と、第1湾曲面46よりも気流の上流側に配置され第1案内面41と第1湾曲面46とに接続して、第1案内面41よりも気流側に隆起して湾曲する第2湾曲面47とを備えている空気調和機。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機によって送風される気流が通過する通風路と、
前記通風路を通過した気流を案内する平面状の第1案内面と、当該第1案内面より前記気流の下流側で当該第1案内面に接続する湾曲面と、を備えた第1風向板と、
前記湾曲面に配置され、前記気流の向きを変更するプラズマアクチュエータと、
前記プラズマアクチュエータに接続され、前記プラズマアクチュエータに供給する電力を制御する制御部と、を備えた空気調和機において、
前記湾曲面は、前記気流の下流側に向かって前記気流から徐々に離れるように湾曲する第1湾曲面と、前記第1湾曲面よりも前記気流の上流側に配置され前記第1案内面と前記第1湾曲面とに接続して、前記第1案内面よりも気流側に隆起して湾曲する第2湾曲面とを備えていることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記湾曲面は、前記第1案内面に沿って流れた気流に対してコアンダ効果を生み出す形状であることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記第1湾曲面と前記第2湾曲面とは同一の曲率中心であると共に同一曲率半径であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記第1案内面と対向して配置され、前記通風路を通過した気流を案内する平面状の第2案内面を有する案内板を備え、
前記第1案内面と前記第2案内面との間の寸法を気流高さh、
前記第1案内面と前記第2湾曲面とが接続する接続点での前記第2湾曲面における接線と、前記第1案内面とが交わって形成される傾斜角をα、
前記同一曲率半径をr、
前記第1案内面に沿って流れる気流の速度をv、とした場合において、
前記h、α、r、vは、下記を満たすことを特徴とする請求項3に記載の空気調和機。
h≦5mm
15°≦α<90°
r≦10mm
0m/s<v<10m/s
【請求項5】
前記プラズマアクチュエータは前記第2湾曲面に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記制御部は、前記プラズマアクチュエータに供給する電力を所定時間ONとした後にOFFとして、前記第1案内面に沿って流れた前記気流の向きを前記第1湾曲面に沿う方向に変更することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記所定時間は1secであることを特徴とする請求項6に記載の空気調和機。
【請求項8】
前記制御部は、前記プラズマアクュエータに15KHz以上の動作周波数を印加することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項9】
前記プラズマアクチュエータは、気流方向に対して直列に少なくとも2つ配置されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項10】
送風機によって送風される気流が通過する通風路と、
前記通風路を通過した気流を案内する平面状の第1案内面と、当該第1案内面より気流の下流側で当該第1案内面に接続する湾曲面とを備えた第2風向板と、
前記湾曲面に配置され、気流の向きを変更するプラズマアクチュエータと、
前記第1案内面と対向して配置され、前記通風路を通過した気流を案内する平面状の第2案内面を有する案内板と、
前記プラズマアクチュエータに接続され、前記プラズマアクチュエータに供給する電力を制御する制御部と、を備えた空気調和機において、
前記案内板の前記第2案内面で案内された気流の少なくとも一部は、前記プラズマアクチュエータが配置された位置よりも前記第1案内面側の前記湾曲面に向かって案内されることを特徴とする空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示された天寄式空気調和機の室内機は、室内機本体の前面に水平方向から手前に高く傾斜する前方傾斜部と、同前方傾斜部の上端を後方に折曲して後方に高く傾斜する後方傾斜部とでなる前面パネルを有し、前面パネルの後方傾斜部に吸込口と前方傾斜部の下部に吹出口を備えている。また、吸込口から吹出口に至る通風経路中に室内熱交換器を配置し、吹出口には、水平軸回りで回転自在に上下風向板が配置される。上下風向板を水平軸回りに回転させることにより、吹出口から吹き出される気流の風向制御を行っている。
【0003】
