(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155672
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】トナーカートリッジ
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20221006BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G03G15/08 343
G03G15/08 348B
G03G21/16 176
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059018
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】橋本 淳一
(72)【発明者】
【氏名】王 裕ブン
(72)【発明者】
【氏名】雨池 拓也
【テーマコード(参考)】
2H077
2H171
【Fターム(参考)】
2H077AA03
2H077AA05
2H077AA09
2H077AB03
2H077AB12
2H077AC03
2H077BA02
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA04
2H171FA14
2H171GA04
2H171JA07
2H171JA14
2H171KA06
2H171KA12
2H171LA04
2H171LA08
2H171LA09
2H171LA13
2H171LA17
2H171QA04
2H171QB32
2H171QB35
(57)【要約】 (修正有)
【課題】カップリングから供給される駆動力により、シャッタの閉位置から開位置への移動と搬送部材の回転との両方を実現するとともに、シャッタが閉位置から開位置へ移動した後も、搬送部材の回転を継続させることができる構造を提供する。
【解決手段】駆動入力ギア41は、トナーカップリングとともに、第1軸Aについて回転する。内歯ギア24は、シャッタ20とともに、第1軸Aについて回転する。内歯ギア24は、ギア歯241と、欠け歯部242とを有する。アイドルギア61,62は、駆動入力ギア41から内歯ギア24へ駆動力を伝達する。シャッタ20が閉位置の場合、駆動入力ギア41がアイドルギア61と噛み合い、かつ、アイドルギア62が内歯ギア24のギア歯241と噛み合う。シャッタ20が開位置の場合、駆動入力ギア41がアイドルギア61と噛み合い、かつ、アイドルギア62が内歯ギア24の欠け歯部242と向かい合う。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを収容可能な筐体であって、トナー排出口を有する筐体と、
第1方向に延びるシャフトを有する搬送部材であって、前記第1方向に延びる第1軸について回転可能な搬送部材であり、前記筐体の内部に位置する搬送部材と、
前記トナー排出口を閉じる閉位置と前記トナー排出口を開く開位置との間を前記筐体に対して前記第1軸について回転可能なシャッタと、
前記搬送部材を回転させるトナーカップリングであって、前記第1軸について回転可能なトナーカップリングと、
前記トナーカップリングとともに前記第1軸について回転可能な駆動入力ギアと、
前記シャッタとともに前記第1軸について回転可能な内歯ギアであって、ギア歯と、欠け歯部と、を有する内歯ギアと、
前記駆動入力ギアから前記内歯ギアへ駆動力を伝達するアイドルギアと、
を備えるトナーカートリッジであって、
前記シャッタが前記閉位置の場合、前記トナーカップリングが前記搬送部材を回転させた状態で、前記駆動入力ギアが前記アイドルギアと噛み合い、かつ、前記アイドルギアが前記内歯ギアの前記ギア歯と噛み合い、
前記シャッタが前記開位置の場合、前記トナーカップリングが前記搬送部材を回転させた状態で、前記駆動入力ギアが前記アイドルギアと噛み合い、かつ、前記アイドルギアが前記内歯ギアの前記欠け歯部と向かい合うことを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載のトナーカートリッジであって、
前記アイドルギアは、
前記駆動入力ギアと噛み合う第1アイドルギアと、
前記第1アイドルギアと噛み合う第2アイドルギアと、
を有し、
前記シャッタが前記閉位置の場合、前記トナーカップリングが前記搬送部材を回転させた状態で、前記駆動入力ギアが前記第1アイドルギアと噛み合い、前記第1アイドルギアが前記第2アイドルギアと噛み合い、かつ、前記第2アイドルギアが前記内歯ギアの前記ギア歯と噛み合い、
前記シャッタが前記開位置の場合、前記トナーカップリングが前記搬送部材を回転させた状態で、前記駆動入力ギアが前記第1アイドルギアと噛み合い、前記第1アイドルギアが前記第2アイドルギアと噛み合い、かつ、前記第2アイドルギアが前記内歯ギアの前記欠け歯部と向かい合うことを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項3】
請求項2に記載のトナーカートリッジであって、
前記第1アイドルギアと前記第2アイドルギアが、前記駆動入力ギアと前記内歯ギアの間において、直列に並んでいることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記アイドルギアは、偶数個であることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項5】
請求項4に記載のトナーカートリッジであって、
偶数個の前記アイドルギアが、前記駆動入力ギアと前記内歯ギアの間において、直列に並んでいることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項6】
請求項1に記載のトナーカートリッジであって、
前記アイドルギアは、奇数個であることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項7】
請求項6に記載のトナーカートリッジであって、
奇数個の前記アイドルギアが、前記駆動入力ギアと前記内歯ギアの間において、直列に並んでいることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記シャッタの少なくとも一部を覆い、前記シャッタが前記開位置の場合に前記トナー排出口と連通する連通口を有するカバー
