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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154541
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】照明装置および照明制御システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/125 20200101AFI20221005BHJP
   H05B 47/17 20200101ALI20221005BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20221005BHJP
   A61L 9/20 20060101ALI20221005BHJP
   A61L 2/10 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
H05B47/125
H05B47/17
H04Q9/00 301C
H04Q9/00 311K
A61L9/20
A61L2/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021057630
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西垣 英則
(72)【発明者】
【氏名】平松 拓朗
(72)【発明者】
【氏名】高原 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 靖弘
(72)【発明者】
【氏名】古賀 渚紗
【テーマコード(参考)】
3K273
4C058
4C180
5K048
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA29
3K273QA36
3K273RA08
3K273SA02
3K273SA21
3K273SA38
3K273SA46
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA28
3K273TA40
3K273TA41
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA57
3K273TA62
3K273TA70
3K273UA17
3K273UA22
3K273UA27
4C058AA23
4C058BB06
4C058CC02
4C058CC05
4C058DD01
4C058DD03
4C058DD13
4C058DD16
4C058KK02
4C058KK21
4C058KK50
4C180AA07
4C180DD03
4C180HH19
4C180KK04
5K048AA15
5K048BA07
5K048BA10
5K048BA34
5K048EB02
5K048EB15
(57)【要約】
【課題】紫外線の照射制御を柔軟に行うことができる照明装置および照明制御システムを提供すること。
【解決手段】実施形態に係る照明装置は、第1照射部と、第2照射部と、カメラと、制御部とを具備する。第1照射部は、可視光線を照射する。第2照射部は、紫外線を照射する。カメラは、少なくとも第2照射部の照射範囲を含んだ範囲である撮像範囲を撮像する。制御部は、カメラ12の画像に基づいて撮像範囲に存在する静止物を検出し、静止物の検出状況に応じて少なくとも第2照射部の点灯を制御する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視光線を照射する第1照射部と;
紫外線を照射する第2照射部と;
少なくとも前記第2照射部の照射範囲を含んだ範囲である撮像範囲を撮像するカメラと;
前記カメラの画像に基づいて前記撮像範囲に存在する静止物を検出し、前記静止物の検出状況に応じて少なくとも前記第2照射部の点灯を制御する制御部と;
を具備することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記静止物が検出された場合には、少なくとも前記第2照射部を消灯し、前記静止物が検出されない場合には、少なくとも前記第2照射部を点灯すること
を特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記静止物が検出された場合には、前記第1照射部を点灯し、前記静止物が検出されない場合には、前記第1照射部を消灯すること
を特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記静止物は、
