(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154782
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】配達支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20221005BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20221005BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20221005BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20221005BHJP
G01C 21/36 20060101ALI20221005BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
G08B21/02
H04M11/00 302
B65G61/00 546
G01C21/36
G08G1/0969
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021057984
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】清水 真弥
【テーマコード(参考)】
2F129
5C086
5H181
5K201
5L049
【Fターム(参考)】
2F129AA03
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2F129HH15
5C086AA53
5C086AA54
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5L049CC51
(57)【要約】 (修正有)
【課題】配達先または配達元によって異なる注意事項を容易に把握することが可能な配達支援システムを提供する。
【解決手段】頭部装着型表示装置1と、携帯端末2と、通信装置3と、管理サーバ4、を備える配達支援システム100において、頭部装着型表示装置1は、配達元または配達先への訪問に関する注意情報と、配達元または配達先への道順を示す配達経路情報とを含む配達情報を表示する表示部を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配達元または配達先への訪問に関する注意情報と、前記配達元または前記配達先への道順を示す配達経路情報とを含む配達情報が表示されるとともに、頭部に装着可能な頭部装着型表示装置と、
前記配達情報を取得し、前記配達情報を前記頭部装着型表示装置に送信する携帯端末と、
配達に使用される移動体に取り付けられるとともに、前記携帯端末または前記頭部装着型表示装置のうち少なくとも一方と通信可能な通信装置と、を備え、
前記携帯端末は、前記通信装置と、前記携帯端末または前記頭部装着型表示装置との通信状態に基づいて、前記頭部装着型表示装置に前記注意情報または前記配達経路情報を表示させるように構成されている、配達支援システム。
【請求項2】
前記携帯端末は、位置検出部を含み、
前記携帯端末は、さらに前記位置検出部により検出された位置に基づいて、前記配達経路情報から前記注意情報に切り替えて前記頭部装着型表示装置に表示させるように構成されている、請求項1に記載の配達支援システム。
【請求項3】
前記携帯端末は、前記位置検出部により検出された位置が前記配達元から所定の範囲内である場合に、前記頭部装着型表示装置に前記配達元に関する前記注意情報を表示させるとともに、前記位置検出部により検出された位置が前記配達先から所定の範囲内である場合に、前記頭部装着型表示装置に前記配達先に関する前記注意情報を表示させるように構成されている、請求項2に記載の配達支援システム。
【請求項4】
前記携帯端末は、前記位置検出部により検出した位置に基づいて、配達状況を識別可能に前記頭部装着型表示装置に表示させるように構成されている、請求項2または3に記載の配達支援システム。
【請求項5】
前記携帯端末は、前記通信装置と、前記携帯端末または前記頭部装着型表示装置との通信状態が、接続状態である場合に、前記配達経路情報を前記頭部装着型表示装置に表示させるように構成されているとともに、前記通信装置と、前記携帯端末または前記頭部装着型表示装置との通信状態が、切断状態である場合に、前記注意情報を前記頭部装着型表示装置に表示させるように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の配達支援システム。
【請求項6】
前記携帯端末は、前記通信装置からの受信電波の強度が所定値未満である場合に、前記注意情報を前記頭部装着型表示装置に表示させるように構成されているとともに、前記通信装置からの受信電波の強度が所定値以上である場合に、前記配達経路情報を前記頭部装着型表示装置に表示させるように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の配達支援システム。
【請求項7】
前記頭部装着型表示装置は、操作部を含み、
前記携帯端末は、さらに、前記操作部を介した操作の受付と、前記位置検出部による位置情報とに基づいて、前記配達経路情報を前記頭部装着型表示装置に表示させるように構成されている、請求項2に記載の配達支援システム。
【請求項8】
前記携帯端末および前記頭部装着型表示装置のうち少なくとも一方は、音声入力部を含み、
前記携帯端末は、前記操作部を介した操作入力または、前記音声入力部を介した音声入力に基づいて、前記頭部装着型表示装置に前記配達元または前記配達先に対する対応マニュアルを表示するように構成されている、請求項7に記載の配達支援システム。
【請求項9】
配達に関する配達情報が表示されるとともに、頭部に装着可能な頭部装着型表示装置と、
前記配達情報を取得し、前記配達情報を前記頭部装着型表示装置に送信する携帯端末と、
配達に使用される移動体に取り付けられるとともに、前記携帯端末または前記頭部装着型表示装置のうち少なくとも一方と通信可能な通信装置と、を備え、
前記携帯端末または前記頭部装着型表示装置のうち少なくとも一方は、録音部を有し、
前記携帯端末は、前記通信装置と、前記携帯端末または前記頭部装着型表示装置との通信状態に基づいて、前記録音部により録音を開始するように構成されている、配達支援システム。
【請求項10】
前記携帯端末は、位置検出部を含み、
前記携帯端末は、さらに、前記位置検出部により検出された位置が配達元から所定の範囲内である場合、または、前記位置検出部により検出された位置が配達先から所定の範囲内である場合に、前記録音部による録音を開始するように構成されている、請求項9に記載の配達支援システム。
【請求項11】
前記頭部装着型表示装置は、操作部を含み、
前記携帯端末は、さらに、前記操作部を介した操作の受付に基づいて、録音を開始するように構成されている、請求項9または10に記載の配達支援システム。
【請求項12】
前記携帯端末は、加速度センサを含み、
前記携帯端末は、さらに、前記加速度センサにより所定値以上の衝撃を検出したことに基づいて、録音を開始するように構成されている、請求項9~11のいずれか1項に記載の配達支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、配達支援システムに関し、特に、携帯端末を備える配達支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末を備える配達支援システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、サーバと、携帯端末とを備える配達支援システムが開示されている。上記特許文献1の配達支援システムでは、携帯端末に配達ルートが表示され、配達員は、携帯端末に表示された配達ルートに従って店舗から顧客に商品を配達する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1には開示されていないが、店舗または顧客によって商品の受け取り方および受け渡し方に関する注意事項が異なることが考えられる。しかしながら、配達員が顧客または店舗ごとに異なる注意事項をすべて把握しておくことは困難であるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、配達先または配達元によって異なる注意事項を容易に把握することが可能な配達支援システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による配達支援システムは、配達元または配達先への訪問に関する注意情報と、配達元または配達先への道順を示す配達経路情報とを含む配達情報が表示されるとともに、頭部に装着可能な頭部装着型表示装置と、配達情報を取得し、配達情報を頭部装着型表示装置に送信する携帯端末と、配達に使用される移動体に取り付けられるとともに、携帯端末または頭部装着型表示装置のうち少なくとも一方と通信可能な通信装置と、を備え、携帯端末は、通信装置と、携帯端末または頭部装着型表示装置との通信状態に基づいて、頭部装着型表示装置に注意情報または配達経路情報を表示させるように構成されている。
