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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154654
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/06 20060101AFI20221005BHJP
   F25D 21/04 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
F25D23/06 J
F25D21/04 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021057784
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 雅久
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【弁理士】
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】岡部 裕一
【テーマコード(参考)】
3L102
【Fターム(参考)】
3L102JA01
3L102LB32
3L102LE01
(57)【要約】
【課題】放熱パイプからの放熱性が向上された冷蔵庫を提供する。
【解決手段】冷蔵庫10では、内箱13の前端に形成される内箱収納部134は、後方に向かって窪む第1凹状部135と、第1凹状部135の後方部分を更に後方に向かって窪ませた第2凹状部136と、第1凹状部135と第2凹状部136との間に形成された段差部137と、を有する。放熱パイプ27は、内箱収納部134に収納され、且つ、段差部137に当接する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外箱と、内箱と、断熱材と、放熱パイプと、を具備し、
前記外箱は、外箱後面部と、外箱側面部と、外箱前面部と、前記外箱前面部の後方側に形成された外箱収納部と、を有し、
前記内箱は、前記外箱後面部に対向する内箱後面部と、前記外箱側面部に対向する内箱側面部と、前記外箱収納部に収納される内箱収納部と、を有し、
前記断熱材は、前記外箱と前記内箱との間に充填され、
前記内箱収納部は、後方に向かって窪む第1凹状部と、前記第1凹状部の後方部分を更に後方に向かって窪ませた第2凹状部と、前記第1凹状部と前記第2凹状部との間に形成された段差部と、を有し、
前記放熱パイプは、前記内箱収納部に収納され、且つ、前記段差部に当接することを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記段差部は、前記放熱パイプの伸びる方向に沿って連続して形成されることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記第1凹状部の幅方向における長さは、前記放熱パイプの外径よりも長く、
前記第2凹状部の幅方向における長さは、前記放熱パイプの外径よりも短いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記第2凹状部の後端は、前記外箱の前記外箱収納部を構成する板材に当接することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の冷蔵庫。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に関し、特に、断熱箱体の前面近傍に放熱パイプが引き回される冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫は、断熱箱体と、断熱箱体の前面開口を閉鎖する断熱扉を有し、断熱箱体の内部に形成される貯蔵室は、冷凍サイクルにより冷却される。また、断熱箱体の前面開口の近傍に結露が発生することを防止するために、冷凍サイクルで用いられる高温冷媒が流通する冷媒配管を、断熱箱体の前面開口近傍に引き回している。このようにすることで、高温冷媒により、断熱箱体の前面開口近傍を昇温し、結露を抑制することができる。このような発明は、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
図6(A)は背景技術に係る冷蔵庫1000を示す上面断面図であり、図6(B)は内箱収納部1006の近傍を拡大して示す上面断面図である。
【0004】
図6(A)を参照して、冷蔵庫1000は、金属板から成る外箱1002と、外箱1002の内部に配置された内箱1001とを有する。内箱1001と外箱1002との間には、ウレタン等の断熱材が充填されている。
【0005】
図6(B)を参照して、外箱1002の前端には、外箱前面部1003が形成されている。また、外箱前面部1003から連続する鋼板を曲折加工することで外箱収納部1005が形成されている。内箱1001の前端には、内箱前面部1004が形成されている。内箱前面部1004の右方側には、内箱収納部1006が連続している。内箱収納部1006の内側であって後方部分には、押圧部1008が部分的に形成されている。
