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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154503
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】制作支援システム及び制作支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/00 20120101AFI20221005BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021057573
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】521085489
【氏名又は名称】小宮 自由
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】230115200
【弁護士】
【氏名又は名称】幸谷 泰造
(72)【発明者】
【氏名】小宮 自由
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】制作者がコンテンツを完成させる動機を高めることを可能とする制作支援システム及び制作支援方法を提供する。
【解決手段】制作支援システムにおいて、管理サーバは、コンテンツが完成する前段階において、未完成のコンテンツに対して価値を提供する支援メッセージを、ネットワークを介してユーザ端末から受信する受信部と、価値に関する表示制御を実行する制御部と、を備える。未完成のコンテンツは、第1段階のコンテンツと、第1段階よりも完成に近づいた第2段階のコンテンツと、を含む。管理サーバはさらに、第1段階のコンテンツが第2段階のコンテンツに更新された場合に、第1段階のコンテンツに対して価値を提供する支援メッセージを送信したユーザ端末に対して、未完成のコンテンツの更新を通知する通知メッセージを送信する送信部を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツが完成する前段階において、未完成のコンテンツに対して価値を提供する支援メッセージを、ネットワークを介してユーザ端末から受信する受信部と、
前記価値に関する表示制御を実行する制御部と、を備える、制作支援システム。
【請求項2】
前記未完成のコンテンツは、第1段階のコンテンツと、前記第1段階よりも完成に近づいた第2段階のコンテンツと、を含み、
前記第1段階のコンテンツが前記第2段階のコンテンツに更新された場合に、前記第1段階のコンテンツに対して価値を提供する前記支援メッセージを送信した前記ユーザ端末に対して、前記未完成のコンテンツの更新を通知する通知メッセージを送信する送信部を備える、請求項1に記載の制作支援システム。
【請求項3】
前記未完成のコンテンツは、第1段階のコンテンツと、前記第1段階よりも完成に近づいた第2段階のコンテンツと、を含み、
前記第1段階のコンテンツに対して提供された価値は、前記第2段階のコンテンツに対して提供された価値に加算される、請求項1又は請求項2に記載の制作支援システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1段階のコンテンツに対して提供された価値に第1重付値を適用することによって、前記第1段階のコンテンツに対して提供された価値を補正し、
前記第2段階のコンテンツに対して提供された価値に第2重付値を適用することによって、前記第2段階のコンテンツに対して提供された価値を補正し、
前記第1重付値は、前記第2重付値よりも大きい、請求項3に記載の制作支援システム。
【請求項5】
前記受信部は、前記未完成のコンテンツが2以上の部分を含む場合に、前記2以上の部分の中から選択された部分に対して価値を提供するメッセージを受信する、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の制作支援システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記価値を提供するユーザを特定する特定情報を、前記価値が大きい順に表示する表示制御を実行する、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の制作支援システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記価値を提供するユーザを特定する特定情報を、前記価値の提供が新しい順に表示制御を実行する、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の制作支援システム。
【請求項8】
コンテンツが完成する前段階において、未完成のコンテンツに対して価値を提供する支援メッセージを、ネットワークを介してユーザ端末から受信するステップと、
