IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オーデリック株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-照明操作機器及び照明システム 図1
  • 特開-照明操作機器及び照明システム 図2
  • 特開-照明操作機器及び照明システム 図3
  • 特開-照明操作機器及び照明システム 図4
  • 特開-照明操作機器及び照明システム 図5
  • 特開-照明操作機器及び照明システム 図6
  • 特開-照明操作機器及び照明システム 図7
  • 特開-照明操作機器及び照明システム 図8
  • 特開-照明操作機器及び照明システム 図9
  • 特開-照明操作機器及び照明システム 図10
  • 特開-照明操作機器及び照明システム 図11
  • 特開-照明操作機器及び照明システム 図12
  • 特開-照明操作機器及び照明システム 図13
  • 特開-照明操作機器及び照明システム 図14
  • 特開-照明操作機器及び照明システム 図15
  • 特開-照明操作機器及び照明システム 図16
  • 特開-照明操作機器及び照明システム 図17
  • 特開-照明操作機器及び照明システム 図18
  • 特開-照明操作機器及び照明システム 図19
  • 特開-照明操作機器及び照明システム 図20
  • 特開-照明操作機器及び照明システム 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154713
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】照明操作機器及び照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/19 20200101AFI20221005BHJP
   H05B 47/17 20200101ALI20221005BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20221005BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20221005BHJP
【FI】
H05B47/19
H05B47/17
H05B47/165
H05B47/105
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021057882
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000103633
【氏名又は名称】オーデリック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楠本 裕介
(72)【発明者】
【氏名】本多 敦史
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA03
3K273PA04
3K273QA29
3K273RA08
3K273RA16
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA29
3K273TA40
3K273TA46
3K273TA54
3K273TA66
3K273TA68
3K273TA76
3K273UA15
3K273UA17
(57)【要約】
【課題】直感的に照明器具の音声操作をすることができる照明操作機器及び照明システムを提供する。
【解決手段】照明器具を操作するための照明操作機器であって、ウェイクワード及び操作指示に関する文字情報を有する記憶部と、ユーザの音声を取得する音声取得部と、記憶部に記憶されたウェイクワード及び操作指示に基づいて、音声から該ウェイクワード及び該操作指示を認識可能に構成された音声認識部と、音声認識部により認識された操作指示を実行させるための操作信号を照明器具に送信する送信部とを備える。ウェイクワードは、操作対象となる照明器具に関する名称である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具を操作するための照明操作機器であって、
ウェイクワード及び操作指示に関する文字情報を有する記憶部と、
ユーザの音声を取得する音声取得部と、
前記記憶部に記憶された前記ウェイクワード及び前記操作指示に基づいて、音声から該ウェイクワード及び該操作指示を認識可能に構成された音声認識部と、
前記音声認識部により認識された前記操作指示を実行させるための操作信号を前記照明器具に送信する送信部と
を備え、
前記ウェイクワードは、操作対象となる照明器具に関する名称である
ことを特徴とする照明操作機器。
【請求項2】
前記ウェイクワードは、操作対象となる照明器具が設置された場所に関する名称を含む
請求項1に記載の照明操作機器。
【請求項3】
前記記憶部は、複数の異なるウェイクワードからなるウェイクワード群が格納されている
請求項1又は2に記載の照明操作機器。
【請求項4】
前記ウェイクワード群から任意のウェイクワードを選択可能に構成されており、音声から該選択されたウェイクワードを認識した際に起動するよう構成されている
請求項3に記載の照明操作機器。
【請求項5】
前記音声認識部により前記ウェイクワード群に含まれるウェイクワードを認識した際に起動するよう構成されている
請求項3に記載の照明操作機器。
【請求項6】
前記記憶部には、ウェイクワード毎に異なる操作対象種別が対応付けて格納されており、
前記送信部は、前記操作指示と前記操作対象種別とを含む操作信号を送信可能に構成されている
請求項3~5のいずれか1項に記載の照明操作機器。
【請求項7】
照明器具と、該照明器具を操作するための照明操作機器とを備える照明システムであって、
前記照明操作機器は、
ウェイクワード及び操作指示に関する文字情報を有する記憶部と、
ユーザの音声を取得する音声取得部と、
前記記憶部に記憶された前記ウェイクワード及び前記操作指示に基づいて、音声から該ウェイクワード及び該操作指示を認識可能に構成された音声認識部と、
前記音声認識部により認識された前記操作指示を実行させるための操作信号を前記照明器具に送信する送信部と
を備え、
前記ウェイクワードは、操作対象となる照明器具に関する名称である
ことを特徴とする照明システム。
【請求項8】
前記記憶部は、複数の異なるウェイクワードからなるウェイクワード群が格納されている
請求項7に記載の照明システム。
【請求項9】
前記記憶部には、ウェイクワード毎に異なる操作対象種別が対応付けて格納されており、
前記送信部は、前記操作指示と前記操作対象種別とを含む操作信号を送信可能に構成されており、
前記照明器具は、前記送信部から受信した前記操作対象種別が自己の操作対象種別である場合に、前記操作信号に基づいて前記操作指示を実行するよう構成されている
請求項8に記載の照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明操作機器及び照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザによって送信された音声情報を受信し、音声情報にウェイクアップワード(ウェイクワード)が存在するか否かを判断し、ウェイクワードが存在する場合、予め設定された応答ルールに基づいて応答音を出力する音声応答方法、装置及びスマートデバイス(スマートスピーカ等)が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
スマートデバイスは、ユーザによって送信された音声指令(音声コマンド)に応答し、音声指令を受信した後、例えば、ユーザが要求したマルチメディアリソースの再生等をすることができる。このようなスマートデバイスは、ユーザは特定のウェイクアップワードでスマートデバイスをウェイクアップ(起動)させる必要があり、スマートデバイスは、ウェイクアップされた後に、ユーザによって送信された音声指令に応答することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2020―515913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したスマートデバイスを用いることで、音声操作により照明器具をはじめとする家電製品を操作することも可能である。しかしながら、従来のスマートデバイスでは、ウェイクワードが、スマートデバイスメーカーの社名や、オリジナルの名称等であり、これらのウェイクワードは、変更することができない。すなわち、ユーザは、スマートデバイスを使用して照明器具を操作する際に、照明器具と何ら関係のないウェイクワードを発した上で、音声指令を発する必要がある。
【0006】