【0006】
放熱パイプ1007は、内箱収納部1006の内部に配置されている。放熱パイプ1007の前端は、外箱前面部1003に当接している。また、放熱パイプ1007の後端は、押圧部1008に当接している。即ち、放熱パイプ1007は、後側から押圧部1008により押さえつけられることで、外箱前面部1003に当接している。
【0007】
図7は、内箱1001の内箱収納部1006を後方から見た斜視図である。押圧部1008は、内箱収納部1006の後端を、部分的に前方に向かって窪ませることで形成されている。即ち、押圧部1008は、内箱収納部1006に沿って、所定の間隔を開けて離散的に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2018-71899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記した構成の冷蔵庫1000では、放熱パイプ1007の放熱性の観点から改善の余地があった。
【0010】
具体的には、図7に示したように、押圧部1008は、上下方向において離散的に形成される。よって、図6(B)を参照して、押圧部1008が存在する部分では、押圧部1008により押された放熱パイプ1007が外箱前面部1003に密着し、放熱パイプ1007からの放熱は良好に行われる。一方、押圧部1008が存在しない箇所では、押圧部1008により押されない放熱パイプ1007は、外箱前面部1003に密着せず、放熱パイプ1007からの放熱は良好に行われない恐れがある。
【0011】
また、図6(B)および図7を参照して、押圧部1008が形成された箇所では、押圧部1008と外箱収納部1005との間に間隙が形成される。よって、製造工程に含まれるウレタン発泡工程において、この間隙を経由してウレタンが漏れ出してしまう恐れがある。
【0012】
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、放熱パイプからの放熱性が向上された冷蔵庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の冷蔵庫は、外箱と、内箱と、断熱材と、放熱パイプと、を具備し、前記外箱は、外箱後面部と、外箱側面部と、外箱前面部と、前記外箱前面部の後方側に形成された外箱収納部と、を有し、前記内箱は、前記外箱後面部に対向する内箱後面部と、前記外箱側面部に対向する内箱側面部と、前記外箱収納部に収納される内箱収納部と、を有し、前記断熱材は、前記外箱と前記内箱との間に充填され、前記内箱収納部は、後方に向かって窪む第1凹状部と、前記第1凹状部の後方部分を更に後方に向かって窪ませた第2凹状部と、前記第1凹状部と前記第2凹状部との間に形成された段差部と、を有し、前記放熱パイプは、前記内箱収納部に収納され、且つ、前記段差部に当接することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の冷蔵庫では、前記段差部は、前記放熱パイプの伸びる方向に沿って連続して形成されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の冷蔵庫では、前記第1凹状部の幅方向における長さは、前記放熱パイプの外径よりも長く、前記第2凹状部の幅方向における長さは、前記放熱パイプの外径よりも短いことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の冷蔵庫では、前記第2凹状部の後端は、前記外箱の前記外箱収納部を構成する板材に当接することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の冷蔵庫は、外箱と、内箱と、断熱材と、放熱パイプと、を具備し、前記外箱は、外箱後面部と、外箱側面部と、外箱前面部と、前記外箱前面部の後方側に形成された外箱収納部と、を有し、前記内箱は、前記外箱後面部に対向する内箱後面部と、前記外箱側面部に対向する内箱側面部と、前記外箱収納部に収納される内箱収納部と、を有し、前記断熱材は、前記外箱と前記内箱との間に充填され、前記内箱収納部は、後方に向かって窪む第1凹状部と、前記第1凹状部の後方部分を更に後方に向かって窪ませた第2凹状部と、前記第1凹状部と前記第2凹状部との間に形成された段差部と、を有し、前記放熱パイプは、前記内箱収納部に収納され、且つ、前記段差部に当接することを特徴とする。本発明の冷蔵庫によれば、放熱パイプからの放熱性が向上された冷蔵庫を提供することが出来る。具体的には、放熱パイプが、内箱収納部の内部で、段差部に当接することにより、放熱パイプを外箱前面部の後面に効果的に押しつけることができる。よって、放熱パイプの内部を流通する高温冷媒から、外箱前面部に対して熱を効果的に伝導させることができる。
【0018】
