(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154846
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】粉体処理装置、粉体処理方法及び粉体
(51)【国際特許分類】
B01F 27/74 20220101AFI20221005BHJP
B01J 2/10 20060101ALI20221005BHJP
B01F 35/95 20220101ALI20221005BHJP
B01F 27/72 20220101ALI20221005BHJP
【FI】
B01F7/12
B01J2/10 A
B01F15/06 A
B01F7/08 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021058090
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000113355
【氏名又は名称】ホソカワミクロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】猪ノ木 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】坂田 昌史
【テーマコード(参考)】
4G004
4G037
4G078
【Fターム(参考)】
4G004GA01
4G037CA05
4G078AA02
4G078AA22
4G078BA01
4G078DA17
4G078EA03
4G078EA10
4G078EA15
(57)【要約】
【課題】処理中の粉体の温度制御をより効果的に実施することができる粉体処理装置を提供すること。
【解決手段】複数の撹拌部材5が外周部に設けられているロータ3と、撹拌部材5に対して間隙を隔てて位置する内周部を有するケーシング2とを備え、ロータ3の回転によって処理物を撹拌する粉体処理装置において、ロータ3の内部に流体を流通させる第1流体流路部30と、複数の撹拌部材5のそれぞれの内部に流体を流通させる第2流体流路部50と、第1流体流路部30に流体を供給する流体供給部6と、第1流体流路部30及び第2流体流路部50を流通した流体を装置外に排出する流体排出部8とを備え、第1流体流路部30と第2流体流路部50とが連通していることを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の撹拌部材が外周部に設けられているロータと、前記撹拌部材に対して間隙を隔てて位置する内周部を有するケーシングとを備え、前記ロータの回転によって処理物を撹拌する粉体処理装置において、
前記ロータの内部に流体を流通させる第1流体流路部と、前記複数の撹拌部材のそれぞれの内部に流体を流通させる第2流体流路部と、前記第1流体流路部に流体を供給する流体供給部と、前記第1流体流路部及び前記第2流体流路部を流通した流体を装置外に排出する流体排出部とを備え、前記第1流体流路部と前記第2流体流路部とが連通していることを特徴とする粉体処理装置。
【請求項2】
前記第1流体流路部が、前記ロータの軸心方向に沿って配置される複数の分室を備え、前記分室と前記第2流体流路とが連通していることを特徴とする請求項1に記載の粉体処理装置。
【請求項3】
前記第2流体流路部への流体の移流を促す案内部材が、前記分室に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の粉体処理装置。
【請求項4】
前記流体供給部は、前記ロータの内部に配設される中空管を備えており、該中空管は前記ロータの軸心に位置するように設けられており、前記中空管の先端開口部が前記第1流体流路部内に配置されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の粉体処理装置。
【請求項5】
前記中空管の先端開口部の付近に、前記ロータの回転と共に回転する回転部材が設けられており、前記中空管の先端開口部から移流してきた流体が、前記回転部材によって、前記ロータの径方向外側に向かって拡散するように移流することを特徴とする請求項4に記載の粉体処理装置。
【請求項6】
前記中空管が、小径中空管と大径中空管とを備えて構成されており、前記大径中空管が、前記ロータの軸心方向の略全体にわたって設けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載の粉体処理装置。
【請求項7】
前記流体供給部はさらに、前記ロータを回転させるシャフト部材の軸心に形成される流体供給路を備えており、前記流体供給路が前記中空管に接続されており、
前記流体排出部が、前記シャフト部材における前記流体供給路の周りに形成される複数の流体排出路を備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の粉体処理装置。
【請求項8】
