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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154944
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】インパクト工具
(51)【国際特許分類】
   B25B 21/02 20060101AFI20221005BHJP
   B25B 23/18 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
B25B21/02 Z
B25B21/02 G
B25B23/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021058218
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】手島 治樹
【テーマコード(参考)】
3C038
【Fターム(参考)】
3C038DA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】インパクト工具の組立性を向上すること。
【解決手段】インパクト工具は、モータと、モータにより駆動される打撃機構9と、先端工具が装着され打撃機構により回転方向に打撃されるアンビル10と、打撃機構の周囲に配置される第1筒部401及び第1筒部よりも前方に配置され第1筒部の外径よりも小さい外径の第2筒部402を有するハンマケース4と、第2筒部の周囲の少なくとも一部に配置されるライトユニット18と、モータを収容し且つ第1筒部の少なくとも一部を覆うように配置され、ライトユニットを支持するハウジング2と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータにより駆動される打撃機構と、
先端工具が装着され前記打撃機構により回転方向に打撃されるアンビルと、
前記打撃機構の周囲に配置される第1筒部及び前記第1筒部よりも前方に配置され前記第1筒部の外径よりも小さい外径の第2筒部を有するハンマケースと、
前記第2筒部の周囲の少なくとも一部に配置されるライトユニットと、
前記モータを収容し且つ前記第1筒部の少なくとも一部を覆うように配置され、前記ライトユニットを支持するハウジングと、を備える、
インパクト工具。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記ライトユニットよりも後側に配置される後側支持部と、前記ライトユニットよりも前側に配置される前側支持部と、を有する、
請求項1に記載のインパクト工具。
【請求項3】
前記ライトユニットの少なくとも一部は、前記後側支持部と前記前側支持部とにより挟まれる、
請求項2に記載のインパクト工具。
【請求項4】
前記後側支持部は、前記第1筒部の前面と前記ライトユニットの後面との間に配置される、
請求項2又は請求項3に記載のインパクト工具。
【請求項5】
前記ライトユニットは、光射出部を有し、
前記前側支持部は、前記光射出部の周囲の少なくとも一部に配置される、
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のインパクト工具。
【請求項6】
前記ハウジングは、前記ライトユニットよりも径方向外側に配置される外側支持部を有する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のインパクト工具。
【請求項7】
径方向内側の前記ライトユニットの内周面は、前記第2筒部に対向する、
請求項6に記載のインパクト工具。
【請求項8】
前記ライトユニットは、前記ハンマケースと前記ハウジングとに挟まれる、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のインパクト工具。
【請求項9】
モータと、
前記モータにより駆動される打撃機構と、
先端工具が装着され前記打撃機構により回転方向に打撃されるアンビルと、
前記打撃機構を収容するハンマケースと、
前記モータを収容し且つ前記ハンマケースの少なくとも一部を覆うように配置されるハウジングと、
前記ハンマケースと前記ハウジングとに挟まれるライトユニットと、を備える、
インパクト工具。
【請求項10】
前記ライトユニットの少なくとも一部は、前記ハンマケースと前記ハウジングとにより前後方向から挟まれる、
請求項9に記載のインパクト工具。
【請求項11】
前記ハウジングは、前記ライトユニットよりも前側に配置される前側支持部を有し、
前記ライトユニットは、前記ハンマケースと前記前側支持部とにより挟まれる、
請求項10に記載のインパクト工具。
【請求項12】
前記ハンマケースは、前記打撃機構の周囲に配置されるハンマ収容部を有し、
前記ライトユニットは、前記ハンマ収容部の前面と前記前側支持部の後面とにより挟まれる、
請求項11に記載のインパクト工具。
【請求項13】
前記ライトユニットは、光射出部を有し、
前記前側支持部は、前記光射出部の周囲の少なくとも一部に配置される、
請求項11又は請求項12に記載のインパクト工具。
【請求項14】
前記ライトユニットの少なくとも一部は、前記ハンマケースと前記ハウジングとにより径方向から挟まれる、
請求項9から請求項13のいずれか一項に記載のインパクト工具。
【請求項15】
前記ハウジングは、前記ライトユニットよりも径方向外側に配置される外側支持部を有し、
前記ライトユニットは、前記ハンマケースと前記外側支持部とにより挟まれる、
請求項14に記載のインパクト工具。
【請求項16】
前記ハンマケースは、前記アンビルを支持するベアリングの周囲に配置されるベアリング支持部を有し、
前記ライトユニットは、前記ベアリング支持部の外面と前記外側支持部の内面とにより挟まれる、
請求項15に記載のインパクト工具。
【請求項17】
前記ライトユニットは、
ライト基板と、
前記ライト基板の前面に配置されるライトと、
前記ライト基板に接続され前記ライトの光射出面から射出された照明光が透過する光透過部を有するライトカバーと、を備え、
前記ハウジングは、前記ライトカバーに接触する、
請求項1から請求項16のいずれか一項に記載のインパクト工具。
【請求項18】
前記光射出面と前記光透過部とは、間隙を介して対向する、
請求項17に記載のインパクト工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、インパクト工具に関する。
【背景技術】
【0002】
インパクト工具に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような、ライトを備えるインパクトドライバが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5900141号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インパクト工具は、複数のパーツを組み立てることにより製造される。そのため、インパクト工具は、良好な組立性を実現できる構造であることが好ましい。
【0005】
