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  • 特開-電子部品載置トレー 図1
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  • 特開-電子部品載置トレー 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154606
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】電子部品載置トレー
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20221005BHJP
   B65D 85/86 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
H05K13/02 G
B65D85/86 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021057720
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】515196919
【氏名又は名称】昭立電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002114
【氏名又は名称】特許業務法人河野国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100128624
【弁理士】
【氏名又は名称】穂坂 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100138483
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 晃一
(72)【発明者】
【氏名】中島 浩介
(72)【発明者】
【氏名】天野 建二
【テーマコード(参考)】
3E096
5E353
【Fターム(参考)】
3E096AA09
3E096BA15
3E096BA17
3E096BB01
3E096BB04
3E096BB05
3E096CA06
3E096CB02
3E096DA13
3E096EA02X
3E096EA06X
3E096EA07X
3E096FA09
3E096FA15
5E353BB05
5E353BB06
5E353HH07
5E353HH51
5E353NN12
5E353QQ14
5E353QQ22
(57)【要約】
【課題】
異形部品挿入装置で用いる挿入部品を配置したトレーであって、繰り返し使用できるトレーを提供することを課題とする。
【解決手段】
汎用性に優れ、かつ何度でも使用可能なトレー10と、部品の大きさと形状に応じて簡易に作成された配置シート20で構成される。トレー10の全面には多くの電子部品のリードの間隔に合うようインチオーダーの挿入孔15が穿ってある。トレー10に配置シート20を載せて、電子部品5はその上に載置する。配置シートには、挿入する電子部品の大きさと形状に合わせて配置孔25が設けてあるため、作業者はトレーに電子部品を置く位置を容易に判断でき、手作業による電子部品の挿入が容易となる。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品のリードを挿入する挿入孔を同一間隔で電子部品を載置する面の四方に亘り備えたベーストレーと、
前記ベーストレーに載置されて電子部品の載置位置を示す配置孔を備えた位置表示シートと、
を備えた異形部品挿入装置で用いる電子部品載置トレー。
【請求項2】
前記挿入孔は、2.54mmの間隔で設けたことを特徴とする
請求項1に記載の電子部品載置トレー。
【請求項3】
前記ベーストレーが前記電子部品を載置する面と並行に延びるゴム素材で成る層を備え、
前記挿入孔は前記ゴム素材で成る層に至る深さで穿ってあることを特徴とする
請求項1又は請求項2に記載の電子部品載置トレー。
【請求項4】
前記位置表示シートは着色されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電子部品載置トレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電子基板の生産ラインで用いる異形部品挿入装置の電子部品配置トレーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子基板の生産ラインで用いる装置として、一枚の電子基板に大きさや形状が異なる部品を挿入する異形部品挿入装置とよばれる装置がある。異形部品挿入装置は、電子基板に挿入する挿入部品をトレーに並べて配置する挿入部品配置部と、生産対象の電子基板を配置する電子基板配置部を備える。予め挿入部品配置部における各挿入部品のリードの位置情報と、電子基板配置部における電子基板の各挿入部品の挿入孔の位置情報が取得されている。挿入部品を挿入する際は、両位置情報に基づき、ロボットを用いて、電子基板に挿入するべき挿入部品を把持し、挿入部品配置部から電子基板配置部に移動させて挿入部品のリードを電子基板の挿入穴に挿入する。
