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特開2022-155566静電容量式タッチスクリーンのための回転コントロール入力装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155566
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】静電容量式タッチスクリーンのための回転コントロール入力装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/03 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
G06F3/03 400F
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022055333
(22)【出願日】2022-03-30
(31)【優先権主張番号】2104541.4
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】522127483
【氏名又は名称】クイサント ピーエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エバーウェイン,ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】クラール,ハンスペーター
(57)【要約】
【課題】静電容量式タッチスクリーンのための回転コントロール入力装置を提供すること。
【解決手段】静電容量式タッチスクリーンのための回転コントロール入力装置が開示される。コントロール装置は、装置を静電容量式タッチスクリーン上の所定の位置に保持するための取付け要素と、取付け要素の上に回転可能に取り付けられた回路フレームとを備え、回路フレームは回転電極を含み、回転電極は、装置が所定の位置に保持されると、静電容量式タッチスクリーンに隣接し、かつ、静電容量式タッチスクリーンから間隔を隔てるように配置される。装置は、回転電極に電気的に接続される導電性ボディ部分をさらに含み、回路フレームは、取付け要素の周りを、静電容量式タッチスクリーンに対して、導電性ボディ部分を介してユーザが回転させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量式タッチスクリーンのための回転コントロール入力装置であって、
前記装置を前記静電容量式タッチスクリーン上の所定の位置に保持するための取付け要素と、
前記取付け要素の上に回転可能に取り付けられた回路フレームと
を備え、
前記回路フレームは回転電極を含み、前記回転電極は、前記装置が所定の位置に保持されると、前記静電容量式タッチスクリーンに隣接し、かつ、前記静電容量式タッチスクリーンから間隔を隔てるように配置され、
前記装置は、前記回転電極に電気的に接続される導電性ボディ部分をさらに含み、前記回路フレームは、前記取付け要素の周りを、前記静電容量式タッチスクリーンに対して、前記導電性ボディ部分を介してユーザが回転させることができる
回転コントロール入力装置。
【請求項2】
前記回転電極と前記静電容量式タッチスクリーンとの間を実質的に所定の距離に維持するように、前記回路フレームが前記取付け要素の上に取り付けられている、請求項1に記載の回転コントロール入力装置。
【請求項3】
前記回転電極と前記静電容量式タッチスクリーンとの間の間隔を維持するために、前記取付け要素と前記回路フレームとの間に配置されたスペーサをさらに備える、請求項1または2のいずれかに記載の回転コントロール入力装置。
【請求項4】
前記装置の使用時に、前記回転電極と前記容量性タッチスクリーンの間の間隔を維持するために、前記静電容量式タッチスクリーンと前記回路フレームの間に配置されるように構成されたスペーサをさらに備える、請求項1から3のいずれかに記載の回転コントロール入力装置。
【請求項5】
前記回路フレームの表面は、前記回転電極が配置される凹所を含む、請求項1から4のいずれかに記載の回転コントロール入力装置。
【請求項6】
使用時に、前記所定の距離を維持するために前記回転電極と前記静電容量式タッチスクリーンの間に配置される非導電性フィルムをさらに備える、請求項1から5のいずれかに記載の回転コントロール入力装置。
【請求項7】
前記所定の距離が実質的に0.05mmから0.20mmの範囲である、請求項1から6のいずれかに記載の回転コントロール入力装置。
【請求項8】
前記静電容量式タッチスクリーンを前記回転コントロール入力装置の外周部に係合させるためのシーリング要素をさらに備える、請求項1から7のいずれかに記載の回転コントロール入力装置。
【請求項9】
前記シーリング要素は光拡散材料を含む、請求項8に記載の回転コントロール入力装置。
【請求項10】
前記シーリング要素は、前記回転コントロール入力装置中への水分および異物の進入を抑制するように構成される、請求項8または9に記載の回転コントロール入力装置。
