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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155711
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】成膜装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/34 20060101AFI20221006BHJP
   C23C 14/56 20060101ALI20221006BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
C23C14/34 J
C23C14/56 G
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059070
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002428
【氏名又は名称】芝浦メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】西垣 寿
(72)【発明者】
【氏名】吉村 浩司
【テーマコード(参考)】
4K029
5F131
【Fターム(参考)】
4K029CA05
4K029DA08
4K029DA10
4K029DC16
4K029DC20
4K029DC32
4K029FA05
4K029FA06
4K029JA03
4K029KA01
4K029KA09
5F131AA02
5F131BA01
5F131CA12
5F131DA22
5F131DA42
5F131DB51
5F131DB76
5F131HA02
5F131HA21
(57)【要約】
【課題】前処理の影響を抑制して安定した成膜ができる成膜装置を提供する。
【解決手段】実施形態の成膜装置1は、内部を真空とすることが可能なチャンバ2と、チャンバ2内に設けられ、ワークWを円周の軌跡で循環搬送する搬送体3と、チャンバ2内に設けられ、搬送体3により循環搬送されるワークWに対して、スパッタリングにより成膜処理を行う成膜部8と、大気空間から、チャンバ2内の真空を維持した状態で、ワークWを搬入搬出するロードロック室6と、チャンバ2のロードロック室6に隣接した位置に設けられ、ロードロック室6から搬入されたワークWに対して、搬送体3から離隔した状態で、前処理を行う前処理部7と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を真空とすることが可能なチャンバと、
前記チャンバ内に設けられ、ワークを円周の軌跡で循環搬送する搬送体と、
前記チャンバ内に設けられ、前記搬送体により循環搬送される前記ワークに対して、スパッタリングにより成膜処理を行う成膜部と、
大気空間から、前記チャンバ内の真空を維持した状態で、前記ワークを搬入搬出するロードロック室と、
前記チャンバの前記ロードロック室に隣接した位置に設けられ、前記ロードロック室から搬入された前記ワークに対して、前記搬送体から離隔した状態で、前処理を行う前処理部と、
を有することを特徴とする成膜装置。
【請求項2】
前記前処理部は、前記チャンバの天面側に設けられ、
前記成膜部による成膜時には前記搬送体から退避し、前記前処理部による前処理時には、前記搬送体による循環搬送の方向に交差する方向に付勢することにより、前記前処理部に前記ワークを位置決めする付勢部を有することを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
【請求項3】
前記付勢部は、
前記ワークを保持するプッシャと、
前記プッシャを支持するシャフトと、
前記シャフトを昇降移動させる駆動機構と、
を有し、
前記プッシャは、前記ロードロック室から前記ワークを受け取る位置に設けられていることを特徴とする請求項2記載の成膜装置。
【請求項4】
前記チャンバと前記前処理部との間に、前記ワークを搭載する搬送プレートにより非接触で覆われる開口が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の成膜装置。
【請求項5】
前記開口は、前記搬送プレートに覆われることにより、前記前処理部と前記チャンバとの間に屈曲した通路が形成されることを特徴とする請求項4記載の成膜装置。
【請求項6】
前記前処理部は、
プロセスガスが導入される処理空間と、
前記プロセスガスが導入された前記処理空間内に、プラズマを発生させることにより、前記ワークの表面にプラズマ処理を行うプラズマ発生器と、
を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の成膜装置。
【請求項7】
前記前処理部は、
処理空間と、
前記処理空間内に設けられ、前記処理空間に導入されたワークを加熱することにより、脱ガス処理を行う加熱部と、
