IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産コパル株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-ステッピングモータ 図1
  • 特開-ステッピングモータ 図2
  • 特開-ステッピングモータ 図3
  • 特開-ステッピングモータ 図4
  • 特開-ステッピングモータ 図5
  • 特開-ステッピングモータ 図6
  • 特開-ステッピングモータ 図7
  • 特開-ステッピングモータ 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155701
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】ステッピングモータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 37/04 20060101AFI20221006BHJP
   H02K 11/33 20160101ALI20221006BHJP
   H02K 5/22 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
H02K37/04 Y
H02K11/33
H02K5/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059060
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 陽介
【テーマコード(参考)】
5H605
5H611
【Fターム(参考)】
5H605AA07
5H605BB05
5H605CC06
5H605EC05
5H605EC08
5H611BB01
5H611TT01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】端子台を廃してステッピングモータの小型化を図る。
【解決手段】ロータ20と、コイル32およびヨークを備えるステータ30と、コイル32に接続される接続回路基板と、を備え、接続回路基板は、コイル32の軸方向第二側の端面32bに接続されたコイル接続部71、コイル接続部71から筒状部に形成された切欠き部44を通して筒状部41の径方向外側に導出される導出部72、および筒状部41の外部で外部配線が接続される配線接続部73を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線周りに回転可能に設けられたシャフト、及び前記シャフトの径方向外側に設けられたマグネットを有するロータと、
前記ロータを径方向外側から囲むように配置されたコイル、およびヨークを備えるステータと、
前記コイルに接続される接続回路基板と、を備え、
前記ヨークは、
前記マグネットの径方向外側に間隔をあけて配置された複数の第一ティース、前記複数の第一ティースの径方向外側に設けられて軸方向に延びる筒状部、軸方向第一側で前記筒状部と複数の第一ティースとを接続する第一ティース接続部を有した第一ヨーク部材と、
前記複数の第一ティースに対して前記軸線周りの周方向に交互に配置された複数の第二ティース、および軸方向第二側で前記複数の第二ティースが接続された第二ティース接続部を有した第二ヨーク部材と、を備え、
前記コイルは、前記複数の第一ティース、および前記複数の第二ティースの径方向外側、かつ前記筒状部の径方向内側に設けられ、
前記接続回路基板は、前記コイルの軸方向第二側の端部に接続されたコイル接続部、前記コイル接続部から前記筒状部に形成された切欠き部を通して前記筒状部の径方向外側に導出される導出部、および前記筒状部の外部で外部配線が接続される配線接続部を有する、
ステッピングモータ。
【請求項2】
前記接続回路基板は、可撓性を有したフレキシブルプリント回路基板からなる、
請求項1に記載のステッピングモータ。
【請求項3】
前記コイルは、空芯コイルからなり、
前記コイルと前記ヨークの少なくとも一部との間に、絶縁性材料からなる絶縁体が設けられる、
請求項1または2に記載のステッピングモータ。
【請求項4】
前記ステータは、軸方向に複数組が設けられ、
前記導出部は、軸方向に延び、複数組の前記ステータの前記コイルに接続された複数の前記コイル接続部同士を接続する、
請求項1~3の何れか一項に記載のステッピングモータ。
【請求項5】