【0008】
この発明の第1の局面による配達支援システムでは、上記のように、携帯端末は、通信装置と、携帯端末または頭部装着型表示装置との通信状態に基づいて、頭部装着型表示装置に注意情報または配達経路情報を表示させるように構成されている。これにより、移動体と携帯端末との位置関係によって異なる通信状態に基づいて配達経路情報または注意情報を表示させることができるため、配達先または配達元にいる場合の通信状態に応じて、注意情報を頭部装着型表示装置に表示させることができる。この結果、配達先または配達元によって異なる注意情報を容易に把握することができる。
【0009】
上記第1の局面による配達支援システムにおいて、好ましくは、携帯端末は、位置検出部を含み、携帯端末は、さらに位置検出部により検出された位置に基づいて、配達経路情報から注意情報に切り替えて頭部装着型表示装置に表示させるように構成されている。このように構成すれば、位置検出部により検出された位置に基づいて配達経路情報から注意情報に切り替えて頭部装着型表示装置に表示させるように構成されていることにより、位置検出部により検出した位置が、配達先または配達先である場合に注意情報を表示させることができるため、タイミングよく配達員が注意情報を確認することできる。
【0010】
この場合、好ましくは、携帯端末は、位置検出部により検出された位置が配達元から所定の範囲内である場合に、頭部装着型表示装置に配達元に関する注意情報を表示させるとともに、位置検出部により検出された位置が配達先から所定の範囲内である場合に、頭部装着型表示装置に配達先に関する注意情報を表示させるように構成されている。このように構成すれば、位置検出部により検出された位置が配達先または配達元から所定の範囲内である場合に注意情報が表示されるため、配達員は、注意情報に従って配達元または配達先を訪問することにより、配達先または配達元と、配達員との間に問題が発生することを効果的に抑制することができる。
【0011】
上記、携帯端末が位置検出部を含む配達支援システムにおいて、好ましくは、携帯端末は、位置検出部により検出した位置に基づいて、配達状況を識別可能に頭部装着型表示装置に表示させるように構成されている。このように構成すれば、位置検出部により検出した位置に基づいて、配達状況を識別可能に頭部装着型表示装置に表示することにより、配達員は配達状況を確認しながら配達を行うことができるため、頭部装着型表示装置に表示されている情報の内容を配達状況と対応付けて明確に把握することができる。
【0012】
上記第1の局面による配達支援システムにおいて、好ましくは、携帯端末は、通信装置と、携帯端末または頭部装着型表示装置との通信状態が、接続状態である場合に、配達経路情報を頭部装着型表示装置に表示させるように構成されているとともに、通信装置と、携帯端末または頭部装着型表示装置との通信状態が、切断状態である場合に、注意情報を頭部装着型表示装置に表示させるように構成されている。ここで、通信装置と、携帯端末または頭部装着型表示装置との通信状態が接続状態である場合は、通信装置と、携帯端末または頭部装着型表示装置とが通信できる位置に位置していると考えられるため、配達員が移動体の近くにいる移動中とみなすことができる。そのため、通信装置と、携帯端末または頭部装着型表示装置との通信状態が、接続状態である場合に、配達経路情報を頭部装着型表示装置に表示させるように構成されていることにより、配達員が経路案内の操作をしなくとも経路案内を開始させることができる。また、通信装置と、携帯端末または頭部装着型表示装置との通信状態が切断状態である場合は、通信装置と、携帯端末または頭部装着型表示装置とが通信できない位置に位置していると考えられるため、配達員が移動体から離れて、配達先または配達元に滞在中であるとみなすことができる。そのため、通信装置と、携帯端末または頭部装着型表示装置との通信状態が、切断状態である場合に、注意情報を頭部装着型表示装置に表示させるように構成されていることにより、配達経路情報と注意情報とを切り替える操作を必要とせずに、配達員が注意情報を確認することができる。これらの結果より、配達員の利便性を向上させることができる。
【0013】
上記第1の局面による配達支援システムにおいて、好ましくは、携帯端末は、通信装置からの受信電波の強度が所定値未満である場合に、注意情報を頭部装着型表示装置に表示させるように構成されているとともに、通信装置からの受信電波の強度が所定値以上である場合に、配達経路情報を頭部装着型表示装置に表示させるように構成されている。ここで、通信装置からの受信電波の強度が所定値未満である場合は、通信装置と、携帯端末または頭部装着型表示装置とが離れていると考えられるため、配達員が配達先または配達元に滞在中であるとみなすことができる。そのため、携帯端末は、通信装置からの受信電波の強度が所定値未満である場合に、注意情報を頭部装着型表示装置に表示させるように構成されていることにより、配達経路情報と注意情報とを切り替える操作をしなくても、配達員が注意情報を確認することができる。また、通信装置からの受信電波の強度が所定値以上である場合は、通信装置と、携帯端末または頭部装着型表示装置とが通信できる位置に位置していると考えられるため、配達員が移動体の近くにいる移動中とみなすことができる。そのため、通信装置からの受信電波の強度が所定値以上である場合に、配達経路情報を頭部装着型表示装置に表示させるように構成されていることにより、配達員が操作しなくとも経路案内を開始させることができる。これらの結果より、配達員の利便性を向上させることができる。
【0014】
上記第1の局面による配達支援システムにおいて、好ましくは、頭部装着型表示装置は、操作部を含み、携帯端末は、さらに、操作部を介した操作の受付と、位置検出部による位置情報とに基づいて、配達経路情報を頭部装着型表示装置に表示させるように構成されている。このように構成すれば、位置検出部による位置情報に基づいて、配達経路情報を頭部装着型表示装置に表示させるように構成されていることにより、配達員が位置情報を入力しなくても配達経路情報を表示することができるため、配達員が携帯端末に位置情報を入力する必要がなく、利便性を向上させることができる。
【0015】
この場合、好ましくは、携帯端末および頭部装着型表示装置のうち少なくとも一方は、音声入力部を含み、携帯端末は、操作部を介した操作入力または、音声入力部を介した音声入力に基づいて、頭部装着型表示装置に配達元または配達先に対する対応マニュアルを表示するように構成されている。このように構成すれば、頭部装着型表示装置に配達元または配達先に対する対応マニュアルが表示されるため、対応マニュアルに基づいて配達員が、配達元または配達先に対して適切な対応を行うことが可能となる。
【0016】
上記第2の局面による配達支援システムは、配達に関する配達情報が表示されるとともに、頭部に装着可能な頭部装着型表示装置と、配達情報を取得し、配達情報を頭部装着型表示装置に送信する携帯端末と、配達に使用される移動体に取り付けられるとともに、携帯端末または頭部装着型表示装置のうち少なくとも一方と通信可能な通信装置と、を備え、携帯端末または頭部装着型表示装置のうち少なくとも一方は、録音部を有し、携帯端末は、通信装置と、携帯端末または頭部装着型表示装置との通信状態に基づいて、録音部により録音を開始するように構成されている。
【0017】
上記第2の局面による配達支援システムにおいて、携帯端末または頭部装着型表示装置のうち少なくとも一方は、録音部を有し、携帯端末は、通信装置と、携帯端末または頭部装着型表示装置との通信状態に基づいて、録音部により録音を開始するように構成されている。これにより、たとえば、通信装置との通信が切断状態である場合は、配達員が移動体から離れた状態であり、配達先または配達元に滞在していると考えられる。そのため、配達元または配達先に滞在している間は、配達員が操作しなくても、配達員と、配達元または配達先との間の会話が録音されるため、配達員の利便性を向上させることができる。
【0018】
上記第2の局面による配達支援システムにおいて、好ましくは、携帯端末は、位置検出部を含み、携帯端末は、さらに、位置検出部により検出された位置が配達元から所定の範囲内である場合、または、位置検出部により検出された位置が配達先から所定の範囲内である場合に、録音部による録音を開始するように構成されている。このように構成すれば、配達員が配達先または配達元に到達した時点において録音部を介した録音が開始されるため、配達員と、配達元または配達先との会話を確実に最初から録音することができるとともに、問題が発生したときに、問題の解決に利用することが可能となる。
【0019】
この場合、好ましくは、頭部装着型表示装置は、操作部を含み、携帯端末は、さらに、操作部を介した操作の受付に基づいて、録音を開始するように構成されている。このように構成すれば、操作部を操作することにより録音が開始されるため、緊急時など録音する必要がある場合に容易に録音を開始することができる。
【0020】