を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の成膜装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話に代表される無線通信機器の製造工程において、電子部品である半導体装置を樹脂で封止し、この上面および側面に電磁波に対するシールド機能を有する電磁波シールド膜を成膜することがある。また、半導体やディスプレイあるいは光ディスクなど各種の製品の製造工程において、例えばウエーハ、ガラス、樹脂基板上に光学膜等の膜を成膜することがある。
【0003】
このような電子部品やウエーハ、ガラス、樹脂基板などのワークの表面に成膜を行う方法として、スパッタリング法が注目されている。スパッタリング法による成膜装置としては、プラズマを用いて成膜を行うプラズマ処理装置が提案されている。プラズマ処理装置は、ターゲットを配置した真空容器に不活性ガスを導入し、電圧を印加する。プラズマ化した不活性ガスのイオンを、成膜材料のターゲットに衝突させ、ターゲットから叩き出された材料をワークに堆積させて成膜を行う。
【0004】
スパッタリングによる成膜を行うための装置として、真空チャンバ内の回転テーブルによって、ワークを円周の軌跡で循環搬送させながら、成膜室を通過させることにより、成膜室を通過させることで成膜を行う装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-003152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようなワークと成膜される膜との密着性を高めるために、成膜前にワークの表面にプラズマによるボンバード処理を行っている。上述した循環搬送式の装置においては、スパッタリングによる成膜及びボンバード処理を効率良く行うために、真空チャンバ内に成膜室とプラズマ処理室を設け、真空チャンバ内の回転テーブルによって、ワークを円周の軌跡で循環搬送させながらプラズマ処理室を通過させることによりボンバード処理を行った後、プラズマ処理室でのプラズマ生成を停止する。次いで成膜室でプラズマを生成させ、ワークを循環搬送させながら成膜室を通過させることで成膜を行う。
【0007】
このような循環搬送式のプラズマ処理は、アルゴンガスからプラズマを生成することにより行われていたが、プラズマ処理室と成膜室とは、回転テーブル上に搭載されて循環搬送されるワークが通過する隙間を有する壁で仕切られているに過ぎないため、プラズマ処理室に導入されたアルゴンガスが成膜室に混入し、成膜室の圧力変動を引き起こすおそれがあった。
【0008】
例えば、プラズマ処理室の開口と回転テーブルの間は、ワークが通過する5mm程度の隙間を空けることが必要であった。これは、プラズマ処理室が設けられているチャンバの蓋の変形による高さレベルの変動や、回転テーブルの平坦度の変動が起こっても、ワークが通過できるように考慮した数値である。このため、必ずしも隙間からのガス漏れを防ぐために最適な隙間とは言えない。
【0009】
スパッタリングによる成膜を行う際は、成膜装置のチャンバを高真空に減圧する。これにより、チャンバ内に存在する不純物を減少させ、かつ平均自由行程が大きくなるように気体分子を減少させることができる。その結果、ターゲットから叩き出された成膜材料がワークに届き、安定して緻密な膜質となる。従って、プラズマ処理室の内部のガスが、成膜室等の他の空間に漏れて、成膜室の真空度が悪くなると安定した膜質が得られないおそれがある。さらに、成膜室にアルゴンガス、プラズマ処理室にアルゴンと酸素の混合ガスを使用する場合には、一方のガスが他方に侵入するコンタミネーションを引き起こし、両者の反応が阻害されるおそれがある。
【0010】
また、成膜の前処理として、ワークを加熱することにより予めワークに含まれる水分や大気を排除する脱ガス処理を行う場合があった。しかし、上記のような回転による循環搬送型の成膜装置において、加熱室を設け、脱ガス処理を行う場合にも、離脱したガス成分がチャンバ内に拡散して成膜室に混入し、成膜時に不純物としてワークに付着すると、安定した膜質が得られないおそれがある。
【0011】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、前処理の影響を抑制して安定した成膜ができる成膜装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、実施形態の成膜装置は、内部を真空とすることが可能なチャンバと、前記チャンバ内に設けられ、ワークを円周の軌跡で循環搬送する搬送体と、前記チャンバ内に設けられ、前記搬送体により循環搬送される前記ワークに対して、スパッタリングにより成膜処理を行う成膜部と、大気空間から、前記チャンバ内の真空を維持した状態で、前記ワークを搬入搬出するロードロック室と、前記チャンバに設けられ、前記ロードロック室に隣接した位置に設けられ、前記ロードロック室から搬入された前記ワークに対して、前記搬送体から離隔した状態で、前処理を行う前処理部と、を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、前処理の影響を抑制して安定した成膜ができる成膜装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態を示す簡略化された平面図である。
