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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155564
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】除菌剤
(51)【国際特許分類】
   A01N 37/06 20060101AFI20221005BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20221005BHJP
   A01P 1/00 20060101ALI20221005BHJP
   A01N 25/04 20060101ALI20221005BHJP
   A01N 57/12 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
A01N37/06
A01P3/00
A01P1/00
A01N25/04 102
A01N57/12 F
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022054862
(22)【出願日】2022-03-30
(31)【優先権主張番号】P 2021057574
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】519369032
【氏名又は名称】株式会社Nexting
(74)【代理人】
【識別番号】100170014
【弁理士】
【氏名又は名称】蓼沼 恵美子
(72)【発明者】
【氏名】浦田 和昭
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AA02
4H011AA04
4H011BB06
4H011BB17
4H011DA15
(57)【要約】
【課題】微細粒子化した大豆脂肪酸(不飽和脂肪酸)を含む水溶性コロイド溶液を弱アルカリイオン水で希釈し、除菌効果を向上させた除菌剤を提供する。
【解決手段】除菌剤は、少なくとも大豆脂肪酸、レシチン、および精製水を混合撹拌して生成された、微細粒子化した大豆脂肪酸を含む水溶性コロイド溶液1体積部に対して、PH8.8~9.9の弱アルカリイオン水を1.5~19体積部混和して得られる。除菌対象は、大腸菌、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、レジオネラ菌、ネコ伝染性腹膜炎ウイルス、およびインフルエンザウイルスからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも大豆脂肪酸、レシチン、および精製水を混合撹拌して生成された、微細粒子化した大豆脂肪酸を含む水溶性コロイド溶液1体積部に対して、PH8.8~9.9の弱アルカリイオン水を1.5~19体積部混和して得られる除菌剤。
【請求項2】
PH10.0~10.5である請求項1に記載の除菌剤。
【請求項3】
前記弱アルカリイオン水が、弱アルカリ温泉水である、請求項1または請求項2に記載の除菌剤。
【請求項4】
前記弱アルカリイオン水が、硬度2以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の除菌剤。
【請求項5】
前記水溶性コロイド溶液が、ナノソイ・コロイド(登録商標)であって、および/または前記弱アルカリイオン水が、温泉水99(登録商標)である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の除菌剤。
【請求項6】
除菌対象が、大腸菌、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、レジオネラ菌、ネコ伝染性腹膜炎ウイルス、およびインフルエンザウイルスからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の除菌剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除菌剤に関する。
【背景技術】
【0002】
環境負荷や人体への安全性に対する意識の高まりを背景に、天然由来の除菌剤の需要が高まっている。天然由来の除菌剤には、例えば、グレープフルーツ抽出物や茶カテキンなどを利用したものがある。
【0003】
その他にも、天然由来の除菌剤として、洗浄力、除菌力、および消臭力を有するナノソイ・コロイド(登録商標)を利用したものがある。ナノソイ・コロイドは、少なくとも大豆脂肪酸といった植物脂肪酸(不飽和脂肪酸)、レシチン、および精製水を混合し、高速で撹拌して生成された、ナノ化した植物脂肪酸を含む水溶性コロイド溶液である(特許文献1,2、および非特許文献1参照)。
【0004】
