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特開2022-154505情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154505
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20120101AFI20221005BHJP
   G06Q 50/26 20120101ALI20221005BHJP
【FI】
G06Q40/02
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021057576
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】507417422
【氏名又は名称】株式会社 ゆうちょ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲岡 弓葉
(72)【発明者】
【氏名】越智 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】松澤 卓也
(72)【発明者】
【氏名】國府寺 孝康
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049CC35
5L055BB04
(57)【要約】
【課題】官公庁からの口座照会事務において、照会元となる官公庁夫々に応じた情報で口座を特定する。
【解決手段】本情報処理装置は、官公庁からの照会対象者の口座に関する照会を要求する口座照会要求を外部システムから取得する取得手段と、上記口座照会要求の照会元となる官公庁を特定する照会元特定手段と、特定された照会元が第1官公庁である第1口座照会要求に対しては、上記第1口座照会要求に含まれる照会対象者の氏名情報に基づいて、照会された口座を特定する第1口座特定手段と、特定された照会元が第2官公庁である第2口座照会要求に対しては、上記第2口座照会要求に含まれる照会対象者の氏名情報及び居所情報に基づいて、照会された口座を特定する第2口座特定手段と、上記第1口座特定手段及び上記第2口座特定手段の少なくとも一方で特定した口座に係る情報を出力する出力手段と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
官公庁からの照会対象者の口座に関する照会を要求する口座照会要求を外部システムから取得する取得手段と、
前記口座照会要求の照会元となる官公庁を特定する照会元特定手段と、
特定された照会元が第1官公庁である第1口座照会要求に対しては、前記第1口座照会要求に含まれる照会対象者の氏名情報に基づいて、照会された口座を特定する第1口座特定手段と、
特定された照会元が第2官公庁である第2口座照会要求に対しては、前記第2口座照会要求に含まれる照会対象者の氏名情報及び居所情報に基づいて、照会された口座を特定する第2口座特定手段と、
前記第1口座特定手段及び前記第2口座特定手段の少なくとも一方で特定した口座に係る情報を出力する出力手段と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第1口座特定手段は、前記第1口座照会要求に含まれる照会対象者の生年月日及び居所情報の少なくとも一方と氏名情報とに基づいて、照会された口座を特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2口座特定手段は、前記第2口座照会要求に含まれる照会対象者の氏名情報、前記居所情報及び生年月日に基づいて、照会された口座を特定する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得手段は、
前記外部システムから取得した前記口座照会要求に複数の前記照会が含まれるか否かを判定し、
前記口座照会要求に複数の前記照会が含まれる場合には、前記複数の照会の夫々に前記口座照会要求を分割する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2口座特定手段は、前記第2口座照会要求に前記居所情報が含まれない場合、照会された口座の特定を中止する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
照会元の官公庁と口座照会要求の根拠法令との対応関係を記憶する記憶手段と、
前記口座照会要求について、前記対応関係において特定された前記官公庁に対応付けられた根拠法令を特定する法令特定手段と、をさらに備える、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1口座特定手段及び前記第2口座特定手段の夫々は、前記法令特定手段によって根拠法令が特定できない口座照会要求については、照会された口座の特定を中止する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