本開示は、インパクト工具の組立性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、インパクト工具を開示する。インパクト工具は、モータと、モータにより駆動される打撃機構と、先端工具が装着され打撃機構により回転方向に打撃されるアンビルと、打撃機構の周囲に配置される第1筒部及び第1筒部よりも前方に配置され第1筒部の外径よりも小さい外径の第2筒部を有するハンマケースと、を備えてもよい。インパクト工具は、第2筒部の周囲の少なくとも一部に配置されるライトユニットと、モータを収容し且つ第1筒部の少なくとも一部を覆うように配置され、ライトユニットを支持するハウジングと、を備えてもよい。
【0007】
また、インパクト工具は、モータと、モータにより駆動される打撃機構と、先端工具が装着され打撃機構により回転方向に打撃されるアンビルと、打撃機構を収容するハンマケースと、モータを収容し且つハンマケースの少なくとも一部を覆うように配置されるハウジングと、ハンマケースとハウジングとに挟まれるライトユニットと、を備えてもよい。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成によれば、インパクト工具の組立性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係るインパクト工具を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態に係るインパクト工具の上部を示す側面図である。
図3図3は、実施形態に係るインパクト工具の上部を示す平面図である。
図4図4は、実施形態に係るインパクト工具の上部を示す断面図である。
図5図5は、実施形態に係るインパクト工具の上部を示す斜視図である。
図6図6は、実施形態に係るインパクト工具の上部を示す正面図である。
図7図7は、図5のA-A線断面矢視図である。
図8図8は、図5のB-B線断面矢視図である。
図9図9は、実施形態に係るインパクト工具を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1つ又はそれ以上の実施形態において、インパクト工具は、モータと、モータにより駆動される打撃機構と、先端工具が装着され打撃機構により回転方向に打撃されるアンビルと、打撃機構の周囲に配置される第1筒部及び第1筒部よりも前方に配置され第1筒部の外径よりも小さい外径の第2筒部を有するハンマケースと、を備えてもよい。インパクト工具は、第2筒部の周囲の少なくとも一部に配置されるライトユニットと、モータを収容し且つ第1筒部の少なくとも一部を覆うように配置され、ライトユニットを支持するハウジングと、を備えてもよい。
【0011】
上記の構成では、ライトユニットがハウジングに支持されるので、インパクト工具の組立性が向上する。また、ライトユニットは、ハウジングに保護される。
【0012】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ハウジングは、ライトユニットよりも後側に配置される後側支持部と、ライトユニットよりも前側に配置される前側支持部と、を有してもよい。
【0013】
上記の構成では、ハウジングは、ライトユニットを前後方向から支持することができる。
【0014】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ライトユニットの少なくとも一部は、後側支持部と前側支持部とにより挟まれてもよい。
【0015】
上記の構成では、ライトユニットは、後側支持部と前側支持部とに挟まれることにより、ハウジングに支持される。
【0016】
1つ又はそれ以上の実施形態において、後側支持部は、第1筒部の前面とライトユニットの後面との間に配置されてもよい。
【0017】
上記の構成では、ライトユニットは、後側支持部を介して第1筒部と前側支持部とにより挟まれる。
【0018】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ライトユニットは、光射出部を有してもよい。前側支持部は、光射出部の周囲の少なくとも一部に配置されてもよい。
【0019】
上記の構成では、前側支持部が照明光の光路に配置されないので、インパクト工具の前方が照明光で適正に照明される。
【0020】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ハウジングは、ライトユニットよりも径方向外側に配置される外側支持部を有してもよい。
【0021】
上記の構成では、ハウジングは、ライトユニットを径方向外側から支持することができる。
【0022】
1つ又はそれ以上の実施形態において、径方向内側のライトユニットの内周面は、第2筒部に対向してもよい。
【0023】
上記の構成では、ライトユニットは、ハウジングの外側支持部とハンマケースの第2筒部とにより径方向から挟まれる。
【0024】
1つ又はそれ以上の実施形態において、インパクト工具は、モータと、モータにより駆動される打撃機構と、先端工具が装着され打撃機構により回転方向に打撃されるアンビルと、打撃機構を収容するハンマケースと、モータを収容し且つハンマケースの少なくとも一部を覆うように配置されるハウジングと、ハンマケースとハウジングとに挟まれるライトユニットと、を備えてもよい。
【0025】
上記の構成では、ライトユニットがハンマケースとハウジングとに挟まれるので、インパクト工具の組立性が向上する。また、ライトユニットは、ハウジング及びハンマケースに保護される。
【0026】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ライトユニットの少なくとも一部は、ハンマケースとハウジングとにより前後方向から挟まれてもよい。
【0027】
上記の構成では、ライトユニットとハンマケースとハウジングとの前後方向の相対位置が固定される。
【0028】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ハウジングは、ライトユニットよりも前側に配置される前側支持部を有してもよい。ライトユニットは、ハンマケースと前側支持部とにより挟まれてもよい。
【0029】
上記の構成では、ライトユニットは、ハンマケースとハウジングの前側支持部とにより前後方向から支持される。
【0030】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ハンマケースは、打撃機構の周囲に配置されるハンマ収容部を有してもよい。ライトユニットは、ハンマ収容部の前面と前側支持部の後面とにより挟まれてもよい。
【0031】
上記の構成では、ライトユニットは、ハンマ収容部の前面と前側支持部の後面とにより前後方向から支持される。
【0032】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ライトユニットは、光射出部を有してもよい。前側支持部は、光射出部の周囲の少なくとも一部に配置されてもよい。
【0033】
上記の構成では、前側支持部が照明光の光路に配置されないので、インパクト工具の前方が照明光で適正に照明される。
【0034】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ライトユニットの少なくとも一部は、ハンマケースとハウジングとにより径方向から挟まれてもよい。
【0035】
上記の構成では、ライトユニットは、ハンマケースとハウジングとにより径方向から支持される。
