(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154702
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20221005BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
B41J2/175 133
B41J2/175 175
B41J2/01 401
B41J2/01 303
B41J2/175 315
B41J2/175 113
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021057860
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】林 雅洋
(72)【発明者】
【氏名】大木 聡
(72)【発明者】
【氏名】芦田 七海
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 真也
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EB20
2C056EB45
2C056EB52
2C056EB56
2C056EB59
2C056FA10
2C056HA36
2C056KC30
(57)【要約】
【課題】液体ボトルから液体貯留室内に液体を注入するときに、誤った仕様の液体ボトルから液体を注入してしまうことを防ぐ。
【解決手段】プリンタ1は、情報記憶部106を有するインクボトル105を支持する支持部分19bと、情報記憶部106に記憶された情報を読み取る情報読取部85と、支持部分19bに支持されたインクボトル105に収容されたインクが貯留室62a内に注入されることを規制可能な規制機構としての移動機構71と、を有している。制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されないとき、注入規制位置から注入可能位置へのインクタンク61の移動が禁止されるように移動機構71を制御する。また、制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されたとき、注入規制位置から注入可能位置へのインクタンク61の移動が許容されるように移動機構71を制御する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、
液体を貯留する液体貯留室及び前記液体貯留室と外部とを連通する液体注入口を有する液体貯留部と、
内部に収容された液体に関する情報が記憶された情報記憶部を有する液体ボトルを着脱可能に支持する支持部と、
前記支持部に支持された前記液体ボトルの前記情報記憶部に記憶された前記情報を読み取る情報読取部と、
前記支持部に支持された前記液体ボトルに収容された液体が前記液体注入口を通って前記液体貯留室内に注入されることを規制可能な規制機構と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記情報読取部によって読み取られた前記情報が認証されないとき、前記支持部に支持された前記液体ボトルから前記液体貯留室内への液体の注入が規制された注入規制状態が維持されるように、前記規制機構を制御し、
前記情報読取部によって読み取られた前記情報が認証されたとき、前記注入規制状態から、前記液体ボトルから前記液体貯留室内への液体の注入が可能となる注入可能状態となることが許容されるように、前記規制機構を制御することを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
記録媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、
前記液体吐出ヘッド及び前記液体貯留部を支持するキャリッジと、
をさらに備え、
前記規制機構は、前記搬送方向と交差する走査方向に前記キャリッジを移動させる移動機構であり、
前記制御部は、
前記情報読取部によって読み取られた前記情報が認証されないとき、前記支持部に支持された前記液体ボトルから前記液体貯留室内への液体の注入が規制される注入規制位置から、前記支持部に支持された前記液体ボトルの下方に前記液体注入口が位置することとなる注入可能位置への前記液体貯留部の移動が禁止されるように、前記移動機構を制御し、
前記情報読取部によって読み取られた前記情報が認証されたとき、前記注入規制位置から前記注入可能位置への前記液体貯留部の移動が許容されるように、前記移動機構を制御することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記規制機構は、前記液体ボトルの排出口から前記液体貯留室までの流路に配置された開閉可能な弁であり、
前記制御部は、
前記情報読取部によって読み取られた前記情報が認証されないとき、閉状態が維持されるように、前記弁を制御し、
前記情報読取部によって読み取られた前記情報が認証されたとき、前記閉状態から開状態となることが許容されるように、前記弁を制御することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記規制機構は、前記液体注入口へのアクセスを阻害するカバー部材をロックするロック機構であり、
前記制御部は、
前記情報読取部によって読み取られた前記情報が認証されないとき、前記液体注入口へのアクセスを阻害する前記カバー部材のロックが維持されるように、前記ロック機構を制御し、
前記情報読取部によって読み取られた前記情報が認証されたとき、前記カバー部材のロックの解除が許容されるように、前記ロック機構を制御することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
前記液体貯留部を複数備えており、
前記制御部は、
前記情報読取部によって読み取られた前記情報が認証されたとき、複数の前記液体貯留部のうちで当該認証に対応した前記液体貯留部について、前記注入規制位置から前記注入可能位置への移動が許容されるように、前記移動機構を制御することを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項6】
前記情報読取部を一つ備えており、前記支持部を一つ備えていることを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
【請求項7】
前記液体貯留部を複数備えており、
複数の前記液体貯留部のそれぞれに対応する前記情報読取部及び前記支持部を、前記液体貯留部と同じ数だけ備えていることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の液体吐出装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記液体ボトルの前記情報記憶部に記憶された前記情報を認証するための認証情報を記憶する記憶部を含んでおり、
前記記憶部に記憶された前記認証情報を用いて前記情報を認証することを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の液体吐出装置。
【請求項9】
前記液体貯留室内に貯留された液体の残量を検出する残量検出部と、
前記液体ボトルを前記支持部に支持させるタイミングを報知する報知部と、
をさらに備え、
前記制御部は、
前記残量検出部によって検出された前記液体貯留室内の液体の残量が所定量を下回ったとき、前記液体ボトルを前記支持部に支持させるタイミングとなったことを前記報知部に報知させることを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の液体吐出装置。
【請求項10】
前記残量検出部は、センサーアーム方式であることを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置。
【請求項11】
前記残量検出部は、プリズム方式であることを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置。