また、本発明の冷蔵庫では、前記段差部は、前記放熱パイプの伸びる方向に沿って連続して形成されることを特徴とする。本発明の冷蔵庫によれば、放熱パイプが、その長さ方向に渡って連続的に、段差部により前方に向かって押される。よって、放熱パイプは、その長さ方向に渡って連続的に、外箱前面部に押しつけられ、外箱前面部に対して熱を更に効果的に伝導させることができる。
【0019】
また、本発明の冷蔵庫では、前記第1凹状部の幅方向における長さは、前記放熱パイプの外径よりも長く、前記第2凹状部の幅方向における長さは、前記放熱パイプの外径よりも短いことを特徴とする。本発明の冷蔵庫によれば、第1凹状部の幅方向における長さを、放熱パイプの外径よりも長くすることで、放熱パイプの一部分を第1凹状部に収納することができる。また、第2凹状部の幅方向における長さを、放熱パイプの外径よりも短くすることで、第1凹状部と第2凹状部との間に形成される段差部を、放熱パイプに確実に当接させることができる。
【0020】
また、本発明の冷蔵庫では、前記第2凹状部の後端は、前記外箱の前記外箱収納部を構成する板材に当接することを特徴とする。本発明の冷蔵庫によれば、第2凹状部の後端が、外箱の外箱収納部を構成する板材に当接することで、内箱と外箱との間に間隙が形成されないことから、この間隙を経由して発泡断熱材が外部に漏れ出すことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、(A)は冷蔵庫を示す斜視図であり、(B)は断熱扉を取り外した冷蔵庫を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を備えた冷蔵庫を示す側方断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す分解斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、(A)は断熱箱体を示す上方断面図であり、(B)は外箱収納部および内箱収納部を拡大して示す上方断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、(A)は内箱収納部を詳細に示す上方断面図であり、(B)は内箱収納部を示す斜視図である。
図6】背景技術に係る冷蔵庫を示す図であり、(A)は冷蔵庫を示す上面断面図であり、(B)は外箱前面部の近傍を拡大して示す上面断面図である。
図7】背景技術に係る冷蔵庫を示す図であり、内箱収納部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係る冷蔵庫10を図面に基づき詳細に説明する。以下の説明では、同一の部材には原則的に同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。更に、以下の説明では、上下前後左右の各方向を適宜用いるが、左右とは冷蔵庫10を前方から見た場合の左右を示している。
【0023】
図1(A)は冷蔵庫10を示す斜視図であり、図1(B)は断熱扉22等を取り外した断熱箱体11を示す斜視図である。
【0024】
図1(A)を参照して、冷蔵庫10は、断熱箱体11と、断熱箱体11の内部に形成された貯蔵室とを有している。貯蔵室として、冷蔵室20、野菜室15および冷凍室21を有している。冷蔵室20の前方開口は、回転式の断熱扉22で閉鎖され、野菜室15の前方開口は引出式の断熱扉23で閉鎖されている。また、冷凍室21の前面開口は、引出式の断熱扉24および断熱扉25で閉鎖されている。
【0025】
図1(B)を参照して、断熱箱体11の前面には、外箱前面部124が形成されている。特に、冷凍室21の近傍、即ち点線で囲んだ部分は、冷蔵庫10の運転時において、断熱箱体11の内部と外部との温度差が大きいことから、外箱前面部124に結露が発生する恐れが大きい。本実施形態では、後述するように、外箱前面部124の内部に、放熱パイプ27を配設することにより、外箱前面部124の表面に結露が発生することを抑制している。
【0026】
図2は、冷蔵庫10の側方断面図である。この図を参照して、断熱箱体11は、所定形状に曲折加工された鋼板からなる外箱12と、外箱12と離間した内側に配置された合成樹脂板から成る内箱13と、外箱12と内箱13との間に充填された断熱材14とから構成されている。
【0027】
断熱箱体11の内部の貯蔵室は、上方から冷蔵室20、野菜室15および冷凍室21に区画されている。冷蔵室20は生鮮食品や飲料などを貯蔵する冷蔵温度帯域の貯蔵室である。野菜室15は、野菜や果物などが収納される冷蔵温度帯域の貯蔵室である。冷凍室21は、冷凍食品や氷等が収納される冷凍温度帯域の貯蔵室である。
【0028】
冷凍室21の奥側には冷却室16が区画形成され、冷却室16には蒸発器17が収納されている。断熱箱体11の下端後方には機械室39が区画形成され、機械室39には圧縮機26が配置されている。蒸発器17および圧縮機26は、ここでは図示しない膨張手段および凝縮器と共に、蒸気圧縮型冷凍サイクルを形成している。また、冷却室16の上方には送風路19が繋がっている。冷却室16において蒸発器17で冷却された空気は、ここでは図示しない送風機の送風力により、送風路19を経由して、冷蔵室20に送風される。また、蒸発器17が冷却した空気の一部は、冷却室16の前方に形成された開口を経由して、冷凍室21にも送風される。