【0036】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ハウジングは、ライトユニットよりも径方向外側に配置される外側支持部を有してもよい。ライトユニットは、ハンマケースと外側支持部とにより挟まれてもよい。
【0037】
上記の構成では、ライトユニットは、ハンマケースとハウジングの外側支持部とにより径方向から支持される。
【0038】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ハンマケースは、アンビルを支持するベアリングの周囲に配置されるベアリング支持部を有してもよい。ライトユニットは、ベアリング支持部の外面と外側支持部の内面とにより挟まれてもよい。
【0039】
上記の構成では、ライトユニットは、ベアリング支持部の外面とハウジングの外側支持部の内面とにより径方向から支持される。
【0040】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ライトユニットは、ライト基板と、ライト基板の前面に配置されるライトと、ライト基板に接続されライトの光射出面から射出された照明光が透過する光透過部を有するライトカバーと、を備えてもよい。ハウジングは、ライトカバーに接触してもよい。
【0041】
上記の構成では、ハウジングは、ライトカバーに接触することにより、ライトユニットを支持することができる。
【0042】
1つ又はそれ以上の実施形態において、光射出面と光透過部とは、間隙を介して対向してもよい。
【0043】
上記の構成では、光射出面から射出された照明光は、空気で満たされた間隙を通過した後、光透過部を透過する。そのため、照明光の光量の低下が抑制される。
【0044】
[実施形態]
実施形態について図面を参照しながら説明する。実施形態においては、左、右、前、後、上、及び下の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、インパクト工具1の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。インパクト工具1は、動力源としてモータ6を有する。
【0045】
実施形態において、モータ6の回転軸AXと平行な方向を適宜、軸方向、と称し、回転軸AXの周囲を周回する方向を適宜、周方向又は回転方向、と称し、回転軸AXの放射方向を適宜、径方向、と称する。
【0046】
回転軸AXは、前後方向に延伸する。軸方向一方側は、前方であり、軸方向他方側は、後方である。また、径方向において、回転軸AXに近い位置又は接近する方向を適宜、径方向内側、と称し、回転軸AXから遠い位置又は離隔する方向を適宜、径方向外側、と称する。
【0047】
<インパクト工具>
図1は、実施形態に係るインパクト工具1を示す斜視図である。図2は、実施形態に係るインパクト工具1の上部を示す側面図である。図3は、実施形態に係るインパクト工具1の上部を示す平面図である。図4は、実施形態に係るインパクト工具1の上部を示す断面図である。
【0048】
実施形態において、インパクト工具1は、ねじ締め工具の一種であるインパクトドライバである。インパクト工具1は、ハウジング2と、リヤカバー3と、ハンマケース4と、モータ6と、減速機構7と、スピンドル8と、打撃機構9と、アンビル10と、ビットスリーブ11と、ファン12と、バッテリ装着部13と、トリガスイッチ14と、正逆転切換レバー15と、操作パネル16と、手元モード切換ボタン17と、ライトユニット18とを備える。
【0049】
ハウジング2は、合成樹脂製である。実施形態において、ハウジング2は、ナイロン製である。ハウジング2は、左ハウジング2Lと、左ハウジング2Lの右方に配置される右ハウジング2Rとを含む。左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとは、複数のねじ2Sにより固定される。ハウジング2は、一対の半割れハウジングにより構成される。
【0050】
ハウジング2は、モータ収容部21と、グリップ部22と、バッテリコネクト部23とを有する。
【0051】
モータ収容部21は、筒状である。モータ収容部21は、モータ6を収容する。また、モータ収容部21は、ハンマケース4の表面の少なくとも一部を覆うように配置される。
【0052】
グリップ部22は、モータ収容部21から下方に突出する。トリガスイッチ14は、グリップ部22の上部に設けられる。グリップ部22は、作業者に握られる。
【0053】
バッテリコネクト部23は、グリップ部22の下端部に接続される。前後方向及び左右方向のそれぞれにおいて、バッテリコネクト部23の外形の寸法は、グリップ部22の外形の寸法よりも大きい。
【0054】
リヤカバー3は、合成樹脂製である。リヤカバー3は、モータ収容部21の後方に配置される。リヤカバー3は、ファン12の少なくとも一部を収容する。ファン12は、リヤカバー3の内周側に配置されている。リヤカバー3は、モータ収容部21の後端部の開口を覆うように配置される。
【0055】
モータ収容部21は、吸気口19を有する。リヤカバー3は、排気口20を有する。ハウジング2の外部空間の空気は、吸気口19を介してハウジング2の内部空間に流入する。ハウジング2の内部空間の空気は、排気口20を介してハウジング2の外部空間に流出する。
【0056】
ハンマケース4は、金属製である。実施形態において、ハンマケース4は、アルミニウム製である。ハンマケース4は、筒状である。ハンマケース4は、モータ収容部21の前部に接続される。ハンマケース4の後部にベアリングボックス24が固定される。ベアリングボックス24の外周部にねじ山が形成される。ハンマケース4の内周部にねじ溝が形成される。ベアリングボックス24のねじ山とハンマケース4のねじ溝とが結合されることにより、ベアリングボックス24とハンマケース4とが固定される。ハンマケース4は、左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとに挟まれる。ベアリングボックス24の一部及びハンマケース4の後部は、モータ収容部21に収容される。ベアリングボックス24は、モータ収容部21及びハンマケース4のそれぞれに固定される。
【0057】
ハンマケース4は、減速機構7、スピンドル8、打撃機構9、及びアンビル10の少なくとも一部を収容する。減速機構7の少なくとも一部は、ベアリングボックス24の内側に配置される。減速機構7は、複数のギヤを含む。
【0058】
モータ6は、インパクト工具1の動力源である。モータ6は、インナロータ型のブラシレスモータである。モータ6は、ステータ26と、ロータ27とを有する。ステータ26は、モータ収容部21に支持される。ロータ27の少なくとも一部は、ステータ26の内側に配置される。ロータ27は、ステータ26に対して回転する。ロータ27は、前後方向に延伸する回転軸AXを中心に回転する。
【0059】
ステータ26は、ステータコア28と、前インシュレータ29と、後インシュレータ30と、コイル31とを有する。
【0060】
ステータコア28は、ロータ27よりも径方向外側に配置される。ステータコア28は、積層された複数の鋼板を含む。鋼板は、鉄を主成分とする金属製の板である。ステータコア28は、筒状である。ステータコア28は、コイル31を支持する複数のティースを有する。
【0061】
前インシュレータ29は、ステータコア28の前部に設けられる。後インシュレータ30は、ステータコア28の後部に設けられる。前インシュレータ29及び後インシュレータ30のそれぞれは、合成樹脂製の電気絶縁部材である。前インシュレータ29は、ティースの表面の一部を覆うように配置される。後インシュレータ30は、ティースの表面の一部を覆うように配置される。
