IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オービックの特許一覧

特開2022-155440予実管理装置、予実管理方法、予実管理プログラム
<>
  • 特開-予実管理装置、予実管理方法、予実管理プログラム 図1
  • 特開-予実管理装置、予実管理方法、予実管理プログラム 図2
  • 特開-予実管理装置、予実管理方法、予実管理プログラム 図3
  • 特開-予実管理装置、予実管理方法、予実管理プログラム 図4
  • 特開-予実管理装置、予実管理方法、予実管理プログラム 図5
  • 特開-予実管理装置、予実管理方法、予実管理プログラム 図6
  • 特開-予実管理装置、予実管理方法、予実管理プログラム 図7
  • 特開-予実管理装置、予実管理方法、予実管理プログラム 図8
  • 特開-予実管理装置、予実管理方法、予実管理プログラム 図9
  • 特開-予実管理装置、予実管理方法、予実管理プログラム 図10
  • 特開-予実管理装置、予実管理方法、予実管理プログラム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155440
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】予実管理装置、予実管理方法、予実管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/00 20120101AFI20221005BHJP
【FI】
G06Q40/00 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021150618
(22)【出願日】2021-09-15
(31)【優先権主張番号】P 2021058631
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西留 拓弥
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB64
(57)【要約】
【課題】予算作成時に原価要素内での内訳を柔軟に設定することが可能な予実管理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本実施の形態に係る予実管理装置は、予算作成時に、案件毎に、原価要素と、当該原価要素の複数の下位階層項目と、予算額とを含む予算データを作成して、前記記憶部に登録する予算データ作成手段と、前記予算データに対する実績データを作成して、前記記憶部に登録する実績データ作成手段と、を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部及び記憶部を備えた予実管理装置であって、
前記制御部は、
予算作成時に、案件毎に、原価要素と、当該原価要素の複数の下位階層項目と、予算額とを含む予算データを作成して、前記記憶部に登録する予算データ作成手段と、
前記予算データに対する実績データを作成して、前記記憶部に登録する実績データ作成手段と、
を備えたことを特徴とする予実管理装置。
【請求項2】
前記複数の下位階層項目は、ユーザが任意に設定可能であることを特徴とする請求項1に記載の予実管理装置。
【請求項3】
前記原価要素は、材料費、外注費、社内受発注費、労務費、経費、間接費、販管費の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の予実管理装置。
【請求項4】
前記下位階層項目は、部署、発注する役務又は商品の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の予実管理装置。
【請求項5】
前記制御部は、さらに、
前記記憶部に登録されている予算データ及び実績データに基づいた予実比較データを作成して出力する予実比較手段を備えたことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の予実管理装置。
【請求項6】
制御部及び記憶部を備えた情報処理装置で実行される予実管理方法であって、
前記制御部で実行される、
予算作成時に、案件毎に、原価要素と、当該原価要素の複数の下位階層項目と、予算額と、を含む予算データを作成して、前記記憶部に登録する予算データ作成工程と、
前記予算データに対する実績データを作成して、前記記憶部に登録する実績データ作成工程と、
を含むことを特徴とする予実管理方法。
【請求項7】
制御部及び記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための予実管理プログラムであって、
前記制御部において、
予算作成時に、案件毎に、原価要素と、当該原価要素の複数の下位階層項目と、予算額とを含む予算データを作成して、前記記憶部に登録する予算データ作成工程と、
前記予算データに対する実績データを作成して、前記記憶部に登録する実績データ作成工程と、
