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特開2022-155830配光制御装置、配光制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155830
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】配光制御装置、配光制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/08 20060101AFI20221006BHJP
   B60Q 1/24 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
B60Q1/08
B60Q1/24 B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059248
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】相村 誠
(72)【発明者】
【氏名】樫木 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】宇野 真矢
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA02
3K339AA13
3K339AA16
3K339BA01
3K339BA02
3K339BA21
3K339BA22
3K339CA01
3K339FA02
3K339FA09
3K339FA10
3K339GB01
3K339KA09
3K339KA39
3K339LA06
3K339MA01
3K339MA02
3K339MA07
3K339MC01
3K339MC03
3K339MC35
3K339MC46
3K339MC48
3K339MC52
(57)【要約】
【課題】前照灯の配光の変更がより適切なタイミングで行われるようにすることができる配光制御装置、配光制御方法、およびプログラムを提供すること。
【解決手段】光学センサを含む複数のセンサの検出結果をもとに認識される自車両前方の物体の認識結果に基づいて自車両の運転支援を行う運転支援装置から、前記運転支援のために行われる支援動作の作動状況を示す情報を取得する取得部と、自車両の前照灯の出力レベルの変更を含む配光制御を実施する配光制御部と、を備え、前記配光制御部は、前記支援動作の作動に伴って前記前照灯の出力レベルの変更を緩やかに実施する、配光制御装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学センサを含む複数のセンサの検出結果をもとに認識される自車両前方の物体の認識結果に基づいて自車両の運転支援を行う運転支援装置から、前記運転支援のために行われる支援動作の作動状況を示す情報を取得する取得部と、
自車両の前照灯の出力レベルの変更を含む配光制御を実施する配光制御部と、
を備え、
前記配光制御部は、前記支援動作の作動に伴って前記前照灯の出力レベルの変更を緩やかに実施する、
配光制御装置。
【請求項2】
前記前照灯は配光の変更が可能であり、
前記配光制御部は、前記支援動作の作動に伴って前記前照灯の調光を実施する場合、認識された前記物体の将来の位置を予測し、前記物体の予測位置方向において前記前照灯の出力レベルの変更を緩やかにする、
請求項1に記載の配光制御装置。
【請求項3】
前記配光制御部は、前記前照灯の出力レベルを変更したことにより、前記物体の認識に係る画像特徴量が、前記物体の認識することができない程度に変化した場合、前記前照灯の配光を変更前の状態に戻す、
請求項1または2に記載の配光制御装置。
【請求項4】
前記配光制御部は、前記前照灯の配光を変更前の状態に戻した後、前記物体の認識に係る画像特徴量が、前記物体の認識することができるまでに復旧した場合、前記物体の認識を行う物体認識装置に対して、前記光学センサの検出結果を除く検出結果に基づいて前記物体の認識を行うように指示する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の配光制御装置。
【請求項5】
コンピュータが、
光学センサを含む複数のセンサの検出結果をもとに認識される自車両前方の物体の認識結果に基づいて自車両の運転支援を行う運転支援装置から、前記運転支援のために行われる支援動作の作動状況を示す情報を取得し、
自車両の前照灯の出力レベルの変更を含む配光制御を実施し、
前記配光制御において、前記支援動作の作動に伴って前記前照灯の出力レベルの変更を緩やかに実施する、
配光制御方法。
【請求項6】
コンピュータに、
光学センサを含む複数のセンサの検出結果をもとに認識される自車両前方の物体の認識結果に基づいて自車両の運転支援を行う運転支援装置から、前記運転支援のために行われる支援動作の作動状況を示す情報を取得させ、
自車両の前照灯の出力レベルの変更を含む配光制御を実施させ、
