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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155118
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】画像読取装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20221005BHJP
   H04N 1/028 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
H04N1/04 101
H04N1/028 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021058458
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北西 貴大
【テーマコード(参考)】
5C051
5C072
【Fターム(参考)】
5C051AA01
5C051BA04
5C051DB01
5C051DB21
5C051DB29
5C051DB31
5C051DC04
5C051DC05
5C051DC07
5C051DE17
5C051DE30
5C051EA01
5C051FA01
5C072AA01
5C072BA18
5C072CA05
5C072CA07
5C072CA09
5C072CA12
5C072DA16
5C072DA17
5C072DA21
5C072DA23
5C072DA25
5C072EA07
5C072NA01
5C072QA10
5C072UA05
5C072XA01
(57)【要約】
【課題】光源の点灯時間を制御するモードと光源に流れる電流を制御するモードとを切り替え可能な画像読取装置を提供すること。
【解決手段】画像読取装置は、光源の点灯時間を調整することで読取手段の受光量を調整する第一制御モードと、光源に供給される電流を制御することで読取手段の受光量を調整する第二制御モードとのうちのいずれかを指定する指定手段を有する。画像読取装置は、第一制御モードと第二制御モードとのうち記指定手段により指定された制御モードにしたがって光源を制御する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取対象を照明する光源と、
前記光源により照明された前記読取対象からの光を受光することで画像信号を生成する読取手段と、
前記光源の点灯時間を調整することで前記読取手段の受光量を調整する第一制御モードと、前記光源に供給される電流を制御することで前記読取手段の受光量を調整する第二制御モードとのうちのいずれかを指定する指定手段と、
前記第一制御モードと前記第二制御モードとのうちで前記指定手段により指定された制御モードにしたがって前記光源を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記第二制御モードは、前記第一制御モードにおいて設定可能な最大の点灯時間で前記光源を点灯させつつ、前記光源に供給される電流を制御する制御モードであることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記読取手段は、前記読取対象を相対移動させながら読取ラインごとに画像を読み取るラインセンサであり、前記最大の点灯時間は、一ライン単位での画像の走査時間と同等であることを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記画像信号のゲインを調整する調整手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記第二制御モードにおいて、前記受光量が規定値に到達できる最小のゲインとなるように前記調整手段を設定することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第二制御モードにおいて、前記電流を初期値から徐々に削減して行くことで、前記受光量を前記規定値以下となるように調整し、前記受光量が前記規定値未満になると、前記ゲインを調整することで前記受光量を前記規定値に到達させることを特徴とする請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記ゲインを調整可能な最大値にまで増加させても、前記受光量が前記規定値未満である場合に、ユーザーに対する通知を出力する出力手段をさらに有することを特徴とする請求項5に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記指定手段は、前記読取対象を読み取るための読取設定において、特定の条件を満たす場合に、前記第一制御モードと前記第二制御モードのいずれか一方を指定することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記指定手段は、ユーザーによりモアレの低減または画像の欠落の低減を要求されると、前記第二制御モードを指定することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記指定手段は、ユーザーにより階調性またはダイナミックレンジの優先を要求されると、前記第一制御モードを指定することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像読取装置(イメージスキャナや複写機、ファクシミリ装置等)は、自動紙送り機構(ADF:Auto Document Feeder)により搬送される原稿をCIS(Contact Image Sensor)により読み取る。