しかし、上下風向板にて風向制御を行う場合において、例えば、上下風向板を水平軸回りに大きく回転させて気流を上方の天井側に風向を偏向させようとする場合、または、気流を下方のフロア側に風向を偏向させようとする場合、通風経路を通過した気流は上下風向板に当たることによって偏向するため、騒音の発生や圧力損失が大きくなるという問題があった。
【0004】
一方、水平軸回りに回転させる上下風向板を用いずに吹出口から吹き出される気流の風向制御を行う空気調和機として、特許文献2には、送風機から送風される空気(気流)を吹出口へ導く流通路(通風経路)内に、プラズマを発生させることにより空気の流れる向きを変更するプラズマアクチュエータを配置させて、風向制御を行う空調装置(空気調和機)が開示されている。
【0005】
プラズマアクチュエータは、プラズマを発生させることにより空気の流れる向きを電気的制御によって変更するものである。プラズマアクチュエータは、一対の電極と、それらの電極と電極との間に配置される誘電体とを有し、一対の電極が交流電源に接続されている。電極と電極は、絶縁部に沿う方向にずれて配置されており、交流電源から一対の電極に電圧を印可することによってプラズマアクチュエータに電力が供給され、電極から電極に向けてプラズマが生じ、気流に面する電極側において絶縁部に沿うような空気の流れが形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-61938号公報
【特許文献2】特開2017-65463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に開示された空気調和機は、プラズマアクチュエータを用いて吹出口から吹き出される気流の風向制御を行うため、水平軸回りに回転させる上下風向板を用いて風向制御を行う従来の空気調和機に比べて、通風経路を通過した気流による騒音の発生や圧力損失が大きくなるという問題は発生しない。しかし、一方で、プラズマアクチュエータを用いて吹出口から吹き出される気流の風向制御を行っている間は、プラズマアクチュエータに電力を供給し続ける必要があるため、消費電力が大きくなってしまうという問題があった。
【0008】
上記課題に鑑み、本発明の目的は、プラズマアクチュエータを用いた風向制御により、通風経路を通過する気流の圧力損失を低減すると共に、プラズマアクチュエータに供給される電力の消費を低減することができる空気調和機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、送風機によって送風される気流が通過する通風路と、通風路を通過した気流を案内する平面状の第1案内面と、第1案内面より気流の下流側で第1案内面に接続する湾曲面と、を備えた第1風向板と、湾曲面に配置され、気流の向きを変更するプラズマアクチュエータと、プラズマアクチュエータに接続され、プラズマアクチュエータに供給する電力を制御する制御部と、を備えた空気調和機において、湾曲面は、気流の下流側に向かって気流から徐々に離れるように湾曲する第1湾曲面と、第1湾曲面よりも気流の上流側に配置され第1案内面と第1湾曲面とに接続して、第1案内面よりも気流側に隆起して湾曲する第2湾曲面とを備えている空気調和機である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、プラズマアクチュエータを用いた風向制御により、通風路を通過した気流の圧力損失を低減すると共に、プラズマアクチュエータに供給される電力の消費を低減することができる空気調和機を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る空気調和機の冷凍回路図である。
図2】本発明の実施形態に係る空気調和機の室内機の断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る風向板の部分斜視図である。
図4】本発明の実施形態係る風向板の部分断面図である。
図5】本発明の実施形態係る風向板の構造説明図である。
図6】本発明の実施形態係るプラズマアクチュエータの動作を示すフロー図である。
図7】本発明の実施形態係るプラズマアクチュエータの非作動時の気流を示す概念図である。
図8】本発明の実施形態係るプラズマアクチュエータの作動後の気流を示す概念図である。
図9】本発明の他の実施形態係る風向板と案内板の部分断面図である。
図10】本発明の他の実施形態係るプラズマアクチュエータの配置を示す風向板の断面図である。
図11】本発明の他の実施形態係るプラズマアクチュエータの配置を示す風向板と案内板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る空気調和機の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
