(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155476
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】運賃算出装置、運賃算出方法、及び運賃算出プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20221005BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001781
(22)【出願日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】P 2021058318
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福本 真己
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】受注した際に運賃を算出し、同一運賃での最大出荷量を発注者に提案することが可能な運賃算出装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本実施の形態に係る運賃算出装置は、得意先から商品の発注があった場合に、受注番号、得意先、出荷倉庫、配送業者、商品名、容積重量を含む受注データを入力して記憶部に登録し、当該受注データに基づいて、前記得意先をキーとして、得意先マスタから配達地を取得し、出荷倉庫をキーとして、倉庫マスタから積込地を取得し、取得した配達地及び積込地と前記容積重量をキーとして、請求タリフマスタから運賃を取得する受注入力手段と、請求タリフマスタを参照して、前記容積重量について、前記運賃と同額で積載可能な最大重量との差異重量を算出して出力する差異重量出力手段と、を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備えた運賃算出装置であって、
前記制御部は、
得意先、配達地を関連づけて登録した得意先マスタと、
倉庫、積込地を関連づけて登録した倉庫マスタと、
積込地、配達地、容積重量の最小値~最大値、自社の運賃を関連づけて登録した請求タリフマスタと、
にアクセス可能に構成されており、
得意先から商品の発注があった場合に、受注番号、得意先、出荷倉庫、配送業者、商品名、容積重量を含む受注データを入力して記憶部に登録し、当該受注データに基づいて、前記得意先をキーとして、前記得意先マスタから配達地を取得し、前記出荷倉庫をキーとして、前記倉庫マスタから積込地を取得し、取得した配達地及び積込地と前記容積重量をキーとして、前記請求タリフマスタから運賃を取得する受注入力手段と、
前記請求タリフマスタを参照して、前記容積重量について、前記運賃と同額で積載可能な最大重量との差異重量を算出して出力する差異重量出力手段と、
を備えたことを特徴とうる運賃算出装置。
【請求項2】
前記制御部は、さらに、前記受注データに基づいて、売上番号、得意先名、売上日、出荷倉庫、配送業者、商品名、容積重量、売上金額を含む売上データを入力して、前記記憶部に登録する売上入力手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の運賃算出装置。
【請求項3】
前記制御部は、さらに、
積込地、配達地、容積重量の最小値~最大値、配送業者の運賃を関連づけて登録した傭車料タリフマスタにアクセス可能に構成されており、
前記売上入力手段は、当該売上データに基づいて、前記得意先をキーとして、前記得意先マスタから配達地を取得し、前記出荷倉庫をキーとして、前記倉庫マスタから積込地を取得し、取得した配達地及び積込地と前記容積重量をキーとして、前記傭車料タリフマスタから運賃を取得し、売上諸掛番号、売上番号、費目、当該取得した運賃である売上金額を含む売上諸掛データを入力して前記記憶部に登録することを特徴とする請求項2に記載の運賃算出装置。
【請求項4】
前記配達地及び積込地は、郵便番号で規定されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の運賃算出装置。
【請求項5】
前記差異重量出力手段は、指定される得意先及び同運賃で積載可能な最大重量と出荷重量の差の閾値を含む抽出条件に従って、前記請求タリフマスタ又は前記傭車料タリフマスタを参照して、前記記憶部に登録されている売上データから指定される得意先で前記閾値以上のデータを抽出して、得意先、売上日、容積重量、同運賃で積載可能な最大重量、最大重量と容積重量の差異重量を含む帳票データを出力することを特徴とする請求項3に記載の運賃算出装置。
【請求項6】
制御部を備えた情報処理装置で実行される運賃算出方法であって、
前記制御部は、
得意先、配達地を関連づけて登録した得意先マスタと、
倉庫、積込地を関連づけて登録した倉庫マスタと、
積込地、配達地、容積重量の最小値~最大値、自社の運賃を関連づけて登録した請求タリフマスタと、
にアクセス可能に構成されており、
前記制御部で実行される、
得意先から商品の発注があった場合に、受注番号、得意先、出荷倉庫、配送業者、商品名、容積重量を含む受注データを入力して記憶部に登録し、当該受注データに基づいて、前記得意先をキーとして、前記得意先マスタから配達地を取得し、前記出荷倉庫をキーとして、前記倉庫マスタから積込地を取得し、取得した配達地及び積込地と前記容積重量をキーとして、前記請求タリフマスタから運賃を取得する受注入力工程と、
前記請求タリフマスタを参照して、前記容積重量について、前記運賃と同額で積載可能な最大重量との差異重量を算出して出力する差異重量出力工程と、
を含むことを特徴とする運賃算出方法。
【請求項7】
制御部を備えた情報処理装置で実行するための運賃算出プログラムであって、
前記制御部は、
得意先、配達地を関連づけて登録した得意先マスタと、
倉庫、積込地を関連づけて登録した倉庫マスタと、