【0062】
コイル31は、前インシュレータ29及び後インシュレータ30を介してステータコア28に装着される。コイル31は、複数配置される。コイル31は、前インシュレータ29及び後インシュレータ30を介してステータコア28のティースの周囲に配置される。コイル31とステータコア28とは、前インシュレータ29及び後インシュレータ30により電気的に絶縁される。複数のコイル31は、ヒュージング端子38を介して接続される。
【0063】
ロータ27は、回転軸AXを中心に回転する。ロータ27は、ロータコア32と、ロータシャフト33と、ロータ磁石34と、センサ用磁石35とを有する。
【0064】
ロータコア32及びロータシャフト33のそれぞれは、鋼製である。ロータシャフト33は、ロータシャフト33の前部は、ロータコア32の前端面から前方に突出する。ロータシャフト33の後部は、ロータコア32の後端面から後方に突出する。
【0065】
ロータ磁石34は、ロータコア32に固定される。ロータ磁石34は、円筒状である。ロータ磁石34は、ロータコア32の周囲に配置される。
【0066】
センサ用磁石35は、ロータコア32に固定される。センサ用磁石35は、円環状である。センサ用磁石35は、ロータコア32の前端面及びロータ磁石34の前端面に配置される。
【0067】
前インシュレータ29にセンサ基板37が取り付けられる。センサ基板37は、ねじ29Sにより前インシュレータ29に固定される。センサ基板37は、中心に孔が設けられた円板状の回路基板と、回路基板に支持される回転検出素子とを有する。センサ基板37の少なくとも一部は、センサ用磁石35に対向する。回転検出素子は、ロータ27のセンサ用磁石35の位置を検出することにより、ロータ27の回転方向の位置を検出する。
【0068】
ロータシャフト33は、ロータベアリング39に回転可能に支持される。ロータベアリング39は、ロータシャフト33の前部を回転可能に支持する前側ロータベアリング39Fと、ロータシャフト33の後部を回転可能に支持する後側ロータベアリング39Rとを含む。
【0069】
前側ロータベアリング39Fは、ベアリングボックス24に保持される。ベアリングボックス24は、ベアリングボックス24の後面から前方に窪む凹部24Aを有する。前側ロータベアリング39Fは、凹部24Aに配置される。後側ロータベアリング39Rは、リヤカバー3に保持される。ロータシャフト33の前端部は、ベアリングボックス24の開口を介してハンマケース4の内部空間に配置される。
【0070】
ロータシャフト33の前端部にピニオンギヤ41が形成される。ピニオンギヤ41は、減速機構7の少なくとも一部に連結される。ロータシャフト33は、ピニオンギヤ41を介して減速機構7に連結される。
【0071】
減速機構7は、モータ6よりも前方に配置される。減速機構7は、ロータシャフト33とスピンドル8とを連結する。減速機構7は、ロータ27の回転をスピンドル8に伝達する。減速機構7は、ロータシャフト33の回転速度よりも低い回転速度でスピンドル8を回転させる。減速機構7は、遊星歯車機構を含む。
【0072】
減速機構7は、複数のギヤを有する。減速機構7のギヤは、ロータ27により駆動される。
【0073】
減速機構7は、ピニオンギヤ41の周囲に配置される複数のプラネタリギヤ42と、複数のプラネタリギヤ42の周囲に配置されるインターナルギヤ43とを有する。ピニオンギヤ41、プラネタリギヤ42、及びインターナルギヤ43のそれぞれは、ハンマケース4及びベアリングボックス24に収容される。複数のプラネタリギヤ42のそれぞれは、ピニオンギヤ41に噛み合う。プラネタリギヤ42は、ピン42Pを介してスピンドル8に回転可能に支持される。スピンドル8は、プラネタリギヤ42により回転される。インターナルギヤ43は、プラネタリギヤ42に噛み合う内歯を有する。インターナルギヤ43は、ベアリングボックス24に固定される。インターナルギヤ43は、ベアリングボックス24に対して常に回転不可能である。
【0074】
モータ6の駆動によりロータシャフト33が回転すると、ピニオンギヤ41が回転し、プラネタリギヤ42がピニオンギヤ41の周囲を公転する。プラネタリギヤ42は、インターナルギヤ43の内歯に噛み合いながら公転する。プラネタリギヤ42の公転により、ピン42Pを介してプラネタリギヤ42に接続されているスピンドル8は、ロータシャフト33の回転速度よりも低い回転速度で回転する。
【0075】
スピンドル8は、モータ6の少なくとも一部よりも前方に配置される。スピンドル8は、ステータ26よりも前方に配置される。スピンドル8の少なくとも一部は、ロータ27よりも前方に配置される。スピンドル8の少なくとも一部は、減速機構7の前方に配置される。スピンドル8は、ロータ27により回転される。スピンドル8は、減速機構7により伝達されたロータ27の回転力により回転する。
【0076】
スピンドル8は、フランジ部8Aと、フランジ部8Aから前方に突出するスピンドルシャフト部8Bとを有する。プラネタリギヤ42は、ピン42Pを介してフランジ部8Aに回転可能に支持される。スピンドル8の回転軸とモータ6の回転軸AXとは一致する。スピンドル8は、回転軸AXを中心に回転する。スピンドル8は、スピンドルベアリング44に回転可能に支持される。スピンドル8の後端部に凸部8Cが設けられる。凸部8Cは、スピンドルベアリング44の内側に配置される。スピンドルベアリング44は、凸部8Cを支持する。
【0077】
ベアリングボックス24は、スピンドル8の周囲の少なくとも一部に配置される。スピンドルベアリング44は、ベアリングボックス24に保持される。ベアリングボックス24は、ベアリングボックス24の前面から後方に窪む凹部24Bを有する。スピンドルベアリング44は、凹部24Bに配置される。
【0078】
打撃機構9は、モータ6により駆動される。モータ6の回転力は、減速機構7及びスピンドル8を介して打撃機構9に伝達される。打撃機構9は、モータ6により回転するスピンドル8の回転力に基づいて、アンビル10を回転方向に打撃する。打撃機構9は、ハンマ47と、ボール48と、コイルスプリング49とを有する。ハンマ47を含む打撃機構9は、ハンマケース4に収容される。
【0079】
ハンマ47は、減速機構7よりも前方に配置される。ハンマ47は、スピンドル8の周囲に配置される。ハンマ47は、スピンドル8に保持される。ボール48は、スピンドル8とハンマ47との間に配置される。コイルスプリング49は、スピンドル8及びハンマ47のそれぞれに支持される。
【0080】
ハンマ47は、筒状である。ハンマ47は、スピンドルシャフト部8Bの周囲に配置される。ハンマ47は、スピンドルシャフト部8Bが配置される孔47Aを有する。
【0081】
ハンマ47は、モータ6により回転される。モータ6の回転力は、減速機構7及びスピンドル8を介してハンマ47に伝達される。ハンマ47は、モータ6により回転するスピンドル8の回転力に基づいて、スピンドル8と一緒に回転可能である。ハンマ47の回転軸とスピンドル8の回転軸とモータ6の回転軸AXとは一致する。ハンマ47は、回転軸AXを中心に回転する。
【0082】
