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特開2022-155386扇風機用冷却器及び扇風機用冷却器組立キット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155386
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】扇風機用冷却器及び扇風機用冷却器組立キット
(51)【国際特許分類】
   F04D 25/08 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
F04D25/08 307G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021058844
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】521134776
【氏名又は名称】エッチ・エヌ・ビー販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165445
【弁理士】
【氏名又は名称】中 富雄
(72)【発明者】
【氏名】保延 通昭
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB26
3H130AB52
3H130AC25
3H130BA69A
3H130BA69J
3H130CA01
3H130CA02
3H130DG01X
3H130DG02Z
3H130DJ01X
3H130EC02Z
(57)【要約】
【課題】大型の扇風機にも利用できるうえ、簡単に使用することができて、扇風機からの風を冷却することができる扇風機用冷却器を提供する。
【解決手段】扇風機110の羽根111の後側に配置される扇風機用冷却器100であって、第1内側冷却容器30と、第2内側冷却容器40と、第1内側冷却容器30の外側に配置される第1外側冷却容器50と、第2内側冷却容器40の外側に配置される第2外側冷却容器60と、第1内側冷却容器30、第2内側冷却容器40、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60を連結する第1連結部10と、を備え、第1内側冷却容器30の一端及び第2内側冷却容器40の一端は、第1連結部10を挟むように配置され、第1外側冷却容器50の一端及び第2外側冷却容器60の一端は、第1連結部10を挟むように配置される。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扇風機の羽根の後側に配置される扇風機用冷却器であって、
第1内側冷却容器と、
第2内側冷却容器と、
前記第1内側冷却容器の外側に配置される第1外側冷却容器と、
前記第2内側冷却容器の外側に配置される第2外側冷却容器と、
前記第1内側冷却容器、前記第2内側冷却容器、前記第1外側冷却容器及び前記第2外側冷却容器を連結する連結部と、を備え、
前記第1内側冷却容器の一端及び前記第2内側冷却容器の一端は、前記連結部を挟むように配置され、
前記第1外側冷却容器の一端及び前記第2外側容器の一端は、前記連結部を挟むように配置される、扇風機用冷却器。
【請求項2】
前記第1内側冷却容器及び前記第2内側冷却容器のそれぞれは、湾曲しており、前記羽根の回転軸を取り囲むように配置され、
前記第1外側冷却容器及び前記第2外側冷却容器のそれぞれは、湾曲しており、それぞれが前記第1内側冷却容器及び前記第2内側冷却容器の外周側に配置され、
前記第1内側冷却容器の外周部及び前記第2内側冷却容器の外周部のそれぞれは、外周側に向かうほど細くなる先細り形状であり、
前記第1外側冷却容器の内周部及び前記第2外側冷却容器の内周部には、それぞれ前記第1内側冷却容器の外周部及び前記第2内側冷却容器の外周部に沿う形状である窪みが形成されている、請求項1記載の扇風機用冷却器。
【請求項3】
複数種類の形状を有する複数の冷却容器と、
前記複数の冷却容器のうち少なくとも2つを連結可能である第1連結部及び第2連結部と、を備え、
前記第1連結部は、前記第2連結部が連結可能である数よりも多い数の前記冷却容器を連結可能であり、
前記第2連結部に、複数の前記冷却容器を連結することにより第2扇風機用冷却器を構成でき、
前記第1連結部に、前記第2連結部に連結した前記冷却容器の数よりも多い数の前記冷却容器を連結することにより第1扇風機用冷却器を構成できる、扇風機用冷却器組立キット。
【請求項4】
前記複数の冷却容器には、2つの内側冷却容器及び2つの外側冷却容器が含まれており、
前記第2連結部は、2つの前記内側冷却容器を連結可能であり、
前記第1連結部は、2つの前記内側冷却容器及び2つの前記外側冷却容器を連結可能であり、
2つの前記内側冷却容器は前記第2連結部を挟んで互いに対向するように、前記第2連結部に連結されて前記第2扇風機用冷却器を構成でき、
2つの前記内側冷却容器のそれぞれの外側に隣接して、2つの前記外側冷却容器のそれぞれが配置され、2つの前記内側冷却容器が前記第1連結部を挟んで互いに対向し、2つの前記外側冷却容器が前記第1連結部を挟んで互いに対向するように配置されて、2つの前記内側冷却容器及び2つの前記外側冷却容器が前記第1連結部に連結されて前記第1扇風機用冷却器を構成できる、請求項3記載の扇風機用冷却器組立キット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扇風機に取り付けることで、扇風機からの風を冷却することができる扇風機用冷却器及び扇風機用冷却器組立キットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
扇風機は、羽根及びこの羽根を回転させるモータを備え、羽根を回転させることにより風を生じさせる装置である。使用者は、扇風機を動作させ、扇風機からの風を浴びることにより涼しさを感じることができ、暑さをしのぐことができる。このように、扇風機は風を送ることによって涼感を与え、暑さを緩和する装置である。また、扇風機と同様に暑さを緩和するための電化製品として、例えば、エア・コンディショナー(以下、エアコンという)がある。エアコンは、一般的に、暖かい空気を送る暖房機能及び冷たい空気を送る冷房機能を有している。使用者がエアコンの冷房機能を選択して動作させた場合は、冷却された空気がエアコンから排出される。このように、エアコンの冷房機能は、室温よりも低い温度の空気を送り出すものであり、それにより室温を下げることができる。これにより、使用者は暑さをしのぐことができる。
【0003】
このように、エアコンは、冷却された空気を排出するのに対して、扇風機は上述したように、羽根を回転させることにより風を生じさせるだけである。つまり、扇風機から送られてくる風(空気)は冷却されているわけではない。このため、扇風機よりも、エアコンの方が、暑さを緩和する効果は高いといえる。しかし、エアコンに比べて扇風機は、以下に示す利点を有している。
【0004】
まず、扇風機はエアコンに比べて安価である。また、エアコンを設置するためには設置工事が必要となるが、扇風機は設置工事が不要であり手軽に設置することができる。また、設置工事が不要であることから、設置工事費用がかかることもない。また、エアコンは壁等に固定設置されるため設置場所を変更することは困難であるのに対して、扇風機の設置箇所は容易に変更可能であり、設置の自由度が高い。扇風機は容易に持ち運ぶことができるため、使用する部屋に簡単に運ぶことができる。また、エアコンは、室外に配置される室外機を有しており、この室外機を設置するスペースも必要となるが、扇風機は室外機を有さず、エアコンよりも設置スペースは小さいといえる。以上のように、扇風機はエアコンに比べて利点も多く、広く普及している。
【0005】
また、扇風機に設置されることで、扇風機の冷却効果を向上させることができる装置が提案されている。具体的には、扇風機の羽根の前方や後方等に冷却体を配置するよう構成された装置が提案されている。このような装置によると、扇風機からの風は冷却体により冷却されて、使用者に送られることとなる。または、冷却体により冷却された空気が風として使用者に送られることとなる。つまり、扇風機を用いて、冷却された風(空気)が送られることとなる。このような装置は扇風機の冷却効果を向上させる。
【0006】
例えば、特許文献1には、冷却剤等を収容する第一容器及び第二容器と、第一容器及び第二容器に形成される凝結水を収集して受ける第一集水部品及び第二集水部品と、第一容器及び第二容器を扇風機に取り付けるための定位鉤18と、を備え、これら第一容器及び第二容器を冷蔵庫の冷凍室で冷却した後、第一容器及び第二容器を互いに上端で連結して、定位鉤により扇風機の羽根の後側に取り付けて使用する冷風発生装置が記載されている。