官公庁からの照会対象者の口座に関する照会を要求する口座照会要求を外部システムから取得する取得処理と、
前記口座照会要求の照会元となる官公庁を特定する照会元特定処理と、
特定された照会元が第1官公庁である第1口座照会要求に対しては、前記第1口座照会要求に含まれる照会対象者の氏名情報に基づいて、照会された口座を特定する第1口座特定処理と、
特定された照会元が第2官公庁である第2口座照会要求に対しては、前記第2口座照会
要求に含まれる照会対象者の氏名情報及び居所情報に基づいて、照会された口座を特定する第2口座特定処理と、
前記第1口座特定処理及び前記第2口座特定処理の少なくとも一方で特定した口座に係る情報を出力する出力処理と、をコンピュータが実行する、
情報処理方法。
【請求項9】
官公庁からの照会対象者の口座に関する照会を要求する口座照会要求を外部システムから取得する取得処理と、
前記口座照会要求の照会元となる官公庁を特定する照会元特定処理と、
特定された照会元が第1官公庁である第1口座照会要求に対しては、前記第1口座照会要求に含まれる照会対象者の氏名情報に基づいて、照会された口座を特定する第1口座特定処理と、
特定された照会元が第2官公庁である第2口座照会要求に対しては、前記第2口座照会要求に含まれる照会対象者の氏名情報及び居所情報に基づいて、照会された口座を特定する第2口座特定処理と、
前記第1口座特定処理及び前記第2口座特定処理の少なくとも一方で特定した口座に係る情報を出力する出力処理と、をコンピュータに実行させる、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オンラインで受け付けた問い合わせ等を自動で処理するシステムが提案されている。
【0003】
例えば、コーパスを前提として、受け付けた質問に対する応答を自動的に予測するシステムが提案されている(特許文献1参照)。例えば、機器から受信したデータの分析結果に応じて自動応答するか手動応答にするかを判断する顧客サポートサービスが提案されている(特許文献2参照)。例えば、問い合わせに入力された商品名及び問い合わせ種別に応じて当該問い合わせを担当者に振り分ける顧客問い合わせシステムが提案されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-164788号公報
【特許文献2】特開2020-154559号公報
【特許文献3】特開2000-215121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
金融機関における官公庁からの口座照会事務では、受け付けた口座照会に応じて、口座の有無や口座残高等の回答等が行われる。このような口座照会事務では、照会元の官公庁によっては、照会対象となる口座の特定に用いる情報が異なることがある。また、照会に係る書類の書式が各官公庁において統一されていない上に照会元となる官公庁が多岐にわたっていることから、受け付けた口座照会を照会元となる官公庁毎に分類し、分類した夫々の官公庁に応じた情報で口座を特定する作業負担は大であった。
【0006】
開示の技術の1つの側面は、官公庁からの口座照会事務において、照会元となる官公庁夫々に応じた情報で口座を特定することができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示の技術の1つの側面は、次のような情報処理装置によって例示される。本情報処理装置は、官公庁からの照会対象者の口座に関する照会を要求する口座照会要求を外部システムから取得する取得手段と、上記口座照会要求の照会元となる官公庁を特定する照会元特定手段と、特定された照会元が第1官公庁である第1口座照会要求に対しては、上記第1口座照会要求に含まれる照会対象者の氏名情報に基づいて、照会された口座を特定する第1口座特定手段と、特定された照会元が第2官公庁である第2口座照会要求に対しては、上記第2口座照会要求に含まれる照会対象者の氏名情報及び居所情報に基づいて、照会された口座を特定する第2口座特定手段と、上記第1口座特定手段及び上記第2口座特定手段の少なくとも一方で特定した口座に係る情報を出力する出力手段と、を備える。
【0008】
本情報処理装置は、口座照会要求を取得すると、当該口座照会要求の照会元となる官公庁を特定する。そして、本情報処理装置は、特定した照会元となる官公庁に応じて、第1口座特定手段及び第2口座特定手段を切り替える。第1口座特定手段及び第2口座特定手
段の夫々は、口座照会の照会元となる官公庁に応じた情報によって、口座の特定が行われる。そのため、本情報処理装置によれば、官公庁からの口座照会事務において、照会元となる官公庁夫々に応じた情報で口座を特定することができる。
