(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155416
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】導電性グリース、導電性転がり軸受、およびモータ駆動装置
(51)【国際特許分類】
C10M 169/06 20060101AFI20221005BHJP
C10M 137/08 20060101ALI20221005BHJP
C10M 149/22 20060101ALI20221005BHJP
C10M 107/02 20060101ALI20221005BHJP
C10M 105/32 20060101ALI20221005BHJP
C10M 107/34 20060101ALI20221005BHJP
C10M 101/02 20060101ALI20221005BHJP
C10M 105/76 20060101ALI20221005BHJP
F16C 33/66 20060101ALI20221005BHJP
F16C 19/06 20060101ALI20221005BHJP
C10N 50/10 20060101ALN20221005BHJP
C10N 30/00 20060101ALN20221005BHJP
C10N 40/04 20060101ALN20221005BHJP
【FI】
C10M169/06
C10M137/08
C10M149/22
C10M107/02
C10M105/32
C10M107/34
C10M101/02
C10M105/76
F16C33/66 Z
F16C19/06
C10N50:10
C10N30:00 Z
C10N40:04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021058901
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174090
【弁理士】
【氏名又は名称】和気 光
(74)【代理人】
【識別番号】100100251
【弁理士】
【氏名又は名称】和気 操
(74)【代理人】
【識別番号】100205383
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 諭史
(72)【発明者】
【氏名】望月 雄太
【テーマコード(参考)】
3J701
4H104
【Fターム(参考)】
3J701AA02
3J701AA32
3J701AA42
3J701AA52
3J701AA62
3J701EA63
3J701EA72
3J701GA01
3J701GA24
3J701GA60
4H104BA07A
4H104BB31A
4H104BB41A
4H104BH08C
4H104CB14A
4H104CD01A
4H104CD04A
4H104CE15C
4H104DA02A
4H104FA02
4H104FA03
4H104FA04
4H104FA05
4H104FA06
4H104LA20
4H104PA02
4H104QA18
(57)【要約】
【課題】軸受において電食の発生を抑制し、軸受寿命の長期化に寄与する導電性グリース、およびこのグリースを封入した導電性転がり軸受を提供する。
【解決手段】導電性グリースは、ガリウム化合物からなる導電性粒子を含み、ポリエーテルリン酸エステルのアミン塩、またはポリエステル酸のアミドアミン塩を、導電性粒子に対して3質量%~100質量%含み、ガリウム化合物は、構成元素として、ガリウムと、チタン、亜鉛、アルミニウム、タリウム、ゲルマニウム、インジウム、アンチモン、セレン、テルル、スズ、リン、ヒ素、ケイ素、フッ素、窒素、および酸素のうちのいずれか1種または2種以上の元素とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性粒子を含む導電性グリースであって、
前記導電性粒子は、ガリウム化合物からなる粒子で、
前記導電性グリースは、ポリエーテルリン酸エステルのアミン塩、またはポリエステル酸のアミドアミン塩を、前記導電性粒子に対して3質量%~100質量%含むことを特徴とする導電性グリース。
【請求項2】
前記ガリウム化合物は、構成元素として、ガリウムと、チタン、亜鉛、アルミニウム、タリウム、ゲルマニウム、インジウム、アンチモン、セレン、テルル、スズ、リン、ヒ素、ケイ素、フッ素、窒素、および酸素のうちのいずれか1種または2種以上の元素とを含むことを特徴とする請求項1記載の導電性グリース。
【請求項3】
前記導電性粒子の平均一次粒子径が0.01μm~10μmであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の導電性グリース。
【請求項4】