ナノソイ・コロイドは、ブラウン運動を行い、対象物に付着した油といった汚れ成分のイオン結合を破壊し、微生物が食べやすくすることで対象物を洗浄することができる。また、ナノソイ・コロイドは、菌やウイルスの周りを取り囲み、それらの構成分子を引き抜くため、菌はただの細胞に、ウイルスはタンパク質へと変化させることにより、除菌ができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許4133823号
【特許文献2】特開2015-54966号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】WITgroup インターネット<URL:http://wit-g.com/>、[2021年3月25日検索]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在、ナノソイ・コロイドは、用途に応じて、主に原液を水もしくはお湯で5~1000倍に希釈して用いられている。希釈して用いるナノソイ・コロイド以外の洗剤も、水もしくはお湯で希釈するものがほとんどである。ところで、原液を希釈して用いる場合に、希釈濃度や希釈液の種類によって効果が変わることがある。そこで、ナノソイ・コロイドといった、微粒子化(好ましくは、ナノ化)した大豆脂肪酸(不飽和脂肪酸)を含む水溶性コロイド溶液を、水またはお湯以外の希釈液を用いることで、原液を水またはお湯で希釈した場合の効果を向上させることや、異なる効果を生じることが考えられる。
【0008】
そこで、本発明は、上記事実を考慮して、微粒子化した大豆脂肪酸(不飽和脂肪酸)を含む水溶性コロイド溶液を弱アルカリイオン水で希釈し、除菌効果を向上させた除菌剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、少なくとも大豆脂肪酸、レシチン、および精製水を混合撹拌して生成された、微細粒子化した大豆脂肪酸を含む水溶性コロイド溶液1体積部に対して、PH8.8~9.9の弱アルカリイオン水を1.5~19体積部混和して得られる除菌剤である。
【0010】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、PH10.0~10.5である除菌剤である。
【0011】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記弱アルカリイオン水が、弱アルカリ温泉水である除菌剤である。
【0012】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記弱アルカリイオン水が、硬度2以下である、除菌剤である。
【0013】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記水溶性コロイド溶液がナノソイ・コロイド(登録商標)であって、および/または前記弱アルカリイオン水が温泉水99(登録商標)である除菌剤である。
【0014】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、除菌対象が、大腸菌、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、レジオネラ菌、ネコ伝染性腹膜炎ウイルス、およびインフルエンザウイルスからなる群より選ばれる少なくとも1種である除菌剤である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、微少粒子化した大豆脂肪酸(不飽和脂肪酸)を含む水溶性コロイド溶液を弱アルカリイオン水で希釈し、除菌効果を向上させた除菌剤を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の除菌剤(以下、本発明除菌剤という)について、説明する。本発明において、除菌剤は、増殖可能な菌やウイルスを対象物から一定数減少させることができるものをいい、除菌効果があるとは、増殖可能な菌やウイルスを対象物から一定数減少させる効果があることをいう。なお、本発明は、以下に説明する内容に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能である。
【0017】
(除菌剤の製法)
本発明除菌剤は、微少粒子化した大豆脂肪酸(不飽和脂肪酸)を含む水溶性コロイド溶液(以下、原液という)と弱アルカリイオン水とを混和して生成する。詳細には、原液1体積部に対して、PH8.8~9.9の弱アルカリイオン水を1.5~19体積部混和して生成する。言い換えると、本発明除菌剤は、希釈液に弱アルカリイオン水を用いて、原液を2.5~20体積倍希釈して生成する。原液1体積部に対し、PH8.8~9.9の弱アルカリイオン水は、好ましくは4~14体積部、特に好ましくは、4~9体積部である。生成された本発明の除菌剤は、pH10.0~10.5、好ましくは、pH10.1~10.3、特に好ましくは、pH10.2~10.3である。