図1は、本発明の第1実施形態に係る空気調和機1の冷凍回路図である。
【実施例0014】
図1を用いて空気調和機1について説明する。空気調和機1は暖房運転および冷房運転が可能であり、室内に配置される室内機5と屋外に設置される室外機11とが冷媒配管を介して接続されている冷凍回路2を備えている。室外機11は、室外熱交換器13と室外熱交換器13に外気を送風するための室外送風機16と、圧縮機12、四方弁15、室外機側膨張弁14とを備えている。室外送風機16はファンモータによって駆動する。室内機5は筐体6を有し、筐体6の内部には、室内熱交換器7、室内機側膨張弁8、室内熱交換器7に室内の空気を送風するための送風機9が配置されている。
【0015】
図1において、実線で示す矢印は冷房運転の場合の冷媒の流れを示し、破線で示す矢印は暖房運転の場合の冷媒の流れを示す。冷房運転の場合は、圧縮機12で圧縮されて高温高圧になった冷媒は室外熱交換器13を流れる。室外熱交換器13を流れる高温高圧の冷媒は、室外送風機16によって送風された外気と熱交換することによって放熱される。室外熱交換器13を通過して放熱された冷媒は室内機側膨張弁8によって減圧され、減圧された冷媒は室内熱交換器7を流れる。室内熱交換器7を流れる冷媒は、送風機9によって送風された室内の空気と熱交換し吸熱する。室内熱交換器7を流れる冷媒によって吸熱された室内の空気は冷却される。吸熱した冷媒は圧縮機12に戻り、再び高温高圧に圧縮される。
【0016】
暖房運転の場合は、冷媒は四方弁15によって冷房運転と逆の流れをする。暖房運転時において、圧縮機12で圧縮されて高温高圧になった冷媒は室内熱交換器7を流れる。室内熱交換器7を流れる高温高圧の冷媒は、送風機9によって送風された室内の空気と熱交換することによって放熱され、高温高圧の冷媒と熱交換をした室内の空気は暖められる。室内熱交換器7を通過して放熱された冷媒は室外機側膨張弁14によって減圧され、減圧された冷媒は室外熱交換器13を流れる。室外熱交換器13を流れる冷媒は、室外送風機16によって送風された外気と熱交換し吸熱する。吸熱した冷媒は圧縮機12に戻り、再び、高温高圧に圧縮される。
【0017】
次に図2に基づいて室内機5について説明する。室内機5は筐体6を備える。筐体6は、部屋の壁面に直交する水平面に沿って広がる天板18と、天板18の下方で壁面に直交する水平面に沿って広がり、天板18との間に収容空間を挟む底板19と、壁面に取り付けるための背面板20と、背面板の反対側に配置する正面板とを有する。筐体6の天板18には吸込口22が形成される。室内熱交換器7に流入する空気は吸込口22から取り込まれる。筐体6には天板18の下方で室内熱交換器7の前方に複数のエアフィルタアセンブリ(図示されず)が着脱自在に装着される。
【0018】
筐体6の底板19と正面板21との間には吹出口23が形成される。吹出口23は室内に向けて開口される。吹出口23は、室内熱交換器7で生成される冷気または暖気の気流を吹き出す。吹出口23には、吹出口23から吹き出される気流の向きを上下方向に変更する1枚の風向板である第1風向板24と、風向板24の上側に配置される案内板25とが設置される。案内板25は、第1風向板24の上面に向き合わせられる案内面を有する。第1風向板24と案内板25とで吹出口23からの気流を案内する。第1風向板24は筐体6の1部として形成されてもよい。第1風向板24および案内板25は例えば送風機9の軸線27と平行な水平軸線回りに回動するように設けられてもよい。
【0019】
室内機5の筐体6内には、吸込口22から吹出口23に至る通風路26が区画される。通風路26内には軸線27回りに回転自在に送風機9が配置される。送風機9には例えばクロスフローファンが用いられる。送風機9の軸線27は設置時に水平方向に延びる。送風機9は吹出口23に平行に配置される。送風機9には駆動源28から軸線27回りの駆動力が伝達される。駆動源28は筐体6に支持される。送風機9の回転に応じて気流は室内熱交換器7を通過する。その結果、室内熱交換器7を通過した気流は室内熱交換器7内を流れる冷媒と熱交換し、冷媒と熱交換した気流は冷気または暖気として吹出口23から吹き出される。尚、図2において示す矢印29は気流の流れを示す。
【0020】