前記導電性グリースの基油は、ポリ-α-オレフィン油、フッ素油、鉱油、エーテル油、グリコール油、およびエステル油から選ばれた少なくとも一つであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項記載の導電性グリース。
【請求項5】
内輪と外輪の軌道面間に複数の転動体を保持する転がり軸受であって、前記軌道面間に請求項1から請求項4までのいずれか1項記載の導電性グリースが封入されていることを特徴とする導電性転がり軸受。
【請求項6】
前記導電性転がり軸受は、回転翼および該回転翼を回転させるモータを有する駆動部を複数備え、前記回転翼の回転によって飛行する電動垂直離着陸機に搭載され、
前記駆動部における回転軸を支持する軸受であることを特徴とする請求項5記載の導電性転がり軸受。
【請求項7】
モータと、前記モータの回転を減速する減速機とを備えたモータ駆動装置であって、
前記モータのロータ軸、および、前記減速機のギアから選ばれる少なくとも1つを請求項5記載の導電性転がり軸受で支持することを特徴とするモータ駆動装置。
【請求項8】
前記モータ駆動装置が、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、または燃料電池自動車に用いられることを特徴とする請求項7記載のモータ駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は導電性グリース、この導電性グリースが封入された導電性転がり軸受、およびこの導電性転がり軸受を備えたモータ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車用補機は、ベルト伝達により、エンジンにて発生した駆動力を動力源として動いていたが、近年の省燃費化により電動化が進み、モータ駆動により動くようになった(モータは、電動モータとも呼ばれる)。また、産業機械は、従来からモータ駆動で動作するものが多く存在する。
【0003】
自動車用補機や産業機械用のモータなどは、年々小型化や高性能化、高出力化が求められており、使用条件が厳しくなってきている。これらには、密封深溝玉軸受(転がり軸受)が一般的に使用されている。
【0004】
モータに組み込まれる転がり軸受は、回路からの電流が軸受内部に流れ込むことで、転動体と軌道面間の転がり接触する面(以下、「転走面」という)の油膜を通してスパークすることがある。このスパークによって転走面が局部的に溶解する「電食」が発生し、軸受機能が低下する場合がある。
【0005】
このような不具合を発生させないように、軸受自体に導電性を具備させたいわゆる「導電性軸受」が用いられる場合がある。導電性軸受には、軸受内部に導電性グリースを封入したものがある。例えば、グリース自体の体積抵抗率を下げて(導電性を上げて)電食を防止するために、カーボンブラック粒子などを導電物質兼増ちょう剤とした導電性グリースを封入した軸受(特許文献1参照)が知られている。また、基油であるフッ素油にグラファイト粒子を増ちょう剤として配合した導電性グリースも知られている(特許文献2参照)。さらに、グリースの基油にイオン性液体を用い、増ちょう剤にカーボンブラックを用いた転がり軸受も提案されている(特許文献3参照 )。その他、封入するグリースにおいて、不動態被膜(酸化被膜)などを形成可能な添加剤を配合して電食を防止することも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-53890号公報
【特許文献2】特開2004-162909号公報
【特許文献3】特開2006-250323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1や特許文献2では、長期間の軸受の使用により、導電性物質が徐々に基油と分離したり、凝集したりすることにより、軸受の抵抗値が初期は低くても経時的に高くなり、電食が起こりやすくなる場合がある。また、特許文献3では、封入するグリースの体積抵抗率を下げるために、基油と増ちょう剤との組み合わせが限定され、幅広い種類の軸受について、長期間の軸受寿命を確保することが困難となるおそれがある。
【0008】
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、軸受において電食の発生を抑制し、軸受寿命の長期化に寄与する導電性グリース、およびこのグリースを封入した導電性転がり軸受などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の導電性グリースは、導電性粒子を含む導電性グリースであって、上記導電性粒子は、ガリウム化合物からなる粒子で、上記導電性グリースは、ポリエーテルリン酸エステルのアミン塩、またはポリエステル酸のアミドアミン塩を、上記導電性粒子に対して3質量%~100質量%含むことを特徴とする。
【0010】