人が前記撮像範囲に運んで設置した物体であること
を特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項5】
可視光線を照射する第1照射部と;
紫外線を照射する第2照射部と;
少なくとも前記第2照射部の照射範囲を含んだ範囲である撮像範囲を撮像するカメラと;
前記カメラの画像に基づいて前記撮像範囲に存在する人が行う特定の行動を検出し、前記行動の検出状況に応じて少なくとも前記第2照射部の点灯を制御する制御部と;
を具備することを特徴とする照明装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記行動が検出された場合には、少なくとも前記第2照射部を消灯し、前記行動が検出されない場合には、少なくとも前記第2照射部を点灯すること
を特徴とする請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記行動が検出された場合には、前記第1照射部を点灯し、前記行動が検出されない場合には、前記第1照射部を消灯すること
を特徴とする請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記行動は、
前記人の通常動作に関連したポーズとは異なるポーズであること
を特徴とする請求項5~7のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1つに記載の照明装置と;
前記照明装置から取得した前記画像に基づいて、前記第2照射部の点灯制御のための検出処理を行い、検出結果を前記照明装置へ送信する情報処理装置と;
を具備することを特徴とする照明制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明装置および照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定領域に対応して紫外線光源を設け、人感センサで人が室内から退室した後に所定領域を紫外線で殺菌するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2019-536492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、人の出入りにより紫外線の照射有無を制御しているに過ぎず、より柔軟に紫外線の照射制御を行う点で改善の余地があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、紫外線の照射制御を柔軟に行うことができる照明装置および照明制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る照明装置は、第1照射部と、第2照射部と、カメラと、制御部とを具備する。前記第1照射部は、可視光線を照射する。前記第2照射部は、紫外線を照射する。前記カメラは、少なくとも前記第2照射部の照射範囲を含んだ範囲である撮像範囲を撮像する。前記制御部は、前記カメラの画像に基づいて前記撮像範囲に存在する静止物を検出し、前記静止物の検出状況に応じて少なくとも前記第2照射部の点灯を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A図1Aは、実施形態に係る照明装置が実行する処理の概要を示す図である。
図1B図1Bは、実施形態に係る照明装置が実行する処理の概要を示す図である。
図1C図1Cは、実施形態に係る照明装置が実行する処理の概要を示す図である。
図1D図1Dは、実施形態に係る照明装置が実行する処理の概要を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る照明制御システムの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、照明制御システムにおける各処理のタイミングチャートである。
図4図4は、実施形態に係る照明制御システムにおいて実行される処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下で説明する照明装置1は、第1照射部10と、第2照射部11と、カメラ12と、制御部とを具備する。第1照射部10は、可視光線を照射する。第2照射部11は、紫外線を照射する。カメラ12は、少なくとも第2照射部11の照射範囲を含んだ範囲である撮像範囲を撮像する。制御部は、カメラ12の画像に基づいて撮像範囲に存在する静止物を検出し、静止物の検出状況に応じて少なくとも第2照射部11の点灯を制御する。
【0009】