をさらに備えることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項9】
請求項8に記載のトナーカートリッジであって、
前記カバーは、前記筐体に固定されることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載のトナーカートリッジであって、
前記カバーは、前記第1方向における前記筐体の端部の外表面に位置することを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項11】
請求項8から請求項10のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記カバーは、
前記第1方向に延びるアイドルシャフト
を有し、
前記アイドルギアは、前記アイドルシャフトについて回転可能であることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項12】
請求項11に記載のトナーカートリッジであって、
前記アイドルギアは、
前記アイドルシャフトが嵌まる孔
を有することを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項13】
請求項8から請求項12のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記シャッタは、
前記第1方向において前記筐体と前記カバーとの間に位置するホルダであって、凹部を有するホルダ
を有し、
前記トナーカートリッジは、
前記第1方向において、前記カバーと前記ホルダとの間に位置するストッパであって、前記第1方向に移動可能なストッパと、
前記第1方向に伸縮可能な弾性部材であって、前記第1方向における一端が前記カバーに接続され、前記第1方向における他端が前記ストッパに接続され、前記ストッパを、前記ホルダへ向けて押圧する弾性部材と、
をさらに備え、
前記シャッタが前記閉位置の場合、前記ストッパは、前記凹部外に位置し、
前記シャッタが前記開位置の場合、前記ストッパの一部が、前記凹部内に位置することを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項14】
請求項13に記載のトナーカートリッジであって、
前記ホルダは、
前記ストッパの前記一部を前記凹部内へ向けて案内する傾斜面
をさらに有することを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記トナーカップリングと前記駆動入力ギアとが、一体の部品であることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記シャッタと前記内歯ギアとが、一体の部品であることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項17】
請求項1から請求項16のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記トナーカートリッジは、感光ドラムを有するドラムカートリッジに装着された状態で、画像形成装置の本体フレームに対して着脱可能であり、
前記シャッタは、
前記本体フレームに接触可能なレバーであって、前記レバーが前記本体フレームに接触した場合、前記シャッタが、前記開位置から前記閉位置へ向けて移動するレバー
を有することを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項18】
請求項1から請求項17のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記トナーカートリッジは、感光ドラムを有するドラムカートリッジに対して着脱可能であり、
前記トナーカップリングは、前記ドラムカートリッジの中継カップリングから駆動力を受け、前記搬送部材に駆動を伝達することを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項19】
請求項1から請求項18のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記搬送部材は、アジテータであることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トナーカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザプリンタ、LEDプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置が知られている。画像形成装置は、トナーカートリッジおよびドラムカートリッジを有する。トナーカートリッジは、ドラムカートリッジに対して装着可能である。また、トナーカートリッジが装着されたドラムカートリッジは、画像形成装置に対して装着可能である。従来の画像形成装置については、例えば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トナーカートリッジは、トナー排出口を閉じる閉位置と、トナー排出口を開く開位置との間で移動可能なシャッタを有する。特許文献1の画像形成装置では、トナーカートリッジがドラムカートリッジに装着された後、ユーザの操作により、シャッタが閉位置から開位置へ移動する。ユーザの操作を減らすためには、画像形成装置から供給される駆動力により、シャッタを閉位置から開位置へ移動させることが望ましい。ただし、トナーカートリッジ内でトナーを搬送する搬送部材を回転させるための駆動力と、シャッタを開位置から閉位置へ移動させるための駆動力とを、別々に供給すると、複数のカップリングが必要となる。
【0005】