【請求項12】
前記残量検出部は、前記液体吐出ヘッドの前記ノズルから吐出された液体量をカウントするカウント部と、前記カウント部によってカウントされた液体量に基づいて前記液体貯留部内に貯留された液体の残量を算出する算出部とを有することを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体が貯留される液体貯留部を備える液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液体噴射ヘッド(液体吐出ヘッド)と、液体噴射ヘッドに供給するインクを収容するインクタンク(液体貯留部)と、液体噴射ヘッドとインクタンクとを搭載し、移動経路上を移動可能なキャリッジとを備えた液体噴射装置(液体吐出装置)が記載されている。
【0003】
特許文献1の装置では、インクタンクは、インクを補充容器(液体ボトル)から注入可能な液体注入口を備えている。液体注入口は、液体噴射ヘッドよりも上方に配置されていて、通常はキャップにより閉じられている、インクタンクへのインクの補充は、キャップを外し、キャリッジが液体注入可能位置に位置した状態で、補充容器を液体注入口に装着して行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、インクタンクが装置の前面から遠い位置にある場合や、液体注入可能位置においてインクタンクの一部しか視認できない場合などでは、ユーザがインクタンクの内部に収容されているインクの種類やインクタンクが収容可能なインク容量などを正確に認識することが難しい。このような場合、インクタンクに注入すべきインクとは異なる種類のインクが収容された補充容器や、インクタンクのインク容量とは異なるインク容量の補充容器を液体注入口に装着してしまうことがある。そうすると、収容するインクの種類やインク容量といった補充容器の仕様がインクタンクとは対応していない誤った仕様の補充容器から、インクタンクにインクが注入されてしまう。
【0006】
本発明の目的は、液体ボトルから液体貯留室内に液体を注入するときに、誤った仕様の液体ボトルから液体を注入してしまうことを防ぐ液体吐出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る液体吐出装置は、記録媒体に液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、液体を貯留する液体貯留室及び前記液体貯留室と外部とを連通する液体注入口を有する液体貯留部と、内部に収容された液体に関する情報が記憶された情報記憶部を有する液体ボトルを着脱可能に支持する支持部と、前記支持部に支持された前記液体ボトルの前記情報記憶部に記憶された前記情報を読み取る情報読取部と、前記支持部に支持された前記液体ボトルに収容された液体が前記液体注入口を通って前記液体貯留室内に注入されることを規制可能な規制機構と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記情報読取部によって読み取られた前記情報が認証されないとき、前記支持部に支持された前記液体ボトルから前記液体貯留室内への液体の注入が規制された注入規制状態が維持されるように、前記規制機構を制御し、前記情報読取部によって読み取られた前記情報が認証されたとき、前記注入規制状態から、前記液体ボトルから前記液体貯留室内への液体の注入が可能となる注入可能状態となることが許容されるように、前記規制機構を制御する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、情報読取部に読み取られた情報に基づいて、支持部に支持された液体ボトルの仕様が、液体貯留部に対応するものであるか否かを判断している。そして、当該情報が認証されたときのみ注入可能状態とすることができる。このため、液体ボトルから液体貯留室内に液体を注入するときに、誤った仕様の液体ボトルから液体を注入してしまうことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係るプリンタの概略構成図である。
【
図2】
図1のプリンタの上部カバーが開いた状態における全体斜視図である。
【
図3】
図1に示すプリンタの内部構造を模式的に示す縦断面図である。
【
図4】
図2に示すインクタンク及びインクジェットヘッドの側面図である。
【
図5】
図1のプリンタの電気的構成を示すブロック図である。
【
図7】
図2のVII―VII断面図であって、インクボトルがボトル支持部に支持されたときを示す図である。
【
図8】第3実施形態のインクタンク及びインクジェットヘッドの側面図である。
【
図9】変形例に係るボトル支持部を示す部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るプリンタ1(本発明の液体吐出装置)について、
図1~
図6を参照しつつ、以下に説明する。なお、
図1に示す上下方向、左右方向及び前後方向を、プリンタ1の上下方向、左右方向及び前後方向とする。
【0011】
(プリンタ1の全体構成)
図1に示すように、プリンタ1は、概ね直方体の筐体11を有する。筐体11の前壁11aの略中央には、開口12が形成されている。開口12には、給紙トレイ15及び排紙トレイ16が、上下2段に設けられている。給紙トレイ15は、開口12から前後方向に挿抜可能、すなわち、筐体11から着脱可能に構成されている。所望のサイズ(例えば、A4サイズ)の用紙P(本発明の記録媒体)が給紙トレイ15に載置される。プリンタ1は、パーソナルコンピュータ(以下PCと称する)などの外部機器と接続可能である。そして、PCなどからの記録データに基づいて記録動作を実行する。
【0012】
筐体11の上面の左部には、
図1に示すように、操作部13が設けられている。操作部13は、各種設定のために操作されるボタンや、各種情報が表示される液晶ディスプレイなどによって構成されている。本実施形態において、操作部13は、各種設定のために操作されるボタンによって構成されている。操作部13は、ボタン及び液晶ディスプレイの双方の機能を有するタッチパネルによって構成されていてもよい。
【0013】
筐体11の上部は開口している。プリンタ1は、
図3に示すように、筐体11の上部開口を部分的に覆うスキャナ部材99を有している。スキャナ部材99は、用紙Pの画像情報を読み取り可能である。スキャナ部材99に読み取られた情報は、後述の制御部40のRAM133に一時的に保存される。なお、画像データに名前を付けて保存する場合、当該情報は後述のEEPROM134に保存されてもよい。本実施形態において、スキャナ部材99は、フラットベットスキャナである。
【0014】
筐体11は、
図1~
図3に示すように、その天井部分を構成する開閉カバー14を有する。開閉カバー14は、スキャナ部材99の上部全体を覆う。開閉カバー14は、筐体11の後端部において、左右方向に沿う回転軸(不図示)を回転中心として回転可能に構成されている。開閉カバー14は、
図3に示すように、筐体11の後端部の回転軸(不図示)を回転中心として、反時計回りに回転させることで開状態となり、スキャナ部材99を外部に露出させる。開閉カバー14は、記録部30(後述)による用紙Pへの画像の記録やインクタンク61(後述)へのインクの補給などが行われる際には閉状態とする。開閉カバー14には、
図1に示すように、前後方向における中央部分よりも後側であって左端の部分に切欠きが形成されている。
【0015】
また、平面視で開閉カバー14と重ならない位置において、筐体11の上部の一部を覆う開閉可能な上部カバー73が形成されている。上部カバー73は、
図2に示すように、筐体11の上面の後部且つ左部において左右方向に沿う回転軸74を回転中心として回転可能に構成されている。開閉カバー14及び上部カバー73によって、筐体11の上部の全体が覆われている。
【0016】
(プリンタ1の内部構造)
次に、プリンタ1の内部構造について説明する。