前記価値に関する表示制御を実行するステップと、を備える、制作支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制作支援システム及び制作支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、静止画又は動画などのコンテンツを対象として、コンテンツの閲覧者などのユーザが金銭などの価値(以下、投げ銭)を提供する仕組み(以下、投げ銭方式)が知られている。基本的には、投げ銭方式では、ユーザが提供する価値に対して、何かしらの対価(例えば、コンテンツ)を要求するものではない。
【0003】
さらに、投げ銭は、コンテンツに対する評価の意味合いがあるため、投げ銭方式を活性化するために、投げ銭に対する特典を付与する仕組みが提案されている。特典としては、「コンテンツの制作者のHP(Home Page)への氏名の表示」、「講演会への招待」などが例示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-022339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した投げ銭方式では、完成済のコンテンツに対して投げ銭が提供されるため、完成済のコンテンツを公表しなければ投げ銭方式を利用することができない。
【0006】
しかしながら、コンテンツの制作には多大な労力が必要とされるため、コンテンツが完成するまで評価が得られず、コンテンツを完成させても評価されるか分からないため、制作者がコンテンツを完成させる動機が十分に高まらない可能性がある。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、制作者がコンテンツを完成させる動機を高めることを可能とする制作支援システム及び制作支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の特徴は、制作支援システムであって、コンテンツが完成する前段階において、未完成のコンテンツに対して価値を提供する支援メッセージを、ネットワークを介してユーザ端末から受信する受信部と、前記価値に関する表示制御を実行する制御部と、を備える、ことを要旨とする。
【0009】
第2の特徴は、第1の特徴において、前記未完成のコンテンツは、第1段階のコンテンツと、前記第1段階よりも完成に近づいた第2段階のコンテンツと、を含み、前記第1段階のコンテンツが前記第2段階のコンテンツに更新された場合に、前記第1段階のコンテンツに対して価値を提供する前記支援メッセージを送信した前記ユーザ端末に対して、前記未完成のコンテンツの更新を通知する通知メッセージを送信する送信部を備える、ことを要旨とする。
【0010】
第3の特徴は、第1の特徴又は第2の特徴において、前記未完成のコンテンツは、第1段階のコンテンツと、前記第1段階よりも完成に近づいた第2段階のコンテンツと、を含み、前記第1段階のコンテンツに対して提供された価値は、前記第2段階のコンテンツに対して提供された価値に加算される、ことを要旨とする。
【0011】
第4の特徴は、第3の特徴において、前記制御部は、前記第1段階のコンテンツに対して提供された価値に第1重付値を適用することによって、前記第1段階のコンテンツに対して提供された価値を補正し、前記第2段階のコンテンツに対して提供された価値に第2重付値を適用することによって、前記第2段階のコンテンツに対して提供された価値を補正し、前記第1重付値は、前記第2重付値よりも大きい、ことを要旨とする。
【0012】
第5の特徴は、第1の特徴乃至第4の特徴のいずれか1つにおいて、前記受信部は、前記未完成のコンテンツが2以上の部分を含む場合に、前記2以上の部分の中から選択された部分に対して価値を提供するメッセージを受信する、ことを要旨とする。
【0013】
第6の特徴は、第1の特徴乃至第5の特徴のいずれか1つにおいて、前記制御部は、前記価値を提供するユーザを特定する特定情報を、前記価値が大きい順に表示する表示制御を実行する、ことを要旨とする。
【0014】
第7の特徴は、第1の特徴乃至第5の特徴のいずれか1つにおいて、前記制御部は、前記価値を提供するユーザを特定する特定情報を、前記価値の提供が新しい順に表示制御を実行する、ことを要旨とする。
【0015】