上記第2の局面における配達支援システムにおいて、好ましくは、携帯端末は、加速度センサを含み、携帯端末は、さらに、加速度センサにより所定値以上の衝撃を検出したことに基づいて、録音を開始するように構成されている。このように構成すれば、加速度センサにより所定値以上の衝撃を検出した場合は、配達員が事故にあった可能性があるため、音声を録音することにより事故の状況を記録することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、上記のように、配達先または配達元によって異なる注意事項を容易に把握することが可能な配達支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】配達支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】頭部装着型表示装置に表示される画面の一例を示す図である。
【
図4】通信装置が取り付けられた移動体の一例を示す図である。
【
図5】配達情報の一例を示す図(A)~(H)である。
【
図6】配達支援システムの配達元に移動するまでの流れを説明するためのフローチャートである。
【
図7】配達支援システムの配達元に到達後の流れを説明するためのフローチャートである。
【
図8】第2実施形態による配達情報の一例を示す図(A)~(G)である。
【
図9】第3実施形態による配達支援システムの配達元に移動するまでの流れを説明するためのフローチャートである。
【
図10】第3実施形態による配達支援システムの配達元に到達後の流れを説明するためのフローチャートである。
【
図11】第4実施形態による頭部装着型表示装置を説明するための図である。
【
図12】第4実施形態による配達支援システムの配達元に移動するまでの流れを説明するためのフローチャートである。
【
図13】第4実施形態による配達支援システムの配達元に到達後の流れを説明するためのフローチャートである。
【
図14】第5実施形態による頭部装着型表示装置を説明するための図である。
【
図16】第6施形態による配達支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図17】第6実施形態による録音部を用いた録音の流れを説明するためのフローチャートである。
【
図18】第7実施形態による配達支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図19】第8実施形態による配達支援システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
[第1実施形態]
図1~
図5を参照して、本発明の第1実施形態による配達支援システム100の構成について説明する。
【0025】
図1に示すように、配達支援システム100は、頭部装着型表示装置1と、携帯端末2と、通信装置3とを備えている。また、配達支援システム100は、管理サーバ4を備えている。
【0026】
図1および
図2に示すように、頭部装着型表示装置1は、表示部11と、制御部12と、通信部13とを備える。頭部装着型表示装置1は、ヘッドマウントディスプレイである。頭部装着型表示装置1は、配達員50が装着するヘルメット5に取り付けられる。
【0027】
表示部11は、管理サーバ4から携帯端末2を介して送信された配達情報40を含む画面が表示される。頭部装着型表示装置1を装着した状態において、配達員50は、風景30と配達情報40とを合わせて確認することができる。なお、
図2の風景30は、配達員50が視認する風景のイメージを表している。
【0028】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)を含む。制御部12は、表示部11に画面を表示させる制御を行うように構成されている。
【0029】
通信部13は、携帯端末2と通信を行う。通信部13は、携帯端末2を介して管理サーバ4から送信された配達情報40を受信する。
【0030】
図1および
図3に示すように、携帯端末2は、配達員50(
図2参照)が所持するスマートフォンである。携帯端末2は、表示部21と、制御部22と、通信部23と、入力部24と、位置検出部25とを備えている。
【0031】
表示部21は、配達情報40(
図2参照)が表示される。また、表示部21には、注文依頼の内容、および配達先または配達元への経路が表示される。
【0032】
制御部22は、CPU(Central Processing Unit)を含む。制御部22は、頭部装着型表示装置1に配達情報40を含む画面を表示させるための処理を行う。制御部22は、位置検出部25により検出された位置に基づいて、頭部装着型表示装置1に表示させる配達情報40(
図2参照)を切り替えるように構成されている。
【0033】
通信部23は、頭部装着型表示装置1の通信部13と、通信装置3と、管理サーバ4とに対して通信を行う。通信部23は、複数の通信規格が適用される。配達員50が所持する携帯端末2と、配達員50の頭部に装着される頭部装着型表示装置1との間において通信する場合の通信規格と、携帯端末2と管理サーバ4との間において通信する場合の通信規格とは異なる通信規格が適用される。携帯端末2と管理サーバ4との間において通信する場合の通信規格は、携帯端末2と頭部装着型表示装置1との間において通信する場合の通信規格よりも通信可能な距離が長い通信規格が適用される。
【0034】
入力部24は、タッチパネルである。入力部24は、表示部21に表示される。入力部24を介して、配達員50は、注文の受託または拒否を行う。
【0035】
位置検出部25は、GPS(Global Positioning System)を利用して、携帯端末2の位置を検出する。位置検出部25により、携帯端末2の位置を検出することにより、間接的に配達員50の位置情報が取得される。
【0036】
図4に示すように、通信装置3は、頭部装着型表示装置1および携帯端末2と通信可能な通信装置である。通信装置3は、自転車6のフレームに取り付けられる。通信装置3は、頭部装着型表示装置1および携帯端末2と通信するように構成されている。通信装置3の通信規格は、携帯端末2と頭部装着型表示装置1との間で通信する場合と同じ通信規格が適用される。なお、自転車6は、特許請求の範囲に記載された「移動体」の一例である。
【0037】
図4に示すように、自転車6は、バッテリー6aを備える。自転車6は、バッテリー6aの動力を利用して運転される。バッテリー6aは、自転車6に取り外し可能に取り付けられるとともに、充電式である。
【0038】
図1に示すように、管理サーバ4は、配達情報40(
図2参照)が保存されている。管理サーバ4には、配達元および配達先に関する情報が保存されている。また、管理サーバ4には、配達先から注文を受けたときに、注文番号と、注文された商品とを対応付けて保存される。
【0039】
(配達情報の詳細な説明)
図5に示すように、配達情報40は、現在地情報41と、配達元情報42と、配達先情報43と、配達経路情報44と、注意情報45と、配達完了情報46とを含む。なお、本明細書において、配達元は、配達する商品を配達員50が受け取る場所のことを意味し、店舗だけでなく、工場および直売場などを含む。また、配達先は、商品を配達員50が受け渡す場所のことを指し、住宅および会社などを含む。
【0040】
図5(A)に示すように、現在地情報41は、携帯端末2の位置検出部25において検出した携帯端末2の現在位置に関する情報である。現在地情報41を含む画面は、配達員50による配達依頼を受託する操作が行われていない場合に表示される。
【0041】
図5(B)に示すように、配達元情報42は、配達員50が、商品を受け取りに行く配達元の名前と、配達元の住所とを含む。配達元がチェーン店の場合は、支店名も含む。配達元情報42は、管理サーバ4に保存されており、通信部23を介して携帯端末2は配達元情報42を取得する。配達元情報42を含む画面は、携帯端末2が配達依頼を受信したときに頭部装着型表示装置1に表示される。
【0042】
図5(C)および
図5(D)に示すように、配達先情報43は、配達先の名前と、配達先の住所とが含まれる。
図5(C)のように、配達依頼の受託前は、配達先情報43を含む画面には配達先の市町村名が表示され、配達先の建物名および入居する階数については表示されない。一方で、
図5(D)のように、配達依頼の受託後は、配達先情報43を含む画面には配達先の市町村名に加えて、配達先の建物名と、入居する部屋番号とが表示される。
図5(C)の配達先情報43を含む画面は、携帯端末2が配達依頼を受信したときに、配達元情報42を含む画面と交互に頭部装着型表示装置1に表示される。
図5(D)の配達先情報43を含む画面は、配達依頼に基づいて配達元に移動した後、位置検出部25において検出した位置が配達元から所定の範囲内であるとともに、携帯端末2と、通信装置3との間で行われる通信の状態が、切断状態になってから所定時間経過後に接続状態に戻った場合に頭部装着型表示装置1に表示される。配達先情報43は、管理サーバ4に保存されており、通信部23を介して携帯端末2は配達先情報43を取得する。
【0043】
図5(E)および
