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  • 特開-回転電機用ロータ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155022
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】回転電機用ロータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/22 20060101AFI20221005BHJP
   H02K 1/27 20220101ALI20221005BHJP
【FI】
H02K1/22 A
H02K1/27 501B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021058338
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀尾 明弘
(72)【発明者】
【氏名】永野 翔也
【テーマコード(参考)】
5H601
5H622
【Fターム(参考)】
5H601AA01
5H601DD11
5H601GA24
5H622CB05
(57)【要約】
【課題】磁石孔の周方向両側の傾斜面で永久磁石を支持する構成において、磁石孔の周方向両側に生じうる応力集中を低減する。
【解決手段】軸方向の磁石孔21を有するロータコア2と、磁石孔21に装着される永久磁石3とを備え、永久磁石3の外周面は、周方向両側かつ径方向外側の第1角部34に、軸方向に視て径方向内側へと傾斜する第1傾斜面321を有し、磁石孔21の内周面は、周方向両側に、軸方向に視て永久磁石3の第1傾斜面321に沿って径方向内側へと傾斜する第2傾斜面2121を有し、かつ、第2傾斜面2121に径方向内側から連続する第1曲面2131を有し、第1曲面2131は、軸方向に視て、永久磁石3の側に曲率中心を有し、かつ、第2傾斜面2121を含む平面S1よりも曲率中心側に延在する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向の磁石孔を有するロータコアと、
前記磁石孔に装着される永久磁石とを備え、
前記永久磁石の外周面は、前記永久磁石における周方向両側かつ径方向外側の第1角部に、軸方向に視て径方向内側へと傾斜する第1傾斜面を有し、
前記磁石孔の内周面は、周方向両側に、軸方向に視て前記永久磁石の前記第1傾斜面に沿って径方向内側へと傾斜する第2傾斜面を有し、かつ、前記第2傾斜面に径方向内側から連続する第1曲面を有し、
前記第1曲面は、軸方向に視て、前記永久磁石の側に曲率中心を有し、かつ、前記第2傾斜面を含む平面よりも前記曲率中心側に延在する、回転電機用ロータ。
【請求項2】
前記磁石孔の内周面は、軸方向に視て、前記永久磁石における周方向両側かつ径方向内側の第2角部に、隙間を介して隣り合う第2曲面を更に有し、
前記第2曲面は、軸方向に視て、前記永久磁石の側に曲率中心を有し、
前記第1曲面は、軸方向に視て、前記ロータコアの中心を通る前記第2曲面の接線よりも前記永久磁石の側に形成され、又は、前記接線に接するように形成される、請求項1に記載の回転電機用ロータ。
【請求項3】
前記磁石孔の内周面は、前記第1曲面と前記第2曲面との間に、前記永久磁石に向かう側に凸となる第3曲面又は平面を含む、請求項2に記載の回転電機用ロータ。
【請求項4】
前記磁石孔は、前記永久磁石における径方向内側の外周面に、径方向に対向又は当接する径方向内側の内周面を有し、
前記磁石孔の前記径方向内側の内周面は、周方向両側で、前記永久磁石における径方向内側の外周面との隙間が前記第2曲面に向かうにつれて徐々に広くなるように形成される、請求項2又は3に記載の回転電機用ロータ。
【請求項5】
前記永久磁石の外周面は、周方向両側の前記第1傾斜面の間に、軸方向に視て径方向外側に凸状となる凸表面を更に有する、請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の回転電機用ロータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回転電機用ロータに関する。
【背景技術】
【0002】
軸方向の磁石孔を有するロータコアと、磁石孔に装着される永久磁石とを備える回転電機用ロータが知られている。例えば、一の磁石孔Cと一の永久磁石Aとの関係を軸方向視で示す図3に示すように、特許文献1に記載される永久磁石Aの外周面は、周方向両側かつ径方向外側の角部に、軸方向に視て径方向内側へと傾斜する傾斜面Bを有しており、磁石孔Cの内周面は、周方向両側に、軸方向に視て永久磁石Aの傾斜面Bに沿って径方向内側へと傾斜する傾斜面Dを有する。このような回転電機用ロータによれば、永久磁石Aの周方向両側の傾斜面Bを磁石孔Cの周方向両側の傾斜面Dで支持することにより、永久磁石Aをバランス良く安定的に支持できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-25387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種の回転電機用ロータでは、磁石孔の内周面全体のうちの、磁石孔の周方向両側(特に、角部)の局所的な位置で力の伝達が発生するので、遠心力や材料の線膨張係数差などによる応力が、磁石孔の周方向両側(特に、角部)に集中しやすい。