第8の特徴は、制作支援方法であって、コンテンツが完成する前段階において、未完成のコンテンツに対して価値を提供する支援メッセージを、ネットワークを介してユーザ端末から受信するステップと、前記ネットワークを介して、前記未完成のコンテンツに対して価値を提供する支援メッセージを前記ユーザ端末から受信するステップと、前記価値に関する表示制御を実行するステップと、を備える、ことを要旨とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、制作者がコンテンツを完成させる動機を高めることを可能とする制作支援システム及び制作支援方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、実施形態に係る制作支援システム100を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る管理サーバ30を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るコンテンツを説明するための図である。
図4図4は、実施形態に係るコンテンツを説明するための図である。
図5図5は、実施形態に係る表示制御を説明するための図である。
図6図6は、実施形態に係る制作支援方法を示す図である。
図7図7は、変更例1に係る表示制御を説明するための図である。
図8図8は、変更例2に係るコンテンツを説明するための図である。
図9図9は、変更例2に係る表示制御を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下において、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものである。
【0019】
[実施形態]
(制作支援システム)
以下において、実施形態に係る制作支援システムについて説明する。図1は、実施形態に係る制作支援システム100を示す図である。
【0020】
図1に示すように、制作支援システム100は、ユーザ端末10と、ユーザ端末20と、管理サーバ30と、を有する。ユーザ端末10、ユーザ端末20及び管理サーバ30は、ネットワーク110によって接続される。特に限定されるものではないが、ネットワーク110は、インターネットを含んでもよく、移動体通信網を含んでもよい。
【0021】
ユーザ端末10は、コンテンツの制作者によって用いられる端末である。特に限定されるものではないが、ユーザ端末10は、スマートフォンであってもよく、パーソナルコンピュータであってもよい。ユーザ端末10は、制作者を示す用語として用いられてもよい。
【0022】
ユーザ端末20は、コンテンツの閲覧者によって用いられる端末である。特に限定されるものではないが、ユーザ端末20は、スマートフォンであってもよく、パーソナルコンピュータであってもよい。ユーザ端末10は、閲覧者を示す用語として用いられてもよい。図1では、ユーザ端末20として、閲覧者AAAによって用いられるユーザ端末20A、閲覧者BBBによって用いられるユーザ端末20B、閲覧者CCCによって用いられるユーザ端末20Cが例示されている。
【0023】
ここで、ユーザ端末20は、コンテンツに対して価値を提供する支援者によって用いられてもよい。従って、閲覧者は、支援者と読み替えられてもよい。支援者は、未完成のコンテンツに対して価値を提供してもよく、完成済のコンテンツに対して価値を提供してもよい。
【0024】
以下において、価値の提供は、「投げ銭」と称されてもよい。価値を提供する仕組みは、「投げ銭方式」と称されてもよい。投げ銭方式では、投げ銭に対する対価(例えば、コンテンツ)が要求されず、投げ銭は寄付と類似する概念であると考えてもよい。
【0025】
価値は、法定通貨又は仮想通貨であってもよい。価値は、制作支援システム100で使用可能なポイントであってもよい。ポイントは、法定通貨又は仮想通貨と交換可能であってもよい。ポイントは、商品の購入に使用可能なポイントであってもよい。
【0026】
管理サーバ30は、コンテンツを管理する管理者に属するサーバである。管理サーバ30は、管理者を示す用語として用いられてもよい。管理サーバ30は、コンテンツに対して提供された価値を管理してもよい。
【0027】
(管理サーバ)
以下において、実施形態に係る管理サーバについて説明する。図2は、実施形態に係る管理サーバ30を示す図である。図2に示すように、管理サーバ30は、通信部31と、管理部32と、制御部33と、を有する。
【0028】
通信部31は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n、LTE、5G、6Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0029】
実施形態では、通信部31は、コンテンツが完成する前段階において、コンテンツが完成する前段階において、未完成のコンテンツに対して価値を提供する支援メッセージを、ネットワーク110を介してユーザ端末120から受信する受信部を構成する。通信部31は、完成済のコンテンツに対して価値を提供する支援メッセージを、ネットワーク110を介してユーザ端末120から受信してもよい。
【0030】