を実行させるための予実管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予実管理装置、予実管理方法、予実管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、案件別予実管理を行う場合は、その実行予算は、原価要素(材料費、外注費、労務費、経費、間接費、販管費といった勘定科目の分類)別に作成する仕組みとなっていた。予実管理を行うシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-73192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、予算作成時に原価要素内での内訳を柔軟に設定することに関して何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、予算作成時に原価要素内での内訳を柔軟に設定することが可能な予実管理装置、予実管理方法、予実管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部及び記憶部を備えた予実管理装置であって、前記制御部は、予算作成時に、案件毎に、原価要素と、当該原価要素の複数の下位階層項目と、予算額とを含む予算データを作成して、前記記憶部に登録する予算データ作成手段と、前記予算データに対する実績データを作成して、前記記憶部に登録する実績データ作成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記複数の下位階層項目は、ユーザが任意に設定可能であることにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記原価要素は、材料費、外注費、社内受発注費、労務費、経費、間接費、販管費の少なくとも1つを含むことにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記下位階層項目は、部署、発注する役務又は商品の少なくとも1つを含むことにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、さらに、前記記憶部に登録されている予算データ及び実績データに基づいた予実比較データを作成して出力する予実比較手段を備えることにしてもよい。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部及び記憶部を備えた情報処理装置で実行される予実管理方法であって、前記制御部で実行される、予算作成時に、案件毎に、原価要素と、当該原価要素の複数の下位階層項目と、予算額とを含む予算データを作成して、前記記憶部に登録する予算データ作成工程と、前記予算データに対する実績データを作成して、前記記憶部に登録する実績データ作成工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部及び記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための予実管理プログラムであって、前記制御部において、予算作成時に、案件毎に、原価要素と、当該原価要素の複数の下位階層項目と、予算額とを含む予算データを作成して、前記記憶部に登録する予算データ作成工程と、前記予算データに対する実績データを作成して、前記記憶部に登録する実績データ作成工程と、を実行させるための予実管理プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、予算作成時に原価要素内での内訳を柔軟に設定することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、従来と本実施の形態の原価要素の予算設定粒度を説明するための図である。
図2図2は、本実施の形態に係る予実管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、本実施の形態に係る予実管理装置の制御部の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
図4図4は、本実施の形態に係る予実管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図5図5は、本実施の形態に係る予実管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図6図6は、本実施の形態に係る予実管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図7図7は、本実施の形態に係る予実管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図8図8は、本実施の形態に係る予実管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図9図9は、本実施の形態に係る予実管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図10図10は、本実施の形態に係る予実管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図11図11は、本実施の形態に係る予実管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
従来、案件(「プロジェクト」ともいう)別予実管理は、マネージャーによる赤字案件の早期発見と経理担当者による会計処理(損失引当金計上や仕掛品の評価)のため、原価要素別での管理で充分であった。そのため、案件の実行予算は、原価要素(材料費、外注費、労務費、経費、間接費、販管費といった勘定科目の分類)別に作成する仕組みとなっていた。
【0017】