本開示の目的は、カップリングから供給される駆動力により、シャッタの閉位置から開位置への移動と搬送部材の回転との両方を実現するとともに、シャッタが閉位置から開位置へ移動した後も、搬送部材の回転を継続させることができる構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1開示は、トナーを収容可能な筐体であって、トナー排出口を有する筐体と、第1方向に延びるシャフトを有する搬送部材であって、前記第1方向に延びる第1軸について回転可能な搬送部材であり、前記筐体の内部に位置する搬送部材と、前記トナー排出口を閉じる閉位置と前記トナー排出口を開く開位置との間を前記筐体に対して前記第1軸について回転可能なシャッタと、前記搬送部材を回転させるトナーカップリングであって、前記第1軸について回転可能なトナーカップリングと、前記トナーカップリングとともに前記第1軸について回転可能な駆動入力ギアと、前記シャッタとともに前記第1軸について回転可能な内歯ギアであって、ギア歯と、欠け歯部と、を有する内歯ギアと、前記駆動入力ギアから前記内歯ギアへ駆動力を伝達するアイドルギアと、を備えるトナーカートリッジであって、前記シャッタが前記閉位置の場合、前記トナーカップリングが前記搬送部材を回転させた状態で、前記駆動入力ギアが前記アイドルギアと噛み合い、かつ、前記アイドルギアが前記内歯ギアの前記ギア歯と噛み合い、前記シャッタが前記開位置の場合、前記トナーカップリングが前記搬送部材を回転させた状態で、前記駆動入力ギアが前記アイドルギアと噛み合い、かつ、前記アイドルギアが前記内歯ギアの前記欠け歯部と向かい合うことを特徴とする。
【0007】
本願の第2開示は、第1開示のトナーカートリッジであって、前記アイドルギアは、前記駆動入力ギアと噛み合う第1アイドルギアと、前記第1アイドルギアと噛み合う第2アイドルギアと、を有し、前記シャッタが前記閉位置の場合、前記トナーカップリングが前記搬送部材を回転させた状態で、前記駆動入力ギアが前記第1アイドルギアと噛み合い、前記第1アイドルギアが前記第2アイドルギアと噛み合い、かつ、前記第2アイドルギアが前記内歯ギアの前記ギア歯と噛み合い、前記シャッタが前記開位置の場合、前記トナーカップリングが前記搬送部材を回転させた状態で、前記駆動入力ギアが前記第1アイドルギアと噛み合い、前記第1アイドルギアが前記第2アイドルギアと噛み合い、かつ、前記第2アイドルギアが前記内歯ギアの前記欠け歯部と向かい合うことを特徴とする。
【0008】
本願の第3開示は、第2開示のトナーカートリッジであって、前記第1アイドルギアと前記第2アイドルギアが、前記駆動入力ギアと前記内歯ギアの間において、直列に並んでいることを特徴とする。
【0009】
本願の第4開示は、第1開示から第3開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記アイドルギアは、偶数個であることを特徴とする。
【0010】
本願の第5開示は、第4開示のトナーカートリッジであって、偶数個の前記アイドルギアが、前記駆動入力ギアと前記内歯ギアの間において、直列に並んでいることを特徴とする。
【0011】
本願の第6開示は、第1開示のトナーカートリッジであって、前記アイドルギアは、奇数個であることを特徴とする。
【0012】
本願の第7開示は、第6開示のトナーカートリッジであって、奇数個の前記アイドルギアが、前記駆動入力ギアと前記内歯ギアの間において、直列に並んでいることを特徴とする。
【0013】
本願の第8開示は、第1開示から第7開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記シャッタの少なくとも一部を覆い、前記シャッタが前記開位置の場合に前記トナー排出口と連通する連通口を有するカバーをさらに備えることを特徴とする。
【0014】
本願の第9開示は、第8開示のトナーカートリッジであって、前記カバーは、前記筐体に固定されることを特徴とする。
【0015】
本願の第10開示は、第8開示または第9開示のトナーカートリッジであって、前記カバーは、前記第1方向における前記筐体の端部の外表面に位置することを特徴とする。
【0016】
本願の第11開示は、第8開示から第10開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記カバーは、前記第1方向に延びるアイドルシャフトを有し、前記アイドルギアは、前記アイドルシャフトについて回転可能であることを特徴とする。
【0017】
本願の第12開示は、第11開示のトナーカートリッジであって、前記アイドルギアは、前記アイドルシャフトが嵌まる孔を有することを特徴とする。
【0018】
本願の第13開示は、第8開示から第12開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記シャッタは、前記第1方向において前記筐体と前記カバーとの間に位置するホルダであって、凹部を有するホルダを有し、前記トナーカートリッジは、前記第1方向において、前記カバーと前記ホルダとの間に位置するストッパであって、前記第1方向に移動可能なストッパと、前記第1方向に伸縮可能な弾性部材であって、前記第1方向における一端が前記カバーに接続され、前記第1方向における他端が前記ストッパに接続され、前記ストッパを、前記ホルダへ向けて押圧する弾性部材と、をさらに備え、前記シャッタが前記閉位置の場合、前記ストッパは、前記凹部外に位置し、前記シャッタが前記開位置の場合、前記ストッパの一部が、前記凹部内に位置することを特徴とする。
【0019】
本願の第14開示は、第13開示のトナーカートリッジであって、前記ホルダは、前記ストッパの前記一部を前記凹部内へ向けて案内する傾斜面をさらに有することを特徴とする。
【0020】
本願の第15開示は、第1開示から第14開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記トナーカップリングと前記駆動入力ギアとが、一体の部品であることを特徴とする。
【0021】
本願の第16開示は、第1開示から第15開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記シャッタと前記内歯ギアとが、一体の部品であることを特徴とする。
【0022】
本願の第17開示は、第1開示から第16開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記トナーカートリッジは、感光ドラムを有するドラムカートリッジに装着された状態で、画像形成装置の本体フレームに対して着脱可能であり、前記シャッタは、前記本体フレームに接触可能なレバーであって、前記レバーが前記本体フレームに接触した場合、前記シャッタが、前記開位置から前記閉位置へ向けて移動するレバーを有することを特徴とする。
【0023】
本願の第18開示は、第1開示から第17開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記トナーカートリッジは、感光ドラムを有するドラムカートリッジに対して着脱可能であり、前記トナーカップリングは、前記ドラムカートリッジの中継カップリングから駆動力を受け、前記搬送部材に駆動を伝達することを特徴とする。