上記ガリウム化合物は、構成元素として、ガリウムと、チタン、亜鉛、アルミニウム、タリウム、ゲルマニウム、インジウム、アンチモン、セレン、テルル、スズ、リン、ヒ素、ケイ素、フッ素、窒素、および酸素のうちのいずれか1種または2種以上の元素とを含むことを特徴とする。
【0011】
上記導電性粒子の平均一次粒子径が0.01μm~10μmであることを特徴とする。
【0012】
上記導電性グリースの基油は、ポリ-α-オレフィン油、フッ素油、鉱油、エーテル油、グリコール油、およびエステル油から選ばれた少なくとも一つであることを特徴とする。以下、ポリ-α-オレフィン油を「PAO油」という。
【0013】
本発明の導電性転がり軸受は、内輪と外輪の軌道面間に複数の転動体を保持する転がり軸受であって、上記軌道面間に上記導電性グリースが封入されていることを特徴とする。
【0014】
上記導電性転がり軸受は、回転翼および該回転翼を回転させるモータを有する駆動部を複数備え、上記回転翼の回転によって飛行する電動垂直離着陸機に搭載され、上記駆動部における回転軸を支持する軸受であることを特徴とする。
【0015】
本発明のモータ駆動装置は、モータと、上記モータの回転を減速する減速機とを備えたモータ駆動装置であって、上記モータのロータ軸、および、上記減速機のギアから選ばれる少なくとも1つを上記導電性転がり軸受で支持することを特徴とする。
【0016】
上記モータ駆動装置が、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、または燃料電池自動車に用いられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の導電性グリースは、導電性粒子を含む導電性グリースであって、導電性粒子は、ガリウム化合物からなる粒子で、導電性グリースは、ポリエーテルリン酸エステルのアミン塩、またはポリエステル酸のアミドアミン塩を、導電性粒子に対して3質量%~100質量%含むので、グリース中での導電性粒子の凝集が起こりにくく、均一な分散状態が維持される。その結果、この導電性グリースを封入した軸受を長期間使用した場合でも、当該グリースの導電性が長期間にわたり維持されやすい。これにより、転走面での油膜を通したスパークが起こりにくくなるので、電食の発生を抑制でき、軸受寿命を長期化できる。
【0018】
ガリウム化合物は、構成元素として、ガリウムと、チタン、亜鉛、アルミニウム、タリウム、ゲルマニウム、インジウム、アンチモン、セレン、テルル、スズ、リン、ヒ素、ケイ素、フッ素、窒素、および酸素のうちのいずれか1種または2種以上の元素とを含むので、このガリウム化合物を導電性粒子として含むグリースは、導電性に一層優れ、電食の発生を好適に抑制できる。
【0019】
導電性粒子の平均一次粒子径が0.01μm~10μmであるので、導電性粒子がグリースのちょう度を上昇させる増ちょう剤としても作用できる。これにより、グリースの増ちょうのみを目的とする増ちょう剤の配合量を低減でき、その結果グリース中の導電性粒子の配合割合を高められるので、当該グリースは導電性にさらに優れる。
【0020】
導電性グリースの基油は、PAO油、フッ素油、鉱油、エーテル油、グリコール油、およびエステル油から選ばれた少なくとも一つであるので、当該グリースは耐熱性に優れ、軸受が高温となる過酷条件下でも、当該グリースが封入された転がり軸受の軸受寿命を長期化できる。
【0021】
本発明の導電性転がり軸受は、内輪と外輪の軌道面間に複数の転動体を保持する転がり軸受であって、軌道面間に本発明の導電性グリースが封入されているので、転走面の表面で電食が発生しにくく、長期間の軸受寿命を有する。
【0022】
また、近年において開発が進められている電動垂直離着陸機では、モータが高容量化され電食の発生が懸念されるところ、本発明の導電性転がり軸受は、上記特性を有する導電性グリースを有しているので、駆動部における回転軸を支持する軸受として利用することで電食の発生を抑制できる。
【0023】
本発明のモータ駆動装置は、モータのロータ軸、および、減速機のギアから選ばれる少なくとも1つを、上記特性を有する導電性グリースを備えた導電性転がり軸受で支持するので、電食の発生を抑制できる。
【0024】
電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、または燃料電池自動車が備えるモータ駆動装置は、ガソリン自動車が備える補機用のモータよりも容量が大きく、モータのロータ軸に発生する電圧(軸電圧)が高い。そのため、モータ駆動装置に電食の発生が懸念されるが、本発明の導電性転がり軸受を適用することで、電食を好適に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の導電性転がり軸受を使用したモータの概略断面図である。
【
図3】本発明の転がり軸受が搭載される電動垂直離着陸機の斜視図である。
【
