(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155613
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/235 20110101AFI20221006BHJP
H04N 21/258 20110101ALI20221006BHJP
H04N 21/436 20110101ALI20221006BHJP
H04N 21/482 20110101ALI20221006BHJP
H04H 40/18 20080101ALI20221006BHJP
H04H 20/93 20080101ALI20221006BHJP
H04H 60/82 20080101ALI20221006BHJP
【FI】
H04N21/235
H04N21/258
H04N21/436
H04N21/482
H04H40/18
H04H20/93
H04H60/82
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021058940
(22)【出願日】2021-03-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】591101434
【氏名又は名称】株式会社ビデオリサーチ
(71)【出願人】
【識別番号】518231965
【氏名又は名称】株式会社IPLAB TECHNOLOGIES
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】藤森 省吾
(72)【発明者】
【氏名】阿部 良一
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA11
5C164SB08P
5C164SC11P
5C164UA04S
5C164UB10S
5C164UB26S
5C164UB41S
5C164UB71P
5C164UD53P
5C164YA08
5C164YA10
5C164YA15
(57)【要約】
【課題】視聴者の嗜好に合った情報を提案することができるようにする。
【解決手段】情報処理方法であって、放送される番組を出力する受像機が、視聴者が携帯する携帯端末からWeb情報の閲覧情報を取得し、受像機が、閲覧情報を管理サーバに送信し、管理サーバが、閲覧情報に応じて、動画配信サービスにより提供される動画を検索し、管理サーバが、検索した動画に関する動画情報を受像機に送信し、受像機が、動画情報を出力する、ことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送される番組を出力する受像機が、視聴者が携帯する携帯端末からWeb情報の閲覧情報を取得し、
前記受像機が、前記閲覧情報を管理サーバに送信し、
前記管理サーバが、前記閲覧情報に応じて、動画配信サービスにより提供される動画を検索し、
前記管理サーバが、検索した前記動画に関する動画情報を前記受像機に送信し、
前記受像機が、前記動画情報を出力する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記受像機が、前記視聴者による前記番組の視聴情報を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、前記閲覧情報と前記視聴情報とに基づいて前記動画を検索すること、
を特徴とする情報処理方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理方法であって、
前記閲覧情報は、前記Web情報の検索結果であること、
を特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にはテレビ受像機でテレビ視聴と動画視聴とを行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