【0024】
本願の第19開示は、第1開示から第18開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記搬送部材は、アジテータであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本願の第1開示~第19開示によれば、シャッタが閉位置の場合、トナーカップリングが回転すると、駆動入力ギアからアイドルギアを介して内歯ギアへ、駆動力が伝達される。これにより、内歯ギアが第1軸について回転し、シャッタが閉位置から開位置へ移動する。したがって、トナーカップリングの回転により、搬送部材の回転と、シャッタの閉位置から開位置への移動と、の両方を実現できる。
【0026】
また、シャッタが開位置まで移動すると、アイドルギアと内歯ギアとの噛み合いが外れる。このため、アイドルギアから内歯ギアへ、駆動力が伝達されなくなる。したがって、シャッタの位置が開位置に維持される。ただし、トナーカップリングの回転により、搬送部材は回転する。これにより、シャッタが閉位置から開位置へ移動した後も、搬送部材の回転を継続させることができる。
【0027】
また、本願の第3開示によれば、駆動入力ギアとシャッタとを、第1軸について同じ向きに回転させることができ、かつ、アイドルギアの数を最小の2個として、部品点数を低減できる。
【0028】
また、本願の第5開示によれば、駆動入力ギアとシャッタとを、第1軸について同じ向きに回転させることができる。
【0029】
また、本願の第7開示によれば、駆動入力ギアとシャッタとを、第1軸について互いに反対の向きに回転させることができる。
【0030】
また、本願の第13開示によれば、ストッパを凹部に挿入することで、シャッタを開位置に位置決めする。これにより、内歯ギアのギア歯の端部から、アイドルギアを引き離すことができる。
【0031】
また、本願の第14開示によれば、傾斜面により、ストッパを凹部内へ向けてガイドする。これにより、シャッタを開位置へ容易に位置決めできる。
【0032】
また、本願の第15開示によれば、トナーカップリングと駆動入力ギアを別部品とする場合と比べて、部品点数を低減できる。
【0033】
また、本願の第16開示によれば、シャッタと内歯ギアを別部品とする場合と比べて、部品点数を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図3】トナーカートリッジの断面を示す斜視図である。
【
図4】トナーカートリッジの部分分解斜視図である。
【
図5】トナーカートリッジの部分分解斜視図である。
【
図6】トナーカートリッジの第1軸に直交する断面図である。
【
図7】トナーカートリッジの第1軸に直交する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明においては、トナーカートリッジ2のシャフト31が延びる方向を「第1方向」と称する。
【0036】
<1.画像形成装置の構成>
図1は、画像形成装置1の概要図である。この画像形成装置1は、電子写真方式のプリンタである。具体的には、画像形成装置1は、レーザプリンタまたはLEDプリンタである。
図1に示すように、画像形成装置1は、4つのトナーカートリッジ2、ドラムカートリッジ3、本体フレーム4、および制御部5を備える。
【0037】
ドラムカートリッジ3は、ドロワである。
図1に示すように、ドラムカートリッジ3は、4つの現像ローラ301と、4つの感光ドラム302と、を有する。4つのトナーカートリッジ2は、ドラムカートリッジ3に対して着脱可能である。また、4つのトナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3は、本体フレーム4に対して着脱可能である。本実施形態のドラムカートリッジ3に装着されるトナーカートリッジ2の数は、4つである。ただし、ドラムカートリッジ3に装着されるトナーカートリッジ2の数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
【0038】
4つのトナーカートリッジ2は、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各色)のトナーをそれぞれ収容する。画像形成装置1は、4つのトナーカートリッジ2から供給されるトナーにより、印刷用紙に画像を形成する。
【0039】
制御部5は、画像形成装置1の本体フレーム4内に位置する。制御部5は、CPU等のプロセッサ501と、本体メモリ502とを有する。本体メモリ502は、情報の読み出しおよび書き込みが可能な記憶媒体である。プロセッサ501は、本体メモリ502からの情報の読み出しと、本体メモリ502への情報の書き込みと、を実行可能である。制御部5は、本体メモリ502に記憶されたプログラムに従ってプロセッサ501が動作することにより、画像形成装置1における印刷処理を実行する。
【0040】
4つのトナーカートリッジ2は、それぞれ、ICチップ201を有する。ICチップ201は、情報の読み出しおよび書き込みが可能な記憶媒体である。ドラムカートリッジ3は、4つのドラム接点303、ドラムハーネス304、およびドラムコネクタ305を有する。4つのドラム接点303は、ドラムハーネス304を介して、ドラムコネクタ305と電気的に接続されている。また、画像形成装置1は、本体フレーム4内に、本体コネクタ401および本体ハーネス402を有する。本体コネクタ401は、本体ハーネス402を介して、制御部5と電気的に接続されている。
【0041】
トナーカートリッジ2がドラムカートリッジ3に装着された場合、ICチップ201は、ドラム接点303と接触する。これにより、ICチップ201は、ドラム接点303と電気的に接続される。また、トナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3が、本体フレーム4に装着された場合、ドラムコネクタ305は、本体コネクタ401と接触する。これにより、ドラムコネクタ305は、本体コネクタ401と電気的に接続される。これにより、ICチップ201が、ドラム接点303、ドラムハーネス304、ドラムコネクタ305、本体コネクタ401、および本体ハーネス402を介して、制御部5と電気的に接続される。その結果、制御部5は、ICチップ201からの情報の読み出しと、ICチップ201への情報の書き込みと、を実行することが可能となる。
