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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155747
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】直動案内装置
(51)【国際特許分類】
   F16C 29/06 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
F16C29/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059131
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水村 美典
(72)【発明者】
【氏名】川上 康一
【テーマコード(参考)】
3J104
【Fターム(参考)】
3J104AA03
3J104AA23
3J104AA36
3J104AA65
3J104AA69
3J104AA74
3J104AA76
3J104BA24
3J104DA18
3J104EA01
3J104EA02
3J104EA04
(57)【要約】
【課題】貫通孔に戻り案内部材を配置するときの作業性の低下が抑制され、大型化が抑制される直動案内装置を提供する。
【解決手段】直動案内装置は、案内レールと、案内レールに第1軸方向に案内されるスライダと、案内レールとスライダとの間に規定される転動通路、スライダの内部に設けられる戻し通路、及び転動通路と戻し通路とを結ぶ方向転換通路を含む循環通路において転動可能な転動体と、を備える。戻し通路は、スライダの内部において第1軸方向に延在する貫通孔と、貫通孔に配置される戻り案内部材と、を有する。戻り案内部材は、貫通孔の中心軸に直交する所定面において、貫通孔の内周面の一部に対向する円弧状の外面と、少なくとも一部が転動体に接触する内面と、中心軸の周方向において外面の一端部と内面とを結ぶ第1端面と、外面の他端部と内面とを結び第1端面から離れる第2端面とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内レールと、
前記案内レールに第1軸方向に案内されるスライダと、
前記案内レールと前記スライダとの間に規定される転動通路、前記スライダの内部に設けられる戻し通路、及び前記転動通路と前記戻し通路とを結ぶ方向転換通路を含む循環通路において転動可能な転動体と、を備え、
前記戻し通路は、前記スライダの内部において前記第1軸方向に延在する貫通孔と、前記貫通孔に配置される戻り案内部材と、を有し、
前記戻り案内部材は、前記貫通孔の中心軸に直交する所定面において、前記貫通孔の内周面の一部に対向する円弧状の外面と、少なくとも一部が前記転動体に接触する内面と、前記中心軸の周方向において前記外面の一端部と前記内面とを結ぶ第1端面と、前記外面の他端部と前記内面とを結び前記第1端面から離れる第2端面とを含む、
直動案内装置。
【請求項2】
前記内面は、前記所定面において、円弧領域と、前記中心軸の周方向において前記円弧領域の一端部に接続され前記転動体の接線方向に延在する第1直線領域と、前記円弧領域の他端部に接続され前記転動体の接線方向に延在する第2直線領域とを含む、
請求項1に記載の直動案内装置。
【請求項3】
前記所定面において、前記円弧領域の曲率は、前記転動体の曲率よりも小さい、
請求項2に記載の直動案内装置。
【請求項4】
前記転動体と前記内面との接触点は、前記円弧領域と前記第1直線領域との境界、及び前記円弧領域と前記第2直線領域との境界の少なくとも一方に規定される、
請求項3に記載の直動案内装置。
【請求項5】
前記所定面において、前記第1直線領域と前記第2直線領域とは平行である、
請求項3又は請求項4に記載の直動案内装置。
【請求項6】
前記転動体は、前記第1端面と前記第2端面との間の前記内周面に接触する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の直動案内装置。
【請求項7】
前記外面は、前記中心軸の周方向において前記内周面の少なくとも半分に規定された支持領域に対向する、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の直動案内装置。
【請求項8】
前記戻し通路は、前記第1軸方向に直交する前記所定面の第2軸方向において、前記スライダの中心に対して前記転動通路よりも外側に設けられ、
前記第1端面と前記第2端面との間の開口は、前記第2軸方向において、前記中心軸よりも外側に配置される、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の直動案内装置。
【請求項9】