通信部31は、未完成のコンテンツを閲覧者が閲覧可能な態様で、コンテンツを表現するデジタルデータをユーザ端末20に提供してもよい。例えば、通信部31は、管理サーバ30によって運営されるサイト(以下、運営サイト(Home Pageなど))上にデジタルデータを公開し、公開されたデジタルデータにアクセスするユーザ端末20に対して、デジタルデータを送信してもよい。デジタルデータは、ユーザ端末20によるダウンロードが許可された態様で提供されてもよく、ユーザ端末20によるダウンロードが許可されない態様で提供されてもよい。
【0031】
ここで、未完成のコンテンツは、第1段階のコンテンツと、第1段階よりも完成に近づいた第2段階のコンテンツと、を含むケースについて考える。このようなケースにおいて、通信部31は、第1段階のコンテンツが第2段階のコンテンツに更新された場合に、第1段階のコンテンツに対して価値を提供する支援メッセージを送信したユーザ端末20に対して、未完成のコンテンツの更新を通知する通知メッセージを送信する送信部を構成してもよい。
【0032】
管理部32は、記憶媒体によって構成される。記憶媒体は、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)、不揮発性メモリ、磁気メモリなどを含んでもよい。
【0033】
例えば、管理部32は、制作者と対応付けた態様でコンテンツを管理する。管理部32は、閲覧者が閲覧可能な態様でコンテンツを管理する。管理部32は、コンテンツをURI(Uniform Resource Identifier)と対応付けて管理してもよい。コンテンツとURIとは、1対1の関係で対応付けられてもよい。
【0034】
管理部32は、コンテンツと対応付けた態様で価値を管理する。管理サーバ30は、支援者と対応付けた態様で価値を管理してもよい。管理部32は、価値が提供されたタイミング(後述する段階)と対応付けた態様で価値を管理してもよい。
【0035】
制御部33は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路によって構成されてもよく、通信可能に接続された複数の回路(集積回路及び又はディスクリート回路など)によって構成されてもよい。
【0036】
実施形態では、制御部33は、価値に関する表示制御を実行する制御部を構成する。制御部33は、価値を提供するユーザ(支援者)を特定する特定情報を、価値が大きい順に表示する表示制御を実行してもよい。制御部33は、価値を提供するユーザ(支援者)を特定する特定情報を、価値の提供が新しい順に表示する表示制御を実行してもよい。
【0037】
(利用シーン)
以下において、実施形態に係る利用シーンについて説明する。以下においては、コンテンツがイラストであるケースについて例示する。イラストが完成に至る過程(段階)としては、線画の段階と、塗りの段階と、を含んでもよい。線画の段階とは、線のみでイラストを描画する段階であり、塗りの段階は、線画に色を塗る段階である。
【0038】
例えば、図3に示すように、線画の段階は、2以上の段階を含んでもよい。例えば、A-1段階は、親子連れが線画として描画された段階であり、A-2段階は、A-1段階に対して車両が線画として描画された段階(追加)であり、A-3段階は、A-2段階に対して女性が線画として描画された段階(追加)であってもよい。A-1段階~A-3段階のイラストは、未完成のコンテンツの一例である。
【0039】
さらに、図4に示すように、塗りの段階は、2以上の段階を含んでもよい。例えば、B-1段階は、親子連れに色が塗られた段階(更新)であり、B-2段階は、B-1段階に対して車両に色が塗られた段階(更新)であり、B-3段階は、B-2段階に対して女性に色が塗られた段階(更新)であってもよい。B-1段階~B-2段階のイラストは、未完成のコンテンツの一例である。なお、B-3段階のイラストは、完成済のコンテンツの一例であると考えてもよい。
【0040】
図3及び図4では、未完成のコンテンツの段階として5段階(A-1段階~A-3段階、B-1段階~B-2段階)を例示したが、実施形態はこれに限定されるものではない。未完成のコンテンツの段階は、少なくとも1つの段階を含んでいればよい。
このような背景下において、制作支援システム100は、以下に示す仕組みを提供する。
【0041】
第1に、制作支援システム100は、未完成のコンテンツに対して価値を提供する仕組みを提供する。具体的には、管理サーバ30は、A-1段階のイラストに対して価値を提供する支援メッセージを受信してもよく、A-2段階のイラストに対して価値を提供する支援メッセージを受信してもよく、A-3段階のイラストに対して価値を提供する支援メッセージを受信してもよい。同様に、管理サーバ30は、B-1段階のイラストに対して価値を提供する支援メッセージを受信してもよく、B-2段階のイラストに対して価値を提供する支援メッセージを受信してもよい。なお、管理サーバ30は、B-3段階のイラスト(完成済のコンテンツ)に対して価値を提供する支援メッセージを受信してもよい。
【0042】