さらに、部屋ごと又は操作対象となる家電製品ごとにスマートデバイスを使い分けている場合、いくつもの操作と関係のないウェイクワードを覚えておき、スマートデバイスごとに使い分けなければないため、音声指令により照明器具を操作する際に直感的に操作できないという問題がある。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、直感的に照明器具の音声操作をすることができる照明操作機器及び照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る照明操作機器は、照明器具を操作するための照明操作機器であって、ウェイクワード及び操作指示に関する文字情報を有する記憶部と、ユーザの音声を取得する音声取得部と、前記記憶部に記憶された前記ウェイクワード及び前記操作指示に基づいて、音声から該ウェイクワード及び該操作指示を認識可能に構成された音声認識部と、前記音声認識部により認識された前記操作指示を実行させるための操作信号を前記照明器具に送信する送信部とを備え、前記ウェイクワードは、操作対象となる照明器具に関する名称であることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る照明操作機器において、前記ウェイクワードは、操作対象となる照明器具が設置される場所に関する名称を含んでもよい。
【0010】
本発明に係る照明操作機器において、前記記憶部は、複数の異なるウェイクワードからなるウェイクワード群が格納されてもよい。
【0011】
本発明に係る照明操作機器において、前記ウェイクワード群から任意のウェイクワードを選択可能に構成されており、音声から該選択されたウェイクワードを認識した際に起動するよう構成されてもよい。
【0012】
本発明に係る照明操作機器において、前記音声認識部により前記ウェイクワード群に含まれるウェイクワードを認識した際に起動するよう構成されてもよい。
【0013】
前記記憶部には、ウェイクワード毎に異なる操作対象種別が対応付けて格納されており、前記送信部は、前記操作指示と前記操作対象種別とを含む操作信号を送信可能に構成されてもよい。
【0014】
本発明に係る照明システムは、照明器具と、該照明器具を操作するための照明操作機器とを備える照明システムであって、前記照明操作機器は、ウェイクワード及び操作指示に関する文字情報を有する記憶部と、ユーザの音声を取得する音声取得部と、前記記憶部に記憶された前記ウェイクワード及び前記操作指示に基づいて、音声から該ウェイクワード及び該操作指示を認識可能に構成された音声認識部と、前記音声認識部により認識された前記操作指示を実行させるための操作信号を前記照明器具に送信する送信部とを備え、前記ウェイクワードは、操作対象となる照明器具に関する名称であることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る照明システムにおいて、前記記憶部は、複数の異なるウェイクワードからなるウェイクワード群が格納されてもよい。
【0016】
本発明に係る照明システムにおいて、前記記憶部には、ウェイクワード毎に異なる操作対象種別が対応付けて格納されており、前記送信部は、前記操作指示と前記操作対象種別とを含む操作信号を送信可能に構成されており、前記照明器具は、前記送信部から受信した前記操作対象種別が自己の操作対象種別である場合に、前記操作指示に基づいて前記操作指示を実行するよう構成されてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、直感的に照明器具の音声操作をすることができる照明操作機器及び照明システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態に係る照明システムを示す概略図である。
図2】第1実施形態に係る照明操作機器を示す機能ブロック図である。
図3】第1実施形態に係る照明器具を示す機能ブロック図である。
図4】第1実施形態に係るウェイクワード群の一例を示す図である。
図5】第1実施形態に係る操作指示群の一例を示す図である。
図6】第1実施形態に係る操作指示群の一例を示す図である。
図7】第1実施形態に係る操作指示群の一例を示す図である。
図8】第1実施形態に係る操作指示群の一例を示す図である。
図9】第1実施形態に係る操作指示群の一例を示す図である。
図10】第1実施形態に係る操作指示群の一例を示す図である。
図11】第1実施形態に係る操作指示群の一例を示す図である。
図12】第1実施形態に係る照明システムの設置例を示す図である。
図13】第1実施形態に係る照明システムの操作方法の一例を示すフローチャートである。
図14】第1実施形態に係る照明システムの操作方法の一例を示すフローチャートである。
図15】第1実施形態に係る照明システムの同期方法の一例を示すフローチャートである。
図16】第1実施形態に係る照明システムの操作方法の一例を示すフローチャートである。
図17】本発明の第2実施形態に係る照明システムを示す概略図である。
図18】第2実施形態に係るウェイクワード群の一例を示す図である。
図19】本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係る照明システムの変形例を示す概略図である。
図20】第1実施形態及び第2実施形態に係る照明システムの変形例の照明器具を示す機能ブロック図である。
図21】本発明の第2実施形態に係る照明システムの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、図面は、本発明を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。
【0020】
[第1実施形態に係る照明システムの全体構成]
まず、図1を参照して、第1実施形態に係る照明システム1を概説する。第1実施形態に係る照明システム1は、建物の任意の空間に取り付けられる照明器具100~119と、該照明器具100~119を操作するための照明操作機器10(10a~10c)とを備える照明システムである。第1実施形態に係る照明システム1は、照明器具100~119を操作可能な壁スイッチ(図示せず)を更に備えている。また、照明器具100~119は、相互に通信可能に構成されている。
【0021】
照明操作機器10は、概略的には、図2に示すように、照明器具100~119を操作するための照明操作機器であって、ウェイクワード及び操作指示に関する文字情報を有する記憶部50と、ユーザの音声を取得する音声取得部20と、照明操作機器10を制御するための主制御部40と、照明器具100~119と通信可能な通信部60とを備えている。また、照明操作機器10は、ユーザの手動による操作指示を受け付ける手動操作部30を更に備えている。主制御部40は、記憶部50に記憶されたウェイクワード及び操作指示に基づいて、音声から該ウェイクワード及び該操作指示を認識可能に構成された音声認識部42を備えている。通信部60は、音声認識部42により認識された操作指示を実行させるための操作信号を照明器具100~119に送信する送信部62を備えている。ウェイクワードは、操作対象となる照明器具100~119に関する名称である。
【0022】
第1実施形態に係る照明システム1は、1つの照明操作機器から複数の照明器具を操作可能なシステムとなっており、ユーザが音声指示により照明操作機器10を介して照明器具100~119を操作可能に構成されている。第1実施形態において、照明器具100~109はシーリングライト、照明器具110~114はダウンライト、照明器具115~119はペンダントライトをそれぞれ示しているが、これに限定されず、照明システム1は、種々の任意の照明器具を採用可能である。
【0023】
[第1実施形態に係る照明器具の構成]
照明器具100~119は、図3に示すように、受信部120と、主制御部140と、記憶部150と、送信部160と、発光部170とを備えている。受信部120は、照明操作機器10及び他の照明器具から送信される操作信号を受信可能に構成されており、送信部160は、該受信した操作信号を他の照明器具の受信部120に対して送信可能に構成されている。また受信部120は、照明操作機器10及び他の照明器具から送信される同期信号を受信可能に構成されており、送信部160は、同期信号を照明操作機器10の後述する通信同期部64及び他の照明器具の受信部120に対して送信可能に構成されている。以下、本明細書において同期信号とは、照明操作機器10と照明器具100~119の同期及び照明器具同士の同期に関する情報を含む信号の総称であることを意味する。同期に関する情報は、例えば、同期要求、認証鍵、ID情報等であるが、これに限定されない。
【0024】
このような受信部120及び送信部160を備えることで、照明器具100~119は、図1に示すように、メッシュ型のネットワークを構築することが可能であり、通信に複数経路を利用することができる。照明器具100~119は、お互いが通信範囲外にある場合でも、同一ネットワークに属する照明器具であれば、複数のコネクションを利用することで、照明器具間の通信が可能になる。
【0025】
照明器具100~119の発光部170は、主照明(図示せず)を備えている。また、照明器具100~109の発光部170は、間接照明(図示せず)と常夜灯(図示せず)を更に備えている。主照明及び間接照明は、調光機能及び調色機能を備えており、主照明及び間接照明の照度、色温度及び発光色を変更可能に構成されている。以下、本明細書において、単に「発光部170」という場合には、主照明と間接照明の双方が含まれるものとする。発光部170の主照明は、20段階で照度及び色温度を調整可能に構成されているが、これに限定されない。
【0026】