【0009】
ここで、上記第1口座特定手段は、上記第1口座照会要求に含まれる照会対象者の生年月日及び居所情報の少なくとも一方と氏名情報とに基づいて、照会された口座を特定してもよい。また、上記第2口座特定手段は、上記第2口座照会要求に含まれる照会対象者の氏名情報、上記居所情報及び生年月日に基づいて、照会された口座を特定してもよい。
【0010】
そして、上記取得手段は、上記外部システムから取得した上記口座照会要求に複数の上記照会が含まれるか否かを判定し、上記口座照会要求に複数の上記照会が含まれる場合には、上記複数の照会の夫々に上記口座照会要求を分割するものであってもよい。このような特徴を備えることで、本情報処理装置は、上記外部システムによって複数の口座照会要求がまとめられた場合でも、複数の照会の夫々について口座の特定を行うことができる。
【0011】
また、上記第2口座特定手段は、前記第2口座照会要求に前記居所情報が含まれない場合、照会された口座の特定を中止してもよい。このような特徴を備えることで、口座の特定に情報が不足する場合に、一部の情報に合致する多数の口座が出力されることを抑制することができる。
【0012】
さらに、本情報処理装置は、照会元の官公庁と口座照会要求の根拠法令との対応関係を記憶する記憶手段と、上記口座照会要求について、上記対応関係において特定された上記官公庁に対応付けられた根拠法令を特定する法令特定手段とを備えるものであってもよい。このような特徴を備えることで、本情報処理装置は、口座照会の根拠となる法令を特定することができる。
【0013】
そして、上記第1口座特定手段及び上記第2口座特定手段の夫々は、上記法令特定手段によって根拠法令が特定できない口座照会要求については、照会された口座の特定を中止してもよい。このような特徴を備えることで、本情報処理装置は、法令に基づかない口座照会に対して口座が特定されることを抑制することができる。
【0014】
開示の技術は、情報処理方法及び情報処理プログラムの側面から把握することも可能である。
【発明の効果】
【0015】
開示の技術によれば、官公庁からの口座照会事務において、照会元となる官公庁夫々に応じた情報で口座を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施形態に係る照会システムの構成を示す図である。
図2図2は、口座照会データの一例を示す図である。
図3図3は、口座特定サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4図4は、口座特定サーバの処理ブロックの一例を示す図である。
図5図5は、管理データベースに格納される検索キー管理テーブルの一例を示す図である。
図6図6は、管理データベースに格納される根拠法令テーブルの一例を示す図である。
図7図7は、管理データベースに格納される口座管理テーブルの一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る口座特定サーバの処理フローの一例を示す第1の図である。
図9図9は、実施形態に係る口座特定サーバの処理フローの一例を示す第2の図である。
図10図10は、実施形態に係る口座特定サーバの処理フローの一例を示す第3の図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態>
以下、図面を参照して実施形態について説明する。以下に示す実施形態の構成は例示であり、開示の技術は実施形態の構成に限定されない。図1は、実施形態に係る照会システム1の構成を示す図である。図1では、照会システム1の各サーバで生成されるデータも例示される。照会システム1は、口座特定サーバ100、受付サーバ200及び複数の官公庁サーバ300を含む。口座特定サーバ100と受付サーバ200とは、ネットワークN1によって相互に通信可能に接続される。官公庁サーバ300の夫々と受付サーバ200とは、ネットワークN2によって相互に通信可能に接続される。
【0018】
官公庁サーバ300は、夫々の官公庁によって管理される情報処理装置である。官公庁としては、例えば、都道府県庁、区役所、市役所、町役場、村役場、国税局、税務署、税事務所、捜査機関、年金事務所、福祉事務所、弁護士会等を挙げることができる。官公庁サーバ300は、口座照会の対象となる照会対象者の情報を含む口座照会データ301を受付サーバ200に対して送信することで、照会対象者の口座の有無や保有する口座の口座番号、保有する口座の残高、保有する口座の取引履歴等を照会する口座照会を要求する。
【0019】
