(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155427
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】ブレード研磨アセンブリ
(51)【国際特許分類】
B24B 3/36 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
B24B3/36 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021096287
(22)【出願日】2021-06-09
(31)【優先権主張番号】17/217134
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521251213
【氏名又は名称】チューンズ キッチンウェア エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ング、 チェン チューン
【テーマコード(参考)】
3C158
【Fターム(参考)】
3C158AA02
3C158AC01
3C158CA01
3C158DB01
3C158DB08
3C158DB09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】研磨ストロークの一定の反復可能な角度を提供し、初心者ユーザと熟練ユーザが同様に所望のエッジ研磨度を得ることを可能にするナイフ研磨アッセンブリを提供する。
【解決手段】ナイフ研磨アセンブリ20は、少なくとも1つのトラック22と、ナイフエッジを研磨面に対して保持するように構成された保持部及び案内部と、案内部を研磨面に対して整列させて、シャトル24の移動を案内するように構成され、シャトル24は、案内部及び保持部を研磨石26に対して支持する支持部を含む。案内部及び保持部は、研磨ストローク中にシャトル24が移動するときに、ナイフブレードを研磨石26に対して所望の角度で保持及び方向付けを行うように組み合わされる。案内部は、研磨を可能にするための研磨石26の研磨面に対するナイフブレードの角度を一定のエッジ角度に設定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのトラックと、
ブレードエッジを研磨面に対して保持するように構成された案内部及び保持部、並びに前記案内部を前記研磨面に対して整列させてシャトルの移動を案内するように構成された支持部を含むシャトルと
を備える、ブレード研磨アセンブリ。
【請求項2】
前記案内部及び前記保持部は、前記研磨面に対して所定の角度でブレードを方向付ける、請求項1に記載のブレード研磨アセンブリ。
【請求項3】
前記案内部は、前記研磨面に対して一定の角度で前記ブレードを案内する表面を備える、請求項2に記載のブレード研磨アセンブリ。
【請求項4】
前記保持部は、ブレードを受け入れるように構成されたギャップを画定するために前記案内部から離間された接触点を含む、請求項3に記載のブレード研磨アセンブリ。
【請求項5】
前記保持部は、前記接触点の位置を調整するために相対的に移動可能であり、対応する少なくとも1つの垂直スロット内に受け入れられた少なくとも1つの垂直リブによって前記シャトル上に整列され、前記保持部は、異なる厚さのブレードを受け入れるように前記ギャップを調整するために前記シャトルに沿って移動可能である、請求項4に記載のブレード研磨アセンブリ。
【請求項6】
前記案内部は、案内マウントと、前記案内マウントに取り付けられる少なくとも1つの案内プレートとを含み、前記少なくとも1つの案内プレートは、前記研磨面に対する前記ブレードの研磨角度を画定する、請求項4に記載のブレード研磨アセンブリ。
【請求項7】
前記トラックは、排出穴を備えた凹部を含む、請求項4に記載のブレード研磨アセンブリ。
【請求項8】
前記案内部は、前記研磨面に対して傾斜した平面内に配置された表面を含む、請求項1に記載のブレード研磨アセンブリ。
【請求項9】
前記研磨面に対する前記案内部及び前記保持部の位置は、研磨角度を画定するように調整可能である、請求項1に記載のブレード研磨アセンブリ。
【請求項10】
前記トラックは、長手方向部分を有する少なくとも1つの周辺チャネルを備え、前記長手方向部分は、前記支持部を部分的に受け入れるように構成される、請求項4に記載のブレード研磨アセンブリ。
【請求項11】