第2に、制作支援システム100は、ユーザ端末20によって提供された価値に関する表示を制御する仕組みを提供する。具体的には、図5に示すように、管理サーバ30は、A-1段階のイラストに対して価値が提供された場合に、支援者を特定する特定情報(図5では、ユーザ)を表示する表示制御を実行する。管理サーバ30は、特定情報を価値と対応付けた態様で表示する表示制御を実行してもよい。管理サーバ30は、価値が大きい順に特定情報を表示する表示制御を実行してもよく、価値の提供が新しい順に特定情報を表示する表示制御を実行してもよい。
【0043】
ここで、表示制御は、ユーザ端末10又はユーザ端末20に特定情報を表示するための制御を含んでもよい。すなわち、表示制御は、特定情報及び価値を表示するための表示データを生成するとともに、生成された表示データを送信する制御を含んでもよい。表示制御によって表示される内容は、支援者の人数や価値の大きさによって、未完成のコンテンツに対する評価を制作者が確認するために用いられてもよい。表示制御によって表示される内容は、自身のランキングによって、支援者の寄与度を支援者が確認するために用いられてもよい。
【0044】
第3に、制作支援システム100は、未完成のコンテンツが更新された場合に、未完成のコンテンツが更新された旨を通知する仕組みを提供してもよい。具体的には、管理サーバ30は、A-1段階のイラストがA-2段階のイラストに更新された場合に、A-1段階のイラストに対して価値を提供する支援メッセージを送信したユーザ端末20に対して、未完成のコンテンツの更新を通知する通知メッセージを送信してもよい。
【0045】
(制作支援方法)
以下において、実施形態に係る制作支援方法について説明する。
【0046】
図6に示すように、ステップS10において、ユーザ端末10(制作者)は、未完成のコンテンツ(第1段階のコンテンツ)を管理サーバ30に投稿する。
【0047】
ステップS11において、管理サーバ30は、未完成のコンテンツ(第1段階のコンテンツ)を表現するデジタルデータを運営サイト上に公開する。管理サーバ30は、デジタルデータにアクセスするユーザ端末20に対してデジタルデータを送信する。
【0048】
ステップS12において、管理サーバ30は、未完成のコンテンツ(第1段階のコンテンツ)に対して価値を提供する支援メッセージ(投げ銭)を受信する。ここでは、ユーザ端末20A及びユーザ端末20B(支援者)から支援メッセージを受信するケースが例示されている。
【0049】
ステップS13において、管理サーバ30は、未完成のコンテンツ(第1段階のコンテンツ)に対して提供された価値を管理する。管理サーバ30は、未完成のコンテンツと対応付けて価値を管理する。管理サーバ30は、支援者と対応付けて価値を管理してもよい。
【0050】
ステップS14において、管理サーバ30は、ユーザ端末20によって提供された価値に関する表示制御を実行する。表示制御は、ユーザ端末10の要求に応じて実行されてもよく、所定トリガーに応じて実行されてもよい。所定トリガーは、未完成のコンテンツ(第1段階のコンテンツ)に対して提供された価値の合計が閾値を超えたるトリガーであってもよく、1つの支援メッセージ(1回の投げ銭)によって提供された価値が閾値よりも大きいトリガーであってもよい。
【0051】
ステップS15において、管理サーバ30は、ユーザ端末20によって提供された価値に関する表示制御を実行する。表示制御は、ユーザ端末20の要求に応じて実行されてもよく、所定トリガーに応じて実行されてもよい。所定トリガーは、周期的なタイミングが到来するトリガーであってもよく、支援メッセージを受信するトリガーであってもよい。
【0052】
ステップS21において、ユーザ端末10(制作者)は、ステップS10で投稿した未完成のコンテンツを更新し、更新された未完成のコンテンツ(第2段階のコンテンツ)を管理サーバ30に投稿する。
【0053】
ステップS21において、管理サーバ30は、未完成のコンテンツ(第2段階のコンテンツ)を表現するデジタルデータを運営サイト上に公開する。管理サーバ30は、デジタルデータにアクセスするユーザ端末20に対してデジタルデータを送信する。
【0054】
ステップS22において、管理サーバ30は、未完成のコンテンツの更新を通知する通知メッセージを送信する。ここで、管理サーバ30は、第1段階のコンテンツに対して価値を提供したユーザ端末20に対して通知メッセージを送信する。ここでは、ユーザ端末20A及びユーザ端末20Bに通知メッセージを送信するケースが例示されている。
【0055】
ステップS23において、管理サーバ30は、未完成のコンテンツ(第2段階のコンテンツ)に対して価値を提供する支援メッセージ(投げ銭)を受信する。ここでは、ユーザ端末20A~ユーザ端末20C(支援者)から支援メッセージを受信するケースが例示されている。言い換えると、ユーザ端末20Cは、第1段階のコンテンツに対して価値を提供していないが、第2段階のコンテンツに対して価値を提供する。