原稿の読取品質のうち階調性を十分に確保するためには、受光素子が飽和しないように一ラインあたりの光源の点灯時間が調整される。しかし、点灯時間を調整することで光源の消灯時間が発生するため、画像の欠落とそれに起因したモアレが発生する。特許文献1によれば、RGBの各発光ダイオード(LED)の消灯時間を均等に分散することで、読取画像のモアレが低減されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-217049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によればモアレは低減されるが、光源の消灯時間が存在するため、画像の欠落が発生する。つまり、点灯時間を調整すれば階調性は確保されるが、画像の欠落やモアレが発生し、点灯時間を調整しないことで消灯時間をなくせば画像の欠落やモアレは発生しないが階調性が十分に確保されない。ところで、階調性を優先して確保するべきかと、画像の欠落とモアレを優先して低減するべきかとは、ユーザーの希望に依存する。そこで、本発明は、光源の点灯時間を制御するモードと光源に流れる電流を制御するモードとを切り替え可能な画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、たとえば、
読取対象を照明する光源と、
前記光源により照明された前記読取対象からの光を受光することで画像信号を生成する読取手段と、
前記光源の点灯時間を調整することで前記読取手段の受光量を調整する第一制御モードと、前記光源に供給される電流を制御することで前記読取手段の受光量を調整する第二制御モードとのうちのいずれかを指定する指定手段と、
前記第一制御モードと前記第二制御モードとのうちで前記指定手段により指定された制御モードにしたがって前記光源を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像読取装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、光源の点灯時間を制御するモードと光源に流れる電流を制御するモードとを切り替え可能な画像読取装置が提供される。光源の点灯時間を制御するモードが選択されれば、画像の階調性が確保されやすくなる。光源に流れる電流を制御するモードが選択されれば、画像の欠落やモアレが発生しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像読取装置の構造を説明する断面図
図2】画像読取ユニットを説明する図
図3】画像読取ユニットを説明する図
図4】点灯時間制御モードを説明する図
図5】電流制御モードを説明する図
図6】コントローラを説明する図
図7】画像読取方法を示すフローチャート
図8】点灯時間制御モードを示すフローチャート
図9】電流制御モードを示すフローチャート
図10】画像読取ユニットを説明する図
図11】画像読取ユニットを説明する図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0009】
<画像読取装置の構造>
図1が示すように、画像読取装置100は、ADFにより搬送される原稿をCISにより読み取って画像データを生成する。載置台1は一つまたは複数の搬送媒体Sを積載する。搬送媒体Sは、たとえば、OA紙、小切手、カード類等のシートであり、厚手のシートであっても、薄手のシートであってもよい。カード類は、たとえば、保険証、免許証、クレジットカード等である。また、搬送媒体Sにはパスポートなどの冊子も含まれる。
【0010】
第一搬送部10は経路RTへ搬送媒体Sを給送する給送機構である。第一搬送部10は、送りローラ11と、送りローラ11に対向配置される分離ローラ12とを有している。分離ローラ12は、載置台1に載置されている複数の搬送媒体Sのうち一つの搬送媒体Sのみを搬送方向D1へ搬送する。駆動部3はモータ等である。駆動部3は伝達部4を介して駆動力を送りローラ11に伝達し、送りローラ11を回転させる。送りローラ11の回転方向は、反時計回り(経路RTに沿って搬送媒体Sを搬送させる方向)である。伝達部4は、たとえば、電磁クラッチであり、制御部8からの指示にしたがって駆動部3からの送りローラ11への駆動力を断続(遮断/接続)する。伝達部4は、通常時において駆動力を伝達する状態にあり、搬送媒体Sを逆送する場合に駆動力を遮断する。送りローラ11は伝達部4により駆動力の伝達が遮断されると、自由回転可能な状態となる。送りローラ11を一方向のみに駆動させる場合、伝達部4は省略されてもよい。