主制御部140は、点灯制御部142と、調光制御部144と、調色制御部146とID識別部148とを備えている。点灯制御部142は、発光部170の点灯・消灯制御及び消灯予約を設定可能に構成されている。調光制御部144は、発光部170の照度を制御可能に構成されている。調色制御部146は、発光部170の色温度及び発光色を制御可能に構成されている。ID識別部148は、受信部120が操作信号を受信した際に、該操作信号に含まれる後述する機器IDが、記憶部150に記録された機器IDと一致するか否かを識別するよう構成されている。
【0027】
記憶部150は、ID152とプログラム154を備えている。ID152は、照明器具100~119の固有のIDの他に照明操作機器10によって設定される機器ID及び後述するネットワークIDを含んでいる。照明器具100~119の固有のIDは、例えば、照明器具100~119のシリアルナンバー、製造番号及びMACアドレス等である。プログラム154は、主制御部140が備える点灯制御部142、調光制御部144及び調色制御部146を制御するための制御プログラムと、照明操作機器10及び他の照明器具と通信及び同期するための通信プログラムとを含んでいる。
【0028】
また、照明器具100~119は、壁スイッチ(図示せず)を操作することで照明操作機器10と同期するための同期モードになるように構成されている。
【0029】
このような構成を備える照明器具100~119は、照明操作機器10の送信部62及び他の照明器具の送信部160から送信される操作信号を受信した際に、該操作信号に含まれる機器IDが記憶部150のID152に登録されている機器IDと一致する場合に、操作信号に含まれる操作指示を実行するよう構成されている。例えば、操作信号に含まれる操作指示が発光部170の主照明を一段明るくする指示であった場合、主制御部140の調光制御部144は、記憶部150のプログラム154に基づいて発光部170の主照明が一段明るくなるように制御する。
【0030】
[第1実施形態に係る照明操作機器の構成]
次に、図2を参照して第1実施形態に係る照明操作機器10の詳細な構成について説明する。音声取得部20は、マイクロフォンを備え、ユーザの発した音声を取得し、電気信号の音声データに変換できるよう構成されている。手動操作部30は、点灯操作部(図示せず)と、調光操作部(図示せず)と、調色操作部(図示せず)と、同期部(図示せず)を備えている。点灯操作部は、照明器具100~119の発光部170の点灯操作及び消灯操作が可能に構成されている。調光操作部は、発光部170の照度を操作可能に構成されている。調色操作部は、発光部170の色温度及び発光色を操作可能に構成されている。同期部は、照明器具100~119と同期する際に照明操作機器10を同期モードに変更可能に構成されている。
【0031】
記憶部50は、複数の異なるウェイクワードからなるウェイクワード群52と、照明器具100~119を操作するための操作指示を含む操作指示群54と、ID管理56とが格納されている。ウェイクワード群52は、図4に示すように、ウェイクワード“コネクト”と“コネクテッド”と“リモコン”と、操作対象となる照明器具が設置される場所に関する名称である、ウェイクワード“リビング”と“ダイニング”と“キッチン”と“寝室”と“玄関”と“階段”と“洗面所”と“廊下と、“書斎”と“応接室”を含んでいる。なお、ウェイクワード群52のウェイクワードは、上述した例に限定されず、種々の任意のウェイクワードを採用可能である。
【0032】
操作指示群54は、図5図11に示す音声コマンド及び操作指示を含んでいる。図5に示す音声コマンドは、照明器具100~119が備える発光部170の主照明と、照明器具100~109が備える発光部170の間接照明の点灯、調光、調色に関するものである。音声コマンド“点灯”、“あかりを点けて”及び“電気つけて”は、最後に点灯していた際の照度と色温度で主照明及び間接照明を点灯するメモリー点灯の操作指示を照明器具100~119に送信する。音声コマンド“消灯”、“あかりを消して”及び“電気消して”は、主照明及び間接照明の消灯指示を照明器具100~119に送信する。音声コマンド“少し明るくして”と“少し暗くして”は、それぞれ、主照明を一段明るくする信号と一段暗くする信号を照明器具100~119に一回送信する。音声コマンド“明るくして”と“暗くして”は、それぞれ、主照明を一段明るくする信号と一段暗くする信号を照明器具100~119に0.2秒ごとに3回送信する。音声コマンド“白くして”は、主照明を最大照度で昼白色に点灯させる指示を照明器具110~119に送信する。音声コマンド“黄色にして”は、主照明を最大照度で温白色に点灯させる指示を照明器具100~119に送信する。音声コマンド“オレンジにして”は、主照明を最大照度で電球色に点灯させる指示を照明器具100~119に送信する。音声コマンド“少し白くして”、“少しオレンジにして”は、それぞれ主照明の色温度を一段下げる信号と一段上げる信号を照明器具100~119に一回送信する。音声コマンド“段々明るくして”、“段々暗くして”は、それぞれ、主照明を一段明るくする信号と一段暗くする信号を照明器具100~119に0.2秒ごとに20回送信する。音声コマンド“段々白くして”、“段々オレンジにして”は、それぞれ、主照明の色温度を一段下げる信号と一段上げる信号を照明器具100~119に0.2秒ごとに20回送信する。音声コマンド“ストップ”は、照明器具100~119に複数回信号を送信している場合に信号の送信を停止する。
【0033】
図6に示す音声コマンドは、照明器具100~119が備える発光部170の主照明のシーン再生等に関するものである。音声コマンド“常夜灯”、“豆球”及び“ほんのり”は、照明器具100~109の発光部170の常夜灯を点灯する信号と、照明器具110~119の主照明の照度を最小にする信号とを送信する。音声コマンド“シーン1”及び“朝のあかり”は、シーン1として設定されている朝に適した照度と色温度に主照明を調光、調色する信号を照明器具100~119に送信する。音声コマンド“シーン2”及び“昼のあかり”は、シーン2として設定されている日中に適した照度と色温度に主照明を調光、調色する信号を照明器具100~119に送信する。音声コマンド“シーン3”及び“団欒”は、シーン3として設定されている家族の団欒に適した照度と色温度に主照明を調光、調色する信号を照明器具100~119に送信する。音声コマンド“シーン4”及び“くつろぎ”は、シーン4として設定されている夜のリラックスタイムに適した照度と色温度に主照明を調光、調色する信号を照明器具100~119に送信する。音声コマンド“赤にして”、“緑にして”及び“青にして”は、それぞれ、主照明を赤色、緑色及び青色で点灯する信号を照明器具100~119に送信する。音声コマンド“カラーループ”は、主照明の色を連続的に変化させるカラーループで点灯する信号を照明器具100~119に送信する。音声コマンド“カラーループを止めて”は、主照明のカラーループ点灯を停止する信号を照明器具100~119に送信する。
【0034】
図7に示す音声コマンドは、照明器具100~109が備える発光部170の主照明及び間接照明の個別操作等に関するものである。音声コマンド“メインを点けて”と“メインを消して”は、それぞれ、発光部170の主照明を点灯する信号と消灯する信号を照明器具100~119に送信する。音声コマンド“サイドを点けて”と“サイドを消して”は、それぞれ、発光部170の間接照明を点灯する信号と消灯する信号を照明器具100~119に送信する。音声コマンド“サイドを明るくして”と“サイドを暗くして”は、それぞれ間接照明を一段明るくする信号と一段暗くする信号を照明器具100~119に送信する。音声コマンド“サイドをカラーループ”は、間接照明をカラーループ点灯する信号を照明器具100~119に送信する。音声コマンド“サイドを止めて”は、間接照明のカラーループ点灯を停止する信号を照明器具100~119に送信する。音声コマンド“シーリングブザー”は、照明器具100~119の操作応答時に鳴るブザー音(応答音)をON又はOFFにする信号を照明器具100~119に送信する。
【0035】
図8に示す音声コマンドは、照明器具100~119の消灯予約に関するものである。音声コマンド“5分後に消して”、“10分後に消して”、“15分後に消して”、“30分後に消して”、“45分後に消して”、“60分後に消して”及び“1時間後に消して”は、それぞれ5分後、10分後、15分後、30分後、45分後及び1時間後に発光部170を消灯する消灯予約の信号を照明器具100~119に送信する。音声コマンド“タイマーオフ”は、照明器具100~119に設定した消灯予約を取り消す信号を照明器具100~119に送信する。
【0036】
図9に示す音声コマンドは、照明器具100~119が備える発光部170の主照明のシーン設定等に関するものである。音声コマンド“下限設定”は、主照明の明るさ及び色温度の下限を現在の照度及び色温度に設定する信号を照明器具100~119に送信する。音声コマンド“下限解除”は、主照明の照度及び色温度の下限設定を解除する信号を照明器具100~119に送信する。音声コマンド“シーン1に登録”及び“朝のあかりに登録”は、主照明の現在の照度と色温度の設定をシーン1として登録する信号を照明器具100~119に送信する。音声コマンド“シーン2に登録”及び“昼のあかりに登録”は、主照明の現在の照度と色温度の設定をシーン2として登録する信号を照明器具100~119に送信する。音声コマンド“シーン3に登録”及び“団欒に登録”は、主照明の現在の照度と色温度の設定をシーン3として登録する信号を照明器具100~119に送信する。音声コマンド“シーン4に登録”及び“くつろぎに登録”は、主照明の現在の照度と色温度の設定をシーン4として登録する信号を照明器具100~119に送信する。