図2図1のA-A線断面図(A)、前処理部のA-A線断面図(B)である。
図3】実施形態の移送アームを示す平面図である。
図4】ロードロック室への搬送プレートの位置決め状態(A)、ロードロック室の封止状態(B)を示すA-A線断面図である。
図5】ロードロック室を真空引きした状態(A)、チャンバ内への搬送プレートの搬入状態(B)を示すA-A線断面図である。
図6】移送アームを搬送プレート下部に位置決めした状態(A)、移送アームによって搬送プレートを支持した状態(B)を示すA-A線断面図である。
図7】搬送プレートを前処理部に位置決めした状態(A)、搬送プレートが開口を覆った状態(B)を示すA-A線断面図である。
図8】前処理部においてワークに前処理を行う状態(A)、ロードロック室の封止状態(B)を示すA-A線断面図である。
図9】ロードロック室を真空破壊した状態(A)、ロードロック室を開放した状態(B)を示すA-A断面図である。
図10】次の搬送プレートをロードロック室に位置決めした状態(A)、ロードロック室を真空引きした状態(B)を示すA-A線断面図である。
図11】前処理を終了した搬送プレートを搬送体に載置した状態を示すA-A線断面図である。
図12】前処理部の開口の変形例を示すA―A線断面図である。
図13】前処理部の他の態様を示すA―A線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態(以下、本実施形態と呼ぶ)について、図面を参照して具体的に説明する。
[概要]
図1の平面図及び図2(A)(図1のA-A線断面図)に示すように、本実施形態の成膜装置1は、個々のワークWに、プラズマを利用して成膜を行う装置である。成膜装置1は、排気により内部を真空とすることが可能なチャンバ2を有する。このチャンバ2の内部には、搬送体3が配置されている。搬送体3は、ワークWを円周の軌跡で循環搬送する。搬送されるワークWは、搬送プレートSに載置されている。
【0016】
成膜装置1は、駆動部4、搬入搬出部5、ロードロック室6、前処理部7、成膜部8を有する。駆動部4は、ロードロック室6の開閉、ロードロック室6と搬送体3との間の搬送プレートSの移送、前処理部7に対する搬送プレートSの位置決めを行う。搬入搬出部5は、チャンバ2に搬送プレートSを搬入、搬出する。ロードロック室6は、チャンバ2内の真空を維持した状態で、搬送プレートSに載置されたワークWの搬入搬出を可能とする。前処理部7は、ワークWに対するプラズマ処理を行う。成膜部8は、搬送体3により循環搬送されるワークWに対して、スパッタリングにより成膜処理を行う。
【0017】
[ワーク]
図1に示すように、本実施形態では、成膜対象であるワークWの例として、半導体チップなどの電子部品の電極面が埋め込まれた保護テープを、枠状のフレームに貼り付けたものを用いる。但し、ワークWの種類、形状及び材料は特定のものに限定されない。
【0018】
[搬送プレート]
搬送プレートSは、ワークWを搭載して、搬送体3により搬送される部材である。本実施形態の搬送プレートSは、上方が開口した薄い有底円筒形状であり、上端の外周の径が広がったフランジS1を有している。搬送プレートSの内底面には、ワークWを内底面と間隔を空けて支持するピンS2が設けられている。搬送プレートSの内底面とワークWの間隔を空けて保持することにより、成膜部8を通過するときに晒されるプラズマの熱によって搬送体3に蓄熱される熱が搬送プレートSの内底面を介してワークWに伝わり難くなる。これにより、ワークWが成膜中に温度上昇をすることを抑えて成膜することができ、膜質の変動を防ぐことができる。なお、搬送プレートSの形状は、ワークWを支持できればよいので、円筒形状に限定されず、他の形状、例えば、四角形、多角形、搬送プレートSと相似形状等であってもよい。
【0019】
[チャンバ]
チャンバ2は、図1及び図2に示すように、円柱形状の容器である。チャンバ2の一側面は、ロードロック室6のために拡張されており、その天面には、チャンバ2内への搬送プレートSの搬入搬出を可能とする開口21が設けられている。チャンバ2の設置面側と反対側の天面には、開口22、23が設けられている。開口22は、前処理部7との間に設けられる孔であり、開口23は、成膜部8が設けられるための孔である。
【0020】
また、チャンバ2における成膜部8の底部には、チャンバ2内の排気のための通気路24が設けられている。通気路24には、配管25が接続され、図示しない減圧ポンプ、弁等を含む空気圧回路によって、チャンバ2内の真空引きを可能としている。
【0021】
[搬送体]
搬送体3は、図1及び図2に示すように、円形の板状体である回転テーブルである。搬送体3は、チャンバ2外に設けられた駆動源であるモータ31によって、シャフト34を中心に回転する。