【0056】
ステップS24において、管理サーバ30は、未完成のコンテンツ(第2段階のコンテンツ)に対して提供された価値を管理する。管理サーバ30は、未完成のコンテンツと対応付けて価値を管理する。管理サーバ30は、支援者と対応付けて価値を管理してもよい。
【0057】
ステップS25において、管理サーバ30は、ユーザ端末20によって提供された価値に関する表示制御を実行する。表示制御は、ユーザ端末10の要求に応じて実行されてもよく、所定トリガーに応じて実行されてもよい。所定トリガーは、未完成のコンテンツ(第1段階のコンテンツ)に対して提供された価値の合計が閾値を超えたるトリガーであってもよく、1つの支援メッセージ(1回の投げ銭)によって提供された価値が閾値よりも大きいトリガーであってもよい。
【0058】
ステップS26において、管理サーバ30は、ユーザ端末20によって提供された価値に関する表示制御を実行する。表示制御は、ユーザ端末20の要求に応じて実行されてもよく、所定トリガーに応じて実行されてもよい。所定トリガーは、周期的なタイミングが到来するトリガーであってもよく、支援メッセージを受信するトリガーであってもよい。
【0059】
図6では、未完成のコンテンツが2段階の段階を含むケースについて説明したが、図6はこれに限定されるものではない。未完成のコンテンツは、1段階の段階を含んでもよく、3段階以上の段階を含んでもよい。
【0060】
(作用及び効果)
実施形態では、制作支援システム100は、コンテンツが完成する前段階において、未完成のコンテンツに対して提供される価値に関する表示制御を実行する。このような構成によれば、制作者は、未完成のコンテンツに対して提供される価値を把握することによって、未完成のコンテンツに対する評価を得ることができ、制作者がコンテンツを完成させる動機を高めることができる。一方で、支援者は、未完成のコンテンツに対して提供される価値を把握することによって、コンテンツが完成する前段階から支援する自負心を持つことができる。
【0061】
実施形態では、制作支援システム100は、未完成のコンテンツに対して価値を提供していたユーザ端末20に対して、未完成のコンテンツの更新を通知する通知メッセージを送信する。このような構成によれば、支援者は、支援者が支援した未完成のコンテンツの進捗を容易に把握することができる。
【0062】
[変更例1]
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0063】
変更例1では、未完成のコンテンツは、第1段階のコンテンツと、第1段階よりも完成に近づいた第2段階のコンテンツと、を含むケースについて考える。このようなケースにおいて、第1段階のコンテンツに対して提供された価値は、第2段階のコンテンツに対して提供された価値に加算される。言い換えると、第1段階のコンテンツに対して提供された価値は、第2段階のコンテンツに対して提供された価値に引き継がれる。
【0064】
例えば、図7に示すように、A-1段階のイラストに対して、支援者AAA及び支援者BBBが価値を提供し、A-2段階のイラストに対して、支援者AAA、支援者BBB及び支援者CCCが価値を提供したケースについて考える。
【0065】
このようなケースにおいて、管理サーバ30は、A-1段階のイラストに対して提供された価値“XXppp”を引き継いだ態様で、A-2段階のイラストと対応付けられる支援者AAAの価値“XXqqq”を管理する。同様に、管理サーバ30は、A-1段階のイラストに対して提供された価値“YYppp”を引き継いだ態様で、A-2段階のイラストと対応付けられる支援者BBBの価値“YYqqq”を管理する。一方で、管理サーバ30は、A-1段階で提供された価値が存在しないため、A-2段階のイラストと対応付けられる支援者CCCの価値“ZZqqq”を新たに管理する。
【0066】
このような前提下において、管理サーバ30は、第1段階のコンテンツに対して提供された価値に第1重付値を適用することによって、第1段階のコンテンツに対して提供された価値を補正し、第2段階のコンテンツに対して提供された価値に第2重付値を適用することによって、第2段階のコンテンツに対して提供された価値を補正してもよい。このようなケースにおいて、第1重付値は、第2重付値よりも大きい。第1重付値及び第2重付値は係数であると考えてもよい。
【0067】
すなわち、未完成のコンテンツについて、相対的に早い段階で提供された価値及び相対的に遅い段階で提供された価値が同等である場合に、相対的に早い段階で提供された価値は、相対的に遅い段階で提供された価値よりも高い価値を有するものとして扱われてもよい。
【0068】
(作用及び効果)
変更例1では、第1段階のコンテンツに対して提供された価値は、第2段階のコンテンツに対して提供された価値に加算される。このような構成によれば、支援者は、未完成のコンテンツに対する支援の程度を容易に把握することができる。