図5(F)に示すように、配達経路情報44は、配達元への道順を示す配達経路情報44aと、配達先への道順を示す配達経路情報44bとを含む。配達経路情報44aを含む画面は、画面の左側に分岐点までの距離と、分岐点において進むべき方向とが上下に並べて表示される。また、画面の右側に現在地から目的地までの距離が表示される。配達経路情報44は、目的地に近づくにつれて順次更新される。なお、現在地から目的地に直進のみで到達できる場合は、分岐点までの距離は表示されない。また、現在地から目的地に直進のみで到達できる場合は、分岐点において進む方向は表示されないか、直進を表す矢印が表示される。配達経路情報44は、事故多発地点に近づいた場合に、事故多発地点に関する警告が表示される。配達経路情報44は、管理サーバ4から取得される。
図5(E)に示すように、配達員50により配達依頼を受託する操作入力を受付けた場合に、携帯端末2は、位置検出部25において検出した現在位置から配達元までの配達経路情報44aを含む画面を頭部装着型表示装置1に表示させる。
図5(F)に示すように、配達元に到着して、通信状態が切断状態になった後、所定時間後に通信状態が接続状態に戻ることにより、携帯端末2は、位置検出部25において検出した現在位置から配達元までの配達経路情報44bを含む画面を頭部装着型表示装置1に表示させる。
【0044】
図5(G)に示すように、注意情報45は、配達元または配達先への訪問にあたって注意すべき事項に関する情報である。注意情報45には、商品の受け取りについての注意情報45、商品の渡し方についての注意事項が含まれる。たとえば、注意情報45として「裏口から入ってください」、「配達ボックスに入れてください」という内容が頭部装着型表示装置1に表示される。注意情報45は、配達先および配達元ごとに取り決められて、管理サーバ4に予め保存されている。なお、注意情報45がない配達先および配達元の場合は、注意情報45を含む画面は表示されない。位置検出部25により検出された現在位置が配達元から所定の範囲内である場合に、頭部装着型表示装置1に配達元に関する注意情報45を含む画面が表示される。また、位置検出部25により検出された位置が配達先から所定の範囲内である場合に、頭部装着型表示装置1に配達先に関する注意情報45が表示される。所定の範囲は、配達元または配達先から数メートル以内のように設定される。所定の範囲の設定は、使用する位置検出部25に基づいて、適宜設定される。
【0045】
図5(H)に示すように、配達完了情報46を含む画面には、配達完了に対するメッセージと、完了した配達に対して支払われる報酬とが表示される。
【0046】
(配達支援システムを用いた配達)
図6および
図7に基づいて、配達支援システム100を用いた配達について詳細に説明する。配達支援システム100を用いた配達は、配達依頼待ちのフェーズと、配達依頼の受託/拒否待ちのフェーズと、配達元に移動中のフェーズと、配達元に滞在中のフェーズと、配達先に移動中のフェーズと、配達先に滞在中のフェーズとからなる。
【0047】
ステップ51とステップ52とが、配達依頼待ちのフェーズにおいて行われる。ステップ51において、携帯端末2は、頭部装着型表示装置1に現在地情報41を表示させる。ステップ52において、通信部23が、管理サーバ4から配達依頼を受信する。配達依頼を受信することにより、配達依頼待ちのフェーズから次のフェーズに移る。
【0048】
ステップ53とステップ54とが、配達依頼の受託/拒否待ちのフェーズにおいて行われる。ステップ53では、携帯端末2は、頭部装着型表示装置1に配達依頼を表示させる。このとき、携帯端末2は、頭部装着型表示装置1に配達元情報42と配達先情報43とを交互に表示させる。そして、配達員50は、入力部24を介して、配達依頼の受託または拒否の操作を行う。ステップ54において、携帯端末2が、配達依頼の受託の操作入力を受付けると、ステップ55に進む。一方、携帯端末2が、配達依頼の拒否の操作入力を受付けると、ステップ51に戻る。配達依頼の受託または拒否の操作入力を受付けることにより、配達依頼の受託/拒否待ちのフェーズから次のフェーズに移る。
【0049】
ステップ55からステップ57までが、配達元に移動中のフェーズにおいて行われる。ステップ55では、携帯端末2は、頭部装着型表示装置1に現在地から配達元までの配達経路情報44を表示させる。
【0050】
ステップ56では、位置検出部25により位置を検出した携帯端末2の位置が、配達元から所定の範囲内であるか否かにより進むステップが異なる。検出された位置が、配達元から所定の範囲内である場合はステップ57に進む。一方、検出された位置が、配達元から所定の範囲内ではない場合は、配達元から所定の範囲内に携帯端末2を所持する配達員50が移動するまでステップ56が繰り返される。
【0051】
ステップ57では、携帯端末2と、通信装置3との間の通信が切断状態になったか否かで進むステップが異なる。通信状態が切断状態である場合はステップ58に進み、通信状態が接続状態である場合は、切断状態になるまでステップ57を繰り返す。通信状態が切断状態になる場合は、配達員50が自転車6から離れた状態であり、配達元に向かっているか、配達元に到達している状態である。配達元に移動中のフェーズは、通信状態が切断状態である場合に次のフェーズに移る。
【0052】
ステップ58およびステップ59が、配達元に滞在中のフェーズにおいて行われる。ステップ58では、携帯端末2は、頭部装着型表示装置1に配達元に関する注意情報45を表示させる。そして、配達員50は、表示された注意情報45に従って商品を受け取る。なお、ステップ58では、注意情報45に加えて、商品の注文番号も表示される(
図5(G)参照)。
【0053】
ステップ59において、携帯端末2と通信装置3との間の通信が、接続状態であるか否かで進むステップが異なる。ステップ59において、携帯端末2と通信装置3との間の通信が、接続状態である場合は、ステップ60に進む。一方で、携帯端末2と通信装置3との間の通信が、接続状態ではない場合はステップ59を繰り返す。配達元に滞在中のフェーズは、通信状態が接続状態になることにより次のフェーズに移る。
【0054】
ステップ60からステップ62までが、配達先に移動中のフェーズにおいて行われる。ステップ60では、携帯端末2は、頭部装着型表示装置1に配達先までの配達経路情報44を表示させる。
【0055】
ステップ61では、位置検出部25により位置を検出した携帯端末2の位置が、配達先から所定の範囲内であるか否かにより進むステップが異なる。検出された位置が、配達先から所定の範囲内である場合はステップ62に進む。一方、検出された位置が、配達先から所定の範囲内ではない場合は、配達先から所定の範囲内に携帯端末2を所持する配達員50が移動するまでステップ61が繰り返される。
【0056】
ステップ62では、携帯端末2と、通信装置3との間の通信が切断状態になったか否かで進むステップが異なる。通信状態が切断状態である場合はステップ63に進み、通信状態が接続状態である場合は、切断状態になるまでステップ62を繰り返す。通信状態が切断状態になる合は、配達員50が自転車6から離れた状態であり、配達先に向かっているか、配達先に到達している状態である。配達先に移動中のフェーズは、通信状態が切断状態である場合に次のフェーズに移る。
【0057】
ステップ63およびステップ64が、配達先に滞在中のフェーズにおいて行われる。ステップ63では、携帯端末2は、頭部装着型表示装置1に配達先に関する注意情報45を表示させる。そして、配達員50は、表示された注意情報45に従って商品を配達先に受け渡す。なお、ステップ63では、注意情報45に加えて、配達先の詳細な住所が表示される(
図5(D)参照)。
【0058】
ステップ64において、携帯端末2と通信装置3との間の通信が、接続状態であるか否かにより進むステップが異なる。ステップ64おいて、携帯端末2と通信装置3との間の通信が接続状態である場合は、配達支援システム100が終了する。一方で、携帯端末2と通信装置3との間の通信が接続状態でない場合は、ステップ64を繰り返す。配達先に滞在中のフェーズは、通信状態が接続状態になることにより終了する。配達先に滞在中のフェーズが終了すると、携帯端末2は、頭部装着型表示装置1に配達完了情報46を表示させる。なお、ステップ64において配達が終了した後は、ステップ51に戻り、次の配達が開始される。
【0059】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0060】
第1実施形態では、上記のように、携帯端末2は、通信装置3と、携帯端末2または頭部装着型表示装置1との通信状態に基づいて、頭部装着型表示装置1に注意情報45または配達経路情報44を表示させるように構成されている。これにより、自転車6と携帯端末2との位置関係によって異なる通信状態に基づいて配達経路情報44または注意情報45を表示させることができるため、配達先または配達元にいる場合の通信状態に応じて、注意情報45を頭部装着型表示装置1に表示させることができる。この結果、配達先または配達元によって異なる注意情報45を容易に把握することができる。
【0061】