【0011】
分離ローラ12は、複数の搬送媒体Sを1枚ずつに分離するためのローラであり、送りローラ11に対して一定圧で圧接されている。この圧接状態を確保するため、分離ローラ12は揺動可能に設けられるとともに、バネ等により送りローラ11へ付勢されている。分離ローラ12は、トルクリミッタ12aを介して駆動部3から駆動力が伝達され、反時計回り方向に回転する。分離ローラ12はトルクリミッタ12aにより駆動力が規制される。そのため、分離ローラ12が送りローラ11と当接している際は、分離ローラ12は送りローラ11に連れ回りする。これにより、複数の搬送媒体Sが送りローラ11と分離ローラ12との圧接部に搬送されてきた際には、一つの搬送媒体Sのみが下流に搬送され、残りの搬送媒体Sは下流に搬送されないようにせき止められる。本実施形態では分離ローラ12と送りローラ11とで分離機構が構成されているが、これは一例にすぎない。分離機構は省略されてもよいし、搬送媒体Sに摩擦力を付与する分離パッドと送りローラ11とにより構成される分離機構が採用されてもよい。
【0012】
第一搬送部10の搬送方向で下流側には第二搬送部20が設けられている。第二搬送部20は、駆動ローラ21と、駆動ローラ21に従動する従動ローラ22とを有する。第二搬送部20は、第一搬送部10から搬送されてきた搬送媒体Sをさらに下流側へ搬送する。駆動ローラ21には駆動部3から駆動力が伝達され、反時計回りに回転する。従動ローラ22は、駆動ローラ21に対して一定圧で圧接されているため、駆動ローラ21に連れ回る。従動ローラ22は、バネ等の付勢ユニット(不図示)によって駆動ローラ21に対して付勢されていてもよい。
【0013】
第二搬送部20よりも搬送方向で下流側には第三搬送部30が設けられている。第三搬送部30は、駆動ローラ31と、駆動ローラ31に従動する従動ローラ32とを有している。第三搬送部30は、第二搬送部20から搬送されてきた搬送媒体Sを排出トレイ2へ搬送および排出する。駆動ローラ31には駆動部3から駆動力が伝達され、反時計回りに回転する。従動ローラ32は駆動ローラ31に対して一定圧で圧接されており、駆動ローラ31に連れまわる。従動ローラ32は、バネ等の付勢ユニットによって駆動ローラ31に対して付勢されていてもよい。
【0014】
経路RTにおいて第二搬送部20と第三搬送部30との間には画像読取ユニット70a、70bが配置されている。画像読取ユニット70aは搬送媒体Sの第一面を読み取る。画像読取ユニット70bは搬送媒体Sの第二面を読み取る。画像の読取りのために、第二搬送部20および第三搬送部30は搬送媒体Sを一定の搬送速度で搬送する。この搬送速度は、常に、第一搬送部10の搬送速度以上に設定されてもよい。これにより、先行する搬送媒体Sに対して後続の搬送媒体Sが追突しないようになる。
【0015】
重送センサ40は第一搬送部10と第二搬送部20との間に配置される。重送センサ40は、搬送媒体Sの重送を検知する。重送とは、複数の搬送媒体Sが静電気等で密着し、第一搬送部10を通過してしまう現象である。重送センサ40としては、種々のものが利用可能である。たとえば、重送センサ40は超音波センサであってもよい。この場合、重送センサ40は、超音波の発信部41とその受信部42とを有する。複数の搬送媒体Sが重送されている場合と一つの搬送媒体Sが搬送されている場合とで、搬送媒体Sを通過する超音波の減衰量が異なる。この原理に基づき重送が検知される。
【0016】
経路RTにおいて重送センサ40よりも搬送方向で下流側には媒体センサ50が配置されている。媒体センサ50は、第二搬送部20よりも上流側で、かつ、第一搬送部10よりも下流側に配置されている。媒体センサ50は、第一搬送部10により搬送される搬送媒体Sの位置を検知する。より詳細には、媒体センサ50は、媒体センサ50の検知位置に搬送媒体Sの端部が到達または通過したか否かを検知する。媒体センサ50としては、種々のものが利用可能である。媒体センサ50は、たとえば、光学センサであってもよい。この場合、媒体センサ50は、照射部51とその受光部52とを有する。搬送媒体Sの到達又は通過により受光部52の受光強度が変化する。この原理に基づき搬送媒体Sが検知される。搬送媒体Sの先端が媒体センサ50により検知されると、搬送媒体Sが重送センサ40により重送を検知可能な位置に到達しているように、媒体センサ50は重送センサ40の近傍で下流側に設けられている。媒体センサ50は、搬送媒体Sの端部を検知可能なセンサ(例:イメージセンサ等)であってもよいし、経路RTに突出したレバー型のセンサであってもよい。
【0017】
媒体センサ60は、画像読取ユニット70a、70bよりも上流側で、第二搬送部20よりも下流側に配置されている。媒体センサ60は、第二搬送部20により搬送される搬送媒体Sの位置を検知する。媒体センサ60としては、媒体センサ50同様に、種々のものが利用可能である。ここでは、一例として、媒体センサ60は発光部61と受光部62とを備える光センサである。図1では、第二搬送部20の搬送方向で上流側と下流側とのそれぞれに媒体センサ50、60が配置されているが、何れか一方だけが配置されてもよい。