【0037】
図10に示す音声コマンドは、照明操作機器10の設定に関するものである。音声コマンド“ブザーをつけて”と“ブザーを消して”は、それぞれ、照明操作機器10のブザー音(応答音)ONとOFFにするものである。照明操作機器10のブザー音は、操作信号を送信する際のブザー音の他に、ウェイクワード検知音を含む。音声コマンド“ID送信”と“ID受信”は、それぞれ、ネットワークIDを他の照明操作機器に送信するものと他の照明操作機器から受信するものである。音声コマンド“器具を登録”は、照明操作機器10を同期モードに変更するものである。音声コマンド“器具を解除”は、照明操作機器10と同期している照明器具の同期を解除するものである。
【0038】
図11に示す音声コマンドは、照明操作機器10の操作指示待機時間とウェイクワードの変更に関するものである。音声コマンド“ウェイクアップ5秒”、“ウェイクアップ10秒”、“ウェイクアップ30秒”及び“ウェイクアップ1分”は、照明操作機器10a~10cのウェイクワード認識後の操作指示待機時間をそれぞれ5秒、10秒、30秒、1分に変更するものである。音声コマンド“コネクトに変更”、“コネクテッドに変更”、“リモコンに変更”、“リビングに変更”、“ダイニングに変更”、“キッチンに変更”、“寝室に変更”、“玄関に変更”、“階段に変更”、“洗面所に変更”、“廊下に変更”、“書斎に変更”及び“応接室に変更”は、それぞれ、照明操作機器10の後述する設定ウェイクワードをコネクト、コネクテッド、リモコン、リビング、ダイニング、キッチン、寝室、玄関、階段、洗面所、廊下、書斎及び応接室に変更するものである。
【0039】
なお、ウェイクワード群52及び操作指示群54は、上述した構成に限定されず、種々の任意の構成を採用可能である。例えば、ユーザが任意のウェイクワード及び音声コマンド(操作指示)を設定可能な領域を備える構成、及びウェイクワード群52及び操作指示群54に記憶されているウェイクワード及び音声コマンド(操作指示)を、ユーザが任意のウェイクワード及び音声コマンド(操作指示)に変更可能な構成等が例示される。
【0040】
ID管理56は、照明操作機器10の固有のID、例えば、シリアルナンバー、製造番号、MACアドレス等と、照明器具100~119に設定するIDとしてネットワークIDと機器IDを含んでいる。
【0041】
ネットワークIDは、同一のネットワークに参加する全ての照明器具に共通に割り付けられるユニークなIDである。メッシュ型のネットワークを構築する際に、このネットワークIDを使用することで、異なるネットワークIDを持つ照明器具をネットワークから排除することができる。ネットワークIDは、通常、照明操作機器ごとに異なるネットワークIDが割り振られており、該ネットワークIDごとにネットワークが形成される。例えば、照明操作機器10aと同期をした複数の照明器具100~104は、ネットワークAを形成し、照明操作機器10bと同期した複数の照明器具105~109は、ネットワークBを形成する。
【0042】
ネットワークIDは、ID設定を行うことで、複数の照明操作機器間で同一のネットワークIDを共有することも可能である。例えば、照明操作機器10a及び照明操作機器10bでネットワークIDを共有した場合、照明操作機器10aと同期をした複数の照明器具100~104と、照明操作機器10bと同期した複数の照明器具105~109は、一つのネットワークA′を形成する。
【0043】
機器IDは、ネットワーク内において照明器具100~119と同期している照明操作機器10を特定するためのユニークなIDである。第1実施形態において機器IDは、照明操作機器10の固有のIDであるMACアドレスを用いるが、これに限定されず、種々の任意の構成を採用可能である。機器IDは、照明操作機器10ごとに個別のIDが割り振られており、他の照明操作機器と共有することはできない。
【0044】
照明器具100~119に対しネットワークIDとは別に機器IDを設定することで、例えば、同一のネットワークA′に属する複数の照明器具100~109であっても、照明操作機器10aと同期をした複数の照明器具100~104は、照明操作機器10aの操作指示のみを実行させることが可能であり、照明操作機器10bと同期した複数の照明器具105~109は、照明操作機器10bの操作指示のみを実行させることが可能である。
【0045】
主制御部40は、音声認識部42と選択部44を備えている。選択部44は、記憶部50のウェイクワード群52からウェイクワードを選択可能に構成されている。選択部44は、具体的には、ユーザが照明操作機器10のウェイクワードを設定する際に、記憶部50のウェイクワード群52から1のウェイクワードを選択し、照明操作機器10のウェイクワードとして設定するように構成されている。以下、本明細書において、このようにして設定されたウェイクワードを設定ウェイクワードという。なお、第1実施形態において、設定ウェイクワードは、1つであるが、これに限定されず、設定ウェイクワードを複数設定可能な構成であってもよい。
【0046】
音声認識部42は、音声取得部20が電気信号に変換した音声データを受け取り、該音声データが設定ウェイクワードと、記憶部50の操作指示群54の音声コマンドとを含んでいるか否かを判別する。このような構成を備える主制御部40は、音声認識部42が音声データから設定ウェイクワード及び音声コマンドを認識した際に、記憶部50のID管理56の機器IDと、認識した音声コマンドに該当する操作指示群54の操作指示とを含む操作信号を生成可能に構成されている。
【0047】
通信部60は、送信部62と、通信同期部64とを備えており、照明器具100~119と通信可能に構成されている。送信部62は、主制御部40が生成する操作指示と機器ID(操作対象となる照明器具の種別)とを含む操作信号を照明器具100~119の受信部120に対して送信可能に構成されている。通信同期部64は、他の照明操作機器とのネットワークIDの送受信及び照明器具100~119との同期信号の送受信が可能に構成されている。
【0048】
このような構成を備える照明操作機器10は、記憶部50のウェイクワード群52から任意のウェイクワードを選択可能に構成されており、音声から該選択されたウェイクワード(設定ウェイクワード)を認識した際に起動するよう構成されている。また、照明操作機器10は、設定ウェイクワードを認識し、起動することで、音声コマンドを認識可能な操作指示待機状態になるように構成されている。
【0049】
ここで、図12を参照して照明システム1の設置例を説明する。なお、図12は、第1実施形態に係る照明システムの設置例の一例を示す図であり、設置場所や同期状態等の構成は、これに限定されない。
【0050】
照明器具100,101,105,106,110~114は、リビングに設置されており、照明操作機器10aとそれぞれ同期している。照明器具115~119は、ダイニングに設置されており、照明操作機器10bとそれぞれ同期している。照明器具104及び109は、寝室に設置されており、照明操作機器10cとそれぞれ同期している。照明器具102,103,107,108は、それぞれ、キッチン、書斎、玄関及び洗面所に設置されており、照明操作機器10a~10cと同期していない。照明操作機器10a~10cは、それぞれ、設定ウェイクワードが、“リビング”、“ダイニング”及び“寝室”に設定されている。
【0051】
照明器具100,101,105,106,110~114は、記憶部150のID152に照明操作機器10aのネットワークIDが登録されているため、メッシュ型のネットワークaを構築している。同様に、照明器具115~119は、ネットワークbを構築しており、照明器具104及び109は、ネットワークcを構築している。この状態で、ユーザが照明操作機器10aをウェイクワード“リビング”で起動し、音声コマンド“点灯”を認識させると、後述するように、ネットワークaの照明器具100,101,105,106,110~114に操作信号がリレー形式で伝送され、照明器具100,101,105,106,110~114の発光部170の主照明がメモリー点灯する。この際、ネットワークaに属さない照明器具に対しては、操作信号が送信されない。
【0052】
照明操作機器10a及び10bがネットワークIDを共有している場合、照明器具100,101,105,106,110~119は、ネットワークa′を構築する。この状態で、ユーザが照明操作機器10aをウェイクワード“リビング”で起動し、音声コマンド“点灯”を認識させると、ネットワークaの照明器具100,101,105,106,110~119に操作信号が送信される。そして、照明器具100,101,105,106,110~114は、記憶部150のID152に照明操作機器10aの機器IDが登録されているため、発光部170の主照明が点灯する。一方で、照明操作機器10bと同期している照明器具115~119は、記憶部150のID152に照明操作機器10aのネットワークIDが登録されていないため、操作信号を受信しても操作指示を実行せず、発光部170の主照明は点灯しない。
【0053】
