IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 本田技研工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-車両 図1
  • 特開-車両 図2
  • 特開-車両 図3
  • 特開-車両 図4
  • 特開-車両 図5
  • 特開-車両 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155845
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/02 20060101AFI20221006BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
B60S1/02 310
B60R11/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059269
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮成 瑛太郎
(72)【発明者】
【氏名】中島 匡貴
【テーマコード(参考)】
3D020
3D225
【Fターム(参考)】
3D020BA20
3D020BC02
3D020BD05
3D225AA02
3D225AC10
3D225AD02
3D225AG73
(57)【要約】
【課題】窓の曇りを効果的に抑制する。
【解決手段】車両1は、車内空間から窓を介して車外空間を撮影する撮影装置10と、地図情報に基づいて車両1の目的地までの経路を設定する経路設定装置18と、経路上の気象情報を外部から取得する気象情報取得装置18と、窓の曇りを抑制すべく窓を加熱する加熱装置19と、加熱装置19を制御する制御装置26と、を備え、制御装置26は、経路の情報及び気象情報に基づいて加熱装置19の稼働が推奨される稼働推奨区間が経路上に存在するか否かを判定し、稼働推奨区間が経路上に存在する場合に、車両1が稼働推奨区間に到達する前に加熱装置19の稼働を開始する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車内空間から窓を介して車外空間を撮影する撮影装置と、
地図情報に基づいて車両の目的地までの経路を設定する経路設定装置と、
前記経路上の気象情報を外部から取得する気象情報取得装置と、
前記窓の曇りを抑制すべく前記窓を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記経路の情報及び前記気象情報に基づいて前記加熱装置の稼働が推奨される稼働推奨区間が前記経路上に存在するか否かを判定し、前記稼働推奨区間が前記経路上に存在する場合に、前記車両が前記稼働推奨区間に到達する前に前記加熱装置の稼働を開始することを特徴とする車両。
【請求項2】
前記加熱装置に電力を供給するバッテリーと、
前記バッテリーに蓄えられる電力を発生させる発電装置と、を更に備え、
前記制御装置は、前記稼働推奨区間が前記経路上に存在する場合に、前記稼働推奨区間における前記加熱装置の消費電力を推定し、推定した前記消費電力に基づいて前記発電装置を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記制御装置は、推定した前記消費電力に基づいて前記稼働推奨区間において前記バッテリーの充電率が所定の下限値を下回るか否かを判定し、前記稼働推奨区間において前記バッテリーの充電率が前記下限値を下回ると判定した場合に、前記車両が前記稼働推奨区間に到達する前に、前記バッテリーの充電率を上昇させるべく前記発電装置の稼働を開始することを特徴とする請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記加熱装置の故障を検出する故障センサと、
前記加熱装置の故障を乗員に報知する報知装置と、を更に備え、
前記故障センサが前記加熱装置の故障を検出しており、且つ、前記稼働推奨区間が前記経路上に存在しない場合に、前記制御装置は、所定の条件が成立するまでの間は前記報知装置による前記加熱装置の故障の報知を禁止し、
前記故障センサが前記加熱装置の故障を検出しており、且つ、前記稼働推奨区間が前記経路上に存在する場合に、前記制御装置は、前記所定の条件が成立するか否かに関わらず前記報知装置による前記加熱装置の故障の報知を許可することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の車両。
