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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154890
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20221005BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021058151
(22)【出願日】2021-03-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】秋田 洸平
(72)【発明者】
【氏名】笠崎 州雄
(72)【発明者】
【氏名】高田 あかり
(72)【発明者】
【氏名】古屋 涼
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】店舗側が主体となって商品の販売を促進可能とする。
【解決手段】情報処理装置1は、ユーザ端末2から、ユーザの位置を示すユーザ位置情報を取得する位置情報取得部131と、取得したユーザ位置情報と、対象店舗の位置情報とに基づいて、対象ユーザを特定する対象ユーザ特定部132と、特定した対象ユーザと所定の関係を有する関係ユーザを特定する関係ユーザ特定部133と、ユーザの属性を示す属性情報を参照して、特定した関係ユーザの属性を特定する属性特定部134と、特定した関係ユーザの属性に基づいて、対象店舗で販売される商品の広告情報を特定する広告特定部135と、特定した広告情報を対象ユーザが使用するユーザ端末2に送信する送信部136と、を有する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの端末から、前記ユーザの位置を示すユーザ位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報取得部が取得した前記ユーザ位置情報と、対象店舗の位置情報とに基づいて、対象ユーザを特定する対象ユーザ特定部と、
前記対象ユーザ特定部が特定した前記対象ユーザと所定の関係を有する関係ユーザを特定する関係ユーザ特定部と、
ユーザの属性を示す属性情報を参照して、前記関係ユーザ特定部が特定した前記関係ユーザの属性を特定する属性特定部と、
前記属性特定部が特定した前記関係ユーザの属性に基づいて、前記対象店舗で販売される商品の広告情報を特定する広告特定部と、
前記広告特定部が特定した前記広告情報を前記対象ユーザが使用する端末に送信する送信部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記位置情報取得部は、複数のユーザのそれぞれが使用する端末から、前記ユーザ位置情報を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記位置情報取得部は、前記端末の位置を示す端末位置情報を前記ユーザ位置情報として取得する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記位置情報取得部は、前記ユーザの移動経路を示す経路情報を前記ユーザ位置情報として取得する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記位置情報取得部は、前記ユーザが使用する前記端末の時刻ごとの位置を示す複数の端末位置情報から特定される前記経路情報を前記ユーザ位置情報として取得する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記位置情報取得部は、前記ユーザに対応する複数の前記ユーザ位置情報と、複数の前記ユーザ位置情報のそれぞれが示す位置に前記ユーザが位置した時刻を示す時刻情報とを取得する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記対象ユーザ特定部は、前記位置情報取得部が取得した前記ユーザに対応する複数の前記ユーザ位置情報と、複数の前記ユーザ位置情報のそれぞれに対応する前記時刻情報とに基づいて前記ユーザの移動手段を特定し、特定した移動手段と、ユーザ位置情報と、前記対象店舗の位置情報とに基づいて前記対象ユーザを特定する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記対象ユーザ特定部は、前記位置情報取得部が取得した前記ユーザ位置情報と、前記対象店舗の位置情報とに基づいて、対象店舗に来店する可能性があるユーザを対象ユーザとして特定する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、当該ユーザと前記所定の関係を有する関係ユーザのユーザ識別情報とを関連付けたユーザ関係情報を記憶する記憶部を有し、