【請求項11】
第1の追加電極をさらに備え、前記導電性ボディ部分は前記第1の追加電極に電気的に接続するように作動可能である、請求項1から10のいずれかに記載の回転コントロール入力装置。
【請求項12】
第2の追加電極をさらに備え、前記導電性ボディ部分が第1の作動位置および第2の作動位置を有し、各作動位置が前記それぞれの第1の他の電極および第2の他の電極に次々に電気的に接続する、請求項11に記載の回転コントロール入力装置。
【請求項13】
前記装置は、前記作動に抵抗するように構成された抵抗性変形可能部材を含む、請求項11または12に記載の回転コントロール入力装置。
【請求項14】
前記導電性ボディ部分がノブを備える、請求項1から13のいずれかに記載の回転コントロール入力装置。
【請求項15】
前記導電性ボディ部分が前記回路フレームの一部である、請求項1から13のいずれかに記載の回転コントロール入力装置。
【請求項16】
前記コントロール入力装置に入射する光の方向を前記取付け要素に向けて、または前記取付け要素の周りに向けて変更するように構成された光ガイドをさらに備える、請求項1から15のいずれかに記載の回転コントロール入力装置。
【請求項17】
前記光ガイドは、前記回転コントロール入力装置の一部を照明するように光の方向を変更するように構成される、請求項16に記載の回転コントロール入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複雑なインタフェースおよびユーザが単にまたは主としてタッチによってナビゲートすることができるインタフェースに使用するために特に適用することができる静電容量式タッチスクリーンのための回転コントロール入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
静電容量式タッチスクリーンは、多くの産業およびアプリケーションにわたって、ソフトウェアおよびコンピュータをベースとするシステムにおいて、ますます一般的な入力方法となっている。静電容量式タッチスクリーンは、汎用性、操作の簡易性およびコンパクト性を提供している。
【0003】
しかしながらオーディオミキシングなどの複雑な操作に対しては、タッチスクリーンコントロールの使用に関わる多くの問題が存在している。
【0004】
第1に、タッチスクリーンの手動操作は、ポテンショメータ、シャフトエンコーダ、リニアフェーダおよび電気機械スイッチなどの従来のコントロール並みの精度を提供することができない。
【0005】
第2に、タッチスクリーンによって提供される触覚フィードバックの不足は、ユーザがコントロールインタフェースと対話しつつ複雑なタスクに集中することを可能にするために不可欠な運動記憶の発達を不可能にする。
【0006】
タッチスクリーンのための触覚スイッチは存在する。それらは、典型的には、スイッチまたはボタンなどのアクチュエータおよび知覚電極を含む。アクチュエータは、電極に電気的に接続されるユーザ接触表面を有している。アクチュエータがユーザによって押されると、回路が完成して、電極と静電容量式タッチスクリーンの間にキャパシタンスが誘導され、受信ソフトウェアに入力を生成する。しかしながらスイッチのみでは多くの機能性を提供することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがってタッチスクリーンのための他の入力機構、例えばオーディオミキシングなどの複雑な操作のための対話の手段としての回転入力装置などの入力機構を提供することが望ましく、特に、正確なコントロールおよび触覚フィードバックを提供することができる機構を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様によれば、静電容量式タッチスクリーンのための回転コントロール入力装置が提供され、回転コントロール入力装置は、装置を静電容量式タッチスクリーン上の所定の位置に保持するための取付け要素と、取付け要素の上に回転可能に取り付けられた回路フレームとを備え、回路フレームは回転電極を含み、回転電極は、装置が所定の位置に保持されると、静電容量式タッチスクリーンに隣接し、かつ、静電容量式タッチスクリーンから間隔を隔てるように配置され、装置は、回転電極に電気的に接続される導電性ボディ部分をさらに含み、回路フレームは、取付け要素の周りを、静電容量式タッチスクリーンに対して、導電性ボディ部分を介してユーザが回転させることができる。
【0009】
回転電極と静電容量式タッチスクリーンとの間を実質的に所定の距離に維持するように、回路フレームは取付け要素の上に取り付けるができる。
【0010】
回転コントロール入力装置は、回転電極と静電容量式タッチスクリーンとの間の間隔を維持するために、取付け要素と回路フレームの間に配置されたスペーサをさらに備えることができる。
【0011】
回転コントロール入力装置は、装置の使用時に、回転電極と静電容量式タッチスクリーンとの間の間隔を維持するために、静電容量式タッチスクリーンと回路フレームの間に配置されるように構成されたスペーサをさらに備えることができる。