図4】電動垂直離着陸機の駆動部におけるモータの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の導電性グリースは、少なくとも、基油と、導電性粒子と、分散剤とを含み、一形態として、基油と、増ちょう剤と、導電性粒子と、分散剤とを含む。なお、導電性粒子によってグリースに増ちょう作用を付与する場合には、導電性粒子を導電物質兼増ちょう剤として使用し、石けん類やウレア系化合物などの一般的な増ちょう剤を含まない構成とすることもできる。本発明の導電性グリースには、さらに、一般的なグリース組成物に添加される極圧剤、酸化防止剤、防錆剤・金属不活性化剤、油性剤などの添加剤を配合してもよい。
【0027】
本発明の導電性グリースは、ガリウム化合物からなる導電性粒子を含む。これにより、グリースは優れた導電性を有する。ガリウム化合物は、長期的な安定性の観点から、構成元素として、ガリウムと、チタン、亜鉛、アルミニウム、タリウム、ゲルマニウム、インジウム、アンチモン、セレン、テルル、スズ、リン、ヒ素、ケイ素、フッ素、窒素、および酸素のうちのいずれか1種または2種以上の元素とを含むことが好ましい。
【0028】
ガリウム化合物からなる導電性粒子としては、例えば、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)粒子、インジウムガリウムドープ酸化亜鉛粒子、酸化ガリウム(Ga2O3)粒子、窒化ガリウム(GaN)粒子、リン化ガリウム(GaP)粒子、ヒ化ガリウム(GaAs)粒子などを用いることができる。GZOおよびインジウムガリウムドープ酸化亜鉛は、酸化物半導体として知られる酸化亜鉛にガリウムや、インジウムをドープすることにより、導電性を向上させた物質である。これらは合成の条件により、種々の形状や、粒径、層構造、表面状態とすることができる。本発明の導電性グリースに用いる導電性粒子としては、導電性、原料コスト、および生産性の観点から、GZO粒子が特に好ましい。
【0029】
GZO粒子は、従来より種々の用途で導電性粒子として用いられているグラファイトなどの炭素系導電性粒子と比較して、粒子表面に多くの水酸基を有する。粒子表面の水酸基は、他の有機成分中での分散性向上のために用いられる分散剤や、表面処理材と、相互作用したり、化学結合を形成したりする。そのため、炭素系導電性粒子よりも多くの水酸基を有するGZO粒子は、分散剤による分散効果が発現しやすく、基油や増ちょう剤などのグリース中の種々の成分との親和性に優れ、軸受が長期間使用された場合でも、グリース中での均一な分散状態が維持されやすいと考えられる。
【0030】
導電性粒子は、平均一次粒子径が0.01μm~10μmであることが好ましく、0.02μm~1μmであることがより好ましく、0.02μm~0.1μmであることがさらに好ましい。導電性粒子の平均一次粒子径が0.01μm~10μmである場合、グリースを増ちょうさせる増ちょう効果と、転走面へのグリースの広がりやすさとを両立しやすくなる。なお、平均一次粒子径は、例えば、レーザ光散乱法を利用した粒子径分布測定装置、電子顕微鏡などを用いて測定できる。
【0031】
導電性粒子がGZO粒子の場合、平均一次粒子径は0.02μm~0.04μmであることが好ましく、導電性粒子がGa2O3粒子の場合、平均一次粒子径は0.8μm~2.4μmであることが好ましい。また、導電性粒子がGaN粒子の場合、平均一次粒子径は0.1μm~2.0μmであることが好ましい。
【0032】
導電性粒子の平均一次粒子径が0.02μm~0.1μmである場合、増ちょう作用により優れる。また、この増ちょう作用によって、一般的な増ちょう剤の配合量を低減でき、それに伴いグリース中の導電性粒子の配合割合を高められるので、導電性に一層優れるグリースになる。また、導電性粒子の平均一次粒子径が0.02μm~0.1μmの超微粒子である場合、当該導電性粒子を含むグリースは可視光の吸収および散乱が起こりにくいため、可視光透過性(透明性)に優れる。そのため、このグリースを封入した転がり軸受の使用後の点検を外観検査などにより行う場合に、より粗大で光散乱が起きやすく可視光吸収性の粒子を含むグリースを封入した軸受に比べて、外観検査が行いやすい。具体的には、軸受を分解する必要がなくなることで点検を容易化できるとともに、転走面の劣化状態などをより正確に把握でき、ひいては軸受寿命の長期化に繋がる。
【0033】
転がり軸受は、用途や使用条件によっては、軸受の温度が上昇する場合があるが、軸受の温度が高温まで上昇する場合、増ちょう剤や基油が劣化し、軸受寿命が低下するおそれがある。また、転がり軸受の内輪と外輪のうちの一方の温度が過度に上昇し、内輪と外輪の間の温度差が大きくなると、予圧が変動し、転走面が傷付き、軸受寿命が低下するおそれもある。これに対し、ガリウム化合物からなる導電性粒子は、熱伝導性も有することから熱伝導性グリースとしても作用する。これにより、軸受から熱を放熱して温度上昇を抑制したり、内輪と外輪の間の温度差を小さくしたりできるので、軸受寿命を長期化できる。