【0022】
搬送体3には、支持孔35が設けられている。支持孔35は、搬送体3の周方向に等間隔で複数か所に設けられた円形の孔である。支持孔35に搬送プレートSが入り、搬送体3の上面によって搬送プレートSのフランジS1が支持される。なお、支持孔35の形状は、搬送プレートSを支持できればよいので、円形には限定されず、他の形状、例えば、四角形、多角形、搬送プレートSと相似形状等であってもよい。また、搬送体3は、搬送プレートSの搬入、搬出時には、開口22に対向する位置に、支持孔35を順次位置決めする。
【0023】
[駆動部]
駆動部4は、図2に示すように、封止部41、付勢部42、移送部43を有する。封止部41は、ロードロック室6に対応して設けられ、搬送プレートSを搬入、搬出するとともに、開口21の開閉を行う機構である。付勢部42は、成膜部8による成膜時には搬送体3から退避し、前処理部7による前処理時には、搬送体3による循環搬送の方向に交差する方向に付勢することにより、前処理部7にワークWを位置決めする機構である。この付勢部42は、搬送プレートSを搬送体3から独立して、開口22に接離する方向に移動させる。移送部43は、ロードロック室6から搬送体3へと搬送プレートSを移送する機構である。
【0024】
封止部41は、封止体411、シャフト412、駆動機構413有する。封止体411は、円板形状の部材であり、上縁にOリング等の封止部材が設けられている。また、封止体411の上面の中央には、搬送プレートSが載置される載置台411aが設けられている。シャフト412は、封止体411を支持するとともに、封止体411を軸方向に往復動させる。シャフト412が開口21に向かって移動することにより、封止体411は封止部材を開口21の周囲のチャンバ2の天井に押し付けて封止する。シャフト412は、チャンバ2の底面を気密に貫通し、チャンバ2外のエアシリンダ等の駆動機構413によって、駆動される。
【0025】
付勢部42は、プッシャ421、シャフト422、駆動機構423を有する。プッシャ421は、円板形状の部材であり、搬送プレートSの底面に接離する。プッシャ421は、ロードロック室6からワークWを受け取る位置に設けられ、搬送プレートSを介してワークWを保持する。シャフト422は、プッシャ421を支持するとともに、プッシャ421を軸方向、つまり搬送体3の面に直交する方向に往復動させる。シャフト422が、搬送体3の表面と、移送アーム431のフック431bとの間の位置にプッシャ421を移動することにより、プッシャ421と移送アーム431との間で搬送プレートSの受渡し又は受取りが行われる。シャフト422が開口22に向かって移動することにより、プッシャ421は、搬送プレートSを前処理部7に接近させる。これにより、ワークWが前処理部7によって処理可能な位置に収容される。シャフト422は、チャンバ2の底面を気密に貫通し、チャンバ2外のエアシリンダ等の駆動機構423によって、駆動される。シャフト422は、駆動機構423によって昇降移動する。なお、図2及びこれ以降の図面では、駆動機構413、423は簡略化して示しているが、それぞれのシャフト412、422の移動ストロークが確保される構成となっている。
【0026】
移送部43は、移送アーム431、シャフト432、駆動機構433を有する。移送アーム431は、図3に示すように、長方形状のプレート431aの両端に、封止部41の載置台411aを回避しつつ、搬送プレートSの底面を支持するフック431bが設けられている。シャフト432は、移送アーム431を回動させることにより、フック431bに支持された搬送プレートSを、封止部41の載置台411aと、搬送体3の支持孔35との間で移送する。シャフト432は、チャンバ2の底面を気密に貫通し、チャンバ2外のモータ等の駆動機構433によって、駆動される。
【0027】
[搬入搬出部]
搬入搬出部5は、図1及び図2に示すように、開口21を介して、チャンバ2の内部の真空を維持した状態で、外部から未処理のワークWをチャンバ2の内部に搬入し、処理済みのワークWをチャンバ2の外部へ搬出する。
【0028】
搬入搬出部5は、前工程から後工程へと、搬送プレートSを搬送するコンベア等の搬送機構TRから、未処理のワークWを搭載した搬送プレートSをピックアップして、チャンバ2内に搬入する。また、搬入搬出部5は、チャンバ2内で処理済のワークWを搭載した搬送プレートSを受け取って、搬送機構TRに渡す。
【0029】
搬入搬出部5は、アーム51、保持体52を有する。アーム51は、搬送機構TRとチャンバ2との間に、搬送体3の平面と平行な方向に長い直方体形状の部材である。アーム51は、駆動源であるモータによって、搬送体3の回転軸と平行な軸を中心に180°ずつ間欠的に回動可能に設けられている。
【0030】