【0012】
回路フレームの表面は、回転電極が配置される凹所を含むことができる。
【0013】
回転コントロール入力装置は、使用時に所定の距離を維持するために回転電極と静電容量式タッチスクリーンの間に配置される非導電性フィルムをさらに備えることができる。所定の距離は、実質的に0.05mmから0.20mmの範囲にすることができる。
【0014】
回転コントロール入力装置は、静電容量式タッチスクリーンを回転コントロール入力装置の外周部に係合させるためのシーリング要素をさらに備えることができる。
【0015】
シーリング要素は光拡散材料を含むことができる。
【0016】
シーリング要素は、回転コントロール入力装置中への水分および異物の進入を抑制するように構成することができる。
【0017】
回転コントロール入力装置は第1の他の電極をさらに備えることができ、導電性ボディ部分は第1の他の電極に電気的に接続するように作動可能である。回転コントロール入力装置は第2の他の電極をさらに備えることができ、導電性ボディ部分は第1の作動位置および第2の作動位置を有し、各作動位置は、それぞれの第1の他の電極および第2の他の電極に次々に電気的に接続する。装置は、前記作動に抵抗するように構成された抵抗性変形可能部材を含むことができる。
【0018】
導電性ボディ部分はノブを備えることができ、または導電性ボディ部分は回路フレームの一部であってもよい。
【0019】
回転コントロール入力装置は、コントロール入力装置に入射する光の方向を取付け要素に向けて、または取付け要素の周りに向けて変更するように構成された光ガイドをさらに備えることができる。光ガイドは、回転コントロール入力装置の一部を照明するように光の方向を変更するように構成することができる。
【0020】
本発明の実施形態は、LCDディスプレイのアクティブ表示/タッチ領域内で使用され、したがってグラフィックスやテキストをボタンのすぐ隣や、ノブの後方の領域にも配置できる高精度回転ノブを提供しようとするものである。ここで「精度」は、回転のための小さい開始トルク、回転中の小さいまたはゼロの一定トルク、極めて小さいバックラッシュ、および増分回転の良好な角度分解能などのパラメータを包含する。
【0021】
この精度を提供するために、また、動作コントロール対象を介した触覚フィードバックの問題を解決するために、本発明者らは、人間のキャパシタンスをユーザ接触領域を介して、静電容量式タッチスクリーンと接触していない電極に導く回転ノブを発明した。この特徴は、電極がタッチスクリーンのガラスに当たって摩耗しないことを意味している。
【0022】
これらの電極はタッチセンサにキャパシタンスを誘導し、それによりソフトウェアおよびファームウェアを介して電極の位置を検出することができる。したがってユーザは、回転ノブの角位置によってシステムに入力を提供することができる。
【0023】
任意の選択として、コントロール装置に二つの機能を与えるために、ノブは、回転コントロールに追加して動作する押しボタン操作を備えることができる。押しボタン機能が実装され、かつノブが取り付けられるということは、実施形態では回転に変換されるノブのz軸の運動(押付け)が回避されることを意味する。
【0024】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して、ほんの一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】一実施形態による回転コントロール入力装置の横断面図である。
【0026】
図2a-2b】図1の実施形態に使用するために適した回路フレームの斜視図である。
【0027】
図3】一実施形態による押しボタンコントロールを追加で組み込んだ回転コントロール入力装置の横断面図である。
【0028】
図4】複数のコントロール操作をサポートする図3の実施形態に使用するために適した回路フレームの斜視図である。
【0029】
図5】実施形態に使用するために適している例示的回路フレームの一部を示す図である。
【0030】
図6-7】他の実施形態による回転コントロール入力装置の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は一実施形態による回転コントロール入力装置の横断面図である。
【0032】
回転コントロール入力装置10は、装置を静電容量式タッチスクリーン30上の所定の位置に保持するための取付け要素20、および取付け要素20に回転可能に取り付けられた回路フレーム40を含む。
【0033】
回路フレーム40は回転電極45を含み、回転電極は、装置10が所定の位置に保持されると、静電容量式タッチスクリーン30に隣接し、かつ、静電容量式タッチスクリーン30から間隔を隔てるように配置されている。
【0034】
装置10は、回転電極45に電気的に接続される導電性ボディ部分15を含む。回路フレーム40は、取付け要素20の周りを静電容量式タッチスクリーン30に対して、導電性ボディ部分15を介してユーザが回転させることができる。