受像機の視聴者に対して視聴者の望む情報を提供することは難しい。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、視聴者の嗜好に合った情報を提案することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、情報処理方法であって、放送される番組を出力する受像機が、視聴者が携帯する携帯端末からWeb情報の閲覧情報を取得し、前記受像機が、前記閲覧情報を管理サーバに送信し、前記管理サーバが、前記閲覧情報に応じて、動画配信サービスにより提供される動画を検索し、前記管理サーバが、検索した前記動画に関する動画情報を前記受像機に送信し、前記受像機が、前記動画情報を出力する、ことを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、視聴者の嗜好に合った情報を提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る視聴システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】管理サーバ20のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】管理サーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】受像機10のハードウェア構成例を示す図である。
【
図5】受像機10のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図6】視聴者端末50のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図7】本実施形態の視聴システムの動作について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
放送される番組を出力する受像機が、視聴者が携帯する携帯端末からWeb情報の閲覧情報を取得し、
前記受像機が、前記閲覧情報を管理サーバに送信し、
前記管理サーバが、前記閲覧情報に応じて、動画配信サービスにより提供される動画を検索し、
前記管理サーバが、検索した前記動画に関する動画情報を前記受像機に送信し、
前記受像機が、前記動画情報を出力する、
ことを特徴とする情報処理方法。
[項目2]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記受像機が、前記視聴者による前記番組の視聴情報を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、前記閲覧情報と前記視聴情報とに基づいて前記動画を検索すること、
を特徴とする情報処理方法。
[項目3]
項目1又は2に記載の情報処理方法であって、
前記閲覧情報は、前記Web情報の検索結果であること、
を特徴とする情報処理方法。
【0011】
<システム概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る視聴システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の視聴システムは、管理サーバ20を含んで構成される。管理サーバ20、受像機20及び動画配信サーバ30は通信ネットワーク30を介して互いに通信可能に接続される。通信ネットワーク30は、例えば、インターネットであり、イーサネット(登録商標)や公衆電話回線網、携帯電話回線網、無線通信網などにより構築される。
【0012】
受像機10は、放送波により放送されるテレビ番組を視聴するデバイスである。また、本実施形態の受像機10は、通信ネットワークを介して動画配信サーバ30から提供される動画データを視聴することもできる。なお、テレビ番組は、放送波に限らず、ケーブルテレビ放送、IPマルチキャストやユニキャスト方式での放送(ブロードキャスト配信)、館内放送、町内放送、ケーブル自主放送などの各種の放送形態により配信されるものであってよい。
【0013】
受像機10は、視聴者端末50と通信することができる。視聴者端末50は、視聴者が操作するコンピュータである。本実施形態では、視聴者端末50は、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータなど、視聴者が携帯する可搬型のコンピュータであるものとする。
【0014】
管理サーバ20は、受像機10から視聴履歴を取得し、受像機10に対して動画をレコメンドすることができる。
【0015】
動画配信サーバ30は、動画配信サービスを提供する。動画配信サーバ30が提供する動画配信サービスは、リクエストに応じて動画データを配信するオンデマンドサービスであってもよいし、配信日時を指定するリニア配信サービスであってもよい。
【0016】
<管理サーバ20>
図2は、管理サーバ20のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、管理サーバ20が備える機能部は、CPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ20が備える記憶部は、メモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0017】