【請求項5】
前記制御装置は、所定の稼働条件が成立するときに前記加熱装置を稼働させ、
前記故障センサが前記加熱装置の故障を検出しており、前記稼働推奨区間が前記経路上に存在せず、且つ、前記稼働条件が成立することなく前記車両が前記目的地に到着した場合に、前記制御装置は、前記車両が前記目的地に到着したときに前記報知装置による前記加熱装置の故障の報知を許可することを特徴とする請求項4に記載の車両。
【請求項6】
前記故障センサが前記加熱装置の故障を検出しており、前記稼働推奨区間が前記経路上に存在せず、且つ、前記車両が前記目的地に到着するまでの間に前記稼働条件が成立した場合に、前記制御装置は、前記稼働条件が成立したときに前記報知装置による前記加熱装置の故障の報知を許可することを特徴とする請求項5に記載の車両。
【請求項7】
前記制御装置は、PWM制御によって前記加熱装置を制御し、前記車両が前記稼働推奨区間に到達するまでの間の前記加熱装置のデューティー比を、前記車両が前記稼働推奨区間を走行している間の前記加熱装置のデューティー比よりも低く設定することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の車両。
【請求項8】
前記気象情報取得装置が外部から取得する前記気象情報には、通過予想時刻における前記経路上の各区間の前記気象情報と、前記通過予想時刻から所定時間遡った時刻における前記経路上の各区間の前記気象情報と、が含まれることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓の曇りを抑制すべく窓を加熱する加熱装置を備えた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、窓の曇りを抑制すべく窓を加熱する加熱装置を備えた車両が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、窓部材を加熱可能なヒータと、外部の電力供給装置から電力を受電する受電手段と、受電手段が電力供給装置から電力を受電している場合に、ヒータを作動状態に制御する制御手段と、を備えた車両が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-111121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来技術では、車両が置かれている環境に基づいてヒータの作動が必要か否かを判定し、ヒータの作動が必要と判定した場合にヒータを作動状態に制御している。このような制御では、車両の目的地までの経路上においてヒータの作動が必要になるか否かを的確に判定するのは困難であり、窓の曇りを効果的に抑制することができない恐れがある。
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑み、窓の曇りを効果的に抑制することが可能な車両を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、車両(1)であって、車内空間(SP1)から窓(6)を介して車外空間(SP2)を撮影する撮影装置(10)と、地図情報に基づいて前記車両の目的地までの経路を設定する経路設定装置(18)と、前記経路上の気象情報を外部から取得する気象情報取得装置(18)と、前記窓の曇りを抑制すべく前記窓を加熱する加熱装置(19)と、前記加熱装置を制御する制御装置(26)と、を備え、前記制御装置は、前記経路の情報及び前記気象情報に基づいて前記加熱装置の稼働が推奨される稼働推奨区間が前記経路上に存在するか否かを判定し、前記稼働推奨区間が前記経路上に存在する場合に、前記車両が前記稼働推奨区間に到達する前に前記加熱装置の稼働を開始する。
【0008】
この態様によれば、経路の情報及び気象情報に基づいて稼働推奨区間が経路上に存在するか否かを的確に判定することができる。また、稼働推奨区間が経路上に存在する場合には、車両が稼働推奨区間に到達する前に加熱装置を予備的に稼働させ、窓の温度を上昇させておくことができる。これにより、窓の曇りを効果的に抑制することができる。
【0009】