積込地、配達地、容積重量の最小値~最大値、自社の運賃を関連づけて登録した請求タリフマスタと、
にアクセス可能に構成されており、
前記制御部において、
得意先から商品の発注があった場合に、受注番号、得意先、出荷倉庫、配送業者、商品名、容積重量を含む受注データを入力して記憶部に登録し、当該受注データに基づいて、前記得意先をキーとして、前記得意先マスタから配達地を取得し、前記出荷倉庫をキーとして、前記倉庫マスタから積込地を取得し、取得した配達地及び積込地と前記容積重量をキーとして、前記請求タリフマスタから運賃を取得する受注入力工程と、
前記請求タリフマスタを参照して、前記容積重量について、前記運賃と同額で積載可能な最大重量との差異重量を算出して出力する差異重量出力工程と、
を実行するための運賃算出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運賃算出装置、運賃算出方法、及び運賃算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、運送業では、実際に荷物を運送した後に、運賃の請求(確定)を行い、出荷伝票とは別のタイミングでの計上となっていた。そのため顧客が必要とする量の受注となり、同一運賃で出荷可能な量までの注文を受けることができなかった。従来、運賃を算出するシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、受注した際に運賃を算出し、同一運賃での最大出荷量を発注者に提案することに関して何ら記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、受注した際に運賃を算出し、同一運賃での最大出荷量を発注者に提案することが可能な運賃算出装置、運賃算出方法、及び運賃算出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた運賃算出装置であって、前記制御部は、得意先、配達地を関連づけて登録した得意先マスタと、倉庫、積込地を関連づけて登録した倉庫マスタと、積込地、配達地、容積重量の最小値~最大値、自社の運賃を関連づけて登録した請求タリフマスタと、にアクセス可能に構成されており、得意先から商品の発注があった場合に、受注番号、得意先、出荷倉庫、配送業者、商品名、容積重量を含む受注データを入力して記憶部に登録し、当該受注データに基づいて、前記得意先をキーとして、前記得意先マスタから配達地を取得し、前記出荷倉庫をキーとして、前記倉庫マスタから積込地を取得し、取得した配達地及び積込地と前記容積重量をキーとして、前記請求タリフマスタから運賃を取得する受注入力手段と、前記請求タリフマスタを参照して、前記容積重量について、前記運賃と同額で積載可能な最大重量との差異重量を算出して出力する差異重量出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、さらに、前記受注データに基づいて、売上番号、得意先名、売上日、出荷倉庫、配送業者、商品名、容積重量、売上金額を含む売上データを入力して、前記記憶部に登録する売上入力手段を備えることにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、さらに、積込地、配達地、容積重量の最小値~最大値、配送業者の運賃を関連づけて登録した傭車料タリフマスタにアクセス可能に構成されており、前記売上入力手段は、当該売上データに基づいて、前記得意先をキーとして、前記得意先マスタから配達地を取得し、前記出荷倉庫をキーとして、前記倉庫マスタから積込地を取得し、取得した配達地及び積込地と前記容積重量をキーとして、前記傭車料タリフマスタから運賃を取得し、売上諸掛番号、売上番号、費目、当該取得した運賃である売上金額を含む売上諸掛データを入力して前記記憶部に登録することにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記配達地及び積込地は、郵便番号で規定されることにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記差異重量出力手段は、指定される得意先及び同運賃で積載可能な最大重量と出荷重量の差の閾値を含む抽出条件に従って、前記請求タリフマスタ又は前記傭車料タリフマスタを参照して、前記記憶部に登録されている売上データから指定される得意先で前記閾値以上のデータを抽出して、得意先、売上日、容積重量、同運賃で積載可能な最大重量、最大重量と容積重量の差異重量を含む帳票データを出力することにしてもよい。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置で実行される運賃算出方法であって、前記制御部は、得意先、配達地を関連づけて登録した得意先マスタと、倉庫、積込地を関連づけて登録した倉庫マスタと、積込地、配達地、容積重量の最小値~最大値、自社の運賃を関連づけて登録した請求タリフマスタと、にアクセス可能に構成されており、前記制御部で実行される、得意先から商品の発注があった場合に、受注番号、得意先、出荷倉庫、配送業者、商品名、容積重量を含む受注データを入力して記憶部に登録し、当該受注データに基づいて、前記得意先をキーとして、前記得意先マスタから配達地を取得し、前記出荷倉庫をキーとして、前記倉庫マスタから積込地を取得し、取得した配達地及び積込地と前記容積重量をキーとして、前記請求タリフマスタから運賃を取得する受注入力工程と、前記請求タリフマスタを参照して、前記容積重量について、前記運賃と同額で積載可能な最大重量との差異重量を算出して出力する差異重量出力工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置で実行するための運賃算出プログラムであって、前記制御部は、得意先、配達地を関連づけて登録した得意先マスタと、倉庫、積込地を関連づけて登録した倉庫マスタと、積込地、配達地、容積重量の最小値~最大値、自社の運賃を関連づけて登録した