前記支持部は、前記研磨面に対する前記シャトルの位置を設定するために、前記少なくとも1つのトラック上に配置された当接部に接触する少なくとも1つの停止部を含む、請求項10に記載のブレード研磨アセンブリ。
【請求項12】
前記シャトルは、前記トラックに対して回転可能である、請求項4に記載のブレード研磨アセンブリ。
【請求項13】
前記トラックは、内壁と外壁との間に画定されるトラック幅を含み、前記シャトルは、前記外壁に当接する湾曲した外面を含む、請求項12に記載のブレード研磨アセンブリ。
【請求項14】
前記案内部及び前記保持部は、長手方向軸に対して引張角度で配置された横方向軸を画定する、請求項12に記載のブレード研磨アセンブリ。
【請求項15】
前記引張角度は、0度より大きくかつ90度より小さい、請求項14に記載のブレード研磨アセンブリ。
【請求項16】
前記引張角度は、ブレードが前記案内部及び前記保持部を通って引っ張られる方向となる、請求項14に記載のブレード研磨アセンブリ。
【請求項17】
シャトルの案内部が研磨面の上で支持されるようにシャトルをトラック内に配置するステップと、
前記シャトルの前記案内部と保持部との間で前記研磨面に対してブレードを保持するステップと、
前記保持部と前記案内部との間で前記研磨面に対して前記ブレードのエッジが保持された状態で、前記研磨面に沿って前記シャトルを移動させるステップと
を含む、ブレードを研磨する方法。
【請求項18】
前記ブレードを前記研磨面に沿って長手方向に案内するステップと、前記シャトルの長手方向の移動に対して横方向に前記ブレードを引くステップとを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ブレードを保持するステップは、前記ブレードの一方の側に接触点を押し付けるように押圧面を押圧すること、及び前記案内部と反対側で前記ブレードを支持することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記シャトルを長手方向軸に対して回転させるステップと、前記長手方向軸に対して横方向の引張軸に沿って前記ブレードを引くステップとを含み、横方向の軸は、前記長手方向軸に対して90度未満かつ0度より大きい引張角度で配置される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ブレードを研磨するために利用されるアセンブリに関し、より詳細には、研磨中にブレードを保持及び案内するためのアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ナイフは、使い込むほどに鈍化及び劣化し、所望の鋭利性を保持するためには定期的に研磨する必要がある。ナイフの鋭利性は、エッジ幅とナイフのエッジの半径によって決定される。エッジに通じるナイフのエッジの角度も、ナイフの耐久性及び有用性に寄与する要素である。ナイフの研磨は、粗さ、きめのサイズ、材質の異なる研磨石を使用することによって行うことができる。利用できる石の構成には多くの種類がある。しかしながら、どのような石であっても、正確で一定の角度を得ることが、どのようなナイフにおいても所望のエッジの使用及び取得を成功させるための鍵である。
【0003】
本明細書に提供される背景説明は、本開示の文脈を一般的に提示するためのものである。この背景の節に記載されている範囲において、現名称の発明者の業績、並びに、出願時に先行技術としての資格を有しない記載の態様は、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められるものではない。
【発明の概要】
【0004】
開示された例示的な実施形態によるブレード研磨アセンブリは、とりわけ、少なくとも1つのトラックと、ブレードエッジを研磨面に対して保持するように構成された案内部及び保持部、並びに前記案内部を前記研磨面に対して整列させてシャトルの移動を案内するように構成された支持部を含むシャトルとを含む。
【0005】
前述のブレード研磨アセンブリの別の例示的な実施形態では、前記案内部及び前記保持部は、前記研磨面に対して所定の角度でブレードを方向付ける。
【0006】
前述のブレード研磨アセンブリのいずれかの別の例示的な実施形態では、前記案内部は、前記研磨面に対して一定の角度で前記ブレードを案内する表面を備える。
【0007】
前述のブレード研磨アセンブリのいずれかの別の例示的な実施形態では、前記保持部は、ブレードを受け入れるように構成されたギャップを画定するために前記案内部から離間された接触点を含む。
【0008】