【0018】
希釈方法は、特に制限はなく、原液に弱アルカリイオン水を注いでもよいし、弱アルカリイオン水に原液を注いでもよい。また、注ぐだけで原液と弱アルカリイオン水とは混ざり合うので、注いだ後、撹拌しなくともよい。希釈条件も、特に制限はないが、常温下、大気圧下で行うのが好ましい。
【0019】
(水溶性コロイド溶液の製法)
次に、原液となる、微少粒子化した大豆脂肪酸(不飽和脂肪酸)を含む水溶性コロイド溶液の製法について説明する。原液は、少なくとも大豆脂肪酸、レシチン、および精製水を混合して、撹拌により分子の切断を行い、ブラウン運動を行うことが可能な大きさの微細粒子(ナノ粒子)とした大豆脂肪酸を含む水溶液である。
【0020】
微細粒子の大きさは、上述したようにブラウン運動が可能であれば特に限定されないが、好ましくは、ナノサイズである。微細粒子の粒径は、例えば0.1~1000nm、1~900nm又は5~800nmである。微細粒子の粒径は、ふるい分け法、沈降法、顕微鏡法、光散乱法、レーザー回折・散乱法、電気的抵抗試験、透過型電子顕微鏡による観察及び走査型電子顕微鏡による観察等の公知の方法で測定できる。粒径は公知の粒度分布計で測定してもよい。粒径は、複数の粒子を測定対象として、平均で表した平均粒径、体積平均粒径及び面積平均粒径等であってもよい。また、粒径は、レーザー回折・散乱法等の測定に基づく個数分布等から算出される平均粒径であってもよい。
【0021】
例えば、特許文献1の製法では、まず、大豆脂肪酸14~22重量部、レシチン2~4重量部、アルカノールアミド6~14重量部、イソオクチルフェノキシポリエトキシエタノール25重量部、補助添加剤としてエチレンジアミン四酢酸3重量部、および蒸留水42重量部を含む混合物を高速で撹拌する。次に、撹拌した混合物に対して鹸化工法を適用して、ブラウン運動を行うことが可能な大きさの微細な分子を含む溶液を得る。そして、溶液に対して水分とPHの調節を行って、原液を得る。
【0022】
また、特許文献2の製法では、大豆脂肪酸35~45重量部、レシチン3~5重量部、1.3-ブチレングリコール3~5重量部、精製水45~59重量部を混合し、急速正逆回転せん断撹拌機で数分撹拌し、乳化されコロイド状の混合物を生成する。次に、生成したコロイド状の混合物に酸化を防ぐα-トコフェロール3~5重量部と鹸化剤として苛性カリ5~10重量部を入れて、急速正逆回転せん断撹拌機で数分撹拌し、ナノ化した大豆脂肪酸(不飽和脂肪酸)を含む原液を得る。
【0023】
(弱アルカリイオン水)
次に、希釈液である弱アルカリイオン水について説明する。希釈液に用いる弱アルカリイオン水は、pH8.0~11.0の弱アルカリ性の水であり、好ましくは、pH8.8~9.9、特に好ましくは、pH9.5~9.9である。希釈液に用いる弱アルカリイオン水は、水道水の電気分解等により人工的に製造されたものであってもよいが、天然の弱アルカリイオン水であるのが好ましく、より好ましくは、天然の弱アルカリ温泉水であって、例えば、温泉水99(登録商標 エスオーシー株式会社 https://www.onsensui.com/company/)である。
【0024】
ここで、天然の弱アルカリイオン水とは、世界各地で湧出しているアルカリイオン濃度の高い天然水であり、人工的に製造された弱アルカリイオン水と比べ、pHの経時的変化が小さいまたはないと言われている水である。温泉水99においては、ペットボトルに密閉された状態で4年間保存しても、pHの変化はほぼない。
【0025】
希釈液とする弱アルカリイオン水は、軟水であるのが好ましく、特に硬度2以下の軟水であるのが好ましい。カルシウムやマグネシウムの金属イオン含有量が少ない程、微細粒子化した大豆脂肪酸が水中で安定すると考えられるためである。
【0026】
(希釈倍率とpH)
次に、原液と希釈液との希釈倍率とpHについて、原液にナノソイ・コロイド(登録商標)、希釈液に温泉水99を用いる場合を例に説明する。
【0027】
後述するように、本発明除菌剤として、原液のナノソイ・コロイドを希釈液の温泉水99で2.5,5,10,15,20体積倍した除菌剤(以下、それぞれ本発明除菌剤2.5,5,10,15,20という)は、除菌効果を有する。一方、原液のナノソイ・コロイドを希釈液の精製水で5,10体積倍した除菌剤(以下、それぞれ比較除菌剤5,10という)も、除菌効果を有する。しかしながら、比較除菌剤5よりも本発明除菌剤5の方が、また、比較除菌剤10よりも本願除菌剤10の方が、除菌効果が高い。
【0028】
これらのことから、本発明除菌剤2.5,5,10,15,20は、原液のナノソイ・コロイドを希釈液の精製水で2.5,5,10,15,20体積倍した除菌剤よりも除菌効果が高いといえる。
