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▶ 三宅 元の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155683
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】ゴルフ練習器具
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
A63B69/36 501B
A63B69/36 501C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059034
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】521142047
【氏名又は名称】三宅 元
(74)【代理人】
【識別番号】100073287
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 聞一
(72)【発明者】
【氏名】三宅 元
(57)【要約】      (修正有)
【課題】スイング中にスティックが体側に当たった衝撃でグリップから脱落し兼ねない。
【解決手段】塑性変形可能な線材からなる、ゴルフクラブのグリップGに巻き付けるコイル部1と、該コイル部1の上端部に形成された上方への折曲部2を介して形成された立上げ部3より延設されたスティック4とを有していることによって、スイング中にスティック4が体側に当たったとしても、コイル部1によるグリップGとの一体性が高く、尚且つ折曲部2が曲がりスティック4が倒れて、コイル部1に伝わる衝撃の殆どが吸収され、グリップGから脱落しない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塑性変形可能な線材からなる、ゴルフクラブのグリップに巻き付けるコイル部と、該コイル部の上端部に形成された上方への折曲部を介して形成された立上げ部より延設されたスティックとを有していることを特徴とするゴルフ練習器具。
【請求項2】
コイル部の立上げ部とスティックの下端部の一方を他方に取外し可能に嵌挿したことを特徴とする請求項1記載のゴルフ練習器具。
【請求項3】
コイル部とスティックを1本の線材で構成して、立上げ部とスティックとを一体化したことを特徴とする請求項1記載のゴルフ練習器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にアプローチショットやパッティングのストローク練習、素振りの際に、ゴルフクラブのグリップエンド付近に装着して、インパクト以降の前腕(右利きの左腕)の手首が、スタンス時より甲側に折れない様にスイングすることを意識付けするために使用するゴルフ練習器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、かかるゴルフ練習器具にあっては、スティック下端に固定された、グリップに装着するためのキャップに、グリップエンドを嵌め込む内形穴を形成し、キャップのすり鉢状の外形に外形ネジ及び割溝を形成し、外形ネジに螺嵌したロックナットを締め付け割溝を締めることで、グリップにキャップを固定する様にしたものであったり(例えば、特許文献1参照)、グリップエンドにスティックの付いたキャップを外嵌し、ベルトをキャップに巻き付けて固定する様にしたもの(例えば、特許文献2参照)が見受けられる。
【0003】
これらは、グリップエンドに嵌め込むキャップをスティックの下端に固定したもので、スイング中にスティックが体側に当たらない様にスイングすることにより、正しいゴルフクラブの動きを身に付けさせようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3136701号公報
【特許文献2】特開2018-149252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来技術にあっては、スティックと該スティックとは別体のキャップとで構成され、且つ長いスティックの下端がキャップに固定されている構造であるため、体側に当たらない様にゆっくりスイングする練習には向いているが、実際のスピードでスイングする際にスティックが体側に当たると、その衝撃でグリップから脱落してしまう可能性を否定出来ないなど、解決せねばならない課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記従来技術に基づく、スイング中にスティックが体側に当たった衝撃でグリップから脱落し兼ねない課題に鑑み、塑性変形可能な線材からなる、ゴルフクラブのグリップに巻き付けるコイル部と、該コイル部の上端部に形成された上方への折曲部を介して形成された立上げ部より延設されたスティックとを有していることによって、スイング中にスティックが体側に当たったとしても、コイル部によるグリップとの一体性が高く、尚且つ折曲部が曲がりスティックが倒れて、コイル部に伝わる衝撃の殆どを吸収する様にして、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
要するに本発明は、塑性変形可能な線材からなる、ゴルフクラブのグリップに巻き付けるコイル部と、該コイル部の上端部に形成された上方への折曲部を介して形成された立上げ部より延設されたスティックとを有しているので、グリップを締め付ける様にコイル部を変形させることが出来るため、グリップとの強固な一体化を実現することが出来、且つスティックをゴルフクラブのシャフト方向に平行な状態にしたり、コイル部の折曲部で飛球方向又はその逆方向に立上げ部を倒す様に曲げスティックを倒してセット可能なため、使用者の練習方法に応じてスティックの姿勢を変更することが出来る。
【0008】
コイル部の立上げ部とスティックの下端部の一方を他方に取外し可能に嵌挿したので、コイル部とスティックが別体であっても一体性を確保することが出来、且つ様々な長さ、形態のスティックに変更することが出来るため、多様なショットの練習に対応させることが出来る。
【0009】
コイル部とスティックを1本の線材で構成して、立上げ部とスティックとを一体化したので、スティックも曲げ変形させることが出来るため、更に多様なショットの練習に対応させることが出来る等その実用的効果甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るゴルフ練習器具の実施例1のグリップへの装着状態を示す正面図である。