前述のブレード研磨アセンブリのいずれかの別の例示的な実施形態では、前記保持部は、前記接触点の位置を調整するために相対的に移動可能であり、対応する少なくとも1つの垂直スロット内に受け入れられた少なくとも1つの垂直リブによって前記シャトル上に整列され、前記保持部は、異なる厚さのブレードを受け入れるように前記ギャップを調整するために前記シャトルに沿って移動可能である。
【0009】
前述のブレード研磨アセンブリのいずれかの別の例示的な実施形態では、前記案内部は、案内マウントと、前記案内マウントに取り付けられる少なくとも1つの案内プレートとを含み、前記少なくとも1つの案内プレートは、前記研磨面に対する前記ブレードの研磨角度を画定する。
【0010】
前述のブレード研磨アセンブリのいずれかの別の例示的な実施形態では、前記トラックは、排出穴を備えた凹部を含む。
【0011】
前述のブレード研磨アセンブリのいずれかの別の例示的な実施形態では、前記案内部は、前記研磨面に対して傾斜した平面内に配置された表面を含む。
【0012】
前述のブレード研磨アセンブリのいずれかの別の例示的な実施形態では、前記研磨面に対する前記案内部及び前記保持部の位置は、研磨角度を画定するように調整可能である。
【0013】
前述のブレード研磨アセンブリのいずれかの別の例示的な実施形態では、前記トラックは、長手方向部分を有する少なくとも1つの周辺チャネルを備え、前記長手方向部分は、前記支持部を部分的に受け入れるように構成される。
【0014】
前述のブレード研磨アセンブリのいずれかの別の例示的な実施形態では、前記支持部は、前記研磨面に対する前記シャトルの位置を設定するために、前記少なくとも1つのトラック上に配置された当接部に接触する少なくとも1つの停止部を含む。
【0015】
前述のブレード研磨アセンブリのいずれかの別の例示的な実施形態では、前記シャトルは、前記トラックに対して回転可能である。
【0016】
前述のブレード研磨アセンブリのいずれかの別の例示的な実施形態では、前記トラックは、内壁と外壁との間に画定されるトラック幅を含み、前記シャトルは、前記外壁に当接する湾曲した外面を含む。
【0017】
前述のブレード研磨アセンブリのいずれかの別の例示的な実施形態では、前記案内部及び前記保持部は、長手方向軸に対して引張角度で配置された横方向軸を画定する。
【0018】
前述のブレード研磨アセンブリのいずれかの別の例示的な実施形態では、前記引張角度は、0度より大きくかつ90度より小さい。
【0019】
上記のブレード研磨アセンブリのいずれかの別の例示的な実施形態では、前記引張角度は、ブレードが前記案内部及び前記保持部を通って引っ張られる方向となる。
【0020】
開示された別の例示的な実施形態によるブレードを研磨する方法は、とりわけ、シャトルの案内部が研磨面の上で支持されるようにシャトルをトラック内に配置するステップと、前記シャトルの前記案内部と保持部との間で前記研磨面に対してブレードを保持するステップと、前記保持部と前記案内部との間で前記研磨面に対して前記ブレードのエッジが保持された状態で、前記研磨面に沿って前記シャトルを移動させるステップとを含む。
【0021】
前述の方法の別の例示的な実施形態は、前記ブレードを前記研磨面に沿って長手方向に案内するステップと、前記シャトルの長手方向の移動に対して横方向に前記ブレードを引くステップとを含む。
【0022】
前述の方法のいずれかの別の例示的な実施形態では、前記ブレードを保持するステップは、前記ブレードの一方の側に接触点を押し付けるように押圧面を押圧すること、及び前記案内部と反対側で前記ブレードを支持することを含む。
【0023】
前述の方法のいずれかの別の例示的な実施形態では、前記シャトルを長手方向軸に対して回転させるステップと、前記長手方向軸に対して横方向の引張軸に沿って前記ブレードを引くステップとを含み、横方向の軸は、前記長手方向軸に対して90度未満かつ0度より大きい引張角度で配置される。
【0024】
異なる例は図示される特定の構成要素を有するが、本開示の実施形態は、これらの特定の組み合わせに限定されない。ある例示の構成要素又は特徴のいくつかを別の例示の特徴又は構成要素と組み合わせて使用することも可能である。
【0025】
本明細書に開示されたこうした特徴及び他の特徴は、以下の明細書及び図面から最良に理解することができる。以下は図面の簡単な説明である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】例示的なナイフ研磨アセンブリの斜視図である。