【0005】
そこで、1つの側面では、本開示は、磁石孔の周方向両側の傾斜面で永久磁石を支持する構成において、磁石孔の周方向両側に生じうる応力集中を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの側面では、軸方向の磁石孔を有するロータコアと、
前記磁石孔に装着される永久磁石とを備え、
前記永久磁石の外周面は、前記永久磁石における周方向両側かつ径方向外側の第1角部に、軸方向に視て径方向内側へと傾斜する第1傾斜面を有し、
前記磁石孔の内周面は、周方向両側に、軸方向に視て前記永久磁石の前記第1傾斜面に沿って径方向内側へと傾斜する第2傾斜面を有し、かつ、前記第2傾斜面に径方向内側から連続する第1曲面を有し、
前記第1曲面は、軸方向に視て、前記永久磁石の側に曲率中心を有し、かつ、前記第2傾斜面を含む平面よりも前記曲率中心側に延在する、回転電機用ロータが提供される。
【発明の効果】
【0007】
1つの側面では、本開示によれば、磁石孔の周方向両側の傾斜面で永久磁石を支持する構成において、磁石孔の周方向両側に生じうる応力集中を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施例に係る回転電機用ロータの断面図である。
図2図1の回転電機用ロータの要部断面図である。
図3】従来例に係る回転電機用ロータの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率はあくまでも一例であり、これに限定されるものではなく、また、図面内の形状等は、説明の都合上、部分的に誇張している場合がある。
【0010】
図1は、本実施例に係る回転電機用ロータ1の断面図である。図2は、図1の回転電機用ロータ1の要部断面図である。以下の説明において、軸方向とは、ロータ中心Oを中心とした回転電機用ロータ1の回転軸に沿った方向を表し、径方向及び周方向とは、回転電機用ロータ1の回転軸を基準とした各方向を表す。
【0011】
回転電機用ロータ1は、車両の駆動力を発生する回転電機用として好適である。この場合、車両は、電気自動車(燃料電池車両を含む)であってもよいし、エンジンを駆動源として併用するハイブリッド車であってもよい。
【0012】
図1及び図2に示すように、回転電機用ロータ1は、周方向に沿って複数の磁石孔21を有するロータコア2と、各磁石孔21に装着される複数の永久磁石3とを備える。本実施例では、一例として、回転電機用ロータ1は、6組の磁石孔21及び永久磁石3を備えている。なお、磁石孔21及び永久磁石3の組数(すなわち極数)は任意である。
【0013】
なお、図1には、上側の一組の磁石孔21及び永久磁石3について、周方向中心O1が示されている。以下では、特に言及しない限り、周方向に沿って複数配置される磁石孔21及び永久磁石3のうちの、上側の一組の磁石孔21及び永久磁石3について説明するが、他の組の磁石孔21及び永久磁石3も実質的に同様である。また、図2では、当該上側の一組の磁石孔21及び永久磁石3について、周方向の一方側の部分だけが示されるが、周方向の他方側の部分は実質的に対称である(図1参照)。以下では、周方向外側とは、図2に示す組の磁石孔21及び永久磁石3の周方向中心(図1の周方向中心O1参照)から離れる側を表し、周方向内側とは、同周方向中心に近づく側を表す。
【0014】
永久磁石3は、軸方向に視て、等断面の形態であってよく、図2に示すように、第1外周面31と、第2外周面32と、第3外周面33とを備える。
【0015】
第1外周面31は、永久磁石3の径方向内側の外周面である。第1外周面31は、ロータ中心Oと永久磁石3の周方向中心O1を通る第1直線L1に対して垂直な平坦面を有する。
【0016】
第2外周面32は、永久磁石3の径方向外側の外周面である。
【0017】
第2外周面32は、第1傾斜面321と、凸表面322とを連続的に有する。
【0018】
第1傾斜面321は、第2外周面32における周方向両側に形成される。すなわち、永久磁石3における周方向両側かつ径方向外側の第1角部34に位置する。第1傾斜面321は、軸方向に視て径方向内側へと傾斜する。より具体的には、第1傾斜面321は、軸方向に視て、周方向外側に向かうほど径方向内側に向かう向きで傾斜する。
【0019】
凸表面322は、第2外周面32における周方向両側の第1傾斜面321の間に位置し、軸方向に視て径方向外側に凸状となる湾曲した形態を有する。
【0020】