【0034】
導電性粒子は、平均一次粒子径、比表面積、吸油量などをもとに選定できる。導電性粒子としては、例えば、ハクスイテック株式会社製のGZO粒子であるPazet GK-40などを用いることができる。これは、平均一次粒子径が20~40nm、比表面積30~50m2/g、吸油量30~50ml/100gである。
【0035】
本発明の導電性グリースには、ガリウム化合物からなる導電性粒子以外に、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子、窒化アルミニウム粒子、ダイヤモンド粒子、金粒子、銀粒子、銅粒子、ニッケル粒子、インジウム粒子、金属ケイ素粒子、シリカ粒子、炭素系粒子などの従来公知の熱伝導性粒子を、目的に応じて配合してもよい。
【0036】
導電性粒子の配合割合は、導電性グリース全体に対して3質量%~50質量%が好ましい。配合割合をこの範囲にすることで電食の抑制に必要な導電性が得られる。また、導電性粒子を導電物質兼増ちょう剤として用いる場合、その配合割合は、導電性グリース全体に対して10質量%~50質量%が好ましく、10質量%~40質量%がより好ましい。配合割合を10質量~50質量%とすることで電食の抑制に必要な導電性と、増ちょう効果、および優れた流動性が得られる。当該グリースは流動性に優れるため、軸受の使用時、転走面にグリースが広がり、優れた電食効果を発現する。
【0037】
本発明の導電性グリースは、分散剤としてポリエーテルリン酸エステルのアミン塩、またはポリエステル酸のアミドアミン塩のうちの少なくとも一つを含む。
【0038】
本発明の導電性グリースに使用できるポリエーテルリン酸エステルのアミン塩としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルおよび高級アルコールリン酸エステルなどのリン酸エステルのアミン塩が挙げられる。
【0039】
ポリエーテルリン酸エステルのアミン塩は、導電性グリース中の導電性粒子の濡れを促進し、導電性粒子の配合割合の増加、導電性グリースの増粘抑制、分散時間の短縮などの効果を発揮できる。ポリエーテルリン酸エステルのアミン塩の市販品としては、楠本化成社製:ディスパロンDA-325(淡黄色~黄褐色の粘ちょう液体、加熱残分:95質量%以上、酸価:14、アミン価:20)を挙げることができる。
【0040】
本発明の導電性グリースに使用できるポリエステル酸のアミドアミン塩は、テトラカルボン酸二無水物とアルコール性ジオールとジアミン化合物とを反応させてポリアミド酸とした後にイミド化させることなどで得られる。反応順序は、テトラカルボン酸二無水物とアルコール性ジオールとを反応させた後にジアミンと反応させてもよいし、その反対に、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させた後にアルコール性ジオールと反応させてもよい。
【0041】
ポリエステル酸のアミドアミン塩は、上記ポリエーテルリン酸エステルのアミン塩と同様に、導電性グリース中の導電性粒子の濡れを促進し、導電性粒子の配合割合の増加、導電性グリースの増粘抑制、分散時間の短縮などの効果を発揮できる。高分子量ポリエステル酸アミドアミン塩の市販品としては、楠本化成株式会社製:ディスパロンDA-703-50、ディスパロンDA-725、ディスパロンDA-705などが挙げられる。
【0042】
本発明の導電性グリースに配合するポリエーテルリン酸エステルのアミン塩、またはポリエステル酸のアミドアミン塩の配合割合は、導電性粒子の配合量に対して3質量%~100質量%である。配合割合が3質量%~100質量%である場合、該グリースを封入した転がり軸受において、グリース中での導電性粒子の凝集が起こりにくく、均一な分散状態が維持される。これにより、初期の導電性が維持されることで電食が発生しにくく、軸受を長期にわたり使用できる。
【0043】
ガリウム化合物からなる導電性粒子は、粒子表面に水酸基を有しているとともに、弱塩基性の表面を有するため、グラファイトなどの炭素系導電性粒子と比較して、上述のアミン塩や、アミドアミン塩の分散剤との相互作用が特に起こりやすい。そのため、ガリウム化合物からなる導電性粒子に対して、ポリエーテルリン酸エステルのアミン塩、またはポリエステル酸のアミドアミン塩は、少ない配合量でも導電性粒子表面のゼータ電位が最適化され、粒子同士が凝集しにくくなると考えられる。
【0044】
導電性グリースに配合するポリエーテルリン酸エステルのアミン塩、またはポリエステル酸のアミドアミン塩の配合割合は、より好ましくは導電性粒子の配合量に対して3質量%~50質量%であり、さらに好ましくは3質量~30質量%である。一般的に、一定重量の粒子において、粒子径が小さくなるほど粒子表面積の総和が増大するため、粒子凝集抑制のために必要な分散剤の量も増えやすい。一方、グリース中における分散剤の量が増えすぎると、その他の成分の量が相対的に減るため、軸受特性の低下に繋がるおそれがあり好ましくない。本発明の導電性グリースでは、ガリウム化合物からなる導電性粒子と、ポリエーテルリン酸エステルのアミン塩、またはポリエステル酸のアミドアミン塩を組み合わせることで、少量の分散剤でより多くの導電性粒子を分散できる。