前記戻り案内部材は、第1戻り案内部材と、前記第1軸方向において前記第1戻り案内部材の端部に接続される第2戻り案内部材とを含む、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の直動案内装置。
【請求項10】
前記スライダは、前記貫通孔が設けられるスライダ本体、前記第1軸方向において前記スライダ本体の端部に接続されるエンドキャップ、及び前記エンドキャップに対向するように前記スライダ本体と前記エンドキャップとの間に配置されるリターンガイドを含み、
前記方向転換通路は、前記エンドキャップと前記リターンガイドとの間に規定され、
前記戻り案内部材は、前記リターンガイド及び前記エンドキャップの少なくとも一方と一体である、
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の直動案内装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、工作機械や製造装置、測定機器等の案内部に設けられて、テーブル等の移動部材を直線的に移動させるための直動案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
直動案内装置は、軸方向に延び、両側面にボール転動溝を形成した案内レールと、案内レールに跨るように配置され、案内レールのボール転動溝に対向する位置にボール転動溝と、ボール転動路に平行して形成されるボール戻り路の両端と、ボール転動路とボール戻り路の両端を連結するボールの方向転換路とを備えたスライダと、案内レールのボール転動溝とスライダのボール転動溝、ボール戻り路、方向転換路とで形成されるボール循環路に配置される多数のボールと、から構成されている。
【0003】
スライダは、ボール転動溝とボール戻り路が形成されたスライダ本体と、方向転換路が形成され、スライダ本体の軸方向両端面に固定されるエンドキャップから構成されている。直動案内装置に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような、転動体の戻し通路を有するスライダ本体を備える直動案内装置が知られている。特許文献1において、戻し通路は、スライダ本体の内部に設けられた貫通孔と、貫通孔に配置される戻り案内部材とを有する。貫通孔の内径が大きくても、貫通孔に戻り案内部材が配置されることにより、戻し通路において小さい直径の転動体を転動させることができる。貫通孔の内径を小さくしなくて済むので、貫通孔を形成するときの加工性の低下が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-175263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
貫通孔に戻り案内部材が配置されることにより、貫通孔の内径を小さくしなくて済むものの、直動案内装置の小型化が要求される場合、貫通孔の内径は小さいことが好ましい。貫通孔の内径を小さくした場合においても、貫通孔に戻り案内部材を円滑に配置できる技術が要望される。
【0006】
本開示は、貫通孔に戻り案内部材を配置するときの作業性の低下が抑制され、大型化が抑制される直動案内装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る直動案内装置は、案内レールと、前記案内レールに第1軸方向に案内されるスライダと、前記案内レールと前記スライダとの間に規定される転動通路、前記スライダの内部に設けられる戻し通路、及び前記転動通路と前記戻し通路とを結ぶ方向転換通路を含む循環通路において転動可能な転動体と、を備え、前記戻し通路は、前記スライダの内部において前記第1軸方向に延在する貫通孔と、前記貫通孔に配置される戻り案内部材と、を有し、前記戻り案内部材は、前記貫通孔の中心軸に直交する所定面において、前記貫通孔の内周面の一部に対向する円弧状の外面と、少なくとも一部が前記転動体に接触する内面と、前記中心軸の周方向において前記外面の一端部と前記内面とを結ぶ第1端面と、前記外面の他端部と前記内面とを結び前記第1端面から離れる第2端面とを含む。
【0008】
これによれば、第1端面及び第1端面から離れる第2端面を有するように戻り案内部材が形成されることにより、戻り案内部材は、戻り部材の外径が小さくなるように弾性変形することができる。そのため、貫通孔の内径が小さくても、戻り案内部材を弾性変形させながら貫通孔に挿入することができる。これにより、貫通孔に戻り案内部材を配置するときの作業性の低下が抑制される。また、貫通孔の内径を小さくすることができるので、例えば複数の戻り通路が所定面において隣接するように設けられる場合においても、直動案内装置の大型化が抑制される。
【0009】
本開示に係る搬送装置の望ましい態様として、前記内面は、前記所定面において、円弧領域と、前記中心軸の周方向において前記円弧領域の一端部に接続され前記転動体の接線方向に延在する第1直線領域と、前記円弧領域の他端部に接続され前記転動体の接線方向に延在する第2直線領域とを含んでもよい。