【0018】
画像読取ユニット70a、70bは、たとえば、光学的に搬送媒体Sを走査し、搬送媒体Sからの光を電気信号に変換して画像信号を生成する。画像読取ユニット70a、70bは、LED等の光源、導光体、受光センサアレー等を含む。画像読取ユニット70a、70bのうち一方のみが経路RTの片側に配置されてもよい。図1では、画像読取ユニット70a、70bが経路RTを挟んで対向配置されているが、これは一例にすぎない。画像読取ユニット70a、70bが経路RTの方向に間隔をあけて配置されてもよい。
【0019】
制御部8は、画像読取の開始指示を受信すると、駆動部3により第一搬送部10、第二搬送部20、第三搬送部30の駆動を開始する。載置台1に積載された搬送媒体Sはその最も下に位置する搬送媒体Sから一つずつ搬送される。搬送の途中で搬送媒体Sは重送センサ40により重送の有無が判定される。重送が無いと判定されると搬送媒体Sの搬送が継続される。重送があると判定された場合、制御部8は、駆動部3を停止させ、搬送媒体Sの搬送を停止する。
【0020】
制御部8は、媒体センサ60の検知結果に応じたタイミングで、画像読取ユニット70a、70bによる搬送媒体Sの画像読取を開始させる。制御部8は、画像読取ユニット70a、70bから出力される画像信号を画像データに変換する。
【0021】
<画像読取部の構造についての説明>
図2は画像読取ユニット70a、70bを経路RT側から見た斜視図である。画像読取ユニット70a、70bは光源73を有している。画像読取ユニット70a、70bの構造は共通しているため、ここでは画像読取ユニット70aの構造が詳細に説明される。
【0022】
光源73は発光素子(例:LED)を有する。光源73は、導光体71の両端部のうち少なくとも一方の端部に設置されている。図2では光源73が導光体71の片側端部に設置されているが、導光体71のもう一方の端部に設置されてもよい。これにより、発光量が補われる。導光体71は、たとえば、透光性を有するモールド樹脂やガラス等、光を通す素材を主要部材として採用している。光源73から出力された光は導光体71の内部を伝搬する。導光体71の内部には経路RTに向けて光を反射する不図示の反射板が設けられている。反射板が、光源73からの光を経路RTへ向けて反射する。光源73から遠いほど狭い間隔で複数の反射板が設置されてもよい。これにより、経路RTに対し主走査方向において均等に光を照射してもよい。また、複数の導光体71が設けられてもよい。
【0023】
導光体71から出射した光は搬送媒体Sの表面で再び反射して、受光センサアレー72に入射する。受光センサアレー72は、たとえば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の複数の光電変換素子を有している。複数の光電変換素子は主走査方向に沿って並んでおり、主走査方向の一ラインを形成している。受光センサアレー72に到達した光はライン単位で電気信号に変換される。一般的にCMOSイメージセンサの出力値はライン単位で取得された光の量に応じて変化する。たとえば、光源73の発光量が多い場合、出力値が大きくなる。ただし、同一の発光量であっても、一ラインあたりの走査時間が長ければ、出力値が大きくなる。最終的にライン単位で取得された電気信号は後述されるA/D変換器(ADC)によりデジタル信号に変換される。経路RTを搬送された搬送媒体Sに対し複数ラインのデジタル信号を合成することで、搬送媒体Sの画像データが作成される。
【0024】
図3は画像読取ユニット70a、70bを主走査方向から見た断面図である。光源73は、白色光源(例:白色LED)であってもよいし、図3が示すように、赤色の光源73r(例:赤色LED)、緑色の光源73g(例:緑色LED)、青色の光源73b(例:青色LED)により構成されてもよい。光源73r、73g、73bはそれぞれ異なる波長の光を出力する。光源73r、73g、73bの発光時間は、ライン単位で制御されてもよい。光源73r、73g、73bの発光時間は、たとえば、受光センサアレー72の出力値がオーバーフローしないように決定される。光源73r、73g、73bは、ライン単位で同時に発光を開始してもよいし、発光開始タイミングは相互にずれていてもよい。取得画像の形式(例:ドロップアウトカラー)によっては光源73r、73g、73bのうちの一つまたは二つが点灯しなくてもよい。
【0025】