前記関係ユーザ特定部は、前記ユーザ関係情報を参照して、前記対象ユーザと所定の関係を有する前記関係ユーザを特定する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記記憶部は、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、当該ユーザと拠点が一致又は一定の関係を有する関係ユーザのユーザ識別情報とを関連付けた前記ユーザ関係情報を記憶する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記送信部は、前記位置情報取得部が取得した前記ユーザ位置情報に基づいて、前記対象ユーザの位置が前記関係ユーザの位置に比べて前記対象店舗に近いと判定すると、前記広告特定部が特定した前記広告情報を前記対象ユーザが使用する端末に送信する、
請求項1から10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記広告情報は、所定の時間帯において利用可能な特典情報であり、
前記送信部は、前記位置情報取得部が取得した前記ユーザ位置情報に基づいて、前記所定の時間帯における前記対象ユーザの位置が、前記所定の時間帯における前記関係ユーザの位置に比べて前記対象店舗に近いと判定すると、前記広告特定部が特定した前記広告情報を前記対象ユーザが使用する端末に送信する、
請求項1から10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記属性特定部は、ユーザの属性であるユーザの嗜好、性別、年齢、過去の購買情報の少なくともいずれかを示す属性情報を参照して、前記関係ユーザの属性を特定する、
請求項1から12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記広告情報は、所定の商品の購入を条件として特典が付与されることを示す特典情報であり、
前記対象ユーザが前記対象店舗で前記所定の商品を購入すると、前記対象ユーザ及び前記関係ユーザの少なくともいずれかに前記特典を付与する特典付与部をさらに有する、
請求項1から13のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記送信部は、前記広告特定部が特定した前記広告情報を前記関係ユーザが使用する端末に送信する、
請求項1から14のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記送信部は、前記広告特定部が特定した前記広告情報を前記対象ユーザの端末に送信する指示を前記関係ユーザから受け付けたことに応じて、当該広告情報を前記対象ユーザの端末に送信する、
請求項1から15のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記送信部は、前記対象ユーザが前記対象店舗で前記広告情報に対応する商品を購入すると、前記関係ユーザの端末に、前記対象ユーザが当該商品を購入したことを示す情報を送信する、
請求項1から16のいずれか1項に記載の情報処理装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの要求に基づいて、当該ユーザの家族等の他のユーザの通勤経路付近の店舗において販売されている当該ユーザの嗜好に対応する商品の代理購入を、当該他のユーザに依頼する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-117221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、ユーザの要求に基づいて、購入対象の商品や購入先の店舗が特定されるため、店舗側が主体となってユーザに商品の販売を促進することができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、店舗側が主体となって