しかしながら、案件管理のレベルが上がってくると、実行予算の精度が求められ、実行予算と実績の乖離が発生した際の分析が必要となってくる。乖離発生時の分析には、原価要素別の予算管理のままだと不十分であり、より細かな予算作成粒度が求められてきている。
【0018】
そこで、本実施の形態では、予算作成時に、案件毎に原価要素(材料費、外注費、労務費、経費、間接費、販管費)+下位階層単位でユーザにて任意に入力可能な構成とした。
【0019】
本実施の形態によれば、例えば、外注費予算の中で、外注先毎や発注内容毎に金額を分けて登録することで、外注先毎や発注内容毎に分けて登録することが可能となる。また、人件費予算の中で、人件費を部署毎に分けて登録することが可能となる。また、原価要素+下位階層単位に予算を管理するだけでなく、実績額の紐づけも可能なため、予算作成時の明細単位で予実結果の確認も可能となる。
【0020】
例えば、従来は、外注費1本で登録・管理していたが、本実施の形態では、外注費を取引先・発注内容毎に明細を分けて登録し、各取引先・発注内容単位での予実比較が可能(予定情報・発注済情報・仕入済情報)となる。また、従来は、人件費1本で登録・管理していたが、本実施の形態では、人件費を部署単位で分けて登録し、部門毎の予実比較が可能となる。
【0021】
図1は、従来と本実施の形態の原価要素の予算設定粒度を説明するための図である。同図において、縦軸は原価要素を示しており、横軸は、各会計年月の計画(予算)、発注登録済、実績を示している。ここで、「計画」は、会計年月毎の予算額である。「発注登録済」は、会計年月毎の予算明細に紐づく発注金額である。「実績」は、会計年月毎の予算明細に紐づく実績額である。
【0022】
従来は、原価要素(材料費、外注費、労務費、経費、間接費、販管費)単位で予算を作成していた。これに対して、本実施の形態では、原価要素(材料費、外注費、労務費、経費、間接費、販管費)に加えて、原価要素の下位階層単位(項目)をユーザが任意に設定して、予算を作成することが可能となっている。このように、本実施の形態では、月単位でユーザ任意の明細単位で予実の比較が可能となる。
【0023】
図1に示す例では、例えば、人件費については、従来は、人件費単位で予算を作成していたが、本実施の形態では、人件費について、下位階層項目として部署(例えば、A部署、B部署)を設定している。また、間接経費について、従来は、間接費単位で予算を作成していたが、本実施の形態では、間接費について、下位階層項目として部署(例えば、A部署、B部署)を設定している。また、外注費について、従来は、外注費単位で予算を作成していたが、本実施の形態では、外注費について、下位階層項目として機能(例えば、▽▽機能(A社)、〇〇機能(B社)、□□機能(C)社)を設定している。ここで、「機能」は、発注する役務又は商品を示しており、以下では、役務又は商品を「機能」と表記する。
【0024】
本実施の形態の予実管理装置は、例えば、IT業界や工事業界等のプロジェクト(案件)単位で予実管理が必要な業界に好適に使用することができる。
【0025】
[2.構成]
本実施の形態に係る予実管理装置の構成の一例について、図2を参照して説明する。図2は、本実施の形態に係る予実管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
予実管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、予実管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0027】
予実管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。予実管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0028】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、予実管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、予実管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0029】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0030】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。また、記憶部106は、データファイル106aを備えている。
【0031】
データファイル106aは、予算データ、実績データ、予実比較データ等の各種データを格納するためのファイルである。
【0032】
予算データは、予算明細と、予算明細内訳と、予算明細内訳詳細とで構成されてもよい。予算明細は、予算ヘッダ番号、予算明細番号、原価要素コード、原価要素名、予算額、案件番号のデータを含んでいてもよい。予算明細内訳は、予算ヘッダ番号、予算明細番号、予算明細内訳番号、原価要素コード、原価要素名、予算額、内訳行No、項目名、発注先コード、発注先名のデータを含んでいてもよい。予算明細内訳詳細は、予算ヘッダ番号、予算明細番号、予算明細内訳番号、予算明細内訳詳細番号、内訳詳細行No、対象年月、予算額のデータを含んでいてもよい。
【0033】
制御部102は、予実管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、予算登録部102aと、実績登録部102bと、予実比較部102cと、画面表示制御部102dと、を備えている。