軸方向で隣り合う二組の前記ステータにおいて、
軸方向一方側の前記第二ヨーク部材と、軸方向他方側の前記第二ヨーク部材とは、前記第二ティース接続部同士が接合され、
前記接続回路基板の前記導出部は、軸方向一方側の前記第二ヨーク部材と軸方向他方側の前記第二ヨーク部材との軸方向におけるヨーク長さよりも、軸方向の長さが大きい
請求項4に記載のステッピングモータ。
【請求項6】
前記接続回路基板の前記導出部は、前記筒状部の径方向外側で、折り畳まれた状態で軸方向に延びる、
請求項4または5に記載のステッピングモータ。
【請求項7】
前記接続回路基板の前記コイル接続部は、前記コイルの軸方向第二側の端面と、前記第二ティース接続部との間に挟み込まれる、
請求項1~6の何れか一項に記載のステッピングモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステッピングモータに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器には小型化とともに多機能化が求められており、電子機器の内部に組み込まれている部品を駆動して様々な機能を実現することが望まれている。このような部品の駆動源として、ステッピングモータが多用されている。
例えば、特許文献1には、複数の極歯を有する内ヨークと複数の極歯を有する外ヨークとコイルを巻回してなるボビンとを備えた2組のステータと、ステータの内側に回転自在に配置したロータと、を備える構成のステッピングモータが開示されている。特許文献1に開示された構成では、ステータの巻線を回路基板に接続するための端子台が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-5486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような端子台を備える構成では、端子台がステッピングモータのハウジングから径方向外側に突出する。また、端子台に設けられる複数の端子は、回路基板における回路の短絡を防ぐためにある程度の間隔を有して配置する必要がある。このため、端子台自体を小型化するには制限がある。このようにして、端子台が、ステッピングモータの小型化の妨げになるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、端子台を廃してステッピングモータの小型化を図ることができるステッピングモータを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のステッピングモータの一つの態様は、軸線周りに回転可能に設けられたシャフト、及び前記シャフトの径方向外側に設けられたマグネットを有するロータと、前記ロータを径方向外側から囲むように配置されたコイル、およびヨークを備えるステータと、前記コイルに接続される接続回路基板と、を備え、前記ヨークは、前記マグネットの径方向外側に間隔をあけて配置された複数の第一ティース、前記複数の第一ティースの径方向外側に設けられて軸方向に延びる筒状部、軸方向第一側で前記筒状部と複数の第一ティースとを接続する第一ティース接続部を有した第一ヨーク部材と、前記複数の第一ティースに対して前記軸線周りの周方向に交互に配置された複数の第二ティース、および軸方向第二側で前記複数の第二ティースが接続された第二ティース接続部を有した第二ヨーク部材と、を備え、前記コイルは、前記複数の第一ティース、および前記複数の第二ティースの径方向外側、かつ前記筒状部の径方向内側に設けられ、前記接続回路基板は、前記コイルの軸方向第二側の端部に接続されたコイル接続部、前記コイル接続部から前記筒状部に形成された切欠き部を通して前記筒状部の径方向外側に導出される導出部、および前記筒状部の外部で外部配線が接続される配線接続部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、端子台を廃してステッピングモータの小型化を図ることができるステッピングモータが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態のステッピングモータの斜視図である。
図2図2は、一実施形態のステッピングモータの部品構成を示す斜視展開図である。
図3図3は、一実施形態のステッピングモータの斜視断面図である。
図4図4は、一実施形態のステッピングモータの第一ヨーク部材の斜視図である。
図5図5は、一実施形態のステッピングモータの第二ヨーク部材の斜視図である。