請求タリフマスタと、にアクセス可能に構成されており、前記制御部において、得意先から商品の発注があった場合に、受注番号、得意先、出荷倉庫、配送業者、商品名、容積重量を含む受注データを入力して記憶部に登録し、当該受注データに基づいて、前記得意先をキーとして、前記得意先マスタから配達地を取得し、前記出荷倉庫をキーとして、前記倉庫マスタから積込地を取得し、取得した配達地及び積込地と前記容積重量をキーとして、前記請求タリフマスタから運賃を取得する受注入力工程と、前記請求タリフマスタを参照して、前記容積重量について、前記運賃と同額で積載可能な最大重量との差異重量を算出して出力する差異重量出力工程と、を実行するための運賃算出プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、受注した際に運賃を算出し、同一運賃での最大出荷量を発注者に提案することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本実施の形態に係る運賃算出装置の概要を説明するための図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態に係る運賃算出装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、得意先マスタの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、倉庫マスタの構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、発着地マスタの構成例を示す図である。
【
図6】
図6は、請求タリフマスタの構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、運賃品目・費目マスタの構成例を示す図である。
【
図8】
図8は、傭車料タリフマスタの構成例を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施の形態における運賃算出装置の制御部の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
【
図10】
図10は、本実施の形態における運賃算出装置の制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【
図11】
図11は、本実施の形態における運賃算出装置の制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【
図12】
図12は、本実施の形態における運賃算出装置の制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【
図13】
図13は、本実施の形態における運賃算出装置の制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【
図14】
図14は、本実施の形態における運賃算出装置の制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【
図15】
図15は、本実施の形態における運賃算出装置の制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施の形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
例えば、運送業では、実際に荷物を運送した後に、運賃の請求(確定)を行い、出荷伝票とは別のタイミングでの計上となっていた。そのため顧客が必要とする量の受注となり、同一運賃で出荷可能な量までの注文を受けることができなかった。
【0017】
受注時点で対象商品の発注量に応じて運賃が発生するが、例えば、建材(タイル等の重量物)の出荷の場合に、手配する車両が特殊で運賃が高額となる。そのため、1回の注文でできるだけまとめて運送するのが効率がよい。
【0018】
そこで、本実施の形態では、受注した際に運賃を算出し、同一運賃での最大出荷量を発注者に提案することが可能なシステムを構築した。
【0019】
これにより、発注者は必要数と同一運賃で最大限の発注数を把握でき、受注者も1回の受注機会に最大限の数量の発注を促せることができ、顧客(発注者)と受注者の両方にメリットがある。受注側企業としては、数量の増による売り上げ拡大につながる。
【0020】
図1は、本実施の形態に係る運賃算出装置の概要を説明するための図である。
図1において、得意先から発注があると、発注情報に基づいて、受注入力画面で受注入力を行い、受注データ(物品受注明細)の登録を行う。また、受注画面上で、「運賃取得ボタン」を押下して、登録済みの物品受注明細に基づいて、運賃計算を行い、計算した運賃を受注データに売上運賃明細として追加する。運賃計算は、荷主(得意先)、積込地(出荷倉庫(郵便番号))、配達地(得意先または納入先(取引先郵便番号))、基準日(売上予定日)車両(配送業者(車両情報を含むマスタ体系))、積荷(登録物品(商品マスタの単位毎の重量・容積重量))に基づいて行う。
【0021】
さらに、受注した商品の容積重量について、算出した運賃と同額で積載可能な最大重量との差異重量を算出して出力する。得意先に、算出した運賃と、同額で積載可能な最大重量との差異重量を含む運賃情報を回答して、同額の運賃であとどのくらいの量を出荷できるかを知らせる。
【0022】
売上入力では、受注データ(物品受注明細、売上運賃明細)に基づいて、売上入力画面で売上入力を行い、売上データ(物品売上明細、売上運賃明細)を登録する。また、売上入力画面で、「運賃取得ボタン」を押下して、再度運賃計算を実施する。運賃計算結果を、売上データの売上運賃明細に追加(売上運賃明細が未登録時)する。傭車料運賃も同時に計算し、該当売上伝票の売上諸掛データとして、運賃明細(支払運賃)を登録する。
【0023】