前記配光制御において、前記支援動作の作動に伴って前記前照灯の出力レベルの変更を緩やかに実施させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配光制御装置、配光制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像装置によって自車周囲の物体を検知したことに応じて衝突回避動作等の運転支援を行う技術がある。このような運転支援動作の制御において、配光制御により前照灯の照射状態が変化すると、画像輝度の変化により衝突回避制御の対象となる物体を見失い、衝突回避制御を適切に実施できなくなる可能性がある。そこで、自動ハイビーム制御において、AEB(衝突被害軽減ブレーキシステム)作動時には、前照灯の配光をハイビームからロービームに切り替わることを抑制する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-154313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の配光制御では、自動ハイビーム制御において、AEB作動時に、前照灯の配光がハイビームに固定され、ロービームへの切り替わりが遅れてしまう場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、前照灯の配光の変更がより適切なタイミングで行われるようにすることができる配光制御装置、配光制御方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る配光制御装置、配光制御方法、およびプログラムは、以下の構成を採用した。
(1):本発明の一態様に係る配光制御装置は、光学センサを含む複数のセンサの検出結果をもとに認識される自車両前方の物体の認識結果に基づいて自車両の運転支援を行う運転支援装置から、前記運転支援のために行われる支援動作の作動状況を示す情報を取得する取得部と、自車両の前照灯の出力レベルの変更を含む配光制御を実施する配光制御部と、を備え、前記配光制御部は、前記支援動作の作動に伴って前記前照灯の出力レベルの変更を緩やかに実施するものである。
【0007】
(2):上記(1)の態様において、前記前照灯は配光の変更が可能であり、前記配光制御部は、前記支援動作の作動に伴って前記前照灯の調光を実施する場合、認識された前記物体の将来の位置を予測し、前記物体の予測位置方向において前記前照灯の出力レベルの変更を緩やかにするものである。
【0008】
(3):上記(1)または(2)の態様において、前記配光制御部は、前記前照灯の出力レベルを変更したことにより、前記物体の認識に係る画像特徴量が、前記物体の認識することができない程度に変化した場合、前記前照灯の配光を変更前の状態に戻すものである。
【0009】
(4):上記(1)から(3)のいずれかの態様において、前記配光制御部は、前記前照灯の配光を変更前の状態に戻した後、前記物体の認識に係る画像特徴量が、前記物体の認識することができるまでに復旧した場合、前記物体の認識を行う物体認識装置に対して、前記光学センサの検出結果を除く検出結果に基づいて前記物体の認識を行うように指示するものである。
【0010】
(5):本発明の一態様に係る配光制御装置は、コンピュータが、光学センサを含む複数のセンサの検出結果をもとに認識される自車両前方の物体の認識結果に基づいて自車両の運転支援を行う運転支援装置から、前記運転支援のために行われる支援動作の作動状況を示す情報を取得し、自車両の前照灯の出力レベルの変更を含む配光制御を実施し、前記配光制御において、前記支援動作の作動に伴って前記前照灯の出力レベルの変更を緩やかに実施する配光制御方法である。
【0011】
(6):本発明の一態様に係る配光制御装置は、コンピュータに、光学センサを含む複数のセンサの検出結果をもとに認識される自車両前方の物体の認識結果に基づいて自車両の運転支援を行う運転支援装置から、前記運転支援のために行われる支援動作の作動状況を示す情報を取得させ、自車両の前照灯の出力レベルの変更を含む配光制御を実施させ、前記配光制御において、前記支援動作の作動に伴って前記前照灯の出力レベルの変更を緩やかに実施させるプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
上記(1)~(6)の態様によれば、光学センサを含む複数のセンサの検出結果をもとに認識される自車両前方の物体の認識結果に基づいて自車両の運転支援を行う運転支援装置から、前記運転支援のために行われる支援動作の作動状況を示す情報を取得し、自車両の前照灯の出力レベルの変更を含む配光制御において、支援動作の作動に伴って前照灯の出力レベルの変更を緩やかに実施することにより、より適切な場面で物体の認識精度の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態の制御システムの構成例を示す図である。
図2】実施形態の配光制御装置が実施する第1の配光変更処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図3】実施形態の配光制御装置が実施する第2の配光変更処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4】第3の配光変更処理において、物体方向の配光の変更が物体の移動に応じて緩やかに実施される状況の一例を示す図である。