上記の態様において、前記車両は、前記加熱装置に電力を供給するバッテリー(24)と、前記バッテリーに蓄えられる電力を発生させる発電装置(25)と、を更に備え、前記制御装置は、前記稼働推奨区間が前記経路上に存在する場合に、前記稼働推奨区間における前記加熱装置の消費電力を推定し、推定した前記消費電力に基づいて前記発電装置を制御しても良い。
【0010】
この態様によれば、稼働推奨区間における加熱装置の消費電力の推定値に基づいて、発電装置に適切な量の電力を発生させることができる。そのため、発電装置がバッテリーの容量を超える量の電力を発生させる事態を回避することができ、発電装置の稼働によるエネルギー損失を抑制することができる。
【0011】
上記の態様において、前記制御装置は、推定した前記消費電力に基づいて前記稼働推奨区間において前記バッテリーの充電率が所定の下限値を下回るか否かを判定し、前記稼働推奨区間において前記バッテリーの充電率が前記下限値を下回ると判定した場合に、前記車両が前記稼働推奨区間に到達する前に、前記バッテリーの充電率を上昇させるべく前記発電装置の稼働を開始しても良い。
【0012】
通常、加熱装置を稼働させるためには、バッテリーから加熱装置に比較的大きな電力を供給することが求められる。そのため、車両が稼働推奨区間に到達してから発電装置の稼働を開始すると、稼働推奨区間においてバッテリーの充電率が下限値を下回る恐れがある。上記の態様によれば、このような状況を踏まえ、必要に応じて車両が稼働推奨区間に到達する前に発電装置の稼働が開始される。そのため、加熱装置を稼働させるのに比較的大きな電力が消費されても、バッテリーの充電率を適切な値に保つことができる。
【0013】
上記の態様において、前記車両は、前記加熱装置の故障を検出する故障センサ(45)と、前記加熱装置の故障を乗員に報知する報知装置(17)と、を更に備え、前記故障センサが前記加熱装置の故障を検出しており、且つ、前記稼働推奨区間が前記経路上に存在しない場合(ST1:No)に、前記制御装置は、所定の条件が成立する(ST5、ST6:Yes)までの間は前記報知装置による前記加熱装置の故障の報知を禁止し、前記故障センサが前記加熱装置の故障を検出しており、且つ、前記稼働推奨区間が前記経路上に存在する場合(ST1:Yes)に、前記制御装置は、前記所定の条件が成立するか否かに関わらず前記報知装置による前記加熱装置の故障の報知を許可しても良い(ST2)。
【0014】
この態様によれば、稼働推奨区間が経路上に存在しない場合には、所定の条件が成立するまでの間は、加熱装置の故障の報知が禁止される。これにより、加熱装置の故障の報知によって乗員が煩わされるのを抑制することができる。一方で、稼働推奨区間が経路上に存在する場合には、所定の条件が成立するか否かに関わらず加熱装置の故障の報知が許可される。そのため、加熱装置が故障した状態で車両が稼働推奨区間を通過するような事態を回避することができる。
【0015】
上記の態様において、前記制御装置は、所定の稼働条件が成立するときに前記加熱装置を稼働させ、前記故障センサが前記加熱装置の故障を検出しており、前記稼働推奨区間が前記経路上に存在せず(ST1:No)、且つ、前記稼働条件が成立することなく(ST5:No)前記車両が前記目的地に到着した場合に(ST6:Yes)、前記制御装置は、前記車両が前記目的地に到着したときに前記報知装置による前記加熱装置の故障の報知を許可しても良い。
【0016】
この態様によれば、車両が目的地に到達するまでの間、加熱装置の故障の報知によって乗員が煩わされるのを抑制することができる。
【0017】
上記の態様において、前記故障センサが前記加熱装置の故障を検出しており、前記稼働推奨区間が前記経路上に存在せず(ST1:No)、且つ、前記車両が前記目的地に到着するまでの間に前記稼働条件が成立した場合に(ST5:Yes)、前記制御装置は、前記稼働条件が成立したときに前記報知装置による前記加熱装置の故障の報知を許可しても良い。
【0018】
この態様によれば、加熱装置の稼働条件が成立しているにも関わらず乗員が加熱装置の故障に気づかないような事態を回避することができる。
【0019】
上記の態様において、前記制御装置は、PWM制御によって前記加熱装置を制御し、前記車両が前記稼働推奨区間に到達するまでの間の前記加熱装置のデューティー比を、前記車両が前記稼働推奨区間を走行している間の前記加熱装置のデューティー比よりも低く設定しても良い。
【0020】
この態様によれば、車両が稼働推奨区間に到達するまでの間に、加熱装置の予備的な稼働によって大きな電力が消費されるのを抑制することができる。