図6図6は、一実施形態のステッピングモータの第二ヨーク部材、および配線接続部材の導出部を延ばした状態の斜視図である。
図7図7は、一実施形態のステッピングモータのコイルに第二ヨーク部材を挿入した状態の斜視図である。
図8図8は、一実施形態のステッピングモータの軸方向一方側のコイルに第一ヨーク部材を装着した状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施形態のステッピングモータ10の斜視図である。図2は、本実施形態のステッピングモータ10の部品構成を示す斜視展開図である。図3は、本実施形態のステッピングモータ10の斜視断面図である。
図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。以下の説明において特に断りのない限り、中心軸Jに平行な方向(Z軸方向)を単に「軸方向」と呼び、-Z側を単に軸方向一方側と呼び、+Z側を、単に軸方向他方側と呼ぶ。また、中心軸J周りの周方向を単に「周方向」とよび、中心軸Jに対する径方向を単に「径方向」と呼ぶ。
【0010】
図1図3に示すように、ステッピングモータ10は、ロータ20と、ステータ30と、接続回路基板70と、を備える。本実施形態におけるステッピングモータ10は、例えば遊星歯車機構(図示無し)と組み合わされて、スマートフォン等の電子機器に組み込まれるギアドモータを構成する。
【0011】
ロータ20は、シャフト21と、マグネット22と、を備える。シャフト21は、軸方向に延びる。シャフト21の軸方向両端部は、後述する端板45に設けられた一対の軸受23によって、軸線周りの周方向に回転可能に設けられている。マグネット22は、シャフト21の径方向外側に設けられる。マグネット22は、軸方向に延びる円柱状で、N極およびS極が周方向に交互に着磁される。
【0012】
ステータ30は、ロータ20に回転力を付与する磁気回路を構成する。ステータ30は、一対のステータ部30A、30Bを備える。軸方向一方側のステータ部30Aと、軸方向他方側のステータ部30Bとは、ステータ30の軸方向中央部30cを挟んで軸方向で対称である。このため、以下の説明では、軸方向一方側のステータ部30A、軸方向他方側のステータ部30Bのそれぞれにおいて、ステータ30の軸方向中央部30cから離間した側を軸方向第一側とし、軸方向中央部30c側を軸方向第二側として説明を行う。
【0013】
ステータ部30A、30Bは、それぞれ、ロータ20を径方向外側から囲むように配置されたヨーク31、およびコイル32を備える。ヨーク31は、第一ヨーク部材40と、第二ヨーク部材50とを備える。
【0014】
図4は、本実施形態のステッピングモータ10の第一ヨーク部材40の斜視図である。
図3図4に示すように、第一ヨーク部材40は、筒状部41と、第一ティース接続部42と、複数の第一ティース43と、を一体に備える。
【0015】
筒状部41は、軸方向に延びる円筒状である。筒状部41は、複数の第一ティース43の径方向外側に間隔をあけて設けられる。筒状部41の軸方向第二側(中央部30c側)の端部には、周方向の一部に切欠き部44が設けられる。切欠き部44は、筒状部41の軸方向第二側の先端縁41eから軸方向第一側に窪む。軸方向一方側のステータ部30Aの筒状部41の先端縁41eと、軸方向他方側のステータ部30Bの筒状部41の先端縁41eとは、互いに突き合わされて、レーザ溶接等によって接合される。
【0016】
第一ティース接続部42は、筒状部41の軸方向第一側の端部41aから径方向内側に延びる。第一ティース接続部42は、軸方向に直交する面に沿って設けられる。第一ティース接続部42は、軸方向第一側で筒状部41と複数の第一ティース43とを接続する。第一ティース接続部42は、周方向に連続する円環状である。
【0017】
複数の第一ティース43は、マグネット22の径方向外側に間隔をあけて配置される。複数の第一ティース43は、周方向に間隔をあけて設けられる。本実施形態において、複数の第一ティース43は、例えば周方向に5個設けられる。複数の第一ティース43は、第一ティース接続部42の内周縁から軸方向第二側にそれぞれ延びる。複数の第一ティース43は、第一ティース接続部42側の基端部43aから軸方向第二側の先端部43bに向かって、周方向における歯幅寸法Wt1が漸次縮小する。各第一ティース43の先端部43bは、筒状部41の先端縁41eよりも所定寸法軸方向第一側に配置される。
【0018】