【0007】
特許文献1に記載された冷風発生装置によると、扇風機を動作させることにより扇風機の羽根が回転して、扇風機(羽根)の後側から前側へと空気の流れが生じ、風を発生させる。ここで、羽根の後側に冷却された第一容器及び第二容器が配置されているため、扇風機の後側の空気は冷却されている。このため、扇風機は、これら第一容器及び第二容器によって冷却された空気を前側へと流すこととなる。つまり、扇風機は、冷却された空気を風として送ることとなる。したがって、扇風機の冷却効果を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3155870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載された冷風発生装置は、一般家庭で用いられるサイズの扇風機に装着することが想定されているが、例えば、工場や倉庫等で用いられる大型の工業用扇風機においても、冷却効果の向上が求められている。特に、工場や倉庫における作業者のほとんどは、事務作業ではなく体を動かす作業を行っており、夏場の作業においては、特に暑さを和らげることが求められている。また、工場や倉庫は、製品等の搬出及び搬入が頻繁に行われることが多いため、扉等は開放されがちである。このように、密閉されていない環境では、エアコンによる冷房は効率が悪く、電気代がかさむという問題があり、扇風機が用いられることが多い。
【0010】
ここで、特許文献1に記載された冷風発生装置において、第一容器及び第二容器等の部品のサイズを大きくすることにより、上記工業用扇風機等のように大型の扇風機に対応してもよいが、その場合は、第一容器及び第二容器が大型化することから、これらを冷凍するための冷蔵庫の冷凍室も大型のものが必要となり、一般的な冷蔵庫では対応できす、手軽に冷凍することができないとの問題がある。
【0011】
本発明は、上述の問題点に鑑みなされたものであり、大型の扇風機にも利用できるうえ、簡単に使用することができて、扇風機からの風を冷却することができる扇風機用冷却器及び扇風機用冷却器組立キットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様に係る扇風機用冷却器は、扇風機の羽根の後側に配置される扇風機用冷却器であって、第1内側冷却容器と、第2内側冷却容器と、前記第1内側冷却容器の外側に配置される第1外側冷却容器と、前記第2内側冷却容器の外側に配置される第2外側冷却容器と、前記第1内側冷却容器、前記第2内側冷却容器、前記第1外側冷却容器及び前記第2外側冷却容器を連結する連結部と、を備え、前記第1内側冷却容器の一端及び前記第2内側冷却容器の一端は、前記連結部を挟むように配置され、前記第1外側冷却容器の一端及び前記第2外側容器の一端は、前記連結部を挟むように配置される、ことを特徴とする。
【0013】
このような扇風機用冷却器によれば、第1内側冷却容器、第2内側冷却容器、第1外側冷却容器及び第2外側冷却容器の、4つの冷却容器を備えており、これらにより扇風機の羽根の後側に配置される扇風機用冷却器を構成することから、各冷却容器を大型化しなくても、大型の扇風機に対応できる大きさの扇風機用冷却器を構成することができる。これにより、各冷却容器を一般家庭における冷蔵庫の冷凍室に収納可能な大きさとすることができ、各冷却容器を容易に冷凍することができる。つまり、大型の冷蔵庫(冷凍室)を用意する必要がなく、一般的な家庭にある冷蔵庫の冷凍室を利用することができ、手軽に冷凍して使用することが可能である。また、この扇風機用冷却器は簡単に扇風機に装着でき、扇風機からはずれにくいことから、使用しやすい。また、扇風機からの風が冷却されることから、涼感を得ることができ、暑さをしのぐことができる。
【0014】
また、上記扇風機用冷却器において、前記第1内側冷却容器及び前記第2内側冷却容器のそれぞれは、湾曲しており、前記羽根の回転軸を取り囲むように配置され、前記第1外側冷却容器及び前記第2外側冷却容器のそれぞれは、湾曲しており、それぞれが前記第1内側冷却容器及び前記第2内側冷却容器の外周側に配置され、前記第1内側冷却容器の外周部及び前記第2内側冷却容器の外周部のそれぞれは、外周側に向かうほど細くなる先細り形状であり、前記第1外側冷却容器の内周部及び前記第2外側冷却容器の内周部には、それぞれ前記第1内側冷却容器の外周部及び前記第2内側冷却容器の外周部に沿う形状である窪みが形成されている、こととしてもよい。
【0015】
これにより、羽根の後側の空気を効率よく冷やすことができ、扇風機により生じる風を効率よく冷却することができる。具体的には、第1内側冷却容器、第2内側冷却容器、第1外側冷却容器及び第2外側冷却容器のそれぞれは、湾曲していることから、羽根の後側に対応する範囲において広がりすぎることなく配置されることとなる。これにより、羽根が回転することにより羽根の後方から前方へと向かう風が効率よく冷却されることとなる。また、第1内側冷却容器の外周部及び第2内側冷却容器の外周部のそれぞれが外周側に向かうほど細くなる先細り形状であることから、第1外側冷却容器の内周部及び第2外側冷却容器の内周部にうまく嵌まるように第1外側冷却容器の内周部及び第2外側冷却容器の内周部の形状を整えることが容易である。したがって、第1内側冷却容器及び第2内側冷却容器と、第1外側冷却容器及び第2外側冷却容器との間に隙間が生じにくく、第1内側冷却容器及び第2内側冷却容器と、第1外側冷却容器及び第2外側冷却容器との密着度を高くすることができる。それにより、第1内側冷却容器及び第2内側冷却容器と、第1外側冷却容器及び第2外側冷却容器とを一体化させることが容易であり、これにより、効率よく空気を冷却することができる。また、これらの組み立ても容易に行うことができる。
【0016】
また、本発明の一態様に係る扇風機用冷却器組立キットは、複数種類の形状を有する複数の冷却容器と、前記複数の冷却容器のうち少なくとも2つを連結可能である第1連結部及び第2連結部と、を備え、前記第1連結部は、前記第2連結部が連結可能である数よりも多い数の前記冷却容器を連結可能であり、前記第2連結部に、複数の前記冷却容器を連結することにより第2扇風機用冷却器を構成でき、前記第1連結部に、前記第2連結部に連結した前記冷却容器の数よりも多い数の前記冷却容器を連結することにより第1扇風機用冷却器を構成できる、ことを特徴とする。
【0017】
上記扇風機用冷却器組立キットによれば、第1連結部と複数の冷却容器を連結することにより第1扇風機用冷却器を構成可能であり、第2連結部と複数の冷却容器とを連結することにより第2扇風機用冷却器を構成可能である。このように、複数種類の扇風機用冷却器を構成できることから、扇風機の条件に応じて好ましい扇風機用冷却器を組立てて使用することが可能である。また、第1連結部には、第2連結部が連結可能である数よりも多い数の冷却容器を連結可能であることから、第1連結部を用いた第1扇風機用冷却器は、第2連結部を用いた第2扇風機用冷却器よりも大きなサイズとすることが可能である。そのため、第2扇風機用冷却器を設置する扇風機よりも大型の扇風機において第1扇風機用冷却器を設置することができることから、扇風機の大きさに応じて効率よく扇風機からの風を冷却することができる。
【0018】
また、上記扇風機用冷却器組立キットにおいて、前記複数の冷却容器には、2つの内側冷却容器及び2つの外側冷却容器が含まれており、前記第2連結部は、2つの前記内側冷却容器を連結可能であり、前記第1連結部は、2つの前記内側冷却容器及び2つの前記外側冷却容器を連結可能であり、2つの前記内側冷却容器は前記第2連結部を挟んで互いに対向するように、前記第2連結部に連結されて前記第2扇風機用冷却器を構成でき、2つの前記内側冷却容器のそれぞれの外側に隣接して、2つの前記外側冷却容器のそれぞれが配置され、2つの前記内側冷却容器が前記第1連結部を挟んで互いに対向し、2つの前記外側冷却容器が前記第1連結部を挟んで互いに対向するように配置されて、2つの前記内側冷却容器及び2つの前記外側冷却容器が前記第1連結部に連結されて前記第1扇風機用冷却器を構成できる、こととしてもよい。
【0019】