光源73に供給される電流(電流値)を制御することで、光源73の発光量と、受光センサアレー72の受光量とが調整されてもよい。この場合、光源73の発光時間を一定に維持しつつ、発光量および受光量が制御可能となる。光源73r、73g、73bの各電流値は、個別に設定されてもよい。受光センサアレー72は赤色の受光センサアレー72r、緑色の受光センサアレー72g、青色の受光センサアレー72bを有していてもよい。受光センサアレー72r、72g、72bはそれぞれ、分光フィルタ等を利用し、それぞれが対応した波長域の光を受光する。ここでは受光センサアレー72r、72g、72bが使用されているが、受光センサアレー72r、72g、72bの担当波長域をすべてカバーする単一の受光センサアレー72が採用されてもよい。単一の受光センサアレー72を採用することで、画像読取ユニット70a、70bの構成がシンプルになりやすい。ただし、一ライン単位で各色のデータを切り替える必要がある。これは、ある色のデータを取得している間、他の色のデータを取得出来ないことを意味する。そのため、受光センサアレー72r、72g、72bを採用することで、副走査方向において各色の画像データの抜けが生じにくくなる。
【0026】
<発光量と受光量の調節処理についての説明>
●点灯時間制御モード
図4は一ライン単位で光源73r、73g、73bの各点灯時間を制御する例(点灯時間制御モード)を示している。SP(Start Pulse)区間80は一ライン単位での画像データの走査時間を表している。R、G、Bはそれぞれ光源73r、73g、73bを表している。光源73rは、SP区間80のうち点灯時間81rにおいて点灯し、消灯時間82rにおいて消灯する。光源73gは、SP区間80のうち点灯時間81gにおいて点灯し、消灯時間82gにおいて消灯する。光源73bは、SP区間80のうち点灯時間81bにおいて点灯し、消灯時間82bにおいて消灯する。点灯時間制御モードでは、受光センサアレー72r、72g、72bの各受光量が目標光量となるように、点灯時間81r、81g、81bが調整される。目標光量は、たとえば、原稿画像のS/N比を最大限確保できる受光量に設定されうる。たとえば、目標光量は、一般的に想定される最も明るい(最も光源73の光を反射する、例えば白)原稿の読取結果が飽和しないように、設定される。また、光源73r、73g、73bの点灯時間は、たとえば、数MHzから数百MHzまでのクロックを基準に微調整が可能である。そのため、点灯時間制御モードでは、受光量が飽和せず、かつ、S/N比が最大となるように、点灯時間が微調整される。
【0027】
一方、点灯時間制御モードでは、SP区間80において消灯時間82r、82g、82bが発生してしまう。消灯時間が長ければ長いほど点灯時間が短くなる。その結果、原稿画像のサンプリング区間が局所的になり、画像にエイリアシングが発生し、モアレが発生しうる。
【0028】
●電流制御モード
図5は一ライン単位で光源73r、73g、73bの各電流値を制御する例(電流制御モード)を示している。電流制御モードでは、SP区間80における光源73r、73g、73bの点灯時間が最大値に設定される。ただし、光源73r、73g、73bの各電流値が制御され、受光センサアレー72r、72g、72bの各受光量が目標光量に調整される。これにより光源73r、73g、73bのそれぞれの消灯時間を削減できるため、データの欠落による画質の低下(例:モアレ)が抑制される。この点灯時間の最大値の一例として、一ライン単位での画像データの走査時間と略同等な時間を図5においては示している。
【0029】
一方、電流値を微調整するための回路構成はコスト増を招く。そのため、電流値として連続値を設定できず、離散値しか設定できないこともある。この場合、発光量を粗くしか調整できなくなるため、受光量のS/N比を最大限確保することが困難となる。その結果、出力画像において充分な階調性を確保することが困難となることがある。
【0030】
ところで、ユーザーによって原稿の読み取り目的はことなるため、点灯時間制御モードが好ましいケースと、電流制御モードが好ましいケースとがある。したがって、ユーザーの希望に応じて点灯時間制御モードと電流制御モードとを切り替えることができれば、ユーザーにとって便利であろう。
【0031】
さらに、点灯時間や電流値の調整に加えて、受光量に対し所定の係数を乗算するゲイン調整が組み合わされてもよい。これは画像データに対して所定の係数を乗算することにより達成可能である。ゲイン調整は、一ラインあたりの走査時間が短く、受光量を充分に確保することが難しい状況であっても、出力値を大きくすることができる。ゲイン調整には複数の方式が存在する。具体的には、受光量をデジタル変換する前に所定の係数を乗算するアナログゲイン調整と、受光量をデジタル変換した後に所定の係数を乗算するデジタルゲイン調整とがある。
【0032】
<コントローラ>
図6は画像読取装置100を制御する制御部8の詳細を示している。制御部8は、たとえば、記憶装置620のROM領域に記憶されている制御プログラムを実行することで各種の機能を実現するCPU(中央演算処理装置)であってもよい。モード制御部601は、操作部621の入力装置から入力されるユーザー指示にしたがって制御モードを指定、選択または切り替える。たとえば、ユーザーがダイナミックレンジまたは階調性の確保を希望する場合、モード制御部601は点灯時間制御モードを選択する。ユーザーが画像の欠落やモアレの軽減を希望する場合、モード制御部601は電流制御モードを選択する。
【0033】