前記ロータと前記複数の撹拌部材とが一体に形成されていることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の粉体処理装置。
【請求項9】
前記ロータが軸心方向の片側で支持されていることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の粉体処理装置。
【請求項10】
ガス供給部およびガス抜き用のフィルタ部材をさらに備えることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の粉体処理装置。
【請求項11】
前記ケーシングが、原料投入口及び製品排出口を備えることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の粉体処理装置。
【請求項12】
請求項11に記載される粉体処理装置を使用して、原料を前記原料投入口に連続供給しつつ、製品を前記製品排出口から連続排出することを特徴とする粉体処理方法。
【請求項13】
請求項11に記載される粉体処理装置を使用して、原料を前記原料投入口に供給して、所定時間経過後、製品を前記製品排出口から排出することを特徴とする粉体処理方法。
【請求項14】
請求項1~11のいずれか一項に記載される粉体処理装置を使用して、前記流体として冷媒を使用することを特徴とする粉体処理方法。
【請求項15】
請求項1~11のいずれか一項に記載される粉体処理装置を使用して、前記流体として熱媒を使用することを特徴とする粉体処理方法。
【請求項16】
請求項12~15のいずれか一項に記載される粉体処理方法で処理された粉体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の撹拌部材が外周部に設けられているロータと、撹拌部材に対して間隙を隔てて位置する内周部を有するケーシングとを備え、ロータの回転によって処理物を撹拌する粉体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の粉体処理装置としては、例えば以下の特許文献1に示されるように、より強い力を粉体等の処理物に与えて攪拌効果を高めることにより、混合、乾燥処理のみならず、粉体等の処理物の解砕、粉砕、複合化、表面改質、平滑化などの各処理をなしうる粉体処理装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の粉体処理装置では、処理中の粉体の温度を制御することが難しく、例えば、有機物等の原料を用いて高負荷連続運転による粒子複合化処理などを行う場合は、温度上昇による処理物の熱変性が生じ易くなるという問題を抱えている。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、処理中の粉体の温度制御をより効果的に実施することができる粉体処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る粉体処理装置の特徴は、複数の撹拌部材が外周部に設けられているロータと、前記撹拌部材に対して間隙を隔てて位置する内周部を有するケーシングとを備え、前記ロータの回転によって処理物を撹拌する粉体処理装置において、前記ロータの内部に流体を流通させる第1流体流路部と、前記複数の撹拌部材のそれぞれの内部に流体を流通させる第2流体流路部と、前記第1流体流路部に流体を供給する流体供給部と、前記第1流体流路部及び前記第2流体流路部を流通した流体を装置外に排出する流体排出部とを備え、前記第1流体流路部と前記第2流体流路部とが連通している点にある。
【0007】
本構成によれば、第1流体流路部と第2流体流路部とが連通しているため、ロータの内部と撹拌部材の両方を均一且つ効率的に温度制御することができる。また、従来の粉体処理装置の場合と比べて伝熱面積が増えるため、特に複合化処理等の粉体に掛かる負荷がより高い処理を実施するとき、撹拌部材の先端での伝熱面積を確保し易くなるため、より効果的な伝熱が可能となる。
【0008】
本発明に係る粉体処理装置においては、前記第1流体流路部が、前記ロータの軸心方向に沿って配置される複数の分室を備え、前記分室と前記第2流体流路とが連通していると好適である。
【0009】
本構成によれば、複数の分室への流体の移流を介して、ロータの内部をより効率的に温度制御することができる。
【0010】
本発明に係る粉体処理装置においては、前記第2流体流路部への流体の移流を促す案内部材が、前記分室に設けられていると好適である。
【0011】
本構成のごとく案内部材を設けることによって、第2流体流路部への流体の移流が促されるため、流体が淀み難く、より効率的に撹拌部材を温度制御することができる。
【0012】
本発明に係る粉体処理装置においては、前記流体供給部は、前記ロータの内部に配設される中空管を備えており、該中空管は前記ロータの軸心に位置するように設けられており、前記中空管の先端開口部が前記第1流体流路部内に配置されていると好適である。