これにより、第2扇風機用冷却器は2つの内側冷却容器が第2連結部を挟んで互いに対向するように配置された構成であり、第1扇風機用冷却器は2つの内側冷却容器のそれぞれの外側に隣接して、2つの外側冷却容器のそれぞれが配置され、2つの内側冷却容器が第1連結部を挟んで互いに対向し、かつ、2つの外側冷却容器が第1連結部を挟んで互いに対向するように配置された構成である。このように、第1扇風機用冷却器において、2つの内側冷却容器のそれぞれの外側に隣接して、2つの外側冷却容器のそれぞれが配置されていることから、第1扇風機用冷却器は第2扇風機用冷却器よりも大型になる。したがって、一般的なサイズの家庭用の扇風機においては、第2扇風機用冷却器を組立てて使用し、工場等で使用する工業用の大型の扇風機においては、第1扇風機用冷却器を組立てて使用することで、それぞれの扇風機に適した冷却効果を得ることができる。このように、上記扇風機用冷却器組立キットによれば、異なるサイズの扇風機に対して、それぞれのサイズに応じた扇風機用冷却器を組立てることができ、効率よく、扇風機からの風を冷却することができる。また、このような第1扇風機用冷却器及び第2扇風機用冷却器において用いる、内側冷却容器及び外側冷却容器の大きさは、一般的な家庭用に冷蔵庫の冷凍室に十分入る大きさとすることができ、特別な冷蔵庫等を用意する必要がなく、手軽に使用することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、大型の扇風機にも利用できるうえ、簡単に使用することができて、扇風機からの風を冷却することができる扇風機用冷却器及び扇風機用冷却器組立キットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態1に係る扇風機用冷却器の構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態1に係る扇風機用冷却器の分解斜視図である。
図3】本発明の実施形態1に係る扇風機用冷却器の拡大断面図である。
図4】本発明の実施形態1に係る扇風機用冷却器を扇風機に装着した状態を示す斜視図である。
図5】本発明の実施形態2に係る扇風機用冷却器の構成を示す斜視図である。
図6】本発明の実施形態2に係る扇風機用冷却器の分解斜視図である。
図7】本発明の実施形態2に係る扇風機用冷却器を扇風機に装着した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施形態について説明する。なお、本明細書において、方向についての定義等が特に示されていない場合には、扇風機用冷却器が扇風機に設置された状態において扇風機の正面から見た状態を基準とする。つまり、扇風機に向かって位置する使用者から見て左側の方向を「左」方向とし、使用者から見て右側の方向を「右」方向とする。同様に、「上」や「下」の上下方向も、使用者から見た場合の上方向や下方向を意味する。また、扇風機の正面から使用者に向かう方向(風が向かう方向)を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、扇風機及び扇風機用冷却器における各部材の説明についても、方向についての定義等が特に示されていない場合には、扇風機用冷却器が扇風機に設置された状態における各部材について、扇風機に向かって使用者が見た方向としている。
【0023】
(実施形態1)
本実施形態1に係る扇風機用冷却器の構成について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る扇風機用冷却器の構成を示す斜視図である。また、図2は、本発明の実施形態1に係る扇風機用冷却器の分解斜視図である。また、図3は、本発明の実施形態1に係る扇風機用冷却器の拡大断面図である。
【0024】
図1及び図2に示すように、扇風機用冷却器100は、第1連結部10と、第1連結部10に連結されている4つの冷却容器である第1内側冷却容器30、第2内側冷却容器40、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60と、結露カバー70a及び結露カバー70bと、水受皿80a及び水受皿80bと、を備えている。
【0025】
第1連結部10は、右下、左下、右上、左上の4箇所にそれぞれ連結凸部12a~12dを有している。連結凸部12a及び連結凸部12cは右側に突出し、連結凸部12b及び連結凸部12dは左側に突出している。なお、これら連結凸部12a~12dは、それぞれ第1内側冷却容器30の一端に形成された連結凹部37、第2内側冷却容器40の一端に形成された連結凹部47、第1外側冷却容器50の一端に形成された連結凹部57及び第2外側冷却容器60の一端に形成された連結凹部67と連結される。また、第1連結部10は、前側に向かって延びる3つの引掛部11を有している。詳細は後述するが、引掛部11は扇風機110のカバー112に引掛けられる(図3参照)。
【0026】
第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40は、互いに湾曲した弓型の形状を有し、内部が空洞である容器である。第1内側冷却容器30は第1連結部10に対して右側下部に配置され、第2内側冷却容器40は第1連結部10に対して左側下部に配置される。これにより、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40は第1連結部10を間に介して互いに対向して配置される。具体的には、第1内側冷却容器30の一端及び第2内側冷却容器40の一端は、第1連結部10を挟むように配置される。なお、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40は、互いに同様の形状であることから、これらを入れ替えて使用することも可能である。つまり、第1内側冷却容器30を第1連結部10に対して左側下部に配置し、第2内側冷却容器40を第1連結部10に対して右側下部に配置してもよい。
【0027】
第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40のそれぞれにおいて、一端である上方端部に連結凸部12a及び連結凸部12bと連結される連結凹部37及び連結凹部47が形成されている。連結凹部37及び連結凹部47には、それぞれストッパ片37a及びストッパ片47aが設けられている。ストッパ37a及びストッパ47aが設けられていることから、第1内側冷却容器30は第1連結部10に対して前側(引掛部11が設置された側)からスライドして連結され、後側からスライドして連結されることはない。また、第2内側冷却容器40は第1連結部10に対して後側からスライドして連結され、前側からスライドして連結されることはない。
【0028】
具体的には、連結凹部37を連結凸部12aに連結する場合(第1内側冷却容器30を第1連結部10に連結する場合)は、連結凹部37の前側にストッパ片37aが配置されていることから、前側から連結凹部37を連結凸部12aに嵌めて後側へとスライドさせる。連結凹部37をスライドさせて連結凸部12aに連結させると、ストッパ片37aが連結凸部12aに干渉されて、連結凹部37がそれ以上後側にスライドできなくなる。これにより第1内側冷却容器30が第1連結部10に対して位置決めされることから、第1内側冷却容器30は第1連結部10からはずれにくい。また、連結凹部47を連結凸部12bに連結する場合(第2内側冷却容器40を第1連結部10に連結する場合)は、連結凹部47の後側にストッパ片47aが配置されていることから、後側から連結凹部47を連結凸部12bに嵌めて前側へとスライドさせる。連結凹部47をスライドさせて連結凸部12bに連結させると、ストッパ片47aが連結凸部12bに干渉されて、連結凹部47がそれ以上前側にスライドできなくなる。これにより第2内側冷却容器40が第1連結部10に対して位置決めされることから、第2内側冷却容器40は第1連結部10からはずれにくい。
【0029】
なお、第1内側冷却容器30を第1連結部10からはずす場合は第1内側冷却容器30を第1連結部10に対して前側にスライドさせてはずすことができる。また、第2内側冷却容器40を第1連結部10からはずす場合は第2内側冷却容器40を第1連結部10に対して後側にスライドさせてはずすことができる。このように、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40において、第1連結部10からはずす際における、スライド方向が互いに異なるため、第1連結部10に対してなんらかの力が加わった場合でも、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40の両方が第1連結部10からはずれることを抑制することができる。なお、詳細は後述するが、第1連結部10に第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40を連結する場合は、それぞれ第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60と組み合わせて連結することが好ましい。