図1図3に示すように、第一ヨーク部材40には、端板45が設けられる。端板45は、円板状で、軸方向に直交する面に沿って設けられる。端板45は、第一ティース接続部42に、溶接、接着等によって接合される。端板45には、シャフト21を軸線周りに回転自在に支持する軸受23が設けられる。シャフト21は、軸方向一方側のステータ部30Aの端板45に設けられた軸受23と、軸方向他方側のステータ部30Bの端板45に設けられた軸受23とにより、軸線周りに回転自在に支持される。
【0019】
図5は、本実施形態のステッピングモータ10の第二ヨーク部材50の斜視図である。
図2図3図5に示すように、第二ヨーク部材50は、第二ティース接続部51と、複数の第二ティース52と、を一体に備える。
【0020】
第二ティース接続部51は、軸方向に直交する面に沿って設けられる。第二ティース接続部51は、周方向に連続する円環状である。第二ティース接続部51は、第一ティース接続部42の先端園41eの径方向内側に位置する。
【0021】
第二ティース接続部51の外周部51sは、筒状部41の先端縁41eの内周面に、例えば溶接等により接合される。
【0022】
複数の第二ティース52は、マグネット22の径方向外側に間隔をあけて配置される。複数の第二ティース52は、径方向における位置が複数の第一ティース43と同じである。複数の第二ティース52は、周方向に間隔をあけて設けられる。本実施形態において、複数の第二ティース52は、例えば周方向に5個設けられる。複数の第二ティース52は、第二ティース接続部51の内周縁から軸方向第一側にそれぞれ延びる。複数の第二ティース52のそれぞれは、第二ティース接続部51側の基端部52aから軸方向第一側の先端部52bに向かって、周方向における歯幅寸法Wt2が漸次縮小する。
【0023】
各第二ティース52の先端部52bは、第一ティース接続部42よりも所定寸法軸方向第二側に配置される。複数の第二ティース52は、複数の第一ティース43に対し、周方向に位相をずらして設けられる。複数の第二ティース52のそれぞれは、互いに隣り合う第一ティース43同士の間に挿入されている。これにより、複数の第二ティース52は、複数の第一ティース43に対して軸線周りの周方向に交互に設けられる。つまり、複数の第一ティース43と、複数の第二ティース52とは、周方向に交互に配置される。複数の第一ティース43と、複数の第二ティース52とは、軸方向、および周方向に所定寸法の隙間をあけて配置される。
【0024】
軸方向一方側のステータ部30Aの第二ヨーク部材50と、軸方向他方側のステータ部30Bの第二ヨーク部材50とは、第二ティース接続部51同士を互いに突き合わせている。ステータ部30Aの第二ヨーク部材50と、ステータ部30Bの第二ヨーク部材50とは、複数の第二ティース52を、それぞれ軸方向両側に向けて突出させる。ステータ部30Aの第二ティース接続部51と、ステータ部30Bの第二ティース接続部51とは、溶接、接着等によって一体に接合される。
【0025】
図3に示すように、コイル32は、複数の第一ティース43、および複数の第二ティース52の径方向外側、かつ筒状部41の径方向内側に設けられる。コイル32は、径方向において、複数の第一ティース43および複数の第二ティース52と、筒状部41との間に設けられる。コイル32は、軸方向において、第一ヨーク部材40の第一ティース接続部42と、第二ヨーク部材50の第二ティース接続部51との間に設けられる。本実施形態において、コイル32は、コイル線が巻き付けられることで、軸方向に延びる円筒状に成形されたものである。すなわち、コイル32は、空芯コイルである。
【0026】
コイル32とヨーク31の少なくとも一部との間には、絶縁性材料からなる絶縁体35が設けられる。絶縁体35は、端部絶縁部35aと、筒状絶縁部35bと、を一体に有する。端部絶縁部35aは、第一ティース接続部42と、コイル32の軸方向第一側の端面32aとの間に挟み込まれる。端部絶縁部35aは、周方向に連続する円環状である。筒状絶縁部35bは、コイル32の内周面32cと、複数の第一ティース43、および複数の第二ティース52との間に挟み込まれる。筒状絶縁部35bは、端部絶縁部35aの内周縁から軸方向第二側に筒状に延びる。
【0027】
図3に示すように、接続回路基板70は、コイル32と、外部に設けられるステッピングモータ10のコントローラ(図示無し)に接続される外部配線とを電気的に接続する。接続回路基板70は、可撓性を有したフレキシブルプリント回路基板からなる。接続回路基板70は、コイル接続部71と、導出部72と、配線接続部73と、を有する。