このように、照明システム1は、ユーザがウェイクワード群52から照明器具100~119の設置場所に応じたウェイクワードを選択可能であり、例えば、照明器具100~119の設置場所の名称と音声コマンドを発するだけで直感的に照明器具100~119を操作することが可能となる。
【0054】
また、このような構成を備える照明システム1は、ローカルネットワークを使用したオフライン環境で照明操作機器10と照明器具100~119が接続されており、インターネットに接続せずに使用可能であるため、インターネット接続を使用する照明システムと比較して設定が容易であると共に音声の認識から操作の実行までの時間を短縮することが可能である。なお、照明操作機器10と照明器具100~119との通信には、2.4GHz帯の近距離無線通信規格であるBluetooth(登録商標)が好適に用いられるが、これに限定されない。例えば、近接無線通信技術であるZigBee(登録商標)、Wi-Fi Direct、EnOcean等を用いることも可能である。
【0055】
さらに、第1実施形態に係る照明システム1では、照明操作機器10の他、スマートフォンやタブレット、スマートスピーカー等の制御装置も照明器具100~119の操作機器として使用することができる。
【0056】
[第1実施形態に係る照明システムの動作の説明]
第1実施形態に係る照明システム1の動作について図13~16を参照して説明する。まず、照明操作機器10と照明器具100~119の同期手順について説明する。図15は、同期方法の一連の流れを示すフローチャートの一例である。第1実施形態に係る同期作業では、まず、照明器具100~119(第1実施形態において照明器具100)は、壁スイッチを操作することで、同期モードになる(図15のS40)。同期モードになった照明器具100は、同期可能な照明操作機器10(第1実施形態において照明操作機器10a)の検出を開始する(図15のS41)。
【0057】
一方で、照明操作機器10aを操作することで、照明操作機器10aは、同期モードになる(図15のS31)。ここで、照明操作機器10aは、該照明操作機器10の手動操作部30が備える同期部を操作することで同期モードにしてもよいし、後述する音声操作により同期モードにしてもよい。
【0058】
同期モードになった照明操作機器10aは、セキュリティ認証鍵と、記憶部50のID管理56のネットワークID及び機器IDを含むID情報とを照明器具100に送信する(図15のS33)。照明器具100は、照明操作機器10aを検出した場合(図15のS42にてYES)、照明器具100から送信されたセキュリティ認証鍵とID情報を受信する。照明器具100は、照明操作機器10aを検出しなかった場合(図15のS42にてNO)、同期モードを終了する(図15のS44)。
【0059】
セキュリティ認証鍵及びID情報を受信した照明器具100は、記憶部150にセキュリティ認証鍵を登録し、記憶部150のID152に受信したID情報を登録する(図15のS43)。最後に照明操作機器10a及び照明器具100は、同期モードを終了する(図15のS34,S44)。その後、記憶部150のID152に同一のネットワークIDを格納している照明器具同士は、公知の技術によりメッシュ型のネットワークを構築する。以上の工程により第1実施形態に係る照明システム1の一連の同期作業が実行される。
【0060】
続いて、第1実施形態に係る照明システム1の操作指示の実行手順(音声操作方法)について図13図14及び図16を参照して説明する。図13図14及び図16は、照明システム1の一連の音声操作を示すフローチャートの一例である。第1実施形態に係る照明操作では、まず、ユーザが発した音声を照明操作機器(第1実施形態において照明操作機器10a)の音声取得部20が取得する(図13のS1)。音声取得部20は、取得した音声を電気信号の音声データに変換し、該音声データを照明操作機器10aの主制御部40が備える音声認識部42に送信する。
【0061】
照明操作機器10aの主制御部40の音声認識部42は、音声取得部20から送られてきた音声データが、設定ウェイクワードを示す音声データであるか否かを識別する。音声認識部42が設定ウェイクワードを示す音声データでないと判断した場合(図13のS2にてNO)、照明操作機器10aは、ユーザの音声に反応せず、操作指示待機状態にならない。音声認識部42が設定ウェイクワードを示す音声データであると判断した場合(図13のS2にてYES)、照明操作機器10aは、起動し(図13のS3)、操作指示待機状態になる。
【0062】
所定の操作指示待機時間内にユーザから音声が発せられた場合、照明操作機器10aの音声取得部20がこれを取得し、音声データに変換して主制御部40が備える音声認識部42に音声データを送信する。音声認識部42は、音声取得部20から送られてきた音声データが、記憶部50の操作指示群54に含まれる音声コマンドのいずれかに該当するか否かを識別する。音声認識部42が操作指示群54の音声コマンドでないと判断した場合であって(図13のS4にてNO)、タイムアウトではない場合(図13のS6にてNO)、照明操作機器10は、再び操作指示待機状態になり、所定の操作指示待機時間内に操作指示群54の音声コマンドを検出せず(図13のS4にてNO)、タイムアウトとなった場合(図13のS6にてYES)、操作指示待機状態を終了する。
【0063】
一方で、照明操作機器10aの主制御部40の音声認識部42が取得した音声データを記憶部50の操作指示群54に含まれるいずれかの音声コマンドであると判断した場合(図13のS4にてYES)、音声コマンドに応じて以下の処理を実行する。まず、照明操作機器10aの主制御部40の音声認識部42が識別した音声コマンドが、図5図9に示す、操作指示群54の照明器具100~119に関する音声コマンドである場合(図13のS5にてNo.1~63)、主制御部40は、記憶部50の操作指示群54から音声コマンドと対応する操作指示を読み出し、該操作指示と、記憶部50のID管理56の機器IDとを含む操作信号を生成する。
【0064】
照明操作機器10aの通信部60の送信部62は、照明操作機器10aと同一のネットワークID及び機器IDを有する照明器具、つまり、照明操作機器10aと同期している照明器具であって、照明操作機器10aから最も近い場所に設置されている照明器具(第1実施形態において照明器具100)に対し、主制御部40が生成した操作信号を送信する(図16のS10)。
【0065】
なお、第1実施形態において、照明操作機器10は、1つの音声コマンドを認識して操作信号を生成することを前提として説明しているが、これに限定されない。例えば、照明操作機器10は、操作指示待機状態において、複数の音声コマンドを認識することが可能であり、それぞれの音声コマンドに応じて複数の操作信号を生成し、又は、複数の操作指示を含む操作信号を生成し、照明器具100~119に送信可能な構成等が例示される。
【0066】
照明器具100は、照明操作機器10から送信された操作信号を受信部120で受信する(図16のS11)。操作信号を受信した照明器具100は、操作信号を、照明器具100と同じネットワーク上の照明器具(第1実施形態において照明器具101)に送信する(図16のS12)。照明器具100は、操作信号の送信と同時に、又は送信後に、操作信号に含まれる操作指示に従って主制御部140の各制御部が指示内容を実行する(図16のS13)。
【0067】
照明器具101は、照明器具100から送信された操作信号を受信部120で受信する(図16のS21)。操作信号を受信した照明器具101は、操作信号を同一のネットワーク上の照明器具に送信する(図16のS22)。照明器具101は、操作信号の送信と同時に又は送信後に、主制御部140のID識別部148が、受信した操作信号に含まれている機器IDと、記憶部150のID152に登録されている機器IDとが一致するか否かを判別する。操作信号の機器IDとID152の機器IDが一致する場合(図16S23にてYESの場合)、照明器具101は、操作信号に含まれる操作指示に従って主制御部140の各制御部が指示内容を実行する(図16のS24)。
【0068】
一方で、照明器具101が受信した操作信号に含まれている機器IDが、記憶部150に格納されたID152の機器IDと一致しない場合(図16のS23にてNO)、照明器具101は、操作信号に含まれる操作指示を実行せずに動作を終了する。以下、他に照明器具100及び照明器具101とネットワークを形成している照明器具がある場合、同様の手順が繰り返される。
【0069】
次に、照明操作機器10aの主制御部40の音声認識部42が識別した音声コマンドが、図10及び図11に示す、操作指示群54の照明操作機器10に関する音声コマンドである場合であって(図13のS5にてNo.64~86)、No.68以外の音声コマンドである場合(図13のS30にてNO)、主制御部40は、記憶部50の操作指示群54から音声コマンドと対応する操作指示を読み出し、該操作指示を実行する(図13のS32)。音声認識部42が識別した音声コマンドが、No.68の音声コマンドである場合(図13のS30にてYES)、照明操作機器10は、同期モードになり(図15のS31)、同期可能な照明器具の検出を開始する(図15のS33)。以上の工程により第1実施形態に係る照明システム1の一連の音声操作が実行される。
【0070】
[第1実施形態に係る照明操作機器及び照明システムの利点]