【0030】
また、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40のそれぞれには、これらの前後方向に貫通する流通孔34a及び流通孔44aが形成されている。流通孔34a及び流通孔44aは、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40の形状に沿うように形成された長穴であり、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40の広い範囲に形成されている。また、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40のそれぞれには、これらの前後方向に貫通する4つの孔である流通孔34b及び流通孔44bが形成されている。これら流通孔34b及び流通孔44bは、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40のそれぞれの内周部35側及び内周部45側に形成されている。
【0031】
流通孔34a及び流通孔44aと、流通孔34b及び流通孔44bと、が形成されていることにより、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40において後側から前側へと空気が流れやすい。つまり、流通孔34a及び流通孔44aと、流通孔34b及び流通孔44bとを通って、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40において後側から前側へと空気が容易に流れることができる。なお、流通孔34a、44a、34b、44bの形状や数については、特に限定されるわけではなく、これら以外の形状や数でもよい。なお、詳細は後述するが、流通孔34a、34bは、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40の内周側である内周部35及び内周部45に結露カバー70a、70bを配置するためにも使用されている。
【0032】
また、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40のそれぞれにおいて、下方には注入口32及び注入口42が形成されている。上述したように、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40の内部は空洞であり、注入口32及び注入口42から、第1内側冷却容器30内及び第2内側冷却容器40内に水等を注入することが可能である。つまり、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40は内部に水等を収納可能である。また、図示はしていないが、第1内側冷却容器30内及び第2内側冷却容器40内には、水等を注入する前の状態において、予め高分子吸収体が収納されている。
【0033】
ここで、高分子吸収体(高吸水性ポリマー)は、水分保持性能が比較的高い材料であり、例えばポリアクリル酸ナトリウムである。ポリアクリル酸ナトリウムは、吸水前は白色の顆粒状であるが、水分を吸収すると、粘性のあるゼリー状に変わり、離水しにくいため、紙おむつ等にも使用されている。また、水を吸収した状態の高分子吸収体は、冷凍すると溶けにくくなり、保冷剤としても機能する。したがって、水を注入した第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40を冷凍することにより、これらの内部に設けられた水を吸収した状態の高分子吸収体を冷凍することとなり、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40は高い保冷効果を有することとなる。なお、注入口32、42の外側はネジとなっており、内側がネジであるキャップ33、43がこれらに螺合されることで、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40において栓がなされて、内部の水が漏れることはない。特に、注入口32、42は、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40のそれぞれの下方に開口していることとなるが、キャップ33、43によって、水が漏れることがない。なお、第1内側冷却容器30内及び第2内側冷却容器40内に収納される高分子吸収体としては、ポリアクリル酸ナトリウム以外に、例えば、カルボキシメチルセルロースやセルロースとしてもよく、水分保持性能が比較的高い材料であればよい。また、高分子吸収体は人体に対して安全であることが好ましい。
【0034】
第1内側冷却容器30の内周側である内周部35には結露カバー70aが配置され、第1内側冷却容器30の下方には水受皿80aが配置されている。同様に、第2内側冷却容器40の内周側である内周部45には結露カバー70bが配置され、第2内側冷却容器40の下方には水受皿80bが配置されている。結露カバー70a、70bは、冷凍して凍らせた状態の第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40を扇風機用冷却器100として使用する際に、空気中の水蒸気が凝縮してこれらの表面に生じる結露による水滴を受けるように配置されている。水滴は第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40の表面を伝って下方へと流れていき、結露カバー70a、70b内に集まるようになっている。さらに水滴は結露カバー70a、70bにより水受皿80a、80bへと導かれて、水受皿80a、80bに溜まる。
【0035】
なお、図示は省略しているが、結露カバー70a、70bの内側には第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40の流通孔34b、44bと係合して、結露カバー70a、70bを、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40と一体とさせる係合部が形成されている。また、図示は省略しているが、水受皿80a、80bの上部には、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40と、水受皿80a、80bと、を一体化するために、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40と係合するための係合部が形成されている。なお、図示していないが、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40の下部には、水受皿80a、80bの上記係合部と係合する被係合部が形成されている。
【0036】
第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60は、互いに湾曲した弓型の形状を有し、内部が空洞である容器である。また、第1外側冷却容器50は第1連結部10に対して右側上部に配置され、第2外側冷却容器60は第1連結部10に対して左側上部に配置される。これにより、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60は第1連結部10を間に介して互いに対向して配置される。具体的には、第1外側冷却容器50の一端及び第2外側冷却容器60の一端は、第1連結部10を挟むように配置される。なお、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60は、互いに同様の形状であることから、これらを入れ替えて使用することも可能である。つまり、第1外側冷却容器50を第1連結部10に対して左側上部に配置し、第2外側冷却容器60を第1連結部10に対して右側上部に配置してもよい。
【0037】
第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60のそれぞれにおいて、一端である上方端部に連結凸部12c及び連結凸部12dと連結される連結凹部57及び連結凹部67が形成されている。連結凹部57及び連結凹部67には、それぞれストッパ片57a及びストッパ片67aが設けられている。ストッパ57a及びストッパ67aが設けられていることから、第1外側冷却容器50は第1連結部10に対して前側(引掛部11が設置された側)からスライドして連結され、後側からスライドして連結されることはない。また、第2外側冷却容器60は第1連結部10に対して後側からスライドして連結され、前側からスライドして連結されることはない。