図3は、管理サーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ20は、放送波視聴情報受信部211、動画視聴情報受信部212、興味対象推定部213、レコメンド部21、視聴状態更新部216、閲覧情報取得部217の各機能部と、動画情報記憶部231、番組情報記憶部234、視聴状態記憶部236、興味特定情報記憶部22の各記憶部とを備える。
【0018】
興味特定情報記憶部22は、視聴者の興味対象を特定するための情報を記憶する。本実施形態では、興味特定情報記憶部22は、放送波視聴情報記憶部232、動画視聴情報記憶部233、視聴者情報記憶部235を備えるものとするが、これ以外にも、視聴者の興味対象を特定するための各種の情報を記憶することができる。
【0019】
動画情報記憶部231は、動画配信サーバ30が提供する動画についての情報(以下、動画情報という。)を記憶する。
図3に示すように、動画情報には、動画配信サービスを特定するサービスIDと、当該動画配信サービスで提供される動画を特定する動画IDとに対応付けて、動画のタイトル、配信日時、カテゴリなどを含むことができる。なお、オンデマンドサービスの場合には、配信日時は省略してもよい。カテゴリには、階層構造のカテゴリを設定するようにすることもできる。また、カテゴリには、複数のカテゴリや、動画をグループ分けするための1つ以上のタグを設定するようにしてもよい。
【0020】
視聴状態記憶部236は、受像機10を視聴している視聴者を示す情報(以下、視聴状態情報という。)を記憶する。視聴状態情報には、日時とデバイスIDに対応付けて、デバイスIDが示す受像機10を視聴している視聴者を示す視聴者IDが含まれうる。同一のデバイスIDに対応する視聴状態情報が複数登録されている場合には、複数の視聴者が同時に同一の受像機10を視聴していると推定される。
【0021】
視聴状態更新部216は、視聴状態情報を更新する。視聴状態更新部216は、定期的に受像機10から視聴している視聴者のリストを受け付けて、視聴状態記憶部236を更新することができる。例えば、視聴状態更新部216は、受像機10から、定期的に、視聴している視聴者を特定する視聴者IDのリストを受信し、当該受像機10を示すデバイスIDに対応する視聴状態情報を視聴状態記憶部236から削除するともに、受信した視聴者IDと、受像機10を特定するデバイスIDと、更新日時とを対応付けた視聴状態情報を登録することができる。
【0022】
閲覧情報取得部217は、視聴者が閲覧したWeb情報に関する情報(以下、閲覧情報という。)を取得する。閲覧情報は、例えば、視聴者が視聴者端末50を操作してアクセスしたWeb情報(例えば、HTMLにより記述された画面情報など)のURL及びその内容を含むことができる。本実施形態ではとくに、閲覧情報として、視聴者が視聴者端末50を操作して検索エンジンにおける検索を行った検索結果を含むことができる。本実施形態では、閲覧情報取得部217は、受像機10から閲覧情報を取得するものとするが、視聴者端末50から閲覧情報を受信するようにしてもよい。
【0023】
放送波視聴情報受信部211は、受像機10において視聴者に視聴されたテレビ放送の番組の情報(以下、放送波視聴情報という。)を取得する。本実施形態では、放送波視聴情報受信部211は、受像機10から放送波視聴情報を受信するものとするが、受像機10ではなく、例えば、受像機10の視聴者を調査する会社から放送波視聴情報を取得するようにしてもよい。放送波視聴情報受信部211は、取得した放送波視聴情報を放送波視聴情報記憶部232に登録する。また、後述するように、放送波視聴情報には、その番組を視聴していた視聴者を示す視聴者IDが含まれることを想定するが、放送波視聴情報受信部211が、視聴状態記憶部236を参照して、放送波視聴情報の日時の時点で受像機10を視聴していた視聴者を、視聴状態記憶部236から特定し、特定した視聴者を示す視聴者IDを放送波視聴情報に設定するようにしてもよい。また、例えば、ピープルメータなどを用いて視聴者を推定する場合に、管理サーバ20自身が番組を同時に視聴していた視聴者を推定し、あるいは、ピープルメータの管理者などから当該日時で視聴していた視聴者の情報を取得するようにすることもできる。
【0024】
放送波視聴情報記憶部232は、放送波視聴情報を記憶する。