【0013】
本構成によれば、流体が供給される中空管がロータの軸心に位置するため、ロータは軸心から温度調整されることになり、安定した温度制御効果が得られ易くなる。
【0014】
本発明に係る粉体処理装置においては、前記中空管の先端開口部の付近に、前記ロータの回転と共に回転する回転部材が設けられていると、前記中空管の先端開口部から移流してきた流体が、前記回転部材によって、前記ロータの径方向外側に向かって拡散するように移流するので好適である。
【0015】
本構成によれば、中空管の先端開口部から移流してきた流体が、回転部材によって、ロータの径方向外側に向かって拡散するように移流するため、第1流体流路部に対して効率的に流体が供給されて、温度制御効果がさらに向上する。
【0016】
本発明に係る粉体処理装置においては、前記中空管が、小径中空管と大径中空管とを備えて構成されており、前記大径中空管が、前記ロータの軸心方向の略全体にわたって設けられていると好適である。
【0017】
本構成によれば、流体が大径中空管に移流することによって、ロータの軸心側からの温度制御がより一層効率化される。
【0018】
本発明に係る粉体処理装置においては、前記流体供給部はさらに、前記ロータを回転させるシャフト部材の軸心に形成される流体供給路を備えており、前記流体供給路が前記中空管に接続されており、前記流体排出部が、前記シャフト部材における前記流体供給路の周りに形成される複数の流体排出路を備えると好適である。
【0019】
本構成によれば、シャフト部材の内部に中空管を設ける必要がなくなるため、中空管を使用する場合と比べて、中空管に起因するロータ回転時の振動をより抑え易くなる。
【0020】
本発明に係る粉体処理装置においては、前記ロータと前記複数の撹拌部材とが一体に形成されていると好適である。
【0021】
本発明に係る粉体処理装置においては、前記ロータが軸心方向の片側で支持されていると好適である。
【0022】
本構成によれば、ロータが軸心方向の両側で支持されている場合と比べて、洗浄時のケーシングの取り外し作業だけでなく、メンテナンスを行う際の分解作業や組立作業も実施し易くなる。
【0023】
本発明に係る粉体処理装置においては、ガス供給部およびガス抜き用のフィルタ部材をさらに備えると好適である。
【0024】
本発明に係る粉体処理装置においては、前記ケーシングが、原料投入口及び製品排出口を備えると好適である。
【0025】
本構成によれば、原料の連続供給と製品の連続排出による連続運転制御が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】粉体処理装置の構造を示す正面断面図である。
【
図2】第1実施形態に係る粉体処理装置のケーシング内のロータ及び撹拌部材の正面断面図である。
【
図4】撹拌部材のその他の実施形態の斜視図である。
【
図5】軸心方向から見たときのロータにおける堰部材の断面図である。
【
図6】軸心方向から見たときのロータにおける堰部材(別実施形態)の断面図である。
【
図7】軸心方向から見たときのロータにおける堰部材(別実施形態)の断面図である。
【
図8】軸心方向から見たときのロータにおける堰部材(別実施形態)の断面図である。
【
図9】軸心方向から見たときのロータにおける閉塞蓋の正面図(a)と断面図(b)、(c)である。
【
図10】軸心方向から見たときのロータにおける閉塞蓋(別実施形態)の正面図(a)と断面図(b)、(c)である。
【
図11】軸心方向から見たときのロータにおける閉塞蓋(別実施形態)の正面図(a)と断面図(b)である。
【
図12】第2実施形態に係る粉体処理装置のケーシング内のロータ及び撹拌部材の正面断面図である。
【
図13】第3実施形態に係る粉体処理装置のケーシング内のロータ及び撹拌部材の正面断面図である。
【
図14】機内における粉体の温度と処理時間の関係を示したグラフである。
【
図15】単位重量あたりのエネルギーと処理時間の関係を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明に係る粉体処理装置の実施形態について、図面を参照しながら説明をする。
〔第1実施形態〕
(粉体処理装置)
図1に示すように、粉体処理装置1は、複数の撹拌部材5を有する円筒形のロータ3を、円筒形のケーシング2の中心部に備えている。ケーシング2は撹拌部材5に対し微小間隙(クリアランス)を隔てて位置する内周部を有する。粉体処理装置1は、ケーシング2内に投入された処理物がロータ3の回転に伴って攪拌処理されるよう構成されている。
【0028】
本実施形態におけるロータ3は、シャフトSHを介して片側で支持されている。シャフトSHは、ロータリージョイント9との連結部分から、モータ等を備えて構成される駆動部7の内部にわたって設けられている。ロータ3は、シャフトSHと一体に回転可能な状態でシャフトSHに連結されている。
【0029】