点灯時間制御部602は、点灯時間制御モードが指定されると、受光センサアレー72r、72g、72bの受光量が目標光量となるように光源73r、73g、73bの点灯時間を調整する。点灯時間制御部602は、電流制御モードが指定されると、点灯時間を所定値に固定し、受光量が目標光量となるように光源73r、73g、73bの電流値を調整する。電流値は、駆動回路633r、633g、633bに対してそれぞれ個別に設定されてもよい。駆動回路633r、633g、633bはそれぞれ対応する光源73r、73g、73bに対して、制御部8により設定された点灯時間の間、設定された電流値の電流を供給する。ゲイン制御部604は、乗算部605r、605g、605b、および/または、AFE641r、641g、641bの係数(ゲイン)を調整する。AFEはアナログフロントエンド回路の略称である。AFE641r、641g、641bはオプションである。AFE641r、641g、641bは、対応する受光センサアレー72r、72g、72bから出力される画像信号のゲインを調整して、対応するADC642r、642g、642bへ出力する。ADC642r、642g、642bはそれぞれ入力されたアナログの画像信号をデジタルデータに変換して制御部8に出力する。乗算部605r、605g、605bは、ADC642r、642g、642bから出力される画像データに係数を乗算することでゲインを調整して画像データ生成部610に出力する。画像データ生成部610は、乗算部605r、605g、605bから出力される画像データを合体させて一つの搬送媒体Sの全体に対応した画像データを生成し、記憶装置620に記憶させる。
【0034】
<フローチャート>
図7は制御モードの切り替え処理を含む画像読取方法を示すフローチャートである。以下では、画像読取ユニット70aについて説明されるが、画像読取ユニット70bについても同様の画像読取方法が適用される。また、以下では、光源73r、73g、73bはまとめて光源73と表現され、受光センサアレー72r、72g、72bはまとめて受光センサアレー72と表記される。しかし、受光センサアレー72r、72g、72bの各受光量が目標光量となるように、光源73r、73g、73bは個別に点灯時間、ゲインおよび電流値を調整されてもよい。この調整処理においては、光源73r、73g、73bは一つずつ順番に点灯し、個別に点灯時間、ゲインおよび電流値が調整されるが、搬送媒体Sを読み取る際には、基本的に、光源73r、73g、73bが同時に点灯してもよい。
【0035】
S701で制御部8は画像読取装置100に接続されたパーソナルコンピュータ(PC)または操作部621などを通じてユーザーにより入力される画像読取設定を受け付ける。ここで、画像読取設定は、ユーザーによる読取画質の希望(モアレ低減(画像欠落軽減)またはダイナミックレンジ(階調性)の確保)を含んでもよい。画像読取設定は、点灯時間制御モードまたは電流制御モードを直接または間接的に指定する情報を含んでもよい。
【0036】
S702で制御部8は操作部621などからユーザーにより入力される読取開始指示にしたがって、原稿束の読取を開始する。S703で制御部8は、画像読取設定に基づきユーザーがモアレの低減を希望しているかどうかを判定する。たとえば、画像読取設定において、モアレ除去に関する処理がユーザーにより選択されていることは、ユーザーがモアレの低減を希望しているといえる。ユーザーがモアレの低減を希望している場合、制御部8は、S704に進み、制御モードを電流制御モードに設定し、受光量(発光量)を調整する。ユーザーがモアレの低減を希望していない場合(ユーザーがダイナミックレンジの確保を希望している場合)、制御部8は、S705に進み、制御モードを点灯時間制御モードに設定し、受光量(発光量)を調整する。
【0037】
S706で制御部8は駆動部3及び画像読取ユニット70a、70bなどを制御して原稿束から原稿を分離しながら原稿の読取を実行する。S707で制御部8は、重送センサ40や媒体センサ50などの検知結果に基づき、次の原稿が存在するかどうかを判定する、次の原稿が存在する場合、制御部8はS706に戻り、次の原稿を読み取る。次の原稿が存在しなければ、制御部8はS708に進み、原稿束の読取を終了する。
【0038】
●点灯時間制御モード
図8は点灯時間制御モード(S705)を示すフローチャートである。S801で制御部8は光源73の駆動電流の電流値として記憶装置620に記憶されている初期値を設定する。初期値は、画像読取装置100の構成により様々であり、画像読取装置100の特性や一ラインあたりの走査時間、解像度設定等により変更されてもよい。
【0039】
S802で制御部8は、乗算部605(またはAFE641)のゲインを初期値に設定する。ゲインはできる限り小さいほうが、読取結果の階調性が良好になる。そのため、初期値は約1倍に設定される。ただし、これは一例にすぎない。たとえば、事前に受光量が少ないことが分っている場合、ゲインの初期値として1倍よりも大きな値が設定されてもよい。これにより、調整時間が短縮されよう。なお、S801とS802の実行順序は逆であってもよい。