ボール48は、鉄鋼のような金属製である。ボール48は、スピンドルシャフト部8Bとハンマ47との間に配置される。スピンドル8は、ボール48の少なくとも一部が配置されるスピンドル溝8Dを有する。スピンドル溝8Dは、スピンドルシャフト部8Bの外面の一部に設けられる。ハンマ47は、ボール48の少なくとも一部が配置されるハンマ溝47Bを有する。ハンマ溝47Bは、ハンマ47の内面の一部に設けられる。ボール48は、スピンドル溝8Dとハンマ溝47Bとの間に配置される。ボール48は、スピンドル溝8Dの内側及びハンマ溝47Bの内側のそれぞれを転がることができる。ハンマ47は、ボール48に伴って移動可能である。スピンドル8とハンマ47とは、スピンドル溝8D及びハンマ溝47Bにより規定される可動範囲において、軸方向及び回転方向のそれぞれに相対移動することができる。
【0083】
コイルスプリング49は、ハンマ47を前方に移動させる弾性力を発生する。コイルスプリング49は、フランジ部8Aとハンマ47との間に配置される。ハンマ47の後面にリング状の凹部47Cが設けられる。凹部47Cは、ハンマ47の後面から前方に窪む。凹部47Cの内側にワッシャ45が設けられる。コイルスプリング49の後端部は、フランジ部8Aに支持される。コイルスプリング49の前端部は、凹部47Cの内側に配置され、ワッシャ45に支持される。
【0084】
アンビル10の少なくとも一部は、ハンマ47よりも前方に配置される。アンビル10は、先端工具が挿入される工具孔10Aを有する。工具孔10Aは、アンビル10の前端部に設けられる。先端工具は、アンビル10に装着される。また、アンビル10の後端部にスピンドル凹部10Bが設けられる。スピンドルシャフト部8Bの前端部に凸部が設けられる。スピンドルシャフト部8Bの前端部に設けられた凸部がスピンドル凹部10Bに挿入される。
【0085】
アンビル10は、ロッド状のアンビルボディ101と、アンビル突起部102とを有する。工具孔10Aは、アンビルボディ101の前端部に設けられる。先端工具は、アンビルボディ101に装着される。アンビル突起部102は、アンビル10の後端部に設けられる。アンビル突起部102は、アンビルボディ101の後端部から径方向外側に突出する。
【0086】
アンビル10は、ベアリング46に回転可能に支持される。アンビル10の回転軸とハンマ47の回転軸とスピンドル8の回転軸とモータ6の回転軸AXとは一致する。アンビル10は、回転軸AXを中心に回転する。ベアリング46は、ハンマケース4に保持される。実施形態において、ベアリング46は、前後方向に2つ配置される。
【0087】
なお、ベアリング46の種類として、鉄スリーブ(油含侵メタル)が例示される。
【0088】
ハンマ47の少なくとも一部は、アンビル突起部102に接触可能である。ハンマ47の前部に前方に突出するハンマ突起部が設けられる。ハンマ47のハンマ突起部とアンビル突起部102とが接触可能である。ハンマ47とアンビル突起部102とが接触している状態で、モータ6が駆動することにより、アンビル10は、ハンマ47及びスピンドル8と一緒に回転する。
【0089】
アンビル10は、ハンマ47により回転方向に打撃される。例えば、ねじ締め作業において、アンビル10に作用する負荷が高くなると、モータ6が発生する動力だけではアンビル10を回転させることができなくなる状況が発生する場合がある。モータ6が発生する動力だけではアンビル10を回転させることができなくなると、アンビル10及びハンマ47の回転が停止する。スピンドル8とハンマ47とは、ボール48を介して軸方向及び周方向のそれぞれに相対移動可能である。ハンマ47の回転が停止しても、スピンドル8の回転は、モータ6が発生する動力により継続される。ハンマ47の回転が停止している状態で、スピンドル8が回転すると、ボール48がスピンドル溝8D及びハンマ溝47Bのそれぞれにガイドされながら後方に移動する。ハンマ47は、ボール48から力を受け、ボール48に伴って後方に移動する。すなわち、ハンマ47は、アンビル10の回転が停止された状態で、スピンドル8が回転することにより、後方に移動する。ハンマ47が後方に移動することにより、ハンマ47とアンビル突起部102との接触が解除される。
【0090】
コイルスプリング49は、ハンマ47を前方に移動させる弾性力を発生する。後方に移動したハンマ47は、コイルスプリング49の弾性力により、前方に移動する。ハンマ47は、前方に移動するとき、ボール48から回転方向の力を受ける。すなわち、ハンマ47は、回転しながら前方に移動する。ハンマ47が回転しながら前方に移動すると、ハンマ47は、回転しながらアンビル突起部102に接触する。これにより、アンビル突起部102は、ハンマ47により回転方向に打撃される。アンビル10には、モータ6の動力とハンマ47の慣性力との両方が作用する。したがって、アンビル10は、高いトルクで回転軸AXを中心に回転することができる。
【0091】
ビットスリーブ11は、アンビル10の前部の周囲に配置される。ビットスリーブ11は、工具孔10Aに挿入された先端工具を保持する。
【0092】
ファン12は、モータ6のステータ26よりも後方に配置される。ファン12は、モータ6を冷却するための気流を生成する。ファン12は、ロータ27の少なくとも一部に固定される。ファン12は、ブッシュ12Aを介してロータシャフト33の後部に固定される。ファン12は、後側ロータベアリング39Rとステータ26との間に配置される。ファン12は、ロータ27の回転により回転する。ロータシャフト33が回転することにより、ファン12は、ロータシャフト33と一緒に回転する。ファン12が回転することにより、ハウジング2の外部空間の空気が、吸気口19を介してハウジング2の内部空間に流入する。ハウジング2の内部空間に流入した空気は、ハウジング2の内部空間を流通することにより、モータ6を冷却する。ハウジング2の内部空間を流通した空気は、ファン12が回転することにより、排気口20を介してハウジング2の外部空間に流出する。
【0093】
バッテリ装着部13は、バッテリコネクト部23の下部に配置される。バッテリ装着部13は、バッテリパック25に接続される。バッテリパック25は、バッテリ装着部13に装着される。バッテリパック25は、バッテリ装着部13に着脱可能である。バッテリパック25は、二次電池を含む。実施形態において、バッテリパック25は、充電式のリチウムイオン電池を含む。バッテリ装着部13に装着されることにより、バッテリパック25は、インパクト工具1に電力を供給することができる。モータ6は、バッテリパック25から供給される電力に基づいて駆動する。
【0094】
トリガスイッチ14は、グリップ部22に設けられる。トリガスイッチ14は、モータ6を起動するために作業者に操作される。トリガスイッチ14が操作されることにより、モータ6の駆動と停止とが切り換えられる。
【0095】
正逆転切換レバー15は、グリップ部22の上部に設けられる。正逆転切換レバー15は、作業者に操作される。正逆転切換レバー15が操作されることにより、モータ6の回転方向が正転方向及び逆転方向の一方から他方に切り換えられる。モータ6の回転方向が切り換えられることにより、スピンドル8の回転方向が切り換えられる。
【0096】
操作パネル16は、バッテリコネクト部23に設けられる。操作パネル16は、モータ6の制御モードを切り換えるために作業者に操作される。操作パネル16は、打撃力スイッチ16Aと、専用スイッチ16Bとを有する。打撃力スイッチ16A及び専用スイッチ16Bのそれぞれは、作業者に操作される。打撃力スイッチ16A及び専用スイッチ16Bの少なくとも一方が操作されることにより、モータ6の制御モードが切り換えられる。