以下で説明する制御部は、静止物が検出された場合には、少なくとも第2照射部11を消灯し、静止物が検出されない場合には、少なくとも第2照射部11を点灯する。
【0010】
以下で説明する制御部は、静止物が検出された場合には、第1照射部10を点灯し、静止物が検出されない場合には、第1照射部10を消灯する。
【0011】
以下で説明する静止物は、人が撮像範囲に運んで設置した物体である。
【0012】
以下で説明する照明装置1は、第1照射部10と、第2照射部11と、カメラ12と、制御部とを具備する。第1照射部10は、可視光線を照射する。第2照射部11は、紫外線を照射する。カメラ12は、少なくとも第2照射部11の照射範囲を含んだ範囲である撮像範囲を撮像する。制御部は、カメラ12の画像に基づいて撮像範囲に存在する人が行う特定の行動を検出し、行動の検出状況に応じて少なくとも第2照射部11の点灯を制御する。
【0013】
以下で説明する制御部は、行動が検出された場合には、少なくとも第2照射部11を消灯し、行動が検出されない場合には、少なくとも第2照射部11を点灯する。
【0014】
以下で説明する制御部は、行動が検出された場合には、第1照射部10を点灯し、行動が検出されない場合には、第1照射部10を消灯する。
【0015】
以下で説明する行動は、人の通常動作に関連したポーズとは異なるポーズである。
【0016】
以下で説明する照明制御システムSは、照明装置1と、情報処理装置(端末装置20)とを具備する。情報処理装置は照明装置1から取得した画像に基づいて、第2照射部11の点灯制御のための検出処理を行い、検出結果を照明装置1へ送信する。
【0017】
以下、図面を参照して、実施形態に係る照明装置について説明する。なお、以下に示す実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0018】
(実施形態)
まず、図1A図1Dを用いて、実施形態に係る照明装置1が実行する処理の概要について説明する。図1A図1Dは、実施形態に係る照明装置1が実行する処理の概要を示す図である。
【0019】
まず、図1Aおよび図1Bに示す処理について説明する。図1Aおよび図1Bに示すように、実施形態に係る照明装置1は、例えば、空間SPに取り付けられるベースライトであり、空間SPの天井に取り付けられて空間SP全体を照らす。
【0020】
図1Aおよび図1Bに示すように、照明装置1は、第1照射部10と、第2照射部11と、カメラ12とを具備する。第1照射部10は、例えば、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子を有し、天井から空間SPの下方を照らす可視光線を照射する。
【0021】
第2照射部11は、例えば、UV(Ultra Violet)光源を有するLED等の発光素子を有し、天井から空間SPの下方へ向けて紫外線を照射する。カメラ12は、可視光カメラであり、空間SPを撮像する撮像装置である。具体的には、カメラ12は、少なくとも第2照射部11の照射範囲を含む撮像範囲を有する。
【0022】
図1Aおよび図1Bに示すように、照明装置1は、カメラ12の画像に基づいて撮像範囲に存在する人を検出し、人の検出状況に応じて第1照射部10および第2照射部11の点灯を制御する。
【0023】
具体的には、図1Aに示すように、照明装置1は、空間SPに人が存在することを検出した場合、第1照射部10を点灯し、第2照射部11を消灯する。一方、図1Bに示すように、照明装置1は、空間SPに人が存在しない場合、第1照射部10を消灯し、第2照射部11を点灯する。
【0024】
このように、空間SPにおける人の有無に応じて第2照射部11の点灯を制御することで、人への紫外線照射を避けつつ、人がいない場合に空間SPを紫外線により殺菌することができる。また、空間SPにおける人の有無に応じて第1照射部10の点灯を制御することで、人がいる場合には空間SPを明るく照らしつつ、人がいない場合に第1照射部10を消灯して消費電力を抑えることができる。
【0025】
このように、実施形態に係る照明装置1によれば、人の検出状況に応じて、第1照射部10および第2照射部11の点灯を制御することで、第1照射部10により空間SPを照らしつつ、人がいない場合に空間SPを殺菌することができる。すなわち、実施形態に係る照明装置1によれば、人が出入りする空間SPにおいて、効率良く空間SPを殺菌することができる。
【0026】
また、図1Aおよび図1Bに示すように、照明装置1は、第2照射部11の点灯状況に応じた撮像条件で撮像させるようカメラ12を制御する。具体的には、照明装置1は、第2照射部11が消灯している場合(図1A)、第1の撮像条件で撮像するようカメラ12を制御し、第2照射部11が点灯している場合(図1B)、第2の撮像条件で撮像するようカメラ12を制御する。