保持体52は、アーム51の両端に設けられ、搬送プレートSを保持する円板状の部材である。保持体52は、メカチャック等の保持機構52aを有し、保持機構52aによってワークWを保持する。保持機構52aは、真空チャック、静電チャックであってもよい。保持体52は、駆動源であるシリンダによって、アーム51の回動の軸と平行な方向に往復動可能に構成されている。保持体52は、開口21を開閉する蓋体としても機能する。つまり、保持体52は開口22よりも大きな径を有し、Оリング等の封止部材が設けられ、保持体52を封止部材を介して押し付けることにより、開口21を封止することができる。
【0031】
[ロードロック室]
ロードロック室6は、開口21を封止する保持体52及び封止体411によって囲まれた空間によって構成される。チャンバ2には、ロードロック室6の排気及び大気開放のための通気路2bが設けられている。通気路2bは、ロードロック室6の真空引きを行う排気ポート及び真空破壊を行うベントポートとして機能する。通気路2bには、図示しない配管を介して減圧ポンプ、弁等を含む空気圧回路に接続され、ロードロック室6内の真空引き及び真空破壊の切り換えを可能としている。
【0032】
[前処理部]
前処理部7は、プロセスガスGが導入された処理空間P内で、プラズマを発生させることによりワークWに対してプラズマ処理を行う。本実施形態のプラズマ処理は、成膜の密着性を高めるボンバード処理である。前処理部7は、図2(B)に示すように、容器71と、容器71内にプラズマを発生させるプラズマ発生器を有する。プラズマ発生器は、筒状電極72、RF電源74、マッチングボックス75及び導入部76により構成される。
【0033】
容器71は、処理空間Pの周囲を覆い、底部が開口した部材である。容器71は底部がチャンバ2内の搬送体3側に離隔して向かうように、チャンバ2の開口21に対応する天井に嵌め込まれている。つまり、前処理部7は、チャンバ2の天面側に設けられている。なお、チャンバ2には、開口21の上部に、処理空間P内の排気のための通気路77が設けられている。通気路77は配管77aを介して、図示しない減圧ポンプ、弁等を含む空気圧回路に接続され、処理空間P内の排気を可能としている。
【0034】
筒状電極72は、角筒状であり、一端に開口部72aを有し、他端は閉塞されている。筒状電極72は、開口部72aが、チャンバ2に向かう方向に設けられている。筒状電極72の、開口部72aと反対端には、外方へ張り出すフランジ72bが設けられている。フランジ72bの外縁は、容器71の内縁に気密に固定されている。開口部72aと対向するチャンバ2の開口22は、環状に突出した突出部22aの内側に設けられている。開口22の内側は、プラズマ処理を行う処理空間Pの一部を構成している。
【0035】
ワークWをプラズマ処理するために、付勢部42によって搬送プレートSがチャンバ2の開口22に接近した場合であっても、搬送プレートSが開口22を非接触で覆うように設定されている。つまり、搬送プレートSのフランジS1は、開口22を覆うことにより、処理空間Pからのガス漏れを抑制できる位置まで接近するが、突出部22aとは非接触となる位置に位置決めされる。フランジS1と突出部22aとの距離dは、例えば、1~5mmであると好ましい。また、開口22を覆う搬送プレートSと開口22との間には、屈曲した通路が形成される。つまり、突出部22aとフランジS1との隙間は、屈曲した経路となっている。
【0036】
筒状電極72には、高周波電圧を印加するRF電源74が接続されている。RF電源74の出力側には整合回路であるマッチングボックス75が接続されている。マッチングボックス75は、入力側及び出力側のインピーダンスを整合させることで、プラズマの放電を安定化させる。
【0037】
導入部76は、処理空間PにプロセスガスGを導入する。導入部76は、図示しないボンベ等のプロセスガスGの供給源に接続された配管76aを有する。配管76aは、プロセスガスGの供給源に接続されて、容器71を気密に封止しつつ、筒状電極72を貫通して端部が処理空間Pに達している。プロセスガスGとしては、希ガスが採用でき、アルゴンガス等が好適である。
【0038】
このような前処理部7では、RF電源74から筒状電極72に高周波電圧が印加される。これにより、処理空間PのプロセスガスGがプラズマ化され、発生するラジカルやイオン等により処理空間Pに対向するワークWの表面が処理される。
【0039】
[成膜部]
成膜部8は、ターゲット81、バッキングプレート82等で構成されるスパッタ源と、図示しない電源部及び導入部で構成されるプラズマ発生器を備える。プラズマ発生器は、プラズマを生成し、成膜材料から構成されるターゲット81を該プラズマに曝す。これにより、成膜部8は、プラズマに含まれるイオンを成膜材料に衝突させて、叩き出された粒子をワークW上に堆積させる成膜を行う。本実施形態の成膜部8は、ターゲット81に対向する位置を通過するワークWに対して、スパッタリングによる成膜を行う。
【0040】
ターゲット81は、ワークW上に堆積されて膜となる成膜材料で構成された板状部材である。ターゲット81は、搬送体3に載置された搬送プレートSの搬送経路に、離隔して設けられている。ターゲット81の表面は、搬送体3に載置されたワークWに対向するように、チャンバ2の開口23に対応する天井に保持されている。バッキングプレート82はターゲット81を保持する支持部材である。その他、スパッタ源には、必要に応じてマグネット、冷却機構などが適宜具備されている。