第3外周面33は、永久磁石3の周方向両側の外周面である。第3外周面33は、第1外周面31の周方向両端から垂直に立ち上がる平坦面を有する。なお、図2に示す例では、軸方向に視て、第3外周面33と第1外周面31のなす角度は、90度であるが、90以外の角度であってもよい。
【0021】
このように、本実施例の永久磁石3は、軸方向に視てD字状の形態であるいわゆるD型磁石を用いて構成されている。このような永久磁石3によれば、周方向中央側の厚み(径方向の寸法)を周方向両側よりも大きくし、遠心力などに対する強度を高めることができる。
【0022】
ロータコア2は、複数の円環状の電磁鋼板を軸方向に積層して構成されてよい。ロータコア2は、軸心孔の内周部がロータ軸(図示せず)に一体的に結合される。ロータコア2には、周方向にコアブリッジ部23(q軸磁路)を介して複数の磁石孔21が形成される。上述したように磁石孔21の個数は、永久磁石3の数に対応し、任意である。複数の磁石孔21は、周方向に等ピッチで配置されてよい。
【0023】
磁石孔21は、軸方向に視て、第1内周面211と、第2内周面212と、第3内周面213とを備える。
【0024】
第1内周面211は、磁石孔21の径方向内側の内周面である。第1内周面211は、永久磁石3の第1外周面31と同様、第1直線L1に対して垂直な平坦面を有してよい。第1内周面211は、永久磁石3の第1外周面31に径方向に対向する。第1内周面211は、第1外周面31に径方向で当接してもよい。
【0025】
第2内周面212は、磁石孔21の径方向外側の内周面である。第2内周面212は、第2傾斜面2121と、凹表面2122とを連続的に有する。
【0026】
第2傾斜面2121は、第2内周面212における周方向両側に形成される。第2傾斜面2121は、軸方向に視て永久磁石3の第1傾斜面321に沿って径方向内側へと傾斜する。第2傾斜面2121は、永久磁石3の第1傾斜面321に対して、面接触する態様で、当接する。すなわち、第2傾斜面2121は、永久磁石3の第1傾斜面321に対して、第2傾斜面2121に垂直な方向で当接する。
【0027】
第2傾斜面2121は、永久磁石3の周方向両側の第1傾斜面321と協動して、磁石孔21において永久磁石3をバランス良く安定的に支持する機能を有する。すなわち、永久磁石3の周方向両側の第1傾斜面321を磁石孔21の周方向両側の第2傾斜面2121で支持することにより、永久磁石3をバランス良く安定的に支持できる。
【0028】
凹表面2122は、第2内周面212における周方向両側の第2傾斜面2121の間に位置し、軸方向に視て径方向外側に凹状となる湾曲した形態を有する。凹表面2122は、永久磁石3の凸表面322に径方向で対向する。凹表面2122と凸表面322との間には、径方向の第1空隙G1が形成されてもよい。この場合、第1空隙G1は、周方向に沿って略一定に設定されてもよい。第1空隙G1は、永久磁石3の組付け時、遠心力発生時、線膨張率差による膨張/収縮時などにおける永久磁石3と磁石孔21との干渉を低減する機能を有する。また、第1空隙G1の周方向両端部に充填される接着剤(図示せず)を利用して、永久磁石3を磁石孔21に接着することも容易となる。ただし、本実施例において、永久磁石3と磁石孔21との間の接着位置は任意であり、第1空隙G1の周方向両端部等に限定されない。
【0029】
第3内周面213は、磁石孔21の周方向両側の内周面である。第3内周面213は、永久磁石3との干渉を回避するための第2空隙G2を介して永久磁石3の第3外周面33と対向する。
【0030】
本実施例では、第3内周面213は、応力を緩和するための第1曲面2131及び第2曲面2132を備える。このような第1曲面2131及び第2曲面2132は、平面同士が連接された角部(例えば最小の角Rで連接された角部)に比べ、応力の集中を緩和する効果(及びそれに伴いロータコア2の耐久性を高める効果)を有し、第1曲面2131及び第2曲面2132の曲率半径が大きくなるほど高い効果が得られる。ただし、第1曲面2131及び第2曲面2132の曲率半径を大きくすると、コアブリッジ部23の周方向の最小幅が減少し、回転電機のトルク性能が低下する可能性がある。従って、コアブリッジ部23の周方向の最小幅を減らすことなく、第1曲面2131及び第2曲面2132の曲率半径を大きくすることが有用である。
【0031】
この点、本実施例では、第1曲面2131は、第2傾斜面2121に径方向内側から連続するように形成されている。第1曲面2131は、軸方向に視て、永久磁石3の側に曲率中心を有し、かつ、第2傾斜面2121を含む平面S1(図2で一点鎖線により図示)よりも曲率中心側に延在する。このような第1曲面2131によれば、コアブリッジ部23の周方向の最小幅を減らすことなく、磁石孔21の周方向両側かつ径方向外側に、曲率半径の大きい第1曲面2131を設けることができる。なお、第2傾斜面2121において、永久磁石3との当接位置と第1曲面2131との連接位置との間には、適切な幅Wが確保される。幅Wは、必要な空隙G2を確保し、かつコアブリッジ部23の周方向の最小幅を減らさない範囲で選択される。
【0032】