【0029】
冷却室16の内部であって蒸発器17の下方には除霜ヒータ18が配置される。除霜ヒータ18は通電により発熱するヒータであり、除霜行程において通電されることで発熱し、発生した熱により蒸発器17の霜が溶融される。
【0030】
図3は、冷蔵庫10を示す分解斜視図である。
【0031】
外箱12には、冷蔵室内箱28および冷凍室内箱29が収納される。冷蔵室内箱28および冷凍室内箱29は、ABS (Acrylonitrile-Butadiene-Styrene)等からなる樹脂板を、所定形状に真空成形したものである。冷蔵室内箱28の内部には、前述した冷蔵室20および野菜室15が形成される。冷凍室内箱29の内部には、前述した冷凍室21が形成される。
【0032】
放熱パイプ27は、前述した蒸気圧縮型冷凍サイクルに用いられる冷媒が流通し、鉄管または銅管から成る。放熱パイプ27の内部は、前述した圧縮機26により圧縮されることで高温とされた高温冷媒が流通する。放熱パイプ27の一部は、後述する外箱12の前面と、冷凍室内箱29の前面と、の間に配置される。
【0033】
図4(A)は断熱箱体11を示す上方断面図である。図4(B)は外箱収納部125および内箱収納部134を拡大して示す上方断面図であり、図4(A)において点線で囲まれた部分を拡大して示している。
【0034】
図4(A)を参照して、断熱箱体11は、外箱12と、内箱13と、を有する。
【0035】
外箱12は、外箱後面部121と、外箱側面部122と、外箱側面部123と、外箱前面部124と、を有する。外箱後面部121は、断熱箱体11の後端で左右方向に沿って伸びる。外箱側面部122は、断熱箱体11の左端で前後方向に沿って伸びる。外箱側面部123は、断熱箱体11の右端で前後方向に沿って伸びる。外箱前面部124は、断熱箱体11の前端で左右方向に沿って伸びる。
【0036】
内箱13は、内箱後面部131と、内箱側面部132と、内箱側面部133と、内箱前面部138と、を有する。内箱後面部131は外箱後面部121に対向し、内箱側面部132は外箱側面部122に対向し、内箱側面部133は外箱側面部123に対向する。
【0037】
図4(B)は、図4(A)の点線で囲んだ部分、即ち、断熱箱体11の右前面近傍を示している。断熱箱体11の前面は、外箱前面部124および内箱前面部138から成る。外箱前面部124は、外箱側面部123の前端部と略直角に連続している。内箱前面部138は、図4(A)に示した内箱側面部133の前端と略直角に連続している。ここで、図4(A)に示す左前面近傍の構成も、図4(B)に示した構成と同様である。
【0038】
外箱収納部125は、外箱前面部124と連続する部位であり、後述する内箱収納部134および放熱パイプ27が収納される部位である。
【0039】
具体的には、外箱収納部125は、外箱前面部124から連続する鋼板を所定形状に曲折させた部位である。外箱収納部125は、平坦部31ないし平坦部37を有する。平坦部31は、外箱前面部124の後方側に配置され、左右方向に沿って伸び、外箱前面部124の左方側端部と、曲折部30を介して連続している。平坦部33は、外箱側面部123の内面近傍において前後方向に沿って伸び、曲折部32を介して平坦部31の右端と連続している。平坦部35は、左方に向かって前方に傾斜するように伸び、曲折部34を介して平坦部33の後端と連続している。平坦部37は、左方に向かって後方に傾斜するように伸び、曲折部36を介して平坦部35の左端と連続している。
【0040】
内箱収納部134は、内箱前面部138から右方に向かって連続する部位であり、放熱パイプ27を固定するために、外箱収納部125の内部に配置される。内箱収納部134は、第1凹状部135と、第2凹状部136と、を有する。第1凹状部135は後方に向かって窪む部位であり、第2凹状部136は、第1凹状部135の後方部分を更に後方に向かって窪ませた部位である。また、第1凹状部135と第2凹状部136との間には、段差部137が形成されている。
【0041】
放熱パイプ27の後方部分は、2つの段差部137により前方に向かって押されている。よって、放熱パイプ27の前端は平坦部31の後面に押さえつけられる。従って、冷蔵庫10が運転される際に、放熱パイプ27の内部に高温冷媒が流れると、高温冷媒から発生した熱は、放熱パイプ27、平坦部31、曲折部30および外箱前面部124を経由し、外部に良好に放熱される。このことから、外箱前面部124を効果的に昇温することができ、外箱前面部124の前面に結露が発生することを抑制できる。更に、放熱パイプ27の内部を流れる高温冷媒を、効果的に冷却することができる。
【0042】