【0069】
変更例1では、制作支援システム100は、相対的に早い段階で提供された価値を大きな重付値で補正する。このような構成によれば、支援者が未完成のコンテンツを早い段階で支援する動機を高めることができる。従って、制作者は、コンテンツの制作を継続すべきか否かを早い段階で判断しやすい。
【0070】
[変更例2]
以下において、実施形態の変更例2について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0071】
変更例2では、未完成のコンテンツが2以上の部分を含む場合に、2以上の部分の中から選択された部分に対して価値を提供可能な仕組みについて説明する。具体的には、管理サーバ30は、2以上の部分の中から価値を提供する部分を選択可能な態様で、未完成のコンテンツを表現するデジタルデータを提供する。管理サーバ30は、2以上の部分の中から選択された部分に対して価値を提供するメッセージを受信する。
【0072】
価値を提供する部分として選択可能な部分は、ユーザ端末10(制作者)によって任意に設定可能であってもよい。価値を提供する部分として選択可能な部分は、ユーザ端末20(支援者)によって任意に設定可能であってもよい。価値を提供する部分として選択可能な部分は、各段階を通じて追加又は更新された部分であってもよい。
【0073】
例えば、図8に示すように、部分200A、部分200B及び部分200CをA-3段階のイラストが含むケースについて例示する。このようなケースにおいて、ユーザ端末20は、部分200A、部分200B及び部分200Cの中から任意の部分を選択し、選択された部分に対して価値を提供する支援メッセージを送信してもよい。
【0074】
管理サーバ30は、部分200A、部分200B及び部分200Cの中から選択された部分に対して価値を提供する支援メッセージを受信する。管理サーバ30は、価値が提供された部分と対応付けた態様で価値を管理する。実施形態と同様に、管理サーバ30は、コンテンツと対応付けた態様で価値を管理してもよく、支援者と対応付けた態様で価値を管理してもよく、価値が提供されたタイミング(上述した段階)と対応付けた態様で価値を管理してもよい。
【0075】
このような背景下において、図9に示すように、管理サーバ30は、上述した表示制御において、価値に関する表示制御を部分毎に実行してもよい。図9では、部分200Cに対して提供された価値に関する表示制御が例示されている。このような表示制御においても、管理サーバ30は、部分に対して提供された価値が大きい順に特定情報を表示する表示制御を実行してもよく、部分に対する価値の提供が新しい順に特定情報を表示する表示制御を実行してもよい。
【0076】
(作用及び効果)
変更例2では、制作支援システム100は、2以上の部分の中から選択された部分に対して価値を提供可能な仕組みを提供する。このような構成によれば、制作者は、コンテンツの制作過程において、どの部分に注力すべきか容易に把握することができる。
【0077】
[変更例3]
以下において、実施形態の変更例3について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0078】
実施形態では、コンテンツとしてイラストを例示した。これに対して、変更例3では、コンテンツのバリエーションについて説明する。
【0079】
例えば、コンテンツは、漫画であってもよい。このようなケースにおいて、未完成の漫画は、1つの段階として漫画の1コマを含んでもよく、1つの段階として漫画の1ページを含んでもよい。漫画が2以上のチャプターによって構成されるケースにおいては、1つの段階は、少なくとも1つのチャプターよりも小さい単位によって構成されてもよい。変更例2で説明した部分は、漫画に登場するキャラクター又はアイテムであってもよい。
【0080】
例えば、コンテンツは、動画コンテンツであってもよい。このようなケースにおいて、未完成の動画コンテンツは、1つの段階としてストーリーを持たない単位を含んでもよい。
【0081】
例えば、コンテンツは、音楽コンテンツであってもよい。未完成の音楽コンテンツは、1つの段階として、メロディーの区切り(Aメロ、Bメロ、verse、bridge、1番、2番など)を含んでもよい。
【0082】
例えば、コンテンツは、デジタルで表現されるコンテンツ(デジタルコンテンツ)以外のリアルなコンテンツ(実際の物品)であってもよい。リアルなコンテンツは、盆栽、アクアリウムなどのアート作品であってもよい。このようなケースにおいて、未完成のリアルなコンテンツは、リアルなコンテンツを撮像した写真又は動画などのデジタルデータによって公開されてもよい。未完成のリアルなコンテンツは、リアルなコンテンツに関するVR(Virtual Reality)動画などのデジタルデータによって提供されてもよい。