【0027】
撮像条件は、例えば、カメラ12で撮像される映像情報のフレームレートや、画像の解像度、画像の色調に関する条件である。なお、第2の撮像条件は、第1の撮像条件に比べて映像情報のデータ量が少ない条件であるが、かかる点の詳細については後述する。
【0028】
このように、照明装置1は、第2照射部11の点灯状況に応じて撮像条件を切り替えることで、映像情報を見れば撮像条件の切り替わりにより紫外線の照射有無を容易に把握できる。また、カメラ12は、第2照射部11の照射範囲を含んだ撮像範囲を撮像しているため、映像情報に映った領域を紫外線の照射範囲として容易に把握できる。すなわち、実施形態に係る照明装置1によれば、紫外線の照射状況を容易に把握することができる。
【0029】
さらに、図1Aおよび図1Bに示すように、第2照射部11が消灯している場合には第1照射部10を点灯し、第2照射部11が点灯している場合には第1照射部10を消灯することで、映像情報における画像の輝度が切り替わるため、紫外線の照射状況をより容易に把握することができる。
【0030】
なお、図1Bでは、人がいない場合に第1照射部10を消灯したが、第1照射部10を点灯させたままであってもよい。これにより、空間SPを外から見た場合に、空間SPの状況を容易に把握することができる。
【0031】
また、図1Aでは、人の有無により少なくとも第2照射部11の点灯制御を行ったが、人に限らず、静止物や人が行う特定の行動により少なくとも第2照射部11の点灯制御を行ってもよい。かかる点について、図1Cおよび図1Dを用いて説明する。
【0032】
図1Cでは、静止物の一例として、「清掃中」と書かれた看板が空間SPに配置された例を示し、図1Dでは、特定の行動の一例として、所定のポーズ(一時的に停止した姿勢)を行っている人の例を示している。
【0033】
図1Cに示すように、照明装置1は、カメラ12の画像に基づいて撮像範囲に存在する静止物を検出し、静止物の検出状況に応じて少なくとも第2照射部11の点灯を制御する。
【0034】
具体的には、図1Cに示すように、照明装置1は、空間SPに静止物が存在することを検出した場合、第1照射部10を点灯し、第2照射部11を消灯する。また、照明装置1は、空間SPに静止物が存在しない場合、第1照射部10を消灯し、第2照射部を点灯する。なお、第1照射部10については、静止物が検出された場合に消灯してもよい。これにより、空間SPに人が存在しない場合であっても、少なくとも第2照射部11により紫外線照射を停止できる。すなわち、実施形態に係る照明装置1によれば、紫外線の照射制御をより柔軟に行うことができる。さらに、静止物を配置することにより第2照射部11を消灯させ続けることができるため、例えば、空間SPを清掃する場合に、清掃員が空間SPを出入りすることで第2照射部11が点灯したり消灯したりを繰り返すことにより第2照射部11の光源寿命が短くなることを抑制できる。
【0035】
なお、図1Cに示す状況において、第2照射部11を再度点灯させる条件は、静止物を取り除くことや、他の静止物を配置すること、図1Dに示す特定の行動を人が行うこと等がある。
【0036】
また、照明装置1は、静止物を検出して第2照射部11を消灯した後は、静止物が取り除かれても引き続き第2照射部11を消灯し続けてもよい。
【0037】
次に、図1Dに示すように、照明装置1は、カメラ12の画像に基づいて撮像範囲に存在する人が行った特定の行動を検出し、特定の行動の検出状況に応じて少なくとも第2照射部11の点灯を制御する。
【0038】
具体的には、図1Dに示すように、照明装置1は、空間SPに存在する人が行う特定の行動を検出した場合、第1照射部10を点灯し、第2照射部11を消灯する。また、照明装置1は、空間SPに存在する人における特定の行動を検出しなかった場合、第1照射部10を消灯し、第2照射部11を点灯する。なお、第1照射部10については、特定の行動が検出された場合に消灯してもよい。なお、詳細は後述するが、特定の行動は、人の通常動作(歩く、立つ、手を振る等)に関連した行動とは異なる行動(つまり、人が意図的にする行動)であることが好ましい。これにより、人が存在する場合に所定の照射範囲への紫外線照射を制御できる。すなわち、実施形態に係る照明装置1によれば、紫外線の照射制御をより柔軟に行うことができる。
【0039】
次に、図2を用いて、照明装置1を含む照明制御システムSの構成について説明する。図2は、実施形態に係る照明制御システムSの構成例を示すブロック図である。図2に示すように、照明制御システムSは、照明装置1と、端末装置20と、給電装置30とを有する。