本実施形態では、原料投入口20は駆動部7に近位のケーシング2の端部の上側に設けられており、製品排出口21は駆動部7から遠位のケーシング2の端部の下側に設けられている。尚、この構成に限定されるものではなく、原料投入口20は駆動部7から遠位のケーシング2の端部の上側に設けられており、製品排出口21は駆動部7に近位のケーシング2の端部の下側に設けられている構成としても良い。また、原料投入口20及び製品排出口21をケーシング2の側面に設けて、それぞれにスクリュなどを使用して原料供給と製品排出を実施する構成や、ケーシング2の蓋部材22にノズル等を設けて原料を供給し、ケーシング2の下部又は側面から製品排出を実施する構成としても良い。
【0030】
ロータ3の外周部には、ロータ3の軸心方向における位置が同じで、且つ、ロータ3の周方向において約180度離間するように配置されている一対の撹拌部材5が、ロータ3の軸心方向に沿って所定の間隔で複数設けられている。そして、一対の撹拌部材5と、当該一対の撹拌部材5とロータ3の軸心方向において隣接する別の一対の撹拌部材5とでは、ロータ3の周方向における互いの位置が約90度相違する。尚、撹拌部材5の設置数と設置位置については、上記構成に限定されるものではなく、ロータ3の軸心と直交する面の同一面に、例えば4個、6個、8個の撹拌部材5を設けるなど、ロータ3の大きさや撹拌度合に応じて、撹拌部材5の設置数を適宜設定して良く、またそれに応じて隣接する撹拌部材5の位置のずれ角度も適宜設定して良い。また、攪拌部材5の大きさ、向き、形状、角度などは、原料の供給位置、製品の排出位置、攪拌具合などに応じて適宜変更するようにしても良い。
【0031】
ロータ3と撹拌部材5に関する構造については、例えば、ロータ3と撹拌部材5とが一体に形成してある構成、ロータ3に対して撹拌部材5が溶接されている構成、あるいは、ボルトとOリング等を使用する軸方向連結構造を有する構成等としても良い。
【0032】
図2及び
図3に示すように、撹拌部材5の内側には、流体を流通させるための空洞部50が形成されている。空洞部50については、流体による温度制御効果を高めるために、撹拌部材5の先端部分にまで及ぶものであることが望ましい。
【0033】
尚、撹拌部材5の空洞部50の構成としては、上記に限らず、例えば
図4に示すように、撹拌部材5の形状に沿った流路をなすような構成としても良い。
【0034】
図1及び
図2に示すように、粉体処理装置1の内部には、流体を流通させるための一本の中空管6が設けられている。中空管6の一端が、複流路用のロータリージョイント9の流体導入口91に接続されており、他端の先端開口部60がロータ3の閉塞蓋4の近くに配置されている。
【0035】
中空管6は、ロータリージョイント9、駆動部7におけるシャフトSH、及びロータ3に渡って設けられている。中空管6は、転がり軸受やすべり軸受などの公知の軸受部材によって支持されている。中空管6はロータ3の軸心に位置しており、ロータ3が回転駆動する際に回転しないように構成されている。尚、中空管6の支持方法としては、例えば、中空管6の両端部分を支持する構成、中空管6の両端部分と長手方向の中間部分とを支持する構成、または中空管6の片端のみを支持する構成など、中空管6の太さ、長さ、形状などに応じて適宜変更して良い。
【0036】
ロータ3の内側には、流体が流通可能な複数の分室30が設けられている。分室30は、ロータ3の軸心方向と直交する方向に延びる仕切り壁31によって分画されており、ロータ3の軸心方向に沿って配置されている。仕切り壁31の形状としては、板状のものに限らず、他にも例えば、円錐状などであっても良い。尚、各仕切り壁31と、中空管6の外周面との間にはわずかな隙間が設けられている。
【0037】
各分室30には、撹拌部材5の空洞部50への流体の移流を促すように構成される2つの堰部材32(案内部材の一例)が設けられている。堰部材32は、ロータ3の内周壁に沿って移流する流体をせき止めるように作用し、後述する入口側貫通孔34へ流体を案内する。
【0038】
本実施形態における堰部材32は、板状の部材であり、仕切り壁31からロータ3の内周壁にわたって設けられている。
【0039】
堰部材32の形状としては、例えば
図5に示すように、ロータ3の軸心方向から見たときの断面形状が、ロータ3の軸心に向かって直線形状を有するものが挙げられる。しかしながら、堰部材32の形状はこれに限定されるものではなく、他にも例えば
図6に示すように、ロータ3の軸心方向からみたときの断面形状が、入口側貫通孔34の側に傾斜している直線形状を有するものや、または
図7に示すように、ロータ3の軸心方向からみたときの断面形状が、入口側貫通孔34の側に湾曲している円弧形状を有するもの、あるいは
図8に示すように、ロータ3の軸心方向からみたときの断面形状が、入口側貫通孔34の側に折れるL字状の形状を有するもの等であっても良い。
【0040】