【0010】
これによれば、貫通孔に戻り案内部材を配置したとき、第1端面と第2端面とが接近するように戻り案内部材が弾性変形しても、転動体に戻り案内部材の内面が過度に密着することが抑制される。したがって、転動体は、戻り案内部材の内側を円滑に転動することができる。また、第1直線領域及び第2直線領域が設けられることにより、戻り案内部材が金型によって形成される場合、金型から戻り案内部材を円滑に抜くことができる。
【0011】
本開示に係る搬送装置の望ましい態様として、前記所定面において、前記円弧領域の曲率は、前記転動体の曲率よりも小さくてもよい。
【0012】
これによれば、転動体に戻り案内部材の内面が過度に密着することが抑制される。したがって、転動体は、戻り案内部材の内側を円滑に転動することができる。
【0013】
本開示に係る搬送装置の望ましい態様として、前記転動体と前記内面との接触点は、前記円弧領域と前記第1直線領域との境界、及び前記円弧領域と前記第2直線領域との境界の少なくとも一方に規定されてもよい。
【0014】
これによれば、転動体は、戻り案内部材の内面の一部に支持されながら、戻り案内部材の内側を円滑に転動することができる。
【0015】
本開示に係る搬送装置の望ましい態様として、前記所定面において、前記第1直線領域と前記第2直線領域とは平行でもよい。
【0016】
これによれば、貫通孔に戻り案内部材を配置したとき、第1端面と第2端面とが接近するように戻り案内部材が弾性変形しても、転動体に戻り案内部材の内面が過度に密着することが抑制される。したがって、転動体は、戻り案内部材の内側を円滑に転動することができる。また、第1直線領域と第2直線領域とが平行が設けられることにより、戻り案内部材が金型によって形成される場合、金型から戻り案内部材を円滑に抜くことができる。
【0017】
本開示に係る搬送装置の望ましい態様として、前記転動体は、前記第1端面と前記第2端面との間の前記内周面に接触してもよい。
【0018】
これによれば、転動体は、戻り案内部材の内面及び貫通孔の内周面のそれぞれに支持されながら、戻り通路を円滑に転動することができる。
【0019】
本開示に係る搬送装置の望ましい態様として、前記外面は、前記中心軸の周方向において前記内周面の少なくとも半分に規定された支持領域に対向してもよい。
【0020】
これによれば、戻り案内部材の外面は、貫通孔の内周面の半分以上の支持領域に支持されるので、貫通孔に戻り案内部材を配置した後、貫通孔の内側において戻り案内部材が動いてしまうことが抑制される。そのため、転動体は、戻り案内部材の内側を円滑に転動することができる。
【0021】
本開示に係る搬送装置の望ましい態様として、前記戻し通路は、前記第1軸方向に直交する前記所定面の第2軸方向において、前記スライダの中心に対して前記転動通路よりも外側に設けられ、前記第1端面と前記第2端面との間の開口は、前記第2軸方向において、前記中心軸よりも外側に配置されてもよい。
【0022】
これによれば、戻り通路と転動通路との間の方向転換通路において転動体が転動するときの旋回半径が小さくなることが抑制される。したがって、転動体は、方向転換通路を円滑に転動することができる。
【0023】
本開示に係る搬送装置の望ましい態様として、前記戻り案内部材は、第1戻り案内部材と、前記第1軸方向において前記第1戻り案内部材の端部に接続される第2戻り案内部材とを含んでもよい。
【0024】
これによれば、第1軸方向における貫通孔の寸法が長くても、貫通孔の一端部から第1戻り案内部材を挿入し、貫通孔の他端部から第2戻り案内部材を挿入することによって、貫通孔に戻り案内部材を円滑に配置することができる。
【0025】
本開示に係る搬送装置の望ましい態様として、前記スライダは、前記貫通孔が設けられるスライダ本体、前記第1軸方向において前記スライダ本体の端部に接続されるエンドキャップ、及び前記エンドキャップに対向するように前記スライダ本体と前記エンドキャップとの間に配置されるリターンガイドを含み、前記方向転換通路は、前記エンドキャップと前記リターンガイドとの間に規定され、前記戻り案内部材は、前記リターンガイド及び前記エンドキャップの少なくとも一方と一体でもよい。
【0026】
これによれば、戻り案内部材とリターンガイド及びエンドキャップの少なくとも一方とが一体なので、直動案内装置の部品点数が削減される。
【発明の効果】
【0027】
本開示によれば、貫通孔に戻り案内部材を配置するときの作業性の低下が抑制され、大型化が抑制される直動案内装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、第1実施形態に係る直動案内装置を示す斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係る直動案内装置の一部を破断した正面図である。
図3図3は、第1実施形態に係る直動案内装置の一部を示す断面図である。