図5】実施形態の配光制御装置が実施する第3の配光変更処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明の配光制御装置、配光制御方法、およびプログラムの実施形態について説明する。
【0015】
<第1実施形態>
[全体構成]
図1は、実施形態に係る運転支援装置100を利用した制御システム1の構成例を示す図である。制御システム1は、移動体に搭載される。以下の説明では、移動体は、一例として車両であるものとする。車両は、例えば、二輪や三輪、四輪等の車両であり、その駆動源は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関、電動機、或いはこれらの組み合わせである。電動機は、内燃機関に連結された発電機による発電電力、或いは二次電池や燃料電池の放電電力を使用して動作する。
【0016】
制御システム1は、例えば、カメラ10と、レーダ装置12と、LIDAR(Light Detection and Ranging)14と、物体認識装置16と、車両センサ40と、運転操作子80と、運転支援装置100と、走行駆動力出力装置200と、ブレーキ装置210と、ステアリング装置220と、警報装置230と、配光制御装置300と、ヘッドライト400とを備える。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。なお、図1に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。
【0017】
カメラ10は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ10は、制御システム1が搭載される車両(以下、自車両)の任意の箇所に取り付けられる。前方を撮像する場合、カメラ10は、フロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。カメラ10は、例えば、周期的に繰り返し自車両の周辺を撮像する。カメラ10は、ステレオカメラであってもよい。カメラ10は光学センサの一例である。
【0018】
レーダ装置12は、自車両の周辺にミリ波などの電波を放射すると共に、物体によって反射された電波(反射波)を検出して少なくとも物体の位置(距離および方位)を検出する。レーダ装置12は、自車両の任意の箇所に取り付けられる。レーダ装置12は、FM-CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物体の位置および速度を検出してもよい。
【0019】
LIDAR14は、自車両の周辺に光(或いは光に近い波長の電磁波)を照射し、散乱光を測定する。LIDAR14は、発光から受光までの時間に基づいて、対象までの距離を検出する。照射される光は、例えば、パルス状のレーザー光である。LIDAR14は、自車両の任意の箇所に取り付けられる。
【0020】
物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびLIDAR14のうち一部または全部による検出結果に対してセンサフュージョン処理を行って、物体の位置、種類、速度などを認識する。具体的には、物体認識装置16は、レーダ装置12およびLIDAR14の検出結果として主に物体の方向や物体までの距離を認識し、カメラ10によって撮像された画像に対して画像処理を施すことにより、画像に撮像された物体の種類や動きなどを認識する。
【0021】
例えば、物体認識装置16は、予め用意されたテンプレートと、画像から得られた特徴量とを比較して特定の物体(例えば障害物)を認識するパターンマッチング処理や、機械学習による学習済モデルを利用して特定の物体を認識する。学習済モデルは、特定の物体が撮像された画像が入力されると、画像において特定の物体が存在していることや特定の物体の位置を示す情報を出力するように学習されたモデルである。
【0022】
物体認識装置16は、このようにして認識した物体の認識結果を運転支援装置100および配光制御装置300に出力する。物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびLIDAR14の検出結果をそのまま運転支援装置100および配光制御装置300に出力してもよい。物体の認識結果は、運転支援装置100を介して配光制御装置300に供給されてもよい。この場合、物体認識装置16は、物体の認識結果を運転支援装置100のみに出力するように構成されてもよい。
【0023】
車両センサ40は、自車両の速度を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、自車両の向きを検出する方位センサ等を含む。
【0024】