【0045】
上述のように、ガリウム化合物からなる導電性粒子は、導電性および熱伝導性を有するとともに、導電性粒子粒子以外の増ちょう剤や分散剤の配合量を低減できるため、グリースの導電性および熱伝導性に優れ、当該グリースを用いた軸受寿命の長期化に寄与する。
【0046】
本発明で使用できる基油としては、特に限定されず、通常のグリースの分野で使用される一般的なものを使用できる。例えば、スピンドル油、冷凍機油、タービン油、マシン油、ダイナモ油などの鉱油、高度精製鉱油、流動パラフィン油、ポリブテン油、フィッシャー・トロプシュ法により合成されたGTL油、PAO油、アルキルナフタレン油、脂環式化合物などの炭化水素系合成油、アルキルベンゼン油、または、天然油脂、ポリオールエステル油、りん酸エステル油、ポリマーエステル油、芳香族エステル油、炭酸エステル油、ジエステル油などのエステル油、ポリアルキレングリコール油などのグリコール油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油などのエーテル油、シリコーン油、フッ素油などの非炭化水素系合成油などが挙げられる。これらを単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0047】
これらの中でも、耐熱性および潤滑性に優れることから、PAO油、フッ素油、鉱油、エーテル油、グリコール油、およびエステル油から選ばれる少なくとも1つの油を用いることが好ましい。
【0048】
基油の動粘度(混合油の場合は、混合油の動粘度)としては、40℃において10~200mm2/sが好ましい。より好ましくは10~120mm2/sである。動粘度が10mm2/s以上の基油を用いることで蒸発量を低くでき、軸受寿命を長期化できる。また、200mm2/s以下の動粘度の基油は潤滑性に優れ、軸受としての使用に適する。
【0049】
本発明の導電性グリースに使用できる増ちょう剤は、特に限定なく使用できる。例えば、リチウム石けん、リチウムコンプレックス石けん、力ルシウム石けん、カルシウムコンプレックス石けん、アルミニウム石けん、アルミニウムコンプレックス石けんなどの石けん類、ジウレア化合物、ポリウレア化合物などのウレア系化合物、PTFE樹脂などのフッ素樹脂、などが挙げられる。また、グリースの導電性を十分に高めるため、増ちょう剤として、ガリウム化合物からなる上記の導電性粒子を使用してもよい。
【0050】
本発明の導電性グリースが封入された導電性転がり軸受の一実施形態を
図1に基づいて説明する。モータの回転子を支持する導電性転がり軸受の一例を
図1に示す。
図1(a)は該軸受を出力モータ用軸受に使用したモータの概略断面図であり、
図1(b)は
図1(a)のA部拡大図である。
図1(a)および(b)に示すように、モータ10は、主軸11と連動するプーリ17にベルト18を装着して負荷対象を回転させている。主軸11にロータ13が取り付けられ、その一端にプーリ17が取り付けられ、空調用ファンなどを回転させるベルト18が装着されている。また、主軸11は、ロータ13の両端に取り付けられた第1ラジアル玉軸受15および第2ラジアル玉軸受16により、フランジ14に回転自在に軸支されている。フランジ14には、ロータ13に対向してステータ12が固定されている。さらに、波形ばね座金19がフランジ14と第2ラジアル玉軸受16との間に位置して予圧を付与している。第1ラジアル玉軸受15および第2ラジアル玉軸受16が、本発明の導電性転がり軸受であり、主軸11を介して回転子であるロータ13を支持している。
【0051】
図1(a)および(b)では、ばねを用いて予圧する方法が採用され、さらばね、波形ばね座金19などがフランジ14と第2ラジアル玉軸受16との間に位置して予圧を付与している状態を示している。第2ラジアル玉軸受16は、
図1(b)に示すように、内方部材としての内輪2、外方部材としての外輪3、転動体としての複数の玉4、および複数の玉4を保持する保持器5を備えている。さらに、内輪2および外輪3の軸方向両端開口部には、図示しないシール部材が設けられ、玉4の周囲に導電性グリースが封入されている。また、第1ラジアル玉軸受15は、第2ラジアル玉軸受16と同様の構造である。この形態では、第1ラジアル玉軸受15および第2ラジアル玉軸受16として、深溝玉軸受を使用している。なお、深溝玉軸受の他に、必要に応じて、例えばアンギュラ玉軸受、円筒ころ軸受、円すいころ軸受、自動調心ころ軸受、針状ころ軸受、スラスト円筒ころ軸受、スラスト円すいころ軸受、スラスト針状ころ軸受、スラスト自動調心ころ軸受なども採用することもできる。