図3に示すように、プリンタ1は、搬送機構20と、記録部30と、ボトル支持部19と、上述したスキャナ部材99と、残量検出部80(
図5参照)と、情報読取部85(
図5及び
図6参照)と、報知部86(
図5参照)と、制御部40とを含む。
【0017】
搬送機構20は、給送部50と、搬送路52と、搬送ローラ対53と、排紙ローラ対54とを有する。給送部50は、
図3に示すように、給紙トレイ15に載置される用紙Pを搬送路52へ給送する。搬送ローラ対53は、給送部50によって給紙された用紙Pを記録部30に搬送する。記録部30は、例えば、インクジェット記録方式の構成を有し、搬送ローラ対53によって搬送された用紙Pに画像を記録する。排紙ローラ対54は、記録部30によって記録された用紙Pを排紙トレイ16に排紙する。
【0018】
給送部50は、
図3に示すように、給紙トレイ15の上側に設けられている。給送部50は、給紙ローラ50aとアーム50bとを有する。給紙ローラ50aは、アーム50bの先端に回転可能に支持されている。アーム50bは、支軸50cに回動可能に支持され、バネなどにより付勢されて給紙ローラ50aが給紙トレイ15に接触するように下側へ回動されている。また、アーム50bは、給紙トレイ15を着脱する際に上方へ退避可能に構成されている。給紙ローラ50aは、給紙モータ91M(
図5参照)によって駆動されて回転し、給紙トレイ15内に積載された用紙Pが、搬送路52へ給送される。
【0019】
給紙トレイ15は、
図3に示すように、斜壁部15aを有する。斜壁部15aは、給紙トレイ15に載置される用紙Pが給紙ローラ50aによって給送されるときに、用紙Pを搬送路52に案内する。
【0020】
搬送路52は、筐体11内に構成されており、
図3に示すように、給紙トレイ15の後側の端部から上方且つプリンタ1の前側へ曲がっている。給紙トレイ15から給送された用紙Pは、搬送路52により下方から上方へUターンするように案内されて記録部30に至る。
【0021】
搬送ローラ対53は、下側に配置された搬送ローラ53aと上側に配置されたピンチローラ53bとを有する。搬送ローラ53aは、搬送モータ92M(
図5参照)によって駆動されて回転する。ピンチローラ53bは、搬送ローラ53aの回転に伴って連れ回る。搬送ローラ53aとピンチローラ53bとは、協働して用紙Pを上下方向から挟持し、用紙Pを記録部30へ搬送する。
【0022】
排紙ローラ対54は、下側に配置された排紙ローラ54aと、上側に配置された拍車ローラ54bとを有する。排紙ローラ54aは、排紙モータ93M(
図5参照)によって駆動されて回転する。拍車ローラ54bは、排紙ローラ54aの回転に伴って連れ回る。排紙ローラ54aと拍車ローラ54bとは、協働して用紙Pを上下方向から挟持し、用紙Pを排紙トレイ16に搬送する。
【0023】
なお、本実施形態において、用紙Pの搬送方向とは、給紙トレイ15から搬送機構20によって搬送される方向であって、
図3中の実線矢印方向である。具体的には、用紙Pの搬送方向は、給紙ローラ50aによって前方から後方に送られ、搬送路52によってUターンするように案内され、さらに、搬送ローラ対53及び排紙ローラ対54によって後方から前方に送られる方向である。
【0024】
記録部30は、
図3に示すように、インクジェットヘッド31(本発明の液体吐出ヘッド)と、4つのインクタンク61(本発明の液体貯留部)と、キャリッジ70と、移動機構71と、プラテン17とを有する。キャリッジ70は、走査方向(左右方向であって、用紙Pの搬送方向と交差する方向)へ往復移動する。インクジェットヘッド31及びインクタンク61は、キャリッジ70に支持されている。つまり、本実施形態におけるプリンタ1は、インクタンク61及びインクジェットヘッド31がキャリッジ70に搭載された所謂オンキャリッジ型である。本実施形態におけるインクタンク61は、その全体がインクジェットヘッド31よりも上方に位置する。しかし、これに限らず、インクタンク61の一部がインクジェットヘッド31の上面よりも上方に位置し、残りの部分が当該上面よりも下方に位置していてもよい。
【0025】
それぞれのインクタンク61は、
図4に示すように、タンク本体62と、バルブ63と、大気連通路64と、電磁バルブ65とを有している。タンク本体62は、略直方体形状を有しており、内部にインクを貯留するためのインク貯留室62a(本発明の液体貯留室)が形成されている。4つのインクタンク61のぞれぞれのインク貯留室62aには、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック(M、C、Y、B)のインクが貯留される。また、タンク本体62は、主に透光性材料(例えば、透明又は半透明樹脂)により作製される。これにより、ユーザがインク貯留室62aにおけるインクの量を視認できる。
【0026】
タンク本体62には、
図4に示すように、その上壁62bを貫通する貫通孔62cが形成されている。貫通孔62cは、上壁62bの左右方向の中央であって、やや前方寄りの位置に形成されている。貫通孔62cには、筒体66が嵌め込まれている。筒体66は、その上端部にインク注入口67(本発明の液体注入口)を有する。インク注入口67は、上方(すなわち、外部)に向かって開放された開口である。筒体66の内周面は、インク注入口67からインク貯留室62aに至るインク供給路66a(本発明の流路)を区画する。これにより、インク注入口67は、インク貯留室62aと外部とを連通する。
【0027】
バルブ63は、インク注入口67を開閉するためのバルブである。バルブ63は、例えば、2方向電磁バルブであって、弁部63aとソレノイド部63bとを有する。弁部63aは、インク貯留室62aに配置され、インク注入口67とインク貯留室62aとに連通する内部流路(不図示)と当該内部流路を開閉する弁(不図示)とを有している。バルブ63は、制御部40の制御により、ソレノイド部63bが駆動されることで、弁部63aが前後方向に移動し、インク注入口67を開閉させる。バルブ63が開状態のとき、インク注入口67を通ってインク貯留室62a内にインクを注入することが可能となる。また、バルブ63が閉状態のとき、インク注入口67を通ってインク貯留室62a内にインクを注入することが規制される。
【0028】
タンク本体62には、
図4に示すように、その上壁62bを貫通し、インク貯留室62aと外部とを連通する大気連通路64が形成されている。大気連通路64は、上壁62bの左右方向の中央であって、後方の位置に形成されている。
【0029】
電磁バルブ65は、大気連通路64を開閉するためのバルブである。電磁バルブ65は、キャリッジ70の上方に配置されている。電磁バルブ65は、2方向電磁バルブであって、弁部65aとソレノイド部65bとを有する。弁部65aは、インク貯留室62aに配置され、大気連通路64とインク貯留室62aとに連通する内部流路(不図示)と当該内部流路を開閉する弁(不図示)とを有している。電磁バルブ65は、制御部40の制御により、ソレノイド部65bが駆動されることで、弁部65aが前後方向に移動し、大気連通路64を開閉させる。
【0030】
また、タンク本体62には、その底壁62gを貫通し、インク貯留室62aのインクをインクジェットヘッド31へ流出する流出口62hが形成されている。流出口62hは、底壁62gの左右方向の中央であって、前端部付近の位置に配置されている。
【0031】
インクジェットヘッド31は、インクタンク61からのインクが供給される内部流路(不図示)を有する。また、インクジェットヘッド31は、
図4に示すように、その下面であるノズル面31aに形成された複数のノズル32からインクを吐出する。より詳細に説明すると、複数のノズル32は、前後方向であって用紙Pの搬送方向に沿ったノズル列を形成している。複数のノズル32からは、インクが吐出される。
【0032】
インクジェットヘッド31は、
図4に示すように、接続部材69を介してインクタンク61と接続されている。接続部材69には、流出口62hとインクジェットヘッド31の内部流路とを繋ぐ連通路(液体流路)69aが形成されている。これにより、インクタンク61のインク貯留室62aに貯留されたインクがインクジェットヘッド31に供給される。