図2は、口座照会データ301の一例を示す図である。図2(A)から(C)では、口座照会データ301のバリエーションが例示される。口座照会データ301において、「官公庁」は口座照会の照会元となる官公庁を示す情報が記載される。「氏名」には、照会対象者の氏名が記載される。「生年月日」には、照会対象者の生年月日が記載される。図2の例では、年4桁、月2桁、日2桁の8桁の数字で生年月日が記載されているが他の記載方法によって生年月日が記載されてもよい。「郵便番号」には、照会対象者の住居・居所の郵便番号が記載される。口座照会データ301は、図2(A)から(C)に示すように、口座照会データ301は、「官公庁」、「氏名」、「生年月日」の項目を含むもの(図2(A))、「官公庁」、「氏名」、「郵便番号」の項目を含むもの(図2(B))、「官公庁」、「氏名」、「生年月日」、「郵便番号」の項目を含むもの(図2(C))のように、含まれる項目が異なることがある。口座照会データ301は、「口座照会要求」の一例である。
【0020】
受付サーバ200は、官公庁サーバ300からの口座照会データ301を受け付ける情報処理装置である。受付サーバ200は、官公庁サーバ300から受信した複数の口座照会データ301をひとつのデータにまとめてもよい。以下、本明細書において、複数の口座照会データ301をひとつのデータにまとめたものを口座照会アーカイブ201とも称する。なお、受付サーバ200が複数の口座照会データ301をひとつのデータにまとめる処理としては、複数の口座照会データ301をzip形式等の圧縮形式によってひとつのファイルにまとめてもよく、また、圧縮しない形式にひとつのファイルにまとめてもよい。圧縮しない形式としては、例えば、複数のファイルを連結するtar形式、データを所定の区切り記号(例えばカンマ)で区切るCSV形式を挙げることができる。また、複数の口座照会データ301をひとつのデータにまとめる処理としては、複数の口座照会データ301夫々の境界に区切り文字を配置した一連のデータとしてネットワークN1に送出するものであってもよい。口座照会データ301は、「口座照会要求」の一例である。
【0021】
口座特定サーバ100は、金融機関によって管理される情報処理装置である。口座特定サーバ100は、受付サーバ200から口座照会データ301または口座照会アーカイブ201を取得する。口座特定サーバ100は、複数の口座照会データ301を含む口座照会アーカイブ201を取得した場合、口座照会アーカイブ201から口座照会データ301を取得する。口座特定サーバ100は、取得した口座照会データ301の照会元となる官公庁を特定し、特定した官公庁に応じた情報を用いて、口座照会データ301によって照会対象とされた口座を特定する。また、口座特定サーバ100は、取得した口座照会データ301の根拠となる根拠法令の特定を行ってもよい。
【0022】
図3は、口座特定サーバ100のハードウェア構成の一例を示す図である。口座特定サーバ100は、Central Processing Unit(CPU)101、主記憶部102、補助記憶部103、通信部104及び接続バスB1を含む。CPU101、主記憶部102、補助記憶部103及び通信部104は、接続バスB1によって相互に接続されている。受付サーバ200及び官公庁サーバ300も口座特定サーバ100と同様のハードウェア構成を備える。
【0023】
CPU101は、マイクロプロセッサユニット(MPU)、プロセッサとも呼ばれる。CPU101は、単一のプロセッサに限定される訳ではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一のCPU101がマルチコア構成を有していてもよい。CPU101が実行する処理のうち少なくとも一部は、CPU101以外のプロセッサ、例えば、Digital Signal Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)、数値演算プロセッサ、ベクトルプロセッサ、画像処理プロセッサ等の専用プロセッサで行われてもよい。また、CPU101が実行する処理のうち少なくとも一部は、集積回路(IC)、その他のデジタル回路によって実行されてもよい。また、CPU101の少なくとも一部にアナログ回路が含まれてもよい。集積回路は、Large Scale Integrated circuit(LSI)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)を含む。PLDは、例えば、Field-Programmable Gate Array(FPGA)を含む。CPU101は、プロセッサと集積回路との組み合わせであってもよい。組み合わせは、例えば、マイクロコントローラユニット(MCU)、System-on-a-chip(SoC)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。口座特定サーバ100では、CPU101が補助記憶部103に記憶されたプログラムを主記憶部102の作業領域に展開し、プログラムの実行を通じて周辺装置の制御を行う。これにより、口座特定サーバ100は、所定の目的に合致した処理を実行することができる。主記憶部102及び補助記憶部103は、口座特定サーバ100が読み取り可能な記録媒体である。