【0097】
手元モード切換ボタン17は、トリガスイッチ14の上部に設けられる。手元モード切換ボタン17は、作業者に操作される。手元モード切換ボタン17が操作されることにより、モータ6の制御モードが切り換えられる。
【0098】
<ライトユニット>
図5は、実施形態に係るインパクト工具1の上部を示す斜視図である。図6は、実施形態に係るインパクト工具1の上部を示す正面図である。図7は、図5のA-A線断面矢視図である。図8は、図5のB-B線断面矢視図である。図9は、実施形態に係るインパクト工具1を示す分解斜視図である。
【0099】
インパクト工具1は、ライトユニット18を有する。ライトユニット18は、照明光を射出する。ライトユニット18は、アンビル10及びアンビル10の周辺を照明光で照明する。ライトユニット18は、アンビル10の前方を照明光で照明する。また、ライトユニット18は、アンビル10に装着された先端工具及び先端工具の周辺を照明光で照明する。
【0100】
ライトユニット18は、ハンマケース4の前部に配置される。ライトユニット18は、ハンマケース4の周囲の少なくとも一部に配置される。ライトユニット18は、ハウジング2のモータ収容部21に支持される。ライトユニット18は、ハンマケース4とハウジング2のモータ収容部21とに挟まれる。図2に示すように、モータ収容部21は、モータ6を収容する後側収容部21Aと、ハンマケース4の少なくとも一部を覆う前側収容部21Bとを含む。ライトユニット18は、前側収容部21Bの前端部に支持される。
【0101】
ハンマケース4は、第1筒部であるハンマ収容部401と、第2筒部であるベアリング支持部402とを有する。ハンマ収容部401は、筒状である。ハンマ収容部401は、打撃機構9の周囲に配置される。ハンマ収容部401は、少なくともハンマ47を収容する。ベアリング支持部402は、筒状である。ベアリング支持部402は、ハンマ収容部401よりも前方に配置される。ベアリング支持部402の外径は、ハンマ収容部401の外径よりも小さい。ベアリング支持部402は、ベアリング46の周囲に配置される。ベアリング支持部402は、ベアリング46を支持する。ベアリング支持部402の後端部の周囲に、ハンマ収容部401の前面401Fが配置される。
【0102】
ライトユニット18は、ベアリング支持部402の周囲の少なくとも一部に配置される。ライトユニット18は、ハンマ収容部401の外面よりも径方向内側に配置される。ハウジング2のモータ収容部21は、ハンマ収容部401の外面の少なくとも一部を覆うように配置される。実施形態において、モータ収容部21の前端部は、ベアリング支持部402の周囲に配置される。
【0103】
ライトユニット18は、ライト基板60と、ライト61と、ライトカバー62とを有する。
【0104】
ライト基板60は、ベアリング支持部402の周囲の少なくとも一部に配置される。ライト基板60は、プリント配線板(PCB:Printed Circuit Board)を含む。ライト基板60は、ライト61に接続される配線を有する。
【0105】
ライト61は、照明光を射出する光源である。ライト61は、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を含む。ライト61は、ライト基板60に支持される。ライト基板60の配線を介してライト61に電力が供給される。ライト61は、ライト基板60の前面に配置される。ライト61は、照明光を射出する光射出面64を有する。光射出面64は、前方を向く。ライト61の前面は、光射出面64を含む。ライト61は、アンビル10及びアンビル10の周辺を照明する。
【0106】
ライトカバー62は、ライト基板60及びライト61を覆うように配置される。ライトカバー62の少なくとも一部は、ライト基板60及びライト61よりも前方に配置される。ライト基板60は、ライトカバー62に接続される。ライト61は、ライトカバー62から離れている。
【0107】
ライトカバー62は、ライト61の光射出面64から射出された照明光が透過する光透過部65を有する。ライトカバー62は、ライト61の光射出面64を覆うように配置される。ライトカバー62の少なくとも一部は、光射出面64に対向する。ライトカバー62は、光透過性の合成樹脂製である。実施形態において、ライトカバー62は、ポリカーボネート樹脂製である。光射出面64に対向するライトカバー62の一部は、光透過部65として機能する。実施形態において、ライト61の光射出面64と光透過部65とは、間隙を介して対向する。
【0108】
光透過部65は、レンズ作用を有しない。光透過部65は、ライト61の光射出面64から射出された光を屈折させない。光透過部65は、例えば平行平板でもよい。なお、光透過部65は、レンズ作用を有してもよい。光透過部65は、ライト61の光射出面64から射出された光を拡散してもよい。
【0109】
ライトカバー62は、ライト基板60及びライト61を保護する。ライトカバー62は、インパクト工具1の周囲と物体とライト基板60及びライト61との接触を抑制する。ライトカバー62は、ライト基板60及びライト61に対する水分の浸入を抑制する防水機能を有する。ライトカバー62は、ライト基板60及びライト61に対する塵の侵入を抑制する防塵機能を有する。
【0110】
ハウジング2は、ライトカバー62に接触する。ハウジング2は、ライトカバー62を支持することによって、ライトユニット18を支持する。ライトカバー62は、ハウジング2とハンマケース4とに挟まれる。
【0111】
ハウジング2は、ライトユニット18よりも後側に配置される後側支持部51と、ライトユニット18よりも前側に配置される前側支持部52とを有する。後側支持部51は、モータ収容部21の内面の一部から径方向内側に突出する凸部を含む。前側支持部52は、モータ収容部21の前端部から径方向内側に突出する凸部を含む。ライトユニット18の少なくとも一部は、後側支持部51と前側支持部52とにより前後方向から挟まれる。
【0112】
図7及び図8に示すように、後側支持部51は、ハンマ収容部401の前面401Fとライトユニット18の後面との間に配置される。
【0113】
ライトユニット18は、光射出部66を有する。光射出部66は、ライトカバー62の光透過部65の前面を含む。光射出部66の周囲にライトカバー62の周縁部67が設けられる。ライト61の光射出面64から射出された照明光は、光透過部65を透過して、光射出部66より前方に射出される。周縁部67からは照明光は射出されない。前側支持部52は、光射出部66の周囲の少なくとも一部に配置される。前側支持部52は、周縁部67よりも前方に配置される。前側支持部52は、周縁部67を支持する。
【0114】
上述のように、後側支持部51は、ハンマ収容部401の前面401Fとライトユニット18の後面との間に配置される。ライトユニット18の少なくとも一部は、ハンマ収容部401の前面と前側支持部52の後面とにより前後方向から挟まれる。すなわち、ライトユニット18及び後側支持部51は、ハンマ収容部401と前側支持部52とにより前後方向から挟まれる。ライトユニット18は、ハンマ収容部401とライトユニット18との間に後側支持部51が配置されている状態で、ハンマ収容部401と前側支持部52とにより前後方向から挟まれる。
【0115】
また、ハウジングは、ライトユニット18よりも径方向外側に配置される外側支持部53を有する。外側支持部53は、モータ収容部21の前端部を含む。外側支持部53は、ベアリング支持部402よりも径方向外側に配置される。