【
図2】例示的なナイフ研磨アセンブリの正面図である。
【
図3】例示的なナイフ研磨アセンブリの側面図である。
【
図4】ナイフ研磨アセンブリの例示的なトレイの斜視図である。
【
図10】ナイフ研磨アセンブリの例示的なシャトル内に配置されたナイフの側面図である。
【
図12A】例示的なナイフ研磨アセンブリを用いてナイフを研磨する場合の初期位置の上面図である。
【
図12B】ナイフ研磨アセンブリ内のナイフの研磨ストローク中の上面図である。
【
図13】別のナイフ研磨アセンブリの上面図である。
【
図14】別の位置にあるナイフ研磨アセンブリの上面図である。
【
図16】ナイフ研磨アセンブリの別の斜視図である。
【
図17】別のシャトルアセンブリの実施形態の斜視図である。
【
図18】調整可能なホルダアセンブリを有するシャトルアセンブリの実施形態の斜視図である。
【
図19】例示的なシャトルアセンブリの実施形態の側面図である。
【
図20】例示的なシャトルアセンブリと初期位置にあるトラックとの間のインターフェースの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1を参照すると、ナイフ研磨アセンブリ20は、トラック22内で摺動可能なシャトル24を含む。トラック22は、ナイフのエッジ(
図1には示されていない)を研磨するために利用される研磨石26を保持する。シャトル24は、シャトル24が長手方向に移動し、ナイフが研磨石26を横切って引かれるときに研磨角度を設定する特徴を含む。シャトル24は、所望の鋭利性を達成するために、各研磨ストロークに対して一定の反復可能な角度を提供する。
【0028】
ナイフ及びブレード研磨アセンブリの各構造及び特徴の様々な例が、例示的に開示されている。各構造及び特徴は、一体的な又は分離可能な部分を備えてもよい。本開示のいかなるものも、任意の特徴の一体的又は別個の実施形態の免責事項として理解されるべきではない。その代わりに、任意の特徴が、別個の部分として実装されてもよく、又は単一の構造及び/又は部分に統合されてもよいことが、明示的に本開示の意図及び範囲内にある。
【0029】
引き続き
図1を参照すると共に
図2及び3も参照すると、トラック22は、中央トレイ領域28を取り囲む周辺チャネル32を含む。トレイ領域28は、研磨石26を適所に保持するように寸法決めされかつ構成される。周辺チャネル32は、研磨中に研磨石26と共に利用される任意の液体を捕捉しかつ保持する。周辺チャネル32は、研磨石26の各長手方向側に配置された長手方向部分30を含む。長手方向部分30は、研磨ストローク中にシャトル24を案内するトラックを提供する。長手方向部分30は、外壁34及び内壁36によって画定されるチャネルである。外壁34と内壁36との間隔は、シャトル24の支持部38を受け入れるのに十分な幅である。
【0030】
シャトル24は、案内部40及び保持部42を研磨石26に対して支持する支持部38を含む。案内部40及び保持部42は、研磨ストローク中にシャトル24が移動するときに、ナイフブレードを研磨石26に対して所望の角度で保持及び方向付けを行うように組み合わされる。案内部40は、研磨を可能にするための研磨石の研磨面25に対するナイフブレードの角度を一定のエッジ角度に設定する。
【0031】
案内部40は、研磨石26の研磨面25に対して所定の角度46で配置された傾斜面44を含む。開示された一例では、角度46は8°と45°の間である。開示された別の例では、角度46は25°と30°の間である。開示されたさらに別の例では、角度46は15°と20°の間である。開示された別の例では、角度46は10°と15°の間である。開示された別の例では、角度46は、15°、17°及び20°のいずれかである。角度46は、ナイフエッジの所望の角度に対応し、所望のナイフエッジを提供するために任意の角度に設定することができる。研磨面25と接触するのは研磨されるナイフのみとなるように、案内部40は研磨石26の研磨面25から離間している。
【0032】
保持部42は、傾斜面44からギャップ50だけ離間した点48を含む。研磨されるナイフのエッジが、ギャップ50内に、研磨石26の表面25に対して挿入される。点48は、ナイフエッジを研磨石26に対して保持するために、ナイフブレードの上面に接触する上部点を提供する。さらに、シャトル24の全ての表面は、研磨されるナイフのみが研磨石26と直接接触するように、研磨石26から離間されている。
【0033】