【0003】
同一種の挿入部品は共通のトレーに並べられるところ、挿入部品をトレーに配置する作業は、ほとんどの場合、手作業によっている。挿入部品の種類が極めて多く機械化が困難であり、かつ製造品数が少ない場合が多いため、機械化するよりも手作業の方がむしろ効率が良いためである。
【0004】
挿入部品をトレーに並べて配置する作業は、具体的には、挿入部品毎に挿入部品の形態に合わせたトレーを製造したり、スポンジに部品の位置を印刷したりして挿入位置を示し、挿入部品を並べる作業は人の手で行っていた。これまでの方法では時間と労力を要し、またトレーを繰り返し利用できない点にも問題があった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】https://www.fuji.co.jp/items/rs_list/smartfab 2021年3月30日 株式会社FUJI 製品紹介「モジュール型汎用自動組立機Smart FAB」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この出願に係る発明は、異形部品挿入装置で用いる挿入部品を配置したトレーに関するものであり、繰り返し使用できるトレーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)電子部品のリードを挿入する挿入孔を同一間隔で電子部品を載置する面の四方に亘り備えたベーストレーと、前記ベーストレーに載置されて電子部品の載置位置を示す配置孔を備えた位置表示シートと、を備えた異形部品挿入装置で用いる電子部品載置トレーによって課題を解決する。
(2)前記挿入孔は、2.54mmの間隔で設けたことを特徴とする(1)に記載の電子部品載置トレーによって課題を解決する。
(3)前記ベーストレーが前記電子部品を載置する面と並行に延びるゴム素材で成る層を備え、前記挿入孔は前記ゴム素材で成る層に至る深さで穿ってあることを特徴とする(1)又は(2)に記載の電子部品載置トレーによって課題を解決する。
(4)前記位置表示シートは着色されていることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の電子部品載置トレーによって課題を解決する。
【0008】
挿入孔には電子部品のリードを挿入する。このため、挿入孔は電子部品のリードの挿入が可能な直径でなる。また、べーストレーには多数の電子部品が並んで挿入されるので、挿入孔はベーストレーの、電子部品を載置する面の四方に亘って、ほぼ全面に設けてある。隣り合う挿入孔の間隔は、リード間の間隔と合致する必要がある。このため、隣り合う挿入孔の間隔は同一である。位置表示シートには、電子部品の載置位置を示す配置孔が設けてある。電子部品載置トレーに電子部品を載置する際は、位置表示シート.をベーストレーに載せて、位置を表示しつつ載置する。
【0009】
隣り合う挿入孔間の間隔を2.54mmとしたのは、多くの電子部品のリードが2.54mm(0.1inch)の倍数で成るからである。
【0010】
ベーストレーがゴム素材で成る層を備えることにより、挿入孔に挿入されたリードは挿入孔の内部でゴム素材と接する。この結果ゴム素材の摩擦力によりリードの姿勢が保たれやすくなり、またリードは抜け落ちにくくなる。
【0011】
表示シートに着色があることにより、ベーストレー上の電子部品を挿入するべき位置が明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】異形部品挿入装置の挿入部品と電子基板の関係を示す。
図2】実施例1のトレーと配置シートを示す。
図3】実施例1のトレーと配置シートを示す。
図4】実施例1のトレーを示す。
図5】実施例1の配置シートを示す。
図6】実施例1のトレーと配置シートを示す。
図7】実施例1のトレーと配置シートと挿入部品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の好適な実施形態は、概略的に次のとおりである。本発明では、汎用性に優れ、かつ何度でも使用可能なトレーと、部品の大きさと形状に応じて簡易に作成されたシートで構成される。トレーの全面には多くの電子部品のリードの間隔に合うようインチオーダーの挿入孔が穿ってある。トレーにシートを載せて、電子部品はその上に載置する。シートには、挿入する電子部品の大きさと形状に合わせて配置孔が設けてある。作業者は配置孔によりトレーに電子部品を置く位置を容易に判断でき、手作業による電子部品の挿入が容易となる。以下、図面を用いて説明する。