【0021】
上記の態様において、前記気象情報取得装置が外部から取得する前記気象情報には、通過予想時刻における前記経路上の各区間の前記気象情報と、前記通過予想時刻から所定時間遡った時刻における前記経路上の各区間の前記気象情報と、が含まれても良い。
【0022】
この態様によれば、経路の情報及び気象情報に基づいて、稼働推奨区間が経路上に存在するか否かをより的確に判定することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上の構成によれば、窓の曇りを効果的に抑制することが可能な曇り止めシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係る車両を示す斜視図
図2】本発明の一実施形態に係るフロントウィンドウとその周辺部を示す断面図
図3】本発明の一実施形態に係る車両及び気象情報サーバを示すブロック図
図4】本発明の一実施形態に係る車両の制御フローの一例を示すシーケンス図
図5】本発明の一実施形態に係るバッテリーの充電率と経路上の車両の位置の関係を例示するグラフ
図6】本発明の一実施形態に係る故障報知制御を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0025】
<車両1>
まず、図1図3を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る車両1について説明する。
【0026】
図1を参照して、本実施形態に係る車両1は、自動車である。車両1は、前後方向に長い車体2を有する。車体2の内部には車内空間SP1が形成されており、車内空間SP1の前後方向中央部には乗員を収容する車室3が設けられている。車室3には、例えば、複数の前部座席4(運転席、助手席)と、前部座席4の後方に配置される複数の後部座席5と、が設けられている。なお、本実施形態では座席が前後に2列設けられているが、他の実施形態では座席が前後に1列だけ設けられていても良いし、座席が前後に3列以上設けられていても良い。
【0027】
車体2の前部には、前部座席4の前方にフロントウィンドウ6(窓の一例)が設けられている。フロントウィンドウ6は、ガラスによって形成されている。なお、他の実施形態では、フロントウィンドウ6がガラス以外の透明性材料(例えば、透明性樹脂)によって形成されていても良い。車体2の後部には、後部座席5の後方にリアウィンドウ7が設けられている。車体2の両側部には、前部座席4及び後部座席5の側方に複数のサイドドア8が設けられており、各サイドドア8の上部にはサイドウィンドウ9が設けられている。
【0028】
図1図2を参照して、フロントウィンドウ6の上部後方には、フロントカメラ10(撮影装置の一例)が設けられている。フロントカメラ10は、車内空間SP1からフロントウィンドウ6を介して車外空間SP2(本実施形態では、車両1の前方の空間)を撮影する装置である。フロントカメラ10は、例えば、CCDやCMOS等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。フロントカメラ10は、フロントウィンドウ6を介して前方から入射される光を収束させるレンズと、レンズによって収束された光を電気信号に変換するセンサと、を含む。なお、図2の矢印Pは、フロントカメラ10の視野(撮影可能範囲)を示している。
【0029】
図2を参照して、フロントカメラ10は、ブラケット11を介してフロントウィンドウ6の内面に取り付けられている。ブラケット11は、フロントカメラ10の周りに配置される本体部12と、本体部12から前方に延びるフード部13と、を含む。本体部12は、フロントウィンドウ6の内面に固定されている。フード部13は、フロントウィンドウ6と共にフロントカメラ10のレンズの前方の空間を囲んでいる。フード部13は、左右方向に延びる底壁13Aと、底壁13Aの左右両端部から上方に延びる左右両側壁13B(図2では、右側壁13Bのみを表示)と、を含む。
【0030】
図3を参照して、車両1は、推進装置14と、ブレーキ装置15と、ステアリング装置16と、HMI17(Human Machine Interface:報知装置の一例)と、ナビゲーション装置18(経路設定装置及び気象情報取得装置の一例)と、加熱装置19と、空調装置20と、乗員センサ21と、外界センサ22と、車両センサ23と、バッテリー24と、発電装置25と、制御装置26と、を備えている。