以上説明したように、第1実施形態に係る照明操作機器10は、照明器具100~119を操作するための照明操作機器であって、ウェイクワード及び操作指示に関する文字情報を有する記憶部50と、ユーザの音声を取得する音声取得部20と、記憶部50に記憶されたウェイクワード及び操作指示に基づいて、音声から該ウェイクワード及び該操作指示を認識可能に構成された音声認識部42と、音声認識部42により識別された操作指示を実行させるための操作信号を照明器具100~119に送信する送信部62とを備えている。ウェイクワードは、操作対象となる照明器具100~119に関する名称である。
【0071】
そして、第1実施形態に係る照明操作機器10は、このような構成を備えることにより、ウェイクワードが操作対象となる照明器具100~119に関する名称であるため、該ウェイクワードと操作指示を発することで直感的に照明器具100~119の音声操作をすることができるという利点を有している。
【0072】
また、第1実施形態に係る照明操作機器10において、ウェイクワードは、操作対象となる照明器具100~119が設置される場所に関する名称を含む。このような構成を備えることにより、照明器具100~119の設置場所で使用する照明操作機器10のウェイクワードを直感的に理解することができるという利点を有している。
【0073】
さらに、第1実施形態に係る照明操作機器10において、記憶部50は、複数の異なるウェイクワードからなるウェイクワード群52が格納されている。このような構成を備えることにより、照明操作機器10は、複数の異なるウェイクワードを使用可能であるという利点を有している。
【0074】
またさらに、第1実施形態に係る照明操作機器10は、ウェイクワード群52から任意のウェイクワードを選択可能に構成されており、音声から該選択されたウェイクワードを認識した際に起動するよう構成されている。このような構成を備えることにより、照明操作機器10を複数使用する際に、該照明操作機器10を使用する場所、又は、該照明操作機器10の操作対象となる照明器具100~119に応じて異なる設定ウェイクワードを使用できるという利点を有している。
【0075】
[第2実施形態に係る照明システムの全体構成]
次に、第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。第2実施形態に係る照明システム1′は、図17に示すように、建物の任意の空間に取り付けられる照明器具100′~119′と、該照明器具100′~119′を操作可能な照明操作機器10′とを備える照明システムである。
【0076】
[第2実施形態に係る照明器具の構成]
照明器具100′~119′は、第1実施形態に係る照明器具100~119と同様の受信部120と、送信部160と、発光部170とを備えている。また、照明器具100′~119′は、主制御部140′と記憶部150′を更に備えている。主制御部140′は、点灯制御部142と、調光制御部144と、調色制御部146とID識別部148′とを備えている。ID識別部148′は、受信部120が操作信号を受信した際に、該操作信号に含まれる機器ID及び後述するグループID(操作対象種別)が、記憶部150に記録された機器ID及びグループIDと一致するか否かを識別するよう構成されている。記憶部150′は、ID152′とプログラム154を備えている。ID152′は、照明器具100′~119′の固有のIDの他に照明操作機器10′によって設定される機器ID、ネットワークID及びグループIDを含んでいる。
【0077】
このような構成を備える照明器具100′~119′は、照明操作機器10′の送信部62及び他の照明器具の送信部160から操作信号を受信した際に、該操作信号に含まれる機器ID及びグループID(操作対象種別)が記憶部150に登録されている自己の機器ID及びグループID(操作対象種別)である場合に、操作信号に基づいて操作指示を実行するよう構成されている。
【0078】
[第2実施形態に係る照明操作機器の構成]
照明操作機器10′は、第1実施形態に係る照明操作機器10と同様の音声取得部20と、手動操作部30とを備えている。また、照明操作機器10′は、主制御部40′と記憶部50′と、通信部60′とを更に備えている。主制御部40′は、音声認識部42と選択部44′を備えている。記憶部50′は、ウェイクワード群52′と操作指示群54とID管理56′を備えており、ウェイクワード毎に異なるグループID(操作対象種別)が対応付けられて格納されている。通信部60′は、第1実施形態に係る通信部60と同様の送信部62及び通信同期部64を備えており、操作指示群54の操作指示とグループID(操作対象種別)とを含む操作信号送信可能に構成されている。
【0079】
記憶部50′のID管理56′は、第1実施形態に係るID56と同様の構成に加えてグループIDを備えている。また、記憶部50′のウェイクワード群52′は、図18に示すように、第1実施形態に係るウェイクワード群52と同様の複数のウェイクワードを備えており、それぞれのウェイクワードには、グループIDが対応付けられて格納されている。グループIDは、主制御部40′の音声認識部42が認識するウェイクワード群52′のウェイクワードごとに操作指示を実行する照明器具を指定するためのユニークなIDである。
【0080】
第2実施形態において、ウェイクワード“コネクト”は、AというグループIDが対応付けられている。ウェイクワード“コネクテッド”は、BというグループIDが対応付けられている。ウェイクワード“リモコン”は、CというグループIDが対応付けられている。ウェイクワード“リビング”は、DというグループIDが対応付けられている。ウェイクワード“ダイニング”は、EというグループIDが対応付けられている。ウェイクワード“キッチン”は、FというグループIDが対応付けられている。ウェイクワード“寝室”は、というGグループIDが対応付けられている。
ウェイクワード“玄関”は、HというグループIDが対応付けられている。ウェイクワード“階段”は、IというグループIDが対応付けられている。ウェイクワード“洗面所”は、JというグループIDが対応付けられている。ウェイクワード“廊下”は、KというグループIDが対応付けられている。ウェイクワード“書斎”は、LというグループIDが対応付けられている。ウェイクワード“応接室”は、MというグループIDが対応付けられている。なお、グループIDは、連続するアルファベットに限定されず、種々の任意の構成を採用可能である。
【0081】
ここで、グループIDを設定する利点について説明する。例えば、同一のネットワークに参加し、照明操作機器10′と同期している複数の照明器具は、同一の機器IDを有するため、照明操作機器10′から操作信号が送信された場合、全ての照明器具が操作指示を実行する。しかし、ネットワークID及び機器IDに加えて異なるグループIDを照明器具に設定することで、照明操作機器10′から送信される操作信号のグループIDと同一のグループIDが登録されている照明器具のみが操作指示を実行する。さらに、このようなグループIDがウェイクワードと対応付けられていることで、ウェイクワード毎に操作指示を実行する照明器具を指定可能となる。
【0082】
主制御部40′の音声認識部42は、音声取得部20が電気信号に変換した音声データを受け取り、記憶部50′のウェイクワード群52′のウェイクワードと、記憶部50の操作指示群54の音声コマンドとを含んでいるか否かを判別する。主制御部40′の選択部44′は、記憶部50のウェイクワード群52′からウェイクワードを選択可能に構成されている。選択部44は、具体的には、音声認識部42が音声データからウェイクワード群52′のいずれかのウェイクワードを認識した際に、記憶部50のウェイクワード群52から該認識したウェイクワードを選択し、選択したウェイクワードに基づいて照明操作機器10′が起動するように構成されている。
【0083】
主制御部40′は、音声認識部42が音声データから記憶部50′のウェイクワード群52′のいずれかのウェイクワード及び操作指示群54の音声コマンドを認識した際に、記憶部50′のID管理56′の機器IDと、認識した音声コマンドに該当する操作指示群54の操作指示と、選択部44′が選択したウェイクワードと対応付けられているグループIDとを含む操作信号を生成可能に構成されている。
【0084】
このような構成を備える照明操作機器10′は、主制御部40′の音声認識部42により記憶部50′のウェイクワード群52′に含まれるウェイクワードを認識した際に起動するよう構成されている。
【0085】
以上の構成を備えることにより、照明システム1′は、ユーザがウェイクワード群52から照明器具100~119の設置場所に応じてウェイクワードを照明器具ごとに選択可能であり、1台の照明操作機器10′で照明器具100~119の設置場所に応じた複数のウェイクワードを認識し、ウェイクワードごとに操作対象の異なる操作信号を送信可能に構成されている。例えば、リビングに設置されている1台の照明操作機器10′を使用して、リビングに設置されている照明器具をウェイクワード“リビング”と音声コマンドで操作し、リビングから離れた場所、例えば、キッチンに設置されている照明器具をウェイクワード“キッチン”と音声コマンドで操作することができる。
【0086】
[第2実施形態に係る照明システムの動作の説明]
