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特開2022-154971労災保険料管理装置、労災保険料管理方法、および、労災保険料管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154971
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】労災保険料管理装置、労災保険料管理方法、および、労災保険料管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20221005BHJP
   G06Q 40/00 20120101ALI20221005BHJP
【FI】
G06Q40/08
G06Q40/00 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021058254
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 正已
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB61
5L055BB64
(57)【要約】      (修正有)
【課題】労災保険料を日々自動計算することにより、発生する費用の把握が早期に可能となり、利益予測の精度向上につなげることができる労災保険料管理装置、労災保険料管理方法及び労災保険料管理プログラムを提供する。
【解決手段】労災保険料管理装置は、プロジェクトの工期、請負金額、支給資材加算額、工事用物控除額及び事業種別を設定したプロジェクト受注データを取得し、プロジェクトの増減工により請負金額が更新請負金額に変更された場合、更新請負金額にてプロジェクト受注データを更新し、労災保険マスタ及びプロジェクト受注データに基づいて、工期中の所定タイミングで労災保険料を算出する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた労災保険料管理装置であって、
前記記憶部は、
事業種別毎の労務費率および労災保険率、メリット増減率、ならびに、非業務災害率を設定した労災保険マスタを記憶する労災保険記憶手段、
を備え、
前記制御部は、
プロジェクトの工期、請負金額、支給資材加算額、工事用物控除額、および、前記事業種別を設定したプロジェクト受注データを取得する受注取得手段と、
前記プロジェクトの増減工により前記請負金額が更新請負金額に変更された場合、前記更新請負金額にて前記プロジェクト受注データを更新する更新手段と、
前記労災保険マスタ、および、前記プロジェクト受注データに基づいて、前記工期中の所定タイミングで労災保険料を算出する労災保険料算出手段と、
を備えたことを特徴とする労災保険料管理装置。
【請求項2】
前記労災保険料算出手段は、
更に、前記労災保険マスタ、および、前記受注取得手段により取得された前記プロジェクト受注データに基づいて、前記プロジェクト開始時に前記労災保険料を算出することを特徴とする請求項1に記載の労災保険料管理装置。
【請求項3】
前記労災保険料算出手段は、
更に、前記労災保険料、当該労災保険料が算出された年月、前月労災保険料、および、当該労災保険料に対する仕訳作成の有無を示す仕訳連携フラグを紐付けて設定した労災保険料データを取得することを特徴とする請求項1または2に記載の労災保険料管理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記労災保険料に基づいて、労災仕訳データを作成する仕訳作成手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の労災保険料管理装置。
【請求項5】
前記労災仕訳データは、
借方の勘定科目が未成工事支出金、且つ、貸方の勘定科目が労災保険引当金であることを特徴とする請求項4に記載の労災保険料管理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記労災保険料を確認可能な予実確認画面を表示させる予実確認表示手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の労災保険料管理装置。
【請求項7】
前記工期中の所定タイミングは、
日次、前記プロジェクト受注データ取得時、および/または、前記プロジェクト受注データ更新時であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の労災保険料管理装置。
【請求項8】
記憶部と制御部とを備えた労災保険料管理装置に実行させるための労災保険料管理方法であって、
前記記憶部は、
事業種別毎の労務費率および労災保険率、メリット増減率、ならびに、非業務災害率を設定した労災保険マスタを記憶する労災保険記憶手段、
を備え、
前記制御部で実行させる、
プロジェクトの工期、請負金額、支給資材加算額、工事用物控除額、および、前記事業種別を設定したプロジェクト受注データを取得する受注取得ステップと、
前記プロジェクトの増減工により前記請負金額が更新請負金額に変更された場合、前記更新請負金額にて前記プロジェクト受注データを更新する更新ステップと、
前記労災保険マスタ、および、前記プロジェクト受注データに基づいて、前記工期中の所定タイミングで労災保険料を算出する労災保険料算出ステップと、
を含むことを特徴とする労災保険料管理方法。
【請求項9】
記憶部と制御部とを備えた労災保険料管理装置に実行させるための労災保険料管理プログラムであって、
前記記憶部は、
事業種別毎の労務費率および労災保険率、メリット増減率、ならびに、非業務災害率を設定した労災保険マスタを記憶する労災保険記憶手段、
を備え、
前記制御部において、
プロジェクトの工期、請負金額、支給資材加算額、工事用物控除額、および、前記事業種別を設定したプロジェクト受注データを取得する受注取得ステップと、
前記プロジェクトの増減工により前記請負金額が更新請負金額に変更された場合、前記更新請負金額にて前記プロジェクト受注データを更新する更新ステップと、