【0040】
端末装置20は、照明装置1を管理する管理者によって利用される情報処理装置である。端末装置20は、例えば、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PC、スマートフォン、タブレット型端末、PDA(Personal Digital Assistant)などを用いることができる。また、端末装置20に代えて、あるいは、併用して、サーバやクラウドコンピューティング等の任意の情報処理装置が用いられてもよい。かかる任意の情報処理装置は、インターネット等の所定の通信ネットワークを介して照明装置1と通信可能に接続される。
【0041】
端末装置20は、照明装置1の点灯状態、調光状態を、不図示の表示部に表示可能な装置である。また、端末装置20は、照明装置1のカメラ12によって撮像された画像に基づいて、空間SPにおける人の存在を検出する。端末装置20は、給電装置30と信号線によって接続され、人の検出結果を給電装置30を介して照明装置1へ出力する。
【0042】
また、端末装置20は、カメラ12によって撮像された画像群である映像情報を、管理者の操作に従って不図示の表示部で再生することができる。この際、端末装置20は、第1照射部10や第2照射部11の点灯状況に関する情報(例えば、点灯有無)を表示部にテキスト表示してもよい。
【0043】
給電装置30は、不図示の電力線を介して系統電源に接続され、系統電源から供給される電力を所定規格の電力に変換することができる。ここで、所定規格とは、例えば直流電圧を指すが、これに限定されるものではなく、交流電圧であってもよい。
【0044】
給電装置30は、通信ケーブルCを介して接続される。通信ケーブルCは、照明装置1との間で信号の送受信が可能であるとともに、所定規格の電力を照明装置1へ供給可能な、いわゆる、PoE(Power over Ethernet;登録商標)ケーブルである。
【0045】
なお、給電装置30は、PoEケーブルとしての通信ケーブルCを介して照明装置1へ電力を供給する場合に限らず、例えば、給電装置30に代えて通常のAC(Alternating Current)アダプターを用いて照明装置1へ電力を供給してもよい。かかる場合、端末装置20および照明装置1の間の通信接続は、無線または有線により接続された通信ネットワークを介して行うことができる。LAN(Local Area Network)やWi-Fi(登録商標)等を用いることができる。
【0046】
照明装置1は、第1照射部10と、第2照射部11と、カメラ12と、供給部13と、第1DCDC15と、第2DCDCとを有する。
【0047】
ここで、照明装置1は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0048】
コンピュータのCPUは、たとえば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、照明装置1の各機能を実行する。
【0049】
また、照明装置1の各機能の少なくともいずれか一つまたは全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0050】
また、RAMやフラッシュメモリである記憶部は、各種プログラムの情報等を記憶することができる。なお、照明装置1は、有線や無線のネットワークで接続された他のコンピュータや可搬型記録媒体を介して上記したプログラムや各種情報を取得することとしてもよい。なお、記憶部は、例えば、撮像した画像の情報や、端末装置20から取得した人の検出結果の情報を記憶することができる。
【0051】
次に、照明装置1の各機能について説明する。
【0052】
図2に示すように、供給部13は、給電装置30と通信ケーブルCを介して接続される。また、供給部13は、信号および電力を供給可能な線によりカメラ12と接続される。これにより、供給部13は、通信ケーブルCを介して供給される信号および電力をそのままカメラ12へ供給する。
【0053】
また、供給部13は、電源部14、第1DCDC15および第2DCDC16が並列接続される。具体的には、供給部13は、信号線および電力線を介して電源部14、第1DCDC15および第2DCDC16に接続される。
【0054】
これにより、供給部13は、給電装置30(外部の一例)から通信ケーブルCを介して供給される電力および通信信号を電力線および信号線に分岐させて、電源部14(すなわち、第1照射部10)、第1DCDC15および第2DCDC16(すなわち、第2照射部11)それぞれへ供給する。