尚、本実施形態においては、2つの堰部材32が各分室30に設けられているが、この構成に限定されるものではなく、各分室30に設けられる堰部材32の数については、対応する撹拌部材5の数に応じて適宜変更して良い。
【0041】
図2に示すように、ロータ3の側壁33には、流体を流通させるための入口側貫通孔34と出口側貫通孔35が設けられている。
【0042】
入口側貫通孔34及び出口側貫通孔35は、撹拌部材5に対応して設けられている。即ち、一つの撹拌部材5の空洞部50に対して、一つの入口側貫通孔34及び一つの出口側貫通孔35のそれぞれが連通するように構成されている。
【0043】
本実施形態における撹拌部材5は、ロータ3の軸心方向におけるその位置が、隣接する2つの分室30にわたるように設けられている。そして、一つの撹拌部材5の空洞部50に連通する入口側貫通孔34及び出口側貫通孔35のそれぞれが、隣接する2つの分室30のそれぞれに開口する。尚、本実施形態では、入口側貫通孔34は堰部材32の近くに設けられている。
【0044】
ロータ3内の分室30のうち、駆動部7の側に最も近い位置にある分室30(本実施形態ではロータ3の軸心方向基端部分にある分室30)には、ロータリージョイント9の流体排出口90に連通する排出用流路8が接続されている。
【0045】
ロータ3の閉塞蓋4(回転部材の一例)は、ロータ3の回転と共に回転し、中空管6の先端開口部60から移流してきた流体が閉塞蓋4の近傍に到達すると、遠心力によって、ロータ3の径方向外側に向かって流体を拡散させるように構成されている。
【0046】
閉塞蓋4の形状としては、例えば
図9に示すように、円板の一側面に直線状の複数の突条部40(
図9(a)、(b)参照)もしくは溝部41(
図9(a)、(c)参照)を備える形状が挙げられる。しかしながら、閉塞蓋4の形状はこれに限定されるものではなく、他にも例えば
図10に示すように、円板の一側面に円弧状の複数の突条部40(
図10(a)、(b)参照)もしくは溝部41(
図10(a)、(c)参照)を備える形状、あるいは
図11に示すように、円板の中心に円錐部42(
図11(a)、(b)参照)を備える形状等であっても良い。
【0047】
(粉体処理装置の温度制御構造)
図1及び
図2に示すように、本実施形態における粉体処理装置1は、ロータ3の内部に流体を流通させる第1流体流路部と、複数の撹拌部材5のそれぞれの内部に流体を流通させる第2流体流路部と、第1流体流路部に流体を供給する流体供給部と、第1流体流路部及び第2流体流路部を流通した流体を装置外に排出する流体排出部とを備える。
【0048】
第1流体流路部は、ロータ3の軸心方向に沿って配置される複数の分室30を備える。
【0049】
第2流体流路部は、複数の撹拌部材5の内側に設けられている空洞部50を備える。
【0050】
流体供給部は、ロータ3の内部に配設される中空管6、及びロータリージョイント9の流体導入口91を備える。
【0051】
流体排出部は、ロータリージョイント9の流体排出口90、及び流体排出口90と最も駆動部7の側に近い分室30とを連通する排出用流路8を備える。
【0052】
第1流体流路部と第2流体流路部とが連通しており、流体が第1流体流路部と第2流体流路部との間を流通できるように構成されている。本実施形態では、複数の分室30が、ロータ3の側壁33に設けられている入口側貫通孔34及び出口側貫通孔35を介して撹拌部材5の空洞部50と連通している。
【0053】
本発明の粉体処理装置1において適用可能な流体としては、例えば、冷却水や不凍液等の冷媒や、温水、オイル、スチーム等の加熱媒体などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0054】
冷媒は、主に粉体処理中に粉体が昇温して熱変質してしまうことを防止する目的でこれを用いる。例えば、有機物などを粉体処理装置で粉砕、混合、球形化、複合化等を行う際に、製品の温度上昇が問題となる場合があるが、本発明の粉体処理装置に冷媒を適用することにより、冷却効果がより強化されて製品の温度上昇をより効果的に抑えることができるため、特に有機物などの熱変性が問題となる粉体を処理する場合には有効である。
【0055】
熱媒は、製品の水分を除去することを目的とする乾燥処理の粉体処理を行う場合や、粉体処理でよく起こる粉体処理物の凝結やシャフトへの固着を防止する場合に主に用いられる。
【0056】
本実施形態の粉体処理装置1を使用して粉体を処理する際は、処理すべき粉体の所定量を、原料投入口20からケーシング2の中に導入する。尚、粉体の充填量(体積)は、ケーシング2内の処理空間の5%~95%とすることが望ましい。次いで、ロータ3を所定の回転速度で所定時間回転駆動させて粉体を攪拌し、処理を終えた粉体は、製品排出口21から取り出される。
【0057】
本実施形態の粉体処理装置1は、上述のような粉体処理と同時に、ロータ3及び撹拌部材5の両方の温度を制御することができる。例えば、流体として冷媒を使用する場合はロータ3及び撹拌部材5を冷却することができ、流体として加熱媒体を使用する場合はロータ3及び撹拌部材5を加熱することができる。