図4図4は、第1実施形態に係る戻り通路を模式的に示す斜視図である。
図5図5は、第1実施形態に係る戻り通路を示す断面図である。
図6図6は、第2実施形態に係る戻り通路を示す断面図である。
図7図7は、第3実施形態に係る戻り通路を示す断面図である。
図8図8は、第4実施形態に係る戻り通路を模式的に示す斜視図である。
図9図9は、第5実施形態に係る戻り通路を模式的に示す平面図である。
図10図10は、第6実施形態に係る戻り通路を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0030】
実施形態においては、XYZ直交座標系を設定し、XYZ直交座標系を参照しながら各部の位置関係について説明する。水平面内のX軸(第1軸)に平行な方向をX軸方向(第1軸方向)とし、X軸に直交する水平面内のY軸(第2軸)に平行な方向をY軸方向(第2軸方向)とし、水平面に直交するZ軸(第3軸)に平行な方向をZ軸方向(第3軸方向)とする。YZ平面は、Y軸及びZ軸を含む所定面であり、X軸に直交する。
【0031】
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る直動案内装置1を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る直動案内装置1の一部を破断した正面図である。図3は、本実施形態に係る直動案内装置1の一部を示す断面図である。
【0032】
図1及び図2に示すように、直動案内装置1は、案内レール2と、案内レール2にX軸方向に案内されるスライダ3と、案内レール2とスライダ3との間に規定される転動通路5、スライダ3の内部に設けられる戻し通路6、及び転動通路5と戻し通路6とを結ぶ方向転換通路7を含む循環通路100において転動可能な転動体4とを備える。
【0033】
案内レール2は、スライダ3をX軸方向に案内する。案内レール2は、X軸方向に延在する。案内レール2は、X軸方向に延在する転動溝8を有する。転動溝8の内側に転動体4の少なくとも一部が配置される。転動溝8の内面は、転動体4を支持する転動面9を含む。転動体4は、転動面9に接触しながら転動する。
【0034】
転動溝8は、案内レール2の+Y側の側面及び-Y側の側面のそれぞれに3つずつ設けられる。案内レール2の+Y側の側面において、転動溝8は、Z軸方向に3つ配置される。案内レール2の-Y側の側面において、転動溝8は、Z軸方向に3つ配置される。
【0035】
スライダ3は、案内レール2に案内されながら、案内レール2に対してX軸方向に相対移動する。スライダ3の少なくとも一部は、転動体4を介して案内レール2に対向する。
【0036】
スライダ3は、X軸方向に延在するスライダ本体31と、X軸方向においてスライダ本体31の端部に接続されるエンドキャップ33と、エンドキャップ33に対向するようにスライダ本体31とエンドキャップ33との間に配置されるリターンガイド32とを含む。スライダ本体31は、金属製である。リターンガイド32及びエンドキャップ33のそれぞれは、合成樹脂製である。なお、リターンガイド32及びエンドキャップ33の一方又は両方が、金属製でもよい。例えば、リターンガイド32及びエンドキャップ33の一方又は両方が、鉄製でもよいし、鉄鋼製でもよいし、ステンレス製及びアルミニウム製でもよい。
【0037】
スライダ本体31は、案内レール2に跨るように配置される。スライダ本体31は、案内レール2の+Y側及び-Y側のそれぞれに配置される脚部31Fと、案内レール2よりも+Z側に配置され、一対の脚部31Fを連結する胴部31Bとを含む。
【0038】
スライダ本体31は、X軸方向に延在する転動溝10を有する。スライダ本体31の転動溝10は、案内レール2の転動溝8に対向する。転動溝10は、案内レール2に対向する脚部31Fの内面に形成される。転動溝10の内側に転動体4の少なくとも一部が配置される。転動溝10の内面は、転動体4を支持する転動面11を含む。転動体4は、転動面11に接触しながら転動する。
【0039】
転動溝10は、案内レール2よりも+Y側に配置されている脚部31Fの内面及び案内レール2よりも-Y側に配置されている脚部31Fの内面のそれぞれに3つずつ設けられる。案内レール2よりも+Y側に配置されている脚部31Fの内面において、転動溝10は、Z軸方向に3つ配置される。案内レール2よりも-Y側に配置されている脚部31Fの内面において、転動溝10は、Z軸方向に3つ配置される。
【0040】
転動体4は、金属製のボールである。転動体4は、複数設けられる。転動体4は、転動通路5、戻し通路6、及び方向転換通路7を含む循環通路100を転動しながら通過することができる。
【0041】