運転操作子80は、例えば、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、ステアリングホイール、異形ステア、ジョイスティックその他の操作子を含む。運転操作子80には、操作量あるいは操作の有無を検出するセンサが取り付けられており、その検出結果は、運転支援装置100、もしくは、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220のうち一部または全部に出力される。
【0025】
走行駆動力出力装置200は、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。走行駆動力出力装置200は、例えば、内燃機関、電動機、および変速機などの組み合わせと、これらを制御するECU(Electronic Control Unit)とを備える。ECUは、制御部120から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、上記の構成を制御する。
【0026】
ブレーキ装置210は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、ブレーキECUとを備える。ブレーキECUは、制御部120から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。ブレーキ装置210は、運転操作子80に含まれるブレーキペダルの操作によって発生させた油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置210は、上記説明した構成に限らず、制御部120から入力される情報に従ってアクチュエータを制御して、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。
【0027】
ステアリング装置220は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、制御部120から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。
【0028】
[運転支援装置の構成]
運転支援装置100は、例えば、記憶部110と、制御部120とを備える。制御部120は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め運転支援装置100のHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体(非一過性の記憶媒体)がドライブ装置に装着されることで運転支援装置100のHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。
【0029】
記憶部110は、例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)等により実現される。記憶部110には、例えば、運転支援装置100が後述する制御で利用する基準や閾値などを含む情報が記憶されている。
【0030】
制御部120は、例えば、AEB制御部121と、AES制御部122と、FCW制御部123とを備える。AEB制御部121は、衝突被害軽減ブレーキ(AEB:Autonomous Emergency Braking)の運転支援機能を制御する。AEB制御部121は、物体認識装置16による自車両前方の物体の認識結果に基づいてブレーキ装置210を制御することによりAEB機能を実現する(AEBシステム)。
【0031】
AES制御部122は、自動操舵回避(AES:Automatic Emergency Steering)の運転支援機能を制御する。AES制御部122は、物体認識装置16による自車両前方の物体の認識結果に基づいてステアリング装置220を制御することによりAES機能を実現する(AESシステム)。
【0032】
FCW制御部123は、前方衝突予測警報(FCW:Forward Collision Warning)の運転支援機能を制御する。FCW制御部123は、物体認識装置16による自車両前方の物体の認識結果に基づいて警報装置230に警報動作を行わせることによりFCW機能を実現する(FCWシステム)。警報装置230は、警報を出力するものであればどのような装置であってもよい。例えば、警報装置230は、ディスプレイに警報を表示するものであってもよいし、音声や振動などで警報を報知するものであってもよい。
【0033】
なお、本実施形態において、AEBシステム、AESシステム、およびFCWシステムは、物体認識装置16による物体の認識結果に基づいて、自車両前方の物体に起因して発生する危険を回避する動作を行う運転支援機能の一例である。
【0034】
[配光制御装置の構成]
配光制御装置300は、例えば、記憶部310と、制御部320とを備える。制御部320は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め運転支援装置100のHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体(非一過性の記憶媒体)がドライブ装置に装着されることで運転支援装置100のHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。