【0029】
ここで、表1に、ナノソイ・コロイド、温泉水99、およびナノソイ・コロイドを温泉水99で5,10,15,20体積倍に希釈した際のpHを示す。5,10,15,20体積倍に希釈した際のpHから、2.5倍希釈した際のpHは、10.4と推定できる。ところで、ナノソイ・コロイドおよび温泉水99のpHには幅があり、ナノソイ・コロイドはpH10.0~11.0、温泉水はpH9.5~9.9である。そのため、原液を希温泉水99で2.5~20体積倍に希釈した本願除菌剤はpH10.0~10.5の範囲にあるといえる。
【0030】
【表1】
【0031】
(除菌剤の保存)
本発明除菌剤は、長期間保存しても除菌の効果を維持できる。ここで、長期間とは、2か月以上、更には半年以上である。一方、原液の希釈液に精製水を用いた場合には、時間の経過とともに除菌効果が下がってくる。これは、本発明除菌剤は、生成後半年以上経過しても、見た目や臭いに変化がないのに対し、比較除菌剤5は、生成後1ヵ月以上経過すると、腐敗臭がしたり水色が変化したりし始める。これは、比較除菌剤5内に菌が繁殖したためであり、比較除菌剤5の除菌効果が下がっていることを示している。このように、本発明除菌剤は、比較除菌剤5よりも除菌効果が長期間維持できる。
【0032】
(除菌剤の効果)
本発明除菌剤は、大腸菌、サルモネラ属菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、レジオネラ属菌、黒カビ、ネコ伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)、およびインフルエンザウイルスに対して、除菌効果がある。
【0033】
具体的には、緑膿菌およびレジオネラ属菌は、本発明除菌剤5を添加後1分で菌数が1/100以下で菌数が検出できないレベルまで減少し、本発明除菌剤5は緑膿菌およびレジオネラ属菌に対して短時間で強い除菌効果がある。黄色ブドウ球菌は、本発明除菌剤2.5,5,10,15,20を添加後1分で菌数は1/100以下、5分で菌数が1/100以下で菌数が検出できないレベルまで減少し、本発明除菌剤2.5,5,10,15,20は黄色ブドウ球菌に対しても短時間で強い除菌効果がある。
【0034】
大腸菌は、本発明除菌剤5,10,15,20を添加後1分または5分で菌数は1/10程度、30分以上で菌数が1/100以下でほぼ菌数が検出できないレベルまで減少し、時間を要するものの本発明除菌剤5,10,15,20は大腸菌に対して除菌効果がある。また、本発明除菌剤2.5は、大腸菌に添加後1分で菌数が1/100以下で菌数が検出できないレベルまで減少し、短時間で強い除菌効果がある。黒カビは、本発明除菌剤5を添加後1分で菌数は1/2以下、30分以上で菌数は1/5以下に減少し、本発明除菌剤5は黒カビに対して弱い除菌効果がある。サルモネラ属菌は、本発明除菌剤5を添加後5分で菌数は1/2程度、30分以上で菌数は1/3程度に減少し、本発明除菌剤5はサルモネラ属菌に対して弱い除菌効果がある。
【0035】
これらのことから、本発明除菌剤5の上記細菌への除菌効果の強さは、緑膿菌,レジオネラ属菌>黄色ブドウ球菌>大腸菌>黒カビ>サルモネラ属菌である。
【0036】
一方、比較除菌剤5(原液を精製水で5体積倍に希釈したもの)においても、上記細菌に対しての除菌効果があるものの、本発明除菌剤と比較すると除菌効果が低い。例えば、比較除菌剤5では、黄色ブドウ球菌では、菌数が1/100以下でほぼ菌数が検出できないレベルまで減少するのは添加後30分以上であり、大腸菌では添加後一時間以上でも菌数が1/10程度までしか減少しないことから、本発明除菌剤5よりも上記細菌に対する除菌効果が低いといえる。よって、希釈液に精製水ではなく弱アルカリイオン水を用いた本発明除菌剤5は、上記細菌に対して除菌効果が向上している。
【0037】
ネコ伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)については、原液を弱アルカリイオン水である温泉水99で20~160倍希釈した本発明除菌剤5よりも希薄な除菌剤を添加した場合に、添加後10分でネコ伝染性腹膜炎ウイルスを検出限界以下に抑制することができ、除菌効果があった。このことから、本発明除菌剤5よりも希薄な除菌剤でネコ伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)に対する除菌効果があるので、本発明除菌剤5でも、ネコ伝染性腹膜炎ウイルスの除菌効果があるといえる。
【0038】