【0040】
S803で制御部8は光源73の点灯時間を初期値(例:点灯時間として設定可能な最大値)に設定する。初期値を設定可能な最大時間に設定することは一例にすぎない。点灯時間を設定可能な最大値に設定しなくとも、受光量が目標光量に達することがすでに分かっている場合、点灯時間は、最大値よりも小さい値に設定される。
【0041】
S804で制御部8は画像読取ユニット70aを制御して受光量を取得する。ここで、受光量とは、輝度値であってもよい。ここで、受光量にはゲインが適用されている。
【0042】
S805で制御部8は受光量が規定値を超えているかどうかを判定する。受光量として輝度値を利用し、取得可能な輝度値が「0」から「255」の256階調である場合、規定値は輝度値「210」に設定されてもよい。最終的には輝度値が目標光量である「200」となるように点灯時間とゲインとが調整される。受光量が規定値を超えている場合、制御部8はS808に進む。受光量が規定値を超えていない場合、制御部8はS806に進む。
【0043】
S806で制御部8は、現在のゲインが設定可能な最大値未満であるかどうかを判定する。ゲインが最大値である場合、制御部8は、S830に進み、操作部621の表示装置などにエラーを意味する通知を出力する。S806でゲインが最大値未満であると判定されると、制御部8は、S807に進む。S807で、ゲインを所定値だけ増加させる。ここで、所定値は一定である必要はなく、受光量と規定値との差が大きければ、ゲインが大きく増加されるように、大きな所定値が使用されてもよい。これは調整時間の短縮をもたらすであろう。その後、制御部8は、S804に戻る。
【0044】
S805で受光量が規定値を超えると、制御部8はS808に進む。S808で制御部8は、点灯時間を調整する(点灯時間を短くする)。S809で制御部8は画像読取ユニット70aを制御して受光量を取得する。S810で制御部8は受光量が目標光量「200」に達したかどうかを判定する。受光量が目標光量に達していなければ、制御部8はS808に戻る。受光量が目標光量に達していれば、制御部8は調整処理を完了する。制御部8は、ゲインと点灯時間を記憶装置620のRAM領域に保持し、乗算部605や駆動回路633に設定できるようにする。これにより、ダイナミックレンジ(S/N比)を読み取った輝度値が飽和しない範囲において最大限確保できるように光源73の発光量が決定され、より適切な受光量で画像を取得可能となる。
【0045】
なお、本実施形態においては、規定値と最終的な目標光量とが異なる場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られず、規定値と目標光量とが同じ値であってもよい。
【0046】
●電流制御モード
図9は電流制御モード(S704)を示すフローチャートである。S801ないしS807はすでに説明されているため、S908以降について詳細に説明する。S805で受光量が規定値を超えている場合、制御部8はS908に進む。
【0047】
S908で制御部8は、受光量が飽和している(受光量が最大値に達している)かどうかを判定する。受光量が飽和していない場合、制御部8は調整処理を完了する。受光量が飽和している場合、制御部8はS909に進む。
【0048】
S909で制御部8は、駆動回路633に設定されている電流値が最小値かどうかを判定する。電流値が最小値であれば、制御部8は、S803に進み、エラーを通知する。電流値が最小値でなければ、制御部8はS910に進む。
【0049】
S910で制御部8は、電流値を低下させ、S802に戻る。以上により、光源73の点灯時間を最大時間に維持しつつ、電流値が調整される。これにより、画像の欠落とモアレ等が低減される。
【0050】
<変形例>
図7において、S703ではユーザーがモアレの低減を希望しているかどうかに基づき制御モードが決定されている。しかし、他の条件に基づき制御モードが決定されてもよい。ユーザーはS701でドロップアウトカラーを設定してもよい。ドロップアウトカラーとは、たとえば、原稿を読み取ったときに原稿の一部の色が読取画像から消えてしまう色のことである。たとえば、帳票等の罫線が赤色である場合に、赤をドロップアウトカラーに設定することで、罫線を消して文字のみを読み取ることが可能となる。このように、赤をドロップアウトすることがユーザーにより設定がされた場合、モード制御部601は、制御モードとして電流制御モードを選択する。これにより、モアレが低減される。ただし、ドロップアウトカラーが設定された場合であっても、モード制御部601は、ユーザーの希望に応じて点灯時間制御モードを設定してもよい。これにより、ダイナミックレンジが十分に確保されてもよい。
【0051】
また、ユーザーが希望設定しなくても、制御部8が、読み取り設定における何らかの条件に基づいて自動的に制御モードが決定されてもよい。たとえば、読み取り設定において、読取画像の後段処理として、特定の処理が指定された場合に、制御部8が自動的に一方の制御モードを設定するようにしてもよい。具体的には、読取画像に対する後段処理として文字認識(OCR)処理を実行することが指定された場合に、文字認識処理の精度が向上する方の制御モードが指定されるように構成してもよい。文字認識処理のアルゴリズムにもよるが、たとえば後段処理として文字認識処理を実行することが指定された場合に、電流制御モードが選択されるように構成してもよい。