図3に示すように、放送波視聴情報には、受像機10を特定するデバイスIDに対応付けて、放送波の番組を視聴していた視聴者を示す視聴者ID、番組が視聴された日時、視聴されたチャンネル、視聴された番組のカテゴリを含むことができる。視聴者IDは複数設定することができる。なお、受像機10から番組のカテゴリが指定されていなかった場合には、放送波視聴情報受信部211は、例えば、放送局のコンピュータにアクセスして番組のカテゴリを取得したり、オペレータから番組のカテゴリの指定を受け付けたりすることができる。また、管理サーバ20は、テレビ放送された番組のカテゴリを記憶する番組情報記憶部を備えるようにして、放送波視聴情報受信部211が番組情報記憶部からカテゴリを特定するようにしてもよい。
【0025】
動画視聴情報受信部212は、受像機10において視聴者に視聴された動画配信サービスの動画についての情報(以下、動画視聴情報という。)を取得する。本実施形態では、動画視聴情報受信部212は、受像機10から動画視聴情報を受信するものとするが、受像機10ではなく、例えば、動画配信サーバ30から視聴履歴を取得するようにしてもよい。動画視聴受信部212は、取得した動画視聴情報を動画視聴情報記憶部233に登録する。
【0026】
動画視聴情報記憶部233は、動画視聴情報を記憶する。
図3に示すように、動画視聴情報には、受像機10を特定するデバイスIDに対応付けて、動画を視聴していた視聴者ID、動画が視聴された日時、動画を提供した動画配信サービスを特定するサービスID及び動画を特定する動画IDを含むことができる。視聴者IDは複数設定することができる。なお、デバイスIDに代えて、動画配信サービスにおけるユーザIDを使用してもよい。この場合、ユーザIDとデバイスIDとの対応付けてを管理サーバ20において管理することができる。
【0027】
番組情報記憶部234は、放送波により放送される番組に関する情報(以下、番組情報という。)を記憶する。番組情報には、放送波のチャンネル、日時、番組名、番組概要、番組のカテゴリなどが含まれうる。なお、例えば、電子番組表データなどから番組情報を取得する場合に、番組情報にカテゴリが含まれない場合には、番組の概要などに基づいてカテゴリを推定するようにすることもできる。
【0028】
視聴者情報記憶部235は、受像機10の視聴者に関する情報(以下、視聴者情報という。)を記憶する。視聴者情報には、視聴者を特定する視聴者IDに対応付けて、視聴者の属性(例えば、デモグラフィック属性など)と、視聴者の興味対象(例えば、動画のカテゴリなど)とを含みうる。
【0029】
興味対象推定部213は、視聴者の興味対象を特定する。視聴者は1人であっても複数人であってもよい。興味対象推定部213は、興味対象推定部213は、特定の受像機10について、当該受像機10を示すデバイスIDを含む視聴状態情報を視聴状態記憶部236から検索し、検索した視聴状態情報に含まれる視聴者IDに対応する視聴者情報を視聴者情報記憶部235が読み出し、読み出した視聴者情報に含まれる興味対象を取得することができる。
【0030】
興味対象推定部213は、視聴者の属性及び視聴者の視聴行動の少なくともいずれかに応じて興味対象を特定することもできる。視聴者の属性に応じた興味対象の特定は、例えば、一般的なターゲティング広告の手法により、Webページの閲覧傾向などから分析された視聴者の興味対象を、予め単独の属性又は属性の組み合わせに対応付けて記憶する興味対象記憶部を備えるようにしておき、当該興味対象記憶部から検索することにより属性に応じた興味対象を特定することができる。
【0031】
また、興味対象推定部213は、視聴者の視聴行動に基づいて視聴者の興味対象を特定することもできる。興味対象推定部213は、放送波の視聴履歴のみに基づいて興味対象を推定するようにしてもよいし、放送波と動画配信サービスの両方における視聴履歴に基づいて興味対象を推定するようにしてもよい。
【0032】
興味対象推定部213は、テレビ放送の視聴履歴に基づく興味対象を推定する場合、例えば、特定の受像機10について、受像機10を示すデバイスIDに対応する放送波視聴情報のカテゴリごとに放送波視聴情報の数を集計し、数の多い順に所定数を興味対象のカテゴリとして推定することができる。なお、カテゴリに複数のカテゴリやタグが含まれている場合には、カテゴリやタグごとに集計することができる。また、カテゴリに複数階層のカテゴリが含まれている場合には、階層ごとの興味対象を推定することができる。また、現時点から過去所定期間(例えば、過去1カ月、3ヶ月など任意の期間を設定することができる。)の放送波視聴情報のみを集計対象とすることができる。また、現時点に近い日時に視聴した放送波視聴情報の重みが大きくなるように重みづけをした集計を行うようにしてもよい。