【0055】
電源部14は、供給部13から電力線を介して供給される電力を昇圧(例えば、48V→100Vもしくは200V)して第1照射部10へ供給する。これにより、第1照射部10へ駆動電力を供給することができる。
【0056】
第2DCDC16は、供給部13から電力線を介して供給される電力を降圧(例えば、48V→24V)し、駆動電力として第2照射部11へ供給する。
【0057】
第1DCDC15は、供給部13から電力線を介して供給される電力を降圧(例えば、48V→12V)する。そして、第1DCDC15は、供給部13から信号線を介して供給される通信信号に基づいて、降圧した信号を第1照射部10および第2照射部11へ供給する。
【0058】
具体的には、第1DCDC15は、第1照射部10および第2照射部11の調光度に関する情報が含まれる通信信号に基づいて、調光度を示す情報を第1信号線SL1を介して第1照射部10および第2照射部11へ供給する。また、第1DCDC15は、第1照射部10および第2照射部11をオン・オフする信号を、第2信号線SL2を介して第1照射部10および第2照射部11へ供給する。なお、詳細は後述するが、第1照射部10は、第2信号線SL2からLowの信号が入力された場合に点灯し、Highの信号が入力された場合に消灯する。また、第2照射部11は、第2信号線SL2からHighの信号が入力された場合に点灯し、Lowの信号が入力された場合に消灯する。
【0059】
なお、第2信号線SL2には、第1DCDC15と、第1照射部10および第2照射部11との間にスイッチSWが設けられる。スイッチSWは、例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)であり、ドレインに第1DCDC15が接続され、ソースに第1照射部10および第2照射部11が接続される。また、スイッチSWのゲートには、抵抗Rを介してカメラ12が接続される。
【0060】
カメラ12は、端末装置20から人の検出状況に関する情報を供給部13を介して受信し、検出状況に応じた電圧の信号をスイッチSWのゲートへ出力することで、第1照射部10および第2照射部11の点灯を制御する。すなわち、カメラ12は、制御部の一例である。なお、制御部は、カメラ12に内蔵される場合に限らず、カメラ12と別体で構成されてもよい。
【0061】
ここで、図3を用いて、第1照射部10および第2照射部11の点灯制御について説明する。図3は、照明制御システムSにおける各処理のタイミングチャートである。
【0062】
図3に示すように、制御部であるカメラ12は、所定の事象(人、静止物、特定の行動)が検出されない場合(図3に示す「無」)、Highの出力電圧をスイッチSWのゲートへ出力する。この結果、第1照射部10はオフし、第2照射部11はオンする。具体的には、スイッチSWのゲートにHighの出力電圧が印加されるとスイッチSWはオンになるため、第2信号線SL2が導通することで、第1DCDC15から第1照射部10および第2照射部11それぞれにHighの信号が供給されることで、第1照射部10は消灯し、第2照射部11は点灯する。
【0063】
一方、カメラ12は、所定の事象(人、静止物、特定の行動)が検出された場合(図3に示す「有」)、Lowの出力電圧をスイッチSWのゲートへ出力する。この結果、第1照射部10はオンし、第2照射部11はオフする。具体的には、スイッチSWのゲートにLowの出力電圧が印加されるとスイッチSWはオフになるため、第2信号線SL2が非導通となることで、第1DCDC15から第1照射部10および第2照射部11それぞれにLowの信号が供給される(詳しくは信号が供給されない)ことで、第1照射部10は点灯し、第2照射部11は消灯する。
【0064】
なお、上述した実施形態では、カメラ12からスイッチSWへ出力電圧を出力することで第1照射部10および第2照射部11を制御する例を示したが、例えば、カメラ12は、端末装置20および照明装置1それぞれに対して無線または有線により通信接続されてもよい。かかる場合、照明装置1は、カメラ12とは別に制御部を備える。そして、制御部は、端末装置20による静止物および特定の行動の検出結果に基づいて第1照射部10および第2照射部11を制御する。
【0065】
なお、人、静止物、特定の行動の検出については、例えば、画像に対してエッジ抽出処理を行い、抽出されたエッジに対して、人、静止物、特定の行動に関するパターンマッチングを行うことで検出可能である。なお、静止物および特定の行動については、管理者等によって予め登録された静止物および特定の行動を検出する。
【0066】