本発明の運賃算出装置は、例えば、建材(タイルなどの重量物)等の運賃が高額となる商品を扱う業者等に広く適用可能である。
【0024】
[2.構成]
図2を参照して、本実施の形態に係る運賃算出装置の構成の一例について説明する。
図2は、本実施の形態に係る運賃算出装置100の構成の一例を示すブロック図である。運賃算出装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、請求書処理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。運賃算出装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。運賃算出装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0025】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、運賃算出装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、運賃算出装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0026】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、および、マイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114として記載する場合がある。
【0027】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、および、ファイルなどが格納され
る。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等を用いることができる。
【0028】
また、記憶部106は、得意先マスタ106aと、倉庫マスタ106bと、発着地マスタ106cと、請求タリフマスタ106dと、運賃品目・費目マスタ106eと、傭車料タリフマスタ106fと、データファイル106gと、を備えている。
図3は、得意先マスタ106aの構成例を示す図である。
図4は、倉庫マスタ106bの構成例を示す図である。
図5は、発着地マスタ106cの構成例を示す図である。
図6は、請求タリフマスタ106dの構成例を示す図である。
図7は、運賃品目・費目マスタ106eの構成例を示す図である。
図8は、傭車料タリフマスタ106fの構成例を示す図である。
【0029】
得意先マスタ106aは、
図3に示すように、得意先コード、得意先名、郵便番号、住所のデータを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。図に示す例では、得意先コード「T01」、得意先名「□□販売(株)」、郵便番号「541-0046」、住所「大阪府大阪市中央区〇〇」となっている。なお、納入先が指定されている場合は、不図示の納入先マスタの情報を優先して取得し、得意先マスタ106aと同等の項目を使用することにしてもよい。
【0030】
倉庫マスタ106bは、
図4に示すように、倉庫コード、倉庫名、郵便番号、住所のデータを関連付けて登録したテーブル等で構成することができる。図に示す例では、倉庫コード「BT0001」、倉庫名「中央物流センター」、郵便番号「509-0001」、住所「岐阜県土岐市〇〇」となっている。
【0031】
発着地マスタ106cは、
図5に示すように、発着地コード、発着地エリアを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。
図5に示す例では、1行目は、発着地コード「509-0001」、発着地エリア「21:岐阜県」、2行目は、発着地コード「541-0046」、発着地エリア「27:大阪府」となっている。
【0032】
請求タリフマスタ106dは、
図6に示すように、積込地、積込地エリア、配達地、配達地エリア、容積重量合計、自社の運賃を関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。
図6に示す例では、1行目は、積込地「509-001」、積込地エリア「21:岐阜」、配達地「541-0046」、配達地エリア「27:大阪」、容積重量合計「~500」、運賃「30,000」、3行目は、積込地「509-001」、積込地エリア「21:岐阜」、配達地「541-0046」、配達地エリア「27:大阪」、容積重量合計「1001~2000」、運賃「60,000」となっている。
【0033】
運賃品目・費目マスタ106eは、
図7に示すように、KEY、運賃品目コード、運賃品目名、運賃費目コード、賃費目名を関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。
図7に示す例では、KEY「1」、運賃品目コード「5999」、運賃品目名「運賃費用」、運賃費目コード「H001」、賃費目名「支払運賃」となっている。
【0034】
傭車料タリフマスタ106fは、
図8に示すように、積込地、積込地エリア、配達地、配達地エリア、容積重量合計、配送業者の運賃を関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。
図8に示す例では、1行目は、積込地「509-001」、積込地エリア「21:岐阜」、配達地「541-0046」、配達地エリア「27:大阪」、容積重量合計「~500」、運賃「20,000」、3行目は、積込地「509-001」、積込地エリア「21:岐阜」、配達地「541-0046」、配達地エリア「27:大阪」、容積重量合計「1001~2000」、運賃「40,000」となっている。
【0035】
データファイル106gは、例えば、受注データ、売上データ、売上諸掛データ等の各種データを格納するためのファイルである。
【0036】