【0035】
記憶部310は、例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、ROM、またはRAM等により実現される。記憶部310には、例えば、配光制御装置300が後述する制御で利用する基準や閾値などを含む情報が記憶されている。
【0036】
制御部320は、例えば、情報取得部321と、ADB制御部322とを備える。情報取得部321は、運転支援装置100から、AEBシステム、AESシステム、およびFCWシステムの各運転支援機能における支援動作の作動状況を示す情報を取得する。また、情報取得部321は、物体認識装置16から、自車両前方の物体認識に関する情報(以下「認識情報」という。)を取得する。認識情報には、物体の認識結果を示す情報と、物体認識の過程で取得された物体の画像特徴量を示す情報とが含まれる。
【0037】
ADB制御部322は、自車両のヘッドライト400の配光を制御する。ヘッドライト400は、配光可変型ヘッドランプ(ADB:Adaptive Driving Beam)を用いて構成され、出力する光の配光を変更することが可能である。以下、本実施形態において「配光」の制御とは、光の出力レベルおよび出力方向の一方または両方を制御することをいうものとする。また、本実施形態において「調光」とは、光の出力レベル(以下「調光レベル」という。)を調整することをいうものとする。具体的には、ヘッドライト400の調光レベルを高くすることは、ヘッドライト400による照明を明るくすることに対応し、調光レベルを低くすることは、ヘッドライト400による照明を暗くすることに対応する。ADB制御部332は「配光制御部」の一例である。
【0038】
具体的には、ADB制御部322は、認識情報に基づき、ヘッドライト400の配光制御が、AEBシステム、AESシステム、およびFCWシステムの各運転支援機能のうちの少なくとも1つの運転支援機能による支援動作(例えば、ブレーキ操作、ステアリング操作、または警報動作などの動作)に干渉する可能性があると推定されたタイミング(以下「干渉タイミング」という。)では、配光の変更を緩やかに実施する。ここで、運転支援機能に対する配光制御の干渉とは、ヘッドライト400の配光が変更されることによってカメラ10が撮像する被写体の映り方が大きく異なってしまい、カメラ10による自車両周辺の検出結果の信頼性が低下してしまうことを意味する。すなわち、ADB制御部322は、支援動作が作動中の場合に配光の変更要求が発生した場合、支援動作に悪影響を及ぼすことがないように、緩やかに配光を変更するものである。
【0039】
なお、干渉タイミングは、典型的には、支援動作が作動しているタイミングとすることができるが、支援動作の作動開始タイミングがある程度予測できる場合には、配光制御が支援動作に与える悪影響をより確実に抑制するために、作動開始タイミングより前の一定期間(以下「作動開始待機期間」という。)が干渉タイミングに含まれてもよい。すなわち、干渉タイミングは支援動作の作動に伴って定まるタイミングであるから、換言すれば、ADB制御部322は、支援動作の作動に伴ってヘッドライト400の出力レベルの変更を緩やかに実施するものである、ということができる。
【0040】
また、配光の変更要求は、ADB制御部322が、自車両の状態や自車両周辺の状況等に基づいて適宜発生させるものであってもよいし、自車両のドライバによる配光の変更操作によって、配光制御装置300に通知されるものであってもよい。
【0041】
より詳細には、ADB制御部322は、以下の第1~第3の配光変更処理を実施する。第1の配光変更処理は、干渉タイミングにおいて、ヘッドライト400の調光レベルの変更を緩やかに実施する処理である。第2の配光変更処理は、干渉タイミングにおいて、検出されている物体の移動を予測し、移動する物体の方向において調光レベルの変更を緩やかに実施する処理である。第3の配光変更処理は、配光制御を実施したことによってカメラ10の検知結果の信頼性が低下した場合、物体認識装置16に対して物体認識処理に関する動作条件の変更を指示する処理である。以下、図2図4のフローチャートを参照しながら、第1~第3の配光変更処理の詳細について説明する。
【0042】
[第1の配光変更処理]
図2は、実施形態の配光制御装置300が実施する第1の配光変更処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、ADB制御部322は、AEBシステム、AESシステム、およびFCWシステムの運転支援機能のうちの少なくとも1つの運転支援機能において支援動作が作動中であるか否かを判定する(ステップS101)。
【0043】
ここで、AEBシステム、AESシステム、およびFCWシステムの全てにおいて支援動作が作動していないと判定した場合、ADB制御部322は、AEBシステム、AESシステム、およびFCWシステムの運転支援機能のうちの少なくとも1つの運転支援機能において規定時間が経過するまでの間に支援動作が開始されるか否かを判定する(ステップS102)。すなわち、ステップS102は、現在が作動開始待機期間内であるか否かを判定するものであり、ステップS101との組み合わせで、現在が干渉タイミングであるか否かを判定するものである。