商品の販売を促進可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、ユーザの端末から、前記ユーザの位置を示すユーザ位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報取得部が取得した前記ユーザ位置情報と、対象店舗の位置情報とに基づいて、対象ユーザを特定する対象ユーザ特定部と、前記対象ユーザ特定部が特定した前記対象ユーザと所定の関係を有する関係ユーザを特定する関係ユーザ特定部と、ユーザの属性を示す属性情報を参照して、前記関係ユーザ特定部が特定した前記関係ユーザの属性を特定する属性特定部と、前記属性特定部が特定した前記関係ユーザの属性に基づいて、前記対象店舗で販売される商品の広告情報を特定する広告特定部と、前記広告特定部が特定した前記広告情報を前記対象ユーザが使用する端末に送信する送信部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、店舗側が主体となって商品の販売を促進することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理装置の概要を説明する図である。
図2】本実施形態に係る情報処理装置の構成を示す図である。
図3】本実施形態に係るユーザ情報の一例を示す図である。
図4】本実施形態に係るユーザ関係情報の一例を示す図である。
図5】本実施形態に係る位置履歴情報の一例を示す図である。
図6】本実施形態に係る広告管理情報の一例を示す図である。
図7】本実施形態に係る情報処理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[情報処理装置1の概要]
図1は、本実施形態に係る情報処理装置1の概要を説明する図である。情報処理装置1は、広告を配信する対象店舗で販売される商品の広告情報をユーザ端末2に送信する装置である。情報処理装置1は、例えばサーバ等のコンピュータであり、基地局や無線LANを介して複数のユーザ端末2に通信可能に接続されている。ユーザ端末2は、ユーザが使用するタブレット端末やスマートフォン等のコンピュータである。
【0010】
情報処理装置1は、ユーザ端末2から、ユーザの位置を示すユーザ位置情報を取得する。情報処理装置1は、取得したユーザ位置情報と、対象店舗の位置情報とに基づいて、対象ユーザを特定する。対象ユーザは、例えば対象店舗に訪問する可能性が高く、広告情報を配信する対象とするユーザである。図1に示す例では、情報処理装置1は、例えば店舗の近くに通勤するユーザAを対象ユーザとして特定する。
【0011】
情報処理装置1は、対象ユーザと所定の関係を有する関係ユーザを特定する。所定の関係は、例えばユーザの拠点が一致又は一定の関係を有することである。図1に示す例では、情報処理装置1は、ユーザAと同居するユーザBを関係ユーザとして特定する。情報処理装置1は、関係ユーザの属性に基づいて、対象店舗で販売される商品の広告情報を特定し、特定した広告情報を対象ユーザが使用するユーザ端末2に送信する。
【0012】
図1に示す例では、情報処理装置1は、関係ユーザであるユーザBの属性に基づいて、対象店舗で販売される複数の商品の広告情報のうち、ユーザBの属性に対応する広告情報を特定し、特定した広告情報を対象ユーザであるユーザAのユーザ端末2Aに送信する。対象ユーザは、関係ユーザの属性に対応する広告情報を確認し、関係ユーザとコミュニケーションを取る等して、当該広告情報に対応する商品を購入する可能性が高くなる。このようにすることで、情報処理装置1は、店舗側が用意している複数の広告情報から、対象ユーザが関係ユーザの代理で購入する可能性が高い商品の広告情報を対象ユーザのユーザ端末2に通知することができるので、店舗側が主体となって商品の販売を促進することができる。
続いて、情報処理装置1の構成について説明する。
【0013】
[情報処理装置1の構成例]
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1の構成を示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。制御部13は、位置情報取得部131と、対象ユーザ特定部132と、関係ユーザ特定部133と、属性特定部134と、広告特定部135と、送信部136とを有する。
【0014】