また、内箱収納部134の後端部38は、外箱収納部125の平坦部35の前面に当接している。換言すると、外箱収納部125の平坦部35は、内箱収納部134の後端部38を前方に向かって付勢しており、後端部38と平坦部35との間に間隙は形成されていない。よって、外箱12と内箱13との間に、前述した断熱材14を発泡充填する工程において、第2凹状部136の後端部38と平坦部35との間から、断熱材14が漏れ出すことを防止することができる。
【0043】
図5(A)は内箱収納部134を詳細に示す上方断面図であり、図5(B)は内箱収納部134を示す斜視図である。
【0044】
図5(A)を参照して、放熱パイプ27の外径をL10、第2凹状部136の幅方向における長さをL11、第1凹状部135の幅方向における長さをL12とする。ここで、L11は、段差部137どうしが離間する幅でもある。そうすると、L10は、L11よりも長く、且つ、L12よりも短く設定される。このようにすることで、第1凹状部135の内部に放熱パイプ27を部分的に収納することができる。更に、放熱パイプ27の後方部分に、2つの段差部137を確実に当接させることができる。
【0045】
図5(B)を参照して、前述した第1凹状部135および第2凹状部136は、連続して形成される。図1(B)では、第1凹状部135および第2凹状部136が形成される部分を破線で囲んでいる。具体的には、断熱箱体11の前面の左辺部および右辺部に於いて、第1凹状部135および第2凹状部136は、下端から、野菜室15の上端近傍まで連続して形成される。更に、断熱箱体11の前面の下辺において、第1凹状部135および第2凹状部136は、左端近傍から右端近傍に至るまで連続して形成される。
【0046】
よって、これらの部分において、前述した段差部137も、連続して形成され、前述した放熱パイプ27を、その長さ方向に渡って連続的に前方に向かって押圧することができる。このことから、図4(B)を参照して説明した、放熱パイプ27を平坦部31に当接させる効果が得られる。また、点線で示す後端部38も連続して形成される。よって、図4(B)に示したように、後端部38が平坦部35に当接することで、発泡工程において、外箱収納部125の平坦部35と、内箱収納部134と後端部38の間から、発泡材が漏洩することを抑制できる。
【0047】
前述した本実施形態により、以下のような主要な効果を奏することができる。
【0048】
図4(B)を参照して、放熱パイプ27が、内箱収納部134の内部で、段差部137に当接することにより、放熱パイプ27を外箱前面部124の後面に効果的に押しつけることができる。よって、放熱パイプ27の内部を流通する高温冷媒から、外箱前面部124に対して熱を効果的に伝導させることができる。
【0049】
図5(B)および図4(B)を参照して、放熱パイプ27が、その長さ方向に渡って連続的に、内箱収納部134の段差部137により前方に向かって押される。よって、放熱パイプ27は、その長さ方向に渡って連続的に、外箱前面部124に押しつけられ、外箱前面部124に対して熱を更に効果的に伝導させることができる。
【0050】
図5(A)を参照して、第1凹状部135の幅方向における長さを、放熱パイプ27の外径よりも長くすることで、放熱パイプ27の一部分を第1凹状部135に収納することができる。また、第2凹状部136の幅方向における長さを、放熱パイプ27の外径よりも短くすることで、第1凹状部135と第2凹状部136との間に形成される段差部137を、放熱パイプ27に確実に当接させることができる。
【0051】
図4(B)を参照して、内箱収納部134の後端部38が、外箱12の外箱収納部125を構成する板材に当接することで、内箱収納部134と外箱収納部125との間に間隙が形成されないことから、この間隙を経由して断熱材14が外部に漏れ出すことを防止できる。
【0052】
本発明は、前述実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。また、前述した各形態は相互に組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0053】
10 冷蔵庫
11 断熱箱体
12 外箱
121 外箱後面部
122 外箱側面部
123 外箱側面部
124 外箱前面部
125 外箱収納部
13 内箱
131 内箱後面部
132 内箱側面部
133 内箱側面部
134 内箱収納部
135 第1凹状部
136 第2凹状部
137 段差部
138 内箱前面部
14 断熱材
15 野菜室
16 冷却室
17 蒸発器
18 除霜ヒータ
19 送風路
20 冷蔵室
21 冷凍室
22 断熱扉
23 断熱扉
24 断熱扉
25 断熱扉
26 圧縮機
27 放熱パイプ
28 冷蔵室内箱
29 冷凍室内箱
30 曲折部
31 平坦部
32 曲折部
33 平坦部
34 曲折部
35 平坦部
36 曲折部
37 平坦部
38 後端部
39 機械室
1000 冷蔵庫
1001 内箱
1002 外箱
1003 外箱前面部
1004 内箱前面部
1005 外箱収納部
1006 内箱収納部
1007 放熱パイプ
1008 押圧部


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7