次に図3図4に基づいて第1風向板24について述べる。図3は第1風向板24の部分斜視図であり、図4は、図3で示した第1風向板24のA―Aによる部分断面図である。図3、4に示されるように、第1風向板24は、気流を案内するための第1案内面41を備え、第1案内面41は平面状に形成されている。尚、図4において示す2点鎖線は第1案内面41から延びる仮想上の延長面を示す線である。第1風向板24の下流側の端部50(接続点)には第1案内面41に接続する湾曲面45が設けられている。湾曲面45は、第1案内面41の気流方向下流側の端部50に接続する第2湾曲面47と、第2湾曲面47に接続して第2湾曲面47に連続して形成される第1湾曲面46を有している。第2湾曲面47は第1案内面41よりも気流29側へ隆起する湾曲面である。第1湾曲面46は気流の下流側に向かって徐々に第1案内面41の延長面上から気流29の反対側の方向に離れるように湾曲状に形成されている。すなわち、湾曲面45は、気流29の下流側に向かって気流から徐々に離れるように湾曲する第1湾曲面46と、第1湾曲面よりも気流29の上流側で第1案内面41と第1湾曲面46とに接続して、第1案内面41よりも気流側に隆起して湾曲する第2湾曲面47とを備えている。そのため、第1案内面41に案内された気流29は第2湾曲面47に当たりながら第2湾曲面47に沿って流れる。尚、本実施形態において、平面状とはコアンダ効果を生じさせない面であって、多少湾曲していてもコアンダ効果を生じさせない場合は、平面状である。
【0021】
湾曲面45を構成する第1湾曲面46と第2湾曲面47とは、第1案内面41に沿って流れる気流に対して生み出されるコアンダ効果の原理に従って設定されている。具体的には、第1湾曲面46の曲率半径と第2湾曲面47の曲率半径は同一の曲率半径rであって、第1湾曲面46の曲率中心と第2湾曲面47の曲率中心は同一である。図4において示すOは曲率半径rの曲率中心を示す。従って、第1湾曲面46と第2湾曲面47とは互いの曲面が連続するように接続している。図4に示す境界点52が第1湾曲面46と第2湾曲面47の接続点であり、第2湾曲面47と第1案内面41から延びる仮想上の延長面と交差する点でもある。尚、第1湾曲面46と第2湾曲面47の曲率半径rは、気流29が第1案内面41に沿って流れる速度vに応じて異なっており、詳細は後述する。
【0022】
第2湾曲面47には、金属箔および誘電体フィルムの積層体で構成されるプラズマアクチュエータ32が貼り付けられる。プラズマアクチュエータ32は例えば軸線27の軸方向に第2湾曲面47の全域にわたって延びている。プラズマアクチュエータ32は軸線27の軸方向に連続して設けられていてもよく、所定の間隔を設けて複数設けられていてもよい。プラズマアクチュエータ32は軸線27の軸方向に直線状に延びてもよく湾曲しながら延びてもよい。プラズマアクチュエータ32は、大気圧バリア放電により生じる電気流体力学的作用を利用して雰囲気気体の流れを誘起し、それを流れ制御に応用するデバイスであり、交流電圧を印加するだけで一方向に流れが誘起される。
【0023】
図4に示すように、プラズマアクチュエータ32は第1案内面41よりも気流29の下流側の位置である第2湾曲面47に配置される第1電極33と、第1電極33に誘電体35を介して接続されて、気流29の流れ方向(図4の矢印の方向)に第1電極33から下流方向側にずれた位置に配置される第2電極34と、第1電極33および第2電極34に電気的に接続されて、第1電極33および第2電極34に交流電圧またはパルス状の電圧を印加する制御部37とを備える。誘電体35には例えば第2湾曲面47に貼り付けられる樹脂フィルムが用いられる。樹脂フィルムは例えば数μ~数百μmの厚みを有すればよい。
【0024】
樹脂フィルムの外表面に第1電極33は貼り付けられる。第1電極33は数μmの厚みを持つ銅箔から形成されることができる。第1電極33は気流29の流れ方向に1~2mm程度の長さを有すればよい。第1電極33は樹脂フィルムの表面に積層されてもよい。積層にあたって例えば蒸着は用いられることができる。
【0025】
第1電極33の下流側で第2電極34は樹脂フィルムに覆われる。第2電極34は数μmの厚みを持つ銅箔から形成されることができる。第2電極34は気流の下流側に1~2mm程度の長さを有すればよい。第2電極34は第1湾曲面46に貼り付けられる。第2電極34は、樹脂フィルムの裏面または第1湾曲面46の表面に積層されてもよい。積層にあたって例えば蒸着は用いられることができる。第1電極33および第2電極34の間に樹脂フィルムが挟まれる限り、第2電極34は部分的に第1電極33に重なってもよい。制御部37は、第1電極33および第2電極34の間に数Hz~数kHzの周波数で数kVの交流電圧を印加する。制御部37が出力する電圧の周波数は例えば可聴音領域外に近い15kHz以上に設定されればよい。制御部37が出力する電圧としては、一定周波数の交流電圧、または、パルス状の電圧の他に、バースト電圧でもよい。
【0026】