前記労災保険マスタ、および、前記プロジェクト受注データに基づいて、前記工期中の所定タイミングで労災保険料を算出する労災保険料算出ステップと、
を実行させるための労災保険料管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、労災保険料管理装置、労災保険料管理方法、および、労災保険料管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、労働者災害補償保険法に基づいて定められた労災保険料率に関するデータをマスタに記録しておき、支給金額に対して、マスタに記録されている労災保険料率を乗算して、労災保険料を自動算出する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2015/129339号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、増減工による請負金額に変更が発生した場合に、労災保険料をタイムラグ無しに自動算出することができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、労災保険料を日々自動計算することにより、発生する費用の把握が早期に可能となり、利益予測の精度向上につなげることができる労災保険料管理装置、労災保険料管理方法、および、労災保険料管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る労災保険料管理装置は、記憶部と制御部とを備えた労災保険料管理装置であって、前記記憶部は、事業種別毎の労務費率および労災保険率、メリット増減率、ならびに、非業務災害率を設定した労災保険マスタを記憶する労災保険記憶手段、を備え、前記制御部は、プロジェクトの工期、請負金額、支給資材加算額、工事用物控除額、および、前記事業種別を設定したプロジェクト受注データを取得する受注取得手段と、前記プロジェクトの増減工により前記請負金額が更新請負金額に変更された場合、前記更新請負金額にて前記プロジェクト受注データを更新する更新手段と、前記労災保険マスタ、および、前記プロジェクト受注データに基づいて、前記工期中の所定タイミングで労災保険料を算出する労災保険料算出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る労災保険料管理装置において、前記労災保険料算出手段は、更に、前記労災保険マスタ、および、前記受注取得手段により取得された前記プロジェクト受注データに基づいて、前記プロジェクト開始時に前記労災保険料を算出することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る労災保険料管理装置において、前記労災保険料算出手段は、更に、前記労災保険料、当該労災保険料が算出された年月、前月労災保険料、および、当該労災保険料に対する仕訳作成の有無を示す仕訳連携フラグを紐付けて設定した労災保険料データを取得することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る労災保険料管理装置において、前記制御部は、前記労災保険料に基づいて、労災仕訳データを作成する仕訳作成手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る労災保険料管理装置において、前記労災仕訳データは、借方の勘定科目が未成工事支出金、且つ、貸方の勘定科目が労災保険引当金であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る労災保険料管理装置において、前記制御部は、前記労災保険料を確認可能な予実確認画面を表示させる予実確認表示手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る労災保険料管理装置において、前記工期中の所定タイミングは、日次、前記プロジェクト受注データ取得時、および/または、前記プロジェクト受注データ更新時であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る労災保険料管理方法は、記憶部と制御部とを備えた労災保険料管理装置に実行させるための労災保険料管理方法であって、前記記憶部は、事業種別毎の労務費率および労災保険率、メリット増減率、ならびに、非業務災害率を設定した労災保険マスタを記憶する労災保険記憶手段、を備え、前記制御部で実行させる、プロジェクトの工期、請負金額、支給資材加算額、工事用物控除額、および、前記事業種別を設定したプロジェクト受注データを取得する受注取得ステップと、前記プロジェクトの増減工により前記請負金額が更新請負金額に変更された場合、前記更新請負金額にて前記プロジェクト受注データを更新する更新ステップと、前記労災保険マスタ、および、前記プロジェクト受注データに基づいて、前記工期中の所定タイミングで労災保険料を算出する労災保険料算出ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る労災保険料管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた労災保険料管理装置に実行させるための労災保険料管理プログラムであって、前記記憶部は、事業種別毎の労務費率および労災保険率、メリット増減率、ならびに、非業務災害率を設定した労災保険マスタを記憶する労災保険記憶手段、を備え、前記制御部において、プロジェクトの工期、請負金額、支給資材加算額、工事用物控除額、および、前記事業種別を設定したプロジェクト受注データを取得する受注取得ステップと、前記プロジェクトの増減工により前記請負金額が更新請負金額に変更された場合、前記更新請負金額にて前記プロジェクト受注データを更新する更新ステップと、前記労災保険マスタ、および、前記プロジェクト受注データに基づいて、前記工期中の所定タイミングで労災保険料を算出する労災保険料算出ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、一括有期工事の労災保険料を自動計算することができるという効果を奏する。