【0083】
[変更例4]
以下において、実施形態の変更例4について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0084】
変更例4では、上述した制作支援システム100に関する利用形態のバリエーションについて説明する。
【0085】
例えば、管理サーバ30は、上述したように、未完成のコンテンツをURI毎に管理しており、ユーザ端末20(支援者)は、未完成のコンテンツに対する価値をURI毎に提供してもよい。このようなケースにおいて、ユーザ端末10(制作者)は、URIを所有していることを証明できれば、URIに対して提供された価値を安全に受け取ることができる。
【0086】
例えば、ユーザ端末20は、価値が提供されたタイミング(上述した段階)の未完成コンテンツを保存する機能を有していてもよい。ユーザ端末20によって保存された未完成コンテンツは、ブロックチェーン上に保存されてもよく、ネットワーク110上に設けられるサーバに保存されてもよい。保存された未完成のコンテンツは、どの段階で未完成のコンテンツを支援したかを証明する手段として用いられてもよい。未完成のコンテンツは、その段階で提供した価値と対応付けられた態様で保存されてもよい。
【0087】
例えば、管理サーバ30は、コンテンツが完成した段階においって、コンテンツの支援に関する認定書をユーザ端末20に対して発行してもよい。認定書は、コンテンツの名称、制作者の名称、支援者の名称、価値の提供回数(投げ銭の回数)、提供価値の大きさ、価値の提供タイミング(上述した段階)などの情報を含んでもよい。価値の提供回数及び提供価値の大きさは、段階毎に集計された態様で含まれてもよい。認定書は、ブロックチェーン上に保存されてもよく、ネットワーク110上に設けられるサーバに保存されてもよい。認定書は、未完成のコンテンツを支援したことを証明する手段として用いられてもよい。
【0088】
例えば、制作支援システム100は、支援メッセージを送信する特定ユーザ端末20(特定支援者)に対して、価値を還元する仕組みを提供してもよい。特定支援者は、未完成のコンテンツが属する分野において一定の権威を有する支援者であってもよい。特定支援者は、予め管理サーバ30に登録された支援者であってもよい。特定支援者に還元される価値の大きさは、特定支援者から提供された価値の大きさによって定められてもよく、特定支援者が有する権利のレベルによって定められてもよい。
【0089】
[その他の実施形態]
本発明は上述した開示によって説明したが、上述した開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0090】
上述した開示では、第1段階のコンテンツに対して提供された価値は、第2段階のコンテンツに対して提供された価値に加算される。しかしながら、上述した開示は、これに限定されるものではない。第1段階のコンテンツに対して提供された価値は、第2段階のコンテンツに対して提供された価値に加算されなくてもよい。すなわち、未完成のコンテンツに対して提供された価値は段階毎にリセットされてもよい。
【0091】
上述した開示では、未完成のコンテンツに関するデジタルデータを管理サーバ30が公開するケースについて例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。未完成のコンテンツに関するデジタルデータは、SNS(Social Networking Service)などのように、管理サーバ30以外の手段によって公開されてもよい。但し、管理サーバ30以外の手段で公開された未完成のコンテンツに対する支援メッセージは、管理サーバ30に送信されるように構成されてもよい。例えば、管理サーバ30以外の手段は、管理サーバ30を特定するための情報を埋め込んだ態様で、未完成のコンテンツに関するデジタルデータを公開してもよい。
【0092】
上述した開示では特に触れていないが、支援メッセージは、未完成のコンテンツに対するコメントを含んでもよい。特に限定されるものではないが、コメントは、未完成のコンテンツに対する感想(応援するなど)を含んでもよく、未完成のコンテンツに対する評価(良い、悪い、改善点など)を含んでもよい。
【0093】
上述した開示では特に触れていないが、管理サーバ30が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0094】
或いは、管理サーバ30が行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップが提供されてもよい。
【符号の説明】
【0095】
10…ユーザ端末、20…ユーザ端末、30…管理サーバ、31…通信部、32…管理部、33…制御部、100…制作支援システム、110…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9