【0052】
上記の導電性転がり軸受(深溝玉軸受)の詳細を
図2に基づいて説明する。
図2は、該軸受の断面図である。導電性転がり軸受1は、深溝玉軸受であり、外周面に内輪転走面2aを有する内輪2と内周面に外輪転走面3aを有する外輪3とが同心に配置され、内輪転走面2aと外輪転走面3aとの間に複数個の転動体である玉4が配置される。また、この複数個の転動体である玉4を保持する保持器5が設けられている。また、外輪3などに固定されるシール部材6が、内輪2および外輪3の軸方向両端開口部8a、8bに設けられている。少なくとも玉4の周囲に導電性グリース7が封入されている。
【0053】
内輪、外輪、転動体、保持器などの軸受部材は、鉄系金属材料で形成できる。本発明では上述した導電性グリースの作用により電食を防止するため、これらの軸受部材についてセラミックス材料を用いる必要がない。鉄系金属材料としては、軸受分野で一般的に用いられる任意の材料であり、例えば、高炭素クロム軸受鋼(SUJ1、SUJ2、SUJ3、SUJ4、SUJ5など;JIS G 4805)、浸炭鋼(SCr420、SCM420など;JIS G 4053)、ステンレス鋼(SUS440Cなど;JIS G 4303)、高速度鋼(M50など)、冷間圧延鋼などが挙げられる。
【0054】
本発明の導電性転がり軸受は、軸受の軌道面間に導電性グリースが封入されているので、転走面に電食が発生しにくく、長期の軸受寿命を有する。
【0055】
また、近年では、自動車に代わる移動手段として飛行可能な自動車、いわゆる空飛ぶクルマが注目されている。空飛ぶクルマは、上記の社会的問題の解消に期待されており、地域内移動、地域間移動、観光・レジャー、救急医療、災害救助など、様々な場面での活用が期待されている。
【0056】
空飛ぶクルマとしては、垂直離着陸機(VTOL;Vertical Take-Off and Landing aircraft)が注目されている。垂直離着陸機は、空と離発着場を垂直に昇降できることから、滑走路が必要とならず、利便性に優れる。特に、近年ではCO2の削減に向けた社会的要請などからバッテリとモータで飛行するタイプの電動垂直離着陸機(eVTOL)が開発の主流となっている。
【0057】
本発明の転がり軸受が搭載される電動垂直離着陸機について、
図3に基づいて説明する。
図3に示す電動垂直離着陸機21は、機体中央に位置する本体部22と、前後左右に配置された4つの駆動部23を有するマルチコプターである。駆動部23は、電動垂直離着陸機21の揚力および推進力を発生させる装置であり、駆動部23の駆動によって電動垂直離着陸機21が飛行する。電動垂直離着陸機21において駆動部23は複数あればよく、4つに限定されない。
【0058】
本体部22は乗員(例えば1~2名程度)が搭乗可能な居住空間を有している。この居住空間には、進行方向や高度などを決めるための操作系や、高度、速度、飛行位置などを示す計器類などが設けられている。本体部22からは4本のアーム22aがそれぞれ延び、各アーム22aの先端に駆動部23が設けられている。
図3において、アーム22aには、回転翼24を保護するため、回転翼24の回転周囲を覆う円環部が一体に設けられている。また、本体部22の下部には、着陸時に機体を支えるスキッド22bが設けられている。
【0059】
駆動部23は、回転翼24と、該回転翼24を回転させるモータ25とを有する。駆動部23において、回転翼24はモータ25を挟んで軸方向両側に一対設けられている。各回転翼24は、径方向外側へ延びる2枚の羽根をそれぞれ有する。
【0060】
本体部22には、バッテリ(図示省略)および制御装置(図示省略)が設けられている。制御装置はフライトコントローラとも呼ばれる。電動垂直離着陸機21の制御は、制御装置によって、例えば以下のように実施される。制御装置が、現姿勢と目標姿勢の差から揚力を調整すべきモータ25に回転数変更の指令を出力する。その指令に基づいて、モータ25に備えられたアンプがバッテリからモータ25へ送る電力量を調整し、モータ25(および回転翼24)の回転数が変更される。また、モータ25の回転数の調整は、複数のモータ25に対して、同時に実施され、それによって機体の姿勢が決まる。
【0061】
図4は、駆動部におけるモータの概略断面図を示している。
図4において、モータ25の回転軸27の一端側(図上側)には上述の回転翼が取り付けられ、他端側(図下側)にはロータが取り付けられる。ロータは、ハウジング26に固定されたステータに対向配置され、該ステータに対して回転可能になっている。なお、モータ25は、アウターロータ型のブラシレスモータや、インナーロータ型のブラシレスモータの構成を採用できる。
【0062】