【0034】
予算登録部102aは、例えば、モニタ114に表示される不図示の予算登録画面(図上でのオペレータ(ユーザともいう)の操作等に応じて、予算作成時に、案件毎に、原価要素と、当該原価要素の複数の下位階層項目と、予算額とを含む予算データを作成して、データファイル106aに登録する。
【0035】
複数の下位階層項目は、オペレータが任意に設定可能であることにしてもよい。原価要素は、材料費、外注費、社内受発注費、労務費、経費、間接費、販管費の少なくとも1つを含むことにしてもよい。下位階層項目は、部署、発注する機能の少なくとも1つを含むことにしてもよい。
【0036】
実績登録部102bは、例えば、モニタ114に表示される不図示の実績登録画面上でのオペレータの操作等に応じて、予算データに対する実績データを作成して、データファイル106aに登録する。
【0037】
予実比較部102cは、例えば、モニタ114に表示される不図示の予実比較画面上でのオペレータの操作等に応じて、データファイル106aに登録されている予算データ及び実績データに基づいた予実比較データを作成して、表示出力及び/又は印刷出力する。これにより、予実比較データを分析することができる。
【0038】
画面表示制御部102dは、モニタ114に表示する各種画面(例えば、予算登録画面、実績登録画面、予実比較画面等)の表示及びその入力を制御する。
【0039】
[3.具体例]
図2図11を参照して、本実施の形態における予実管理装置100の処理の具体例を説明する。まず、図3を参照して、本実施の形態における予実管理装置100の全体の処理の概略を説明する。図3は、本実施の形態における予実管理装置100の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
【0040】
図3において、予算登録部102aは、予算登録処理を実行する(ステップS1)。具体的には、予算登録処理では、予算登録部102aは、例えば、モニタ114に表示される不図示の予算登録画面上でのオペレータ(ユーザともいう)の操作等に応じて、予算作成時に、案件毎に、原価要素と、当該原価要素の複数の下位階層項目と、予算額とを含む予算データを作成して、データファイル106aに登録する。
【0041】
複数の下位階層項目は、オペレータが任意に設定可能であることにしてもよい。原価要素は、材料費、外注費、社内受発注費、労務費、経費、間接費、販管費の少なくとも1つを含むことにしてもよい。下位階層項目は、部署、発注する機能の少なくとも1つを含むことにしてもよい。
【0042】
実績登録部102bは、実績登録処理を実行する(ステップS2)。具体的には、実績登録処理では、実績登録部102bは、例えば、モニタ114に表示される不図示の実績登録画面上でのオペレータの操作等に応じて、予算データに対する実績データを作成して、データファイル106aに登録する。
【0043】
予実比較部102cは、予実比較処理を実行する(ステップS3)。具体的には、予実比較処理では、予実比較部102cは、例えば、モニタ114に表示される不図示の予実比較画面上でのオペレータの操作等に応じて、データファイル106aに登録されている予算データ及び実績データに基づいた予実比較データを作成して表示出力及び/又は印刷出力する。
【0044】
つぎに、図4図11を参照して、本実施の形態における予実管理装置100の制御部102の処理の具体例を説明する。
【0045】
(S1:予算登録処理)
図4図6を参照して、予算登録処理を説明する。図4図6は、予算登録処理を説明するための図である。予算登録部102aは、例えば、モニタ114に表示される不図示の予算登録画面上でのオペレータの操作等に応じて、予算作成時に、案件毎に、原価要素(例えば、材料費、外注費、社内受発注費、労務費、経費、間接費、販管費等)と、当該原価要素の複数の下位階層項目(例えば、部署、発注する機能等)と、予算額とを含む予算データを作成して、データファイル106aに登録する。複数の下位階層項目は、オペレータが任意に設定可能である。
【0046】
予算データは、予算明細、予算明細内訳、及び予算明細内訳詳細で構成されていてもよい。以下の例では、「外注費」と「社内受発注費用」について、複数の下位階層項目を設定した例を説明する。
【0047】
図4は、予算明細のデータ例を示す図である。予算ヘッダ番号及び予算明細番号が主キーとなる。図4に示す予算明細の例では、3行目は、予算ヘッダ番号「YSN2101001」、予算明細番号「3」、原価要素コード「30000」、原価要素名「外注費」、予算額「4000000」、案件番号「PJ000001-0001-0001」、5行目は、予算ヘッダ番号「YSN2101001」、予算明細番号「5」、原価要素コード「50000」、原価要素名「社内受発注」、予算額「1000000」、案件番号「PJ000001-0001-0001」となっている。
【0048】
図5は、予算明細内訳のデータ例を示す図である。予算ヘッダ番号、予算明細番号、及び予算明細内訳番号が主キーとなる。「項目名」が「下位階層項目」に該当する。
【0049】
図5に示す予算明細内訳の例では、「外注費」に関して、5行目は、予算ヘッダ番号「YSN2101001」、予算明細番号「3」、予算明細内訳番号「1」、原価要素コード「30000」、原価要素名「外注費」、予算額「1500000」、内訳行No「5」、項目名「▽▽機能(A社)」、発注先コード「xxxxxxx」、発注先名「A工業株式会社」、6行目は、予算ヘッダ番号「YSN2101001」、予算明細番号「3」、予算明細内訳番号「2」、原価要素コード「30000」、原価要素名「外注費」、予算額「2000000」、内訳行No「6」、項目名「〇〇機能(B社)」、発注先コード「yyyyyyy」、発注先名「B通信会社」となっている。