【0033】
プラテン17は、インクジェットヘッド31の下方に配設されており、搬送ローラ対53によって搬送される用紙Pを下方から支持する。プラテン17は、キャリッジ70の往復移動範囲のうち、用紙Pが通過する部分に配設されている。プラテン17の幅は、搬送可能な用紙Pの最大幅より十分に大きいので、搬送路52を搬送される用紙Pは常にプラテン17上を通過する。
【0034】
移動機構71は、
図3に示すように、一対のガイドレール72、及び、ベルト伝達機構(不図示)を含む。一対のガイドレール72は、前後方向に離隔して配置され、左右方向に互いに平行に延在している。キャリッジ70は、これら一対のガイドレール72を跨ぐように配置されている。キャリッジ70は、ベルト伝達機構を介してキャリッジモータ94M(
図5参照)に接続されており、キャリッジモータ94Mを駆動させると、ベルト伝達機構が駆動される。これにより、キャリッジ70が一対のガイドレール72に沿って走査方向(左右方向)に移動し、インクジェットヘッド31を左右方向に沿って移動させる。
【0035】
インクジェットヘッド31は、記録データに基づく制御部40の制御により、ノズル32からインクを吐出する。つまり、キャリッジ70が左右方向へ往復移動することにより、インクジェットヘッド31が用紙Pに対して走査されると共に、ノズル32から、インクを吐出することで、プラテン17上を搬送される用紙Pに画像が記録される。なお、プリンタ1内には、走査方向に間隔を空けて配列された多数の透光部(スリット)を有するリニアエンコーダ(不図示)が設けられている。一方、キャリッジ70には、発光素子と受光素子とを有する透過型の位置検出センサ(不図示)が設けられている。そして、プリンタ1は、キャリッジ70の移動中に位置検出センサが検出したリニアエンコーダの透光部の計数値から、キャリッジ70の走査方向に関する現在位置を認識できるようになっており、キャリッジモータ94Mの回転駆動が制御される。
【0036】
ボトル支持部19は、
図6に示すように、インクタンク61のインク注入口67にインクを注入するインクボトル105を支持する部材である。ボトル支持部19は、キャリッジ70の上方であって、上部カバー73の下方に1つ配置されている。ボトル支持部19は、左右方向に沿って延びる平板状の基部19aと、基部19aに形成され、インクボトル105の先端部分を支持可能な支持部分19b(本発明の支持部)を1つ有している。1つの支持部分19bには、4つのインクタンク61のうちのインクを補充しようとするインクタンク61に収容されたインクの種類と同じインクが収容されたインクボトル105の先端部分が支持される。そして、支持部分19bに支持されたインクボトル105が、当該インクタンク61のインク注入口67に装着されることにより、インクボトル105から当該インクタンク61のインク貯留室62aにインクが注入される。
【0037】
インクボトル105は、内部に収容されたインクに関する情報が記憶された情報記憶部106を有する。情報記憶部106は、インクボトル105の先端付近に形成されている。情報記憶部106は、例えば、COB(Chip On Board)タイプである。情報記憶部106に記憶されたインクに関する情報とは、例えば、インクボトル105に収容されたインクの種類やインクボトル105の容量などの情報である。また、インクの種類とは、インクの色、顔料・染料の種類、当該インクに対応する機種などである。
【0038】
なお、本実施形態において、インクボトル105は、小型の使い切りボトルである。すなわち、インクボトル105からインクタンク61にインクを注入する際には、インクボトル105内のインクの全量が注入される。
【0039】
スキャナ部材99は、開閉カバー14の下方であってキャリッジ70よりも上方の位置において、左右方向に沿って配設されている。スキャナ部材99は、平面視で上部カバー73と重ならない位置に配置されている。キャリッジ70とともに左右方向に移動するインクタンク61の移動軌道上において、インクタンク61がスキャナ部材99の下方にあるときは、ユーザはインク注入口67にアクセスすることができない。すなわち、インクタンク61の移動軌道上において、インクタンク61がスキャナ部材99の下方にあるときは、スキャナ部材99によって、インク注入口67からインク貯留室62a内へのインクの注入が規制される。
【0040】
残量検出部80は、インクタンク61のインク貯留室62a内に貯留されたインクの残量を検出するものである。残量検出部80は、4つのインクタンク61のそれぞれのインク貯留室62aに貯留されたインクの残量を検出する。本実施形態において、残量検出部80は、それぞれのインクタンク61のインク貯留室62a内において、揺動可能なアームの先端に支持された浮き部材(不図示)と、浮き部材の位置を検知可能な光学センサ(不図示)とを含むセンサーアーム方式である。浮き部材は、インク貯留室62aに貯留されたインクよりも比重が小さい部材であって、光学センサによって浮き部材の位置を検出することで、インク貯留室62a内のインクの残量を検出することが可能である。残量検出部80によって検出されたインク貯留室62a内のインクの残量の情報を含む信号は、制御部40に送信される。なお、残量検出部80は、インク貯留室62a内のインク残量を常時検出してもよく、インク補給指示(後述)があった場合にのみ検出してもよい。
【0041】
情報読取部85は、ボトル支持部19に支持されたインクボトル105の情報記憶部106に記憶された情報を読み取るものである。本実施形態において、情報読取部85は1つ設けられている。情報読取部85は、
図6に示すように、支持部分19b付近に配置されている。なお、
図2において、情報読取部85の記載は省略している。
【0042】
報知部86は、インクボトル105をボトル支持部19に支持させるタイミングをユーザに報知するものである。報知は、例えば、音声を発することによって行われてもよく、操作部13の液晶ディスプレイやプリンタ1と接続されているPCの画面に表示することによって行われてもよく、その両方でもよく、それ以外の手段によって行われてもよい。
【0043】
制御部40は、CPU(Central Processing Unit)131、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)135、及び、メモリ140を含む。これらCPU131、ASIC135、メモリ140は内部バス137によって接続される。メモリ140は、ROM(Read Only Memory)132、RAM(Random Access Memory)133、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)134を含む。ROM132には、プリンタ1の各種動作を制御するためのプログラムなどが格納されている。また、ROM132には、情報記憶部106に記憶された情報を認証するための認証情報が記憶されている。認証情報とは、それぞれのインクタンク61についての、内部に収容されたインクに関する情報である。すなわちROM132が本発明の記憶部に相当する。CPU131は、プログラムをRAM133やEEPROM134を使いつつ実行する。
【0044】
ASIC135は、インクジェットヘッド31、バルブ63、電磁バルブ65、給紙モータ91M、搬送モータ92M、排紙モータ93M、キャリッジモータ94M等に制御信号を出力し、これらの動作を制御する。例えば、制御部40は、外部機器(例えばPCやスマートフォン)から送信された記録データに基づいて、インクジェットヘッド31、給紙モータ91M、搬送モータ92M、排紙モータ93M、キャリッジモータ94M等を制御して、搬送処理と記録処理とを交互に実行し、用紙Pに画像等を記録させる。また、ASIC135は、操作部13から送信される信号、残量検出部80から送信される信号などを受信可能である。
【0045】
(インクタンク61へのインクの供給)
続いて、
図6及び