【0024】
主記憶部102は、CPU101から直接アクセスされる記憶部として例示される。主記憶部102は、Random Access Memory(RAM)及びRead Only Memory(ROM)を含む。
【0025】
補助記憶部103は、各種のプログラム及び各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する。補助記憶部103は外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶部103には、オペレーティングシステム(Operating System、OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。OSは、通信部104を介して接続される外部装置等とのデータの受け渡しを行う通信インターフェースプログラムを含む。外部装置等には、例えば、コンピュータネットワーク等で接続された、他の情報処理装置及び外部記憶装置が含まれる。なお、補助記憶部103は、例えば、ネットワーク上のコンピュータ群であるクラウドシステムの一部であってもよい。
【0026】
補助記憶部103は、例えば、Erasable Programmable ROM(EPROM)、ソリッドステートドライブ(Solid State Drive、SSD)、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、HDD)等である。また、補助記憶部103は、例えば、Compact Disc(CD)ドライブ装置、Digital Versatile Disc(DVD)ドライブ装置、Blu-ray(登録商標) Disc(BD)ドライブ装置等である。また、補助記憶部103は、Network Attached Storage(NAS)あるいはStorage Area Network(SAN)によって提供されてもよい。
【0027】
通信部104は、例えば、ネットワークN1とのインターフェースである。通信部104は、ネットワークN1を介して外部の装置と通信を行う。
【0028】
口座特定サーバ100は、例えば、ユーザ等からの操作指示等を受け付ける入力部をさらに備えてもよい。このような入力部として、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、加速度センサあるいは音声入力装置といった入力デバイスを例示できる。
【0029】
口座特定サーバ100は、例えば、CPU101で処理されるデータや主記憶部102に記憶されるデータを出力する出力部を備えるものとしてもよい。このような、出力部として、Cathode Ray Tube(CRT)ディスプレイ、Liquid Crystal Display(LCD)、Plasma Display Panel(PDP)、Electroluminescence(EL)パネル、有機ELパネルあるいはプリンタといった出力デバイスを例示できる。
【0030】
<口座特定サーバ100の処理ブロック>
図4は、口座特定サーバ100の処理ブロックの一例を示す図である。口座特定サーバ100は、取得部11、照会元特定部12、第1口座特定部13、第2口座特定部14、法令特定部15、出力部16及び管理データベース17を備える。口座特定サーバ100は、主記憶部102に実行可能に展開されたコンピュータプログラムをCPU101が実行することで、上記口座特定サーバ100の、取得部11、照会元特定部12、第1口座特定部13、第2口座特定部14、法令特定部15、出力部16及び管理データベース17等の各部としての処理を実行する。
【0031】
管理データベース17は、口座特定サーバ100の各種処理で用いられるデータを管理するデータベースである。図5は、管理データベース17に格納される検索キー管理テーブル171の一例を示す図である。検索キー管理テーブル171は、口座照会の照会元の官公庁と口座の特定に用いる情報(キー)とを対応付けて管理するテーブルである。検索キー管理テーブル171は、「官公庁」及び「キー」の各項目を含む。「官公庁」には、口座照会データ301を送信する官公庁を示す情報が格納される。「キー」には、口座照会データ301に含まれる情報のうち口座の特定に用いるキーを示す情報が格納される。図5に例示された検索キー管理テーブル171では、例えば、口座照会データ301を送信する官公庁が第1官公庁の場合には、「氏名、生年月日」の組み合わせ、または「氏名、郵便番号」の組み合わせによって口座を特定することが理解できる。また、検索キー管理テーブル171を参照すると、照会元の官公庁が第1官公庁であるか第2官公庁であるかによって、検索に用いられるキーが異なることが理解できる。第1官公庁及び第2官公庁の夫々は、例えば、口座照会元となる官公庁から予め選択された1または複数の官公庁である。検索キー管理テーブル171の氏名は、「氏名情報」の一例である。検索キー管理テーブル171の郵便番号は、「居所情報」の一例である。