【0035】
この実施形態では、導電性ボディ部分15は、回路フレーム40に接続される個別のノブの形態である。しかしながら導電性ボディ部分15は、一体成形物、および/または電気めっきされた若しくは回路フレーム40の一部として形成された何かであってもよいことは理解されよう。
【0036】
取付け要素上への回路フレームの取付けのため、回転電極はタッチスクリーンに隣接して配置されているが、回転電極は、回転するときでもタッチスクリーンからオフセットされ、かつ、間隔を隔てるように配置されている。タッチスクリーン30によって検出される容量電荷のために接触は不要であることが確認されており、また、この構造は、コントロール装置10およびタッチスクリーン30の両方における摩耗および傷付きを低減した。回転電極はタッチスクリーン30から所定の距離、例えば0.05から0.2mmに維持されることが好ましいが、これらの距離は変更が可能であり、また、回転中、一定である必要はないことは理解されよう。
【0037】
ノブは、ノブの偶発的な外れを防止するために、装置のボディ50中の突起51と係合するスロット16を含むことができる。
【0038】
取付け要素は、接着テープなどによって静電容量式タッチスクリーン30の上に固定して取り付けられることが好ましい。取付け要素は、特定の使用事例では移動可能および/または取り外し可能であってもよいが、使用中、所定の位置に保持されるよう、十分に重くし、または何らかの他の機構を有することが必要になることがある。
【0039】
図2aおよび図2bは、図1の装置に使用するために適した回路フレーム40の下および上からの斜視図である。
【0040】
この実施形態では、回路フレームは非導電性ボディ41を有しており、この非導電性ボディ41の上で、回転電極45に接続する導電線路またはワイヤー42がめっきされ、回路機構に一体成形され、さもなければ回路機構に取り付けられ、回転電極45も同じく回路フレーム40に一体成形することができ、さもなければ回路フレーム40に保持するか、または回路フレーム40に取り付けることができる。
【0041】
この実施形態ではノブ15は導電性であり(例えば金属から形成され、または金属から機械加工されているか、あるいは金属メッキされている)、また、回転電極45の反対側の端部で回路フレームと係合している。線路42はノブ15を回転電極45に電気的に接続している。
【0042】
回路フレームは非導電プラスチックから形成され、また、回路機構は配線付き成形品(MID)技術であることが好ましい。
【0043】
ノブから回転電極までの電気的な接続は、ユーザが自分の指でノブ45を回すことにより、静電容量式タッチスクリーン30上に電極を介した容量変化が生じることを意味している。ユーザの指によってノブが回されると、それにより回転電極45が静電容量式タッチスクリーン30に対して回転し、今度は、ユーザの指の存在による電界の変化と同様に、タッチスクリーン30の表面を回動する電極による容量変化がタッチスクリーンによって検出されることになる。
【0044】
図3は、任意の選択としての追加特徴を示す実施形態の横断面図である。
【0045】
この実施形態では、装置は複数のコントロール操作を可能にする。装置は、図1および図2に関連して上で説明した回転コントローラを提供し、また、以下で説明される押しボタンコントロールを同じく提供する。
【0046】
装置10は、ノブを支持するとともに、ユーザがノブをタッチスクリーンに向かって押し付けるための導電ばね60を含む(装置10は取付け要素20の周りに分散した複数のばねを含むことが好ましい)。
【0047】
ばねは、図1で説明した回路の一部となり、ノブ15を回転電極45に永久的に接続し得るよう、導電性であることが好ましい。
【0048】
この実施形態では、装置は、ノブ15が押し下げられると作動される非ラッチ触覚スイッチ70を含む。このスイッチが作動されると、タッチスクリーンに隣接する回路フレーム上に配置された第1の他の電極46(図4に示されている)を電気的に接続し、それにより回転電極および第1の他の電極46の両方が容量電荷を受け、タッチスクリーンによって検出される。適切な制御論理またはソフトウェアを構成して、回転、触覚スイッチの作動または両方の間を区別することができる。
【0049】
【表1】
【0050】
任意の選択として、装置は2段押しボタンコントロールを有することができる。このような構造では、触覚スイッチは2つの作動位置を有し、第1の位置では触覚スイッチが所定の量だけ作動されて第1の他の電極が接続され、また、第2の位置ではノブがさらに移動して触覚スイッチ70が第2の位置に到達し、第2の他の電極を追加接続する。
【0051】