第1実施形態に係る空気調和機1の特徴は、第1案内面41に沿って流れる気流に対してコアンダ効果を生じさせる湾曲面45と湾曲面45に配置されたプラズマアクチュエータ32とを用い、プラズマアクチュエータ32を動作させて第1案内面41に沿って流れる気流の向きを湾曲面45に沿うように変更させることである。また、湾曲面45を第1湾曲面46と第2湾曲面47とで構成することによって、プラズマアクチュエータ32を動作させた後にプラズマアクチュエータ32の動作を停止しても、第1案内面41に沿って流れる気流の向きを湾曲面45に沿うように変更させるコアンダ効果を持続することができる。次にその動作について、図6のフロー図に基づいて説明する。
【0027】
空気調和機1が冷房運転または暖房運転を開始すると、室内機5の送風機9は回転する(ST1)。送風機9の回転により室内の空気は吸込口22から筐体6の内部に吸い込まれ、吸い込まれた空気は通風路26を通過して吹出口23から吹き出る(ST2)。このとき、図2に示されるように、気流29は第1風向板24の第1案内面41に沿って流れる。案内板25は第1案内面41に沿って気流29が流れるよう誘導することができる。気流29は良好に第1案内面41に沿って流れることができる。制御部37から第1電極33および第2電極34に交流電圧またはパルス状の電圧が印加されていなければ、気流29が第1案内面41に沿って流れると、第1案内面41の直接的な案内は終了するものの気流29は第1案内面41から下流方向に離れても、向きを変えることなくそのまま直進することができる(図7参照)。気流29の向きは第1風向板24の第1案内面41で設定されることができる。良好に気流29の直進性は確保されることができる。
【0028】
気流29の向きを変えることなく、第1風向板24の第1案内面41に沿って直進させる場合は(ST3のNO)、その状態を保持し、気流29の向きを変える場合は(ST3のYES)、プラズマアクチュエータ32を動作させる。プラズマアクチュエータ32を動作させるため、制御部37から第1電極33および第2電極34に交流電圧またはパルス状の電圧が印加されると(ST4)、気流29の流れ方向に第1電極33の下流で第2電極34の表面にプラズマ領域が形成され、第1電極33および第2電極34はいわゆるプラズマアクチュエータとして機能する。プラズマ領域で発生する電離により生じた正イオンを含む空気は、第2電極34側に移動する。図8は、吹出口23に設けられた風向板24と案内板25の縦断面図であって、下側に配置された風向板24と上側に配置された案内板25との間を流れる気流を示している。図8に示すように、第1案内面41に沿って流れてきた気流29は、第2湾曲面47および第1湾曲面46に沿って曲げられ、下方側に向かって流れる。コアンダ効果の働きで、風向板といった障害物によって気流に対して生じる抵抗の増大を回避しながら良好に気流29の向きは調整されることができる。
【0029】
制御部37から第1電極33および第2電極34に交流電圧またはパルス状の電圧が所定時間(例えば、1sec)印加された後(ST5)、制御部37は、第1電極33および第2電極34への交流電圧またはパルス状の電圧の印加を停止する(ST6)。制御部37が、第1電極33および第2電極34への交流電圧またはパルス状の電圧の印加を停止しても、図8に示すように、第1湾曲面46と第1案内面41よりも気流側に隆起して湾曲する第2湾曲面47とで形成される湾曲面45によって生み出されるコアンダ効果により、気流29は第2湾曲面47および第1湾曲面46に沿って曲げられ下方側に向かって流れる状態を維持することができる。
【0030】
気流29を、第2湾曲面47および第1湾曲面46に沿って曲げられ下方側に向かって流れる状態から、第1風向板24の第1案内面41に沿って直進させる状態に戻す場合は(ST7のYES)、送風機9の回転数を下げて気流29の風速を下げる(ST8)。気流29の風速が下がることによって、コアンアダ効果が発生しなくなり、初期状態に戻る。
【0031】
次に、吹出口23に設けられた第1風向板24と案内板25との具体的な位置関係と、湾曲面45の具体的形状について、図5を用いて説明する。案内板25は、第1案内面41と対向して配置され、通風路26を通過した気流29を案内する平面状の第2案内面42を有する。第1風向板24の第1案内面と案内板25の第2案内面42との間の寸法を気流高さh、第1案内面41と第2湾曲面47とが接続する接続点50での第2湾曲面47における接線と、第1案内面41とが交わって形成される傾斜角をα、第1湾曲面46と第2湾曲面47の曲率半径をr、第1案内面に沿って流れる気流29の速度をv、とした場合において、h、α、r、vは、次の(1)から(4)の条件を満たすように設定されている。ここで、第1風向板24の第1案内面41と案内板25の第2案内面42との間の寸法である気流高さhとは、第1案内面41と第2案内面42との間で形成される開口の高さである開口高さを意味する。