【0031】
推進装置14は、車両1に駆動力を付与する装置である。推進装置14は、例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関及び/又は電動モータを含む。
【0032】
ブレーキ装置15は、車両1に制動力を付与する装置である。ブレーキ装置15は、例えば、ブレーキロータにパッドを押し付けるブレーキキャリパと、ブレーキキャリパに油圧を供給する電動シリンダとを含む。
【0033】
ステアリング装置16は、車輪の舵角を変える装置である。ステアリング装置16は、例えば、車輪を転舵するラックアンドピニオン機構と、ラックアンドピニオン機構を駆動する電動モータとを含む。
【0034】
HMI17は、各種情報(例えば、加熱装置19の故障)を乗員に報知するとともに、乗員から入力操作を受け付ける装置である。HMI17は、例えば、タッチパネル、音声発生装置、イグニッションスイッチ等を含む。
【0035】
ナビゲーション装置18は、車両1の目的地への経路案内等を行う装置である。ナビゲーション装置18は、乗員から入力操作を受け付ける入力機器を含む。この入力機器は、HMI17の一部によって構成されていても良いし、HMI17とは別個に設けられていても良い。ナビゲーション装置18は、地図情報を記憶している。ナビゲーション装置18は、人工衛星から受信した信号に基づいて車両1の現在位置(緯度及び経度)を特定する。ナビゲーション装置18は、地図情報と車両1の現在位置と乗員が上記入力機器に入力した車両1の目的地とに基づいて、車両1の出発地(例えば、現在位置)から目的地までの経路を設定する。
【0036】
ナビゲーション装置18は、車両1の外部に設けられた気象情報サーバ27にインターネット等のネットワークNを介して接続されている。ナビゲーション装置18は、気象情報サーバ27から経路上の各区間における気象情報を取得する。
【0037】
加熱装置19は、フロントウィンドウ6を加熱することでフロントウィンドウ6の曇りを抑制する装置である。図2を参照して、加熱装置19は、フロントウィンドウ6の内面に接触する複数本の金属製の電熱線28によって構成されている。複数本の電熱線28のうちの少なくとも一部は、フロントカメラ10の視野(図2の矢印P参照)内に配置されていると良い。なお、他の実施形態では、加熱装置19は、ITOフィルム(Indium Tin Oxide Film)等の透明フィルムによって構成されていても良い。また、他の実施形態では、加熱装置19は、フロントウィンドウ6に内蔵されていても良いし、フロントウィンドウ6と間隔を介して対向していても良い。
【0038】
図3を参照して、空調装置20は、車内空間SP1の空気を調整する装置である。空調装置20は、車内空間SP1及び車外空間SP2に接続されたダクトと、ダクト内に設置されるエバポレータ及びヒータコアと、ダクト内に空気の流れを発生させるブロアファンと、ブロアファンを駆動させる電動モータと、を含む。空調装置20は、風量(ブロアファンの回転数)や空調モードを切り替え可能に設けられている。上記の空調モードには、例えば、車外空間SP2の空気を車内空間SP1に導入する外気導入モードと、車内空間SP1の空気を循環させる内気循環モードと、フロントウィンドウ6に向かって空気を吹き付けるデフロスタモードとが含まれる。
【0039】
乗員センサ21は、乗員の乗車状態を検出するセンサである。乗員センサ21は、乗員によるシートベルトの装着状態を検出するシートベルトセンサ35と、乗員を撮影する乗員カメラ36と、を含む。
【0040】
外界センサ22は、車外空間SP2に存在する物標(例えば、車両1の走行路上の障害物や区画線)を検出するセンサである。外界センサ22は、前述のフロントカメラ10と、ソナー38と、車外カメラ39と、を含む。
【0041】
車両センサ23は、車内空間SP1の状態、車外空間SP2の状態、車両1の走行状態、加熱装置19の状態、バッテリー24の状態等を検出するセンサである。車両センサ23は、車内空間SP1の温度(以下、「車内温度」と称する)を検出する車内温度センサ41と、車内空間SP1の湿度(以下、「車内湿度」と称する)を検出する車内湿度センサ42と、車外空間SP2の温度(以下、「車外温度」と称する)を検出する車外温度センサ43と、車速を検出する車速センサ44と、加熱装置19の故障を検出する故障センサ45と、バッテリー24の充電率(SOC:State Of Charge)を検出するバッテリーセンサ46とを含む。故障センサ45は、例えば、加熱装置19の温度及び/又は抵抗値に基づいて加熱装置19の故障を検出する。バッテリーセンサ46は、例えば、バッテリー24の電流値、電圧値、及び/又は温度に基づいてバッテリー24の充電率を検出する。