複数の電極を接続する代わりに、触覚スイッチの異なるレベルの押下げを使用して、回路フレームの周りに異なる電極を電気的に接続することも可能であり、また、接続されている電極からノブ押付けの位置を決定することができる(電極は回転電極から間隔を隔てており、したがって異なる電極を区別することができる)。コンスタレーションパターン(constellation pattern)を使用することも可能であり、そのパターンの中で異なる位置/距離を使用してアクティブ電極を区別することができる。
【0052】
図1に関連して上述したように、取付け要素上に回路フレームを取付けることにより、回転電極はタッチスクリーンに隣接して配置されるが、回転するときでもタッチスクリーンからオフセットされ、かつ、間隔を隔てるように配置される。この特徴は、取付け要素の上に取り付けられる際に、回路フレームをスクリーンからわずかにオフセットさせることによって単純に実現することができるが、タッチスクリーンおよび使用環境に応じて様々な工夫がありうる。例えば回転電極(およびコントロール装置が図3の押しボタン機能にも対応する場合、任意の他の電極)は、図5に示されているように取付け要素の上に取り付けられたときにタッチスクリーンに面する回路フレームの凹所に配置することができる。
【0053】
さらにまたは代わりに、タッチスクリーンを保護するために、回転電極と静電容量式タッチスクリーンの間に非導電性フィルムを配置することも可能である。このような配置では、電極はフィルムと永久的に接触することができ、あるいは回転中に回転電極または回路フレームが偶発的に引っかかることからスクリーンを保護するようにフィルムを提供することができる。
【0054】
任意の選択として、所定の距離を維持するために(延いては静電容量式タッチスクリーンからの回転電極の間隔を維持するために)、回路フレームと取付け要素の間にスペーサを配置することができる。スペーサは、その上の回路フレームの回転を容易にするために、低摩擦材料またはPTFEなどのコーティングを用いて形成することができ、あるいはそれらを含むことができる。
【0055】
実施形態の他の任意選択の特徴は図6に示されている。
【0056】
この実施形態(図1の回転コントロールを組み込んだ、また、好ましくは図3の押しボタン機能を同じく組み込んだ)では、ディフューザ要素70は、静電容量式タッチスクリーンを回転コントロール入力装置の外周部に係合させている。ディフューザ要素は、コントロール10の下でのタッチスクリーンからの照明がディフューザ要素を介して逃れ、コントロールの外周部を照明するよう、光拡散材料から形成することができ、または光拡散材料を含むことができる。
【0057】
タッチスクリーンからの光を利用する他の方法も考えうることは理解されよう。例えばライトパイプまたは他の光ガイドを使用して、コントロールに入射する光の方向を変えることができる。光を使用してコントロールの一部、例えばそのベースの周りのシール領域、ノブの一部、等を照明することができる。また、この構造を使用して状態インジケータを実現することができ、コントロールはタッチスクリーン上の特定の既知の位置(または1つ若しくは複数の電極から計画されたその位置)に配置され、タッチスクリーンのこの既知の部分からライトパイプ(または他の光ガイド)にマップすることができ、また、オン/オフインジケータ若しくはコントロール自体における光を利用する他の機能を動作させることができることは理解されよう。例えばノブ上の状態インジケータはタッチスクリーン上の特定の位置にリンクさせ、タッチスクリーン上でその位置が照明されると、光の方向が変更されて状態インジケータが照明されるようにすることができる。
【0058】
図6の実施形態に含めることができる他の任意の選択としての特徴は図7に示されている。
【0059】
ディフューザ要素70は、回転コントロール入力装置10に入る水分および異物に対するシールを提供する装置10のためのシーリング構造の一部であることが好ましい。シールはIP等級を有するものとすることができる。シーリング構造は点線によって図7に示されており、ディフューザ要素70、装置ボディ50およびノブ15を含む。
【0060】
光拡散効果が望ましくないところでは、シーリング構造を維持するためにディフューザを非光拡散要素に置き換えることができることは理解されよう。
【0061】
本発明の任意の選択としての実施形態は、本明細書において参照されている、または示されている部品、要素および特徴を、個別に、または集合的に、2つまたはそれ以上の部品、要素または特徴の何らかの組合せまたはあらゆる組合せで含むものとして理解することができ、また、本発明が関連する分野における既知の均等物を有する特定の完全体が本明細書で言及されている場合、そのような既知の均等物は、あたかも個別に示されているものとして本明細書に組み込まれているものと見なされる。
【0062】
以上、本発明の例示された実施形態について説明したが、当業者は、以下の特許請求の範囲における記載によって定義される本発明およびそれらの均等物から逸脱することなく、様々な変更、置換および改変を加えることができる、と理解されるべきである。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】