一方、原液を精製水で20~80倍希釈した比較除菌剤5よりも希薄な除菌剤を添加した場合に、添加後10分でネコ伝染性腹膜炎ウイルスを検出限界以下に抑制することができ、除菌効果があった。ネコ伝染性腹膜炎ウイルスを検出限界以下に抑制することができる希釈倍率の上限は、希釈液が弱アルカリイオン水である温泉水である場合には160倍希釈であったのに対し、希釈液が精製水である場合には、80倍希釈であることから、比較除菌剤5は本発明除菌剤よりもネコ伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)に対する除菌効果が低いといえる。よって、希釈液に精製水ではなく弱アルカリイオン水を用いた本発明除菌剤5は、ネコ伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)に対して除菌効果が向上している。
【0039】
インフルエンザウイルスについては、本発明除菌剤5を添加後1分で99.999%の不活性効果があり、本発明除菌剤5はインフルエンザウイルスに対して除菌効果がある。更には、本発明除菌剤5はインフルエンザウイルスに対して殺菌効果があるということができる。
【0040】
一方、比較除菌剤5では、インフルエンザウイルスに比較除菌剤5を添加後1分で99.975%、5分で99.990%であったことから、比較除菌剤5は本発明除菌剤5よりもインフルエンザウイルスに対する除菌効果または殺菌効果が低いといえる。よって、希釈液に精製水ではなく弱アルカリイオン水を用いた本発明除菌剤5は、インフルエンザウイルスに対して除菌効果または殺菌効果が向上している。
【0041】
以上説明したように、本発明除菌剤は、微細粒子化した大豆脂肪酸(不飽和脂肪酸)を含む水溶性コロイド溶液(原液)1体積部に対し弱アルカリイオン水(希釈液)を1.5~19体積部混和して生成される。本発明除菌剤は、大腸菌、サルモネラ属菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、レジオネラ属菌、黒カビ、ネコ伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)、およびインフルエンザウイルスに対して、除菌効果を有する。本発明除菌剤の除菌効果は、希釈液に精製水を用いた場合と比較して、向上している。
【0042】
なお、本発明除菌剤に、防腐剤(例えば、フェノキシエタノール、1,2-ヘキサンジオール、天然植物エキス)、酸化防止剤(例えば、ビタミンEトコフェロール、天然植物エキス)、香料(天然香料や合成香料)などを添加してもよい。
【実施例0043】
以下に示す実施例1~5を用いて、本発明除菌剤の効果について説明する。実施例において、原液には、ナノソイ・コロイド(株式会社ウイット NSC-Bas)を用いた。希釈液の温泉水99は、株式会社エスオーシー株式会社のものを用いた。なお、本実施例において、菌数が少なくとも1/2程度以下に減少することを除菌効果があるという。
【0044】
<実施例1>
表2に、原液を温泉水99で5体積倍希釈して生成した本発明除菌剤5の殺菌試験結果を示す。表3に、原液を精製水で5体積倍希釈して生成した比較除菌剤5の殺菌試験結果を示す。表4に、原液を精製水で10体積倍希釈して生成した比較除菌剤10の殺菌試験結果を示す。なお、本殺菌試験は、株式会社微生物研究所に依頼し行った。
【0045】
本発明除菌剤5および比較除菌剤10による殺菌試験方法は、大腸菌、サルモネラ属菌、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、緑膿菌は標準寒天培地(極東製薬工業株式会社)で35±1℃、24時間、レジオネラ属菌はGVPC寒天培地(日水製薬株式会社)で35±1℃、3~7日間、黒カビはサブロー寒天培地(極東製薬工業株式会社)で25±1℃、48時間培養し、菌体を生理食塩水に懸濁した。それぞれの懸濁液を、Vi-SpecII(極東製薬株式会社)を用いて吸光度を測定しながら、菌数がおよそ5×10~2×10CFU/mLになるよう生理食塩水で希釈し、これを菌液とした。
【0046】
試験品(本発明除菌剤5、比較除菌剤10それぞれ)3mLに菌液30μLを接種し(これを試験溶液とする。n=3で行った。)、さらに精製水もしくは温泉水99の3mLに菌液30μLを接種したもの(対象溶液)を同時に作製し、これらを室温で一定時間(初発[対照のみ]、1分、5分、30分、1時間、2時間)作用させた。作用後、試験溶液、対照溶液を生理食塩水で100倍希釈し、そこから100μLずつ平板培地に塗抹した。その後、大腸菌、サルモネラ属菌、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、緑膿菌は標準寒天培地で35±1℃、24時間、レジオネラ属菌はGVPC寒天培地で35±1℃、3~7日間、黒カビはサブロー寒天培地で25±1℃、48時時間培養し、菌のコロニーをカウントした。なお、試験品の殺菌効果無効化のための事前検討として、生理食塩水で100倍希釈した試験品1mLと、生理食塩水1mLに菌液を10μL接種し、1分後に100μLを平板に塗布し、培養後のコロニーの数に差が無いことを確認した。