図2(a)】図1のゴルフ練習器具の使用状態を示す正面図である。
図2(b)】スティックを倒した図1のゴルフ練習器具の使用状態を示す正面図である。
図3】本発明に係るゴルフ練習器具の実施例2のグリップへの装着状態を示す正面図である。
図4(a)】スティックを飛球方向に倒した図3のゴルフ練習器具の使用状態を示す正面図である。
図4(b)】スティックを飛球方向とは逆方向に倒した図3のゴルフ練習器具の使用状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係るゴルフ練習器具は、実際に使用しているゴルフクラブのグリップGのグリップエンド付近に装着可能にするものであり、基本的には、塑性変形可能な線材からなる、ゴルフクラブのグリップGに巻き付けるコイル部1と、該コイル部1の上端部に形成された上方への折曲部2を介して形成された立上げ部3と、該立上げ部3より延設されたスティック4とを有している。
【実施例0012】
図1は、本発明に係るゴルフ練習器具の実施例1のグリップへの装着状態を示す正面図であり、塑性変形可能な線材を、樹脂被覆されたアルミワイヤーとし、該アルミワイヤーでコイル部1、折曲部2及び立上げ部3を形成し、アルミパイプで形成されたスティック4の下端部から立上げ部3の上端を嵌挿して、コイル部1とスティック4を一体化している。
【0013】
コイル部1の下端部に保護キャップ5を、スティック4の上端部に保護キャップ6を被冠している。
【0014】
そして、図2(a)に示す様に、スティック4をシャフト方向に平行な状態としたり、必要に応じて図2(b)に示す様に、コイル部1の折曲部2を曲げスティック4を飛球方向に倒した状態として、スティック4を体側に当てない様にスイングする、即ちインパクト以降の前腕の手首をスタンス時より甲側に折らず且つ返さずに、而も手打ちとならない様に身体を回転させてインパクトすることで、主にハンドファーストを習得する手助けをする。
【0015】
これは、主にアプローチショット時に、インパクト以降に生じていた前腕の手首の甲側への折れを無くし且つリストターンさせずに身体を回転させて、ハンドファーストの状態でインパクト及びフォロースルーすることを習得するために使用するものであり、最初から図2(a)に示す状態で使用せず、図2(b)に示す様に曲げて使用し、スイング中にスティック4が体側に当たれば、曲げ角の変化で視覚的に確認可能となる。
そして、曲げ角を徐々に少なくしていって、グリップの位置を飛球方向側へ徐々にずらしながら段階的に練習を行い、最終的に図2(a)に示す状態でスイング出来るように徐々に矯正する。
【実施例0016】
図3は、本発明に係るゴルフ練習器具の実施例2のグリップへの装着状態を示す正面図であり、塑性変形可能な線材を、樹脂被覆されたアルミワイヤーとし、該アルミワイヤー1本でコイル部1、折曲部2、立上げ部3及びスティック4を形成しており、実施例1と同様に、コイル部1の下端部及びスティック4の上端部に保護キャップ5、6を被冠している。
【0017】
そして、図4(a)に示す様に、コイル部1の折曲部2を曲げスティック4を飛球方向に倒した状態として、該スティック4を前腕に当てない様に、或いはスティック4を前腕に当てた様を維持する様にスイングしたり、図4(b)に示す様に、コイル部1の折曲部2を曲げスティック4を飛球方向とは反対側に倒した状態として、該スティック4を後腕に当てない様に、或いはスティック4を後腕に当てた様を維持する様にスイングすることで、ゴルフクラブと両腕の状態を維持したままのスイングを習得する手助けをする。
この場合、スティック4を腕に沿う様に配し、図示した様にスティック4の先端を腕側に曲げて使用するのが好ましい。
【0018】
これは、主にパッティングの練習に使用するのが効果的で、基本的にはインパクト以降に生じる前腕の手首の甲側への折れを確認するために図4(b)の状態として、スティック4の先端を後腕から若干離した状態にセットし、スイング中に前腕の手首が甲側へ折れると、スティック4の先端が後腕に当たってしまうため、当たらない様にすることで、前腕の手首が甲側に折れないスイングを習得する手助けをする。
更に、パッティングの際に前後腕のどちらを意識してスイングするかは各個人異なり、前腕を意識する場合、図4(a)の状態として、スティック4の先端を前腕に当てた状態にセットし、後腕を意識する場合、図4(b)の状態として、スティック4の先端を後腕に当てた状態にセットし、夫々の状態を維持したままスイングすることで、甲側へ折れず且つ前腕の脇を空けないスイングを習得する手助けをする。
【0019】
コイル部1をグリップGから外す場合、該コイル部1の両端を持ってコイル部1の巻き方向とは逆方向に回しコイル部1を緩めた後グリップGのグリップエンドから引き抜き、コイル部1をグリップGに装着する場合、緩んだコイル部1をグリップGのグリップエンドからグリップGに差し込んだ後、コイル部1の両端を持ってコイル部1の巻き方向に回すことで、コイル部1が締まる。
その後、締めたコイル部1をグリップエンド側へ移動させると、グリップGはグリップエンド側が太いテーパー形状の場合には、弾性素材で形成されたグリップGに少し食い込んだ状態となって、より強固に固定され、テーパー形状でなかったり、硬めの弾性素材で形成されたグリップGの場合、該グリップGの最上端部に強めに巻き付けて固定して、スイング時の遠心力で脱落しないようにする。
【0020】
本発明に係るゴルフ練習器具の実施例1、2は、どちらもグリップGのグリップエンド付近に装着するが、特にアプローチショットの場合、ゴルフクラブを短く持って使用するため、グリップエンド付近に装着しても邪魔にならない。
【0021】
グリップエンド付近に装着することから、クラブバランスに影響しヘッドが軽く感じてしまうことも有り得るが、軽量であることとアプローチ・パットの練習であるため、影響を最小限に抑えられる。
【0022】
尚、本発明に係るゴルフ練習器具は、上述の如く、インパクト以降に生じる前腕の手首の甲側への折れを矯正すると共に、手打ちではなく身体を回転させてスイングすることを習得する練習法に使用するものとしているが、かかる方法に限定せず、使用者の創意工夫により、様々な練習法に使用することを可能としている。
【符号の説明】
【0023】
1 コイル部
2 折曲部
3 立上げ部
4 スティック
G グリップ
図1
図2(a)】
図2(b)】
図3
図4(a)】
図4(b)】