転動通路5は、転動面9と転動面11との間に規定される。転動通路5は、案内レール2とスライダ3との間においてX軸方向に延在する。転動体4は、転動通路5を転動しながらX軸方向に移動することができる。転動体4は、負荷を受けた状態で、転動通路5を転動する。転動通路5は、案内レール2と案内レール2よりも+Y側に配置されている脚部31Fとの間に3つ設けられる。転動通路5は、案内レール2と案内レール2よりも-Y側に配置されている脚部31Fとの間に3つ設けられる。転動体4は、転動面9及び転動面11のそれぞれに接触しながら、転動通路5を転動する。
【0042】
戻し通路6は、スライダ本体31の内部に設けられる。戻し通路6は、スライダ本体31の内部においてX軸方向に延在する。転動体4は、戻し通路6を転動しながらX軸方向に移動することができる。転動体4は、負荷を受けない状態で、戻し通路6を転動する。戻し通路6は、Y軸方向において、スライダ3の中心に対して転動通路5よりも外側に設けられる。本実施形態において、戻し通路6は、脚部31Fの内部に設けられる。1つの転動通路5に対して1つの戻し通路6が設けられる。本実施形態において、転動通路5は、6つ設けられる。戻し通路6も6つ設けられる。転動通路5と戻し通路6とは実質的に平行である。
【0043】
転動通路5を移動する転動体4の進行方向と戻し通路6を移動する転動体4の進行方向とは逆方向である。転動通路5に存在する転動体4が転動通路5を+X方向に進行するとき、戻し通路6に存在する転動体4は戻し通路6を-X方向に進行する。転動通路5に存在する転動体4が転動通路5を-X方向に進行するとき、戻し通路6に存在する転動体4は戻し通路6を+X方向に進行する。
【0044】
方向転換通路7は、転動通路5及び戻し通路6の一方から他方に転動する転動体4を通過させる。方向転換通路7は、エンドキャップ33とリターンガイド32との間に規定される。
【0045】
エンドキャップ33は、スライダ本体31の+X側の端部及び-X側の端部のそれぞれに接続される。エンドキャップ33は、例えばボルト33Bによりスライダ本体31に固定される。リターンガイド32は、エンドキャップ33に対向するように、スライダ本体31の+X側の端部及び-X側の端部のそれぞれに接続される。
【0046】
方向転換通路7は、転動通路5の+X側の端部と戻し通路6の+X側の端部とを結ぶように設けられる。方向転換通路7は、転動通路5の-X側の端部と戻し通路6の-X側の端部とを結ぶように設けられる。方向転換通路7は、転動通路5の端部と戻し通路6の端部とを結ぶ円弧状である。
【0047】
例えば転動通路5を+X方向に移動し、転動通路5の+X側の端部から方向転換通路7に進入した転動体4は、方向転換通路7を移動した後、戻し通路6の+X側の端部から戻し通路6に進入することができる。戻し通路6の+X側の端部から戻し通路6に進入した転動体4は、戻し通路6を-X方向に移動する。戻し通路6を+X方向に移動し、戻し通路6の+X側の端部から方向転換通路7に進入した転動体4は、方向転換通路7を移動した後、転動通路5の+X側の端部から転動通路5に進入することができる。転動通路5の+X側の端部から転動通路5に進入した転動体4は、転動通路5を-X方向に移動する。
【0048】
転動通路5、戻し通路6、及び方向転換通路7により、転動体4の循環通路100が形成される。転動体4が循環通路100を循環するように転動することにより、スライダ3は案内レール2に対して+X方向及び-X方向のそれぞれに相対移動することができる。
【0049】
次に、本実施形態に係る戻し通路6について説明する。図4は、本実施形態に係る戻し通路6を模式的に示す斜視図である。図5は、本実施形態に係る戻し通路6を示す断面図である。
【0050】
図2図3図4、及び図5に示すように、本実施形態において、戻し通路6は、スライダ3の内部においてX軸方向に延在する貫通孔12と、貫通孔12に配置される戻り案内部材13とを有する。
【0051】
貫通孔12は、スライダ本体31の内部に設けられる。貫通孔12は、スライダ本体31の内部においてX軸方向に延在する。貫通孔12の中心軸AXは、X軸に平行である。中心軸AXは、YZ平面において貫通孔12の中心を通る。中心軸AXに直交するYZ平面において、貫通孔12は、円形である。貫通孔12は、中心軸AXの周囲に配置される内周面を有する。
【0052】
上述のように、スライダ本体31は、金属製である。貫通孔12は、ドリルのような工具を用いてスライダ本体31に形成される。
【0053】
戻り案内部材13は、貫通孔12に配置される。戻り案内部材13は、合成樹脂製である。なお、戻り案内部材13は、ゴム製でもよい。作業者は、手で戻り案内部材13に力を加えることにより、戻り案内部材13を弾性変形させることができる。
【0054】
図5に示すように、戻り案内部材13は、中心軸AXに直交するYZ平面において、貫通孔12の内周面の一部に対向する円弧状の外面14と、少なくとも一部が転動体4に接触する内面15と、中心軸AXの周方向において外面14の一端部と内面15とを結ぶ第1端面16と、中心軸AXの周方向において外面14の他端部と内面15とを結び第1端面16から離れる第2端面17とを含む。すなわち、本実施形態において、戻り案内部材13は、YZ平面において、アルファベットの「C」状である。第1端面16と第2端面17との間に開口18が設けられる。