受注データは、物品受注明細と売上運賃明細で構成されていてもよく、事業所、受注番号、行番号、得意先名、出荷倉庫、配送業者、商品名、単位重量、使用数、重量(Kg)、容積重量(Kg)、売上金額を含んでいてもよい。
【0037】
売上データは、物品売上明細と売上運賃明細で構成されていてもよく、事業者、売上日、売上番号、行番号、得意先名、出荷倉庫、配送業者、商品名、単位重量、使用数、重量(Kg)、容積重量(Kg)、売上金額を含んでいてもよい。
【0038】
売上諸掛データは、売上諸掛番号、行番号、売上番号、費目、売上金額のデータを含んでいてもよい。
【0039】
図2に戻り、制御部102は、運賃算出装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0040】
制御部102は、記憶部106に格納されている、得意先マスタ106a、倉庫マスタ106b、発着地マスタ106c、請求タリフマスタ106d、運賃品目・費目マスタ106e、傭車料タリフマスタ106f、データファイル106g等にアクセス可能に構成されている。なお、得意先マスタ106a、倉庫マスタ106b、発着地マスタ106c、請求タリフマスタ106d、運賃品目・費目マスタ106e、傭車料タリフマスタ106f、データファイル106gは、他の場所(例えば、サーバ200)に設けられていてもよく、制御部102がアクセス可能な構成であればよい。
【0041】
制御部102は、機能概念的に、受注入力部102aと、売上入力部102bと、差異重量出力部102cと、マスタメンテ部102dと、画面表示制御部102eと、を備えている。
【0042】
受注入力部102aは、例えば、モニタ114に表示される受注入力画面上でのオペレータの操作に応じて、得意先から商品の発注があった場合に、受注番号、得意先、出荷倉庫、配送業者、商品名、容積重量(出荷重量)を含む受注データを入力してデータファイル106gに登録する。また、受注入力部102aは、受注入力画面で「運賃取得」ボタンが押下されると、当該受注データ(物品受注明細)に基づいて、得意先をキーとして、得意先マスタ106aから配達地を取得し、出荷倉庫をキーとして、倉庫マスタ106bから積込地を取得し、取得した配達地及び積込地と容積重量をキーとして、請求タリフマスタ106dから運賃を取得し、売上運賃明細を当該受注データに追加する。
【0043】
売上入力部102bは、例えば、モニタ114に表示される売上入力画面上でのオペレータの操作に応じて、受注データに基づいて、売上番号、得意先名、売上日、出荷倉庫、配送業者、商品名、容積重量、売上金額を含む売上データを入力して、データファイル106gに登録する。また、売上入力部102bは、売上入力画面で「運賃取得」ボタンが押下されると、運賃を再計算し(運賃の再計算の方法は、受注入力部102aと同様である)、その際、傭車の運賃を算出する。具体的には、売上データ(物品売上明細)の得意先をキーとして、得意先マスタ106aから配達地を取得し、出荷倉庫をキーとして、倉庫マスタ106bから積込地を取得し、取得した配達地及び積込地と容積重量をキーとして、傭車料タリフマスタ106fから運賃を取得し、売上諸掛番号、売上番号、費目、当該取得した運賃である売上金額を含む売上諸掛データをデータファイル106gに登録する。
【0044】
差異重量出力部102cは、受注入力の際に、受注入力部102aで運賃が算出されると、請求タリフマスタ106dを参照して、容積重量(出荷重量)について、運賃と同額で積載可能な最大重量との差異重量を算出して出力する。
【0045】
差異重量出力部102cは、モニタ114に表示される交渉先一覧表画面上でのオペレータの操作に応じて、指定される得意先及び同運賃で積載可能な最大重量と出荷重量の差の閾値を含む抽出条件に従って、請求タリフマスタ106d又は傭車料タリフマスタ106fを参照して、データファイル106gに登録されている売上データから指定される得意先で閾値以上のデータを抽出して、得意先、売上日、容積重量、同運賃で積載可能な最大重量、最大重量と容積重量の差異重量を含む帳票データを表示出力する。
【0046】
マスタメンテ部102dは、例えば、モニタ114に表示されるマスタメンテ画面上でのオペレータの操作に応じて、得意先マスタ106a、倉庫マスタ106b、発着地マスタ106c、請求タリフマスタ106d、運賃品目・費目マスタ106e、傭車料タリフマスタ106fに対して、データの入力・追加・削除・編集等の設定を行う。
【0047】
画面表示制御部102eは、例えば、モニタ114に表示する各種画面(例えば、マスタメンテ画面、受注入力画面、売上入力画面、交渉先一覧表画面等)の表示及びその入力の受付を制御する。
【0048】
[3.具体例]
図1~
図15を参照して、本実施の形態における運賃算出装置100の制御部102の処理の具体例について説明する。
【0049】
(3-1.全体の処理)
図9は、本実施の形態における運賃算出装置100の制御部102の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
【0050】
図9を参照して、本実施の形態における運賃算出装置100の制御部102の全体の処理の概略を説明する。
図9において、マスタメンテ部102dは、マスタメンテ処理を実行する(ステップS1)。具体的には、マスタメンテ処理では、マスタメンテ部102dは、例えば、不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータの操作に応じて、得意先マスタ106a、倉庫マスタ106b、発着地マスタ106c、請求タリフマスタ106d、運賃品目・費目マスタ106e、傭車料タリフマスタ106f、データファイル106g等にアクセス可能に構成されている。なお、得意先マスタ106a、倉庫マスタ106b、発着地マスタ106c、請求タリフマスタ106d、運賃品目・費目マスタ106e、傭車料タリフマスタ106fに対して、データの設定を行う。
【0051】