通信部11は、携帯電話回線やインターネット回線等の通信ネットワークに接続するためのインタフェースである。
記憶部12は、例えば、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等である。記憶部12は、情報処理装置1を機能させるための各種プログラムを記憶する。例えば、記憶部12は、情報処理装置1の制御部13を、位置情報取得部131、対象ユーザ特定部132、関係ユーザ特定部133、属性特定部134、広告特定部135、及び送信部136として機能させるプログラムを記憶する。
【0015】
また、記憶部12は、ユーザ端末2のユーザに関する情報であるユーザ情報を記憶する。図3は、本実施形態に係るユーザ情報の一例を示す図である。ユーザ情報は、例えば、通信事業者が管理する、当該サービスを利用するユーザとの契約情報に基づいて生成された情報である。
【0016】
図3に示すように、ユーザ情報は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報としてのユーザIDと、当該ユーザが所持するユーザ端末2を識別するための端末IDと、ユーザ名と、複数の属性の種類のそれぞれに対応するユーザの属性を示す属性情報とを関連付けた情報である。なお、図3に示す例では、属性の種類として、年代、性別を示しているが、これに限らず、趣味、嗜好情報、年収、家族構成、過去の購買情報等の他の属性の種類が含まれていてもよい。また、記憶部12は、ユーザ情報を記憶することとしたが、これに限らず、通信事業者が管理する契約情報を記憶することとしてもよい。
【0017】
記憶部12は、ユーザのユーザIDと、当該ユーザと所定の関係を有する他のユーザのユーザIDである他のユーザIDとを関連付けたユーザ関係情報を記憶する。所定の関係は、例えば、ユーザの拠点が一致又は一定の関係を有すること、家族関係にあることの少なくともいずれかである。ユーザの拠点は、例えばユーザの居住地、勤務先、通学先である。図4は、本実施形態に係るユーザ関係情報の一例を示す図である。図4に示すように、ユーザ関係情報において、ユーザIDと、他のユーザIDとが関連付けられていることが確認できる。また、ユーザと拠点が一致していない、又は一定の関係を有していない所定のユーザを関係ユーザとしてもよい。
【0018】
ユーザ関係情報は、例えば、制御部13が関係情報生成部として機能することにより生成される。例えば、関係情報生成部は、記憶部12に記憶されている位置履歴情報に基づいて、居住地が同一である複数のユーザを特定し、特定したユーザIDを関連付けることによりユーザ関係情報を生成する。また、家族関係にあることを所定の関係とする場合、関係情報生成部は、ユーザ端末2から、当該ユーザ端末2のユーザのユーザIDと、所定の関係を有する関係ユーザのユーザIDとを受け付け、受け付けたユーザIDを関連付けることによりユーザ関係情報を生成してもよい。
【0019】
また、関係情報生成部は、ユーザと拠点が一致していない、又は一定の関係を有していない所定のユーザを当該ユーザの関係ユーザとして登録してもよい。例えば、関係情報生成部は、ユーザのユーザ端末2から、当該ユーザを特定する情報と、所定のユーザを特定する情報とともに、所定のユーザを当該ユーザの関係ユーザとして登録する要求を受け付ける。例えば、関係情報生成部は、ユーザ端末2から、ユーザのユーザIDと所定のユーザのユーザIDとをユーザ関係情報として登録する要求を受け付け、当該ユーザのユーザIDと、所定のユーザのユーザIDとを関連付けてユーザ関係情報として記憶部12に記憶させてもよい。これにより、関係情報生成部は、所定のユーザが、ユーザと拠点が一致していない、又はユーザと一定の関係を有していない場合であっても、当該所定のユーザを関係ユーザとみなして登録することができる。
【0020】
また、関係情報生成部は、関係ユーザのユーザ端末2に、関係ユーザとして登録することの承諾を受け付ける情報を送信し、関係ユーザから、登録の承諾を受け付けたことに応じて、ユーザのユーザIDと、所定のユーザのユーザIDとを関連付けてユーザ関係情報として記憶部12に記憶させてもよい。
【0021】
また、関係情報生成部は、通信事業者が管理する、当該サービスを利用するユーザとの契約情報を参照し、住所が同一である複数のユーザを特定し、特定した複数のユーザのユーザIDを関連付けることによりユーザ関係情報を生成してもよい。
【0022】