第2実施形態に係る照明システム1′の動作について説明する。なお、第1実施形態と重複する動作の説明は適宜省略する。まず、照明操作機器10′と照明器具100′~119′の同期手順について説明する。照明操作機器10′と照明器具100′~119′の同期手順は、概ね第1実施形態に係る同期手順と同じであるが、照明操作機器10′は、図15のS33にて、記憶部50′のID管理56′のネットワークID及び機器IDに加えてグループIDを含むID情報を照明器具100′に送信する。照明器具100′は、照明操作機器10′から送信されたID情報を受信し、記憶部150のID152に該ID情報を登録する(図15のS43)。以下、第1実施形態と同様の手順で同期が行われる。
【0087】
続いて、第2実施形態に係る照明システム1′の操作指示の実行手順(音声操作方法)について説明する。第2実施形態に係る照明操作では、第1実施形態と同様に、ユーザが発した音声を照明操作機器10′の音声取得部20が取得する(図13のS1)。音声取得部20は、取得した音声を電気信号の音声データに変換し、該音声データを照明操作機器10′の主制御部40′が備える音声認識部42に送信する。
【0088】
照明操作機器10′の主制御部40′の音声認識部42は、音声取得部20から送られてきた音声データが、記憶部50′のウェイクワード群52′に含まれるいずれかのウェイクワードを示す音声データであるか否かを識別する。音声認識部42がウェイクワード群52′のウェイクワードを示さない音声データであると判断した場合(図13のS2にてNO)、照明操作機器10′は、ユーザの音声に反応せず、操作指示待機状態にならない。音声認識部42がウェイクワード群52′のいずれかのウェイクワードを示す音声データであると判断した場合(図13のS2にてYES)、選択部44′は、音声認識部42が識別したウェイクワード群52のウェイクワードを選択する。そして、照明操作機器10′は選択したウェイクワードに基づいて起動し(図13のS3)、操作指示待機状態になる。
【0089】
所定の操作指示待機時間内にユーザから音声が発せられた場合、照明操作機器10aの音声取得部20がこれを取得し、音声データに変換して主制御部40が備える音声認識部42に音声データを送信する。音声認識部42は、音声取得部20から送られてきた音声データが、記憶部50の操作指示群54に含まれる音声コマンドのいずれかに該当するか否かを識別する。照明操作機器10′は、主制御部40′の音声認識部42が記憶部50′の操作指示群54に含まれるいずれかの音声コマンドであると判断した場合(図13のS4にてYES)、音声コマンドに応じて以下の処理を実行する。
【0090】
まず、照明操作機器10′の主制御部40′の音声認識部42が識別した音声コマンドが、図5図9に示す、操作指示群54の照明器具100~119に関する音声コマンドである場合(図13のS5にてNo.1~63)、主制御部40′は、記憶部50の操作指示群54から音声コマンドと対応する操作指示を読み出し、操作信号を生成する。生成される操作信号は、該操作指示と、記憶部50のID管理56の機器IDと、選択部44が選択したウェイクワードと対応付けられているグループIDとを含む。
【0091】
照明操作機器10′の通信部60′の送信部62は、照明操作機器10′と同一のネットワークID及び機器IDを有する照明器具、つまり、照明操作機器10′と同期している照明器具であって、照明操作機器10′から最も近い場所に設置されている照明器具(第2実施形態において照明器具100′)に対し、主制御部40′が生成した操作信号を送信する(図16のS10)。
【0092】
照明器具100′は、照明操作機器10′から送信された操作信号を受信部120で受信する(図16のS11)。操作信号を受信した照明器具100′は、操作信号を、照明器具100′と同じネットワーク上の照明器具(第2実施形態において照明器具101′)に送信する(図16のS12)。照明器具100′は、操作信号の送信と同時に又は送信後に、主制御部140′のID識別部148′が、受信した操作信号に含まれている機器ID及びグループIDと、記憶部150′に登録されているID152′の機器ID及びグループIDとが一致するか否かを判別する。
【0093】
照明器具100′が受信した操作信号の機器ID及びグループIDと、ID152′に登録されている機器ID及びグループIDとが一致する場合、照明器具100′は、操作信号に含まれる操作指示に従って主制御部140′の各制御部が指示内容を実行する(図16のS13)。一方で、照明器具100′が受信した操作信号の機器ID及びグループIDが、記憶部150′のID152′に登録されている機器ID及びグループIDと一致しない場合、照明器具100′は、操作信号に含まれる操作指示を実行せずに動作を終了する。
【0094】
照明器具101′は、照明器具100′から送信された操作信号を受信部120で受信する(図16のS21)。操作信号を受信した照明器具101′は、操作信号を同一のネットワーク上の照明器具に送信する(図16のS22)。照明器具101′は、操作信号の送信と同時に又は送信後に、主制御部140′のID識別部148′が、受信した操作信号に含まれている機器ID及びグループIDと、記憶部150′のID152′に登録されている機器ID及びグループIDとが一致するか否かを判別する。操作信号の機器ID及びグループIDと、ID152に登録されている機器ID及びグループIDとが一致する場合(図16のS23にてYES)、照明器具101′は、操作信号に含まれる操作指示に従って主制御部140′の各制御部が指示内容を実行する(図16のS24)。
【0095】
一方で、照明器具101′が受信した操作信号の機器ID及びグループIDが、記憶部150′のID152′に登録されている機器ID及びグループIDと一致しない場合(図16のS23にてNO)、照明器具101′は、操作信号に含まれる操作指示を実行せずに動作を終了する。以下、他に照明器具100′及び照明器具101′とネットワークを形成している照明器具がある場合、同様の手順が繰り返される。
【0096】
照明操作機器10′の主制御部40′の音声認識部42が識別した音声コマンドが、図10及び図11に示す、操作指示群54の照明操作機器10′に関する音声コマンドである場合は(図13のS5にてNo.64~86)、第1実施形態と同様の手順が実行される。以上の工程により第2実施形態に係る照明システム1′の一連の音声操作が実行される。
【0097】
[第2実施形態に係る照明システムの利点]
以上説明したように、第2実施形態に係る照明操作機器10′は、第1実施形態と同様に、ウェイクワードが操作対象となる照明器具100′~119′に関する名称であるため、該ウェイクワードと操作指示を発することで直感的に照明器具100′~119′の音声操作をすることができるという利点を有している。
【0098】
また、第2実施形態に係る照明操作機器10′は、第1実施形態と同様に、ウェイクワードが、操作対象となる照明器具100′~119′が設置される場所に関する名称を含むことにより、照明器具100′~119′の設置場所で使用する照明操作機器10′のウェイクワードを直感的に理解することができるという利点を有している。
【0099】
さらに、第2実施形態に係る照明操作機器10′において、第1実施形態と同様に、記憶部50′は、複数の異なるウェイクワードからなるウェイクワード群52′が格納されていることにより、複数の異なるウェイクワードを使用可能であるという利点を有している。
【0100】
またさらに、第2実施形態に係る照明操作機器10′は、音声認識部42によりウェイクワード群52′に含まれているウェイクワードを認識した際に起動するよう構成されている。このような構成を備えることにより、照明操作機器10′は、複数の異なるウェイクワードに反応して起動することが可能であるという利点を有している。
【0101】
また、第2実施形態に係る照明操作機器10′において、記憶部50′には、ウェイクワード毎に異なる操作対象種別(グループID)が対応付けて格納されており、送信部62は、操作指示と操作対象種別とを含む操作信号を送信可能に構成されている。このような構成を備えることにより、照明操作機器10′は、ウェイクワード毎に操作対象となる照明器具100′~119′を指定することができ、また、一つの照明操作機器10′を用いて照明器具100′~119′の複数のグループをそれぞれ操作可能であるという利点を有している。
【0102】
[変形例]
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
【0103】
例えば、上述した第1実施形態及び第2実施形態において、ウェイクワードは、操作対象となる照明器具100~119が設置される場所に関する名称を含むものとして説明したが、これに限定されない。例えば、“シーリング”、“ダウンライト”及び“ペンダントライト”等の照明器具の名称等であってもよい。
【0104】
上述した第1実施形態及び第2実施形態において、照明操作機器10の記憶部50は、複数の異なるウェイクワードからなるウェイクワード群52が格納されているものとして説明したが、これに限定されない。照明操作機器10の記憶部50は、1つのウェイクワードのみを備えてもよい。
【0105】
