(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155166
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】家庭用製パン器
(51)【国際特許分類】
A47J 37/00 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
A47J37/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021058530
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】501415545
【氏名又は名称】株式会社アイテック
(74)【代理人】
【識別番号】100108947
【弁理士】
【氏名又は名称】涌井 謙一
(74)【代理人】
【識別番号】100117086
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典弘
(74)【代理人】
【識別番号】100124383
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一永
(74)【代理人】
【識別番号】100173392
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 貴宏
(74)【代理人】
【識別番号】100189290
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 直人
(72)【発明者】
【氏名】矢吹 崇
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040NB03
4B040NB21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】生食パンを簡単に作ることができる家庭用製パン器を提供すること。
【解決手段】製パン器本体2は、底部が塞がれ上部の一部が開口している筒状体で、製パン器本体2の内部は、下部収容部2aと、上部収容部2bと、焼成室4とに分かれている。マイコン制御ユニット12は、製パンメニューを選択可能な操作パネル11を備えており、製パンに関する複数のメニューである製パンメニューについてのプログラムが格納されている記憶部がマイコン制御ユニット12に配備されており、「生食パン」についてのプログラムを記憶部に格納している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製パン器本体と、
前記製パン器本体に
加熱手段を備える焼成室と、
撹拌手段を備えるパン焼き型としてのパン容器と、
前記撹拌手段を回転駆動する駆動部と、
製パンに関する複数のメニューである製パンメニューについてのプログラムを格納している記憶部と、
前記製パンメニューを選択可能な操作パネルを有するマイコン制御ユニットとを備えていて、
前記マイコン制御ユニットを通じて選択された前記製パンメニューについてのプログラムにしたがって、前記パン容器に投入された製パン材料を、撹拌あるいは混錬した上で、加熱、焼成を行ってパンを製造する家庭用製パン器であって、
前記マイコン制御ユニットは、複数の前記製パンメニューを選択可能に前記操作パネルに表示する制御を行い、
複数の前記製パンメニューの中の一つに生食パンを製造するレシピのメニューが含まれている
家庭用製パン器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ホームベーカリー(家庭用製パン器)に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭でパンを製造するホームベーカリー(家庭用製パン器)について、従来、種々のものが提案されている。特許文献1には、部品点数を抑え、操作性及びお手入れ性を向上し、且つ具材のほとんどを投入可能な具材投入構造を有するホームベーカリーが提案されている。特許文献2には、生地の温度を精度よく測定できるホームベーカリーが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-86044号公報
【特許文献2】特開2013-252206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のホームベーカリー(家庭用製パン器)では、一般的に、様々な種類のパンを製造できることになっている。