【0052】
このように、本実施形態においては、搬送媒体Sを読み取るための読取設定が、特定の条件を満たすと判断した場合に、制御部8が一方の制御モードを指定するように構成される。
【0053】
点灯時間制御モードと電流制御モードのうち一方がデフォルトで選択されてもよい。この場合、ユーザーがデフォルトの制御モードとは異なる制御モードを指定してもよい。たとえば、ダイナミックレンジの大きい点灯時間制御モードがデフォルトの制御モードに設定され、ユーザーがモアレを低減したい場合に、制御モードを電流制御モードに切り替えてもよい。
【0054】
図2においては1個の導光体71が設けられているが、図10が示すように、二つの導光体71が設けられてもよい。受光センサアレー72を挟み込むように、二つの導光体71が設けられてもよい。二つの導光体71にはそれぞれ1個の光源73が設けられているが、それぞれ二個の光源73が設けられてもよい。この場合、一つの導光体71の片側端部ともう一方の片側端部にそれぞれ光源73が設けられる。このように2つの導光体71が設けられる場合にも本実施形態は適用可能である。図11が示すように、導光体71の数と光源73の数を増加させることにより、搬送媒体Sが副走査方向の上流側と下流側とから照明される。これにより、原稿のシワ等が原因で生じうる影が画像に発生しにくくなる。なお、各光源73の発光の開始タイミングや終了タイミングは、個別に制御されてもよい。
【0055】
<実施形態から導き出される技術思想>
[観点1]
光源73は、読取対象(例:搬送媒体S)を照明する光源の一例である。画像読取ユニット70a、70bは光源73により照明された読取対象からの光を受光することで画像信号を生成する読取手段の一例である。モード制御部601や操作部621は、第一制御モード(例:点灯時間制御モード)と、第二制御モード(例:電流制御モード)とのうちのいずれかを指定する指定手段として機能する。第一制御モードは光源の点灯時間を調整することで読取手段の受光量を調整するモードである。第二制御モードは光源に供給される電流を制御することで読取手段の受光量を調整するモードである。制御部8(点灯時間制御部602、電流制御部603)は、第一制御モードと第二制御モードとのうちで指定手段により指定された制御モードにしたがって光源を制御する制御手段として機能する。このように、本発明によれば、光源の点灯時間を制御するモードと光源に流れる電流を制御するモードとを切り替え可能な画像読取装置が提供される。
【0056】
[観点2]
第二制御モード(例:電流制御モード)は、第一制御モードにおいて設定可能な最大の点灯時間で光源を点灯させつつ、光源に供給される電流を制御する制御モードである。これにより、画像の欠落が発生しにくくなり、モアレも発生しにくくなる。
【0057】
[観点3]
画像読取ユニット70a、70bは、読取対象を相対移動させながら読取ラインごとに画像を読み取るラインセンサであってもよい。最大の点灯時間は、一ライン単位での画像の走査時間と同等であってもよい。
【0058】
[観点4]
ゲイン制御部604、乗算部605およびAFE641は、画像信号のゲインを調整する調整手段として機能する。制御手段(制御部8)は、第二制御モードにおいて、受光量が規定値(例えば「210」)に到達できる最小のゲインとなるように調整手段を設定してもよい。
【0059】
[観点5]
制御手段(制御部8)は、第二制御モードにおいて、電流を初期値から徐々に削減して行くことで、受光量が規定値以下となるように(たとえば、飽和しないように)調整してもよい。制御手段(制御部8)は、受光量が規定値未満になると、ゲインを調整することで受光量を規定値に到達させてもよい。
【0060】
[観点6]
ゲインを調整可能な最大値にまで増加させても、受光量が目標値未満である場合がある。この場合、操作部621は、ユーザーに対する通知を出力する出力手段として機能する。
【0061】
[観点7]
指定手段(モード制御部601)は、読取対象を読み取るための読取設定において、特定の条件を満たす場合に、第一制御モードと第二制御モードのいずれか一方を指定してもよい。
【0062】
[観点8]
指定手段(モード制御部601)は、ユーザーによりモアレの低減または画像の欠落の低減を要求されると、第二制御モードを指定してもよい。指定手段(モード制御部601)は、ユーザーにより階調性またはダイナミックレンジの優先を要求されると、第一制御モードを指定してもよい。
【0063】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0064】
73:光源、70a、70b:画像読取ユニット、8:制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11