【0050】
7行目は、予算ヘッダ番号「YSN2101001」、予算明細番号「3」、予算明細内訳番号「3」、原価要素コード「30000」、原価要素名「外注費」、予算額「500000」、内訳行No「7」、項目名「△△機能(B社)」、発注先コード「yyyyyyy」、発注先名「B通信会社」となっている。
【0051】
「社内受発注」に関して、9行目は、予算ヘッダ番号「YSN2101001」、予算明細番号「5」、予算明細内訳番号「1」、原価要素コード「50000」、原価要素名「社内受発注」、予算額「400000」、内訳行No「9」、項目名「C部署」、発注先コード「B0000C」、発注先名「C部署」、10行目は、予算ヘッダ番号「YSN2101001」、予算明細番号「5」、予算明細内訳番号「2」、原価要素コード「50000」、原価要素名「社内受発注」、予算額「600000」、内訳行No「10」、項目名「D部署」、発注先コード「B0000D」、発注先名「D部署」となっている。
【0052】
図6は、予算明細内訳詳細のデータ例を示している。ここでは、外注費と社内受発注費の例のみを示しているが、他の原価要素(人件費・間接経費・グループ内外注費)も同様なデータ構造となる。予算明細内訳詳細番号、予算明細内訳番号、予算明細番号、予算ヘッダ番号が主キーとなる。
【0053】
図6に示す予算明細内訳詳細の例では、「外注費」に関して、1行目は、予算ヘッダ番号「YSN2101001」、予算明細番号「3」、予算明細内訳番号「1」、予算明細内訳詳細番号「1」、内訳詳細行No「13」、対象年月「2021/01」、予算額「500000」、2行目は、予算ヘッダ番号「YSN2101001」、予算明細番号「3」、予算明細内訳番号「1」、予算明細内訳詳細番号「2」、内訳詳細行No「14」、対象年月「2021/02」、予算額「500000」となっている。
【0054】
「社内受発注費」については、10行目は、予算ヘッダ番号「YSN2101001」、予算明細番号「5」、予算明細内訳番号「1」、予算明細内訳詳細番号「1」、内訳詳細行No「25」、対象年月「2021/01」、予算額「100000」、11行目は、予算ヘッダ番号「YSN2101001」、予算明細番号「5」、予算明細内訳番号「1」、予算明細内訳詳細番号「2」、内訳詳細行No「26」、対象年月「2021/02」、予算額「300000」となっている。
【0055】
(S2:実績登録処理)
図7図9を参照して、実績登録処理を説明する。図7図9は、実績登録処理を説明するための図である。実績登録部102bは、例えば、モニタ114に表示される不図示の実績登録画面上でのオペレータの操作等に応じて、予算データに対する実績データを作成して、データファイル106aに登録する。
【0056】
実績データは、外注費以外の場合は、予算ヘッダ番号・予算明細番号・予算明細内訳番号・年月単位で実績金額を集計し、発注登録済額・実績額とする。
【0057】
社内受発注費用の実績データは、案件番号、振出元案件番号、予算ヘッダ番号、予算明細番号、予算明細内訳番号、発注先部署コード、発注先名、受注年月、受注額、案件内容のデータを含んでいてもよい。
【0058】
図7は、社内受発注費用の実績データの例を示す図である。社内受発注費用の場合は、予算ヘッダ番号・予算明細番号・予算明細内訳番号・受注年月毎に受注額を集計する。図7に示す社内受発注費用の例では、1行目は、案件番号「PJ000001-0001-0002」、振出元案件番号「PJ000001-0001-0001」、予算ヘッダ番号「YSN2101001」、予算明細番号「5」、予算明細内訳番号「1」、発注先部署コード「B0000C」、発注先名「C部署」、受注年月「2021/01」、受注額「100000」、案件内容「2021/01分開発作業」となっている。
【0059】
2行目は、案件番号「PJ000001-0001-0003」、振出元案件番号「PJ000001-0001-0001」、予算ヘッダ番号「YSN2101001」、予算明細番号「5」、予算明細内訳番号「1」、発注先部署コード「B0000C」、発注先名「C部署」、受注年月「2021/02」、受注額「300000」、案件内容「2021/02分開発作業」となっている。
【0060】
図8及び図9は、外注費の実績データの例を示している。図8は、外注費の発注登録済額を説明するための図であり、発注登録済額は、予算ヘッダ番号・予算明細番号・予算明細内訳番号・年月単位で発注金額を集計し、発注登録済額とする。図8において、1行目は、発注番号「H000000001」、発注明細番号「1」、発注先コード「xxxxxxx」、発注先名「A工業株式会社」、予算ヘッダ番号「YSN2101001」、予算明細番号「3」、予算明細内訳番号「1」、仕入予定年月「2021/01」、発注額「500000」となっている。
【0061】
2行目は、発注番号「H000000001」、発注明細番号「2」、発注先コード「xxxxxxx」、発注先名「A工業株式会社」、予算ヘッダ番号「YSN2101001」、予算明細番号「3」、予算明細内訳番号「1」、仕入予定年月「2021/02」、発注額「350000」となっている。
【0062】