図4において、モータ25は、ハウジング(装置ハウジング)26と、ロータ(図示省略)と、ステータ(図示省略)と、アンプ(図示省略)と、2個の転がり軸受31、31とを備える。ハウジング26は外筒26aと内筒26bを有し、これらの間には冷却媒体流路26cが設けられている。この流路26cに冷却媒体を流すことにより、過度の温度上昇を防止できる。ハウジング26の材質は特に限定されず、例えば鉄系材料やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)などを用いることができる。
【0063】
また、転がり軸受31は、ハウジング26内で回転軸27を回転自在に支持している。
図4において、転がり軸受31の外輪33の外径形状は、ハウジング内周の嵌合部と同一の形状であり、ハウジング26に対して、軸受ハウジングなどを介さずに直接嵌合される。転がり軸受31および31の間には内輪間座28、外輪間座29が挿入され、予圧が印加されている。
【0064】
電動垂直離着陸機では、ドローンに比べて、モータが高容量化されることから、駆動電流が大きくなり、そのモータの回転軸に発生する電圧(軸電圧)が増大すると考えられる。それに伴って、電食の発生が懸念されるが、本発明の導電性転がり軸受を適用することで、電食を好適に防止できる。
【0065】
なお、駆動部における軸受構成は、
図4の構成に限定されない。
図4では、モータの回転軸と回転翼の回転軸とを同一の回転軸としたが、モータの回転軸と回転翼の回転軸とが伝達機構を介して接続された構成であってもよい。この場合、駆動部における回転軸を支持する転がり軸受は、モータの回転軸を支持する転がり軸受でもよく、回転翼の回転軸を支持する転がり軸受でもよい。
【0066】
また、二酸化炭素排出量削減の観点から、ガソリン車やディーゼル車などの内燃機関車(以下、ガソリン車)から電気で駆動する自動車への移行が進んでいる。電気で駆動する自動車としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、燃料電池自動車(FCEV)などが開発されており、ハイブリッド自動車をはじめ、電気で駆動する自動車は近年急速に普及しつつある。
【0067】
本発明の転がり軸受を備えたモータ駆動装置の一例について、
図5に基づいて説明する。
図5は、本発明のモータ駆動装置の一実施形態の概略断面図である。
図5に示すモータ駆動装置40は、モータ41と、モータ41の回転を減速する減速機42とを備える。モータ41は転がり軸受43を有し、減速機42は転がり軸受44を有する。転がり軸受43はモータ41のロータ軸45を支持し、転がり軸受44は減速機42のギア46、47を支持する。モータ駆動装置において、減速機が備えるギアは複数あればよく、2つに限定されない。また、モータ駆動装置が備える転がり軸受の個数、位置、大きさなども
図5の態様に限られない。
【0068】
電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、または燃料電池自動車が備えるモータ駆動装置は、大きな駆動力を発生させるために、ガソリン自動車が備える補機用のモータよりも容量が大きく、モータのロータ軸に発生する電圧(軸電圧)が高い。それに伴って、モータ駆動装置が備える軸受には電食の発生が懸念されるが、本発明の導電性転がり軸受を適用することで、電食を好適に防止できる。このため、本発明のモータ駆動装置は、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、または燃料電池自動車に好適に用いられる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の導電性グリースは、導電性に優れることにより、軸受において電食の発生を抑制できるので、軸受寿命の長期化に寄与する。これにより、この導電性グリースが封入された導電性転がり軸受は、長期間の軸受寿命が要求される種々の用途の転がり軸受に好適に使用できる。特に、自動車用補機や産業機械用のモータに用いる転がり軸受や、電動垂直離着陸機の駆動部における転がり軸受、さらには、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、または燃料電池自動車が備えるモータ駆動装置に用いる転がり軸受などに好適である。
【符号の説明】
【0070】
1 導電性転がり軸受
2 内輪
3 外輪
4 玉(転動体)
5 保持器
6 シール部材
7 導電性グリース
8a 開口部
8b 開口部
10 モータ
11 主軸
12 ステータ
13 ロータ(回転子)
14 フランジ
15 第1ラジアル玉軸受
16 第2ラジアル玉軸受
17 プーリ
18 ベルト
19 波形ばね座金
21 電動垂直離着陸機
22 本体部
23 駆動部
24 回転翼
25 モータ
26 ハウジング
27 回転軸
28 内輪間座
29 外輪間座
30 ノズル部材
31 転がり軸受
32 内輪
33 外輪
34 玉
35 保持器
40 モータ駆動装置
41 モータ
42 減速機
43、44 転がり軸受
45 ロータ軸
46、47 ギア