【0047】
比較除菌剤5による殺菌試験方法は、大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌は標準寒天培地(極東製薬工業株式会社)で35±1℃、24時間、レジオネラ属菌はGVPC寒天培地(日水製薬株式会社)で35±1℃、48時間培養し、菌体を生理食塩水に懸濁した。それぞれの懸濁液を、UVmini―1240(SHIMADZU)を用いて吸光度を測定しながら、菌数がおよそ1~2×10CFU/mLになるよう生理食塩水で希釈し、これを菌液とした。
【0048】
試験品(比較除菌剤5)3mLに菌液30μLを接種し(これを試験溶液とする。n=3で行った。)、これらを室温で一定時間(初発[対照のみ]、1分、5分、30分、1時間、2時間)作用させた。作用後、試験溶液、対照溶液を生理食塩水で100倍希釈し、そこから100μLずつ平板培地に塗抹した。その後、大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌は標準寒天培地で35±1℃、24時間、レジオネラ属菌はGVPC寒天培地で35±1℃、72時間培養した、菌のコロニーをカウントした。なお、試験品の殺菌効果無効化のための事前検討として、生理食塩水で100倍希釈した試験品1mLと、生理食塩水1mLに菌液を10μL接種し、1分後に100μLを平板に塗布し、培養後のコロニーの数に差が無いことを確認した。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
表2,4から、本発明除菌剤5および比較除菌剤10は、大腸菌、サルモネラ属菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、レジオネラ属菌に対して、除菌効果があることがわかる。また、表2から、本発明除菌剤5は、更に黒カビにも除菌効果があることがわかる。表3からは、比較除菌剤5は、大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、レジオネラ属菌に対して、除菌効果があることがわかる。
【0053】
表2,3から、大腸菌および黄色ブドウ球菌に対して、比較除菌剤5よりも本発明除菌剤5の方が、菌数の減少が早いことがわかる。このことから、同じ希釈倍率において、希釈液を精製水から温泉水99とすることで、大腸菌および黄色ブドウ球菌において除菌効果が向上していることがわかる。また、表2,4から、希釈倍率が異なるものの、比較除菌剤10は黒カビに対して除菌効果がほぼないのに対し、本願除菌剤5は、黒カビに対して除菌効果があることから、本願除菌剤5の方が、黒カビに対する除菌効果が向上していることがわかる。
【0054】
以上のことから、本発明除菌剤5は、大腸菌、サルモネラ属菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、レジオネラ属菌、黒カビに対する除菌効果があることがわかる。また、原液の希釈液に、精製水用いるよりも温泉水99を用いた場合の方が、大腸菌、サルモネラ属菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、レジオネラ属菌、黒カビに対する除菌効果が高いことがわかる。
【0055】
<実施例2>
表5に、原液を温泉水99で2,5、10、15、20体積倍希釈して生成した本発明除菌剤2,5、10、15、2における、大腸菌の殺菌試験結果を示す。表6に、原液を温泉水99で2,5、10、15、20体積倍希釈して生成した本発明除菌剤2,5、10、15、20における、黄色ブドウ球菌の殺菌試験結果を示す。なお、本殺菌試験は、株式会社日本微生物研究所に依頼し行った。
【0056】
本殺菌試験方法は、大腸菌、黄色ブドウ球菌は標準寒天培地(極東製薬工業株式会社)で35±1℃、24時間培養し、菌体を生理食塩水に懸濁した。それぞれの懸濁液を、吸光度計UVmini-1240(SHIMADZU)を用いて吸光度を測定しながら、菌数がおよそ1~2×10CFU/mLになるよう生理食塩水で希釈し、これを菌液とした。
【0057】
試験品3mLに菌液30μLを接種し(これを試験溶液とする。n=3で行った。)、これらを室温で一定時間(初発[対照のみ]、1分、5分、30分)作用させた。作用後、試験溶液および対照溶液を生理食塩水で希釈して殺菌作用を無効化した。温泉水2.5倍および人工アルカリイオン水5倍希釈の黄色ブドウ球菌については、1000倍希釈の場合は1mLを3枚の平板培地に塗抹した。その他の倍率の黄色ブドウ球菌および大腸菌については、100倍希釈の場合は100μを平板培地に塗抹した。
【0058】