【0042】
<2.トナーカートリッジについて>
続いて、トナーカートリッジ2の構造について、説明する。
図2は、トナーカートリッジ2の斜視図である。
図3は、トナーカートリッジ2の、第1軸Aを含む断面を示す斜視図である。
図4および
図5は、トナーカートリッジ2の部分分解斜視図である。
【0043】
図2~
図5に示すように、トナーカートリッジ2は、筐体10、シャッタ20、内歯ギア24、アジテータ30、トナーカップリング40、駆動入力ギア41、カバー50、第1アイドルギア61、第2アイドルギア62、ストッパ70、第1ロック部材81、および第2ロック部材82を備える。
【0044】
筐体10は、現像剤の一例であるトナーを収容可能な容器である。筐体10は、第1方向に延びる。筐体10は、第1端部11と、第2端部12と、筒状の周面13とを有する。第1端部11は、第1方向において、第2端部12と離れている。シャッタ20、内歯ギア24、トナーカップリング40、駆動入力ギア41、カバー50、第1アイドルギア61、第2アイドルギア62、ストッパ70、第1ロック部材81、および第2ロック部材82は、第1端部11に位置する。上述したICチップ201は、第2端部12に位置する。周面13は、第1端部11と第2端部12との間で、第1方向に延びる。周面13は、第1方向に延びる第1軸Aを中心とする筒状である。
【0045】
筐体10は、内部に収容室14を有する。トナーは、収容室14に収容される。また、
図3に示すように、筐体10は、トナー排出口15を有する。トナー排出口15は、第1方向における周面13の一端部に位置する。
【0046】
シャッタ20は、筐体10の第1端部11に位置する。シャッタ20は、ホルダ21、シャッタプレート22、およびレバー23を有する。ホルダ21は、第1方向において、筐体10と、後述するギアカバー部51との間に位置する。ホルダ21は、第1軸Aを中心とする円環状である。シャッタプレート22は、ホルダ21の一部分から、第2端部12へ向けて、第1方向に延びる。シャッタプレート22は、シャッタ開口220を有する。
【0047】
シャッタ20は、トナー排出口15を閉じる閉位置と、トナー排出口15を開く開位置との間で、筐体10に対して、第1軸Aについて回転可能である。シャッタ20が閉位置に位置する場合、シャッタプレート22がトナー排出口15を覆う。これにより、シャッタ20がトナー排出口15を閉じる。シャッタ20が開位置に位置する場合、シャッタプレート22のシャッタ開口220が、トナー排出口15と重なる。これにより、シャッタ20がトナー排出口15を開く。すなわち、トナー排出口15が、シャッタ開口220を介して、後述するカバー50の連通口53と連通する。その結果、収容室14に収容されたトナーが、ドラムカートリッジ3へ移動することが可能となる。
【0048】
筐体10は、凹み16を有する。凹み16は、筐体10の周面13に位置する。シャッタプレート22は、凹み16内に位置する。凹み16は、第1面160、第1ストッパ面161、および第2ストッパ面162を有する。第1面160は、トナー排出口15を有する。第1ストッパ面161は、第1軸Aを中心とする径方向において、第1面160から外側へ延びる。第2ストッパ面162は、第1軸Aを中心とする径方向において、第1面160から外側へ延びる。
【0049】
第1ストッパ面161は、シャッタ20の閉位置から開位置へ向かう回転方向の移動を止める。シャッタ20が開位置に位置する場合、シャッタプレート22は、第1ストッパ面161と接触する。第2ストッパ面162は、シャッタ20の開位置から閉位置へ向かう回転方向の移動を止める。シャッタ20が閉位置に位置する場合、シャッタプレート22は、第2ストッパ面162と接触する。これにより、シャッタ20の移動範囲が、閉位置と開位置との間に制限される。
【0050】
なお、第1ストッパ面161は、シャッタ20の回転方向における移動を完全に止めるものでなくてもよい。シャッタ20は、第1ストッパ面161に接触した状態において、僅かに移動可能であってもよい。また、第2ストッパ面162は、シャッタ20の回転方向における移動を完全に止めるものでなくてもよい。シャッタ20は、第2ストッパ面162に接触した状態において、僅かに移動可能であってもよい。
【0051】
本実施形態では、トナー排出口15と第1ストッパ面161が、同じ筐体10にある。このため、シャッタ20が開位置に位置する場合に、トナー排出口15に対してシャッタ20が、精度よく位置決めされる。また、本実施形態では、トナー排出口15と第2ストッパ面162が、同じ筐体10にある。このため、シャッタ20が閉位置に位置する場合において、トナー排出口15に対してシャッタ20が、精度よく位置決めされる。ただし、後述するカバー50が、第1ストッパ面161および第2ストッパ面162を有していてもよい。また、シャッタ20およびカバー50とは別の部品が、第1ストッパ面161および第2ストッパ面162を有していてもよい。
【0052】
図4および
図5に示すように、ホルダ21は、孔210を有する。孔210は、ホルダ21の中央に位置する。また、ホルダ21は、孔210の周囲に、第1凹部211および第2凹部212を有する。第1凹部211と第2凹部212とは、第1軸Aを挟んで互いに反対側に位置する。第1凹部211および第2凹部212は、ホルダ21の後述するギアカバー部51と向かい合う面から、筐体10へ向けて、第1方向に凹む。
【0053】
レバー23は、ホルダ21の外周部から、外側へ向けて突出する。レバー23は、第1軸Aを挟んで、シャッタプレート22とは反対側に位置する。レバー23は、本体フレーム4に接触可能である。トナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3が、本体フレーム4から取り出される場合、レバー23は、本体フレーム4に接触する。これにより、レバー23が第1軸Aについて回転する。そして、レバー23とともにシャッタ20が、開位置から閉位置へ向けて移動する。その結果、シャッタプレート22が、トナー排出口15を覆う。
【0054】
内歯ギア24は、シャッタ20とともに第1軸Aについて回転可能なギアである。内歯ギア24は、第1軸Aを中心とする円環状である。内歯ギア24は、ホルダ21の内周部に位置する。本実施形態では、シャッタ20と内歯ギア24が、一体の部品である。詳しくは、シャッタ20と内歯ギア24が、一体成型されている。これにより、シャッタ20と内歯ギア24を別部品とする場合よりも、トナーカートリッジ2の部品点数を低減できる。ただし、シャッタ20と内歯ギア24は、別部品であってもよい。その場合、シャッタ20と内歯ギア24が、互いに固定されていればよい。