【0032】
図6は、管理データベース17に格納される根拠法令テーブル172の一例を示す図で
ある。根拠法令テーブル172は、口座の照会元と口座照会の根拠となる法令とを対応付けるテーブルである。根拠法令テーブル172は、「適用開始年月日」、「適用終了年月日」、「照会元官公庁」及び「根拠法令」の各項目を含む。「適用開始年月日」には、根拠法令の適用を開始する年月日を示す情報が格納される。「適用終了年月日」には、根拠法令の適用を終了する年月日を示す情報が格納される。なお、「適用終了年月日」に「99999999」が格納されている場合、法改正が予定されていない等の理由により適用終了年月日が未定であることを示す。「適用開始年月日」及び「適用終了年月日」に格納された情報によって、法改正等に対応することができる。「照会元官公庁」には、口座照会の照会元となる官公庁を示す情報が格納される。「根拠法令」には、口座照会の根拠となる法令を示す情報が格納される。根拠法令テーブル172は、「記憶手段」の一例である。
【0033】
図7は、管理データベース17に格納される口座管理テーブル173の一例を示す図である。口座管理テーブル173は、金融機関における口座の保有者に係る情報と口座に係る情報とを対応付けるテーブルである。口座管理テーブル173は、「口座番号」、「氏名」、「郵便番号」、「生年月日」及び「残高」の各項目を含む。「口座番号」には、口座を一意に特定する口座番号が格納される。「氏名」には、口座を保有する保有者の漢字氏名が格納される。「郵便番号」には、口座の保有者の居所の郵便番号が格納される。「生年月日」には、口座の保有者の生年月日が格納される。「残高」には、口座の残高が格納される。
【0034】
取得部11は、口座照会データ301または口座照会アーカイブ201を受付サーバ200から取得する。取得部11は、受付サーバ200から取得した口座照会要求が複数の口座照会データ301を含むか否か(口座照会アーカイブ201を取得したか否か)を判定する。取得部11は、口座照会アーカイブ201を取得した場合、口座照会アーカイブ201を夫々の口座照会データ301に分割する。例えば、口座照会アーカイブ201が複数の口座照会データ301をzip方式で圧縮したものである場合、取得部11は、口座照会アーカイブ201を解凍して夫々の口座照会データ301に分割すればよい。また、例えば、口座照会アーカイブ201が複数の口座照会データ301夫々の境界に区切り文字を配置した一連のデータである場合には、ネットワークN1を介して受信した一連のデータを区切り文字で区切ることで複数の口座照会データ301に分割してもよい。なお、口座照会データ301とは異なるヘッダ等のデータが当該一連のデータに含まれる場合には、取得部11は、ヘッダ等のデータを当該一連のデータから除いてもよい。取得部11は、「取得手段」の一例である。受付サーバ200は、「外部システム」の一例である。
【0035】
照会元特定部12は、取得部11によって取得された口座照会データ301の夫々について、照会元の官公庁を特定する。照会元特定部12は、例えば、口座照会データ301に記載された「官公庁」の名称によって照会元の官公庁を特定する。なお、官公庁の特定は、例えば、官公庁を一意に識別するコードを用いてもよい。官公庁を識別するコードとしては、例えば、全国地方公共団体コードによって行われてもよい。全国地方公共団体コードには、部署を示す部署連番が付されてもよい。照会元特定部12は、特定した官公庁が第1官公庁である場合には、第1口座特定部13に口座の特定を指示する。また、照会元特定部12は、特定した官公庁が第1官公庁以外である場合には、第2口座特定部14に口座の特定を指示する。照会元特定部12は、「照会元特定手段」の一例である。照会元が第1官公庁である口座照会データ301は、「第1口座照会要求」の一例である。照会元が第1官公庁以外の官公庁である口座照会データ301は、「第2口座照会要求」の一例である。
【0036】
第1口座特定部13は、検索キー管理テーブル171において第1官公庁に対応付けら
れた検索キーを特定する。第1口座特定部13は、特定したキーを口座照会データ301から取得する。第1口座特定部13は、口座管理テーブル173において、口座照会データ301から取得したキーに対応付けられた口座の口座番号を特定する。第1口座特定部13は、口座管理テーブル173においてキーに対応付けられた口座が複数ある場合、当該複数の口座の口座番号を特定してもよい。第1口座特定部13は、「第1口座特定手段」の一例である。
【0037】