【0055】
YZ平面に平行な戻り案内部材13の断面の大きさ及び形状は、X軸方向において均一である。
【0056】
戻り案内部材13の外面14は、YZ平面内において、貫通孔12の内周面の一部に接触する。以下の説明においては、貫通孔12の内周面のうち、戻り案内部材13の外面14が対向する領域を適宜、支持領域12A、と称する。また、以下の説明においては、貫通孔12の内周面のうち、第1端面16と第2端面17との間の領域を適宜、露出領域12B、と称する。
【0057】
支持領域12Aは、中心軸AXの周方向において貫通孔12の内周面の少なくとも半分に規定される。支持領域12Aは、中心軸AXの周方向において貫通孔12の内周面の51[%]以上99[%]以下の領域を占める。図5に示す例において、支持領域12Aは、中心軸AXの周方向において貫通孔12の内周面の約70[%]の領域を占める。
【0058】
露出領域12Bは、貫通孔12の内周面において支持領域12Aが占める領域とは異なる領域である。露出領域12Bは、開口18の内側に配置される。転動体4は、第1端面16と第2端面17との間の露出領域12Bの少なくとも一部に接触する。
【0059】
戻り案内部材13の外面14は、支持領域12Aに接触する。戻り案内部材13は、露出領域12Bに接触しない。
【0060】
第1端面16と第2端面17との間の開口18は、Y軸方向において、スライダ3の中心に対して中心軸AXよりも外側に配置される。すなわち、戻り案内部材13は、開口18が中心軸AXよりも外側に向くように貫通孔12に配置される。支持領域12Aは、Y軸方向において、開口18及び露出領域12Bよりもスライダ3の中心に近い位置に規定される。
【0061】
戻り案内部材13の内面15は、YZ平面において、円弧領域15Aと、中心軸AXの周方向において円弧領域15Aの一端部に接続される第1直線領域15Bと、中心軸AXの周方向において円弧領域15Aの他端部に接続される第2直線領域15Cとを含む。
【0062】
第1直線領域15Bは、YZ平面において、転動体4の外面の接線方向に延在する。第2直線領域15Cは、YZ平面において、転動体4の外面の接線方向に延在する。
【0063】
YZ平面において、第1直線領域15Bと第2直線領域15Cとは実質的に平行である。
【0064】
YZ平面において、円弧領域15Aの曲率は、転動体4の外面の曲率よりも小さい。YZ平面において、貫通孔12の内周面の曲率は、円弧領域15Aの曲率よりも小さい。
【0065】
転動体4は、戻り案内部材13の内面15の一部に規定された接触点Pにおいて、内面15に接触する。転動体4は、貫通孔12の内周面の一部に規定された接触点Pにおいて、貫通孔12の内周面に接触する。本実施形態において、転動体4と戻り案内部材13の内面15との接触点Pは、円弧領域15Aと第1直線領域15Bとの境界、及び円弧領域15Aと第2直線領域15Cとの境界のそれぞれに規定される。すなわち、転動体4は、円弧領域15Aと第1直線領域15Bとの境界、及び円弧領域15Aと第2直線領域15Cとの境界のそれぞれに接触しながら転動する。本実施形態において、転動体4は、円弧領域15Aに接触しない。
【0066】
転動体4と貫通孔12の内周面との接触点Pは、露出領域12Bに規定される。
【0067】
なお、転動体4が円弧領域15Aと第1直線領域15Bとの境界に接触しているとき、円弧領域15Aと第2直線領域15Cとの境界から離れてもよい。なお、転動体4が円弧領域15Aと第2直線領域15Cとの境界に接触しているとき、円弧領域15Aと第1直線領域15Bとの境界から離れてもよい。なお、転動体4は、円弧領域15Aの一部に接触してもよい。
【0068】
また、転動体4と戻り案内部材13の内面15及び貫通孔12の内周面との間に隙間が設けられてもよい。すなわち、図5に示す例においては、転動体4の周囲に3つの接触点Pが存在するが、接触点Pは1つでもよい。また、転動体4と戻し通路6との間に僅かな隙間が設けられ、転動体4が、円弧領域15Aと第1直線領域15Bとの境界、及び円弧領域15Aと第2直線領域15Cとの境界のいずれにも接触しない状態で、戻し通路6を転動してもよい。
【0069】
円弧領域15Aと第1直線領域15Bとの境界に規定される接触点Pと、円弧領域15Aと第2直線領域15Cとの境界に規定される接触点Pとの距離は、転動体4の直径と同一又は転動体4の直径よりも僅かに大きい。転動体4は、負荷を受けない状態で、戻り案内部材13の内側を転動することができる。
【0070】