記憶部12は、ユーザのユーザIDと、当該ユーザの位置を示すユーザ位置情報と、当該ユーザが当該位置に存在した時刻を示す時刻情報とを関連付けた位置履歴情報を記憶する。図5は、本実施形態に係る位置履歴情報の一例を示す図である。図5に示すように、位置履歴情報は、ユーザIDと、時刻と、ユーザ位置情報とを関連付けた情報である。ユーザ位置情報は、例えばユーザ端末2においてGPSを用いた位置測位機能により測定されることにより生成される、ユーザ端末2の位置を示す端末位置情報である。時刻は、端末位置情報が示す位置にユーザ端末2が存在した時刻である。
【0023】
記憶部12は、対象店舗が配信する広告情報を管理する広告管理情報を記憶する。図6は、本実施形態に係る広告管理情報の一例を示す図である。図6に示すように、広告管理情報は、対象店舗を識別するための店舗IDと、広告を識別するための広告IDと、広告情報に対応する属性と、広告情報と、利用可能時間帯(利用可能な日時、曜日、期間の少なくともいずれかを含む時間帯)とを関連付けた情報である。
【0024】
広告情報は、例えば、商品の宣伝情報、又は所定の商品を対象店舗で購入することを条件として特典が付与されることを示す特典情報である。また、利用可能時間帯は、全ての広告情報に設定されるものではなく、特典情報に限定して設定されたり、店舗の店員が任意で設定できたりしてもよい。図6に示す例では、広告ID「C001」、「C003」の広告情報が特典情報であり、広告ID「C003」の広告情報に対して利用可能時間帯が設定されていることが確認できる。
【0025】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されている各種プログラムを実行することにより、情報処理装置1に係る機能を制御する。制御部13は、記憶部12に記憶されているプログラムを実行することにより、位置情報取得部131、対象ユーザ特定部132、関係ユーザ特定部133、属性特定部134、広告特定部135、及び送信部136として機能する。
【0026】
位置情報取得部131は、複数のユーザのそれぞれが使用するユーザ端末2から、ユーザを識別するためのユーザIDと、当該ユーザの位置を示すユーザ位置情報と、当該ユーザが当該位置に存在した時刻を示す時刻情報とを取得する。例えば、位置情報取得部131は、ユーザ端末2が特定した、ユーザ端末2の位置を示す端末位置情報をユーザ位置情報として取得する。位置情報取得部131は、取得したユーザIDと、ユーザ位置情報と、当該位置情報に対応する時刻情報とを関連付けて、図5に示すように位置履歴情報として記憶部12に記憶させる。
【0027】
なお、位置情報取得部131は、ユーザ端末2の時刻ごとの位置を示す複数の端末位置情報により特定される、ユーザの移動経路を示す経路情報を、ユーザ位置情報として取得してもよい。この場合、位置情報取得部131は、ユーザ端末2から取得するユーザ端末2の時刻ごとの位置を示す複数の位置情報に基づいて経路情報を特定し、当該経路情報をユーザ位置情報として取得してもよい。
【0028】
経路情報は、例えば、ユーザの居住地と、当該ユーザの主要な移動先(例えば通勤先、通学先)と、居住地から移動先に向かう際に経由する経由地点(例えば、駅)とを示す情報であってもよい。また、経路情報には、居住地、移動先、経由地点のそれぞれにユーザが存在した時刻を示す時刻情報が含まれていてもよい。
【0029】
対象ユーザ特定部132は、位置情報取得部131が取得したユーザ位置情報と、対象店舗の位置情報とに基づいて、対象ユーザを特定する。ここで、対象ユーザは、上述したように、対象店舗に来店する可能性があるユーザである。
【0030】
対象ユーザ特定部132は、例えば、位置情報取得部131が取得し、記憶部12に記憶された位置履歴情報に含まれるユーザに対応する複数のユーザ位置情報と、複数のユーザ位置情報のそれぞれに対応する時刻情報とに基づいてユーザの移動手段を特定する。対象ユーザ特定部132は、例えば、1日におけるユーザの位置履歴情報を参照し、複数の時間帯それぞれのユーザ位置情報が示すユーザの移動距離に基づいて、複数の時間帯それぞれの移動距離を特定する。
【0031】