【0044】
ADB制御部322は、ステップS101およびS102の両方において判定結果が真(YES)である場合に、現在は干渉タイミングであると判定してステップS105に処理を進め、ステップS101およびS102の両方において判定結果が偽(NO)である場合に、現在は干渉タイミングでないと判定してステップS103に処理を進める。
【0045】
ステップS103では、ADB制御部322は、調光要求が発生しているか否かを判定する。ここで調光要求が発生していると判定した場合、ADB制御部322は、要求された調光レベルへの調光を実施し(ステップS104)、第1の配光変更処理を終了する。一方、ステップS103において、調光要求が発生していないと判定した場合、ADB制御部322は、ステップS104をスキップして第1の配光変更処理を終了する。
【0046】
また、ステップS105では、ADB制御部322は、調光要求が発生しているか否かを判定する(ステップS105)。ここで調光要求が発生していないと判定した場合、ADB制御部322は、第1の配光変更処理を終了する。一方、ステップS105において、調光要求が発生していると判定した場合、ADB制御部322は、物体認識装置16によって物体が検出されているか否かを判定する(ステップS106)。ここで、物体認識装置16によって物体が検出されていないと判定した場合、ADB制御部322は、ステップS104に処理を進めて要求された調光を実施し、配光変更処理を終了する。
【0047】
一方、ステップS106において、物体認識装置16によって物体が検出されていると判定した場合、ADB制御部322は、ヘッドライト400について調光レベルを要求された調光レベルに向けて1段階変更する(ステップS107)。ここで、調光レベルとは、要求された調光を複数段階に分けて実現する際の各段階に対応する光の出力レベルを意味するものである。
【0048】
ADB制御部322は、ステップS107において調光レベルを1段階変更すると、次に変更後の調光レベルが要求された調光レベルに達したか否かを判定する(ステップS108)。ここで、変更後の調光レベルが要求された調光レベルに達したと判定した場合、ADB制御部322は、配光変更処理を終了する。一方、ステップS108において、変更後の調光レベルが要求された調光レベルに達していないと判定した場合、ADB制御部322は、規定時間の待機を行った後(ステップS109)、ステップS106に処理を戻し、変更後の調光レベルが要求された調光レベルに到達するまで、調光レベルの段階的変更を繰り返し実施する。
【0049】
ADB制御部322は、このような第1の配光変更処理を実行することにより、自身によるヘッドライト400の配光制御が、AEBシステム、AESシステム、およびFCWシステムの各運転支援機能と干渉するタイミング(干渉タイミング)において、光の出力レベルの変更を緩やかに実施することにより、ヘッドライト400の配光の変更によって物体認識の精度が低下することを抑制することができる。
【0050】
[第2の配光変更処理]
図3は、実施形態の配光制御装置300が実施する第2の配光変更処理の流れの一例を示すフローチャートである。図3において、第1の配光変更処理と同様の処理については図2と同じ符号を付すことにより説明を省略する。第2の配光変更処理は、ADB制御部322が、ステップS107に代えて、ステップS201およびS202を実行する点で第1の配光変更処理と異なる。
【0051】
具体的には、ADB制御部322は、ステップS106において、物体認識装置16によって物体が検出されていると判定した場合、まず、検出されている物体(以下「対象物体」という。)の移動を予測する(ステップS201)とともに、移動する対象物体の予測位置方向において調光レベルを1段階変更する(ステップS202)。例えば、ADB制御部322は、物体認識装置16における過去の対象物体の認識結果に基づいて対象物体の移動方向および移動速度を予測し、予測された移動速度で、予測された移動方向に所定時間だけ移動して到達する地点を対象物体の移動先地点と予測してもよい。
【0052】
図4は、第2の配光変更処理において、調光レベルの変更が対象物体方向の配光において緩やかに実施される状況の一例を示す図である。図4は、自車両Mが、道路区画線L1~L3によって示される車線D1を走行している状況を表している。このような状況で、例えば、時刻tにおいて、対象物体B1が地点Xに検出され、このタイミングにおいて調光レベルを高くする調光要求が発生したとする。そして、このとき、ADB制御部322が、対象物体B1について、時刻t(>時刻t)において地点Xに到達し、時刻t(>時刻t)において地点Xに到達する移動を予測したとする。この場合、ADB制御部322は、対象物体B1の移動に追従しながら、対象物体B1の位置方向において調光レベルを緩やかに高くしていく。
【0053】