【0038】
具体的には、連結凹部57を連結凸部12cに連結する場合(第1外側冷却容器50を第1連結部10に連結する場合)は、連結凹部57の前側にストッパ片57aが配置されていることから、前側から連結凹部57を連結凸部12cに嵌めて後側へとスライドさせる。連結凹部57をスライドさせて連結凸部12aに連結させると、ストッパ片57aが連結凸部12cに干渉されて、連結凹部57がそれ以上後側にスライドできなくなる。これにより第1外側冷却容器50が第1連結部10に対して位置決めされることから、第1外側冷却容器50は第1連結部10からはずれにくい。また、連結凹部67を連結凸部12dに連結する場合(第2外側冷却容器60を第1連結部10に連結する場合)は、連結凹部67の後側にストッパ片67aが配置されていることから、後側から連結凹部67を連結凸部12dに嵌めて前側へとスライドさせる。連結凹部67をスライドさせて連結凸部12dに連結させると、ストッパ片67aが連結凸部12dに干渉されて、連結凹部67がそれ以上前側にスライドできなくなる。これにより第2外側冷却容器60が第1連結部10に対して位置決めされることから、第2外側冷却容器60は第1連結部10からはずれにくい。
【0039】
なお、第1外側冷却容器50を第1連結部10からはずす場合は第1外側冷却容器50を第1連結部10に対して前側にスライドさせてはずすことができる。また、第2外側冷却容器60を第1連結部10からはずす場合は第2外側冷却容器60を第1連結部10に対して後側にスライドさせてはずすことができる。このように、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60において、第1連結部10からはずす際における、スライド方向が互いに異なるため、第1連結部10に対してなんらかの力が加わった場合でも、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60の両方が第1連結部10からはずれることを抑制することができる。
【0040】
また、第1連結部10に第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60を連結する場合は、それぞれ第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40と組み合わせて連結することが好ましい。具体的には、第1内側冷却容器30の外周側である外周部36を第1外側冷却容器50の内周側である内周部55に形成された窪み54に嵌め合わせて、第1内側冷却容器30及び第1外側冷却容器50を一体化した状態で、連結凹部37、57を連結凸部12a、12cに前側からスライドさせて連結すればよい。また、同様に、第2内側冷却容器40の外周側である外周部46を第2外側冷却容器60の内周側である内周部65に形成された窪み64に嵌め合わせて、第2内側冷却容器40及び第2外側冷却容器60を一体化した状態で、連結凹部47、67を連結凸部12b、12dに後側からスライドさせて連結すればよい。
【0041】
ここで、窪み54は第1外側冷却容器50の内周部55に形成され、窪み64は第2外側冷却容器60の内周部65に形成された窪みである。窪み54は内周部55に沿って形成され、第1外側冷却容器50の上端付近から下端付近まで形成されている。また、窪み64は内周部65に沿って形成され、第2外側冷却容器60の上端付近から下端付近まで形成されている。図3に示すように、扇風機用冷却器100において、第1内側冷却容器30の外周部36が第1外側冷却容器50の内周部55に形成された窪み54に嵌まり込むように形成されている。また、第2内側冷却容器40の外周部46が第2外側冷却容器60の内周部65に形成された窪み64に嵌まり込むように形成されている。具体的には、窪み54(窪み64)は第1内側冷却容器30(第2内側冷却容器40)の外周部36(外周部46)に沿う形状である。また、第1内側冷却容器30(第2内側冷却容器40)の外周部36(外周部46)は外周側に向かうほど細くなる先細り形状である。これにより、第1内側冷却容器30(第2内側冷却容器40)及び第1外側冷却容器50(第2外側冷却容器60)の間の隙間を少なくなるように配置でき、第1内側冷却容器30(第2内側冷却容器40)及び第1外側冷却容器50(第2外側冷却容器60)を容易に一体化させることができる。
【0042】
また、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60のそれぞれにおいて、上方には注入口52及び注入口62が形成されている。上述したように、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60の内部は空洞であり、注入口52及び注入口62から、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60内に水等を注入することが可能である。つまり、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60は内部に水等を収納可能である。また、図示はしていないが、第1外側冷却容器50内及び第2外側冷却容器60内には、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40と同様に、水等を注入する前の状態において予め高分子吸収体が収納されている。これにより、水を注入した第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60を冷凍することにより、高い保冷効果を有することとなる。なお、注入口52、62の外側はネジとなっており、内側がネジであるキャップ53、63がこれらに螺合されることで、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60において栓がなされて、内部の水が漏れることはない。
【0043】
次に、図面を用いて、本実施形態1に係る扇風機用冷却器100の使用方法について説明する。図4は、本発明の実施形態1に係る扇風機用冷却器を扇風機に装着した状態を示す斜視図である。
【0044】
まず、図2に示すように各部品を組み合わせて、図1に示すメイン制御基板100を組み立てる。組み立てる前に、まず、第1内側冷却容器30、第2内側冷却容器40、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60のそれぞれにおいて、注入口32、42、52、62から水を注入して、冷凍する。なお、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40については注入口32、42が下方に位置することから、上下を反転して注入口32、42を上方にして上から水を注入することとなる。
【0045】
上述したように、第1内側冷却容器30、第2内側冷却容器40、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60内には、高分子吸収体が予め収納されていることから、これらの内部において高分子吸収体が水を吸収してゼリー状となり、保冷剤として機能する。なお、第1内側冷却容器30、第2内側冷却容器40、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60に水を注入する量が多いほど保冷剤として機能する量が増加することから好ましい。ただし、第1内側冷却容器30、第2内側冷却容器40、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60を冷凍することにより、内部の水が凍ることにより体積が増加するため、その増加分を考慮して、これら容器が収納可能である容量より少し少なめに水を注入することが好ましい。これにより、第1内側冷却容器30、第2内側冷却容器40、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60が冷凍されることにより、割れる等の破損が生じることを防止することができる。
【0046】