また、第1実施形態では、上記のように、携帯端末2は、位置検出部25を含み、携帯端末2は、さらに位置検出部25により検出された位置に基づいて、配達経路情報44から注意情報45に切り替えて頭部装着型表示装置1に表示させるように構成されている。これにより、位置検出部25により検出された位置に基づいて配達経路情報44から注意情報45に切り替えて頭部装着型表示装置1に表示させるように構成されていることにより、位置検出部25により検出した位置が、配達先または配達先である場合に注意情報45を表示させることができるため、タイミングよく配達員50が注意情報45を確認することできる。
【0062】
また、第1実施形態では、上記のように、携帯端末2は、位置検出部25により検出された位置が配達元から所定の範囲内である場合に、頭部装着型表示装置1に配達元に関する注意情報45を表示させるとともに、位置検出部25により検出された位置が配達先から所定の範囲内である場合に、頭部装着型表示装置1に配達先に関する注意情報45を表示させるように構成されている。これにより、位置検出部25により検出された位置が配達先または配達元から所定の範囲内である場合に注意情報45が表示されるため、配達員50は、注意情報45に従って配達元または配達先を訪問することにより、配達先または配達元と、配達員50との間に問題が発生することを効果的に抑制することができる。
【0063】
また、第1実施形態では、携帯端末2は、通信装置3と、携帯端末2または頭部装着型表示装置1との通信状態が、接続状態である場合に、配達経路情報44を頭部装着型表示装置1に表示させるように構成されているとともに、通信装置3と、携帯端末2または頭部装着型表示装置1との通信状態が、切断状態である場合に、注意情報45を頭部装着型表示装置1に表示させるように構成されている。ここで、通信装置3と、携帯端末2または頭部装着型表示装置1との通信状態が接続状態である場合は、通信装置3と、携帯端末2または頭部装着型表示装置1とが通信できる位置に位置していると考えられるため、配達員50が自転車6の近くにいる移動中とみなすことができる。そのため、通信装置3と、携帯端末2または頭部装着型表示装置1との通信状態が、接続状態である場合に、配達経路情報44を頭部装着型表示装置1に表示させるように構成されていることにより、配達員50が経路案内の操作をしなくとも、経路案内を開始させることができる。また、通信装置3と、携帯端末2または頭部装着型表示装置1との通信状態が切断状態である場合は、通信装置3と、携帯端末2または頭部装着型表示装置1とが通信できない位置に位置していると考えられるため、配達員50が自転車6から離れて、配達先または配達元に滞在中であるとみなすことができる。そのため、通信装置3と、携帯端末2または頭部装着型表示装置1との通信状態が、切断状態である場合に、注意情報45を頭部装着型表示装置1に表示させるように構成されていることにより、配達経路情報44と注意情報45とを切り替える操作を必要とせずに、配達員50が注意情報45を確認することができる。これらの結果より、配達員50の利便性を向上させることができる。
【0064】
[第2実施形態]
次に、
図1~
図3および
図5~
図8を参照して、第2実施形態による配達支援システム100の構成について説明する。第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、頭部装着型表示装置1に配達状況が識別可能に表示される。なお、第2実施形態の第1実施形態と共通する構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0065】
図8に示すように、頭部装着型表示装置1に表示される画面には、配達情報40に加えて、配達状況を示すゲージ47が表示される。ゲージ47は、配達依頼待ちのフェーズと、配達依頼の受託/拒否待ちのフェーズと、配達元に移動中のフェーズと、配達元に滞在中のフェーズと、配達先に移動中のフェーズと、配達先に滞在中のフェーズとをそれぞれ示す6つの長方形が表示される。フェーズが終了するごとに、ゲージ47は、左側から長方形の色が変わるように構成されている。なお、
図8では、色が変わったことをハッチングで示している。
【0066】
携帯端末2が、ゲージ47の色を変えるタイミングについて説明する。
図8(A)および
図8(B)に示すように、管理サーバ4から配達依頼を受信したときに、携帯端末2は、配達依頼待ちのフェーズが終了したとして、携帯端末2は、頭部装着型表示装置1に表示させる配達情報40を現在地情報41から配達元情報42に切り替えるとともに、ゲージ47の左端の長方形の色を変える。
【0067】
図8(C)に示すように、配達依頼の受託の操作入力を受付けることにより、配達依頼の受託/拒否待ちのフェーズが終了したとして、携帯端末2は、頭部装着型表示装置1に表示させる配達情報40を配達元情報42から配達元までの配達経路情報44に切り替えるとともに、2つ目の長方形の色を変える。
【0068】
図8(D)に示すように、位置検出部25において検出された携帯端末2の位置情報が、配達元から所定の範囲内である場合に、配達元に移動中のフェーズが終了したとして、携帯端末2は、頭部装着型表示装置1に表示させる配達情報40を配達経路情報44から配達元に関する注意情報45に切り替えるとともに、3つ目の長方形の色を変える。
【0069】
図8(E)に示すように、位置検出部25において検出された携帯端末2の位置情報が、配達元から所定の範囲内であり、通信状態が切断状態から接続状態になったときに、配達元に滞在中のフェーズが終了したとして、携帯端末2は、頭部装着型表示装置1に表示させる配達情報40を配達元に関する注意情報45を配達先までの配達経路情報44に切り替えるとともに、4つ目の長方形の色を変える。
【0070】
図8(F)に示すように、位置検出部25において検出された携帯端末2の位置が、配達先から所定の範囲内である場合に、配達先に移動中のフェーズが終了したとして、携帯端末2は、頭部装着型表示装置1に表示させる配達情報40を配達経路情報44から配達先に関する注意情報45に切り替えるとともに、5つ目の長方形の色を変える。
【0071】
図8(G)に示すように、位置検出部25において検出された携帯端末2の位置情報が、配達先から所定の範囲内であり、通信状態が切断状態から接続状態になったときに、配達先に滞在中のフェーズが終了したとして最後(6つ目)の長方形の色を変える。その後、配達依頼待ちのフェーズに戻り、ゲージ47の色がすべて元に戻る。
【0072】
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0073】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、携帯端末2は、通信装置3と、携帯端末2または頭部装着型表示装置1との通信状態に基づいて、頭部装着型表示装置1に注意情報45または配達経路情報44を表示させるように構成されている。これにより、自転車6と携帯端末2との位置関係によって異なる通信状態に基づいて配達経路情報44または注意情報45を表示させることができるため、配達先または配達元にいる場合の通信状態に応じて、注意情報45を頭部装着型表示装置1に表示させることができる。この結果、配達先または配達元によって異なる注意情報45を容易に把握することができる。
【0074】
また、第2実施形態では、携帯端末2は、位置検出部25により検出した位置に基づいて、配達状況を識別可能に頭部装着型表示装置1に表示させるように構成されている。これにより、位置検出部25により検出した位置に基づいて、配達状況を識別可能に頭部装着型表示装置1に表示することにより、配達員50は配達状況を確認しながら配達を行うことができるため、頭部装着型表示装置1に表示されている情報の内容を配達状況と対応付けて明確に把握することができる。
【0075】
また、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0076】
[第3実施形態]
次に、
図1~
図5、
図9および
図10を参照して、第3実施形態による配達支援システム100の構成について説明する。第3実施形態では、第1実施形態とは異なり、携帯端末2は、通信装置3からの受信電波の強度によって頭部装着型表示装置1に表示させる画面を切り替えるように構成されている。なお、第3実施形態の第1実施形態と共通する構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0077】
携帯端末2には、通信装置3からの受信電波の強度の所定値が設定されている。通信装置3から携帯端末2または頭部装着型表示装置1への受信電波の強度は、通信装置3と、携帯端末2または頭部装着型表示装置1との相対距離が離れるほど小さくなり、切断される。そこで、受信電波の強度の所定値は、携帯端末2と通信装置3との通信状態が接続状態を維持できる大きさであるとともに、配達員50が自転車6に乗って移動しているときの受信電波の強度よりも小さい値に設定される。
【0078】
図9および
図10を用いて、配達支援システム100を用いた配達について説明する。なお、
図9および
図10は、
図6および