また、特定の行動については、例えば、カメラ12の画像から人の骨格データ(身体的特徴点を線で結んだデータ)を検出し、かかる骨格データに対してパターンマッチングを行うことで特定の行動を検出してもよい。
【0067】
また、特定の行動は、所定のポーズ(所定時間以上、一定の姿勢で止まった状態)であり、詳細には、人の通常動作に関連したポーズとは異なるポーズであることが好ましい。通常動作とは、人が頻繁に行う(無意識化で行う)動作であり、例えば、歩く、立つ、手を挙げる、首を振る、食べる等である。つまり、通常動作とは、所定の目的を達成するための動作である。換言すれば、特定の行動におけるポーズは、目的が無い無意味なポーズである。このように、通常動作とは異なるポーズを特定の行動とすることで、人が不意に行った動作により第2照射部11が意図せずに点灯したり消灯したりすることを高精度に回避することができる。また、特定の行動をポーズとすることで、人の動きの中で瞬間的に特定の行動を行ってしまった場合であっても、第2照射部11が意図せずに点灯したり消灯したりしないようにできる。
【0068】
また、静止物については、静止物の外形形状に対してパターンマッチングする場合に限らず、図1Cに示す「清掃中」のようなテキストに対してパターンマッチングを行ってもよい。また、静止物は、人が撮像範囲に運んで設置した物体であることが好ましい。このため、照明装置1は、例えば、静止物が検出された場合であっても、検出時刻の前後で人が静止物に近づいたり離れたりしたりする動作が検出されない場合には、第2照射部11の点灯制御を行わないようにしてもよい。すなわち、照明装置1は、第2照射部11の点灯制御を行わせることを意図した人が静止物を運んできた場合に限り、第2照射部11の点灯制御を行うようにする。これにより、人が意図しない(静止物を運んでいない)にも関わらず、照明装置1が空間SPに存在する静止物を検出して第2照射部11の点灯制御が行われることを回避できる。
【0069】
なお、照明装置1は、人が静止物を運んでいる途中は、静止物を検出しないようにしてもよい。換言すれば、照明装置1は、人が静止物を撮像範囲に置き、静止物から離れた場合に静止物を検出して第2照射部11の点灯制御を行うようにしてもよい。これにより、人が静止物を配置する意図が無くただ運んでいる場合に、静止物を誤検出してしまうことを回避できる。
【0070】
また、図3に示すように、制御部であるカメラ12は、第2照射部11の点灯状況に応じた撮像条件で撮像を行う。具体的には、カメラ12は、第2照射部11が点灯している場合(ONの場合)、第2の撮像条件で撮像を行い、第2照射部11が消灯している場合(OFFの場合)、第1の撮像条件で撮像を行う。
【0071】
なお、撮像条件は、上述したように、映像情報のフレームレートや、画像の解像度、画像の色調に関する条件である。例えば、第2の撮像条件は、第1の撮像条件に比べて映像情報のデータ量が少ない条件である。具体的には、第2の撮像条件は、第1の撮像条件に比べて、フレームレートを少なくする。つまり、カメラ12は、紫外線を照射していない場合には、通常のフレームレートの映像情報(なめらかな映像)を撮像し、紫外線を照射している場合には、フレームレートを下げた映像情報(カクカクした映像)を撮像する。
【0072】
これにより、事後的に映像情報を確認する場合に映像の動きから紫外線を照射中であるか否かを容易に判別できる。
【0073】
また、第2の撮像条件は、第1の撮像条件に比べて、画像の解像度を下げる。つまり、カメラ12は、紫外線を照射していない場合には、通常の解像度の映像情報(精細な映像)を撮像し、紫外線を照射している場合には、解像度を下げた映像情報(粗い映像)を撮像する。
【0074】
これにより、事後的に映像情報を確認する場合に映像の精細さから紫外線を照射中であるか否かを容易に判別できる。
【0075】
なお、撮像条件は、各画素の色であってもよい。例えば、第1の撮像条件に比べて、第2の撮像条件において使用する色の種類を減らすことで映像情報のデータ量を少なくしてもよい。つまり、カメラ12は、紫外線を照射していない場合には、通常の色数の映像情報を撮像し、紫外線を照射している場合には、色数を少なくした映像情報を撮像する。なお、色数を少なくする方法としては、RGB値の分解能を小さくすることで、表現可能な色数を少なくする方法等がある。
【0076】
このように、制御部であるカメラ12は、第1の撮像条件に比べて、映像情報のデータ量が少なくなるように第2の撮像条件を設定することで、紫外線照射により人等の移動物体による移動が少ない(すなわち、外部の人にとって情報としての有用性が低い)場合の映像情報のデータ量を削減できる。
【0077】