図7を参照しつつ、プリンタ1において、インクボトル105によってインクタンク61にインクを注入する際の、ユーザの操作手順、及び、制御部40で行われる処理の一例について説明する。
【0046】
制御部40は、4つのインクタンク61のいずれかについて、残量検出部80に検出されたインクの残量が所定量を下回ったときに、インクボトル105をボトル支持部19に支持させるタイミングとなったことを報知部86に報知させる。なお、所定量とは、例えば、インク貯留室62a内のインクの残量が所定量となったときにおいて、インク貯留室62aに注入可能なインク量と、使い切りのインクボトル105に収容されたインク量とが一致するようなインク貯留室62a内のインクの残量である。または、所定量とは、インク貯留室62a内のインクの残量が所定量となったときにおいて、インクタンク61の内部の圧力がノズル32に形成されるインクメニスカスの耐圧値以下となる範囲内においてインク貯留室62aに注入可能なインク量と、使い切りのインクボトル105に収容されたインク量とが一致するようなインク貯留室62a内のインクの残量である。
【0047】
報知部86による報知があると、ユーザは、操作部13を操作して、インク残量が所定量を下回ったインクタンク61に対するインク補給指示の信号を制御部40に送信する。例えば、イエローのインクが貯留されたインクタンク61にインクを補充しようとする場合は、イエローのインクのインク補給指示の信号が制御部40に送信される。なお、インク補給指示は、ユーザによる手動操作によって操作部13から制御部40に送信されてもよく、外部機器から制御部40に送信されてもよい。
【0048】
制御部40は、インク補給指示の信号を受信すると、インク補給指示があったインク補給対象のインクタンク61を注入可能位置(後述)に移動させるための移動機構71の動作命令を一旦保留する。
【0049】
そして、ユーザは、
図2に示すように、上部カバー73を開状態として、インク補給指示があったインク補給対象のインクタンク61に補充するインクが収容されたインクボトル105をボトル支持部19の支持部分19bに支持させる。
【0050】
インクボトル105がボトル支持部19の支持部分19bに支持されると、情報読取部85によって当該インクボトル105の情報記憶部106に記憶された情報が読み取られる。制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報について、ROM132に記憶された認証情報を用いて、認証されるか否かを判断する。「認証される」とは、例えば、情報読取部85によって読み取られた情報が、ROM132に記憶された認証情報と合致していることを意味する。または、「認証される」の意味には、情報読取部85によって読み取られた情報と、ROM132に記憶された認証情報とが完全に合致していない場合でも、当該インクボトル105に収容されているインクがインク補給対象のインクタンク61に対応したものであることを含んでいてもよい。
【0051】
制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されないとき、注入規制位置における移動は許容しつつ、注入規制位置から注入可能位置へのインクタンク61の移動が禁止されるように、移動機構71を制御する。すなわち、制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されないとき、上述した移動機構71の動作命令の無効化処理を実行する。これにより、インク補給対象のインクタンク61について、注入可能位置に移動できないため、当該インクタンク61のインク貯留室62aへのインクの注入は規制される。なお、本実施形態において、インクタンク61の注入規制位置から注入可能位置への移動が禁止されることが、本発明の「注入規制状態が維持される」ことに相当する。また、「注入規制位置における移動は許容しつつ」とは、制御部40が、インクタンク61を任意の注入規制位置に移動させることが可能であることを意味する。
【0052】
本実施形態において、インク注入口67は、インクタンク61とともに左右方向に沿って移動し、スキャナ部材99、基部19a、支持部分19bの何れかの下方に位置することとなる。注入可能位置とは、ボトル支持部19の1つの支持部分19bに支持されたインクボトル105の下方にインク注入口67が位置することとなる位置である。本実施形態では、注入可能位置は、複数のインクタンク61のうちの1つのインクタンク61のみが位置することができる位置である。
【0053】
また、注入規制位置とは、ボトル支持部19の1つの支持部分19bに支持されたインクボトル105からインク貯留室62a内へのインクの注入が規制される位置である。本実施形態における注入規制位置は、キャリッジ70の往復移動に伴って移動するインクタンク61の注入可能位置を除く任意の位置であって、インク注入口67の上方が、スキャナ部材99及びボトル支持部19の基部19aの何れかに覆われるような位置である。なお、本実施形態では、移動機構71がインクタンク61を注入規制位置に位置させることによって、ボトル支持部19に支持されたインクボトル105に収容されたインクがインク注入口67を通ってインク貯留室62a内に注入されることを規制可能である。すなわち、本実施形態において、移動機構71が、本発明の規制機構に相当する。
【0054】
制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されたとき、4つのインクタンク61のうちで当該認証に対応したインクタンク61について、注入規制位置から注入可能位置への移動が許容されるように、移動機構71を制御する。すなわち、制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されたとき、当該認証に対応したインクタンク61について上述した移動機構71の動作命令の有効化処理を実行する。
【0055】
移動機構71の動作命令の有効化処理が実行されると、制御部40は、移動機構71を制御してキャリッジ70を移動させることにより、インク補給対象のインクタンク61を注入可能位置に移動させる。なお、このとき、インク補給対象のインクタンク61以外のインクタンク61については、注入規制位置にある。例えば、4つのインクタンク61のうちの右端のインクタンク61がインク補給対象である場合、
図7に示すように、制御部40は、右端のインクタンク61のインク注入口67が支持部分19bの下方に位置するように移動機構71を制御してキャリッジ70を移動させる。このとき、その他の3つのインクタンク61のインク注入口67は基部19aの下方に位置している。本実施形態において、インクタンク61の注入規制位置から注入可能位置への移動が許容されることが、本発明の「注入規制状態から注入可能状態となることが許容される」ことに相当する。
【0056】
なお、制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証された場合であっても、ボトル支持部19に支持されたインクボトル105が、インク補給対象のインクタンク61に対応するものでない場合は、その旨を報知部86に報知させてもよい。これにより、ユーザがインク補給対象のインクタンク61に対応していないインクボトル105を誤ってボトル支持部19に支持させてしまった場合に、当該インクボトル105からインク貯留室62a内にインクが注入されることを回避することができる。
【0057】