【0058】
図2に示すように、ロータリージョイント9の流体導入口91から流体を導入すると、流体は中空管6の中を先端開口部60に向かって移流する。尚、
図2に示される矢印は、流体の流れを示している。
【0059】
中空管6の先端開口部60に到達した流体は、回転するロータ3の閉塞蓋4の近傍に移流し、遠心力の作用によって、閉塞蓋4に沿ってロータ3の径方向外側に向けて拡散されつつ、ロータ3内の分室30のうちの駆動部7の側から最も遠い位置にある分室30(本実施形態ではロータ3の軸心方向先端部分にある分室30)の中に移流する。
【0060】
分室30に移流してきた流体は、堰部材32の作用によって、ロータ3の側壁33に設けられている入口側貫通孔34に案内される。
【0061】
入口側貫通孔34に移流した流体は、一対の撹拌部材5の空洞部50の中に移流した後、ロータ3の側壁33に設けられている出口側貫通孔35へと移流する。
【0062】
出口側貫通孔35に移流した流体は、ロータ3の軸心方向先端部分の分室30に隣接する別の分室30へと移流する。
【0063】
別の分室30に移流した流体は、再び堰部材32の作用によって、ロータ3の側壁33に設けられている入口側貫通孔34に案内されて、別の一対の撹拌部材5の空洞部50に移流する。
【0064】
即ち、分室30に移流した流体が、一対の撹拌部材5の空洞部50に移流した後、隣接する別の分室30へ移流して別の一対の撹拌部材5の空洞部50に移流するという工程が、ロータ3の軸心方向において、ロータ3の先端部から基端部に向かって順に繰り返されてゆき、全ての分室30と全ての撹拌部材5の空洞部50に流体が移流する。
【0065】
そして、ロータ3内の分室30のうちの駆動部7の側に最も近い位置にある分室30(本実施形態ではロータ3の軸心方向基端部分にある分室30)に移流してきた流体は、中空管6の近傍に設けられている貫通孔を介して排出用流路8へと移流し、ロータリージョイント9の流体排出口90から排出される。
【0066】
本発明に係る粉体処理装置1によれば、ロータ3内の全ての分室30と全ての撹拌部材5の内側に流体が移流するため、ロータ3の内部と撹拌部材5の両方を十分に温度調整することができる。
【0067】
流体として冷媒を用いる場合、上記温度制御構造を適用可能な粉体処理装置として、代表的なものとしては、粉体粒子を粒子単位で混合させる精密混合処理を実施する粉体処理装置が挙げられ、他にも例えば、粉砕処理、融合化処理(複合化処理)としての微粉融合化処理、表面改質処理、表面円滑化処理、形状変形処理、非晶質化処理、直接合成処理、又は液添混合処理等の粉体処理を実施する粉体処理装置等が挙げられる。
【0068】
流体として熱媒を用いる場合、上記温度制御構造を適用可能な粉体処理装置として、例えば、水分除去を目的とする乾燥処理の粉体処理を実施する粉体処理装置が挙げられる。そのような乾燥処理の粉体処理を実施する粉体処理装置の具体例としては、間接加熱型乾燥装置等が挙げられる。間接加熱型乾燥装置に上記温度制御構造を適用した場合、伝熱面積を直接大きくする効果があり、極めて有効である。さらに、粉体処理物の凝結防止やシャフトへの固着防止を目的として、上記温度制御構造を採用して熱媒を用いる場合があり、このような用途は、粉体処理装置全般に適用可能である。
【0069】
尚、精密混合処理とは、2種類以上の粉体を混合して精密に分散した状態にする処理である。粉砕処理とは、粉体に衝撃エネルギーを与えることにより、粒子を砕いて粒子径を細かくする処理である。微粉融合化処理とは、粉体中の微粉粒子をこれより径が大きい粒子に結合させる処理である。表面改質処理は粉体粒子の表面に改質剤を結合させる処理である。表面円滑化処理は粉体粒子の表面を滑らかにする処理である。形状変化処理は粉体粒子の形状を変化させる処理である。非晶質化処理は、結晶構造を有する粉体粒子を非晶質構造に変化させる処理である。直接合成処理は、原料粉体に圧縮・摩擦作用を与えることで、目的の化合物を合成する処理のことである。液添混合処理は、粉体粒子との化学反応や粉体粒子表面層の作製等によって粉体粒子の表面特性を変化させる処理である。乾燥処理とは、粉体に熱を間接/直接に与えることで保水分を除去する処理のことである。
【0070】
〔第2実施形態〕
図12には、本発明に係る粉体処理装置1の第2実施形態が示されている。
本実施形態については、上述の第1実施形態と異なる構成を主に記載し、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を一部省略する。
【0071】
本実施形態における粉体処理装置1では、ロータ3内の分室30のうちの駆動部7の側に最も近い位置にある分室30(本実施形態ではロータ3の軸心方向基端部分にある分室30)に移流してきた流体は、再び堰部材32の作用によって、ロータ3の側壁33に設けられている入口側貫通孔34に案内されて、駆動部7の側に最も近い位置にある一対の撹拌部材5の空洞部50に移流する。