また、従来、工事開始時と完了時とにしか保険料の把握ができず、当初見込んだ労災保険料(工事原価)が完成時に大幅にずれることがあり、正確な利益把握ができなかったが、本発明によれば、日々労災保険料を計算することにより、より精度の高い利益管理が可能となるという効果を奏する。また、本発明によれば、請負金額、労災保険業種コード、工期、労災区分(0:一括有期、1:単独有期、9:対象外)を登録することにより、発生する労災保険料の計算を自動で行うことができるという効果を奏する。また、本発明によれば、仕訳データとして連携が可能となるという効果を奏する。また、工事業界において、労災管理は多くの企業で要件となるものであるが、本発明によれば、保険料をマスタ管理により自動計算し、それを会計システムへ仕訳連携する仕組みを提供するため、経営効果に寄与するものであるという効果を奏する。また、本発明によれば、保険料を自動計算できるだけでなく、会計システムへの仕訳データの自動作成も可能とするという効果を奏する。また、本発明によれば、元請の場合の必須の要件を備えており、処理の効率化が見込めるという効果を奏する。また、本発明によれば、保険料の自動計算、メリット率を用いての自動計算、仕訳の自動作成を行うことができるという効果を奏する。また、本発明によれば、日々最新状態の保険料を算出することによる収支適正把握、会計処理の方法として前月からの差額仕訳を起こすことによって必要な仕訳のみで仕訳元帳を構成すること、財務会計でも保険料の推移を容易に取ることを可能とするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施形態における労災保険料管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態における労災保険マスタの一例を示す図である。
図3図3は、本実施形態における労災保険料管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、本実施形態における労災保険料管理処理の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態における労災保険料管理処理の一例を示す図である。
図6図6は、本実施形態における労災保険料管理処理の一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態における労災保険料管理処理の一例を示す図である。
図8図8は、本実施形態における労災保険料管理処理の一例を示す図である。
図9図9は、本実施形態における労災保険料管理処理の一例を示す図である。
図10図10は、本実施形態における労災保険料管理処理の一例を示す図である。
図11図11は、本実施形態における労災保険料管理処理の一例を示す図である。
図12図12は、本実施形態における労災保険料管理処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0018】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。
【0019】
従来、工事開始時および完成時にしか労災保険料を捉えることができず、完成時に労災保険料が想定以上の金額計上されることもあり、利益管理上問題があった。
【0020】
そこで、本実施形態においては、対象工事(プロジェクト受注データ:労災区分=0:一括有期工事、工期開始日≧会計年月、および、完成日≦会計年月)を自動で抽出し、労災保険料を算出することにより、漏れなく工事の費用として計上する仕組みを提供している。また、本実施形態においては、増減工による請負金額の変更に対して、自動で差額計上をするため、費用の把握が毎月でき、併せて、保険料発生分の仕訳作成も自動で行う仕組みを提供している。また、本実施形態においては、日次処理の夜間実行により、翌日には最新の労災保険料の確認を可能としている。また、本実施形態においては、会計上、毎月(差額発生時)差額分の仕訳を発生させてもよい。また、本実施形態においては、契約データの更新と労災保険料の計算とを別のタイミング(例えば、労災保険料の計算を日次等)で実施してもよく、契約データ入力によるデータ修正時に、同時に労災保険料の計算を実施してもよい。
【0021】
[2.構成]
本実施形態に係る労災保険料管理装置100の構成の一例について、図1および図2を参照して説明する。図1は、本実施形態における労災保険料管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
図1に示すように、労災保険料管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、労災保険料管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0023】
労災保険料管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。労災保険料管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0024】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、労災保険料管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、労災保険料管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0025】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0026】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、労災保険マスタ106aと事業データベース106bとを備えている。
【0027】
労災保険マスタ106aは、事業種別毎の労務費率および労災保険率、メリット増減率、ならびに、非業務災害率を設定したマスタである。
【0028】
ここで、図2を参照して、本実施形態における労災保険マスタ106aの一例について説明する。図2は、本実施形態における労災保険マスタ106aの一例を示す図である。
【0029】