その後、大腸菌および黄色ブドウ球菌は、標準寒天培地で35±1℃、24時間培養し、菌のコロニーをカウントした。なお、試験品の殺菌効果無効化のための事前検討として、生理食塩水で100倍希釈した試験品1mLと、生理食塩水1mLに菌液を10μL接種し、1分後に100μLを平板に塗布し、培養後のコロニーの数の比較を行った。無効化が確認できなかった温泉水2.5倍および人工アルカリイオン水5倍希釈の黄色ブドウ球菌はについては、1000倍希釈で同様の実験を行い、無効化が確認できた。
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】
表5,6から、本発明除菌剤は、2.5体積倍、10体積倍、15体積倍、25体積倍に希釈しても大腸菌、黄色ブドウ球菌に除菌効果があることがわかる。本発明除菌剤5の除菌効果の強さが、上述したように緑膿菌,レジオネラ属菌>黄色ブドウ球菌>大腸菌>黒カビ>サルモネラ属菌であることから、2.5体積倍、10体積倍、15体積倍、25体積倍に希釈した除菌剤は、少なくとも緑膿菌,レジオネラ属菌>黄色ブドウ球菌>大腸菌に除菌効果があると言える。
【0062】
<実施例3>
表7に、原液を人工アルカリイオン水で5体積倍希釈して生成した本発明除菌剤の黄色ブドウ球菌の殺菌試験結果を示す。なお、本殺菌試験は、上述した実施例2の黄色ブドウ球菌の殺菌試験と同様の条件で行った。
【0063】
人工アルカリイオン水とは、水を人工的に電気分解して作られた水であって、本実施例においては、キリン アルカリイオンの水(pH8.8~9.4 硬度55~59)を用いた。
【0064】
【表7】
【0065】
表7から、希釈に人工アルカリイオン水を用いても、黄色ブドウ球菌に除菌効果があることがわかる。このことから、天然、人工問わず弱アルカリイオン水で希釈することで、除菌効果が向上することが言える。
【0066】
<実施例4>
表8,9に、希釈液として用いる温泉水99および人工アルカリイオン水の黄色ブドウ球菌およびレジオネラ菌の殺菌試験結果を示す。なお、黄色ブドウ球菌の本殺菌試験は、上述した実施例2の黄色ブドウ球菌の殺菌試験と同様の条件で行った。レジオネラ菌については以下の通りである。
【0067】
レジオネラ属菌はGVPC寒天培地(日水製薬株式会社)で35±1℃、48時間培養し、菌体を生理食塩水に懸濁した。懸濁液を、UVmini―1240(SHIMADZU)を用いて吸光度を測定しながら、菌数がおよそ1~2×10CFU/mLになるよう生理食塩水で希釈し、これを菌液とした。
【0068】
試験品3mLに菌液30μLを接種し(これを試験溶液とする。n=3で行った。)、これらを室温で一定時間(初発[対照のみ]、1分、5分、30分、1時間、2時間)作用させた。作用後、試験溶液、対照溶液を生理食塩水で100倍希釈し、そこから100μLずつ平板培地に塗抹した。その後、レジオネラ属菌は標準寒天培地で35±1℃、72時間培養し、菌のコロニーをカウントした。なお、試験品の殺菌効果無効化のための事前検討として、生理食塩水で100倍希釈した試験品1mLと、生理食塩水1mLに菌液を10μL接種し、1分後に100μLを平板に塗布し、培養後のコロニーの数に差が無いことを確認している。
【0069】
【表8】
【0070】
【表9】
【0071】
表8,9から、希釈液の温泉水99および人工アルカリイオン水には除菌効果がほぼないことがわかる。このことから、本発明の除菌剤の除菌効果が向上したのは、希釈液の除菌効果によるものではなく、原液と希釈液との相互作用によるものであると言える。
<実施例5>
表10に、原液を温泉水99で20体積倍、40体積倍、80体積倍、160体積倍、320体積倍、および640体積倍で希釈した温泉水希釈除菌剤のネコ伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)の増殖抑制効果試験結果を示す。表11に、原液を精製水で20体積、40体積、80体積、160体積、320体積、および640体積で希釈した水希釈除菌剤のネコ伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)の増殖抑制効果試験結果を示す。なお、本増殖抑制効果試験は、大阪府立大学大学院生命環境研究科獣医学専攻に依頼し行った。
【0072】
原液を精製水または温泉水99で、20体積倍、40体積倍、80体積倍、160体積倍、320体積倍、および640体積倍に希釈した各希釈液を、希釈液9:ウイルス液1(体積)の割合で混合し、10分、30分、および1時間、室温で反応させた。対象として、精製水あるいは温泉水99と同割合で混合したウイルス液と反応させた。ウイルスには、ネコ伝染性腹膜炎ウイルス79-1146株(野外分離株)を用いた。
【0073】