ホルダ部42は、研磨ストローク中にユーザの手を保護するガード52をさらに含む。ガード52は、研磨石の研磨面25に対して横方向に上方に延びている。
【0034】
引き続き
図1を参照すると共に
図4及び
図5を参照すると、例示的なトラック22は、研磨石26のための中央領域28を含む。中央領域28は、内壁36によって囲まれている。内壁36は、研磨石26を適所に保持するのに十分な高さで底面から上方に延びる。例示的なトラック22は、共通の長さ及び幅の研磨石26を保持するように寸法決めされている。内壁36によって画定される長さ及び幅は、本開示の意図及び範囲内で変更され得る。外壁34は、シャトル24の摺動及び案内のためのチャネルを提供するように、内壁36から離間している。この例では、外壁34は内壁36よりも高い。
【0035】
引き続き
図1を参照すると共に
図6、7、8及び9を参照すると、開示された例示的なシャトル24が示されており、研磨石26に対して案内部40及びホルダ部42を支持する支持部38を含む。本開示の例では、シャトル24は一体成形された部品である。しかしながら、それは、複数の部品で、及び異なる材料で形成されてもよいことは、本開示の意図の範囲内である。
【0036】
案内部40は、案内面44を含む。案内面44は、一例として平坦な平面として示されているが、所望の角度で平面を画定する複数の点のような他の構成も、本開示の意図の範囲内にあることを理解されたい。案内面44は、研磨石26に対して所定の角度46で平面を画定する。角度46は、所望のナイフエッジに対応する。したがって、例示的なシャトル24は、設定された角度を提供するが、他のシャトルは、ユーザに利用可能な異なる角度を提供するように含まれ得る。
【0037】
例示的なシャトル24の支持部38は、それぞれ案内部40及びホルダ部42から下方に延びる第1の脚部54及び第2の脚部56を含む。第1の脚部54の端部には、トラック22の長手方向部分30に対応する幅の足部58がある。第2の脚部56は、トラック22の別の長手方向部分30に嵌合する第2の足部60を含む。
【0038】
ホルダ部42は、研磨石26及び案内面44に対してナイフブレードを、トラック22内でシャトル24を保持するための押圧面62及びガード52を含む。押圧面62は、ガード52の接触点48とは反対側に配置されている。押圧面62を押すことにより、シャトル24上のナイフの所望の方向付けが維持される。押圧面62は、ホルダ部42のある程度の曲げを可能にするように可撓性であってもよく、ナイフブレードに圧力をさらに加えることができる。
【0039】
図10を参照すると、ナイフブレード70が傾斜面44上においてギャップ50内に支持されて示されている。ナイフブレード70は、研磨石26の研磨面25に対して保持されるエッジ72を含む。接触点48は、エッジ72を研磨石26に押し付けて保持するように、ナイフブレード70の上側に当接する。シャトル24は、研磨石26の研磨面25に接触しない。唯一の接触は、ナイフのエッジ72によるものである。エッジを研磨石26に接触させるために、ブレード70全体が角度46で保持される。角度46は、研磨面25上で研磨ストロークすることによってエッジ72にもたらされる角度を設定する。
【0040】
引き続き
図10を参照すると共に
図11を参照すると、例示的な研磨アセンブリ20が概略的に示されている。アセンブリ20は、案内部40及び保持部42を含み、これらは、研磨角度46を設定するように、互いに対して、及び、研磨面25に対して位置決めされる。案内部40及び保持部42の位置は、概略示した支持部38によって提供される。支持部38は、矢印128によって示されるように、研磨面25に沿って前後に長手方向に移動可能である。この例では、研磨面25は研磨石26の一部であるが、研磨面25は、ナイフブレードを研磨するために利用される任意の表面であってもよいことは、本開示の意図の範囲内である。
【0041】
案内部40及び保持部42の位置を変化させて、研磨角度46を調整してもよい。案内部40及び保持部42の一方又は両方の位置を変更して、研磨角度46を設定することができる。案内部40は、矢印122によって示される方向において図示された位置の前方又は後方に位置決めされてもよい。また、案内部40は、研磨角度46を調整するために、矢印120によって示される方向及び/又は水平及び垂直移動の何らかの組み合わせで、図示された位置の上方又は下方に位置決めされてもよい。同様に、保持部は、所望の研磨角度46を提供するために、矢印126によって示される方向に水平に、及び/又は矢印124によって示されるように垂直に変更されてもよい。