【0055】
内歯ギア24は、複数のギア歯241と、欠け歯部242とを有する。複数のギア歯241は、第1軸Aの周囲の一部の角度範囲に設けられている。各ギア歯241は、内歯ギア24から径方向内側へ突出する。欠け歯部242は、ギア歯が無い円弧状の内周面である。
【0056】
アジテータ30は、筐体10内においてトナーを攪拌および搬送するための搬送部材である。アジテータ30は、筐体10の内部に位置する。
図2中に破線で示したように、アジテータ30は、シャフト31および羽根32を有する。シャフト31は、第1軸Aに沿って第1方向に延びる。シャフト31は、一端部と他端部とを有する。シャフト31の一端部は、筐体10の第1端部11に位置する。シャフト31の他端部は、筐体10の第2端部12に位置する。羽根32は、シャフト31から径方向外側へ向けて拡がる。すなわち、羽根32は、シャフト31から筐体10の内周面へ向けて拡がる。
【0057】
シャフト31および羽根32は、第1軸Aについて回転可能である。羽根32が第1軸Aについて回転すると、筐体10内のトナーが撹拌されるとともに、トナーがトナー排出口15へ向けて搬送される。
【0058】
トナーカップリング40は、アジテータ30へ駆動力を伝達するための部品である。トナーカップリング40は、筐体10の第1端部11に位置する。トナーカップリング40は、第1方向におけるシャフト31の一端部に、接続部材42を介して接続されている。一方、ドラムカートリッジ3は、中継カップリング(図示省略)を有する。トナーカップリング40は、中継カップリングと接続可能である。そして、トナーカップリング40は、中継カップリングと接続された状態において、中継カップリングから駆動力を受けることが可能である。
【0059】
トナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3が、本体フレーム4に装着されると、ドラムカートリッジ3の中継カップリングが、トナーカップリング40に接続される。そして、画像形成装置1は、中継カップリングを介してトナーカップリング40に、駆動力を供給する。トナーカップリング40は、中継カップリングから駆動力を受けることにより、第1軸Aについて回転する。そして、トナーカップリング40が第1軸Aについて回転すると、トナーカップリング40とともにアジテータ30も、第1軸Aについて回転する。
【0060】
駆動入力ギア41は、トナーカップリング40とともに、第1軸Aについて回転可能なギアである。駆動入力ギア41は、トナーカップリング40の外周部に位置する。本実施形態では、トナーカップリング40と駆動入力ギア41が、一体の部品である。詳しくは、トナーカップリング40と駆動入力ギア41が、一体成型されている。これにより、トナーカップリング40と駆動入力ギア41を別部品とする場合よりも、トナーカートリッジ2の部品点数を低減できる。ただし、トナーカップリング40と駆動入力ギア41は、別部品であってもよい。その場合、トナーカップリング40と駆動入力ギア41が、互いに固定されていればよい。
【0061】
駆動入力ギア41は、複数のギア歯411を有する。複数のギア歯411は、駆動入力ギア41の外周面の全周に位置する。各ギア歯411は、第1軸Aから離れる向きに突出する。
【0062】
カバー50は、筐体10の第1端部11の外表面に位置する。カバー50は、筐体10の第1端部11に固定される。カバー50は、ギアカバー部51とシャッタカバー部52とを有する。
【0063】
ギアカバー部51は、第1軸Aを中心とする略円板状である。シャッタカバー部52は、ギアカバー部51の外周部の一部分から、筐体10へ向けて、第1方向に延びる。ホルダ21、内歯ギア24、トナーカップリング40、駆動入力ギア41、第1アイドルギア61、第2アイドルギア62、およびストッパ70は、第1方向において、ギアカバー部51と、筐体10の第1端部11との間に位置する。シャッタカバー部52は、筐体10の凹み16に位置する。シャッタカバー部52は、シャッタプレート22の少なくとも一部を覆う。
【0064】
ギアカバー部51は、センター貫通孔510、第1サイド貫通孔511、および第2サイド貫通孔512を有する。センター貫通孔510、第1サイド貫通孔511、および第2サイド貫通孔512は、ギアカバー部51を第1方向に貫通する。センター貫通孔510は、ギアカバー部51の中央に位置する。トナーカップリング40は、センター貫通孔510を介して、カバー50の外部に露出する。第1サイド貫通孔511および第2サイド貫通孔512は、センター貫通孔510の周囲に位置する。第1サイド貫通孔511と第2サイド貫通孔512とは、センター貫通孔510を挟んで、互いに反対側に位置する。
【0065】
シャッタカバー部52は、連通口53を有する。シャッタ20が閉位置に位置する場合およびシャッタ20が開位置に位置する場合のいずれの場合であっても、連通口53は、トナー排出口15と重なる位置にある。シャッタ20が閉位置に位置する場合、シャッタプレート22は、連通口53を覆う。シャッタ20が開位置に位置する場合、シャッタ開口220は、トナー排出口15および連通口53と重なる。これにより、トナー排出口15が、シャッタ開口220を介して、連通口53と連通する。
【0066】
図5に示すように、カバー50は、第1アイドルシャフト54および第2アイドルシャフト55を有する。第1アイドルシャフト54および第2アイドルシャフト55は、それぞれ、ギアカバー部51のホルダ21と向かい合う面から、ホルダ21へ向けて、第1方向に延びる。第1アイドルシャフト54および第2アイドルシャフト55は、円柱状である。第1アイドルシャフト54および第2アイドルシャフト55は、第1軸Aを中心とする径方向において、駆動入力ギア41と内歯ギア24との間に位置する。
【0067】
第1アイドルギア61および第2アイドルギア62は、駆動入力ギア41から内歯ギア24へ、駆動力を伝達するギアである。第1アイドルギア61および第2アイドルギア62は、第1方向において、ギアカバー部51とホルダ21との間に位置する。
【0068】