続いて、制御部40は注入可能位置にあるインクタンク61のバルブ63を開状態として、支持部分19bに支持されたインクボトル105から、インク補給対象のインクタンク61のインク注入口67を通ってインク貯留室62a内へのインクの注入が行われる。ここで、インク補給対象のインクタンク61が注入可能位置まで移動したとき、インク注入口67とインクボトル105の先端との間は離れている。そこで、インクボトル105は、上から押し込まれることで又は自動で、その先端が下方に向かって突出するものであることが好ましい。この場合、インク補給対象のインクタンク61が注入可能位置まで移動したとき、ユーザによって上から押し込まれることで又は自動で、インクボトル105の先端を下方に向かって突出させる。これにより、インク注入口67とインクボトル105の先端との間の距離が無くなった状態で、インクの注入を行うことができる。または、インクタンク61は、注入可能位置において上昇可能な構成であってもよい。この場合、インク補給対象のインクタンク61が注入可能位置まで移動したとき、当該インクタンク61を上昇させることで、インク注入口67とインクボトル105の先端との間の距離が無くなった状態で、インクの注入を行うことができる。また、インク注入口67とインクボトル105の先端との間が離れている状態でインクの注入が行われてもよい。
【0058】
以上に述べたように、本実施形態のプリンタ1は、情報記憶部106を有するインクボトル105を支持する支持部分19bと、情報記憶部106に記憶された情報を読み取る情報読取部85と、支持部分19bに支持されたインクボトル105に収容されたインクが貯留室62a内に注入されることを規制可能な規制機構としての移動機構71と、を有している。そして、制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されないとき、注入規制位置から注入可能位置へのインクタンク61の移動が禁止されるように移動機構71を制御する。また、制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されたとき、注入規制位置から注入可能位置へのインクタンク61の移動が許容されるように移動機構71を制御する。
【0059】
本実施形態によれば、情報読取部85に読み取られた情報に基づいて、支持部分19bに支持されたインクボトル105の仕様が、インクタンク61に対応するものであるか否かを判断している。そして、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されないときは、支持部分19bに支持されたインクボトル105の下方にインク注入口67が位置することができず、インクボトル105からインク貯留室62aへのインクの注入を行うことができない。このため、インクボトル105からインク貯留室62aにインクを注入するときに、誤った仕様のインクボトル105からインクを注入してしまうことを防ぐことができる。
【0060】
また、本実施形態では、インクタンク61は4つ設けられており、制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されたとき、4つのインクタンク61のうちの当該認証に対応したインクタンク61について、注入規制位置から注入可能位置への移動が許容されるように移動機構71を制御する。これによれば、4つのインクタンク61のうち、認証された情報に対応したインクタンク61のみにしか、インクの注入を行うことができない。このため、複数のインクタンク61を有する構成において、インクボトル105からインク貯留室62aにインクを注入するときに、誤った仕様のインクボトル105からインクを注入してしまうことを防ぐことができる。
【0061】
また、本実施形態では、情報読取部85及び支持部分19bをそれぞれ1つ有している。複数のインクタンク61に対して複数の支持部分19bが配置されている場合、インクボトル105は、当該インクボトル105の仕様に対応する支持部分19bに支持させ、当該支持部分19bに対応する情報読取部85によって情報を読み取らせる必要がある。しかし、支持部分19bが複数あるため、インクボトル105を本来支持させる支持部分19bとは異なる支持部分19bに誤って支持させてしまうことがある。この場合、複数のインクタンク61の中には支持部分19bに支持させたインクボトル105の仕様に対応するインクタンク61があるにもかかわらず、情報読取部85に読み取られた情報が認証されないため、注入規制状態は維持されてしまう。本実施形態によれば、情報読取部85及び支持部分19bは1つであるため、インクボトル105を支持させる箇所の間違いが生じない。そして、複数のインクタンク61の中に、支持部分19bに支持させたインクボトル105の仕様に対応するインクタンク61がある場合、当該インクタンク61については、注入規制位置から注入可能位置への移動が許容される。このため、複数のインクタンク61を有する構成において、インクボトル105からインク貯留室62a内にインクを注入するときに、誤った仕様のインクボトル105からインクを注入してしまうことを防ぐことができる上、インク注入動作をスムーズに進行させることができる。また、複数のインクタンク61に対して情報読取部85及び支持部分19bが複数配置されている場合と比べて、プリンタ1を小型化することができる。
【0062】
さらに、本実施形態では、制御部40は、インクボトル105の情報記憶部106に記憶された情報を認証するための認証情報を記憶するROM132を含んでおり、ROM132に記憶された認証情報を用いて情報を認証する。これによれば、プリンタ1の外部で認証を行う場合と比較して、認証処理を迅速に行うことができる。
【0063】
また、本実施形態では、プリンタ1は、インク貯留室62a内に貯留されたインクの残量を検出する残量検出部80と、インクボトル105を支持部分19bに支持させるタイミングを報知する報知部86と、をさらに有する。そして、制御部40は、残量検出部80によって検出されたインク貯留室62a内のインクの残量が所定量を下回ったとき、インクボトル105を支持部分19bに支持させるタイミングとなったことを報知部86に報知させる。インク貯留室62a内に十分なインクが残っている場合、インクボトル105を支持部分19bに支持させて、インク貯留室62a内へのインクの注入を行う必要がない。本実施形態によれば、インク貯留室62a内のインクの残量が所定量を下回ったときに、インクボトル105を支持部分19bに支持させるタイミングとなったことを報知する。これにより、適切なタイミングでインクボトル105を支持部分19bに支持させて、インクボトル105の情報記憶部106に記憶された情報の認証を行うことができる。
【0064】
また、本実施形態では、残量検出部80は、センサーアーム方式である。これにより、インク貯留室62a内のインクの残量を確実に検出することができる。
【0065】
(第2実施形態)
第1実施形態では、移動機構71が本発明の規制機構である。しかしながら、本発明の規制機構は、他の構成であってもよい。以下に、規制機構が、インクボトル105の排出口からインク貯留室62aまでの供給路66aに配置された開閉可能なバルブ63(
図4参照)である本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明において、第1実施形態と同様の構成については、同様の符号を用い、その説明を省略する
【0066】
制御部40は、インク補給指示の信号を受信すると、インク補給指示があったインク補給対象のインクタンク61のインク貯留室62a内へのインクの注入を可能とするために、バルブ63を開状態とする動作命令を一旦保留する。
【0067】
続いて、ユーザは、上部カバー73を開状態として、インク補給指示があったインク補給対象のインクタンク61に補充するインクが収容されたインクボトル105をボトル支持部19の支持部分19bに支持させる。
【0068】
制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されないとき、バルブ63の閉状態が維持されるようにバルブ63を制御する。すなわち、制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されないとき、上述したバルブ63を開状態とする動作命令の無効化処理を実行する。これにより、インク補給対象のインクタンク61について、バルブ63を開状態とすることができないため、当該インクタンク61のインク貯留室62aへのインクの注入は規制される。なお、本実施形態において、バルブ63の閉状態が維持されることが、本発明の「注入規制状態が維持される」ことに相当する。