【0042】
さらに、開示された例示的な案内部40及び保持部42は、表面として示されているが、各々は、ブレード70との点接触又はブレード70を所望の方向に支持することが可能な一連の点から構成されてもよい。
【0043】
ブレード70は、案内部40と保持部42とによって設定された角度で研磨面25に接触する。したがって、研磨されるブレード70を方向付けるために、三点接触が利用される。三点には、研磨面25、案内部40及び保持部42が含まれる。ブレード70は、研磨面25に沿って長手方向に矢印128で示す方向に前後に移動する。案内部40及び保持部42の方向は、研磨ストローク中にブレード70の全長に係合するために、矢印128によって示される方向に対して横方向にさらなる移動を提供する。
【0044】
例示的に開示された特徴は、案内部40、保持部42、及び支持部38の形態が、研磨面25に対するブレード70の所望の一定の反復可能な方向付けを提供するように、本開示の意図及び範囲内で多くの異なるやり方で支持及び方向付けされ得ることを理解されたい。
【0045】
引き続き
図10及び
図11を参照すると共に
図12Aを参照すると、例示的な実施形態による研磨過程における初期ステップが示されている。初期ステップでは、
図10に示すように、ブレード70をシャトル24内に挿入する。ユーザは、一端が研磨石26のエッジに来るようにブレード70を置く。この例では、ユーザは、ブレード70を、その端部がシャトル24内のハンドルに最も近くなるようにして配置している。次いで、ユーザは、シャトル24を長手方向チャネル30内に保持するのに十分な圧力で押圧面62を押し下げる。
【0046】
ユーザによって加えられる圧力により、シャトル24を適所に保持し、かつナイフブレード70を研磨面25に対して保持することもできる。ナイフブレード70への圧力は、ホルダ部42の接触点48を介して提供される(
図10及び11に最もよく示される)。ユーザは、研磨面25を横切るようにナイフブレード70を引きながら、研磨面25に沿って長手方向にシャトル24を引く。研磨ストロークの間、ナイフエッジ72は、
図10に示す方向に保持される。
【0047】
図12Bを参照すると、
図12Aに示された初期位置で開始された研磨ストローク中におけるシャトル24及びナイフブレード70が示されている。ナイフブレード70は、ユーザによって押圧面62に加えられる圧力によって、常に研磨石面25に対して保持される。シャトル24は、矢印74で示す方向にユーザに向かって引かれる。同時に、ユーザは、研磨面25を横切って矢印76によって示される横方向にナイフブレード70を引く。方向76へのナイフブレード70の横方向の移動は、ナイフのエッジ72全体を研磨面25に沿って引く。横方向移動76は、この例では74で示される方向の縦方向移動と同時である。
【0048】
方向74の移動は、研磨石26の全長又は部分的な長さに対して行い得る。追加的に、横方向移動76は、ナイフブレード70の一部に対してのみ行うことができる。しかしながら、エッジ72の全長に沿った滑らかな研磨ストロークは、最も効率的に鋭利なエッジ72の形成を可能にする。この過程を、ナイフに対する所望の鋭利性が得られるまで繰り返す。この開示された例では、ブレード70は、矢印74で示された長手方向の移動に対して実質的に垂直な角度で、76で示された方向に研磨面を横切って引かれる。ブレード70は、90度以外の角度で研磨面を横切って引かれてもよいことを理解されたい。
【0049】
開示された例では、シャトル24はユーザに向かって引かれる。しかしながら、研磨ストロークは、シャトル24をユーザから遠ざけることによって行うこともできる。いずれの方向においても、ユーザは押圧面62上の圧力を維持する。
【0050】
ナイフブレード70の初期の研磨には、研磨ストロークの反復が必要であり得る。さらに、所望の鋭利性を提供するために、必要に応じて、研磨石26の異なるグレード及び粗さを切り替えてもよい。理解されるように、粗い研磨石26を最初に使用し、その後、所望の鋭利性を生成するために、よりきめの細かいグレードの研磨石を使用してもよい。さらに、いくつかのグレードのコンパウンドを用いて、ブレードエッジをさらに強化することができる。研磨石のグレード又はコンパウンドの使用に関わらず、開示された例の研磨ストロークは実質的に同じままである。追加的に、シャトル24がエッジ72を一定の反復可能な角度で保持するので、エッジを迅速かつ効率的に得ることができる。