【0033】
また、興味対象推定部213は、放送波と動画配信サービスの両方の視聴履歴に基づいて興味対象を推定する場合、例えば、特定の受像機10について、受像機10を示すデバイスIDに対応する動画視聴情報の動画IDに対応する動画情報のカテゴリを特定し、放送波視聴情報のカテゴリと動画視聴情報に対応するカテゴリとを合わせて、カテゴリごとに、対応する放送波視聴情報又は動画視聴情報の数を集計して、数の多い順に所定数を興味対象のカテゴリとして推定することができる。なお、上記放送波視聴情報と同様に、動画視聴情報についても、カテゴリの階層ごとに集計し、過去所定期間のみを集計対象とし、現在に近い日時ほど重みが高くなるように重みづけした集計をするようにしてもよい。
【0034】
興味対象推定部213は、特定の視聴者について推定した興味対象を、当該視聴者に対応する視聴者情報の興味対象に書き込むことができる。
【0035】
また、本実施形態では、興味対象推定部213は、特定の受像機10について、当該受像機10を現在視聴している視聴者に応じた興味対象を設定するものとする。すなわち、興味対象推定部213は、受像機10を視聴している視聴者が複数いる場合には、複数の視聴者に共通する興味対象を推定する。具体的には、受像機10を同時に視聴している視聴者を特定し、特定した視聴者ごとに推定された興味対象に共通する興味対象(全ての視聴者の興味対象に含まれるカテゴリなど)を特定し、全員の興味対象として推定することができる。なお、興味推定部213は、過去の番組や動画の視聴履歴のうち、特定された視聴者の組み合わせに対応するもののみから興味対象を推定するようにすることもできる。
【0036】
レコメンド部21は、視聴者に対して情報を提案する。本実施形態では、レコメンド部21は、閲覧情報取得部217が取得した閲覧情報に関連する動画情報及び番組情報の少なくともいずれかを検索し、検索した動画情報及び番組情報の少なくともいずれかを提供することができる。レコメンド部21は、例えば、閲覧情報に含まれている単語と、動画情報及び番組情報に含まれている単語との類似度を求め、類似度の高いものから順に所定数の動画情報及び番組情報を検索することができる。また、レコメンド部21は、公知の手法により、閲覧情報と、動画情報及び番組情報との関連度を求め、関連度の高いものから順に所定数の動画情報及び番組情報を検索することもできる。
【0037】
また、レコメンド部21は、動画レコメンド部214及び番組レコメンド部215を備えることができる。
【0038】
動画レコメンド部214は、推定された興味対象に対応する動画を検索する。本実施形態では、動画レコメンド部214は、視聴中の視聴者全員に共通する興味対象に対応する動画を検索するものとするが、視聴中の視聴者のいずれかの興味対象に対応する動画を検索するようにしてもよい。動画レコメンド部214は、例えば、興味対象推定部213により推定された興味対象のカテゴリに対応する動画情報を動画情報記憶部231から検索することができる。
【0039】
番組レコメンド部215は、推定された興味対象に対応する番組を検索する。本実施形態では、番組レコメンド部215は、視聴中の視聴者全員に共通する興味対象に対応する番組を検索するものとするが、視聴中の視聴者のいずれかの興味対象に対応する番組を検索するようにしてもよい。番組レコメンド部215は、例えば、興味対象推定部213により推定された興味対象のカテゴリに対応する番組情報を番組情報記憶部234から検索することができる。
【0040】
レコメンド部21は、閲覧情報に応じた動画情報のうち、動画レコメンド部214が検索したもののみに絞って、または動画レコメンド部214が検索したものを優先的に、受像機10に送信することができる。また、レコメンド部21は、閲覧情報に応じた番組情報のうち、番組レコメンド部215が検索したもののみに絞って、又は、番組レコメンド部215が検索したものを優先的に、受像機10に送信することができる。
【0041】
<受像機10>