第2口座特定部14は、検索キー管理テーブル171において第2官公庁に対応付けられた検索キーを特定する。第2口座特定部14は、特定したキーを口座照会データ301から取得する。第2口座特定部14は、口座管理テーブル173において口座照会データ301から取得したキーに対応付けられた口座の口座番号を特定する。なお、第2口座特定部14は、口座管理テーブル173においてキーに対応付けられた口座が複数ある場合、当該複数の口座の口座番号を特定してもよい。なお、第2口座特定部14は、検索キー管理テーブル171を基に特定した検索キーの少なくとも一部(例えば、郵便番号)が口座照会データ301に含まれていなかった場合、口座の特定を中止してもよい。第2口座特定部14は、「第2口座特定手段」の一例である。
【0038】
法令特定部15は、根拠法令テーブル172において口座照会データ301の照会元となる官公庁に対応付けられた根拠法令を取得する。法令特定部15は、根拠法令を取得する際に、根拠法令テーブル172の適用開始年月日及び適用終了年月日を基に、現時点で適用されている根拠法令を取得すればよい。法令特定部15は、「法令特定手段」の一例である。
【0039】
出力部16は、第1口座特定部13または第2口座特定部14によって特定された口座の情報及び法令特定部15によって特定された根拠法令を出力する。出力部16は、例えば、口座特定サーバ100のディスプレイにこのような情報を出力してもよい。出力部16は、「出力手段」の一例である。
【0040】
<口座特定サーバ100の処理フロー>
図8から図10は、実施形態に係る口座特定サーバ100の処理フローの一例を示す図である。以下、図8から図10を参照して、口座特定サーバ100の処理フローの一例について説明する。
【0041】
T1では、取得部11は、受付サーバ200から口座照会アーカイブ201または口座照会データ301を取得する。T2では、取得部11は、T1で取得したものが口座照会アーカイブ201であるか口座照会データ301であるかを判定する。口座照会アーカイブ201である場合(T2でYES)、処理はT3に進められる。口座照会データ301である場合(T2でNO)、処理はT4に進められる。
【0042】
T3では、取得部11は、T1で取得した口座照会アーカイブ201を夫々の口座照会データ301に分割する。
【0043】
T4からT11までの処理は、T1またはT3で取得された口座照会データ301の夫々について実行される。T4では、照会元特定部12は、口座照会データ301の照会元を特定する。
【0044】
T5では、法令特定部15は、口座照会の根拠となる法令の特定を行う。法令特定部15は、根拠法令テーブル172においてT4で特定した照会元に対応付けられた根拠法令のうち、現時点で有効な根拠法令を特定する。T6では、法令特定部15は、根拠法令が特定できたか否かを判定する。根拠法令が特定できた場合(T6でYES)、処理はT7
に進められる。検索キー管理テーブル171においてT4で特定した照会元に対応付けられた根拠法令が無い場合(T6でNO)、当該口座照会データ301による口座の特定を中断し、次の口座照会データ301を対象にした処理に進められる。
【0045】
T7では、照会元特定部12は、T4で特定された照会元が第1官公庁であるか否かを判定する。特定された照会元が第1官公庁である場合(T7でYES)、処理はT8に進められる。特定された照会元が第1官公庁以外である場合(T7でNO)、処理はT10に進められる。
【0046】
T8では、第1口座特定部13は、口座の特定に用いるキーを口座照会データ301から取得する。照会元が第1官公庁であることから、第1口座特定部13は、口座の特定に用いるキーとして、口座照会データ301から氏名及び生年月日の第1の組、または、氏名及び郵便番号の第2の組を取得する。第1の組及び第2の組のいずれも口座照会データ301から取得できなかった場合(T8でYES)、当該口座照会データ301による口座の特定は中断され、次の口座照会データ301の処理に進められる。第1の組及び第2の組の少なくとも一方を取得できた場合(T8でNO)、処理はT9に進められる。
【0047】
T9では、第1口座特定部13は、T8で取得したキーを用いて口座の特定を行い、特定した口座の口座番号を取得する。第1口座特定部13は、特定した口座の残高を取得してもよい。なお、第1口座特定部13は、取得した氏名及び生年月日、または、氏名及び郵便番号によって特定される口座がない場合、該当する口座は無いと判定してもよい。
【0048】
T10では、第2口座特定部14は、口座の特定に用いるキーを口座照会データ301から取得する。照会元が第1官公庁以外であることから、第2口座特定部14は、口座の特定に用いるキーとして、口座照会データ301から氏名、生年月日及び郵便番号を取得する。氏名、生年月日及び郵便番号の少なくともいずれかひとつを口座照会データ301から取得できなかった場合(T10でYES)、当該口座照会データ301による口座の特定は中断され、次の口座照会データ301の処理に進められる。氏名、生年月日及び郵便番号を取得できた場合(T10でNO)、処理はT11に進められる。