【0051】
図13及び14を参照すると、別の開示された例のブレード研磨アセンブリが、80で示され、長手方向軸112に対して横方向軸114の角度110を設定するように、トラック82内で長手方向及び回転方向の両方に移動可能なシャトル84を含む。例示的な実施形態では、角度110は、0度から90度未満であってもよい。別の例示的な実施形態では、角度110は、30°と60°との間である。別の例示的な実施形態では、角度は約45°である。他の角度も本開示の意図及び範囲内であることを理解されたい。
【0052】
シャトル84は支持部100を含んでおり、足部96が案内部102及び保持部104の両側に配置されている。足部96は、案内チャネル86内に配置される。案内チャネル86は、外壁90と内壁92との間に画定された幅88を含む。各足部96は、外側湾曲面96及び内側表面98を含む。案内チャネル86内のシャトル84の回転は、内面98を内壁92に係合させ、外側湾曲面96を外壁に係合させて、所望の角度110を設定する。幅88及び外側曲面96の半径を変更することにより、角度110を変更することができる。さらに、シャトル84は、
図13に示されるものと
図14に示されるものとの間の任意の角度に保持されて、軸112に沿った移動に対して横方向に角度110を調整することができる。
【0053】
図15及び
図16を参照すると、足部94の各々の外側湾曲壁96は、外壁90に当接して回転角度110を設定する。研磨ストロークの間、ブレードは、シャトル84が長手方向軸112に沿って押されるか又は引っ張られると同時に、軸114に沿ってシャトル84を横切って引かれる。案内部102は、研磨面25に対するブレードの研磨角度を画定する傾斜面106を含む。保持部104は、研磨角度を設定するように傾斜面106と組み合わされた保持点108を含む。案内部102の傾斜面106及び保持部108の保持点108は、一定の反復可能な研磨角度をもたらす。シャトル84の回転は、研磨ストロークの間、ユーザの快適性を向上させ、また、ブレードのより長い表面が通過できるようにする。さらに、ブレードが研磨面25を横切って引かれる角度を変更することで、研磨面の寿命を延ばすことができる。
【0054】
図17を参照すると、別の研磨アセンブリ150が、シャトルアセンブリ152を含み、調整可能な研磨角度を提供する案内アセンブリ166及び調整可能な保持アセンブリ154を含む。案内アセンブリ166は、シャトルアセンブリ152の案内マウント部170に取り付け可能な複数の選択可能な案内プレート168A~168Cを含む。案内プレート168A~168Cは、研磨石に対する研磨角度を画定する。保持アセンブリ154は、異なる厚さのブレードを収容するためにギャップ160の調整を可能にする可動保持スライド156を含む。
【0055】
引き続き
図17を参照すると共に
図18及び19を参照すると、保持スライド156は、調整を可能にするために、シャトルアセンブリ152に移動可能に取り付けられる。保持スライド156は、内側垂直スロット206及び外側垂直スロット204を含む。シャトルは、内側垂直リブ210及び外側垂直リブ208を含む。内側垂直リブ210は、内側垂直スロット206及び外側垂直リブ208内に受け入れられる。垂直スロット204,206と垂直リブ208,210との間の嵌合係合は、異なる厚さのブレードを収容するための調整を可能にしながら、保持スライド156を研磨面に対して整列させる。垂直リブ208,210はシャトル152上に設けられ、垂直スロット204,206は保持スライド156上に設けられているが、その特徴は本開示の意図及び範囲内で逆にしてもよいことを理解されたい。さらに、2つのスロット及びリブが例として開示されているが、本開示の意図及び範囲内で1つ以上の嵌合スロット及びリブを利用することができる。
【0056】
この例示的な実施形態では、ねじ付きファスナ158を使用して、保持スライド156をシャトルアセンブリ152に保持する。この例では、ねじ付きファスナはノブであるが、他のファスナも使用され得る。保持スライド156は、ギャップ160の間隔を画定するように案内プレート168から離間している保持エッジ160を含む。保持スライド156はまた、シャトルを把持して研磨石に沿って移動させるためのハンドル部164を含む。
【0057】