図2に示すように、本実施形態における労災保険マスタ106aにおいては、事業番号、事業名称、適用開始日、労務費率(%)、労災保険率、メリット増減率、および/または、非業務災害率等が設定されていてもよい。
【0030】
図1に戻り、事業データベース106bは、事業(プロジェクト)の事業データを記憶する。ここで、事業データは、プロジェクト受注データ、労災保険料データ、労災仕訳データを含む仕訳データ、および/または、契約データ等を含んでいてもよい。
【0031】
制御部102は、労災保険料管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、受注取得部102aと労災保険料算出部102bと予実確認表示部102cと更新部102dと仕訳作成部102eとを備えている。
【0032】
受注取得部102aは、プロジェクト受注データを取得する。ここで、受注取得部102aは、プロジェクトの工期、請負金額、支給資材加算額、工事用物控除額、および、事業種別を設定したプロジェクト受注データを取得してもよい。また、受注取得部102aは、プロジェクト受注データを事業データベース106bに登録してもよい。
【0033】
労災保険料算出部102bは、労災保険料を算出する。ここで、労災保険料算出部102bは、労災保険マスタ106a、および、プロジェクト受注データに基づいて、工期中の所定タイミングで労災保険料を算出してもよい。ここで、工期中の所定タイミングは、日次、プロジェクト受注データ取得時、および/または、プロジェクト受注データ更新時であってもよい。また、労災保険料算出部102bは、労災保険マスタ106a、および、受注取得部102aにより取得されたプロジェクト受注データに基づいて、プロジェクト開始時に労災保険料を算出してもよい。また、労災保険料算出部102bは、労災保険料、当該労災保険料が算出された年月、前月労災保険料、および/または、当該労災保険料に対する仕訳作成の有無を示す仕訳連携フラグを紐付けて設定した労災保険料データを取得してもよい。また、労災保険料算出部102bは、労災保険料データを事業データベース106bに登録してもよい。
【0034】
例えば、労災保険料算出部102bは、労災保険料を「賃金総額×メリット料率÷1000」の式により算出してもよい。ここで、労災保険料算出部102bは、賃金総額を「(請負金額+支給資材加算額-工事用物控除額)×労務費率」の式により算出してもよい。また、労災保険料算出部102bは、メリット料率を「((労災保険率-非業務災害率)÷1000)×((100+メリット増減率)÷100)+(非業務災害率÷1,000)」の式により算出してもよい。また、本実施形態においては、労務費率を労災保険マスタ106aにて管理(労災保険業種コード毎に率を保持)してもよく、メリット増減率の毎年の増減率を労災保険マスタ106aにて管理してもよく、非業務災害率の毎年の増減率を労災保険マスタ106aにて管理してもよい。
【0035】
予実確認表示部102cは、労災保険料を確認可能な予実確認画面を表示させる。
【0036】
更新部102dは、プロジェクト受注データを更新する。ここで、更新部102dは、プロジェクトの増減工により請負金額が更新請負金額に変更された場合、更新請負金額にてプロジェクト受注データを更新してもよい。
【0037】
仕訳作成部102eは、仕訳データを作成する。ここで、仕訳作成部102eは、労災保険料に基づいて、労災仕訳データを作成してもよい。ここで、労災仕訳データは、借方の勘定科目が未成工事支出金、且つ、貸方の勘定科目が労災保険引当金であってもよい。
【0038】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、図3から図12を参照して説明する。
【0039】
[労災保険料管理処理]
ここで、図3を参照して、本実施形態における労災保険料管理処理の一例について説明する。図3は、本実施形態における労災保険料管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0040】
図3に示すように、受注取得部102aは、ユーザによる入力装置112を介して契約データが入力された場合、プロジェクトの工期、請負金額、支給資材加算額、工事用物控除額、および、事業種別を設定したプロジェクト受注データを取得する(ステップSA-1)。
【0041】
そして、労災保険料算出部102bは、労災保険マスタ106a、および、受注取得部102aにより取得されたプロジェクト受注データに基づいて、プロジェクト開始時に、労災保険料、当該労災保険料が算出された年月、前月労災保険料、および、当該労災保険料に対する仕訳作成の有無を示す仕訳連携フラグ(0:未連携)が紐付けて設定された開始時レコードを設定した労災保険料データを取得する(ステップSA-2)。
【0042】
そして、予実確認表示部102cは、労災保険料データに基づいて、労災保険料を確認可能な予実確認画面を出力装置114に表示させる(ステップSA-3)。
【0043】
そして、仕訳作成部102eは、労災保険料に基づいて、借方の勘定科目が未成工事支出金、且つ、貸方の勘定科目が労災保険引当金である労災仕訳データを作成し、開始時レコードに設定された仕訳連携フラグを「0:未連携」から「1:連携済」に更新する(ステップSA-4)。
【0044】
そして、更新部102dは、プロジェクトの増減工に応じて、ユーザにより入力装置112を介して更新請負金額が入力された場合、更新請負金額にてプロジェクト受注データに設定された請負金額を更新する(ステップSA-5)。
【0045】
そして、労災保険料算出部102bは、労災保険マスタ106a、および、更新部102dにより更新されたプロジェクト受注データに基づいて、工期中の所定タイミングで、労災保険料、当該労災保険料が算出された年月、前月労災保険料、および、当該労災保険料に対する仕訳作成の有無を示す仕訳連携フラグ(0:未連携)が紐付けて設定された更新レコードを設定した労災保険料データを取得する(ステップSA-6)。
【0046】
そして、予実確認表示部102cは、労災保険料データに基づいて、労災保険料を確認可能な予実確認画面を出力装置114に表示させる(ステップSA-7)。
【0047】