第2曲面2132は、軸方向に視て、永久磁石3における周方向両側かつ径方向内側の第2角部35に隙間を介して隣り合うとともに、永久磁石3の側に曲率中心を有する。このような第2曲面2132によれば、磁石孔21の周方向両側かつ径方向内側における応力の集中を緩和できる。磁石孔21の周方向両側かつ径方向内側における応力の集中は、典型的には、回転電機用ロータ1の回転に伴い永久磁石3に遠心力が発生した際に、永久磁石3の第1傾斜面321と磁石孔21の第2傾斜面2121とを介して、磁石孔21に荷重が加わり、当該荷重に起因して生じうる。より具体的には、第2傾斜面2121に、当該第2傾斜面2121に垂直な成分の荷重が発生し、かかる荷重に起因して、一次的には、磁石孔21の周方向両側かつ径方向外側における応力が発生しやすくなる。この点、本実施例では、かかる応力が上述のように第1曲面2131により低減される。そして、本実施例では、更に、かかる荷重に起因して二次的に発生しうる磁石孔21の周方向両側かつ径方向内側における応力についても、第2曲面2132により低減される。
【0033】
また、本実施例では、第2曲面2132を設けることで、コアブリッジ部23の周方向の最小幅を減らすことなく、第2空隙G2を広げることができ、鉄であるロータコア2と永久磁石3との間の熱膨張係数の差に起因した、永久磁石3とロータコア2との間の干渉(及びそれに伴う応力の発生)を防止できる。
【0034】
ここで、本実施例では、第2曲面2132は、好ましくは、コアブリッジ部23の周方向の最小幅を規定する。つまり、ロータ中心Oを通って第2曲面2132に接する第2直線L2(軸方向に視てロータ中心Oを通る、第2曲面2132に係る円弧の接線)によってコアブリッジ部23の周方向の最小幅が規定され、第1曲面2131は、第2直線L2よりも周方向内側(永久磁石3の側)に形成される。これにより、コアブリッジ部23の周方向の最小幅が第1曲面2131によって減少することが回避される。このようにして、第1曲面2131と第2曲面2132による応力の緩和機能と、コアブリッジ部23の磁気特性(q軸磁路としての機能)に係る要求とを適切に両立させることが容易となる。
【0035】
なお、図2に示す例では、軸方向に視て、第2曲面2132は、第1曲面2131の接線のうちの、第1直線L1に平行な接線よりも、周方向内側に配置されている。この場合、コアブリッジ部23の周方向の最小幅を比較的大きく確保しつつ、第1曲面2131の曲率半径の最大化(及びそれに伴う応力の最小化)を図ることができる。
【0036】
本実施例において、第1曲面2131と第2曲面2132との間には、好ましくは、第1曲面2131及び第2曲面2132の曲率中心側に凸となる第3曲面2133が形成されてよい。このような第3曲面2133を介して第1曲面2131と第2曲面2132とを接続することにより、磁石孔21の周方向両側に生じる応力を第1曲面2131と第2曲面2132とに分散させることができる。なお、第1曲面2131と第2曲面2132は、第3曲面2133ではなく、平面を介して接続してもよい。
【0037】
また、本実施例において、磁石孔21の第1内周面211は、好ましくは、周方向両側で、永久磁石3の第1外周面31との隙間が徐々に広くなる態様で、軸方向に視て径方向内側に傾斜する第3傾斜面2111を備えてよい。この場合、第3傾斜面2111の周方向外側の端部は、第2曲面2132の径方向内側の端部に連接されている。このような第3傾斜面2111によれば、第2曲面2132の径方向内側の端部位置を径方向内側に寄せることができる。これにより、コアブリッジ部23の周方向の最小幅を減少させることなく、第2曲面2132の曲率半径の最大化を図り、応力の集中を更に緩和できる。また、磁石孔21の第3傾斜面2111と永久磁石3の第1外周面31との隙間は、接着剤の充填空間として利用することもできる。
【0038】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。また、各実施例の効果のうちの、従属項に係る効果は、上位概念(独立項)とは区別した付加的効果である。
【0039】
例えば、上述した実施例では、第1曲面2131は、第2直線L2よりも周方向内側(永久磁石3の側)に形成されるが、第1曲面2131は、第2直線L2に接するように形成されてもよい。この場合、コアブリッジ部23の周方向の最小幅を減少させることなく、第1曲面2131の曲率半径の最大化を図ることができる。
【符号の説明】
【0040】
1・・・回転電機用ロータ、2・・・ロータコア、3・・・永久磁石、31・・・第1外周面(外周面)、32・・・第2外周面(外周面)、321・・・第1傾斜面、322・・・凸表面、33・・・第3外周面(外周面)、34・・・第1角部、35・・・第2角部、21・・・磁石孔、211・・・第1内周面(内周面)、212・・・第2内周面(内周面)、2121・・・第2傾斜面、213・・・第3内周面(内周面)、2131・・・第1曲面、2132・・・第2曲面、2133・・・第3曲面、S1・・・平面
図1
図2
図3