第1アイドルギア61は、第1孔610を有する。第1孔610は、第1アイドルギア61の中央に位置する。第1アイドルシャフト54は、第1孔610に嵌まる。これにより、第1アイドルギア61は、第1アイドルシャフト54に支持される。また、第1アイドルギア61は、第1アイドルシャフト54について、回転可能である。第1アイドルギア61は、複数のギア歯611を有する。複数のギア歯611は、第1アイドルギア61の全周に位置する。各ギア歯611は、第1アイドルシャフト54から離れる向きに突出する。第1アイドルギア61のギア歯611は、駆動入力ギア41のギア歯411と噛み合う。
【0069】
第2アイドルギア62は、第2孔620を有する。第2孔620は、第2アイドルギア62の中央に位置する。第2アイドルシャフト55は、第2孔620に嵌まる。これにより、第2アイドルギア62は、第2アイドルシャフト55に支持される。また、第2アイドルギア62は、第2アイドルシャフト55について、回転可能である。第2アイドルギア62は、複数のギア歯621を有する。複数のギア歯621は、第2アイドルギア62の全周に位置する。各ギア歯621は、第2アイドルシャフト55から離れる向きに突出する。第2アイドルギア62のギア歯621は、第1アイドルギア61のギア歯611と噛み合う。
【0070】
図6および
図7は、トナーカートリッジ2の断面図である。
図6および
図7は、第1アイドルギア61および第2アイドルギア62を含み、かつ、第1軸Aに直交する断面を示している。また、
図6は、シャッタ20が閉位置に位置する状態を示している。
図7は、シャッタ20が開位置に位置する状態を示している。
図6および
図7に示すように、第1アイドルギア61と第2アイドルギア62は、駆動入力ギア41と内歯ギア24との間において、直列に並んでいる。
【0071】
図6のように、シャッタ20が閉位置に位置する場合、駆動入力ギア41のギア歯411が第1アイドルギア61のギア歯611と噛み合い、第1アイドルギア61のギア歯611が第2アイドルギア62のギア歯621と噛み合い、かつ、第2アイドルギア62のギア歯621が、内歯ギア24のギア歯241噛み合う。このため、駆動入力ギア41に入力された駆動力が、第1アイドルギア61および第2アイドルギア62を介して、内歯ギア24へ伝達される。この場合、トナーカップリング40がアジテータ30を回転させた状態で、内歯ギア24が、第1軸Aについて回転する。これにより、シャッタ20が閉位置から開位置へ移動する。その結果、トナー排出口15が開放される。このように、トナーカップリング40の回転により、アジテータ30の回転と、シャッタ20の閉位置から開位置へ向かう回転方向の移動と、の両方が実現される。
【0072】
上述の通り、内歯ギア24は、複数のギア歯241と、欠け歯部242とを有する。シャッタ20が開位置に到達すると、第2アイドルギア62のギア歯621と、内歯ギア24のギア歯241との噛み合いが外れる。これにより、第2アイドルギア62のギア歯621が内歯ギア24のギア歯241と噛み合う状態から、第2アイドルギア62のギア歯621が、内歯ギア24の欠け歯部242と間隔をあけて向かい合う状態に、切り替わる。
【0073】
図7のように、シャッタ20が開位置に位置する場合、駆動入力ギア41のギア歯411が第1アイドルギア61のギア歯611と噛み合い、第1アイドルギア61のギア歯611が第2アイドルギア62のギア歯621と噛み合い、かつ、第2アイドルギア62のギア歯621が、内歯ギア24の欠け歯部242と間隔をあけて向かい合う。このため、駆動入力ギア41に入力された駆動力は、内歯ギア24へ伝達されない。したがって、シャッタ20の位置は、開位置に維持される。すなわち、トナー排出口15が開かれた状態に維持される。ただし、トナーカップリング40の回転により、アジテータ30は回転する。これにより、シャッタ20が閉位置から開位置へ移動した後も、アジテータ30の回転を継続させることができる。
【0074】
ストッパ70は、シャッタ20を閉位置に位置決めするための部材である。ストッパ70は、第1方向において、ギアカバー部51とホルダ21との間に位置する。ストッパ70は、第1位置と、第1位置よりもホルダ21に近い第2位置との間で、第1方向に移動可能である。
【0075】
また、トナーカートリッジ2は、ばね71を有する。ばね71は、第1方向に伸縮可能な弾性部材である。ばね71は、例えばコイルばねである。第1方向におけるばね71の一端は、ギアカバー部51に接続される。第1方向におけるばね71の他端は、ストッパ70に接続される。また、ばね71は、自然長よりも第1方向に縮んだ状態で、ギアカバー部51とストッパ70との間に配置される。このため、ばね71は、その反発力によって、ストッパ70を、ホルダ21へ向けて第1方向に押圧する。
【0076】
図6に示すように、ホルダ21は、ストッパ凹部213を有する。ストッパ凹部213は、ホルダ21のギアカバー部51と向かい合う面から、筐体10へ向けて、第1方向に凹む。シャッタ20が閉位置に位置する場合、ストッパ70は、ストッパ凹部213の外に位置する。すなわち、ストッパ70は、ホルダ21のギアカバー部51と向かい合う面のうち、ストッパ凹部213以外の部分に接触する。このとき、ストッパ70は、第1方向において、第1位置に位置する。
【0077】
シャッタ20が閉位置から開位置へ移動すると、ホルダ21のストッパ凹部213が、ストッパ70に近づく。そして、ストッパ70の先端部が、ストッパ凹部213内に挿入される。このとき、ばね71が伸びることにより、ストッパ70が、第1方向において、第1位置から第2位値へ移動する。このように、ストッパ70の先端部を、ストッパ凹部213内に挿入することで、シャッタ20を、開位置に位置決めできる。これにより、内歯ギア24のギア歯241の端部が、第2アイドルギア62と接触することを抑制できる。
【0078】
また、
図6に示すように、ホルダ21は、傾斜面214を有する。傾斜面214は、ホルダ21のギアカバー部51と向かい合う面のうち、ストッパ70の先端部が接触する部分において、ストッパ凹部213へ向かうにつれて筐体10へ近づくように傾斜する。傾斜面214は、ストッパ70の先端部を、ストッパ凹部213内へ向けて案内する。シャッタ20が閉位置から開位置へ移動するときに、ストッパ70の先端部は、傾斜面214によって、ストッパ凹部213内へ誘い込まれる。これにより、シャッタ20を、より容易に開位置に位置決めできる。また、内歯ギア24のギア歯241の端部から、第2アイドルギア62を引き離すことができる。
【0079】