【0041】
電源部は、チャンバ2の外部からターゲット81に高電圧を印加するDC電源又はRF電源である。導入部は、チャンバ2にスパッタガスを導入する。導入部は、ボンベ等のスパッタガスの供給源と、配管と、ガス導入口を有し、搬送体3とターゲット81との間に形成された空間に成膜用のスパッタガスを導入する。スパッタガスとしては希ガスが採用でき、アルゴンガス等が好適である。
【0042】
このような成膜部8では、導入部からスパッタガスを導入し、電源部がターゲット81に高電圧を印加する。すると、搬送体3とターゲット81との間の空間のスパッタガスがプラズマ化し、イオン等の活性種が発生する。プラズマ中のイオンは、ターゲット81と衝突して成膜材料の粒子を叩き出す。
【0043】
この空間を、搬送体3によって循環搬送されるワークWが通過する。叩き出された成膜材料の粒子は、ワークWが空間を通過するときにワークW上に堆積して、粒子による膜がワークW上に形成される。ワークWは、搬送体3によって循環搬送され、この空間を繰り返し通過することで成膜処理が行われていく。
【0044】
以上のような成膜部8は、図1に示すように、円周方向に5つ設けられている。各成膜部8の間、前処理部7と成膜部8との間には、区切部28が設けられている。区切部28は、成膜部8により成膜が行われる空間を仕切る。つまり、成膜部8により処理が行われる空間は、区切部28によって仕切られることにより、成膜材料やガスの拡散が抑制される。区切部28の下端と、搬送体3との間には、回転する搬送体3上のワークW及び搬送プレートSが通過可能な間隔が形成されている。つまり、区切部28の下縁とワークW及び搬送プレートSとの間に、僅かな隙間が生じるように、区切部28の高さが設定されている。なお、各成膜部8のターゲット81の材質、つまり成膜材料は、異なっていても、共通であってもよい。
【0045】
なお、区切部28で囲われた成膜部8の処理空間は、ターゲット81の孔が開けられたボックス型シールド部材83によってさらに囲まれている。ボックス型シールド部材83は、搬送体3の周方向に加え、径方向にも成膜材料及びスパッタガスG1がチャンバ10内に拡散することを抑制する。ボックス型シールド部材83は、回転テーブル30の平面と平行に配置された環状扇形(annular sector)の板状体を天井とした環状扇型の箱である。ボックス型シールド部材83は、搬送体3に向けて、環状扇形の天井の外周孤から延びる外周壁と、環状扇形の天井の内周孤から延びる内周壁と、環状扇形の天井の半径に沿った辺から延びる側面壁とによって画成され、天井とは反対の搬送体3に向く面が開口している。ボックス型シールド部材83の下端と搬送体3との間には、搬送体3上に載せたワークWが通過可能な間隔が形成されている。
【0046】
[制御装置]
制御装置80は、成膜装置1の各部を制御する装置である。この制御装置80は、例えば、専用の電子回路若しくは所定のプログラムで動作するコンピュータ等によって構成できる。制御装置80の制御内容は、プログラムされており、PLC(Programmable Logic Controller)や、CPU(Central Processing Unit)などの処理装置により実行される。
【0047】
例えば、制御装置80は、上記のようなプログラムにより、チャンバ2内の排気、搬入搬出部5による搬送プレートSの搬入搬出、ロードロック室6の排気と大気開放、前処理部7による前処理、搬送体3の回転、駆動部4による搬送プレートSの移動、成膜部8による成膜等を制御する。
【0048】
[動作]
以上のような本実施形態による成膜装置1によって、ワークWに成膜する処理を、上記の図面を参照して説明する。なお、本実施形態は、搬入搬出部5によって搬送プレートSに載置されたワークWを、チャンバ2内に搬入する毎に、前処理部7によってワークWに前処理を行う。すなわち、前処理済のワークWを搭載した搬送プレートSを、搬送体3の支持孔35に載せ、搬送プレートSが保持されていない空の支持孔35が開口22の下方に来るように搬送体3を回転させる。そして、次のワークWを搭載した搬送プレートSをチャンバ2内に搬入して前処理を行う。これを繰り返すことで、前処理済のワークWを搭載した搬送プレートSを、搬送体3の支持孔35に載せて行く。全ての支持孔35に搬送プレートSが搭載されたら、搬送体3を回転させながら、成膜部8による成膜処理を行う。
【0049】
(搬入動作)
まず、搬入搬出部5によって、成膜処理すべきワークWを、チャンバ2内に搬入する動作を説明する。図2に示すように、封止部41の封止体411は、開口21を封止しており、チャンバ2内は、空気圧回路の排気処理により真空とされている。一方、搬入搬出部5の保持体52は、搬送機構TRに向かって下降して、保持機構52aが未処理のワークWを搭載した搬送プレートSを保持する。保持体52が上昇することにより、搬送プレートSが搬送機構TRからピックアップされる。