図4は、受像機10のハードウェア構成例を示す図である。受像機10は、CPU101、メモリ102、記憶装置103、通信装置104、放送受信モジュール105、出力装置106を備える。記憶装置103は、各種のデータやプログラムを記憶する、たとえばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信装置104は、通信を行うための装置であり、たとえばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどを介して通信ネットワーク30に接続することができる。受像機10は通信装置104を複数備えることもできる。放送受信モジュール105は、テレビ放送の電波を受信し、受信した電波から映像および音声をデコードするモジュールである。なお、放送受信モジュール105には、一般的なテレビ放送の受信およびデコードに係るハードウェアを用いることができる。出力装置106は、データを出力する、ディスプレイおよびスピーカを含む。なお、後述する受像機10の各機能部は、受像機10が備えるCPU101が記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に読み出して実行することにより実現され、受像機10が備える記憶部は、メモリ102および記憶装置103が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0042】
図5は、受像機10のソフトウェア構成例を示す図である。受像機10は、放送波映像音声処理部111、放送波視聴情報送信部112、動画映像音声処理部113、動画視聴情報送信部114、レコメンド出力部115、視聴者特定部116、視聴状態送信部117、閲覧情報取得部118、閲覧情報送信部119を備える。
【0043】
視聴者リスト記憶部131は、受像機10と紐付いている視聴者を管理する。視聴者リスト記憶部131には、受像機10と紐付いている視聴者を特定する視聴者IDが登録される。
【0044】
視聴者特定部116は、視聴中の視聴者を特定する。本実施形態では、視聴者特定部116は、視聴者が携帯するスマートフォンなどの視聴者端末50と通信を行うことにより、視聴中の視聴者を特定することができる。視聴者特定部116は、例えば、視聴者端末50と通信を行い、視聴者端末50から視聴者IDを取得することで視聴者を特定することができる。この場合、例えば、スマートフォンのUUID等を視聴者IDとして利用することもできる。ここで、視聴者特定部116はまた、通信できた視聴者端末1のうち、視聴者IDを送信してきており、かつ、受信した視聴者IDが視聴者リスト記憶部131に登録されているものについてのみ、当該受像機10の視聴者であるものとしてカウントするようにしてもよい。視聴者端末50との間の通信は、Bluetooth(登録商標)などの近距離通信により行うことで、物理的に受像機10の近傍に存在する視聴者を特定することができる。視聴者特定部116は、例えば、定期的にリクエストをBluetooth(登録商標)により送出し、リクエストに対して応答した視聴者端末50を検出して視聴者を検出することができる。
【0045】
他にも視聴者特定部116は、例えば、受像機10がカメラを備える場合には、カメラが撮影した画像を解析し、顔認識などの処理を用いて視聴者の外観の特徴量を検出することにより、受像機10の周辺に存在する視聴者を特定するようにすることもできる。また、視聴者特定部116は、例えば、受像機10がマイクを備える場合に、マイクが集音した音声を解析して、視聴者の声認識などの処理を用いて視聴者の声の特徴量を検出することにより、受像機10の周辺に存在する視聴者を特定するようにすることもできる。
【0046】
また、視聴者特定部116は、受像機10における視聴行動(どの番組、どの動画を、どのタイミングで見ているか)に基づいて視聴者を推定するようにすることもできる。当該推定処理は管理サーバ20で行うようにし、管理サーバ20が放送波視聴情報と動画視聴情報とに基づいて視聴者を推定し、視聴者特定部116が管理サーバ20にリクエストを行うことにより推定した視聴者IDを取得するようにしてもよい。
【0047】
視聴状態送信部117は、視聴中の視聴者を管理サーバ20に通知する。視聴状態送信部117は、例えば、視聴者特定部116が特定した視聴者を示す視聴者IDのリストを管理サーバ20に送信することができる。
【0048】
放送波映像音声処理部111は、放送受信モジュール105を制御して、コンテンツの映像および音声を出力装置106から出力する。映像音声処理部111による映像および音声の出力処理(テレビ放送の再生処理)については、一般的な手法を採用することが可能であり、ここでは説明を省略する。
【0049】
放送波視聴情報送信部112は、放送波視聴情報を管理サーバ20に送信する。放送波視聴情報送信部112は、受像機10において放送波の番組が視聴された場合、すなわち、放送波映像音声処理部111により映像音声が出力された場合に、該当するチャンネルと、日時及び受像機10を示すデバイスIDとを含む放送波視聴情報を管理サーバ20に送信することができる。
【0050】