受注入力部102aは、受注入力処理を実行する(ステップS2)。具体的には、受注入力処理では、受注入力部102aは、例えば、モニタ114に表示される受注入力画面上でのオペレータの操作に応じて、得意先から商品の発注があった場合に、受注番号、得意先、出荷倉庫、配送業者、商品名、容積重量(出荷重量)を含む受注データを入力してデータファイル106gに登録する。また、受注入力部102aは、受注入力画面で「運賃取得」ボタンが押下されると、当該受注データ(物品受注明細)に基づいて、得意先をキーとして、得意先マスタ106aから配達地を取得し、出荷倉庫をキーとして、倉庫マスタ106bから積込地を取得し、取得した配達地及び積込地と容積重量をキーとして、請求タリフマスタ106dから運賃を取得し、売上運賃明細を当該受注データに追加する。
【0052】
差異重量出力部102cは、受注入力部102aで運賃が算出されると、請求タリフマスタ106dを参照して、受注データの容積重量(出荷重量)について、運賃と同額で積載可能な最大重量との差異重量を算出して出力する。
【0053】
売上入力部102bは、売上入力処理を実行する(ステップS3)。具体的な、売上入力処理では、売上入力部102bは、例えば、モニタ114に表示される売上入力画面上でのオペレータの操作に応じて、受注データに基づいて、売上番号、得意先名、売上日、出荷倉庫、配送業者、商品名、容積重量、売上金額を含む売上データを入力して、データファイル106gに登録する。また、売上入力部102bは、売上入力画面で「運賃取得」ボタンが押下されると、運賃を再計算し、その際、傭車の運賃を算出し、具体的には、売上データ(物品売上明細)の得意先をキーとして、得意先マスタ106aから配達地を取得し、出荷倉庫をキーとして、倉庫マスタ106bから積込地を取得し、取得した配達地及び積込地と容積重量をキーとして、傭車料タリフマスタ106fから運賃を取得し、売上諸掛番号、売上番号、費目、当該取得した運賃である売上金額を含む売上諸掛データをデータファイル106gに登録する。
【0054】
差異重量出力部102cは、差異重量出力処理を実行する(ステップS4)。具体的には、差異重量出力処理では、差異重量出力部102cは、モニタ114に表示される交渉先一覧表画面上でのオペレータの操作に応じて、指定される得意先及び同運賃で積載可能な最大重量と出荷重量の差の閾値を含む抽出条件に従って、請求タリフマスタ106d又は傭車料タリフマスタ106fを参照して、データファイル106gに登録されている売上データから指定される得意先で閾値以上のデータを抽出して、得意先、売上日、容積重量、同運賃で積載可能な最大重量、最大重量と容積重量の差異重量を含む帳票データを表示出力する。
【0055】
(3-2.サンプルデータ)
図10~
図15は、本実施の形態における運賃算出装置100の制御部102の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図10~
図15を参照して、本実施の形態における運賃算出装置100の制御部102の処理の具体例を説明する。
【0056】
(S2:受注入力処理)
図10を参照して、受注入力処理を説明する。受注入力処理では、受注入力部102aは、例えば、モニタ114に表示される受注入力画面上でのオペレータの操作に応じて、得意先から商品の発注があった場合に、受注番号、得意先、出荷倉庫、配送業者、商品名、容積重量(出荷重量)を含む受注データを入力してデータファイル106gに登録する。
【0057】
また、受注入力部102aは、受注入力画面で「運賃取得」ボタンが押下されると、当該受注データ(物品受注明細)に基づいて、得意先をキーとして、得意先マスタ106aから配達地を取得し、出荷倉庫をキーとして、倉庫マスタ106bから積込地を取得し、取得した配達地及び積込地と容積重量をキーとして、請求タリフマスタ106dから運賃を取得し、売上運賃明細を当該受注データに追加する。売上運賃明細を受注データに追加することで、請求への紐付けを実現する。
【0058】
図10(A)は、受注データの例、
図10(B)は、得意先マスタ106aの例、
図10(C)は、倉庫マスタ106bの例、
図10(D)は、発着地マスタ106cの例、
図10(E)は、請求タリフマスタ106dの例、
図10(F)は、運賃品目・費目マスタ106eの例を示している。
【0059】
図10(A)において、受注データは、受注番号、行番号、得意先名、出荷倉庫、配送業者、商品名、単位重量、使用数、重量(Kg)、容積重量(Kg)、売上金額の項目を備えている。例えば、得意先からの発注に基づいて、受注番号「JU0000000001」について、行番号「1」~「5」の受注データ(物品受注明細)を入力してデータファイル106gに登録する。行番号「1」は、得意先名「□□販売(株)」、出荷倉庫「中央物流センター」、配送業者「〇〇通運」 20t車」、商品名「S001 外装タイル」、単位重量「10.00」、使用数「10.00」、重量(Kg)「100.00」、容積重量(Kg)「280.00」、売上金額「50,000」となっている。
【0060】
行番号「1」~「5」の受注データ(物品受注明細)に基づいて、運賃(売上金額)を算出して、行番号「6」に、運賃売上明細を追加してデータファイル106gに登録する。
【0061】
具体的には、以下のようにして、運賃に関する受注データを登録する。得意先名、出荷倉庫、配送業者は、行番号「1」~「5」の受注データ(物品受注明細)と同じデータを設定する。
【0062】
KEY=1で
図10(F)の運賃品目・費目マスタ106eを参照して、運賃品目「S999:運送費用」を取得して、商品名に設定する。得意先「□□販売(株)」をキーとして、
図10(B)に示す得意先マスタ106aから配達地の郵便番号「541-0046」を取得し、出荷倉庫「中央物流センター」をキーとして、
図10(C)に示す倉庫マスタ106bから積込地の郵便番号「509-001」を取得する。行番号「1」~「5」の容積重量「1880(=280+560+560+280+200)」の合計を算出する。