次に、本実施形態に係るスライダ3の組立方法について説明する。スライダ本体31にドリルのような工具により貫通孔12が形成される。戻り案内部材13は、例えば射出成型により製造される。作業者は、戻り案内部材13を貫通孔12に挿入する。戻り案内部材13は、第1端面16と第2端面17とを有する。作業者は、手で戻り案内部材13に力を加えることにより、第1端面16と第2端面17とが接近し、戻り案内部材13の外径が小さくなるように、戻り案内部材13を弾性変形させることができる。作業者は、戻り案内部材13を弾性変形させた状態で、貫通孔12に戻り案内部材13を円滑に挿入することができる。
【0071】
貫通孔12に戻り案内部材13が挿入された後、作業者は、スライダ本体31のX軸方向の端部にリターンガイド32及びエンドキャップ33を接続する。これにより、スライダ3に方向転換通路7が形成される。
【0072】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1端面16及び第1端面16から離れる第2端面17を有するように戻り案内部材13が形成されることにより、戻り案内部材13は、戻り案内部材13の外径が小さくなるように弾性変形することができる。そのため、貫通孔12の内径が小さくても、作業者は、戻り案内部材13を弾性変形させながら貫通孔12に挿入することができる。これにより、貫通孔12に戻り案内部材13を配置するときの作業性の低下が抑制される。また、貫通孔12の内径を小さくすることができるので、複数の戻し通路6がYZ平面において隣接するように設けられる場合においても、直動案内装置1の大型化が抑制される。
【0073】
戻り案内部材13の内面15は、YZ平面において、円弧領域15Aと、中心軸AXの周方向において円弧領域15Aの一端部に接続され転動体4の接線方向に延在する第1直線領域15Bと、円弧領域15Aの他端部に接続され転動体4の接線方向に延在する第2直線領域15Cとを含む。これにより、貫通孔12に戻り案内部材13を配置したとき、第1端面16と第2端面17とが接近するように戻り案内部材13が弾性変形しても、第1直線領域15B及び第2直線領域15Cと転動体4との接触が抑制されるので、転動体4に戻り案内部材13の内面15が過度に密着することが抑制される。したがって、転動体4は、戻り案内部材13の内側を円滑に転動することができる。また、戻り案内部材13が射出成型によって形成される場合、第1直線領域15B及び第2直線領域15Cが設けられることにより、金型から戻り案内部材13を円滑に抜くことができる。
【0074】
YZ平面において、円弧領域15Aの曲率は、転動体4の曲率よりも小さい。これにより、転動体4に戻り案内部材13の内面15が過度に密着することが抑制される。したがって、転動体4は、戻り案内部材13の内側を円滑に転動することができる。
【0075】
転動体4と戻り案内部材13の内面15との接触点Pは、円弧領域15Aと第1直線領域15Bとの境界、及び円弧領域15Aと第2直線領域15Cとの境界の少なくとも一方に規定される。これにより、転動体4は、戻り案内部材13の内面15の一部に支持されながら、戻り案内部材13の内側を円滑に転動することができる。
【0076】
YZ平面において、第1直線領域15Bと第2直線領域15Cとは平行である。これにより、貫通孔12に戻り案内部材13を配置したとき、第1端面16と第2端面17とが接近するように戻り案内部材13が弾性変形しても、第1直線領域15B及び第2直線領域15Cと転動体4との接触が抑制されるので、転動体4に戻り案内部材13の内面15が過度に密着することが抑制される。したがって、転動体4は、戻り案内部材13の内側を円滑に転動することができる。また、戻り案内部材13が射出成型によって形成される場合、第1直線領域15Bと第2直線領域15Cとが平行が設けられることにより、金型から戻り案内部材13を円滑に抜くことができる。
【0077】
転動体4は、第1端面16と第2端面17との間の貫通孔12の露出領域12Bに接触する。これにより、転動体4は、戻り案内部材13の内面15及び貫通孔12の内周面のそれぞれに支持されながら、戻し通路6を円滑に転動することができる。
【0078】
戻り案内部材13の外面14は、中心軸AXの周方向において貫通孔12の内周面の少なくとも半分に規定された支持領域12Aに対向する。これにより、戻り案内部材13の外面14は、貫通孔12の内周面の半分以上の支持領域12Aに支持されるので、貫通孔12に戻り案内部材13を配置した後、貫通孔12の内側において戻り案内部材13が動いてしまうことが抑制される。そのため、転動体4は、戻り案内部材13の内側を円滑に転動することができる。
【0079】
戻し通路6は、Y軸方向において、スライダ3の中心に対して転動通路5よりも外側に設けられる。第1端面16と第2端面17との間の開口18は、Y軸方向において、中心軸AXよりも外側に配置される。これにより、戻し通路6と転動通路5との間の方向転換通路7において転動体4が転動するときの旋回半径が小さくなることが抑制される。したがって、転動体4は、方向転換通路7を円滑に転動することができる。
【0080】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0081】