【0069】
制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されたとき、4つのインクタンク61のうちで当該認証に対応したインクタンク61について、バルブ63の閉状態から開状態となることが許容されるようにバルブ63を制御する。すなわち、制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されたとき、上述したバルブ63を開状態とする動作命令の有効化処理を実行する。
【0070】
バルブ63の動作命令の有効化処理が実行されると、制御部40は、バルブ63を制御して、バルブ63を開状態とする。このとき、インク補給対象のインクタンク61以外のインクタンク61については、バルブ63は閉状態が維持されている。本実施形態において、バルブ63の閉状態から開状態となることが許容されることが、本発明の「注入規制状態から注入可能状態となることが許容される」ことに相当する。
【0071】
そして、支持部分19bに支持されたインクボトル105から、インク補給対象のインクタンク61のインク注入口67を通ってインク貯留室62a内へのインクの注入が行われる。インクの注入動作は、上記の第1実施形態と同様である。
【0072】
以上に述べたように、第2実施形態のプリンタ1は、規制機構として、インクボトル105の排出口からインク貯留室62aまでのインク供給路66aに配置された開閉可能なバルブ63を有する。制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されないとき、閉状態が維持されるようにバルブ63を制御する。また、制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されたとき、閉状態から開状態となることが許容されるようにバルブ63を制御する。これによれば、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されないときは、バルブ63が閉状態で維持されるため、インクボトル105からインク貯留室62a内へのインクの注入を行うことができない。このため、インクボトル105からインク貯留室62a内にインクを注入するときに、誤った仕様のインクボトル105からインクを注入してしまうことをより確実に防ぐことができる。
【0073】
なお、第2実施形態のプリンタ1において、インクタンク61及びインクジェットヘッド31がキャリッジ70に搭載されていないオフキャリッジ型でもよい。また、第2実施形態において、インクジェットヘッド31は、位置が固定された状態でノズルからインクを吐出するライン式、及び、左右方向に移動しつつノズルからインクを吐出するシリアル式のいずれでもよい。
【0074】
(第3実施形態)
続いて、規制機構が、インク注入口67へのアクセスを阻害するキャップ263(本発明のカバー部材、
図8参照)をロックするロック機構(不図示)である本発明の第3実施形態について説明する。以下の説明において、第1実施形態と同様の構成については、同様の符号を用い、その説明を省略する。なお、第3実施形態において、インクタンク61が注入可能位置にあるときにおけるキャップ263の上方とボトル支持部19の下方との間には外部からアクセス可能な空間が形成されており、ユーザは、当該空間からキャップ263にアクセスすることが可能である。
【0075】
制御部40は、インク補給指示の信号を受信すると、インク補給指示があったインク補給対象のインクタンク61のインク注入口67へのアクセスを可能とするために、キャップ263のロックを解除するロック機構の動作命令を一旦保留する。
【0076】
続いて、ユーザは、上部カバー73を開状態として、インク補給指示があったインク補給対象のインクタンク61に補充するインクが収容されたインクボトル105をボトル支持部19の支持部分19bに支持させる。
【0077】
制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されないとき、キャップ263のロックが維持されるようにロック機構を制御する。すなわち、制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されないとき、上述したキャップ263のロックを解除するロック機構の動作命令の無効化処理を実行する。これにより、インク補給対象のインクタンク61について、キャップ263のロックを解除することができないため、当該インクタンク61のインク貯留室62aへのインクの注入は規制される。なお、本実施形態において、キャップ263のロックが維持されることが、本発明の「注入規制状態が維持される」ことに相当する。
【0078】
制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されたとき、4つのインクタンク61のうちで当該認証に対応したインクタンク61について、キャップ263のロックの解除が許容されるようにロック機構を制御する。すなわち、制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されたとき、上述したキャップ263のロックを解除するロック機構の動作命令の有効化処理を実行する。
【0079】
キャップ263のロックを解除するロック機構の動作命令の有効化処理が実行されると、制御部40は、ロック機構を制御して、キャップ263のロックを解除する。このとき、インク補給対象のインクタンク61以外のインクタンク61については、キャップ263のロックが維持されている。本実施形態において、キャップ263のロックの解除が許容されることが、本発明の「注入規制状態から注入可能状態となることが許容される」ことに相当する。
【0080】
そして、ユーザはロックが解除されたキャップ263を開状態として、支持部分19bに支持されたインクボトル105から、インク補給対象のインクタンク61のインク注入口67を通ってインク貯留室62a内へのインクの注入が行われる。インクの注入動作は、上記の第1実施形態と同様である。
【0081】
以上に述べたように、第3実施形態のプリンタ1は、規制機構として、インク注入口67へのアクセスを阻害するキャップ263をロックするロック機構を有する。制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されないとき、キャップ263のロックが維持されるようにロック機構を制御する。また、制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されたとき、キャップ263のロックの解除が許容されるようにロック機構を制御する。これによれば、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されないときは、キャップ263のロックが維持されるため、インク注入口67へのアクセスができず、インクボトル105からインク貯留室62a内へのインクの注入を行うことができない。このため、インクボトル105からインク貯留室62a内にインクを注入するときに、誤った仕様のインクボトル105からインクを注入してしまうことをより確実に防ぐことができる。
【0082】
なお、第3実施形態のプリンタ1において、インクタンク61及びインクジェットヘッド31がキャリッジ70に搭載されていないオフキャリッジ型でもよい。また、第3実施形態において、インクジェットヘッド31は、位置が固定された状態でノズルからインクを吐出するライン式、及び、左右方向に移動しつつノズルからインクを吐出するシリアル式のいずれでもよい。
【0083】
また、第3実施形態において、ロック機構は、キャップ263とは異なる部材をロックするものでもよい。例えば、ロック機構は、キャップ263とボトル支持部19との間に配置され、インク注入口67へのアクセスを阻害するカバー部材をロックするものでもよい。
【0084】
(変形例)
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許発明の範囲に記載の限りにおいて様々な変更が可能である。