図7と同じ部分は同じ符号を付して説明を省略する。第3実施形態では、ステップ57の替わりにステップ65として、携帯端末2は、通信装置3から受信した受信電波の強度が所定値未満かにより進むステップが異なる。ステップ65において受信電波の強度が所定値未満である場合、ステップ58に進む。一方で、受信電波の強度が所定値以上である場合は、受信電波の強度が所定値未満になるまでステップ65を繰り返す。
【0079】
ステップ59の替わりにステップ66において、通信装置3から受信した受信電波の強度が所定値以上になったか否かで進むステップが変わる。ステップ66において、通信装置3から受信した受信電波の強度が所定値以上になった場合、ステップ60に進み、所定値未満の場合は、ステップ66を繰り返す。
【0080】
ステップ62の替わりにステップ67として、携帯端末2は、通信装置3から受信した受信電波の強度が所定値未満かにより進むステップが異なる。ステップ67において受信電波の強度が所定値未満である場合、ステップ63に進む。一方で、受信電波の強度が所定値以上である場合は、受信電波の強度が所定値未満になるまでステップ67を繰り返す。
【0081】
ステップ64の替わりにステップ68として、通信装置3から受信した受信電波の強度が所定値以上になったか否かで進むステップが変わる。ステップ68において、通信装置3から受信した受信電波の強度が所定値以上になった場合、配達が終了する。一方、通信装置3から受信した受信電波の強度が所定値未満の場合は、ステップ68を繰り返す。
【0082】
第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0083】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、携帯端末2は、通信装置3と、携帯端末2または頭部装着型表示装置1との通信状態に基づいて、頭部装着型表示装置1に注意情報45または配達経路情報44を表示させるように構成されている。これにより、自転車6と携帯端末2との位置関係によって異なる通信状態に基づいて配達経路情報44または注意情報45を表示させることができるため、配達先または配達元にいる場合の通信状態に応じて、注意情報45を頭部装着型表示装置1に表示させることができる。この結果、配達先または配達元によって異なる注意情報45を容易に把握することができる。
【0084】
また、第3実施形態では、携帯端末2は、通信装置3からの受信電波の強度が所定値未満である場合に、注意情報45を頭部装着型表示装置1に表示させるように構成されているとともに、通信装置3からの受信電波の強度が所定値以上である場合に、配達経路情報44を頭部装着型表示装置1に表示させるように構成されている。ここで、通信装置3からの受信電波の強度が所定値未満である場合は、通信装置3と、携帯端末2または頭部装着型表示装置1とが離れていると考えられるため、配達員50が配達先または配達元に滞在中であるとみなすことができる。そのため、携帯端末2は、通信装置3からの受信電波の強度が所定値未満である場合に、注意情報45を頭部装着型表示装置1に表示させるように構成されていることにより、配達経路情報44と注意情報45とを切り替える操作をしなくても、配達員50が注意情報45を確認することができる。また、通信装置3からの受信電波の強度が所定値以上である場合は、通信装置3と、携帯端末2または頭部装着型表示装置1とが通信できる位置に位置していると考えられるため、配達員50が自転車6の近くにいる移動中とみなすことができる。そのため、通信装置3からの受信電波の強度が所定値以上である場合に、配達経路情報44を頭部装着型表示装置1に表示させるように構成されていることにより、配達員50が操作しなくとも経路案内を開始させることができる。これらの結果より、配達員50の利便性を向上させることができる。
【0085】
また、第3実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0086】
[第4実施形態]
次に、
図1~
図7および
図11~
図13を参照して、第4実施形態による配達支援システム100の構成について説明する。第4実施形態では、第1実施形態とは異なり、頭部装着型表示装置1は、操作部14を備える。なお、第4実施形態の第1実施形態と共通する構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0087】
図11に示すように、操作部14は、頭部装着型表示装置1の表面に設けられる。頭部装着型表示装置1を装着した状態において配達員50が操作しやすい位置であれば、操作部14を設ける位置は、特に限定されない。操作部14は、スイッチである。
【0088】
操作部14が操作された場合、操作入力を受付けたことを示す信号が携帯端末2に送信される。操作部14が操作入力を受けたことを示す信号を受信したときの携帯端末2の位置情報に基づいて、頭部装着型表示装置1に表示される画面に含まれる配達情報40が異なる。位置検出部25において検出した携帯端末2の位置が配達元から所定の範囲内である場合は、携帯端末2は、配達元から配達先への配達経路情報44が含まれる。位置検出部25において検出した携帯端末2の位置が配達先から所定の範囲内である場合は、配達完了情報46が画面に含まれる。
【0089】
図12および
図13を用いて、第4実施形態の配達支援システム100を用いた配達の流れを説明する。なお、
図6および
図7と同じ部分は、同じ符号を付して説明を省略する。第4実施形態では、ステップ58とステップ59との間にステップ69が存在する。ステップ69では、携帯端末2が、操作部14を介した操作入力を受付けたか否かにより、進むステップが異なる。ステップ69において、操作部14を介した操作入力を携帯端末2が受付けた場合、携帯端末2は、位置検出部25において現在の位置が配達元から所定の範囲内であるため、ステップ60に進む。ステップ69において、操作部14を介した操作入力を受付けていない場合は、ステップ59に進む。
【0090】
また、ステップ63とステップ64との間にステップ70が存在する。ステップ70において、操作部14を介した操作入力を携帯端末2が受付けた場合、携帯端末2は、位置検出部25において現在の位置が配達先から所定の範囲内であるため、配達支援システム100を終了する。ステップ70において、操作部14を介した操作入力を受付けていない場合は、ステップ64に進む。
【0091】
第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0092】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、上記第1実施形態と同様に、携帯端末2は、通信装置3と、携帯端末2または頭部装着型表示装置1との通信状態に基づいて、頭部装着型表示装置1に注意情報45または配達経路情報44を表示させるように構成されている。これにより、自転車6と携帯端末2との位置関係によって異なる通信状態に基づいて配達経路情報44または注意情報45を表示させることができるため、配達先または配達元にいる場合の通信状態に応じて、注意情報45を頭部装着型表示装置1に表示させることができる。この結果、配達先または配達元によって異なる注意情報45を容易に把握することができる。
【0093】
また、第4実施形態では、頭部装着型表示装置1は、操作部14を含み、携帯端末2は、さらに、操作部14を介した操作の受付と、位置検出部25による位置情報とに基づいて、配達経路情報44を頭部装着型表示装置1に表示させるように構成されている。これにより、位置検出部25による位置情報に基づいて、配達経路情報44を頭部装着型表示装置1に表示させるように構成されていることにより、配達員50が位置情報を入力しなくても配達経路情報44を表示することができるため、配達員50が携帯端末2に位置情報を入力する必要がなく、利便性を向上させることができる。
【0094】
また、第4実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0095】
[第5実施形態]
次に、
図1、
図3~
図7、
図14および
図15を参照して、第4実施形態による配達支援システム100の構成について説明する。第5実施形態では、第4実施形態と異なり、音声入力部15をさらに備える。なお、第5実施形態の第4実施形態と共通する構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0096】
図14に示すように、頭部装着型表示装置1は、音声入力部15を備える。音声入力部15は、頭部装着型表示装置1に内蔵されたマイクである。音声入力部15において入力された音声は、信号に変換されたのち、携帯端末2に送信される。
【0097】
図15に示すように、携帯端末2は、音声入力部15を介した音声入力の信号を受付けたときに、位置検出部25において携帯端末2の位置を検出する。位置検出部25において検出した携帯端末2の位置情報が配達先または配達元から所定の範囲内である場合に、頭部装着型表示装置1に配達元または配達先に対する対応マニュアル48を含む画像を表示する。
【0098】
対応マニュアル48は、たとえば、配達元または配達先と、配達員50との間において問題が発生した場合の対応マニュアル48である。対応マニュアル48は、管理サーバ4に保存されている。携帯端末2は、通信部23を介して管理サーバ4から対応マニュアル48を取得し、頭部装着型表示装置1に送信する。