【0063】
配達地の郵便番号「541-0046」、積込地の郵便番号「509-001」、容積重量「1880」をキーとして、
図10(E)の請求タリフマスタ106dから運賃「60,000」を取得して、売上金額に設定する。
【0064】
このようにして、行番号「6」に、得意先名「□□販売(株)」、出荷倉庫「中央物流センター」、配送業者「〇〇通運」 20t車」、商品名「S999 輸送費用」、売上金額「60,000」の受注データが設定される。
【0065】
差異重量出力部102cは、受注入力部102aで運賃が算出されると、請求タリフマスタ106dを参照して、受注データの容積重量(出荷重量)について、運賃と同額で積載可能な最大重量との差異重量を算出して出力する。
【0066】
この例では、請求タリフマスタ106dの運賃「60,000」の容積重量は、最小値1001kg~最大値2000kgであるので、2000kg-1880kg=差異重量「120kg」を出力し、得意先に同額の運賃で後120kg運送可能である旨を通知する。
【0067】
(S3:売上入力)
図11~
図13を参照して、売上入力処理を説明する。売上入力部102bは、例えば、モニタ114に表示される売上入力画面上でのオペレータの操作に応じて、受注データに基づいて、売上番号、得意先名、売上日、出荷倉庫、配送業者、商品名、容積重量、売上金額を含む売上データを入力して、データファイル106gに登録する。
【0068】
また、売上入力部102bは、売上入力画面で「運賃取得」ボタンが押下されると、運賃を再計算し、その際、傭車の運賃を算出し、具体的には、売上データ(物品売上明細)の得意先をキーとして、得意先マスタ106aから配達地を取得し、出荷倉庫をキーとして、倉庫マスタ106bから積込地を取得し、取得した配達地及び積込地と容積重量をキーとして、傭車料タリフマスタ106fから運賃を取得し、売上諸掛番号、売上番号、費目、当該取得した運賃である売上金額を含む売上諸掛データをデータファイル106gに登録する。売上諸掛データを登録することで、売上伝票に紐付く運賃の把握と傭車先への支払明細としても使用可能となり、傭車先からの請求書との突合せを効率化でき、支払処理と連携することにより、システム運用を効率化できる。
【0069】
図11(A)は受注データの例、
図11(B)は売上データの例、
図11(C)は、売上諸掛データの例、
図12(A)は、得意先マスタ106aの例、
図12(B)は、倉庫マスタ106bの例、
図12(C)は、発着地マスタ106cの例、
図12(D)は、請求タリフマスタ106dの例、
図12(E)は、運賃品目・費目マスタ106eの例、
図13は傭車料タリフマスタ106fの例を示している。
【0070】
図11(B)において、売上データは、事業所、売上日、売上番号、行番号、得意先名、出荷倉庫、配送業者、商品名、単位重量、使用数、重量(Kg)、容積重量(Kg)、売上金額の項目を備えている。1行目は、事業所「001」、売上日「2021/1/20」、売上番号「UR0000000001」、行番号「1」、得意先名「□□販売(株)」、出荷倉庫「中央物流センター」、配送業者「〇〇通運」 20t車」、商品名「S001 外装タイル」、単位重量「10.00」、使用数「10.00」、重量(Kg)「100.00」、容積重量(Kg)「280.00」、売上金額「50,000」となっている。
【0071】
図11(C)において、売上諸掛データは、売上諸掛番号、行番号、売上番号、費目、売上金額の項目を備えている。
図11(C)に示す売上諸掛データの例では、売上諸掛番号「URSK00000001」、行番号「1」、売上番号「UR0000000001」、費目「支払運賃」、売上金額「40,000」となっている。
【0072】
運賃の再計算は受注入力と同様であるので説明を省略する。傭車料の計算では、KEY=1で
図12(E)の運賃品目・費目マスタ106eを参照して、運賃費目「H001:支払運賃」を取得する。取得した運賃費目「支払運賃」を売上諸掛データの費目に設定する。
【0073】
得意先「□□販売(株)」をキーとして、
図12(A)に示す得意先マスタ106aから配達地の郵便番号「541-0046」を取得し、出荷倉庫「中央物流センター」をキーとして、
図12(B)に示す倉庫マスタ106bから積込地の郵便番号「509-001」を取得する。行番号「1」~「5」の容積重量「1880(=280+560+560+280+200)」を算出する。
【0074】
配達地の郵便番号「541-0046」、積込地の郵便番号「509-001」、容積重量「1880」をキーとして、
図13に示す傭車料タリフマスタ106fから運賃「40,000」を取得して、売上諸掛データの売上金額に設定する。
【0075】
(S4:差異重量出力処理)
図14及び
図15を参照して、差異重量出力処理を説明する。差異重量出力部102cは、例えば、モニタ114に表示される交渉先一覧表画面上でのオペレータの操作に従って指定される、得意先及び同運賃で積載可能な最大重量と出荷重量の差の閾値を含む抽出条件に従って、売上データから指定される得意先で前記閾値以上のデータを抽出して、得意先、売上日、容積重量、同運賃で積載可能な最大重量、最大重量と容積重量の差異重量を含む帳票データを表示出力する。すなわち、売上データに紐づく、売上運賃又は庸車料運賃を元に交渉先一覧を作成する。
【0076】
図14は、交渉先一覧表画面の抽出条件設定画面の表示例を示す図である。交渉先一覧表画面の抽出条件設定画面は、事業所を指定する事業所指定エリアと、得意先を指定する得意先指定エリアと、対象とする売上日の期間を指定する売上日指定エリアと、同運賃で積載可能な最大重量と出荷重量の差の閾値を指定する出荷重量タリフ差指定エリアと、不図示の実行ボタンと、を備えている。
【0077】