【0085】
上記実施形態では、プリンタ1は、情報読取部85及び支持部分19bをそれぞれ1つ有している。しかしながら、
図9に示すように、プリンタ1は、4つのインクタンク61のそれぞれに対応する情報読取部85及び支持部分19bをそれぞれ4つ有していてもよい。この場合、4つの支持部分19bは、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色に対応するインクが収容されたインクボトル105をそれぞれ支持するものである。また、4つの情報読取部85は、4つの支持部分19bに対応する位置に配置されている。この場合において、制御部40は、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色のインクボトル105について、対応する支持部分19bに支持されていないときは、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されないものと判断する。例えば、マゼンタのインクが収容されたインクボトル105を支持する支持部分19bに、イエローのインクが収容されたインクボトル105が支持されていた場合、制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されないものと判断する。このような構成によれば、複数のインクタンク61に対して一つの情報読取部85によって情報を読み取る場合と比較して、読取り処理及び認証処理を迅速に行うことができる。
【0086】
また、本発明において、情報読取部85及び支持部分19bを2つ以上であって、インクタンク61の数よりも少ない数だけ有していてもよい。
【0087】
上記実施形態では、情報記憶部106に記憶された情報を認証するための認証情報は、ROM132に記憶されている。しかしながら、認証情報は、ネットワーク上に保存されていてもよい。この場合、情報読取部85に読み取られた情報について認証されるか否かの判断は、プリンタ1と接続されたPCなどのプリンタ1以外の機器において行われてもよい。
【0088】
本発明において、プリンタ1は、残量検出部80を有していなくてもよい。この場合、例えば、ユーザがインク貯留室62aにおけるインクの量を視認しつつ、任意のタイミングで操作部13を操作して、いずれかのインクタンク61に対するインク補給指示の信号を制御部40に送信する。
【0089】
上記実施形態では、残量検出部80は、センサーアーム方式である。しかしながら、残量検出部80は、プリズム方式でもよい。プリズム方式の残量検出部80である場合、インクタンク61は樹脂製である。そして、残量検出部80は、インクタンク61の外部から内部に向かって赤外線を照射する赤外線照射部と、樹脂製のインクタンク61に反射する赤外線を検出する赤外線受光部とを有する。インク貯留室62a内の赤外線が照射される部分にインクがある場合、赤外線照射部から照射された赤外線は、樹脂とインクとの界面を通って直進する。このとき、赤外線受光部は、赤外線を検出しない。一方で、インク貯留室62a内の赤外線が照射される部分にインクがない場合、赤外線照射部から照射された赤外線は、樹脂と空気との界面で全反射して、赤外線受光部に検出される。赤外線照射部及び赤外線受光部を、インクタンク61に対する任意の位置に一つ又は複数配置することによって、インク貯留室62a内のインクの残量を検出することができる。このような構成によれば、インク貯留室62a内のインクの残量を確実に検出することができる。
【0090】
また、残量検出部80は、ソフトカウント式のものでもよい。この場合、残量検出部80は、インクジェットヘッド31のノズル32から吐出されたインク量に関する値をカウントするカウント部と、カウント部によってカウントされたインク量に関する値に基づいてインク貯留室62a内に貯留されたインクの残量を算出する算出部とを有する。例えば、算出部は、プリンタ1の出荷直後又はインク貯留室62aへのインク補給直後におけるインク貯留室62a内のインク残量から、ノズル32から吐出されたインク量を差し引いた値を、インク貯留室62a内のインク残量として算出する。算出された値は、常にEEPROM134に上書き保存される。インク貯留室62aへのインク補給直後におけるインク貯留室62a内のインク残量は、例えば、インク補給前のインク貯留室62a内のインク残量の値に、使い切りのインクボトル105に収容されているインク量の値を足して算出される。なお、カウント部がカウントするインク量に関する値とは、インク量そのものでもよく、吐出されたインク量を所定の数値に置き換えた数値化したものでもよい。このような構成によれば、インク貯留室62a内のインクの残量を確実に検出することができる。
【0091】
本発明において、規制機構は、上記第1実施形態の移動機構71、上記第2実施形態のバルブ63、上記第3実施形態のロック機構のうちの2以上を合わせたものでもよい。また、規制機構は、ボトル支持部19を支持部分19bごと移動させるボトル支持部移動機構(不図示)であってもよい。この場合、例えば、制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されないとき、支持部分19bに支持されたインクボトル105からインク貯留室62a内へのインクの注入が規制された注入規制位置から、インクの注入が可能となる注入可能位置へのボトル支持部19の移動が禁止されるようにボトル支持部移動機構を制御する。また、制御部40は、情報読取部85によって読み取られた情報が認証されたとき、前述の注入規制位置から注入可能位置へのボトル支持部19の移動が許容されるようにボトル支持部移動機構を制御する。
【0092】
本発明において、プリンタ1は、1つのインクタンク61を有していてもよく、2つ以上のインクタンク61を有していてもよい。
【0093】
上記実施形態では、プリンタは、スキャナ部材99を有している。しかしながら、プリンタ1は、スキャナ部材99は有していなくてもよい。この場合、プリンタは、開閉カバー14の下方であって、平面視で上部カバー23と重ならない位置に配置され、インクタンク61とともに移動するインク注入口67の移動軌道上の上方の一部を覆うように配設された規制部材を有している。規制部材は、例えば、金属製や樹脂製などの板部材でもよい。また、開閉カバー14を有していない構成のプリンタにおいては、筐体11の開閉しない天板が規制部材に相当する。また、本発明に係る液体吐出装置は、プリンタ1の他に、複合機やコピー機などにも適用することもできる。
【0094】
上記実施形態では、バルブ63は、電磁バルブである。しかしながら、バルブ63は電磁バルブでなくてもよい。例えば、バルブ63は、インクボトル105のインク注入口67への装着に連動して機械的に開閉するバルブでもよい。
【0095】
上記実施形態において、大気連通路64を開閉するための電磁バルブ65は、電気的に開閉が制御されるものではなくてもよく、例えば、突起部材との接触の有無によって機械的に開閉が制御されるバルブでもよい。また、電磁バルブ65は配置されていなくてもよい。この場合、大気連通路64を閉塞するように、インクの通過を遮断し且つ気体の通過を許容する半透膜が形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0096】
1 プリンタ
14 開閉カバー
19 ボトル支持部
19a 基部
19b 支持部分(支持部)
20 搬送機構
31 インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)
32 ノズル
40 制御部
61 インクタンク(液体貯留部)
62a インク貯留室(液体貯留室)
63 バルブ
66a インク供給路(流路)
67 インク注入口(液体注入口)
70 キャリッジ
71 移動機構(規制機構)
80 残量検出部
85 情報読取部
86 報知部
99 スキャナ部材
132 ROM(記憶部)
105 インクボトル
106 情報記憶部
263 キャップ(カバー部材)
P 用紙(記録媒体)