例えば、第1内側冷却容器30、第2内側冷却容器40、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60の注入口32、42、52、62の近傍に目印を付す等しておき、使用者が注入する水の量を容易に把握できるようにしておくことが好ましい。また、例えば、第1内側冷却容器30、第2内側冷却容器40、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60を透明や半透明の樹脂等により作製することとし、注入された水の量を容易に把握できるようにしてもよい。ここで、扇風機用冷却器100における各部材は例えば樹脂により構成されることとすればよいが、樹脂に限定されるわけではない。金属等により構成されることとしてもよい。また、部材ごとに異なる材料により構成されることとしてもよい。扇風機用冷却器100における各部材は、例えばポリプロピレンやポリエチレンにより構成されればよく、その他、塩ビ、ABS、ナイロン6、アクリル、デルリン、ジュラコン、UHMW-PE、ナイロン66、MCナイロン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、ベスペル、PEEK、PTFE等としてもよい。また、扇風機用冷却器100における各部材は、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属により構成されていてもよい。特に、アルミニウムは、熱伝導率が比較的高いことから、扇風機用冷却器100の冷却効果を高くすることができる。
【0047】
第1内側冷却容器30、第2内側冷却容器40、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60に水を注入した後、これらを冷蔵庫の冷凍室等に入れて冷凍する。第1内側冷却容器30、第2内側冷却容器40、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60の中味が凍ったら、これらを第1連結部10に連結する。第1内側冷却容器30、第2内側冷却容器40、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60と、第1連結部10と、を連結する場合は、上述したように、第1内側冷却容器30の外周部36に第1外側冷却容器50の内周部55(窪み54)が沿うように、第1内側冷却容器30及び第1外側冷却容器50を重ねて一体化した状態で、第1連結部10の前側からスライドさせて、連結凹部37、57を連結凸部12a、12cに嵌めることで連結する。また、第2内側冷却容器40及び第2外側冷却容器60も同様に、第2内側冷却容器40の外周部46に第2外側冷却容器60の内周部65(窪み64)が沿うように、第2内側冷却容器40及び第2外側冷却容器60を重ねて一体化した状態で、第1連結部10の後側からスライドさせて、連結凹部47、67を連結凸部12b、12dに嵌めることで連結する。また、第1内側冷却容器30に結露カバー70a及び水受皿80aを取り付け、第2内側冷却容器40に結露カバー70b及び水受皿80bを取り付ける。このようにして、扇風機用冷却器100を組み立てることができる。なお、先に、第1内側冷却容器30に結露カバー70a及び水受皿80aを取り付け、第2内側冷却容器40に結露カバー70b及び水受皿80bを取り付けてから、第1連結部10と連結してもよい。
【0048】
扇風機用冷却器100を組み立てたら、図4に示すように、扇風機用冷却器100を扇風機110に設置する。なお、扇風機110は、家庭用ではなく、工場等で使用する大型の工業用の扇風機である。扇風機110は、回転軸114を中心として回転することで風を生じさせる羽根111と、羽根111を回転させるモータ部113と、羽根111を覆うカバー部112と、を備えている。モータ部113は回転駆動するモータ(図示せず)を備えており、このモータは、回転軸114に沿って配置されるシャフト(図示せず)によって羽根111と連結されている。モータ部113のモータが回転駆動することにより、回転軸114を中心にして羽根111が回転する。カバー部112は、危険防止のために、羽根111を覆うように配置されている。
【0049】
上述したように、扇風機110は大型であり、例えば、羽根111(カバー部112)の直径は45cm程度である。なお、一般的に家庭用の扇風機の羽根(カバー部)の直径は30cm程度である。扇風機110において、上述したように冷凍にされた第1内側冷却容器30、第2内側冷却容器40、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60を用いて組み立てられた扇風機用冷却器100が装着される。具体的には、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40が羽根111の回転軸114を取り囲むように、羽根111及びカバー部112の後側に配置される。つまり、モータ部113が、第1内側冷却容器30、第2内側冷却容器40、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60によって取り囲まれるように配置される。そして、引掛部11がカバー部112に引掛けられることにより、扇風機用冷却器100が扇風機110からはずれて落下することを防止できる。扇風機用冷却器100は、羽根111と同程度の大きさを有しており、扇風機110に扇風機用冷却器100を装着した際に、扇風機用冷却器100は羽根111の後側を覆うように配置されることとなる。これにより、羽根111が回転することにより、羽根111の後側から前側に向かって流れる空気は扇風機用冷却器100により冷却されることとなる。
【0050】
上述したように、扇風機110に扇風機用冷却器100を装着して、扇風機110を動作させることにより、扇風機110からの風が冷却されたものとなる。扇風機110を動作させることにより、モータ部113内のモータが駆動し、羽根111に連結されているシャフトを介してモータから羽根111に動力が伝わり、羽根111が回転軸114を中心として回転する。羽根111が回転することにより、前側に向かって空気が流れることとなり、風が生じる。使用者はこの風を浴びることにより涼感を得ることができる。また、扇風機用冷却器100が装着されていることから、扇風機110が冷却された風を前側に向かって流すこととなる。具体的には羽根111が回転することにより、羽根111の後側の空気が羽根111の前側へと流れることとなる。羽根111の後側には凍結された状態の第1内側冷却容器30、第2内側冷却容器40、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60が配置されていることから、羽根111の後側の空気は冷却されている。羽根111が回転することにより、この冷却された空気が羽根111の前側に流れ込むことで風が生じる。つまり、扇風機110により冷却された風が生じることとなる。このため、使用者は、扇風機用冷却器100を扇風機110に装着しない場合に比べて、より冷たい風を浴びることができ、涼感が高くなる。また、扇風機用冷却器100を装着した扇風機110からの風を浴びることにより、体感温度が下がって、涼感が高まるだけでなく、実際に空気が冷却されることから室温自体も低下することとなり、より快適な状況を得ることができる。
【0051】
また、扇風機用冷却器100を扇風機110に装着して使用するうちに、第1内側冷却容器30、第2内側冷却容器40、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60の表面には結露が生じるが、水滴は結露カバー70a、70bから水受皿80a、80bへと導かれて、水受皿80a、80bに溜まることとなる。このため、床が水滴で濡れるといった不具合が生じることを防止できる。
【0052】
また、扇風機用冷却器100は大型の扇風機110に装着するのに適したサイズであるが、第1内側冷却容器30、第2内側冷却容器40、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60の4つの冷却容器を有しており、各冷却容器の大きさは、一般的な家庭用冷蔵庫の冷凍室に収納できるサイズとすることができる。そのため、これらを容易に冷凍することができるため、手軽に使用することができる。
【0053】
(実施形態2)
本実施形態2に係る扇風機用冷却器の構成について図面を用いて説明する。図5は、本発明の実施形態2に係る扇風機用冷却器の構成を示す斜視図である。また、図6は、本発明の実施形態2に係る扇風機用冷却器の分解斜視図である。また、図7は、本発明の実施形態2に係る扇風機用冷却器を扇風機に装着した状態を示す斜視図である。なお、以下、実施形態2に係る扇風機用冷却器の説明において、本実施形態1における部材と同一の部材については、同じ符号を付し、説明を省略することがある。
【0054】