【0116】
径方向外側のライトユニット18の外周面は、ハウジング2の外側支持部53に対向する。径方向内側のライトユニット18の内周面は、ハンマケース4のベアリング支持部402に対向する。ライトユニット18の少なくとも一部は、ベアリング支持部402の外面と外側支持部53の内面とにより径方向から挟まれる。
【0117】
ライトユニット18は、ベアリング支持部402の周囲に間隔をあけて複数設けられる。図6に示すように、ライトユニット18は、ライト61は、回転軸AXよりも左側に設けられる複数の左ライトユニット181と、回転軸AXよりも右側に設けられる複数の右ライトユニット182とを含む。右ライトユニット182は、左ライトユニット181と同じ数だけ設けられる。
【0118】
実施形態において、ライトユニット18は、4つ設けられる。左ライトユニット181は、2つ設けられる。左ライトユニット181は、左ライトユニット181Aと左ライトユニット181Bとを含む。右ライトユニット182は、2つ設けられる。右ライトユニット182は、右ライトユニット182Aと右ライトユニット182Bとを含む。
【0119】
径方向において、回転軸AXと左ライトユニット181Aとの距離と、回転軸AXと左ライトユニット181Bとの距離と、回転軸AXと右ライトユニット182Aとの距離と、回転軸AXと右ライトユニット182Bとの距離とは、実質的に等しい。回転軸AXを通り且つ回転軸AXと直交する対角線La及び対角線Lbを規定した場合、左ライトユニット181Aと右ライトユニット182Bとは、対角線La上に配置され、左ライトユニット181Bと右ライトユニット182Aとは、対角線Lb上に配置される。また、左ライトユニット181A及び右ライトユニット182Aは、回転軸AXよりも上方に配置され、左ライトユニット181B及び右ライトユニット182Bは、回転軸AXよりも下方に配置される。上下方向において、左ライトユニット181Aの位置と右ライトユニット182Aの位置とは、実質的に等しい。上下方向において、左ライトユニット181Bの位置と右ライトユニット182Bの位置とは、実質的に等しい。左右方向において、左ライトユニット181Aの位置と左ライトユニット181Bの位置とは、実質的に等しい。左右方向において、右ライトユニット182Aの位置と右ライトユニット182Bの位置とは、実質的に等しい。回転軸AXを通り上下方向に延伸する対称軸を規定した場合、左ライトユニット181(181A,181B)と右ライトユニット182(182A,182B)とは、線対称である。
【0120】
インパクト工具1を組み立てる場合、ライトユニット18がハンマケース4とハウジング2とに挟まれるように、ハンマケース4及びライトユニット18が左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとにより挟まれる。ハンマケース4及びライトユニット18が左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとにより挟まれた後、複数のねじ2Sにより左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとが固定される。また、リヤカバー3がねじ3Sによりモータ収容部21の後部に固定される。
【0121】
<インパクト工具の動作>
次に、インパクト工具1の動作について説明する。例えば、加工対象にねじ締め作業を実施するとき、ねじ締め作業に使用される先端工具(ドライバビット)が、アンビル10の工具孔10Aに挿入される。工具孔10Aに挿入された先端工具は、ビットスリーブ11により保持される。先端工具がアンビル10に装着された後、作業者は、グリップ部22を握ってトリガスイッチ14を操作する。トリガスイッチ14が操作されると、バッテリパック25からモータ6に電力が供給され、モータ6が起動し、同時にライト61が点灯する。モータ6の起動により、ロータ27のロータシャフト33が回転する。ロータシャフト33が回転すると、ロータシャフト33の回転力がピニオンギヤ41を介してプラネタリギヤ42に伝達される。プラネタリギヤ42は、インターナルギヤ43の内歯に噛み合った状態で、自転しながらピニオンギヤ41の周囲を公転する。プラネタリギヤ42は、ピン42Pを介してスピンドル8に回転可能に支持される。プラネタリギヤ42の公転により、スピンドル8は、ロータシャフト33の回転速度よりも低い回転速度で回転する。
【0122】
ハンマ47とアンビル突起部102とが接触している状態で、スピンドル8が回転すると、アンビル10は、ハンマ47及びスピンドル8と一緒に回転する。アンビル10が回転することにより、ねじ締め作業が進行する。
【0123】
ねじ締め作業の進行により、アンビル10に所定値以上の負荷が作用した場合、アンビル10及びハンマ47の回転が停止する。ハンマ47の回転が停止している状態で、スピンドル8が回転すると、ハンマ47は、後方に移動する。ハンマ47が後方に移動することにより、ハンマ47とアンビル突起部102との接触が解除される。後方に移動したハンマ47は、コイルスプリング49の弾性力により、ハンマ47は、回転しながら前方に移動する。ハンマ47が回転しながら前方に移動することにより、アンビル10は、ハンマ47により回転方向に打撃される。これにより、アンビル10は、高いトルクで回転軸AXを中心に回転する。そのため、ねじは加工対象に高いトルクで締め付けられる。
【0124】
<効果>
以上説明したように、実施形態において、インパクト工具1は、モータ6と、モータ6により駆動される打撃機構9と、先端工具が装着され打撃機構9により回転方向に打撃されるアンビル10と、打撃機構9の周囲に配置されるハンマ収容部401(第1筒部)及びハンマ収容部401よりも前方に配置されハンマ収容部401の外径よりも小さい外径のベアリング支持部402(第2筒部)を有するハンマケース4と、を備える。インパクト工具1は、ベアリング支持部402の周囲の少なくとも一部に配置されるライトユニット18と、モータ6を収容し且つハンマ収容部401の少なくとも一部を覆うように配置され、ライトユニット18を支持するハウジング2と、を備える。
【0125】
上記の構成では、ライトユニット18がハウジング2に支持されるので、インパクト工具1の組立性が向上する。また、ライトユニット18は、ハウジング2に保護される。
【0126】
実施形態において、ハウジング2は、ライトユニット18よりも後側に配置される後側支持部51と、ライトユニット18よりも前側に配置される前側支持部52と、を有する。
【0127】
上記の構成では、ハウジング2は、ライトユニット18を前後方向から支持することができる。
【0128】
実施形態において、ライトユニット18の少なくとも一部は、後側支持部51と前側支持部52とにより挟まれる。
【0129】
上記の構成では、ライトユニット18は、後側支持部51と前側支持部52とに挟まれることにより、ハウジング2に支持される。
【0130】
実施形態において、後側支持部51は、ハンマ収容部401の前面401Fとライトユニット18の後面との間に配置される。
【0131】
上記の構成では、ライトユニット18は、後側支持部51を介してハンマ収容部401と前側支持部52とにより挟まれる。
【0132】
実施形態において、ライトユニット18は、光射出部66を有する。前側支持部52は、光射出部66の周囲の少なくとも一部に配置される。