【0050】
そして、図4(A)に示すように、アーム51が回動することにより、未処理のワークWを搭載した搬送プレートSが、開口21に対向する位置に位置付けられる。図4(B)に示すように、保持体52が下降して、開口21を封止するとともに、搬送プレートSが封止体411の載置台411aに載置される。これにより、封止体411及び保持体52によって、ロードロック室6が封止される。
【0051】
そして、図5(A)に示すように、空気圧回路によって通気路2bから排気することにより、ロードロック室6が真空とされる。なお、搬入搬出部5の他方の保持体52は、搬送機構TRに向かって下降して、保持機構52aが未処理のワークWを搭載した搬送プレートSを保持する。次に、図5(B)に示すように、封止体411が、搬送プレートSと共に開口21から離れる方向に移動する。このとき、保持体52によって開口21が封止されているので、チャンバ2内は真空が維持される。なお、他方の保持体52は、未処理のワークWを搭載した搬送プレートSを保持して上昇することにより、搬送プレートSが搬送機構TRからピックアップされる。
【0052】
そして、図6(A)に示すように、移送部43の移送アーム431が回動することにより、搬送プレートSの下部に、移送アーム431のフック431bを挿入する。この状態で、図6(B)に示すように、封止部41の封止体411が下降すると、載置台411aが搬送プレートSの下部から離れるので、搬送プレートSがフック431bによって支持される。
【0053】
次に、図7(A)に示すように、移送部43の移送アーム431が回動することによって、搬送体3の支持孔35の上部に、搬送プレートSが来る。この状態で、図7(B)に示すように、付勢部42のプッシャ421が上昇すると、搬送プレートSが開口21を覆う位置まで上昇して停止する。
【0054】
図8(A)に示すように、導入部76から処理空間P内にプロセスガスGが導入され、筒状電極72に電圧が印加されて生成されるプラズマによって、発生するラジカルやイオン等により、搬送プレートSに載置されたワークWに対してプラズマ処理が行われる。このようなプラズマ処理を行っている間、図8(B)に示すように、封止体411が上昇して、開口21を封止する。これにより、ロードロック室6が真空状態で封止される。
【0055】
そして、図9(A)に示すように、通気路2bを介して、ベントガスを供給することでロードロック室6内の真空破壊をする。さらに、図9(B)に示すように、保持体52が、開口21から離れる方向に移動することにより、ロードロック室6を大気開放する。
【0056】
図10(A)に示すように、アーム51が回動することにより、未処理のワークWを搭載した搬送プレートSを保持した保持体52が、開口21に対向する位置に来る。そして、図10(B)に示すように、保持体52が下降することにより、開口21を封止するとともに、搬送プレートSが封止体411の載置台411aに載置される。これにより、封止体411及び保持体52によって、ロードロック室6が封止される。なお、前処理部7におけるプロセスガスGの導入、筒状電極72への電圧の印加を停止して、プラズマ処理を終了する。
【0057】
図11に示すように、付勢部42のプッシャ421が下降することにより、プラズマ処理を終えた搬送プレートSを下降させて、搬送体3の支持孔35に搭載する。そして、搬送体3を回動させて、搬送プレートSが搭載されていない空の支持孔35を、前処理部7の下方に位置決めする。その後、図5図11の動作を繰り返すことにより、全ての支持孔35に、搬送プレートSを搭載する。
【0058】
そして、搬送体3を回転させながら、搬送体3に搭載された搬送プレートSを円周の軌跡で循環移動させて、搬送プレートS上のワークWに対して、成膜部8による成膜処理を行う。
【0059】
[効果]
(1)本実施形態の成膜装置1は、内部を真空とすることが可能なチャンバ2と、チャンバ2内に設けられ、ワークWを円周の軌跡で循環搬送する搬送体3と、チャンバ2内に設けられ、搬送体3により循環搬送されるワークWに対して、スパッタリングにより成膜処理を行う成膜部8と、大気空間から、チャンバ2内の真空を維持した状態で、ワークWを搬入搬出するロードロック室6と、チャンバ2のロードロック室6に隣接した位置に設けられ、ロードロック室6から搬入されたワークWに対して、搬送体3から離隔した状態で、前処理を行う前処理部7と、を有する。
【0060】
このような本実施形態では、ロードロック室6に隣接し、成膜時に使用する搬送体3から離隔した位置で前処理を行うことにより、前処理部7からのガス等により、成膜処理に対して影響を与えることを抑えることができるので、安定した成膜ができる。
【0061】
また、チャンバ2におけるロードロック室6からの搬入位置は、これまで搬入にしか使用されていなかったが、ここに前処理部7を配置することにより、前処理部7に用いていたスペースを、例えば、成膜部8として使用して有効活用することができる。これにより、成膜部8の数を増やすことができ、より多種類の材料の成膜を1つのチャンバ2内で行うことができる。