図6は、本実施形態に係る戻し通路6を示す断面図である。図6に示すように、YZ平面において、第1直線領域15B及び第2直線領域15Cは、Y軸方向においてスライダ3の中心から外側に向かって第1直線領域15Bと第2直線領域15Cとの距離が短くなるように傾斜してもよい。
【0082】
転動体4と戻り案内部材13の内面15との接触点Pは、円弧領域15Aと第1直線領域15Bとの境界、及び円弧領域15Aと第2直線領域15Cとの境界のそれぞれに規定される。
【0083】
本実施形態においても、貫通孔12に戻り案内部材13を配置するときの作業性の低下が抑制され、直動案内装置1の大型化が抑制される。
【0084】
[第3実施形態]
図7は、本実施形態に係る戻し通路6を示す断面図である。図7に示すように、YZ平面において、第1直線領域15B及び第2直線領域15Cは、Y軸方向においてスライダ3の中心から外側に向かって第1直線領域15Bと第2直線領域15Cとの距離が長くなるように傾斜してもよい。
【0085】
転動体4と戻り案内部材13の内面15との接触点Pは、円弧領域15Aと第1直線領域15Bとの境界、及び円弧領域15Aと第2直線領域15Cとの境界のそれぞれに規定される。
【0086】
本実施形態においても、貫通孔12に戻り案内部材13を配置するときの作業性の低下が抑制され、直動案内装置1の大型化が抑制される。
【0087】
[第4実施形態]
図8は、本実施形態に係る戻し通路6を模式的に示す斜視図である。図8に示すように、戻り案内部材13は、第1戻り案内部材131と、X軸方向において第1戻り案内部材131の端部に接続される第2戻り案内部材132とを含んでもよい。すなわち、複数の部材を組み合わせることにより、戻り案内部材13が形成されてもよい。
【0088】
本実施形態によれば、X軸方向における貫通孔12の寸法が長くても、貫通孔12の一端部から第1戻り案内部材131を挿入し、貫通孔12の他端部から第2戻り案内部材132を挿入することによって、貫通孔12に戻り案内部材13を円滑に配置することができる。
【0089】
[第5実施形態]
図9は、本実施形態に係る戻し通路6を模式的に示す平面図である。図9に示すように、戻り案内部材13は、リターンガイド32と一体でもよい。戻り案内部材13及びリターンガイド32のそれぞれが合成樹脂製である場合、単一の金型を用いて、戻り案内部材13及びリターンガイド32が一体成型されるように、射出成型により戻り案内部材13及びリターンガイド32が形成されてもよい。本実施形態によれば、直動案内装置1の部品点数を削減することができる。
【0090】
[第6実施形態]
図10は、本実施形態に係る戻し通路6を模式的に示す平面図である。図10に示すように、戻り案内部材13は、エンドキャップ33と一体でもよい。戻り案内部材13及びエンドキャップ33のそれぞれが合成樹脂製である場合、単一の金型を用いて、戻り案内部材13及びエンドキャップ33が一体成型されるように、射出成型により戻り案内部材13及びエンドキャップ33が形成されてもよい。本実施形態においても、直動案内装置1の部品点数を削減することができる。
【0091】
[その他の実施形態]
上述の実施形態においては、第1端面16と第2端面17との間の開口18がスライダ3の中心に対して外側を向くように、戻り案内部材13が貫通孔12に配置されることとした。開口18がスライダ3の中心を向くように、戻り案内部材13が貫通孔12に配置されてもよい。開口18が+Z方向を向くように、戻り案内部材13が貫通孔12に配置されてもよい。開口18が-Z方向を向くように、戻り案内部材13が貫通孔12に配置されてもよい。
【0092】
上述の実施形態においては、戻り案内部材13が貫通孔12に配置された状態で、第1端面16と第2端面17との間に開口18が形成されることとした。戻り案内部材13が貫通孔12に配置された状態で、第1端面16と第2端面17とが接触してもよい。すなわち、支持領域12Aは、中心軸AXの周方向において貫通孔12の内周面の約100[%]の領域を占めてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1…直動案内装置、2…案内レール、3…スライダ、4…転動体、5…転動通路、6…戻し通路、7…方向転換通路、8…転動溝、9…転動面、10…転動溝、11…転動面、12…貫通孔、12A…支持領域、12B…露出領域、13…戻り案内部材、14…外面、15…内面、15A…円弧領域、15B…第1直線領域、15C…第2直線領域、16…第1端面、17…第2端面、18…開口、31…スライダ本体、31B…胴部、31F…脚部、32…リターンガイド、33…エンドキャップ、33B…ボルト、100…循環通路、131…第1戻り案内部材、132…第2戻り案内部材、AX…中心軸、P…接触点。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10