【0042】
バッテリー24は、車両1の各構成要素(例えば、加熱装置19)に電力を供給する装置である。バッテリー24は、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池によって構成されている。
【0043】
発電装置25は、バッテリー24に蓄積される電力を発生させる装置である。発電装置25は、例えば、推進装置14の内燃機関に接続されたオルタネータによって構成されており、AC/DCコンバータを介してバッテリー24に接続されている。なお、他の実施形態では、発電装置25は、推進装置14の電動モータによって構成されていても良い。即ち、他の実施形態では、推進装置14の電動モータが発生させる回生電力をバッテリー24に蓄積しても良い。
【0044】
制御装置26は、CPUやROM、RAM等から構成された電子制御ユニットである。制御装置26は、CAN(Controller Area Network)等の通信ネットワークによって車両1の各構成要素に接続されており、車両1の各構成要素を制御する。
【0045】
制御装置26は、外界認識部52と走行制御部53と曇り止め制御部54と発電制御部55と行動計画部56と記憶部57とを含む。
【0046】
制御装置26の外界認識部52は、外界センサ22の検出結果に基づいて、車外空間SP2に存在する物標(例えば、車両1の走行路上の障害物や区画線)の位置を認識する。例えば、外界認識部52は、フロントカメラ10が撮影した画像上の濃度値の変化を解析することで、車両1の前方に存在する物標の位置を認識する。
【0047】
制御装置26の走行制御部53は、外界センサ22や車両センサ23の検出結果に基づいて、車両1の走行を制御する。例えば、車速センサ44が検出した車速が所定の第1閾値速度以上である場合に、走行制御部53は、外界認識部52が認識した区画線の位置に基づいて車線維持制御を実行する。車線維持制御において、走行制御部53は、区画線によって区画される車線内の基準位置(例えば、車線の幅方向中央)を車両1が走行するように、ステアリング装置16を制御する。また、車速センサ44が検出した車速が所定の第2閾値速度以上である場合に、走行制御部53は、外界認識部52が認識した障害物の位置に基づいて衝突軽減制御を実行する。衝突軽減制御において、走行制御部53は、車両1と障害物との衝突が回避又は軽減されるように、ブレーキ装置15を制御する。
【0048】
制御装置26の曇り止め制御部54は、フロントウィンドウ6の曇りを抑制すべく、加熱装置19を制御する。例えば、曇り止め制御部54は、車両センサ23の検出結果等に基づいて、PWM制御によって加熱装置19を制御する。
【0049】
制御装置26の曇り止め制御部54は、所定の稼働条件が成立するときに加熱装置19を稼働させる。稼働条件は、例えば、車外温度が所定の閾値温度以下であるという条件を含む。なお、他の実施形態では、稼働条件が車外温度以外のパラメータ(例えば、車内空間SP1と車外空間SP2の温度差)に関する条件を含んでいても良い。
【0050】
制御装置26の発電制御部55は、バッテリーセンサ46が検出したバッテリー24の充電率に基づいて、発電装置25を制御する。例えば、発電制御部55は、バッテリー24の充電率の下限値と上限値を設定し、バッテリー24の充電率が下限値と上限値の間に収まるように発電装置25の稼働/停止や単位時間当たりの発電量を切り替える。
【0051】
制御装置26の行動計画部56は、ナビゲーション装置18が設定した経路に沿って車両1を目的地まで走行させるための行動計画を作成する。
【0052】
制御装置26の記憶部57は、メモリやHDD等によって構成されている。記憶部57は、車両1の制御に必要なプログラムやテーブル等を記憶している。
【0053】
<制御フロー>
次に、図4を参照しつつ、上記のような車両1における制御フローの一例について説明する。
【0054】