この例では、シャトルアセンブリ152は円形開口182を含み、保持スライド156はスロット付き開口180を含む。スロット付き開口180は、ギャップ160の間隔を画定するために、保持スライド156の垂直方向の調整を可能にする。保持スライド156が所望の垂直位置に配置されると、ファスナ158が締められてスライド156を適所に固定する。ギャップ160の間隔は、異なる厚さのブレードを収容するように調整することができる。ブレードを案内プレート168上に配置し、保持スライド156をブレードに当接させてから、適所に固定してギャップ160を設定することができる。ギャップ160は、所望の研磨角度を保持するために、ブレードの当接を案内プレート168に沿って維持しながら、ブレードがギャップ160を通って引っ張られるのに十分な隙間を提供するように設定される。
【0058】
例示的な案内プレート168A~168Cは、研磨角度を設定し、前方及び後方スナップ及びタブ嵌合によって案内マウント部170に取り付けられる。案内プレート168A~168Cの各々は、案内マウント部170の一体部分として形成された前方タブ184に嵌合するスロット176を含む。案内マウント部170は、各案内プレート168A~168C上のキャッチ178を受ける後部スロット186をさらに含む。したがって、各案内プレート168A~168Cは、案内マウント部170に対して前方及び後方位置で固定される。例としてスナップマウント構成が開示されているが、案内プレート168A~168Cの切り換えを可能にする他の固定構成も本開示の意図及び範囲内であることを理解されたい。
【0059】
この例では、案内プレート168A~168Cは、異なる研磨角度を画定する。開示された一例では、案内プレート168Aは19.5°の角度を画定し、案内プレート168Bは20°の角度を画定し、案内プレート168Cは20.5°の角度を画定する。理解されるように、他の角度も追加の案内プレート168によって提供され得る。さらに、開示された案内プレート168の数は、追加の研磨角度を提供するために変化し得る。
【0060】
引き続き
図17~
図19を参照すると共に
図20及び
図21を参照すると、トラック192は、研磨石26の各長手方向側に案内チャネル194を含む。案内チャネル194は、排出開口196を有する長手方向スロットを含む。案内チャネル194に滴下した水分又は流体は、シャトルアセンブリ152の運動を妨げないように、開口196を通って排出される。案内チャネル194は、各端部で開いており、シャトルアセンブリ152の足部190を受け入れる。研磨石ホルダ202は、トラック192内に支持される。例示的な足部190は、排水開口部196を含むチャネル194の部分の上に隙間嵌めを提供する段付き構成を含む。ホルダ202は、特定の石のサイズ用に構成されているが、異なる研磨石を収容するために異なるサイズであってもよい。
【0061】
シャトルアセンブリ152の最初の開始位置は、停止部198に当接する当接部200によって設定される。当接部200はシャトルアセンブリ152の一部であり、停止部198はホルダ202の一部である。当接部200は、停止部198に当接して、ギャップ160及び案内プレート168の前方エッジを研磨石26の端部と整列させる。停止部198と当接部200との当接により、シャトルアセンブリ152が石26に対して位置決めされ、ブレードと石26の側面との間の誤った衝突を防止する。例示的な停止部198及び当接部200は、それぞれの部分に一体的な部分であってもよく、又はそれぞれの部分に取り付けられた、又は別のやり方で固定された別個の部分であってもよい。
【0062】
したがって、開示された例示的なナイフ研磨アセンブリは、研磨ストロークの一定の反復可能な角度を提供し、初心者ユーザと熟練ユーザが同様に所望のエッジ研磨度を得ることを可能にする。
【0063】
異なる非限定的な実施形態は、特定の構成要素又はステップを有するものとして図示されているが、本開示の実施形態は、これらの特定の組み合せに限定されない。他の非限定的な実施形態のいずれかからの特徴又は構成要素と組み合わせて、任意の非限定的な実施形態からの構成要素又は特徴の一部を使用することが可能である。
【0064】
同様の参照番号は、いくつかの図面にわたって対応する又は同様の要素を識別することを理解されたい。これらの例示的な実施形態では、特定の構成要素の配置が開示及び図示されているが、他の配置も本開示の教示から利益を得ることができることを理解されたい。
【0065】
例示の実施形態が開示されているが、当業者であれば、所定の変更も本開示の範囲に入ることを認識するであろう。そのため、以下の請求項を検討して本開示の範囲及び内容を決定するべきである。
【外国語明細書】