各指定エリアでデータが指定され、実行ボタンが押下されると、請求タリフマスタ106d又は傭車料タリフマスタ106fを参照して、売上データから指定される得意先で前記閾値以上のデータを抽出して、得意先、売上日、容積重量、同運賃(売上運賃又は傭車料運賃)で積載可能な最大重量、最大重量と容積重量の差異重量を含む帳票データが表示出力される。
【0078】
同図に示す例では、事業所指定エリアでは、「001~001」、得意先指定エリアでは、「T01~T01」、売上日指定エリアでは、「2021/1/1~2021/1/31」、出荷重量タリフ差指定エリアでは、「20.00 Kg 以上」が指定されている。不図示の実行ボタンが押されると、
図15に示すような帳票データが出力される。この例では、傭車料タリフマスタ106fを参照している。
【0079】
図15は、交渉先一覧の帳票データの出力例を示している。帳票データは、No、得意先、売上日、伝票売上運賃、容積重量伝票計、請求タリフ運賃、積載重量(MIN)、積載重量(MAX)、タリフとの重量差異の項目を備えている。同図に示す例では、1行目は、No「1」、得意先「T01:□□販売(株)」、売上日「2021/1/11」、伝票売上運賃「25,000」、容積重量伝票計「980.00」、請求タリフ運賃「25,000」、積載重量(MIN)「501.00」、積載重量(MAX)「10,000.00」、タリフとの重量差異「20.00」となっている。
【0080】
例えば、取引先(得意先)別日別に請求した運賃とその際の出荷重量に対して、その請求運賃と同額で最大の重量をタリフより出力する。同じ運賃の出荷重量とタリフ最大重量を比較してその差異が画面指定の出荷重量タリフ差より大きい情報を出力する。事後であるが発注量の調整に使用することができる。例えば、客先への提示と社内で活用することができる。
【0081】
以上説明したように、本実施の形態によれば、得意先、配達地を関連づけて登録した得意先マスタ106aと、倉庫、積込地を関連づけて登録した倉庫マスタ106bと、積込地、配達地、容積重量の最小値~最大値、自社の運賃を関連づけて登録した請求タリフマスタ106dと、得意先から商品の発注があった場合に、受注番号、得意先、出荷倉庫、配送業者、商品名、容積重量を含む受注データを入力してデータファイル106gに登録し、当該受注データに基づいて、得意先をキーとして、得意先マスタ106aから配達地を取得し、出荷倉庫をキーとして、倉庫マスタ106bから積込地を取得し、取得した配達地及び積込地と容積重量をキーとして、請求タリフマスタ106dから運賃を取得する受注入力部102aと、請求タリフマスタ106dを参照して、容積重量について、運賃と同額で積載可能な最大重量との差異重量を算出して出力する差異重量出力部102cと、を備えているので、受注した際に運賃を算出し、同一運賃での最大出荷量を発注者に提案することが可能となる。
【0082】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0083】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0084】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0085】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0086】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0087】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0088】
また、運賃算出装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0089】
例えば、運賃算出装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を運賃算出装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて運賃算出装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0090】
また、このコンピュータプログラムは、運賃算出装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0091】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0092】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0093】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0094】
また、運賃算出装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の運賃算出装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該運賃算出装置として構成してもよい。また、運賃算出装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0095】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0096】
100 運賃算出装置
102 制御部
102a 受注入力部
102b 売上入力部
102c 差異重量出力部
102d マスタメンテ部
102e 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 得意先マスタ
106b 倉庫マスタ
106c 発着地マスタ
106d 請求タリフマスタ
106e 運賃品目・費目マスタ
106f 傭車料タリフマスタ
106g データファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
300 ネットワーク