まず、乗員は、イグニッションスイッチをONにする(IG-ON)。これにより、車両1が起動する。次に、乗員は、ナビゲーション装置18の入力機器に車両1の目的地を入力する。乗員による目的地の入力が完了すると、ナビゲーション装置18は、地図情報と車両1の現在位置と目的地とに基づいて、車両1の出発地(例えば、現在位置)から目的地までの経路を設定する。更に、ナビゲーション装置18は、設定した経路に基づいて、車両1が経路上の各区間を通過する予想時刻(以下、「通過予想時刻」と称する)と車両1が目的地に到着する予想時刻(以下、「到着予想時刻」と称する)とを設定する。以下、ナビゲーション装置18が設定した経路、通過予想時刻、及び到着予想時刻に関する情報のことを「経路情報」と称する。
【0055】
次に、ナビゲーション装置18は、経路上の気象情報を要求する信号を経路情報とともに気象情報サーバ27に送信する。これに応じて、気象情報サーバ27は、経路上の気象情報をナビゲーション装置18に送信する。気象情報サーバ27がナビゲーション装置18に送信する経路上の気象情報には、例えば、以下の情報1~4が含まれる。
[情報1]通過予想時刻における経路上の各区間の気温、湿度、及び天候
[情報2]通過予想時刻から所定時間遡った時刻(以下、「通過基準時刻」と称する)における経路上の各区間の天候
[情報3]到着予想時刻における目的地の気温、湿度、及び天候
[情報4]到着予想時刻から所定時間遡った時刻(以下、「到着基準時刻」と称する)における目的地の天候
【0056】
次に、ナビゲーション装置18は、ゲートウェイ(図示せず)を介して、経路情報と経路上の気象情報を制御装置26に送信する。これに応じて、制御装置26の行動計画部56は、経路情報及び経路上の気象情報に基づいて、加熱装置19の稼働が推奨される稼働推奨区間が経路上に存在するか否かを判定する(稼働推奨判定)。
【0057】
行動計画部56は、例えば、以下の条件1~5の少なくとも1つが成立する場合に、稼働推奨区間が経路上に存在すると判定する。
[条件1]通過予想時刻における経路上の各区間の気温及び/又は到着予想時刻における目的地の気温が所定の基準温度以下であること
[条件2]通過予想時刻における経路上の各区間の湿度及び/又は到着予想時刻における目的地の気温が所定の基準湿度以上であること
[条件3]通過予想時刻における経路上の各区間の天候及び/又は到着予想時刻における目的地の天候が所定の稼働推奨天候(例えば、雨や雪)であること
[条件4]通過基準時刻における経路上の各区間の天候及び/又は到着基準時刻における目的地の天候が上記の稼働推奨天候であること
[条件5]目的地の標高が出発地の標高よりも所定の基準高さ以上高いこと
【0058】
経路上のある区間の気温、湿度、又は天候について上記の条件1~4の少なくとも1つが成立する場合に、行動計画部56は、当該区間を稼働推奨区間に設定すると良い。目的地の気温、湿度、又は天候について上記の条件1~4の少なくとも1つが成立する場合に、行動計画部56は、経路上の区間のうちの目的地に最も近い区間を稼働推奨区間に設定すると良い。上記の条件5が成立する場合に、行動計画部56は、経路上の区間のうちのすべての条件成立区間(即ち、出発地よりも基準高さ以上標高が高い地点を含む区間)を稼働推奨区間に設定すると良い。
【0059】
次に、行動計画部56は、上記の稼働推奨判定の判定結果に基づいて、経路上における車両1の行動計画を作成する。行動計画は、加熱装置19の稼働/停止タイミングに関する計画、加熱装置19のデューティー比に関する計画、発電装置25の稼働/停止タイミングに関する計画、発電装置25の稼働率(発電率)に関する計画等を含む。
【0060】
稼働推奨区間が経路上に存在する場合に、行動計画部56は、車両1が稼働推奨区間に到達する前に加熱装置19の稼働が開始されるように行動計画を作成する。例えば、行動計画部56は、車両1が稼働推奨区間に到達する時刻を推定し、推定した時刻から所定時間遡った時刻に加熱装置19の稼働が開始されるように行動計画を作成すると良い。行動計画部56は、稼働推奨区間よりも手前側(出発地に近い側)の区間における加熱装置19のデューティー比が稼働推奨区間における加熱装置19のデューティー比よりも低くなるように行動計画を設定すると良い。
【0061】
稼働推奨区間が経路上に存在する場合に、行動計画部56は、稼働推奨区間における加熱装置19の消費電力(以下、「加熱消費電力」と称する)を推定する。例えば、行動計画部56は、通過予想時刻における稼働推奨区間の気温が低い程、加熱消費電力を大きく推定すると良い。また、行動計画部56は、通過予想時刻における稼働推奨区間の湿度が低い程、加熱消費電力を大きく推定すると良い。