上述した第1実施形態において、照明操作機器10は、ウェイクワード群52から任意のウェイクワードを選択可能に構成されており、音声から該選択されたウェイクワードを認識した際に起動するよう構成されているものとして説明したが、これに限定されない。例えば、照明操作機器10は、常に操作指示待機状態であり、設定ウェイクワードを認識した場合に、操作指示を照明器具100~119に送信するような構成等が例示される。すなわち、照明操作機器10,10′は、ウェイクワードと音声コマンドを一連の音声データから認識し、起動と同時に操作信号を生成する構成等である。
【0106】
上述した第2実施形態において、照明操作機器10′は、音声認識部42によりウェイクワード群52′に含まれているウェイクワードを認識した際に起動するよう構成されているものとして説明したが、これに限定されない。
【0107】
上述した第2実施形態において、照明操作機器10′の記憶部50′には、ウェイクワード毎に異なる操作対象種別(グループID)が対応付けて格納されており、送信部62は、操作指示と操作対象種別とを含む操作信号を送信可能に構成されているものとして説明したが、これに限定されない。
【0108】
上述した第1実施形態及び第2実施形態において、照明器具100~119,100′~119′が設置される建物は、住宅を前提として説明したが、これに限定されない。例えば、照明システム1は、店舗等の商業施設、美術館、オフィス等の様々な建物で採用可能である。
【0109】
上述した第1実施形態及び第2実施形態において、照明システム1及び照明システム1′は、照明操作機器10,10′及び照明器具100~119,100′~119′を備えるものとして説明したが、これに限定されない。例えば、図19及び図20に示すように、照明システム1′′は、照明器具200~219を備え、照明器具200~219は、照明操作機器10,10′としての機能と照明器具100~119,100′~119′としての機能との双方を備える構成等が例示される。照明器具200~219は、音声取得部220と、受信部230と、主制御部240と、記憶部250と、通信部260と、発光部270を備えている。主制御部240は、点灯制御部241と、調光制御部242と、調光制御部243と、ID識別部244と、音声認識部245と、選択部246とを備えている。記憶部250は、ウェイクワード群252と、操作指示群253と、プログラム254と、ID管理255とを備える。通信部260は、送信部262と通信同期部264とを備えている。
【0110】
上述した第2実施形態において、照明器具100′~119′は、1つのグループIDのみを登録可能な構成であることを前提として説明したが、これに限定されない。例えば、照明器具100′~119′は、図21に例示するように、1つの照明器具に対して、複数のグループIDを設定することも可能である。図21の例では、照明器具100′,110′,111′は、設定されているグループIDがB,D,Eであるから、ウェイクワードが“コネクテッド”、“リビング”及び“ダイニング”の際に操作指示を実行する。照明器具101′,105′,115′は、設定されているグループIDがB及びDであるから、ウェイクワードが“コネクテッド”及び“リビング”の際に操作指示を実行する。照明器具102′は、設定されているグループIDがB及びFであるから、ウェイクワードが“コネクテッド”及び“キッチン”の際に操作指示を実行する。照明器具103′は、設定されているグループIDがLであるから、ウェイクワードが“書斎”の際に操作指示を実行する。照明器具104′,109′は、設定されているグループIDがGであるから、ウェイクワードが“寝室”の際に操作指示を実行する。照明器具106′は、設定されているグループIDがB及びEであるから、ウェイクワードが“コネクテッド”及び“ダイニング”の際に操作指示を実行する。照明器具107′は、設定されているグループIDがHであるから、ウェイクワードが“玄関”の際に操作指示を実行する。照明器具108′は、設定されているグループIDがJであるから、ウェイクワードが“洗面所”の際に操作指示を実行する。照明器具112′~114′は、設定されているグループIDがKであるから、ウェイクワードが“廊下”の際に操作指示を実行する。照明器具116′~119′は、設定されているグループIDがIであるから、ウェイクワードが“階段”の際に操作指示を実行する。
【0111】
上述した第1実施形態及び第2実施形態において、照明操作機器10,10′の手動操作部30は、同期部を備えるものとして説明したが、これに限定されず、照明操作機器10,10′を同期モードに変更可能な構成であれば、種々の任意の構成を採用可能である。例えば、照明操作機器10,10′は、手動操作部30の点灯操作部を操作することで、照明操作機器10,10′を同期モードに変更可能な構成等が例示される。
【0112】
上述した第1実施形態及び第2実施形態において、機器IDは、照明操作機器10,10′の固有のIDを使用するものとして説明したが、これに限定されない。例えば、照明器具100~119,100′~119′の固有のIDを機器IDとして使用してもよい。この場合、照明器具100~119,100′~119′は、記憶部150,150′のID152,152′の固有のIDを照明操作機器10,10′に送信し、照明操作機器10,10′は、照明器具100~119,100′~119′から送信される機器IDを受信し、記憶部50,50′のID管理56,56′に機器IDを登録する。
【0113】
上述した第2実施形態において、操作対象種別は、グループIDであるものとして説明したがこれに限定されない。例えば、照明操作機器10′は、照明器具100′~119′と同期する際に、該照明器具100′~119′に記憶部50のウェイクワード群52′のウェイクワードを設定し、操作対象種別としてのウェイクワードと操作指示とを含む操作信号を送信するような構成等が例示される。
【0114】
上述した第2実施形態において、照明操作機器10′は、1つのウェイクワードを認識し、該ウェイクワードと対応付けられているグループIDを含む操作信号を生成可能な構成であることを前提として説明したが、これに限定されない。例えば、照明操作機器10′は、“リビング、ダイニング”や“リビングとダイニング”等音声データから複数の異なるウェイクワードを認識し、該認識したウェイクワードと対応付けられている複数の異なるグループIDを含む操作信号生成可能な構成等が例示される。このような構成においては、既述のとおり、照明操作機器10′の操作指示待機時間(例えば5秒、10秒、30秒、1分)が変更可能に構成されていることが特に好ましく、これにより、複数の異なるウェイクワードを発して音声操作をする際に操作指示待機時間が足りないという問題が起きにくく、余裕を持って音声操作をすることができるという利点が顕著となる。
【0115】
上述した第1実施形態及び第2実施形態において、照明操作機器10,10′のウェイクワード群52,52′は、挨拶に関する名称のウェイクワードを更に備えてもよい。この場合において、挨拶と操作指示とを予め対応付けて格納しておく構成としてもよい。例えば、照明操作機器10,10′は、ウェイクワード“おはよう”を有しており、該ウェイクワードを認識した際に、音声コマンドを発することなく、朝に適した照度と色温度で照明器具100~119,100′~119′の主照明を点灯させる操作信号を照明器具100~119,100′~119′に送信可能に構成されてもよい。また、照明操作機器10,10′は、ウェイクワード“おやすみ”を有しており、該ウェイクワードを認識した際に、常夜灯で照明器具100~119,100′~119′の主照明を点灯させる操作信号を照明器具100~119,100′~119′に送信可能に構成されてもよい。さらに、照明操作機器10,10′は、ウェイクワード“いってきます”を備えており、該ウェイクワードを認識した際に、照明器具100~119,100′~119′の主照明を消灯させる操作信号を照明器具100~119,100′~119′に送信可能に構成されてもよい。またさらに、照明操作機器10,10′は、ウェイクワード“ただいま”を備えており、該ウェイクワードを認識した際に、照明器具100~119,100′~119′の主照明をメモリー点灯させる操作信号を照明器具100~119,100′~119′に送信可能に構成されてもよい。
【符号の説明】
【0116】
1,1′,1′′ 照明システム
10,10a~10c,10′ 照明操作機器
20 音声取得部
30 手動操作部
40,40′ 主制御部
42 音声認識部
44,44′ 選択部
50,50′ 記憶部
52,52′ ウェイクワード群
54 操作指示群
56,56′ ID管理
60,60′ 通信部
62 送信部
64 通信同期部
100~119,100′~119′ 照明器具
120 受信部
140,140′ 主制御部
142 点灯制御部
144 調光制御部
146 調色制御部
148,148′ ID識別部
150,150′ 記憶部
152,152′ ID
154 プログラム
200~219 照明器具
220 音声取得部
230 受信部
240 主制御部
241 点灯制御部
242 調光制御部
243 調色制御部
244 ID識別部
245 音声認識部
246 選択部
250 記憶部
252 ウェイクワード群
253 操作指示群
254 プログラム
255 ID管理
260 通信部
262 送信部
264 通信同期部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21