そして、仕訳作成部102eは、労災保険料に基づいて、借方の勘定科目が未成工事支出金、且つ、貸方の勘定科目が労災保険引当金である労災仕訳データを作成し、更新レコードに設定された仕訳連携フラグを「0:未連携」から「1:連携済」に更新し(ステップSA-8)、処理を終了する。
【0048】
ここで、図4から図12を参照して、本実施形態における労災保険料管理処理の一例について説明する。図4から図12は、本実施形態における労災保険料管理処理の一例を示す図である。
【0049】
図4に示すように、本実施形態においては、2021年4月のプロジェクト開始時に、新規工番登録として、ユーザにより契約データが入力された場合、プロジェクト受注データが取得される。
【0050】
そして、図5に示すように、本実施形態においては、日次で夜間実行される労災保険料算出処理として、労災保険マスタ106aおよびプロジェクト受注データに基づいて、労災保険料を設定した労災保険料データが取得され、計算された労災保険料が反映された予実確認画面が表示される。
【0051】
そして、図6に示すように、本実施形態においては、月次の仕訳連携として、労災保険料に基づいて、借方の勘定科目が未成工事支出金、且つ、貸方の勘定科目が労災保険引当金である労災仕訳データが作成される。なお、本実施形態においては、「データ種類=労災保険料」の場合、借方科目および貸方科目が固定でセットされてもよい。
【0052】
そして、図7に示すように、本実施形態においては、2021年5月にプロジェクトの増工が発生した際に、ユーザにより更新請負金額が入力された場合、更新請負金額にてプロジェクト受注データに設定された請負金額が更新される。
【0053】
そして、図8に示すように、本実施形態においては、日次で夜間実行される労災保険料算出処理として、労災保険マスタ106a、および、更新されたプロジェクト受注データに基づいて、労災保険料を設定した労災保険料データが追加取得され、更新された労災保険料が反映された予実確認画面が表示される。なお、本実施形態においては、労災保険料算出処理が行われることにより最新の労災保険料が計算されるが、契約データ入力によるデータ修正時に、労災保険料が計算されることにより、より早く労災保険料が反映されてもよい。
【0054】
そして、図9に示すように、本実施形態においては、月次の仕訳連携として、労災保険料に基づいて、借方の勘定科目が未成工事支出金、且つ、貸方の勘定科目が労災保険引当金である労災仕訳データが追加作成される。
【0055】
そして、図10に示すように、本実施形態においては、2021年6月にプロジェクトの増工が無い場合、5月に更新されたプロジェクト受注データが保持される。
【0056】
そして、図11に示すように、本実施形態においては、日次で夜間実行される労災保険料算出処理として、労災保険マスタ106a、および、更新されたプロジェクト受注データに基づいて、労災保険料を設定した労災保険料データが追加取得され、予実確認画面が表示される。
【0057】
そして、図12に示すように、本実施形態においては、2021年6月での労災保険料の差額が0円のため、労災仕訳データの作成は行われない。
【0058】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0059】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0060】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0061】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0062】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0063】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0064】
また、労災保険料管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0065】
例えば、労災保険料管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて労災保険料管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0066】
また、このコンピュータプログラムは、労災保険料管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0067】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0068】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0069】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0070】
また、労災保険料管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、労災保険料管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0071】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、建設業界において有用である。
【符号の説明】
【0073】
100 労災保険料管理装置
102 制御部
102a 受注取得部
102b 労災保険料算出部
102c 予実確認表示部
102d 更新部
102e 仕訳作成部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 労災保険マスタ
106b 事業データベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
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図3
図4
図5
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図12