【0028】
コイル接続部71は、円環状で、コイル32の軸方向第二側の端面32bに接着されている。コイル接続部71は、コイル32の軸方向第二側の端面32bと、第二ティース接続部51との間に挟み込まれる。
【0029】
導出部72は、コイル接続部71から径方向外側に帯状に延びる。導出部72は、第一ヨーク部材40の筒状部41の切欠き部44の内側に形成された開口44sを通して、筒状部41よりも径方向外側に延び出る。
【0030】
本実施形態において、軸方向一方側のステータ部30Aから径方向外側に延び出る導出部72と、軸方向他方側のステータ部30Bから径方向外側に延び出る導出部72と、一体に接続されている。つまり、帯状に延びる導出部72の両端部に、ステータ部30Aのコイル32に接続されるコイル接続部71と、ステータ部30Bのコイル32に接続されるコイル接続部71とが設けられる。導出部72は、複数組のステータ30のコイル32に接続された複数のコイル接続部71同士を接続する。
【0031】
図6は、実施形態のステッピングモータ10の第二ヨーク部材50、および配線接続部材70の導出部72を延ばした状態の斜視図である。
図6に示すように導出部72は、軸方向一方側のステータ部30Aの第二ヨーク部材50と、軸方向他方側のステータ部30Bの第二ヨーク部材50との軸方向におけるヨーク長さL1よりも、軸方向の長さL2が大きい。図1図3に示すように、帯状に延びる導出部72は、その中間部72cにおいて折り畳まれる。導出部72は、筒状部41の径方向外側で、折り畳まれた状態で軸方向に延びる。
【0032】
配線接続部73は、導出部72の中間部から、導出部72が延びる方向に対して交差する方向に突出する。配線接続部73は、接続端子部73sを有する。接続端子部73sには、ステッピングモータ10のコントローラ(図示無し)に接続するための外部配線(図示無し)がコネクタ等を介して接続される。
【0033】
このような接続回路基板70に対し、コイル32のコイル線から引き出された引出線の端部は、コイル接続部71、または導出部72の電気回路に設けられたランド部に、レーザ溶接、ハンダ付け等によって電気的に接続される。
【0034】
上記したようなステッピングモータ10を組み立てるには、予め、図5に示すように、ステータ部30A、30Bの第二ヨーク部材50の第二ティース接続部51同士を、溶接、接着等によって一体に接合しておく。
また、図6に示すように、接続回路基板70の一対のコイル接続部71を、一対のコイル32の軸方向側の端面32bのそれぞれに、溶接、接着剤等によって接合しておく。
【0035】
この後、接続回路基板70の導出部72を折り畳まずに延ばした状態とし、一対のコイル32を、ステータ部30A、30Bの第二ヨーク部材50の複数の第二ティース52に対し、軸方向両外側に配置する。
図7は、一実施形態のステッピングモータ10のコイル32に第二ヨーク部材50を挿入した状態の斜視図である。
続いて、図7に示すように、各コイル32を軸方向第二側に移動させ、各コイル32の径方向内側に、複数の第二ティース52を挿入させる。このとき、導出部72を、中間部72cで折り返し、筒状部41の径方向外側で軸方向に延びるように沿わせる。
【0036】
図8は、一実施形態のステッピングモータ10の軸方向一方側のコイル32に第一ヨーク部材40を装着した状態の斜視図である。
次いで、図8に示すように、絶縁体35の筒状絶縁部35bを、各コイル32と、複数の第二ティース52との隙間に挿入する。絶縁体35の端部絶縁部35aを、各コイル32の軸方向第一側の端面32aに突き当てる。
また、軸方向一方側で、第一ヨーク部材40、端板45を装着し、ロータ20を挿入する。
この後、軸方向他方側で、第一ヨーク部材40、端板45を装着した後、軸方向一方側、および他方側の第一ヨーク部材40の筒状部41の先端縁41e同士を、例えばレーザ溶接により接合する。これにより、ステッピングモータ10の組立が完了する。
なお、ステッピングモータ10を組み立てる手順は、適宜変更可能である。例えば、端板45は、予め第一ヨーク部材40に接合しておいてもよい。
【0037】