第1ロック部材81および第2ロック部材82は、シャッタ20の回転をロックするための部材である。第1ロック部材81は、ホルダ21の第1凹部211に嵌まる。第2ロック部材82は、ホルダ21の第2凹部212に嵌まる。第1ロック部材81は、カバー50の第1サイド貫通孔511を介して、カバー50の外部に露出する。第2ロック部材82は、カバー50の第2サイド貫通孔512を介して、カバー50の外部に露出する。第1ロック部材81および第2ロック部材82は、それぞれ、ロック位置と、第1方向においてロック位置よりもギアカバー部51から離れた解除位置との間で、第1方向に移動可能である。
【0080】
また、トナーカートリッジ2は、第1ばね83および第2ばね84を有する。第1ばね83は、第1ロック部材81とホルダ21との間に位置する。第1ばね83は、第1方向に伸縮可能な弾性部材である。第1ばね83は、第1ロック部材81とホルダ21との間に、自然長よりも縮んだ状態で配置される。このため、第1ばね83の反発力によって、第1ロック部材81は、解除位置からロック位置へ向けて、常に付勢されている。第2ばね84は、第2ロック部材82とホルダ21との間に位置する。第2ばね84は、第1方向に伸縮可能な弾性部材である。第2ばね84は、第2ロック部材82とホルダ21との間に、自然長よりも縮んだ状態で配置される。このため、第2ばね84の反発力によって、第2ロック部材82は、解除位置からロック位置へ向けて、常に付勢されている。
【0081】
第1ロック部材81がロック位置に位置する場合、第1ロック部材81は、カバー50とホルダ21の両方に接触する。また、第2ロック部材82がロック位置に位置する場合、第2ロック部材82は、カバー50とホルダ21の両方に接触する。この状態では、筐体10およびカバー50に対して、シャッタ20は、第1軸Aについて回転不可能である。したがって、シャッタ20は、閉位置から開位置へ移動不可能となる。
【0082】
トナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3が、本体フレーム4に装着された場合、画像形成装置1は、ドラムカートリッジ3に設けられた可動部材(図示省略)を介して、第1ロック部材81および第2ロック部材82を、ホルダ21へ向けて押圧する。そうすると、第1ばね83が縮むことにより、第1ロック部材81が、ロック位置から解除位置へ移動する。また、第2ばね84が縮むことにより、第2ロック部材82が、ロック位置から解除位置へ移動する。これにより、第1サイド貫通孔511から第1ロック部材81が抜け、第2サイド貫通孔512から第2ロック部材82が抜ける。したがって、第1ロック部材81および第2ロック部材82が、カバー50から離れる。この状態では、筐体10およびカバー50に対して、シャッタ20が、第1軸Aについて回転可能である。したがって、シャッタ20は、閉位置から開位置へ移動可能となる。
【0083】
本実施形態の構造では、第1ロック部材81および第2ロック部材82の両方を同時に押圧しないと、シャッタ20のロックが解除されない。このため、トナーカートリッジ2がドラムカートリッジ3に装着されていない状態において、ユーザの誤操作によりシャッタ20のロックが解除されることを抑制できる。
【0084】
<3.変形例>
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではない。以下では、種々の変形例について、上記の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0085】
<3-1.アイドルギアの数について>
上記の実施形態では、駆動入力ギア41と内歯ギア24との間に、第1アイドルギア61および第2アイドルギア62の2個のアイドルギアが、直列に並んでいた。このようにすれば、駆動入力ギア41とシャッタ20とを、第1軸Aについて同じ向きに回転させることができる。また、駆動入力ギア41とシャッタ20とを同じ向きに回転させるために必要なアイドルギアの数を、最小の2個として、トナーカートリッジ2の部品点数を低減できる。
【0086】
ただし、トナーカートリッジ2は、2個に限らず、偶数個のアイドルギアを備えていてもよい。そして、偶数個のアイドルギアが、駆動入力ギア41と内歯ギア24との間において、直列に並んでいてもよい。これにより、駆動入力ギア41とシャッタ20とを、第1軸Aについて同じ向きに回転させることができる。
【0087】
また、トナーカートリッジ2は、奇数個のアイドルギアを備えていてもよい。そして、奇数個のアイドルギアが、駆動入力ギア41と内歯ギア24との間において、直列に並んでいてもよい。これにより、駆動入力ギア41とシャッタ20とを、第1軸Aについて互いに反対の向きに回転させることができる。
【0088】
<3-2.ギア歯について>
駆動入力ギア41は、ギア歯411が無く、ゴムの摩擦により駆動力を伝達するものであってもよい。また、複数のアイドルギアのうちの一部のアイドルギアも、ギア歯が無く、ゴムの摩擦により駆動力を伝達するものであってもよい。
【0089】
<3-3.搬送部材について>
上記の実施形態のトナーカートリッジ2は、搬送部材として、アジテータ30を備えていた。しかしながら、トナーカートリッジ2は、搬送部材として、スクリュー状のオーガを備えていてもよい。また、搬送部材は、その少なくとも一部が、筐体内に位置していればよい。
【0090】
<3-4.その他>
画像形成装置1を構成する各部品の細部の形状については、本願の各図に示された形状と異なっていてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に取捨選択してもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 画像形成装置
2 トナーカートリッジ
3 ドラムカートリッジ
4 本体フレーム
10 筐体
15 トナー排出口
16 凹み
20 シャッタ
21 ホルダ
22 シャッタプレート
23 レバー
24 内歯ギア
30 アジテータ
31 シャフト
32 羽根
40 トナーカップリング
41 駆動入力ギア
50 カバー
51 ギアカバー部
52 シャッタカバー部
53 連通口
54 第1アイドルシャフト
55 第2アイドルシャフト
61 第1アイドルギア
62 第2アイドルギア
70 ストッパ
71 ばね
213 ストッパ凹部
214 傾斜面
220 シャッタ開口
241 ギア歯
242 欠け歯部
A 第1軸