対象ユーザ特定部132は、特定した複数の時間帯のそれぞれの移動距離に基づいて、複数の時間帯それぞれの単位時間当たりのユーザの移動速度を算出し、算出した単位時間当たりの移動速度に基づいてユーザの移動手段を特定する。対象ユーザ特定部132は、対象ユーザ特定部132は、複数の時間帯のそれぞれに対応して、ユーザの移動手段として、電車、徒歩、自転車、車又はバスのいずれかを特定する。なお、対象ユーザ特定部132は、ユーザ位置情報として経路情報を取得した場合、当該経路情報が示す居住地、移動先、経由地点の少なくともいずれかに基づいて、ユーザの移動手段を特定してもよい。
【0032】
対象ユーザ特定部132は、特定した移動手段と、ユーザ位置情報と、対象店舗の位置情報とに基づいて対象ユーザを特定し、当該対象ユーザのユーザIDを特定する。対象店舗の位置情報は、例えば、対象店舗を識別するための店舗IDと関連付けられて記憶部12に記憶されている。対象ユーザ特定部132は、ユーザ位置情報と、特定した移動手段とに基づいて、対象店舗の位置情報が示す位置から所定範囲内の位置を、徒歩、自転車で通過するユーザを、対象ユーザとして特定する。
【0033】
また、対象ユーザ特定部132は、ユーザの位置履歴情報又はユーザの経路情報に基づいて、各時間ごと(例えば、曜日、平日、休日、時間帯)のユーザの移動経路と、移動手段とを特定し、ユーザIDと関連付けてルーチン情報として記憶部12に記憶させておいてもよい。そして、対象ユーザ特定部132は、ルーチン情報を参照し、対象店舗の位置情報が示す位置から所定範囲内の位置を所定の移動手段で移動すると予測されるユーザを対象ユーザとして特定してもよい。このようにすることで、広告情報の送信時に対象ユーザが店舗の近くにいない場合であっても広告情報を配信することができる。
【0034】
なお、対象ユーザ特定部132は、対象店舗の位置情報が示す位置から所定範囲内の位置を、電車で通過するユーザであっても、対象店舗から所定範囲内に駅があることを条件として、当該ユーザを対象ユーザとして特定してもよい。
【0035】
関係ユーザ特定部133は、対象ユーザ特定部132が特定した対象ユーザと所定の関係を有する関係ユーザを特定する。例えば、関係ユーザ特定部133は、記憶部12に記憶されているユーザ関係情報を参照して、対象ユーザ特定部132が特定した対象ユーザのユーザIDに関連付けられている他のユーザのユーザIDを、関係ユーザのユーザIDとして特定することにより、関係ユーザを特定する。
【0036】
属性特定部134は、ユーザの属性を示す属性情報を参照して、関係ユーザ特定部133が特定した関係ユーザの属性を特定する。属性特定部134は、関係ユーザ特定部133が関係ユーザを特定すると、記憶部12に記憶されているユーザ情報を参照し、関係ユーザのユーザIDに関連付けられている属性情報が示す関係ユーザの属性を特定する。
【0037】
また、属性特定部134は、記憶部12に記憶されている属性情報を参照し、関係ユーザの属性だけでなく、対象ユーザの属性を特定してもよい。属性特定部134は、記憶部12に記憶されているユーザ情報を参照し、対象ユーザのユーザIDに関連付けられている属性情報が示す対象ユーザの属性を特定する。
【0038】
広告特定部135は、属性特定部134が特定した関係ユーザの属性に基づいて、対象店舗で販売される商品の広告情報を特定する。広告特定部135は、記憶部12に記憶されている広告管理情報を参照し、属性特定部134が特定した関係ユーザの属性に関連付けられている広告情報を特定する。広告特定部135は、属性特定部134が対象ユーザの属性も特定した場合には、記憶部12に記憶されている広告管理情報において、当該対象ユーザの属性に関連付けられている広告情報も特定する。
【0039】
送信部136は、広告特定部135が特定した広告情報を、対象ユーザ特定部132が特定した対象ユーザが使用するユーザ端末2に送信する。具体的には、送信部136は、位置情報取得部131が取得したユーザ位置情報に基づいて、対象ユーザの位置が関係ユーザの位置に比べて対象店舗に近いか否かを判定する。
【0040】
例えば、送信部136は、位置情報取得部131が取得したユーザ位置情報に基づいて、対象ユーザに対応する複数のユーザ位置情報が示す対象ユーザの位置のうち、最も対象店舗の位置に近い位置を特定し、特定した位置と対象店舗の位置との距離を、対象ユーザと対象店舗との距離と特定する。この場合において、送信部136は、位置情報取得部131が取得したユーザ位置情報に基づく移動手段が特定の移動手段(例えば、徒歩や自転車)に対応するときのユーザ位置情報に基づいて、最も対象店舗の位置に近い位置を特定するようにしてもよい。同様に、送信部136は、関係ユーザと対象店舗との距離を特定する。