反応後のウイルス液をDMEM培地で10~10倍まで10段階希釈した。希釈したウイルスをシート状になったfcwf細胞に接種し、2日間5%CO存在か37度で培養後、ウイルスによる細胞変性効果を倒立顕微鏡で観察し、判定を行った。反応ならびにウイルス接種は、2回行い、それぞれについて、50%組織培養感染量TCID50/mLをBehrens-Karber法で求めた。結果は2回ともほぼ同じであったので、1回の結果を表5,6とした。なお、細胞は、ネコ胎児由来株化細胞fcwf―4細胞をダルベッコ変法イーグル(DMEM)培地(日水製薬)に10%濃度で牛胎児血清を加えて培養した。
【0074】
【表10】
【0075】
【表11】
【0076】
表10,11から、温泉水希釈除菌剤では、160体積倍希釈までネコ伝染性腹膜炎ウイルスの増殖を検出限界以下に抑制することができることがわかる。原液を温泉水で160倍体積希釈までネコ伝染性腹膜炎ウイルスの増殖を検出限界以下に抑制することができるので、当然、本発明除菌剤についてもネコ伝染性腹膜炎ウイルスの増殖を検出限界以下に抑制することができるということができる。表6から、水希釈除菌剤では、80体積倍希釈までネコ伝染性腹膜炎ウイルスの増殖を検出限界以下に抑制することができることがわかる。ネコ伝染性腹膜炎ウイルスの増殖を検出限界以下に抑制することができる希釈倍率は、水希釈除菌剤の場合、温泉水希釈除菌剤の1/2であることもわかる。また、表6からは、原液においてもネコ伝染性腹膜炎ウイルスの増殖を検出限界以下に抑制することができることがわかる。
【0077】
以上のことから、本発明除菌剤は、ネコ伝染性腹膜炎ウイルスへの除菌効果があり、かつ原液の希釈液に、精製水用いるよりも温泉水99を用いた場合の方が、ネコ伝染性腹膜炎ウイルスへの除菌効果が高いことがわかる。
【0078】
<実施例6>
表12に、原液を温泉水99で5体積倍希釈した本発明除菌剤5、および原液を精製水で5体積倍希釈した比較除菌剤5のインフルエンザウイルスの不活性化効果試験結果を示す。なお、本不活性化効果試験は、株式会社食環境衛生研究所に依頼して行った。
【0079】
本発明除菌剤5および比較除菌剤5それぞれ0.9mLにウイルス液0.1mLを添加して、それぞれの試験混合液を生成した。また、対照として、リン酸緩衝液0.9mLにウイルス液0.1mLを添加して、対照混合液を生成した。試験混合液および対照混合液は、生成後室温(25℃)にて、試験開始後0,1,5分感作させた。上記の本発明除菌剤5および比較除菌剤5とウイルス液との希釈割合は、事前の細胞毒性試験において、本発明除菌剤5および比較除菌剤5それぞれの10倍液において、細胞の発育不良が確認されてことにより決定した。インフルエンザウイルスには、swine influenza virus H IOWA株を用い、添加濃度は、10TCID50/mLとした。
【0080】
試験混合液および対照混合液それぞれについて、感作時間が経過した後、10倍段階希釈し、96wellプレートに培養した細胞に100μLずつ接種した。判定は、37℃、炭酸ガス培養(5%)で5日間培養した後、各well内の培養上清を回収し、赤血球凝集反応によりウイルスの増殖の有無を確認し、その濃度を算出した。なお、細胞には、MDCK細胞(イヌ肝臓由来株化細胞)を用いた。
【0081】
【表12】
【0082】
表12から、対照では開始5分までウイルス量の変化は見られなかったのに対して、本発明除菌剤5は、開始1分で<102.5TCID50/mL(検出限界未満)となっていることがわかる。(対照のウイルス量―本発明除菌剤5のウイルス量/対照のウイルス量)x100で算出する減少率(%)で表すと、本発明除菌剤5は99.999%以上減少したことがわかる。また、表7から、比較除菌剤5は、開始1分で103.9TCID50/mL、開始5分後で103.5TCID50/mLとなっていることがわかる。上述した減少率の式において、本発明除菌剤5のウイルス量を比較除菌剤5のウイルス量に代えて減少率を算出すると、開始1分で99.975%減少、開始5分で99.990%減少したことがわかる。
【0083】
以上のことから、本発明除菌剤5は、インフルエンザウイルスへの不活性化効果があり、かつ原液の希釈液に、精製水用いるよりも温泉水99を用いた場合の方が、インフルエンザウイルスへの不活性化効果が高いことがわかる。したがって、本発明除菌剤は、インフルエンザウイルスに高い除菌効果を有することわかる。
【0084】
なお、本実施形態において、原液には、微細粒子化した大豆脂肪酸を含む水溶性コロイド溶液を用いているが、特許文献1,2に記載の方法により微細粒子化できる植物脂肪酸、例えば、米ぬか脂肪酸、コーン油脂肪酸、キャノーラ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、べに花油脂肪酸、パイン油脂肪酸、グレープシードオイル脂肪酸、松の実油脂肪酸、ナッツ油脂肪酸、を含む水溶性コロイド溶液であってもよい。