動画映像音声処理部113は、動画データを再生する。動画映像音声処理部113は、通信ネットワーク30経由で動画配信サーバ30から配信される動画データを受信し、受信した動画データをデコードして映像及び音声を生成し、生成した映像及び音声を出力装置106から出力することができる。動画データはストリーミング形式であってもよいし、ファイル形式であってもよい。
【0051】
動画視聴情報送信部114は、動画視聴情報を管理サーバ20に送信する。動画視聴情報送信部114は、動画配信サービスからの動画データが視聴された場合、すなわち、動画映像音声処理部113により映像及び音声が出力された場合に、動画データを取得した動画配信サービスを示すサービスID及び動画データを示す動画IDと、日時及び受像機10を示すデバイスIDとを含む動画視聴情報を管理サーバ20に送信することができる。
【0052】
閲覧情報取得部118は、視聴者端末50から閲覧情報を取得する。閲覧情報取得部118は、視聴者端末50に対して定期的に閲覧情報のリクエストを送信するようにしてもよいし、視聴者端末50から送信されてくる閲覧情報を待つようにしてもよい。
【0053】
閲覧情報送信部119は、視聴者端末50から取得した閲覧情報を管理サーバ20に送信する。閲覧情報送信部119は、視聴者端末50に対応する視聴者を特定する視聴者IDを閲覧情報に付帯させて管理サーバ20に送信することができる。
【0054】
レコメンド出力部115は、視聴者に対して情報を提案する。本実施形態では、レコメンド出力部115は、動画又は番組のオススメを提案することができる。レコメンド出力部115は、管理サーバ20から送信される動画情報及び番組情報の少なくともいずれかを出力することができる。レコメンド出力部115は、動画及び番組を選択可能に出力し、選択された動画を動画映像音声処理部113に伝えて再生させ、選択された番組を放送波映像音声処理部111に伝えて再生させることができる。
【0055】
<視聴者端末50>
図6は、視聴者端末50のソフトウェア構成例を示す図である。なお、視聴者端末50のハードウェア構成例は、
図2に示した管理サーバ20と同様のものとすることができる。視聴者端末50は、Web閲覧部511と、閲覧情報送信部512とを備える
【0056】
Web閲覧部511は、Web情報をインターネットに接続されているWebサーバ(不図示)から取得して表示する。Web閲覧部511は、一般的なWebブラウザの機能を想定している。視聴者は、Web閲覧部511に対して指示を出すことにより所望のWeb情報を閲覧することができる。
【0057】
閲覧情報送信部512は、Web閲覧部511により表示されたWeb情報についての閲覧情報を受像機10に送信することができる。なお、閲覧情報送信部512は、受像機10との通信が行われている間のみ、閲覧情報を送信することができる。閲覧情報送信部512は、例えば、視聴者がインターネットの検索エンジンにアクセスして検索を行った場合に、その検索結果を閲覧情報として受像機10に送信することができる。閲覧情報送信部512は、視聴者がWeb情報を閲覧する度に閲覧情報を送信するようにしてもよいし、Web情報の閲覧履歴を蓄積しておき、閲覧履歴を受像機10に送信するようにしてもよい。
【0058】
<動作>
図7は、本実施形態の視聴システムの動作について説明する図である。
【0059】
視聴者端末50が閲覧情報を受像機10に送信し(S301)、受像機10は当該閲覧情報に視聴者IDを付帯させて管理サーバ20に送信する(S302)。
【0060】
管理サーバ20は、閲覧情報に関連する動画情報を検索するともに(S303)、閲覧情報に関連する番組情報を検索する(S304)。上述したように、番組及び動画の視聴履歴に応じた動画情報及び番組情報の検索結果に応じて、閲覧情報に関連する動画情報及び番組情報の優先度を変更するようにしてもよい。管理サーバ20は、検索した動画情報及び番組情報を受像機10に送信する(S305)。
【0061】
受像機10では、管理サーバ20から受信した動画情報及び番組情報を画面に表示して視聴者に動画及び番組を提案する(S306)。
【0062】
以上のようにして、受像機10の近傍において視聴者が視聴者端末50を用いて検索したり閲覧したWeb情報に関連する動画や番組を受像機10において提案することができる。したがって、視聴者が興味を持っている情報に関連する映像を受像機10において視聴できるようにすることが可能となる。
【0063】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0064】