【0072】
そして、空洞部50に移流した流体は、ロータ3の側壁33に設けられている出口側貫通孔35を介して、ロータ3の径方向の外側から内側に流体が移流するように形成された排出用流路8へと移流し、ロータリージョイント9の流体排出口90から排出される。
【0073】
〔第3実施形態〕
図13には、本発明に係る粉体処理装置1の第3実施形態が示されている。
本実施形態については、上述の第1実施形態と異なる構成を主に記載し、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を一部省略する。
【0074】
本実施形態における粉体処理装置1では、中空管が、小径中空管62と大径中空管61とを備えて構成されている。
【0075】
小径中空管62は、ロータリージョイント9から駆動部7にわたって設けられている。大径中空管61は、ロータの軸心方向の略全体にわたって設けられている。
【0076】
大径中空管61の内径は、小径中空管62の外径よりも大きい。小径中空管62の先端部分(ロータリージョイント9の側とは反対側の端部)を、大径中空管61における先端開口部60とは反対側の端部の中に配置させることにより、小径中空管62と大径中空管61とが接続されるように構成されている。
【0077】
尚、本実施形態における中空管6は、軸受支持はされていないが、例えば、小径中空管62と大径中空管61との接続部分が、すべり軸受け部材や転がり軸受部材などの公知の軸受部材によって支持されていても良いし、あるいはロータリージョイント9の内部でのみ小径中空管62が支持されている一点支持の構成としても良い。
【0078】
本実施形態の粉体処理装置1の温度制御構造は、上述の第1実施形態と同様に、ロータリージョイント9の流体導入口91から流体を導入すると、流体は小径中空管62の中を大径中空管61に向かって移流する。
【0079】
小径中空管62の先端部分に到達した流体は、大径中空管61の中に移流する。尚、大径中空管61は、ロータ3の内部で溶接されており、ロータ3と共に回転するように構成されている。
【0080】
次いで、大径中空管61の先端開口部60に到達した流体は、回転するロータ3の閉塞蓋4の近傍に移流し、遠心力の作用によって、閉塞蓋4に沿ってロータ3の径方向外側に向けて拡散されつつ、ロータ3内の分室30のうちの駆動部7の側から最も遠い位置にある分室30(本実施形態ではロータ3の軸心方向先端部分にある分室30)の中に移流する。
【0081】
その後は、上述の第1実施形態の場合と同様に、分室30に移流した流体が、一対の撹拌部材5の空洞部50に移流した後、隣接する別の分室30へ移流して別の一対の撹拌部材5の空洞部50に移流するという工程が、ロータ3の軸心方向において、ロータ3の先端部から基端部に向かって順に繰り返されてゆき、全ての分室30と全ての撹拌部材5の空洞部50に流体が移流する。
【0082】
そして、ロータ3内の分室30のうちの駆動部7の側に最も近い位置にある分室30(本実施形態ではロータ3の軸心方向基端部分にある分室30)に移流してきた流体は、大径中空管61と小径中空管62との接続部分の近傍に設けられている貫通孔を介して排出用流路8へと移流し、ロータリージョイント9の流体排出口90から排出される。
【0083】
(その他の実施形態)
1.本発明に係る粉体処理装置におけるロータは、上述の実施形態のように片側で支持されている構成に限らず、軸受によって軸心方向の両側で支持されている構成としても良い。尚、ロータを両側で支持する場合においても、片端に設けた複流路用のロータリージョイントによって流体供給及び流体排出を行うようにしても良いし、また単流路用のロータリージョイントをロータの両端のそれぞれに設けて、一方のロータリージョイントから流体供給を行い、もう一方のロータリージョイントから流体排出を行うようにしても良い。
【0084】
2.図示しないが、上述の第3実施形態における大径中空管として、より径が大きく、且つ二重筒構造を有するものを使用して、当該大径中空管内における流体の流路が、縦断面において円環状(ドーナツ状)となるように構成しても良い。この構成によれば、流体がロータの軸心を通過するものではなく、当該大径中空管を流れる流体の面積がロータの軸心を通過する場合と比べて広くなるため、より安定した温度制御効果を得ることができる。
【0085】
3.図示しないが、上述の第1実施形態及び第2実施形態のシャフトSH部分における中空管6の代替構成、あるいは第3実施形態における小径中空管62の代替構成として、シャフトSHそのものに、流体が移流する流体供給路(流体供給部の一例)が形成されている構成としても良い。さらに、同じくシャフトSHにおける前記流体供給路の周りに、複数の流体排出路(流体排出部の一例)が形成されている構成としても良い。具体的には、例えば、流体供給路は、シャフトSHの軸心方向の略全体にわたって軸心に1箇所設け、流体排出路は、流体供給路より径方向外側に点対称にシャフトSHの軸心方向の略全体にわたって複数箇所(4個、6個、8個等)に設けられる。この構成の場合、シャフトSHの内部の中空管が不要になるため、中空管を使用する場合と比べて、中空管に起因するロータ回転時の振動をより抑え易くなる。