【0041】
送信部136は、対象ユーザと対象店舗との距離が、関係ユーザと対象店舗との距離に比べて短い場合に、対象ユーザの位置が関係ユーザの位置に比べて対象店舗に近いと判定する。送信部136は、対象ユーザの位置が関係ユーザの位置に比べて対象店舗に近いと判定すると、広告特定部135が特定した広告情報を対象ユーザが使用するユーザ端末2に送信する。
【0042】
また、送信部136は、対象ユーザの位置が関係ユーザの位置に比べて対象店舗に近いとともに、関係ユーザと対象店舗との距離が所定距離以上離れている場合、広告特定部135が特定した広告情報を対象ユーザが使用するユーザ端末2に送信するようにしてもよい。また、送信部136は、関係ユーザと対象店舗との距離に基づいて、関係ユーザが対象店舗に訪問するまでの到達時間を算出し、算出した到達時間が所定時間以上である場合に、広告特定部135が特定した広告情報を対象ユーザが使用するユーザ端末2に送信するようにしてもよい。
【0043】
また、送信部136は、広告特定部135が特定した広告情報が、所定の時間帯が利用可能時間帯に設定されている特典情報である場合、位置情報取得部131が取得したユーザ位置情報に基づいて、所定の時間帯における対象ユーザの位置が、所定の時間帯における関係ユーザの位置に比べて対象店舗に近いか否かを判定してもよい。
【0044】
そして、送信部136は、所定の時間帯における対象ユーザの位置が、所定の時間帯における関係ユーザの位置に比べて対象店舗に近いと判定すると、広告特定部135が特定した広告情報を対象ユーザが使用するユーザ端末2に送信してもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、特典情報に対応する特典を関係ユーザが利用できず、当該特典を対象ユーザが利用可能な場合に限定して、対象ユーザに当該特典情報を送信することができる。
【0045】
また、送信部136は、広告特定部135が関係ユーザの属性に基づいて特定した広告情報を対象ユーザが使用するユーザ端末2に送信するとともに、関係ユーザが使用するユーザ端末2に送信してもよい。また、送信部136は、関係ユーザが使用するユーザ端末2に、広告特定部135が関係ユーザの属性に基づいて特定した広告情報を、対象ユーザに送信するための送信指示画面を表示させる情報を送信してもよい。そして、送信部136は、関係ユーザが使用するユーザ端末2から、広告特定部135が関係ユーザの属性に基づいて特定した広告情報を、対象ユーザに送信する指示を受け付けたことに応じて、広告情報を対象ユーザのユーザ端末2に送信してもよい。
【0046】
この場合、送信部136は、広告情報を、対象ユーザに送信する指示を受け付けるとともに、関係ユーザから、対象ユーザに送信するメッセージを受け付け、広告情報と、受け付けたメッセージとを対象ユーザのユーザ端末2に送信してもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、関係ユーザが広告情報に対応する商品の購入を希望していることを対象ユーザに認識させて、対象ユーザが広告情報に対応する商品を購入する可能性を高めることができる。
【0047】
[動作フロー]
図7は、本実施形態に係る情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
まず、位置情報取得部131は、複数のユーザのそれぞれが使用するユーザ端末2から、ユーザを識別するためのユーザIDと、当該ユーザの位置を示すユーザ位置情報と、当該ユーザが当該位置に存在した時刻を示す時刻情報とを取得する(S1)。位置情報取得部131は、取得したユーザIDと、ユーザ位置情報と、時刻情報とを関連付けて、位置履歴情報として記憶部12に記憶させる。
【0048】
続いて、対象ユーザ特定部132は、位置情報取得部131が取得したユーザ位置情報と、対象店舗の位置情報とに基づいて、対象ユーザを特定する(S2)。
続いて、関係ユーザ特定部133は、記憶部12に記憶されているユーザ関係情報を参照して、特定した対象ユーザのユーザIDに関連付けられているユーザIDを、関係ユーザのユーザIDとして特定することにより、関係ユーザを特定する(S3)。
【0049】
続いて、属性特定部134は、記憶部12に記憶されているユーザ情報を参照し、特定した関係ユーザのユーザIDに関連付けられている属性情報が示す関係ユーザの属性を特定する(S4)。