(1)h≦5mm
(2)15°≦α<90°
(3)r≦10mm
(4)0m/s<v<10m/s
上記した、(1)から(4)の条件を満たすことにより、本発明の特徴である、プラズマアクチュエータ32を動作させた後にプラズマアクチュエータ32の動作を停止しても、第1案内面41に沿って流れる気流の向きを変更して湾曲面45に沿わせるコアンダ効果が持続することができる。
【0032】
第1実施形態に係る空気調和機1では、プラズマアクチュエータ32が第2湾曲面47に配置されているが、プラズマアクチュエータ32が第2湾曲面47ではなく、第1湾曲面46に配置されていても構わない。また、第1実施形態に係る空気調和機1では、第1湾曲面46の曲率半径と第2湾曲面47の曲率半径rは同一の曲率半径であり、第1湾曲面46と第2湾曲面47の曲率中心oは同一であるが、第1湾曲面46の曲率半径と第2湾曲面47の曲率半径とは同一ではなく、第1湾曲面46の曲率中心と第2湾曲面47の曲率中心とは同一でなくても構わない。第1風向板が、通風路26を通過した気流を案内する平面状の第1案内面41と、第1案内面41より気流の下流側で第1案内面41に接続する湾曲面45とを備え、湾曲面45が、気流の下流側に向かって気流から徐々に離れるように湾曲する第1湾曲面46と、第1湾曲面46よりも気流の上流側に配置され第1案内面41と第1湾曲面46とに接続して、第1案内面41よりも気流側に隆起して湾曲する第2湾曲面47とを備えていればよい。尚、第2湾曲面47は気流29側に隆起している湾曲面であり、第1案内面41に対する第2湾曲面47の隆起高さは近似的にr×sinαとなる。第2湾曲面47は気流29側に隆起している湾曲面であるが、第1案内面41に対する第2湾曲面47の隆起高さr×sinαを気流高さhに対して小さく設定することにより、気流29の直進性に影響はない。
【0033】
次に、第2実施形態に係る空気調和機1について、図9を用いて説明する。第2実施形態に係る空気調和機1と第1実施形態に係る空気調和機1の相違は、湾曲面45と案内板25の構成であり、他の構成は第1実施形態に係る空気調和機1と同じである。以下、第1実施形態に係る空気調和機1と共通する構成については、同じ符号を示す。
【0034】
第2実施形態に係る空気調和機1の第2風向板30は、図9に示されるように、通風路26を通過した気流を案内する平面状の第1案内面41が形成された第2風向板30を有し、第1案内面41の下流側の端部には第1案内面41に接続する湾曲面45が設けられている。湾曲面45は、第1案内面41の気流方向下流側の端部50(接続点)に接続し、第1案内面41に連続して形成される。湾曲面45は気流の下流側に向かって徐々に第1案内面の延長面上から気流29の反対側の方向に離れるように湾曲状に形成されている。すなわち、湾曲面45は、気流29の下流側に向かって気流から徐々に離れるように湾曲する。第2実施形態に係る第2風向板30の湾曲面45は、第1施形態に係る第1風向板24の湾曲面45と異なり、第1案内面41よりも気流側に隆起して湾曲する第2湾曲面47を備えていない。湾曲面45には、通風路26を通過した気流の向きを変更するプラズマアクチュエータ32が配置されている。図9には示されていないが、プラズマアクチュエータ32は、プラズマアクチュエータ32に供給する電力を制御する制御部37を備えている。
【0035】
また、第2実施形態に係る空気調和機1は、第2風向板30の第1案内面41に対して斜めに対向して配置された平面状の第2案内面42を有する案内板25を備えている。第2案内面42は通風路26を通過した気流を案内し、通風路26を通過した気流29は第2案内面42によって案内され、第2案内面42によって案内され気流29の一部は、図9に示すように、プラズマアクチュエータ32が配置された位置よりも第1案内面41側の湾曲面45、すなわち、第1案内面41に沿って流れる気流29の流れにおいて、プラズマアクチュエータ32が配置された位置よりも上流側の湾曲面45に向かって流れていく。そのため、第2案内面42に案内された気流29の一部は、湾曲面45に当たりながら湾曲面45に沿って流れる。
【0036】
第2実施形態に係る空気調和機1の特徴は、第2風向板30の第1案内面41に沿って流れる気流に対してコアンダ効果を生じさせる湾曲面45と、湾曲面45に配置されたプラズマアクチュエータ32とを用いて、プラズマアクチュエータ32を動作させて第1案内面41に沿って流れる気流の向きを湾曲面45に沿うように変更させることである。また、第2風向板30の第1案内面41に対して斜めに対向する第2案内面42が形成された案内板25によって、案内された気流29の一部が湾曲面45に当たりながら湾曲面45に沿って流れるため、プラズマアクチュエータ32を動作させた後にプラズマアクチュエータ32の動作を停止しても、第1案内面41に沿って流れる気流の向きを湾曲面45に沿うように変更させるコアンダ効果を持続することができる。