【0086】
4.本発明に係る粉体処理装置では、必要に応じて、温度管理ができるジャケットをケーシングの外側に備えるようにしても良い。
【0087】
5.本発明に係る粉体処理装置は、連続処理に用いることも、あるいはバッチ処理に用いることもできる。連続処理に用いる場合は、原料投入口に定量式フィーダ(図示せず)を接続してもよく、製品排出口にはロータリーバルブやスクリュ等の連続式排出機構(図示せず)を設けてもよい。本装置をバッチ処理に用いる場合は、スライドゲートバルブ等の排出抑制機構(図示せず)を原料投入口、製品排出口に設ける。なお、バッチ処理のみに使用するのであれば、原料投入口及び製品排出口の設置位置については、ケーシングの端部に限定されるものではない。連続処理又はバッチ処理において、コンプレッサ等の空気圧縮装置からの空気もしくは不活性ガス(窒素、アルコン)等のガスを導入する場合、ガス供給部およびガス抜き用のフィルタ部材を設置することが望ましい。その際、フィルタ部材は、ケーシングの上部(例えば、ケーシング上部の中央)に設けられても良いし、もしくはケーシングの端部(例えば、閉塞蓋側)に設けられても良い。
【実施例0088】
冷媒による温度制御を実施しながら、以下のようにして化合物Aの複合化処理(比較例、実施例1、実施例2)を行った。
【0089】
(処理条件)
原材料:化合物A(D50:200μm)と食品添加物としてワックス(D50:14μm)とを重量比で9(化合物A)対1(ワックス)の割合で混合したもの
撹拌部材の攪拌速度:15m/s
冷媒温度:比較例は10℃、実施例1及び2は30℃
機内温度の測定方法:製品排出口近傍のケーシング底部に温度測定ノズルを開口させて、熱電対センサ先端部がケーシング内周面に合うように、センサを温度測定ノズルに固定して測定した。
単位重量あたりのエネルギー(kWh/kg)の測定方法:バッチ処理の場合は、計算式=モータ負荷動力(kW)×処理時間(h)/投入量(kg)で算出した。連続処理の場合は、計算式=モータ負荷動力(kW)/排出能力(kg/h)で算出した。
【0090】
(比較例)
ケーシング外周のジャケット、およびロータシャフトの内部に冷媒用流路が設けられている従来の粉体処理装置(特許第4669253号公報の
図9参照)をしてバッチ処理を行った。
(実施例1)
上述の第1実施形態に係る粉体処理装置を使用してバッチ処理を行った。
(実施例2)
上述の第1実施形態に係る粉体処理装置を使用し、実施例1の処理時間15min時の単位重量あたりのエネルギー(kWh/kg)と同水準で連続運転処理を行った。
【0091】
(結果)
図14に示すように、比較例においては、最初に処理したい粉体量を充填し、処理時間0~6minまで、撹拌部材の攪拌速度を15m/sで運転した。しかしながら、6min~13minまでは、ワックス加熱による融着発生を避けるため、撹拌部材の攪拌速度を3m/sに減速し温度を低下させる必要が生じた(
図14の二点鎖線参照)。そして、十分温度が低下した後、13~17minまで、攪拌速度を再び15m/sに増速させて複合化処理を行った。
【0092】
これに対し、
図14に示すように、実施例1及び2のいずれの場合も、撹拌部材の攪拌速度を低下させることなく複合化処理を行うことが可能であった。
【0093】
従って、本発明の粉体処理装置によれば、攪拌速度を低下させる操作(冷却操作)が不要となるため、同一条件で運転することができ、また製品の生産能力を上げることができ、さらに運転制御が簡単であるということが分かった。
【0094】
また、
図15に示すように、実施例2では、比較例の場合よりも高い単位重量あたりのエネルギーを保持しつつ、冷媒温度を30℃のままで温度を下げていないにも関わらず、運転途中で冷却操作を行うことなく、一定の攪拌速度(15m/s)で連続複合化処理を実施することができた。詳細には、処理時間0~20minまでは、供給側・排出側の定量装置をモータ負荷動力と排出能力が一定となるように調整した。処理時間20min以降は、モータ負荷動力と排出能力を一定に維持するように、供給・排出を連続的に制御しながら運転した。
【0095】
従って、本発明の粉体処理装置によれば、単位重量あたりのエネルギー一定で長時間の連続複合化処理が可能であるため、立上げ時間(モータ負荷動力と排出能力が一定になるまでの調整に要する時間)を除いて、同一条件で連続運転が可能であり、製品生産能力を安定させ、さらに生産量を装置の大きさではなく、時間で管理することができる。
【0096】
尚、上述のように図面を参照しつつ本発明を説明したが、本発明は当該図面の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができることは言うまでもない。