【実施例0014】
図1により、異形部品挿入装置について説明する。電子基板には様々な大きさと形体の電子部品が実装される。電子基板の生産ラインでは、電子基板に挿入するべき電子部品の種類の情報と挿入するべき位置の情報が予めが取得されている。また、挿入する電子部品の種類の情報と位置の情報も、予め取得されている。また、電子基板にいずれの電子部品をどのような順番で挿入するかについての情報も取得されている。
【0015】
電子基板1の生産ラインにおいて、電子基板1には、電子部品5A、5B及び5Cがそれぞれ所定の位置に挿入される。トレー10Aに電子部品5を載置し、トレー10Bに電子部品5Bを載置し、トレー10Cに電子部品5Cを載置し、各トレーを電子部品配置部(図示せず)に配置する。電子基板1は電子基板配置部(図示せず)に配置する。
各電子部品のリードの種類の情報と位置情報、電子基板挿入するべき電子部品の種類の情報と位置情報、及び電子部品を電子基板に挿入する順番の情報が、異形部品挿入装置の記憶部(図示せず)に記憶されている。
【0016】
異形部品挿入装置の操作部(図示せず)は、トレー10Aに載置された電子部品5Aを、予め取得した位置情報に基づき把持する。操作部は、予め取得した位置情報に基づき、電子基板1の電子部品5Aを挿入すべき位置に電子部品5Aを移動させ、挿入する。同様に、電子部品5B及び電子部品5Cを、電子基板1のそれぞれを挿入するべき位置に挿入する。
【0017】
図2に、実施例1のトレー10と配置シート20を示す。トレー10は、ステンレス層11及びゴム層12の二層構造でなる。トレー10のほぼ全面に、電子部品のリードを挿入するための挿入孔15が穿ってある。挿入孔15は、電子部品のリードを受け入れることができるよう、直径1.2mmである。挿入孔の深さは大半のリードを受け入れることのできる深さであり、またゴム層に届く深さである。また、多くの電子部品のリードは、インチ単位で配置されているため、隣り合う挿入孔は、0.1インチ(=2.14mm)のピッチで穿ってある。挿入孔15の深さは、多くの電子部品のピッチを受け入れることができるよう、最も長いリードの長さに合わせてある。
【0018】
電子基板の生産過程において、トレーは前後左右に頻繁に移動するため、電子部品の姿勢が崩れやすい。トレーがゴム層を備えるのは、挿入孔に電子部品を挿入した際にリードを適度に把持し、電子部品の姿勢が保たれるようにするためである。
【0019】
配置シート20は、ポリプロピレン製が適している。配置シート20には、電子部品を配置する位置を示す配置孔20があけてある。図3及び図4に示す通り、トレー10には、配置シート20を置く位置を決めるための位置決め突起14が設けてある。図4にトレー10を、図5に配置シート20を、図6にトレー10に配置シート20を載置した状態を、図7に配置シート20を介して電子部品5を挿入した状態を、それぞれ真上から見た図として示す。
【0020】
配置シートにおける配置孔の位置・形状・大きさは、トレーに対し電子部品をどのように挿入するかに応じて、決める。例えば、図4から図7に示すケースでは、電子部品5Bは、一つの電子部品がトレー10の上で占める空間は縦方向に挿入孔3個分、横方向に挿入孔3個分であり、電子部品間のすき間は、生産ラインでの電子部品の移動時の衝突を避ける等の事情を考慮して、挿入孔3個分が適している判断され、図5に示すとおりの配置孔25が設けられた。図6及び図7に示す通り、このような配置孔25の位置・形状・大きさは、電子部品5Bをトレー10に配置するのに適している。
【0021】
トレー10に配置シート20を載置する作業、及び、配置シート20を載置したトレー10に電子部品5Bを挿入する作業は、手作業で行う。トレー10への配置シートの載置は、位置決め突起14により行う。配置シート20に電子部品を挿入するべき場所が示されるため、電子部品の載置は容易である。図7では、電子部品を3個載置した状態を示すが、電子部品の載置は引き続き行われ、電子基板1の生産ラインで用いられる数の電子部品が、トレー10に載置される。
【0022】
電子部品のリードの間隔が0.1インチの倍数でない場合やリードの直径が1.2mm以上である場合、リードを挿入孔に挿入することができないので、トレー10を用いる対象外となる。また、電子部品の底面に突起がある等の理由によりトレー10に挿入すると電子部品に傾きが生じる場合にも、トレー10を用いる対象外となる。そのような電子部品以外であれば、トレーは、何度でも繰り返し使用できる。電子部品の大きさと形体に応じた配置シートは必要であるが、配置シートは製造が容易である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7