【0049】
T11では第2口座特定部14は、T10で取得した氏名、生年月日及び郵便番号をキーとして口座の特定を行い、特定した口座の口座番号を取得する。第2口座特定部14は、特定した口座の残高を取得してもよい。なお、第2口座特定部14は、取得した氏名、生年月日及び郵便番号によって特定される口座がない場合、該当する口座は無いと判定してもよい。
【0050】
T12では、出力部16は、以上の処理で口座の口座番号、口座の特定に用いたキー、口座の残高を含む照会結果を出力する。出力部16は、例えば、受付サーバ200に対して照会結果を送信してもよい。そして、照会元の官公庁サーバ300は、受付サーバ300から照会結果を受け取ってもよい。また、出力部16は、照会元の官公庁サーバ300に直接送信できる場合には、照会元の官公庁サーバ300に照会結果を送信してもよい。
【0051】
<実施形態の作用効果>
本実施形態では、口座照会データ301の照会元に応じて口座の特定に用いるキーを検索キー管理テーブル171によって管理する。そして、第1口座特定部13や第2口座特定部14が、検索キー管理テーブル171によって照会元に対応付けられたキーを用いて、口座の特定を行う。そのため、本実施形態によれば、照会元に応じた適切なキーを用いて口座の特定を行うことができる。
【0052】
本実施形態では、受付サーバ200によって複数の口座照会データ301が口座照会ア
ーカイブ201にまとめられた場合、口座特定サーバ100は、口座照会アーカイブ201を受付サーバ200から取得する。そして、口座特定サーバ100は、取得した口座照会アーカイブ201を複数の口座照会データ301に分割する。そのため、口座特定サーバ100は、受付サーバ200から複数の口座照会データ301を一括して取得することができる。
【0053】
本実施形態では、口座照会データ301によって要求された口座照会の根拠となる法令が特定できない場合(図9のT6でNO)、当該口座照会データ301によって照会された口座の特定を中止する。そのため、法令に準じない口座照会による口座の各種情報の取得を抑制することができる。
【0054】
<変形例>
以上説明した実施形態では、口座特定サーバ100が口座を管理する口座管理テーブル173を備えたが、口座特定サーバ100は口座管理テーブル173を備えなくともよい。このような場合、口座特定サーバ100は、金融機関の口座管理サーバに対して口座の特定を依頼することで口座の特定を行えばよい。
【0055】
以上説明した実施形態では、口座を特定する情報として郵便番号も採用されたが、郵便番号に代えて、または、郵便番号に加えて、照会対象者の住所を口座を特定する情報として採用してもよい。口座照会データに個人を一意に識別する番号が含まれているときは、このような番号を用いて口座を特定してもよい。個人を一意に識別する番号としては、例えば、マイナンバーを挙げることができる。
【0056】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせることができる。
【0057】
<<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させる情報処理プログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0058】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、Compact Disc-Recordable(CD-R)、Compact Disc-ReWriterable(CD-RW)、Digital Versatile Disc(DVD)、ブルーレイディスク(BD)、Digital Audio Tape(DAT)、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
【符号の説明】
【0059】
1・・照会システム
100・・口座特定サーバ
200・・受付サーバ
300・・官公庁サーバ
201・・口座照会アーカイブ
301・・口座照会データ
101・・CPU
102・・主記憶部
103・・補助記憶部
104・・通信部
11・・取得部
12・・照会元特定部
13・・第1口座特定部
14・・第2口座特定部
15・・法令特定部
16・・出力部
17・・管理データベース
171・・検索キー管理テーブル
172・・根拠法令テーブル
173・・口座管理テーブル
N1・・ネットワーク
N2・・ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10