【0037】
次に、第3実施形態に係る空気調和機1について、図10を用いて説明する。第3実施形態に係る空気調和機1と第1実施形態に係る空気調和機1の相違は、湾曲面45にプラズマアクチュエータ32が2つ配置された点であり、他の構成は第1実施形態に係る空気調和機1と同じである。以下、第1実施形態に係る空気調和機1と共通する構成については、同じ符号を示す。
【0038】
第3実施形態に係る空気調和機1は、気流を案内するための第1案内面41を備え、第1案内面41は平面状に形成されている。第1風向板24の下流側の端部50には第1案内面41に接続する湾曲面45が設けられている。湾曲面45は、第1案内面41の気流方向下流側の端部50に接続する第2湾曲面47と、第2湾曲面47に接続して第2湾曲面47に連続して形成される第1湾曲面46を有している。第2湾曲面47は第1案内面41よりも気流29側へ隆起する湾曲面である。第1湾曲面46は気流の下流側に向かって徐々に第1案内面41の延長面上から気流29の反対側の方向に離れるように湾曲状に形成されている。すなわち、湾曲面45は、気流29の下流側に向かって気流から徐々に離れるように湾曲する第1湾曲面46と、第1湾曲面よりも気流29の上流側で第1案内面41と第1湾曲面46とに接続して、第1案内面41よりも気流側に隆起して湾曲する第2湾曲面47とを備えている。そのため、第1案内面41に案内された気流29は第2湾曲面47に当たりながら第2湾曲面47に沿って流れる。
【0039】
湾曲面45を構成する第1湾曲面46と第2湾曲面47とは、第1案内面41に沿って流れる気流に対して生み出されるコアンダ効果の原理に従って設定されている。具体的には、第1湾曲面46の曲率半径と第2湾曲面47の曲率半径は同一の曲率半径rであって、第1湾曲面46と第2湾曲面47の曲率中心は同一である。従って、第1湾曲面46と第2湾曲面47とは互いの曲面が連続するように接続している。
【0040】
第1湾曲面46には、金属箔および誘電体フィルムの積層体で構成されるプラズマアクチュエータ32が貼り付けられている。また、第2湾曲面47にも、金属箔および誘電体フィルムの積層体で構成されるプラズマアクチュエータ32が貼り付けられている。すなわち、第1湾曲面46と第2湾曲面47とで構成される湾曲面45には、気流29の流れ方向に対して直列に2つのプラズマアクチュエータ32が配置されている。2つのプラズマアクチュエータ32は、それぞれ、第1案内面41よりも気流29の下流の位置である第2湾曲面47に配置される第1電極33と、第1電極33に誘電体35を介して接続されて、気流29の流れ方向に第1電極33から下流方向側にずれた位置に配置される第2電極34と、第1電極33および第2電極34に電気的に接続されて、第1電極33および第2電極34に交流電圧またはパルス状の電圧を印加する制御部37とを備えている。
【0041】
第3実施形態に係る空気調和機1では、第1湾曲面46と第2湾曲面47とで構成される湾曲面45に、気流29の流れ方向に対して直列に2つのプラズマアクチュエータ32が配置されている。従って、第2湾曲面47に配置されたプラズマアクチュエータ32で加速した流れを、気流29の下流側であって第1湾曲面46に配置されたプラズマアクチュエータ32でもう一度加速しなおすことができる。また、風速は通常は送風機9の回転数で決まるが、2つのプラズマアクチュエータ32を用いることで、プラズマアクチュエータ32が生み出す気流によって回りの空気を引き込むことができるので風量を増加させることができる。尚、本実施形態では、直列に2つのプラズマアクチュエータ32が配置されているが、直列に配置されていれば、2つ以上配置されていても構わない。
【0042】
次に、第4実施形態に係る空気調和機1については、図11(a)を用いて、第5実施形態に係る空気調和機1については、図11(b)を用いて説明する。第4実施形態に係る空気調和機1と第1実施形態に係る空気調和機1の相違は、第1風向板24の両面側に、湾曲面45を構成する第2湾曲面47および第1湾曲面46を設け、両面側の第2湾曲面47それぞれにプラズマアクチュエータ32を配置させた点であり、他の構成は第1実施形態に係る空気調和機1と同じである。以下、第1実施形態に係る空気調和機1と共通する構成については、同じ符号を示す。
【0043】