また、制御部であるカメラ12は、第2照射部11が点灯している場合、紫外線の波長を含む所定範囲の波長帯に対応する色を強調する撮像条件で撮像する。具体的には、紫外線の波長である100nm~400nmと、400nm以上の波長を含む波長帯に対応する色を強調する。例えば、400nm~500nmを含む場合には、青色系の色を強調し、400nm~550nmを含む場合には、青色系または(および)緑色系の色を強調する。なお、色の強調方法は、例えば、撮像後の画像に対して上記した色が強調される色調補正を行う方法等がある。
【0078】
このように、紫外線の波長を含む所定範囲の波長帯に対応する色を強調することで、映像情報の全体の色から紫外線照射中である否かを判別できるとともに、紫外線の波長に近い波長の色を強調することで紫外線照射中であることを直感的に把握しやすくできる。
【0079】
次に、図4を用いて、実施形態に係る照明制御システムSにおいて実行される処理の処理手順について説明する。図4は、実施形態に係る照明制御システムSにおいて実行される処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0080】
図4に示すように、まず、端末装置20は、照明装置1からカメラ12の画像を取得する(ステップS101)。
【0081】
つづいて、照明装置1は、端末装置20による所定の事象(人、静止物、特定の行動)の検出結果に基づいて、所定の事象を検出したか否かを判定する(ステップS102)。
【0082】
照明装置1は、所定の事象を検出した場合(ステップS102:Yes)、制御部であるカメラ12からLowの出力電圧の信号をスイッチSWのゲートへ出力する(ステップS103)。
【0083】
この結果、照明装置1の第1照射部10が点灯し(ステップS104)、第2照射部11が消灯する(ステップS105)。
【0084】
つづいて、照明装置1は、第2照射部11が消灯した場合には、第1の撮像条件で撮像するようカメラ12を制御する(ステップS106)。つづいて、照明装置1は、撮像した映像情報を情報処理装置である端末装置20へ送信し(ステップS107)、処理を終了する。
【0085】
一方、ステップS102において、照明装置1は、所定の事象を検出しなかった場合(ステップS102:No)、制御部であるカメラ12からHighの出力電圧の信号をスイッチSWのゲートへ出力する(ステップS108)。
【0086】
この結果、照明装置1の第1照射部10が消灯し(ステップS109)、第2照射部11が点灯する(ステップS110)。
【0087】
つづいて、照明装置1は、第2照射部11が点灯した場合には、第2の撮像条件で撮像するようカメラ12を制御し(ステップS111)、ステップS107へ移行する。
【0088】
上述したように、実施形態に係る照明装置1は、第1照射部10と、第2照射部11と、カメラ12と、制御部(カメラ12)とを具備する。第1照射部10は、可視光線を照射する。第2照射部11は、紫外線を照射する。カメラ12は、少なくとも第2照射部11の照射範囲を含んだ範囲である撮像範囲を撮像する。制御部は、第2照射部11の点灯状況に応じた撮像条件で撮像させるようカメラ12を制御する。これにより、紫外線の照射状況を容易に把握することができる。
【0089】
また、上述したように、実施形態に係る照明装置1は、第1照射部10と、第2照射部11と、カメラ12と、制御部(カメラ12)とを具備する。第1照射部10は、可視光線を照射する。第2照射部11は、紫外線を照射する。カメラ12は、少なくとも第2照射部11の照射範囲を含んだ範囲である撮像範囲を撮像する。制御部は、カメラ12の画像に基づいて撮像範囲に存在する静止物、および/または、人が行う特定の行動を検出し、静止物および/または特定の行動の検出状況に応じて少なくとも第2照射部11の点灯を制御する。これにより、紫外線の照射制御をより柔軟に行うことができる。
【0090】
なお、上述した実施形態では、人を検出する機能を端末装置20が担う場合を示したが、照明装置1の制御部がカメラ12の画像に基づいて人を検出する機能を備えてもよい。
【0091】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0092】
1 照明装置
10 第1照射部
11 第2照射部
12 カメラ
13 供給部
14 電源部
20 端末装置
30 給電装置
C 通信ケーブル
15 第1DCDC
16 第2DCDC
S 照明制御システム
SL1 第1信号線
SL2 第2信号線
SP 空間
SW スイッチ
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4