例えば、時刻tにおいて、ADB制御部322は、対象物体B1が存在しない方向については、調光要求の発生後、現在の調光レベルを速やかに要求された調光レベル(要求レベル)に変更する一方で、対象物体B1が存在する方向(この時点では、自車両Mから見て地点Xの方向)については、現在の調光レベルを、要求レベルに向けて1段階だけ高くした調光レベルである調光レベル#1に変更する。
【0054】
続いて、時刻tから所定時間経過した時刻tにおいて、ADB制御部322は、対象物体B1が存在しない方向については要求レベルに維持する一方で、対象物体B1が存在する方向(この時点では、自車両Mから見て地点Xの方向)については、現在の調光レベルである調光レベル#1を、要求レベルに向けてさらに1段階高くした調光レベルである調光レベル#2に変更する。
【0055】
続いて、時刻tから所定時間経過した時刻tにおいて、ADB制御部322は、対象物体B1が存在しない方向については要求レベルに維持する一方で、対象物体B1が存在する方向(この時点では、自車両Mから見て地点Xの方向)については、現在の調光レベルである調光レベル#2を、要求レベルに向けてさらに1段階高くした調光レベルである調光レベル#3に変更する。
【0056】
ADB制御部322は、このような第2の配光変更処理を実行することにより、ヘッドライト400の配光制御が、AEBシステム、AESシステム、およびFCWシステムのいずれかの運転支援機能と干渉するタイミング(干渉タイミング)においてヘッドライト400の調光要求が発生した場合、対象物体の位置方向において調光レベルの変更を緩やかに実施するとともに、調光レベルの変更が緩やかに実施される光の照射範囲を、対象物体の移動に追従して対象物体の方向に向けることができる。その結果、ヘッドライト400の調光レベルの変更によって対象物体の映り方が大きく変化することが抑制される。すなわち、実施形態の配光制御装置300によれば、ヘッドライト400の配光制御と運転支援機能との干渉を抑制し、運転支援機能の機能低下を抑制することが可能となる。
【0057】
[第3の配光変更処理]
図5は、実施形態の配光制御装置300が実施する第3の配光変更処理の流れの一例を示すフローチャートである。図5において第2の配光変更処理と同様の処理については図3と同じ符号を付すことにより説明を省略する。第3の配光変更処理は、ADB制御部322が、ステップS301~S304の処理をさらに実行する点で第2の配光変更処理と異なる。
【0058】
具体的には、ADB制御部322は、ステップS202において、対象物体の予測位置方向において調光レベルを1段階変更すると、その調光レベルの変更を行ったことにより、対象物体を認識する際の画像特徴量に変化が生じたか否かを判定する(ステップS301)。なお、この判定では、比較するフレーム間で同じ対象物体を認識できる範囲内での特徴量の誤差は無視されてもよい。すなわち、この場合は「変化無し」として許容されてもよい。対象物体について画像特徴量が変化していないと判定した場合、ADB制御部322は、ステップS108に処理を進め、要求された調光レベルに達するまで配光(調光レベルおよび光の出力方向)の段階的変更を実施していく。
【0059】
一方、ステップS301において、対象物体の画像特徴量が変化したと判定した場合、ADB制御部322は、ステップS202において変更した配光を変更前の状態に戻す(ステップS302)。ADB制御部322は、ステップS302において配光の変更を元に戻したことにより、対象物体の画像特徴量がステップS202で調光レベルを変更する前の画像特徴量(以下「変更前の画像特徴量」という。)に戻ったか否かを判定する(ステップS303)。すなわち、ADB制御部322は、画像特徴量が対象物体を認識することができるまでに復旧したか否かを判定する。
【0060】
ここで、対象物体の画像特徴量が変更前の画像特徴量に戻ったと判定した場合、ADB制御部322は、ステップS108に処理を進め、要求された調光レベルに達するまで配光の段階的変更を実施していく。一方、ステップS303において、対象物体の画像特徴量が変更前の画像特徴量に戻っていないと判定した場合、ADB制御部322は、物体認識装置16に対して物体認識に関する設定の変更を指示する(ステップS304)。具体的には、ADB制御部322は、物体認識装置16に対して、センサフュージョンにおいてカメラ10による検出結果を用いずに物体認識を行うことを指示する。
【0061】
ADB制御部322は、このような第3の配光変更処理を実行することにより、対象物体の予測位置方向において配光を変更した結果、対象物体の画像特徴量が対象物体の認識を継続できなくなるほど変更した場合には、対象物体方向における配光を変更前の状態に戻すことができる。これにより、ADB制御部322は、配光の変更によって対象物体の認識が継続できなくなることを抑制しつつ、対象物体方向の調光レベルの変更を緩やかに実施することができる。
【0062】
また、ADB制御部322は、対象物体方向の配光を変更前の状態に戻しても、物体の画像特徴量が変更前の特徴量に戻らなかった場合、すなわち、カメラ10による検出結果の信頼性が許容範囲を超えて低下した場合に、センサフュージョンにおいて、カメラ10による検出結果を用いずに物体認識を行うようにすることを物体認識装置16に指示する。これにより、ADB制御部322は、対象物体方向において調光レベルを変更したことによって対象物体の認識精度が低下してしまうことを抑制することができる。