【0099】
第5実施形態のその他の構成は、上記第4実施形態と同様である。
【0100】
(第5実施形態の効果)
第5実施形態では、上記第4実施形態と同様に、携帯端末2は、通信装置3と、携帯端末2または頭部装着型表示装置1との通信状態に基づいて、頭部装着型表示装置1に注意情報45または配達経路情報44を表示させるように構成されている。これにより、自転車6と携帯端末2との位置関係によって異なる通信状態に基づいて配達経路情報44または注意情報45を表示させることができるため、配達先または配達元にいる場合の通信状態に応じて、注意情報45を頭部装着型表示装置1に表示させることができる。この結果、配達先または配達元によって異なる注意情報45を容易に把握することができる。
【0101】
また、第5実施形態では、携帯端末2および頭部装着型表示装置1のうち少なくとも一方は、音声入力部15を含み、携帯端末2は、操作部14を介した操作入力または、音声入力部15を介した音声入力に基づいて、頭部装着型表示装置1に配達元または配達先に対する対応マニュアル48を含む画面表示するように構成されている。これにより、頭部装着型表示装置1に配達元または配達先に対する対応マニュアル48が表示されるため、対応マニュアル48に基づいて配達員50が、配達元または配達先に対して適切な対応を行うことが可能となる。
【0102】
また、第5実施形態のその他の効果は、第4実施形態と同様である。
【0103】
[第6実施形態]
次に、
図2~
図7、
図16および
図17を参照して、第6実施形態による配達支援システム200の構成について説明する。第6実施形態にかかる配達支援システム200では、第1実施形態と異なり、頭部装着型表示装置1は、録音部を含む。なお、第6実施形態の第1実施形態と共通する構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0104】
図16に示すように、録音部は、音声入力部16と記憶部26とを含む。頭部装着型表示装置1は、音声入力部16を含む。音声入力部16は、頭部装着型表示装置1に内蔵される。音声入力部16は、マイクである。音声入力部16において取得された音声は、信号に変換された後、携帯端末2に送信される。携帯端末2は、記憶部26を備える。たとえば、記憶部26は、RAM(Random Access Memory)を含む、音声入力部16により入力された音声は、携帯端末2の記憶部26に保存される。
【0105】
図17を参照して、配達先にて録音する場合を説明する。ステップ71では、位置検出部25により位置を検出した携帯端末2の位置が、配達先から所定の範囲内であるか否かにより進むステップが異なる。ステップ71において、検出された位置が、配達先から所定の範囲内である場合はステップ72に進み、一方、ステップ71において、検出された位置が、配達元から所定の範囲内ではない場合は、配達先から所定の範囲内に携帯端末2を所持する配達員50が移動するまでステップ71が繰り返される。
【0106】
ステップ72では、携帯端末2と通信装置3との通信状態が切断状態か否かで進むステップが異なる。携帯端末2と通信装置3との通信状態が切断状態である場合は、ステップ73に進む。一方で、携帯端末2と通信装置3との通信状態が接続状態である場合は、切断状態になるまでステップ72が繰り返される。
【0107】
ステップ73では、携帯端末2は、通信部23を介して、頭部装着型表示装置1の音声入力部16を介して入力された音声を記憶部26に記憶させる録音を開始する。
【0108】
ステップ74では、配達員50による録音を停止させる操作の入力を受付けたか否かによって次のステップが異なる。配達員50による携帯端末2の入力部24を介して録音を停止させる操作の入力を受付けた場合、ステップ75に進み、録音を停止する。
【0109】
ステップ74において、配達員50による操作入力を受付けなかった場合は、ステップ75に進む。ステップ75では、携帯端末2と通信装置3との通信状態が接続状態になったか否かにより進むステップが異なる。なお、接続状態になる場合は、携帯端末2を所持する配達員50が、自転車6に戻った場合である。通信状態が接続状態になった場合は、ステップ76に進み、録音を停止する。一方、通信状態が、接続状態になっていない場合は、ステップ74に戻る。そして、ステップ74において操作入力を受付けるか、ステップ75において通信状態が接続状態になるまで録音が続く。なお、配達先に配達する例を説明したが、配達元に商品を受け取る場合も同様である。
【0110】
第6実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0111】
(第6実施形態の効果)
第6実施形態では、携帯端末2または頭部装着型表示装置1のうち少なくとも一方は、録音部を有し、携帯端末2は、通信装置3と、携帯端末2または頭部装着型表示装置1との通信状態に基づいて、録音部により録音を開始するように構成されている。これにより、たとえば、通信装置3との通信が切断状態である場合は、配達員50が自転車6から離れた状態であり、配達先または配達元に滞在していると考えられる。そのため、配達元または配達先に滞在している間は、配達員50が操作しなくても、配達員50と、配達元または配達先との間の会話が録音されるため、配達員50の利便性を向上させることができる。
【0112】
また、第6実施形態では、携帯端末2は、位置検出部25を含み、携帯端末2は、さらに、位置検出部25により検出された位置が配達元から所定の範囲内である場合、または、位置検出部25により検出された位置が配達先から所定の範囲内である場合に、録音部による録音を開始するように構成されている。これにより、配達員50が配達先または配達元に到達した時点において録音部を介した録音が開始されるため、配達員50と、配達元または配達先との会話を確実に最初から録音することができるとともに、問題が発生したときに、問題の解決に利用することが可能となる。
【0113】
また、第6実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0114】
[第7実施形態]
次に、
図2~
図7および
図18を参照して、第7実施形態による配達支援システム300の構成について説明する。第7実施形態では、第6実施形態とは異なり、頭部装着型表示装置1は、操作部14を備える。なお、第7実施形態の第6実施形態と共通する構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0115】
操作部14は、頭部装着型表示装置1の表面に設けられる。頭部装着型表示装置1を装着した状態において配達員50が操作しやすい位置であれば、操作部14を設ける位置は、特に限定されない。操作部14は、スイッチである。操作部14が操作された場合、携帯端末2に操作入力を受付けたことを示す信号が送信される。操作部14が操作入力を受けた信号を受信した場合に、携帯端末2は、録音部を用いた録音を開始する。第7実施形態では、第6実施形態と異なり、配達先または配達元から所定の範囲内にいるか否かに関係なく録音を開始することができる。そのため、配達員50が配達元または配達先に移動している途中、または配達依頼待ちの状態における緊急時に録音を開始することが可能となる。
【0116】
第7実施形態では、操作部14が操作されたときに、指定の電話番号に電話をかけるか、または指定のメールアドレスに対してメールが送信される。電話の内容およびメールの内容は、予め携帯端末2に保存されている。指定の電話番号または指定のメールアドレスは、たとえば、配達会社の電話番号またはメールアドレスである。これにより、配達員50は、操作部14を操作することにより緊急事態の発生を容易に知らせることができる。
【0117】
第7実施形態のその他の構成は、上記第6実施形態と同様である。
【0118】
(第7実施形態の効果)
第7実施形態では、上記第6実施形態と同様に、携帯端末2または頭部装着型表示装置1のうち少なくとも一方は、録音部を有し、携帯端末2は、通信装置3と、携帯端末2または頭部装着型表示装置1との通信状態に基づいて、録音部により録音を開始するように構成されている。これにより、配達元または配達先に滞在している間は、配達員50が操作しなくても、配達員50と、配達元または配達先との間の会話が録音されるため、配達員50の利便性を向上させることができる。
【0119】
また、第7実施形態では、頭部装着型表示装置1は、操作部14を含み、携帯端末2は、さらに、操作部14を介した操作の受付と、位置検出部25による位置情報とに基づいて、録音を開始するように構成されている。これにより、操作部14を操作することにより録音が開始されるため、緊急時など録音する必要がある場合に容易に録音を開始することができる。
【0120】
また、第7実施形態のその他の効果は、第6実施形態と同様である
【0121】
[第8実施形態]
次に、
図2~
図7および