【0005】
ところで、近頃は、焼成することなく、そのままでおいしく食べることのできる食パンである生食パン、すなわち、従来の一般の食パンよりも水分を多く含んでいて柔らかく、くちどけの良い食パンである生食パンが市場で評判を呼んでいる。
【0006】
そこで、この発明は、複数種製造可能なパンのメニューの中に上述の生食パンを含んでいることを謳っているホームベーカリー(家庭用製パン器)を提案することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
製パン器本体と、
前記製パン器本体に
加熱手段を備える焼成室と、
撹拌手段を備えるパン焼き型としてのパン容器と、
前記撹拌手段を回転駆動する駆動部と、
製パンに関する複数のメニューである製パンメニューについてのプログラムを格納している記憶部と、
前記製パンメニューを選択可能な操作パネルを有するマイコン制御ユニットとを備えていて、
前記マイコン制御ユニットを通じて選択された前記製パンメニューについてのプログラムにしたがって、前記パン容器に投入された製パン材料を、撹拌あるいは混錬した上で、加熱、焼成を行ってパンを製造する家庭用製パン器であって、
前記マイコン制御ユニットは、複数の前記製パンメニューを選択可能に前記操作パネルに表示する制御を行い、
複数の前記製パンメニューの中の一つに生食パンを製造するレシピのメニューが含まれている
家庭用製パン器。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、家庭用製パン器(ホームベーカリー)で製造可能な複数種のパンのメニューの中に、焼成することなく、そのままでおいしく食べることのできる食パンである生食パン、すなわち、従来の一般の食パンよりも水分を多く含んでいて柔らかく、くちどけの良い食パンである生食パンが含まれていて、家庭用製パン器(ホームベーカリー)使用者がそのメニューを選択してパン製造を行うことで前述した生食パンを家庭で簡単に作ることができる家庭用製パン器(ホームベーカリー)を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の家庭用製パン器の一例を表す図であって、(a)斜視図、(b)断面図である。
【
図2】(a)本発明の家庭用製パン器が備える蓋体のうち、蓋本体の一例の平面図である。(b)本発明の家庭用製パン器が備えるマイコン制御ユニットに接続される操作パネルの一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
最近では家庭でもパンを焼くことが普通のこととなっており、家庭用のホームベーカリー(パン焼き器)が各メーカーから提供されている。本発明はこのような家庭用のホームベーカリー(パン焼き器)に係るものである。
【0011】
庭用製パン器は、一般的に、その製パン器本体に加熱手段を備える焼成室と、撹拌手段を備えるパン焼き型としてのパン容器と、前記撹拌手段を回転駆動する駆動部とを備えている。また、撹拌手段を駆動させるための駆動機構や、モータ、ヒータなどの加熱手段の他に、ファンや、生地センサー、パン容器内センサーなどが備えられている。
【0012】
また、製パンに関する複数のメニューである製パンメニューについてのプログラム(コンピュータプログラム)を格納している記憶部と、前記製パンメニューを選択可能な操作パネルを有するマイコン制御ユニットを前記庭用製パン器の製パン器本体に備えているのが一般的である。
【0013】
この実施形態の庭用製パン器(ホームベーカリー)では、前記マイコン制御ユニットは、複数の前記製パンメニューを選択可能に前記操作パネルに表示する制御を行うようになっている。
【0014】
前記操作パネルに表示された前記製パンメニューの中から前記庭用製パン器の使用者が希望する製パンメニューを選択すると、選択された前記製パンメニューについての前記プログラム(コンピュータプログラム)にしたがって、前記撹拌手段、前記加熱手段が所定の動作を行い、前記パン容器に投入された製パン材料を撹拌あるいは混錬する処理が行われ、また、加熱、焼成が行われて選択していた前記製パンメニューのパンが製造される。
【0015】