本実施形態によれば、接続回路基板70は、コイル32の軸方向第二側の端面32bに接続されたコイル接続部71、コイル接続部71から筒状部41に形成された切欠き部44を通して径方向外側に導出される導出部72、および筒状部41の外部で外部配線が接続される配線接続部73を有する。このように、コイル32に接続回路基板70を直接接合する構成とすることで、端子台を備えることなく、ステッピングモータ10のコイル32を、外部のコントローラに接続することが可能となる。このため、ステッピングモータ10を、特に軸方向で小型化することが可能となる。したがって、端子台を廃してステッピングモータ10の小型化を図ることが可能となる。
【0038】
本実施形態によれば、接続回路基板70は、可撓性を有したフレキシブルプリント回路基板からなる。これにより、ステッピングモータ10から径方向外側において、接続回路基板70を折り曲げることによって、接続回路基板70が径方向外側に突出する寸法を抑えることができる。また、接続回路基板70の取り回しも容易となり、外部配線との接続等を容易に行うことも可能となる。
【0039】
本実施形態によれば、コイル32は、空芯コイルからなり、コイル32と、ヨーク31の少なくとも一部との間に絶縁体35が設けられる。これにより、ヨーク31とコイル32との短絡を抑え、ステッピングモータ10を、ボビンレスの構成とすることができる。
【0040】
本実施形態によれば、導出部72は、軸方向に延び、複数組のステータ30のコイル32に接続された複数のコイル接続部71同士を接続する。これにより、複数組のステータ30で接続回路基板70を共用することができ、部品点数を減少させることができる。
【0041】
本実施形態によれば、軸方向で隣り合う二組のステータ部30A、30Bにおいて、第二ヨーク部材50の第二ティース接続部51同士が接合される。さらに、導出部72は、軸方向一方側の第二ヨーク部材50と軸方向他方側の第二ヨーク部材50との軸方向におけるヨーク長さL1よりも、軸方向の長さL2が大きい。これにより、導出部72を軸方向に延ばした状態とすることで、一対の第二ヨーク部材50の軸方向両側から、コイル接続部71に接続されたコイル32を容易に取り付けることができ、組立性が向上する。
【0042】
本実施形態によれば、導出部72は、筒状部41の径方向外側で、折り畳まれた状態で軸方向に延びる。これにより、ステッピングモータ10の組立時には、導出部72を延ばして組立性を向上させつつ、組立後には、導出部72を折り畳むことで、導出部72がステッピングモータ10の径方向外側に突出するのを抑えることができる。
【0043】
本実施形態によれば、接続回路基板70のコイル接続部71は、コイル32の軸方向第二側の端面32bと、第二ティース接続部51との間に挟み込まれる。これにより、コイル接続部71の保持強度を高めることができる。
【0044】
以上に、本発明の一実施形態を説明したが、実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【0045】
例えば、上述した実施形態のステッピングモータの用途は、特に限定されない。
【0046】
また、上述の実施形態において、コイル32として空芯コイルを用いたが、コイルはボビンにコイル線を巻き回す構成としてもよい。
【0047】
また、上述の実施形態において、接続回路基板70としてフレキシブルプリント回路基板を用いるようにしたが、接続回路基板70として、硬質のプリント回路基板を用いることを排除するものではない。
【0048】
また、上述の実施形態において、軸方向に二つのステータ30を備えるようにしたが、軸方向に三以上のステータ30を備えるようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、軸方向で隣り合うステータ部30A、30Bのコイル接続部71同士を導出部72で一体に接続するようにしたが、これに限らない。複数のステータで、それぞれ個別に接続回路基板を備えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0049】
10…ステッピングモータ、20…ロータ、21…シャフト、22…マグネット、30…ステータ、31…ヨーク、32…コイル、32b…端面、35…絶縁体、40…第一ヨーク部材、41…筒状部、42…第一ティース接続部、43…第一ティース、44…切欠き部、50…第二ヨーク部材、51…第二ティース接続部、52…第二ティース、70…接続回路基板、71…コイル接続部、72…導出部、73…配線接続部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8