図19を参照して、第8実施形態による配達支援システム400の構成について説明する。第8実施形態では、第6実施形態とは異なり、携帯端末2は加速度センサ27を備える。なお、第8実施形態の第6実施形態と共通する構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0122】
携帯端末2は、加速度センサ27を備える。加速度センサ27は、携帯端末2の加速度を検出することにより、携帯端末2が受ける衝撃を検出する。携帯端末2は、加速度センサ27により検出した衝撃が、所定値以上である場合に録音部による録音を開始する。所定値は、段差を乗り越える場合の衝撃よりも大きく設定される。
【0123】
第8実施形態では、加速度センサ27により検出した衝撃が、所定値以上である場合に指定の電話番号に電話をかけるか、または指定のメールアドレスに対してメールが送信される。電話の内容およびメールの内容は、予め携帯端末2に保存されている。指定の電話番号または指定のメールアドレスは、たとえば、配達会社の電話番号またはメールアドレスである。これにより、配達員50は、操作部14を操作することにより緊急事態の発生を容易に知らせることができる。
【0124】
第8実施形態のその他の構成は、上記第6実施形態と同様である。
【0125】
(第8実施形態の効果)
第8実施形態では、上記第6実施形態と同様に、携帯端末2または頭部装着型表示装置1のうち少なくとも一方は、録音部を有し、携帯端末2は、通信装置3と、携帯端末2または頭部装着型表示装置1との通信状態に基づいて、録音部により録音を開始するように構成されている。これにより、配達元または配達先に滞在している間は、配達員50が操作しなくても、配達員50と、配達元または配達先との間の会話が録音されるため、配達員50の利便性を向上させることができる。
【0126】
また、第8実施形態では、上記のように、携帯端末2は、加速度センサ27を含み、携帯端末2は、さらに、加速度センサ27により所定値以上の衝撃を検出したことに基づいて、録音を開始するように構成されている。これにより、加速度センサ27により所定値以上の衝撃を検出した場合は、配達員50が事故にあった可能性があるため、音声を録音することにより事故の状況を記録することができる。
【0127】
また、第8実施形態のその他の効果は、第6実施形態と同様である。
【0128】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0129】
たとえば、上記第1~第8実施形態では、携帯端末がスマートフォンである例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、携帯端末は、タブレット端末または携帯用パーソナルコンピュータであってもよい。
【0130】
また、上記第1~第8実施形態では、管理サーバから携帯端末が、経路案内情報を取得する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、携帯端末が、経路案内情報を作成してもよい。
【0131】
また、上記第1~第8実施形態では、移動体が自転車である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、移動体は、二輪車、三輪車(けん引形態含む)、四輪車などの配達の用に供する移動体であれば特に限定されない、また、移動体は、人力と駆動源の動力とにより動かされる移動体に限られず、人力で動かす移動体、または、駆動源が設けられた電動式移動車両であってもよい。また、バッテリーは、自転車に固定されていてもよい。
【0132】
また、上記第1~第8実施形態では、通信装置が自転車のフレームに取り付けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。
図20に示すように、自転車6が、ハンドルに取り付けられる取付部材6bを備えている場合、通信装置は、取付部材6bを介してハンドルに取り付けられていてもよい。なお、取付部材6bは、携帯端末が取り付けられてもよく、取付部材6bに携帯端末が取り付けられている場合は、通信装置は、フレームまたはハンドルのいずれかに取り付けられる。また、通信装置を取り付ける位置は、使用する移動体によって適宜変更される。たとえば、三輪車および四輪車の場合、リアウィンドウまたは天井に取り付けてもよい。
【0133】
また、上記第1~第8実施形態では、配達情報が文字または記号で表される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、配達情報は、地図を含んでいてもよい。
【0134】
また、上記第2実施形態では、配達状況が識別可能なゲージが表される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、各フェーズを表す文字が表示されてもよい。また、ゲージを長方形で表しているが、たとえば、円形など別の形状であってもよい。
【0135】
また、上記第4および第7実施形態では、操作部がスイッチである例を示したが、本発明はこれに限られない。操作部は、操作されることにより携帯端末に信号を送るように構成されていればよく、たとえば、レバーであってもよい。
【0136】
また、上記第4実施形態では、操作部による操作入力の受付の有無の取得の後に、通信状態が接続状態か否かの取得を行っているが、本発明はこれに限られない。操作部による操作入力の受付の有無の取得と、通信状態が接続状態か否かの取得とを同時に行ってもよく、また、順番が逆であってもよい。
【0137】
また、上記第5実施形態では、頭部装着型表示装置が、音声入力部を備える例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、携帯端末が音声入力部を備えていてもよい。また、頭部装着型表示装置、または携帯端末が音声入力部を備える構成において、音声入力部を介した音声入力に基づき経路案内を開始するように構成されていてもよい。この場合、音声入力される内容により頭部装着型表示装置に表示させる内容を切り替えるように構成される。
【0138】
また、上記第5実施形態では、音声入力部を介した音声入力により対応マニュアルを頭部装着型表示装置に表示する例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、携帯端末は、位置検出部において検出した携帯端末の位置情報が配達先または配達元から所定の範囲内である時に、操作部による操作を受付けることにより対応マニュアルを表示するように構成されていてもよい。この場合、単一の操作部を操作する時間が所定時間未満であれば、経路案内情報を表示し、操作部を操作する時間が所定時間以上であれば対応マニュアルを表示させるように構成されていてもよい。または、単一の操作部を操作する回数が所定数未満であれば、経路案内情報を表示し、操作部を操作する回数が所定数以上であれば対応マニュアルを表示させるように構成されていてもよい。さらに、操作部が、経路案内情報を表示する操作部と、対応マニュアルを表示する操作部とがそれぞれ設けられる構成であってもよい。
【0139】
また、上記第5実施形態では、音声入力があった際に対応マニュアルを管理サーバから取得する例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、対応マニュアルは、管理サーバから取得した後に、携帯端末に保存されてもよい。この場合、携帯端末に保存した後は、携帯端末は、保存した対応マニュアルを使用し、随時対応マニュアルを管理サーバから取得することにより更新してもよい。
【0140】
また、上記第6~第8実施形態の録音部の音声入力部と、第5実施形態の音声入力部とが兼用であってもよい。この場合、配達元または配達先から所定の範囲外における録音と、対応マニュアルの表示とのうちいずれを行うかは、配達員が発する音声の内容によって決定されてもよい。
【0141】
また、上記第6~第8実施形態の録音部の記憶部を携帯端末が備える例を示したが、本発明はこれに限られない。記憶部は、頭部装着型表示装置または管理サーバが備えていてもよい。
【0142】
また、上記第6~第8実施形態では、操作入力を受付けるか、通信装置と携帯端末との間における通信が接続状態である場合に、録音部による録音を停止する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第3実施形態のように、通信装置から携帯端末が受信する受信電波の強度が所定値未満になった後、所定値以上になったことに基づいて、録音を停止するように構成されていてもよい。
【0143】
また、上記第6~第8実施形態は、第1実施形態の構成を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。第6~第8実施形態は、配達情報を表示する構成を備えていなくてもよい。
【符号の説明】
【0144】
1 頭部装着型表示装置
2 携帯端末
3 通信装置
6 自転車(移動体)
14 操作部
15 音声入力部
16 音声入力部(録音部)
23 通信部
24 入力部
25 位置検出部
26 記憶部(録音部)
27 加速度センサ
40 配達情報
44 配達経路情報
45 注意情報
50 配達員
100、200、300、400 配達支援システム