【0062】
(2)前処理部7は、チャンバ2の天面側に設けられ、成膜部8による成膜時には搬送体3から退避し、前処理部7による前処理時には、搬送体3による循環搬送の方向に交差する方向に付勢することにより、前処理部7にワークWを位置決めする付勢部42を有する。
【0063】
これにより、ワークWを個別に搬入する際に、ワークWを前処理部7に位置決めすることにより、前処理部7にて枚葉処理することができ、搬入が完了した段階で、成膜部8による複数枚の一括処理が可能となる。このため、個別搬入となる箇所を活用して、前処理を済ませておくことができるので、全体として成膜処理の効率を高めることができる。
【0064】
(3)付勢部42は、ワークWを保持するプッシャ421と、プッシャ421を支持するシャフト422と、シャフト422を昇降移動させる駆動機構423を有し、プッシャ421はロードロック室からワークWを受け取る位置に設けられている。
【0065】
これにより、駆動機構423によりシャフト422を介してプッシャ421を移動させてロードロック室6からワークWを受け取り、連続して前処理部7にワークWを移動させることが可能である。そのため、ロードロック室6からのワークWの受取り後、前処理部7に移動させるために、水平位置を変更せずに上昇動作だけで前処理部7に移動させることができ、搬送時間が短縮できる。
【0066】
(4)チャンバ2と前処理部7との間に、ワークWを搭載する搬送プレートSにより非接触で覆われる開口21が設けられている。このため、搬送プレートSによって、前処理部7からチャンバ2内へのガスの流入が抑制され、成膜への影響が低減できる。また、開口21を非接触で覆うため、接触により封止する場合のように摺動により発生するダストが拡散することがなく、成膜に影響を与えることが抑制される。
【0067】
(5)開口21は、搬送プレートSに覆われることにより、前処理部7とチャンバ2との間に屈曲した通路が形成される。このため、チャンバ2内へのガスが流入し難くなり、成膜への影響をより一層抑制できる。
【0068】
(6)前処理部7は、プロセスガスGが導入される処理空間Pと、プロセスガスGが導入された処理空間内に、プラズマを発生させることにより、ワークWの表面にプラズマ処理を行うプラズマ発生器と、を有する。これにより、チャンバ2内へのプロセスガスGの流入を抑制して、成膜への影響を低減できる。
【0069】
[変形例]
本実施形態は、以下のような変形例も考えられる。
(1)例えば、図12に示すように、突出部22aをさらにワークWの表面に向けて突出させることにより、開口22との隙間を狭めるとともに、屈曲部分を増やしたラビリンス構造とすることにより、ガス漏れし難い構成としてもよい。
【0070】
(2)前処理部7は、加熱によりワークWのガスを脱離させる処理を行ってもよい。つまり、図13に示すように、処理空間P内に、処理空間Pに導入されたワークWを加熱することにより、脱ガス処理を行う加熱部78を設け、加熱により脱離したガスを、通気路26から排気する構成としてもよい。加熱部78としては、例えば、電源79に接続されたランプヒータを用いる。このように、前処理を加熱に置き換えた場合にも、脱離したガスが、チャンバ2内へ流入することを抑制できる。
【0071】
なお、プラズマ処理と、加熱処理の双方を行う前処理部7としてもよい。プラズマ処理室と加熱処理室を隣接して設け、加熱処理からプラズマ処理の順に処理を行う。このように、脱ガスさせた後のワークWによって、プラズマ処理、成膜処理を良好にすることができる。
【0072】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態及び各部の変形例を説明したが、この実施形態や各部の変形例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1 成膜装置
2 チャンバ
2b 通気路
3 搬送体
4 駆動部
5 搬入搬出部
6 ロードロック室
7 前処理部
8 成膜部
8a ターゲット
21 開口
22 開口
22a 突出部
23 開口
24 通気路
25 配管
26 通気路
27 配管
28 区切部
34 シャフト
31 モータ
35 支持孔
36 搬送プレート
41 封止部
42 付勢部
43 移送部
46a 配管
51 アーム
52 保持体
52a 保持機構
70 制御装置
71 容器
72 筒状電極
72a 開口部
72b フランジ
74 RF電源
75 マッチングボックス
76 導入部
76a 配管
77 通気路
77a 配管
78 加熱部
79 電源
81 ターゲット
82 バッキングプレート
83 ボックス型シールド部材
411 封止体
411a 載置台
412 シャフト
413 駆動機構
421 プッシャ
422 シャフト
423 駆動機構
431 移送アーム
431a プレート
431b フック
432 シャフト
433 駆動機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13