図9は、外注費の実績額を説明するための図であり、実績額は、予算ヘッダ番号・予算明細番号・予算明細内訳番号・年月単位で仕入金額を集計し、実績済額とする。図9に示す例では、1行目は、仕入番号「S000000001」、仕入明細番号「1」、発注番号「H000000001」、発注明細番号「1」、発注先コード「xxxxxxx」、発注先名「A工業株式会社」、予算ヘッダ番号「YSN2101001」、予算明細番号「3」、予算明細内訳番号「1」、仕入予定年月「2021/01」、発注額「500000」となっている。
【0063】
2行目は、仕入番号「S000000002」、仕入明細番号「1」、発注番号「H000000002」、発注明細番号「1」、発注先コード「yyyyyyy」、発注先名「B通信会社」、予算ヘッダ番号「YSN2101001」、予算明細番号「3」、予算明細内訳番号「2」、仕入予定年月「2021/01」、発注額「900000」となっている。
【0064】
(S3:予実比較処理)
図10及び図11を参照して、予実比較処理を説明する。図10は、従来の予実比較イメージを示す図である。図11は、本実施の形態の予実比較データのイメージを示す図である。予実比較部102cは、例えば、モニタ114に表示される不図示の予実比較画面上でのオペレータの操作等に応じて、データファイル106aに登録されている予算データ及び実績データに基づいた予実比較データを作成して、表示出力及び/又は印刷出力する。
【0065】
図10に示す従来の予実比較イメージでは、例えば、1行目は、予算ヘッダ番号「YSN2101001」、予算明細番号「3」、原価要素コード「30000」、原価要素名「外注費」、予定合計額「4000000」、対象年月「2021/01」、計画額「1500000」、発注登録済額「1400000」、実績額「1400000」となっており、原価要素レベルでの予実比較しかできなかった。
【0066】
これに対して、図11に示す本実施の形態の予実比較データのイメージでは、例えば、1行目は、予算ヘッダ番号「YSN2101001」、予算明細番号「3」、原価要素コード「30000」、原価要素名「外注費」、予算明細内訳番号「1」、項目名「▽▽機能(A社)」、予定合計額「4000000」、対象年月「2021/01」、計画額「500000」、発注登録済額「500000」、実績額「500000」となっており、原価要素レベル+ユーザが任意に設定可能な下位階層項目単位での比較が可能となる。
【0067】
以上説明したように、本実施の形態によれば、予算作成時に、案件毎に、原価要素と、当該原価要素の複数の下位階層項目と、予算額とを含む予算データを作成して、データファイル106aに登録する予算登録部102aと、予算データに対する実績データを作成して、データファイル106aに登録する実績登録部102bと、を備えているので、予算作成時に原価要素内での内訳を柔軟に設定することが可能となる。
【0068】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0069】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0070】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0071】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0072】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0073】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0074】
また、予実管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0075】
例えば、予実管理装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて予実管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0076】
また、このコンピュータプログラムは、予実管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0077】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0078】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0079】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0080】
また、予実管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、予実管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0081】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0082】
100 予実管理装置
102 制御部
102a 予算登録部
102b 実績登録部
102c 予実比較部
102d 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a データファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11