図5及び図6に示すように、扇風機用冷却器200は、第2連結部20と、第2連結部20に連結されている2つの冷却容器である第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40と、結露カバー70a及び結露カバー70bと、水受皿80a及び水受皿80bと、を備えている。つまり、扇風機用冷却器200は、第1連結部10の代わりに第2連結部20を用いており、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60を備えていないことが、扇風機用冷却器100と異なる点である。第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60を備えていないことから、扇風機用冷却器200は扇風機用冷却器100に比べて小型化されたものである。したがって、詳細は後述するが、扇風機用冷却器100は大型の扇風機110に装着されたが、扇風機用冷却器200は扇風機210に装着されて使用される。
【0055】
第2連結部20は、右及び左の2箇所にそれぞれ連結凸部22a、22b有している。つまり、連結凸部22aは右側に突出し、連結凸部22bは左側に突出している。なお、これら連結凸部22a、22bは、それぞれ第1内側冷却容器30の連結凹部37及び第2内側冷却容器40の連結凹部47と連結される。また、第2連結部20は、前側に向かって延びる1つの引掛部21を有している。詳細は後述するが、引掛部21は扇風機210のカバー212に引掛けられる(図7参照)。
【0056】
第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40の詳細は、上述した通りであり、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40のそれぞれの一端である上方端部には、連結凹部37及び連結凹部47が形成されており、連結凸部22a及び連結凸部22bと連結されることとなる。また、連結凹部37及び連結凹部47には、それぞれストッパ片37a及びストッパ片47aが設けられていて、第1内側冷却容器30は第2連結部20に対して前側(引掛部21が設置された側)からスライドして連結され、後側からスライドして連結されることはない。また、第2内側冷却容器40は第2連結部20に対して後側からスライドして連結され、前側からスライドして連結されることはない。
【0057】
具体的には、連結凹部37を連結凸部22aに連結する場合(第1内側冷却容器30を第2連結部20に連結する場合)は、前側から連結凹部37を連結凸部22aに嵌めて後側へとスライドさせる。連結凹部37をスライドさせて連結凸部22aに連結させると、ストッパ片37aが連結凸部22aに干渉されて、連結凹部37がそれ以上後側にスライドできなくなる。これにより第1内側冷却容器30が第2連結部20に対して位置決めされることから、第1内側冷却容器30は第2連結部20からはずれにくい。また、連結凹部47を連結凸部22bに連結する場合(第2内側冷却容器40を第2連結部20に連結する場合)は、後側から連結凹部47を連結凸部22bに嵌めて前側へとスライドさせる。連結凹部47をスライドさせて連結凸部22bに連結させると、ストッパ片47aが連結凸部22bに干渉されて、連結凹部47がそれ以上前側にスライドできなくなる。これにより第2内側冷却容器40が第2連結部20に対して位置決めされることから、第2内側冷却容器40は第2連結部20からはずれにくい。
【0058】
なお、第1内側冷却容器30を第2連結部20からはずす場合は第1内側冷却容器30を第2連結部20に対して前側にスライドさせてはずすことができる。また、第2内側冷却容器40を第2連結部20からはずす場合は第2内側冷却容器40を第2連結部20に対して後側にスライドさせてはずすことができる。このように、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40において、第2連結部20からはずす際における、スライド方向が互いに異なるため、第2連結部20に対してなんらかの力が加わった場合でも、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40の両方が第2連結部20からはずれることを抑制することができる。
【0059】
なお、上述したように、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40のそれぞれにおいて、下方には注入口32及び注入口42が形成されていて、内部に高分子吸収体が予め収納されている。上述したように、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40において、注入口32及び注入口42から水等を注入して、注入口32、42にキャップ33、43を螺合することにより、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40内の水が漏れることはない。また、高分子吸収体が収納されていることから、水を注入してから第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40を冷蔵庫の冷凍室に入れておくことで、内部に収納された高分子吸収体に吸収された水が凍り、高い保冷効果を有することとなる。
【0060】
第1内側冷却容器30の内周部35には結露カバー70aが配置され、第1内側冷却容器30の下方には水受皿80aが配置されている。同様に、第2内側冷却容器40の内周部45には結露カバー70bが配置され、第2内側冷却容器40の下方には水受皿80bが配置されている。本実施形態1の扇風機用冷却器100と同様に、結露カバー70a、70bは、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40を冷凍して凍らせた場合に生じる結露による水滴を受けるように配置され、水滴を水受皿80a、80bへと導く。なお、結露カバー70a、70b及び水受皿80a、80bの取付け態様については、本実施形態1において説明した内容と同一なので、詳細な説明は省略する。
【0061】
次に、図面を用いて、本実施形態2に係る扇風機用冷却器100の使用方法について説明する。図7は、本発明の実施形態2に係る扇風機用冷却器を扇風機に装着した状態を示す斜視図である。
【0062】
まず、図6に示すように各部品を組み合わせて、図5に示すメイン制御基板100を組み立てる。組み立てる前に、まず、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40のそれぞれにおいて、注入口32、42から水を注入し、冷凍する。なお、注入口32、42は、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40の下方に位置することから、上下を反転して注入口32、42を上方として水を注入することとなる。
【0063】
これにより、上述したように、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40内に予め収納されている高分子吸収体が水を吸収してゼリー状となり、保冷剤として機能することとなる。なお、本実施形態1と同様に、これらが冷凍されることにより、割れる等の破損が生じないように、水の量を調整することが好ましい。
【0064】
第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40に水を注入した後、これらを冷蔵庫の冷凍室に入れて冷凍する。第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40の中味が凍ったら、これらを第2連結部20に連結する。第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40と、第2連結部20と、を連結する場合は、上述したように、第1内側冷却容器30を第2連結部20の前側からスライドさせて、連結凹部37を連結凸部22aに嵌めることで連結する。また、第2内側冷却容器40を第2連結部20の後側からスライドさせて、連結凹部47を連結凸部22bに嵌めることで連結する。また、第1内側冷却容器30に結露カバー70a及び水受皿80aも取り付け、第2内側冷却容器40に結露カバー70b及び水受皿80bも取り付ける。このようにして、扇風機用冷却器200を組み立てることができる。なお、先に、第1内側冷却容器30に結露カバー70a及び水受皿80aを取り付け、第2内側冷却容器40に結露カバー70b及び水受皿80bを取り付けてから、第2連結部20と連結してもよい。