この場合、パン容器に投入される製パン材料としては、水、強力粉、糖、塩、油脂、卵等と、更に、イースト菌などがあり、これらがパン容器に投入された後、スタートさせて、攪拌手段であるパン羽根などを回転させる等してパン生地を捏ねる「捏ね工程」、「捏ね工程」で混練され、強力粉中のたんぱく質がグルテン化されたパン生地を発酵させる「発酵工程」、「発酵工程」で発酵が完了したパン生地を焼き上げる「焼き上げ工程」等を経て、最終的にパンが焼き上げられる。また、上記「捏ね工程」の途中で、必要に応じ、所望の具材が投入されることもある。
【0016】
この実施形態の庭用製パン器(ホームベーカリー)では、複数の前記製パンメニューの中の一つに生食パンを製造するレシピのメニューが含まれている。
【0017】
そこで、使用者が、前記操作パネルに表示された前記製パンメニューの中から生食パンを製造するレシピのメニューを選択してパン製造を行うことで、焼成することなく、そのままでおいしく食べることのできる食パンである生食パン、すなわち、一般の食パンよりも水分を多く含んでいて柔らかく、くちどけの良い食パンである生食パンを、庭用製パン器(ホームベーカリー)で簡単に作ることができる。
【実施例0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施例を説明する。
【0019】
図示の実施形態では、家庭用製パン器1は、製パン器本体2を備えており、製パン器本体2の上方は、蓋体3によって開閉可能になっている。
【0020】
蓋体3は、製パン器本体1の後方上部に配備されているヒンジ部13を介して回動自在に取り付けられ、図示の実施形態では、蓋本体3aと上蓋3bとを備えている。
【0021】
蓋本体3aには、
図1(b)、
図2(a)に示すように、イースト菌などの比較的体積の小さい材料を収容する第一の具材容器14と、レーズン、ナッツなどの比較的体積の大きい材料を収容する第二の具材容器15が形成されている。第一の具材容器14又は第二の具材容器15は蓋本体3aと着脱自在に取り付けられる構造としてもよい。
【0022】
上蓋3bは、第一の具材容器14と第二の具材容器15の上方を覆う蓋部分であり、蓋本体3aの後方上部に配備されているヒンジ部13を介して回動自在に取り付けられている。
【0023】
第一の具材容器14又は第二の具材容器15に収容された材料は、従来の公知の種々の投入機構によって後述するパン容器6へ投入される。
【0024】
製パン器本体2は、焼成室4と、パン容器6と、駆動部8と、マイコン制御ユニット12とを備えている。
【0025】
図1図示の実施形態では、製パン器本体2は、底部が塞がれ上部の一部が開口している筒状体で、製パン器本体2の内部は、下部収容部2aと、上部収容部2bと、焼成室4とに分かれている。
【0026】
焼成室4は加熱手段5を備えている。焼成室4は、撹拌手段を備えるパン焼き型としてのパン容器6を配置可能な空間を有しており、焼成室4に配備されている加熱手段5は、図示の実施形態では、パン容器6が焼成室4に
図1(b)図示のように配置されたときに、パン容器6の下部外周に位置する配置構成になっている。図示の実施形態では、パン容器6は、焼成室4の底部中央に配備されている取付部10を介して焼成室4内に配置される形態になっている。
【0027】
焼成室4内に配置されるパン容器6は加熱手段5の発熱により加熱され、内部のパン生地(不図示)が焼成される。
【0028】
パン焼き型としてのパン容器6は、回転羽根7からなる撹拌手段を備えている。駆動部8は回転羽根7からなる撹拌手段を回転駆動する。
【0029】
マイコン制御ユニット12は、前記製パンメニューを選択可能な操作パネル11を備えており、製パンに関する複数のメニューである製パンメニューについてのプログラムが格納されている記憶部(不図示)がマイコン制御ユニット12に配備されている。
【0030】
マイコン制御ユニット12は、複数の前記製パンメニューを選択可能に操作パネル11に表示する制御を行う。
【0031】
この家庭用製パン器1は、マイコン制御ユニット12を通じて選択された前記製パンメニューについてのプログラムにしたがって、パン容器6に投入された製パン材料を、撹拌あるいは混錬した上で、加熱、焼成を行ってパンを製造する。
【0032】
複数の上述した製パンメニューの中の一つに、焼成することなく、そのままでおいしく食べることのできる食パンである生食パン、すなわち、従来の一般の食パンよりも水分を多く含んでいて柔らかく、くちどけの良い食パンである生食パンが含まれている。
【0033】
パン容器6が備えている回転羽根7からなる撹拌手段は、図示の実施形態では、焼成室4内に配置されたパン容器6に対して、パン容器6の底部中央で羽根取付軸9がパン容器6の底部から上方へ向かって突出し、羽根取付軸9の先端側に回転羽根7が着脱自在に取り付けられる構成になっている。