【0133】
上記の構成では、前側支持部52が照明光の光路に配置されないので、インパクト工具1の前方が照明光で適正に照明される。
【0134】
実施形態において、ハウジング2は、ライトユニット18よりも径方向外側に配置される外側支持部53を有する。
【0135】
上記の構成では、ハウジング2は、ライトユニット18を径方向外側から支持することができる。
【0136】
実施形態において、径方向内側のライトユニット18の内周面は、ベアリング支持部402に対向する。
【0137】
上記の構成では、ライトユニット18は、ハウジング2の外側支持部53とハンマケース4のベアリング支持部402とにより径方向から挟まれる。
【0138】
実施形態において、インパクト工具1は、モータ6と、モータ6により駆動される打撃機構9と、先端工具が装着され打撃機構9により回転方向に打撃されるアンビル10と、打撃機構9を収容するハンマケース4と、モータ6を収容し且つハンマケース4の少なくとも一部を覆うように配置されるハウジング2と、ハンマケース4とハウジング2とに挟まれるライトユニット18と、を備える。
【0139】
上記の構成では、ライトユニット18がハンマケース4とハウジング2とに挟まれるので、インパクト工具1の組立性が向上する。また、ライトユニット18は、ハウジング2及びハンマケース4に保護される。
【0140】
実施形態において、ライトユニット18の少なくとも一部は、ハンマケース4とハウジング2とにより前後方向から挟まれる。
【0141】
上記の構成では、ライトユニット18とハンマケース4とハウジング2との前後方向の相対位置が固定される。
【0142】
実施形態において、ハウジング2は、ライトユニット18よりも前側に配置される前側支持部52を有する。ライトユニット18は、ハンマケース4と前側支持部52とにより挟まれる。
【0143】
上記の構成では、ライトユニット18は、ハンマケース4とハウジング2の前側支持部52とにより前後方向から支持される。
【0144】
実施形態において、ハンマケース4は、打撃機構9の周囲に配置されるハンマ収容部401を有する。ライトユニット18は、ハンマ収容部401の前面401Fと前側支持部52の後面とにより挟まれる。
【0145】
上記の構成では、ライトユニット18は、ハンマ収容部401の前面401Fと前側支持部52の後面とにより前後方向から支持される。
【0146】
実施形態において、ライトユニット18は、光射出部66を有する。前側支持部52は、光射出部66の周囲の少なくとも一部に配置される。
【0147】
上記の構成では、前側支持部52が照明光の光路に配置されないので、インパクト工具1の前方が照明光で適正に照明される。
【0148】
実施形態において、ライトユニット18の少なくとも一部は、ハンマケース4とハウジング2とにより径方向から挟まれる。
【0149】
上記の構成では、ライトユニット18は、ハンマケース4とハウジング2とにより径方向から支持される。
【0150】
実施形態において、ハウジング2は、ライトユニット18よりも径方向外側に配置される外側支持部53を有する。ライトユニット18は、ハンマケース4と外側支持部53とにより挟まれる。
【0151】
上記の構成では、ライトユニット18は、ハンマケース4とハウジング2の外側支持部53とにより径方向から支持される。
【0152】
実施形態において、ハンマケース4は、アンビル10を支持するベアリング46の周囲に配置されるベアリング支持部402を有する。ライトユニット18は、ベアリング支持部402の外面と外側支持部53の内面とにより挟まれる。
【0153】
上記の構成では、ライトユニット18は、ベアリング支持部402の外面とハウジング2の外側支持部53の内面とにより径方向から支持される。
【0154】
実施形態において、ライトユニット18は、ライト基板60と、ライト基板60の前面に配置されるライト61と、ライト基板60に接続されライト61の光射出面64から射出された照明光が透過する光透過部65を有するライトカバー62と、を備える。ハウジング2は、ライトカバー62に接触する。
【0155】
上記の構成では、ハウジング2は、ライトカバー62に接触することにより、ライトユニット18を支持することができる。
【0156】
実施形態において、光射出面64と光透過部65とは、間隙を介して対向する。
【0157】
上記の構成では、光射出面64から射出された照明光は、空気で満たされた間隙を通過した後、光透過部65を透過する。そのため、照明光の光量の低下が抑制される。
【0158】
<変形例>
上述の実施形態において、後側支持部51が省略されてもよい。ライトユニット18の後面とハンマ収容部401の前面401Fとが接触してもよい。ライトユニット18は、ハンマケース4のハンマ収容部401とハウジング2の前側支持部52とにより前後方向から挟まれてもよい。
【0159】
上述の実施形態においては、インパクト工具1がインパクトドライバであることとした。インパクト工具1は、インパクトレンチでもよい。
【0160】
上述の実施形態において、インパクト工具1の電源は、バッテリパック25でなくてもよく、商用電源(交流電源)でもよい。
【符号の説明】
【0161】
1…インパクト工具、2…ハウジング、2L…左ハウジング、2R…右ハウジング、2S…ねじ、3…リヤカバー、3S…ねじ、4…ハンマケース、6…モータ、7…減速機構、8…スピンドル、8A…フランジ部、8B…スピンドルシャフト部、8C…凸部、8D…スピンドル溝、9…打撃機構、10…アンビル、10A…工具孔、10B…スピンドル凹部、11…ビットスリーブ、12…ファン、12A…ブッシュ、13…バッテリ装着部、14…トリガスイッチ、15…正逆転切換レバー、16…操作パネル、16A…打撃力スイッチ、16B…専用スイッチ、17…手元モード切換ボタン、18…ライトユニット、19…吸気口、20…排気口、21…モータ収容部、21A…後側収容部、21B…前側収容部、22…グリップ部、23…バッテリコネクト部、24…ベアリングボックス、24A…凹部、24B…凹部、25…バッテリパック、26…ステータ、27…ロータ、28…ステータコア、29…前インシュレータ、29S…ねじ、30…後インシュレータ、31…コイル、32…ロータコア、33…ロータシャフト、34…ロータ磁石、35…センサ用磁石、37…センサ基板、38…ヒュージング端子、39…ロータベアリング、39F…前側ロータベアリング、39R…後側ロータベアリング、41…ピニオンギヤ、42…プラネタリギヤ、42P…ピン、43…インターナルギヤ、44…スピンドルベアリング、45…ワッシャ、46…ベアリング、47…ハンマ、47A…孔、47B…ハンマ溝、47C…凹部、48…ボール、49…コイルスプリング、51…後側支持部、52…前側支持部、53…外側支持部、60…ライト基板、61…ライト、62…ライトカバー、64…光射出面、65…光透過部、66…光射出部、67…周縁部、101…アンビルボディ、102…アンビル突起部、181…左ライトユニット、181A…左ライトユニット、181B…左ライトユニット、182…右ライトユニット、182A…右ライトユニット、182B…右ライトユニット、401…ハンマ収容部(第1筒部)、401F…前面、402…ベアリング支持部(第2筒部)、AX…回転軸。
図1
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図9