第4実施形態に係る空気調和機1では、第1風向板24の両面側に気流を案内するための第1案内面41が設けられ、両面側の第1案内面41それぞれに湾曲面45を構成する第2湾曲面47および第1湾曲面46を配置し、両側の第2湾曲面47それぞれにプラズマアクチュエータ32が配置されている。第1風向板24の両面側の第2湾曲面47それぞれにプラズマアクチュエータ32が配置されているので、それぞれのプラズマアクチュエータ32の動作電圧を制御することによって、多方向に風向を制御できる。
【0044】
第5実施形態に係る空気調和機1と第1実施形態に係る空気調和機1の相違は、第1案内面41と、湾曲面45を構成する第2湾曲面47および第1湾曲面46を備えた第1風向板24を、第1案内面41同士が対向するように、配置させた点であり、他の構成は第1実施形態に係る空気調和機1と同じである。以下、第1実施形態に係る空気調和機1と共通する構成については、同じ符号を示す。
【0045】
第5実施形態に係る空気調和機1では、気流を案内するための第1案内面41と、第1案内面41に接続する湾曲面45とを備えた第1風向板24が、互いの第1案内面41が対向するように所定間隔を置いて配置されている。それぞれの湾曲面45には第2湾曲面47および第1湾曲面46が配置され、それぞれの第2湾曲面47にはプラズマアクチュエータ32が配置されている。2つの第1風向板24の第2湾曲面47それぞれにプラズマアクチュエータ32が配置されているので、それぞれのプラズマアクチュエータ32の動作電圧を制御することによって、多方向に風向を制御できる。尚、第5実施形態に係る空気調和機1では、2つの第1風向板24の第2湾曲面47それぞれにプラズマアクチュエータ32が配置されているが、どちらか一方の第1風向板24の第2湾曲面47だけにプラズマアクチュエータ32を配置させ、他方の第1風向板24の第2湾曲面47にはプラズマアクチュエータ32を配置させず、他方の第1風向板24はコアンダ効果を発生させる第2湾曲面47および第1湾曲面46を備える構成としても構わない。こうすることによって、一方の第1風向板24のプラズマアクチュエータ32をONにし、他方の第1風向板24はコアンダ効果のみを発生させることによって、多方向に風向を制御できる。
【0046】
本実施形態に係る空気調和機の発明は、気流が通過する通風路と、通風路を通過した気流を案内する平面状の案内面と当該案内面より気流の下流側で当該案内面に接続する湾曲面とを備えた風向板と、当該湾曲面に配置され気流の向きを変更するプラズマアクチュエータと、当該プラズマアクチュエータに供給する電力を制御する制御部と、を備え、通風路を通過して案内面で案内された気流の少なくとも一部が、当該プラズマアクチュエータが配置された位置よりも気流の上流側の当該湾曲面に向かって案内されていればよい。
【0047】
本実施形態に係る空気調和機1は、室内熱交換器7、室外機11を備えて暖房運転および冷房運転が可能な空気調和機を示したが、本実施形態に係る空気調和機1は、必ずしも、室内熱交換器7、室外機11を備えている必要はなく、室内熱交換器7、室外機11が無い、いわゆる、空気清浄機も含まれる。
【0048】
また、本発明として空気調和機1による実施形態を示したが、本発明は、例えば、自然風による送風によって回転するプロペラを備えた風車などに応用することもできる。その場合、プロペラの翼にプラズマアクチュエータ32を設け、プロペラの翼に気流を案内する平面状の案内面と、当該案内面より気流の下流側で当該案内面に接続する湾曲面を設け、当該湾曲面は、気流の下流側に向かって気流から徐々に離れるように湾曲する第1湾曲面と、当該第1湾曲面よりも気流の上流側に配置され当該第1案内面と当該第1湾曲面とに接続して、当該第1案内面よりも気流側に隆起して湾曲する第2湾曲面とを備えている構造とする。
【0049】
以上、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく実施形態の改変は、当業者にとって自明のことである。
【符号の説明】
【0050】
1…空気調和機、2…冷凍回路、5…室内機、6…筐体、7…室内熱交換器、8…室内機側膨張弁、9…送風機、11…室外機、12…圧縮機、13…室外熱交換器、14…室外機側膨張弁、15…四方弁、16…室外送風機、18…天板、19…底板、20…背面板、21…正面板、22…吸込口、23…吹出口、24…第1風向板、25…案内板、26…通風路、27…軸線、28…駆動源、29…気流、30…第2風向板、32…プラズマアクチュエータ、33…第1電極、34…第2電極、35…誘電体、37…制御部、41…第1案内面、42…第2案内面、45…湾曲面、46…第1湾曲面、47…第2湾曲面、50…接続点、51…接線
図1
図2
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図6
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図11