【0063】
なお、ステップS304において、ADB制御部322は、センサフュージョンにおいて、カメラ10による検出結果を完全に用いないようにするのではなく、カメラ10による検出結果に対して信頼度に応じた重みづけを行うなどして、認識結果に対するカメラ10の検出結果の影響力を小さくするように構成されてもよい。
【0064】
このように構成された実施形態の配光制御装置300は、ヘッドライト400の配光制御が、AEB制御部121、AES制御部122、およびFCW制御部123による運転支援機能の制御と干渉する可能性が高いタイミング(干渉タイミング)において、特定方向における光の出力レベルの変更を緩やかに実施することにより、ヘッドライト400の配光の変更を局所化し、画像認識結果に及ぼす影響をより高いレベルで抑制することができる。
【0065】
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
プログラムを記憶した記憶装置と、
ハードウェアプロセッサと、を備え、
前記ハードウェアプロセッサが前記記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、
光学センサを含む複数のセンサの検出結果をもとに認識される自車両前方の物体の認識結果に基づいて自車両の運転支援を行う運転支援装置から、前記運転支援のために行われる支援動作の作動状況を示す情報を取得し、
自車両の前照灯の出力レベルの変更を含む配光制御を実施し、
前記配光制御において、前記支援動作の作動に伴って前記前照灯の出力レベルの変更を緩やかに実施する、
ように構成されている、制御装置。
【0066】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0067】
1…制御システム、10…カメラ、12…レーダ装置、16…物体認識装置、40…車両センサ、80…運転操作子、100…運転支援装置、110…記憶部、120…制御部、121…AEB制御部、122…AES制御部、123…FCW制御部、200…走行駆動力出力装置、210…ブレーキ装置、220…ステアリング装置、230…警報装置、300…配光制御装置、310…記憶部、320…制御部、321…情報取得部、322…ADB制御部、400…ヘッドライト
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-09-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学センサを含む複数のセンサの検出結果をもとに認識される自車両前方の物体の認識結果に基づいて自車両の運転支援を行う運転支援装置から、前記運転支援のために行われる支援動作の作動状況を示す情報を取得する取得部と、
自車両の前照灯の出力レベルの変更を含む配光制御を実施する配光制御部と、
を備え、
前記配光制御部は、前記支援動作の作動に伴って前記前照灯の出力レベルの変更を緩やかに実施する、
配光制御装置。
【請求項2】
前記前照灯は配光の変更が可能であり、
前記配光制御部は、前記支援動作の作動に伴って前記前照灯の調光を実施する場合、認識された前記物体の将来の位置を予測し、前記物体の予測位置方向において前記前照灯の出力レベルの変更を緩やかにする、
請求項1に記載の配光制御装置。
【請求項3】
前記配光制御部は、前記前照灯の出力レベルを変更したことにより、前記物体の認識に係る画像特徴量が、前記物体の認識することができない程度に変化した場合、前記前照灯の配光を変更前の状態に戻す、
請求項1または2に記載の配光制御装置。
【請求項4】
前記配光制御部は、前記前照灯の配光を変更前の状態に戻した後、前記物体の認識に係る画像特徴量が、前記物体の認識することができるまでに復旧した場合、前記物体の認識を行う物体認識装置に対して、前記光学センサの検出結果を除く検出結果に基づいて前記物体の認識を行うように指示する、
請求項に記載の配光制御装置。
【請求項5】
コンピュータが、
光学センサを含む複数のセンサの検出結果をもとに認識される自車両前方の物体の認識結果に基づいて自車両の運転支援を行う運転支援装置から、前記運転支援のために行われる支援動作の作動状況を示す情報を取得し、
自車両の前照灯の出力レベルの変更を含む配光制御を実施し、
前記配光制御において、前記支援動作の作動に伴って前記前照灯の出力レベルの変更を緩やかに実施する、
配光制御方法。
【請求項6】
コンピュータに、
光学センサを含む複数のセンサの検出結果をもとに認識される自車両前方の物体の認識結果に基づいて自車両の運転支援を行う運転支援装置から、前記運転支援のために行われる支援動作の作動状況を示す情報を取得させ、
自車両の前照灯の出力レベルの変更を含む配光制御を実施させ、
前記配光制御において、前記支援動作の作動に伴って前記前照灯の出力レベルの変更を緩やかに実施させる、
プログラム。