例えば、本実施形態では、管理サーバ20が放送波及び動画の視聴履歴を管理するものとしたが、これに限らず、受像機10において管理してもよい。この場合、受像機10において興味対象の推定と、動画のレコメンドとを行うようにすることができる。
【0065】
また、本実施形態では視聴者個人を識別するものとしたが、これに限らず、視聴者の属性(デモグラフィック属性、ジオグラフィック属性、サイコグラフィック属性、行動属性など)を推定するようにしてもよい。視聴者の属性は、受像機10が推定してもよいし、管理サーバ20が推定してもよい。視聴者の属性は、例えば、放送波視聴情報や動画視聴情報に基づいて推定することができる。例えば、事前に番組や動画の視聴者属性を学習しておき、学習モデルに放送波視聴情報や動画視聴情報を与えることにより視聴者の属性を推定することができる。管理サーバ20のレコメンド部21は、視聴者の属性に応じた情報(動画情報や番組情報)を提供するようにすることができる。
【符号の説明】
【0066】
10 受像機
31 Webサーバ
30 動画配信サーバ
40 通信ネットワーク
50 視聴者端末
111 放送波映像音声処理部
112 放送波視聴情報送信部
113 動画映像音声処理部
114 動画視聴情報送信部
115 レコメンド出力部
116 視聴者特定部
117 視聴状態送信部
118 閲覧情報取得部
119 閲覧情報送信部
131 視聴者リスト記憶部
211 放送波視聴情報受信部
212 動画視聴情報受信部
213 興味対象推定部
214 動画レコメンド部
215 番組レコメンド部
216 視聴状態更新部
217 閲覧情報取得部
231 動画情報記憶部
232 放送波視聴情報記憶部
233 動画視聴情報記憶部
234 番組情報記憶部
235 視聴者情報記憶部
236 視聴状態記憶部
511 Web閲覧部
512 閲覧情報送信部
【手続補正書】
【提出日】2021-06-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送される番組を出力する受像機が、前記受像機の複数の視聴者のそれぞれについて、前記視聴者が携帯する携帯端末からWeb情報の閲覧情報を取得し、
前記受像機が、前記視聴者ごとの前記閲覧情報を管理サーバに送信し、
前記管理サーバが、前記閲覧情報に応じて、前記複数の視聴者に共通する興味対象を推定し、動画配信サービスを提供する動画配信サーバが管理する動画のうち前記共通する興味対象に対応するものを検索し、
前記管理サーバが、検索した前記動画に関する動画情報を前記受像機に送信し、
前記受像機が、前記動画情報を出力する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記受像機が、前記視聴者による前記番組の視聴情報を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、前記閲覧情報と前記視聴情報とに基づいて前記動画を検索すること、
を特徴とする情報処理方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理方法であって、
前記閲覧情報は、前記Web情報の検索結果であること、
を特徴とする情報処理方法。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送される番組を出力する受像機が、前記受像機が前記視聴者の携帯する携帯端末と通信を行うことにより特定した、前記受像機を同時に視聴している複数の視聴者のそれぞれについて、前記携帯端末からWeb情報の閲覧情報を取得し、
前記受像機が、前記視聴者ごとの前記閲覧情報を管理サーバに送信し、
前記管理サーバが、前記閲覧情報に応じて、前記複数の視聴者に共通する興味対象を推定し、動画配信サービスを提供する動画配信サーバが管理する動画のうち前記共通する興味対象に対応するものを検索し、
前記管理サーバが、検索した前記動画に関する動画情報を前記受像機に送信し、
前記受像機が、前記動画情報を出力する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法であって、
前記受像機が、前記視聴者による前記番組の視聴情報を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、前記閲覧情報と前記視聴情報とに基づいて前記動画を検索すること、
を特徴とする情報処理方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理方法であって、
前記閲覧情報は、前記Web情報の検索結果であること、
を特徴とする情報処理方法。