【0065】
扇風機用冷却器200を組み立てたら、図7に示すように、扇風機用冷却器200を扇風機210に設置する。なお、扇風機210は、家庭用の扇風機であり、工業用である扇風機110に比べて小型である。扇風機210は、回転軸214を中心として回転することで風を生じさせる羽根211と、羽根211を回転させるモータ部213と、羽根211を覆うカバー部212と、を備えている。モータ部213は回転駆動するモータ(図示せず)を備えており、このモータは扇風機210の回転軸214に沿って配置されるシャフト(図示せず)によって羽根211と連結されている。モータ部213のモータが回転駆動することにより、回転軸214を中心にして羽根211が回転する。カバー部212は、危険防止のために、羽根211を覆うように配置されている。
【0066】
扇風機210において、上述したように冷凍にされた第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40を用いて組み立てられた扇風機用冷却器200が装着される。具体的には、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40が羽根211の回転軸214を取り囲むように、羽根211及びカバー部212の後側に配置される。つまり、モータ部213が、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40によって取り囲まれるように配置される。そして、引掛部21がカバー部212に引掛けられることにより、扇風機用冷却器200が扇風機210からはずれて落下することを防止できる。
【0067】
上述したように、扇風機210は扇風機110に比べると小型であり、例えば、羽根211(カバー部212)の直径は30cm程度である。扇風機用冷却器100が、冷却容器である第1内側冷却容器30、第2内側冷却容器40、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60を備えているのに対して、扇風機用冷却器200は第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40を有しており、第1外側冷却容器50及び第2外側冷却容器60を有していないことから、その分小型化している。これにより、扇風機用冷却器200は、扇風機110に比べて小型である扇風機210に適したサイズである。具体的には、扇風機用冷却器200は、羽根211と同程度の大きさを有しており、扇風機210に扇風機用冷却器200を装着した際に、扇風機用冷却器200は羽根211の後側を覆うように配置されることとなる。これにより、羽根211が回転することにより、羽根211の後側から前側に向かって流れる空気は扇風機用冷却器200により冷却されることとなる。
【0068】
上述したように、扇風機210に扇風機用冷却器200を装着して、扇風機210を動作させることにより、扇風機210からの風が冷却されたものとなる。扇風機210を動作させることにより、モータ部23内のモータが駆動し、羽根211に連結されているシャフトを介してモータから羽根211に動力が伝わり、羽根211が回転軸214を中心として回転する。羽根211が回転することにより、前側に向かって空気が流れることとなり、風が生じる。使用者はこの風を浴びることにより涼感を得ることができる。また、扇風機用冷却器200が装着されていることから、扇風機210が冷却された風を前側に向かって流すこととなる。具体的には羽根211が回転することにより、羽根211の後側の空気が羽根211の前側へと流れることとなる。羽根211の後側には凍結された状態の第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40が配置されていることから、羽根211の後側の空気は冷却されている。羽根211が回転することにより、この冷却された空気が羽根211の前側に流れ込むことで風が生じる。つまり、扇風機210により冷却された風が生じることとなる。このため、使用者は、扇風機用冷却器200を扇風機210に装着しない場合に比べて、より冷たい風を浴びることができ、涼感が高くなる。また、扇風機用冷却器200を装着した扇風機210からの風を浴びることにより、体感温度が下がって、涼感が高まるだけでなく、実際に空気が冷却されることから室温自体も低下することとなり、より快適な状況を得ることができる。
【0069】
また、上述したように、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40のそれぞれの外周部36、46は外周側に向かうほど細くなる先細り形状である。これにより、外周部36、46において空気の流れがスムーズになり、効率よく冷却された空気を流すことができ、扇風機210の風の冷却効果を向上させることができる。
【0070】
また、扇風機用冷却器200は、結露カバー70a、70b及び水受皿80a、80bを有することから、床が水滴で濡れるといった不具合が生じることを防止できる。また、扇風機用冷却器200は家庭用の扇風機210に装着するのに適したサイズであり、第1内側冷却容器30及び第2内側冷却容器40は、一般的な家庭用冷蔵庫の冷凍室に収納できるサイズとすることができる。そのため、これらを容易に冷凍することができるため、手軽に使用することができる。
【0071】
(実施形態3)
本実施形態3に係る扇風機用冷却器組立キットについて説明する。扇風機用冷却器組立キットは、本実施形態1及び本実施形態2において説明した扇風機用冷却器100及び扇風機用冷却器200を組み立てることができる各部材を一組有している。なお、以下の説明において、本実施形態1及び本実施形態2における部材と同一の部材については、同じ符号を付している。
【0072】
具体的には、扇風機用冷却器組立キットは、第1連結部10、第2連結部20、第1内側冷却容器30、第2内側冷却容器40、第1外側冷却容器50、第2外側冷却容器60、結露カバー70a、結露カバー70b、水受皿80a及び水受皿80bを備えている。このような扇風機用冷却器組立キットによれば、各部品を用いて扇風機用冷却器100及び扇風機用冷却器200を組み立てることができる。具体的には、扇風機用冷却器組立キットは、第1連結部10、第1内側冷却容器30、第2内側冷却容器40、第1外側冷却容器50、第2外側冷却容器60、結露カバー70a、結露カバー70b、水受皿80a及び水受皿80bを用いることにより、扇風機用冷却器100を組み立て可能である。また、扇風機用冷却器組立キットは、第2連結部20、第1内側冷却容器30、第2内側冷却容器40、結露カバー70a、結露カバー70b、水受皿80a及び水受皿80bを用いることにより、扇風機用冷却器200を組み立て可能である。
【0073】
このように、本実施形態3に係る扇風機用冷却器組立キットによれば、扇風機用冷却器100及び扇風機用冷却器200のいずれかを組み立てるための部材を有しており、使用者は使用する扇風機110(210)の大きさに応じて、扇風機用冷却器100又は扇風機用冷却器200を組み立てて使用することができる。
【0074】
以上、本発明に係る扇風機用冷却器及び扇風機用冷却器組立キットについて具体例を用いて説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではない。本発明の各部の構成等は、本発明の趣旨に沿って適宜変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、扇風機の風を冷却して涼感を向上させるために利用可能である。
【符号の説明】
【0076】
10 第1連結部(連結部)
11、21 引掛部
12a~12d、22a、22b 連結凸部
20 第2連結部
30 第1内側冷却容器
32、42、52、62 注入口
33、43、53、63 キャップ
34a、34b、44a、44b 流通孔
35、45、55、65 内周部
36、46 外周部
37、47、57、67 連結凹部
37a、47a、57a、67a ストッパ片
40 第2内側冷却容器
50 第1外側冷却容器
60 第2外側冷却容器
70a、70b 結露カバー
80a、80b 水受皿
54、64 窪み
100 扇風機用冷却器(第1扇風機用冷却器)
110、210 扇風機
111、211 羽根
112、212 カバー部
113、213 モータ部
114、214 回転軸
200 扇風機用冷却器(第2扇風機用冷却器)

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7