【0034】
図示の実施形態では、下部収容部2aに、回転羽根7を回転駆動する駆動部8と、電源ユニット16とが収容されていて、駆動部8が、回転羽根7からなる撹拌手段を回転駆動する形態になっている。
【0035】
駆動部8が備える駆動機構は従来公知の種々のものを使用することができる。
【0036】
パン容器6が取付部10にセットされると、羽根取付軸9に、駆動部8が備えている回転軸8aが接続され、駆動部8が備える駆動機構が作動することにより、回転軸8aと羽根取付軸9と回転羽根7とが一体となって回転する。
【0037】
電源ユニット16は、駆動部8と後述するマイコン制御ユニット12等に電力を供給する。
【0038】
図示の実施形態では、上部収容部2bに、マイコン制御ユニット12が収容されている。マイコン制御ユニット12には操作パネル11が接続されており、操作パネル11は製パン器本体2の上部に
図1(a)図示のように現れる形態になっている。
【0039】
マイコン制御ユニット12は、製パンに関するメニューについてのプログラムを格納している記憶部を備えている。
【0040】
上述したように、製パンに関する複数のメニューである製パンメニューについてのプログラムが格納されている記憶部(不図示)がマイコン制御ユニット12に配備されている。
【0041】
この実施形態では、複数の上述した製パンメニューの中の一つに、焼成することなく、そのままでおいしく食べることのできる食パンである生食パン、すなわち、従来の一般の食パンよりも水分を多く含んでいて柔らかく、くちどけの良い食パンである生食パンが含まれている。
【0042】
生食パン以外の製パンメニューとしては、従来の家庭用製パン器(ホームベーカリー)でも作ることが可能であった種々のメニュー、例えば、食パン(ベーシック)、フランスパン(フレンチ)、スイートパン(スイート)、早焼きパン(クイック)、米粉パン、コーン粒入りパン、菓子パンなどの製パンメニューが例示される。
【0043】
複数の上述した製パンメニューのそれぞれについて設定されているコンピュータプログラムに従って、マイコン制御ユニット12が、加熱手段5、回転羽根7からなる撹拌手段に対する制御を行うことで、それぞれの製パンメニューに応じた、パン容器6に投入された製パン材料に対する撹拌あるいは混錬、その上での加熱、焼成処理が行われて、それぞれの製パンメニューに応じたパン製造などが実行される。
【0044】
なお、この他、パン生地、ケーキ、チョコレート、ヨーグルト、ジャム、うどん、餅、等のレシピについてのプログラムも格納しておくことができる。
【0045】
本実施形態では、特に、「生食パン」についてのプログラムを記憶部に格納している。生食パンはくちどけのよい食パンをいい、このような食パンを実現できる材料及び製パン工程(レシピ)についてのプログラムが記憶部に格納されている。
【0046】
操作パネル11は
図2(b)に示すように、種々の操作ボタン11aと表示部11bを有しており、各操作ボタン11aを押下あるいはタッチすることにより、必要なメニューを選択可能となり、必要な情報は表示部11bに表示される。
【0047】
図2(b)に示す例では、操作パネルに表示されているメニューは、記憶部に格納されている製パンに関するメニューについてのプログラムに対応している。図示の例では、上述した、生食パン、食パン(ベーシック)、フランスパン(フレンチ)、スイートパン(スイート)、早焼きパン(クイック)、米粉パン、コーン粒入りパン、菓子パンや、パン生地、ケーキ、ヨーグルト、ジャムといったメニューが表示されている。
【0048】
マイコン制御ユニット12は、前記「生食パン」をはじめとした種々のメニューが選択さて、パン焼き実行時にスタートボタン(操作ボタン11a)が押下あるいはタッチされると、駆動部8が駆動し、加熱手段5が加熱して、決められた工程を順次実行する。
【0049】
本実施形態の家庭用製パン器1は、上述のような構成を備えることによって、「生食パン」についてのメニューを選択でき、焼成することなく、そのままでおいしく食べることのできる食パンである生食パン、すなわち、従来の一般の食パンよりも水分を多く含んでいて柔らかく、くちどけの良い食パンである生食パンを、家庭で、簡単に作ることができる。
【0050】
以上、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の形態に変更可能である。