続いて、広告特定部135は、記憶部12に記憶されている広告管理情報を参照し、特定した関係ユーザの属性に関連付けられている広告情報を特定する(S5)。
【0050】
続いて、送信部136は、記憶部12に記憶されている位置履歴情報を参照し、対象ユーザの位置が関係ユーザの位置に比べて対象店舗に近いか否かを判定する(S6)。送信部136は、対象ユーザの位置が関係ユーザの位置に比べて対象店舗に近いと判定すると、S7に処理を移し、特定した広告情報を対象ユーザが使用するユーザ端末2に送信する。送信部136は、対象ユーザの位置が関係ユーザの位置に比べて対象店舗に遠いと判定すると、本フローチャートに係る処理を終了する。
【0051】
[変形例]
上述の実施形態では、情報処理装置1の制御部13は、広告情報を送信する機能を有していたが、これに限らず、決済機能及び特典付与機能をさらに有していてもよい。例えば、制御部13は、決済部として機能し、決済に用いられる二次元バーコード等の決済用コードを対象ユーザのユーザ端末2又は所定店舗の店舗端末から受け付けると、決済用コードに基づいて決済を行うようにしてもよい。この場合に、制御部13は、例えば、決済用コードを受け付けるとともに、送信部136が対象ユーザのユーザ端末2に送信した広告情報である特典情報をさらに受け付けてもよい。ここで、特典情報が示す特典は、関係ユーザに対応する所定の商品を対象店舗で購入することを条件として、対象ユーザに対して付与されるものであってもよい。
【0052】
そして、制御部13は、特典情報とともに受け付けた決済用コードに基づいて決済を行う場合に、決済に対応する店舗及び商品を特定し、特定した店舗及び商品が、広告情報に対応しているか否か、すなわち、対象店舗及び関係ユーザに対応する所定の商品に対応しているか否かを判定する。また、制御部13は、対象ユーザが対象店舗で特典情報に対応する所定の商品を購入したか否かを判定する。そして、制御部13は、決済に対応する店舗及び商品が広告情報に対応しているとともに、対象ユーザが対象店舗で所定の商品を購入したと判定すると、特典付与部として機能し、対象ユーザ及び関係ユーザの少なくともいずれかに特典情報に対応する特典を付与するようにしてもよい。制御部13は、特典情報が示す特典が、商品の購入金額に対する割引である場合、決済金額から、商品の購入金額に対する割引して決済を行うようにしてもよい。また、制御部13は、特典情報が示す特典が、ポイントの付与である場合、決済完了後に、対象ユーザ及び関係ユーザの少なくともいずれかにポイントを付与してもよい。
【0053】
また、送信部136は、対象ユーザが対象店舗で所定の商品を購入したと判定すると、関係ユーザのユーザ端末2に、対象ユーザが当該所定の商品を購入したことを示す情報を送信して、対象ユーザが当該所定の商品が購入したことを関係ユーザに通知してもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、所定の商品が購入されたことを関係ユーザに認識させることができる。
【0054】
[本実施形態における効果]
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置1は、ユーザの位置を示すユーザ位置情報と、対象店舗の位置情報とに基づいて対象ユーザを特定し、当該対象ユーザと所定の関係を有する関係ユーザを特定する。情報処理装置1は、関係ユーザの属性を特定し、当該属性に基づいて対象店舗で販売される商品の広告情報を特定して、対象ユーザが使用するユーザ端末2に送信する。このようにすることで、情報処理装置1は、店舗側が主体となって商品の販売を促進することができる。
【0055】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0056】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【符号の説明】
【0057】
1・・・情報処理装置、11・・・通信部、12・・・記憶部、13・・・制御部、131・・・位置情報取得部、132・・・対象ユーザ特定部、133・・・関係ユーザ特定部、134・・・属性特定部、135・・・広告特定部、136・・・送信部、2・・・ユーザ端末
図1
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図7