【0062】
図5を参照して、稼働推奨区間が経路上に存在する場合に、行動計画部56は、加熱消費電力に基づいて稼働推奨区間におけるバッテリー24の充電率の推移を推定し、稼働推奨区間においてバッテリー24の充電率が下限値を下回るか否かを判定する。稼働推奨区間においてバッテリー24の充電率が下限値を下回ると判定した場合(図5の実線L1参照)、行動計画部56は、車両1が稼働推奨区間に到達する前にバッテリー24の充電率を上昇させるべく発電装置25が稼働を開始するように行動計画を作成する(図5の破線L2参照)。
【0063】
行動計画部56による行動計画の作成が完了し、車両1の走行が開始されると、制御装置26の曇り止め制御部54は、行動計画部56が作成した行動計画に基づいて加熱装置19を制御する。例えば、稼働推奨区間が経路上に存在する場合に、曇り止め制御部54は、車両1が稼働推奨区間に到達する前にバッテリー24からの電力によって加熱装置19の稼働を開始し、フロントウィンドウ6の温度を上昇させる。但し、曇り止め制御部54は、車両1が稼働推奨区間に到達するまでの間の加熱装置19のデューティー比を、車両1が稼働推奨区間を走行している間の加熱装置19のデューティー比よりも低く設定する。
【0064】
また、車両1の走行が開始されると、発電制御部55は、行動計画部56が作成した行動計画に基づいて発電装置25を制御する。より具体的には、稼働推奨区間が経路上に存在する場合に、発電制御部55は、加熱消費電力(稼働推奨区間における加熱装置19の消費電力)に基づいて発電装置25を制御する。例えば、稼働推奨区間が経路上に存在し、且つ、稼働推奨区間においてバッテリー24の充電率が下限値を下回る場合に、発電制御部55は、車両1が稼働推奨区間に到達する前に発電装置25の稼働を開始する(即ち、発電装置25に発電を開始させる)。これにより、車両1が稼働推奨区間に到達する前に発電装置25からバッテリー24に供給される電力によってバッテリー24が充電され、バッテリー24の充電率が上昇する。
【0065】
以上のように、稼働推奨区間が経路上に存在する場合に、曇り止め制御部54は、車両1が稼働推奨区間に到達する前に加熱装置19の稼働を開始する。これにより、車両1が稼働推奨区間に到達する前に加熱装置19を予備的に稼働させ、フロントウィンドウ6の温度を上昇させておくことができる。これにより、フロントウィンドウ6の曇りを効果的に抑制することができる。
【0066】
また、曇り止め制御部54は、車両1が稼働推奨区間に到達するまでの間の加熱装置19のデューティー比を、車両1が稼働推奨区間を走行している間の加熱装置19のデューティー比よりも低く設定している。これにより、車両1が稼働推奨区間に到達するまでの間に、加熱装置19の予備的な稼働によって大きな電力が消費されるのを抑制することができる。
【0067】
また、稼働推奨区間が経路上に存在する場合に、発電制御部55は、加熱消費電力(稼働推奨区間における加熱装置19の消費電力)に基づいて発電装置25を制御する。これにより、稼働推奨区間における加熱装置19の消費電力の推定値に基づいて、発電装置25に適切な量の電力を発生させることができる。そのため、発電装置25がバッテリー24の容量を超える量の電力を発生させる事態を回避することができ、発電装置25の稼働によるエネルギー損失を抑制することができる。
【0068】
通常、加熱装置19を稼働させるためには、バッテリー24から加熱装置19に比較的大きな電力を供給することが求められる。そのため、車両1が稼働推奨区間に到達してから発電装置25の稼働を開始すると、稼働推奨区間においてバッテリー24の充電率が下限値を下回る恐れがある。そこで、稼働推奨区間においてバッテリー24の充電率が下限値を下回ることが推定される場合に、発電制御部55は、車両1が稼働推奨区間に到達する前に、バッテリー24の充電率を上昇させるべく発電装置25の稼働を開始する(図5の破線L2参照)。そのため、加熱装置19を稼働させるのに比較的大きな電力が消費されても、バッテリー24の充電率を適切な値に保つことができる。
【0069】
また、ナビゲーション装置18が外部の気象情報サーバ27から取得する気象情報には、通過予想時刻における経路上の各区間の気象情報と、通過基準時刻(通過予想時刻から所定時間遡った時刻)における経路上の各区間の気象情報と、が含まれている。そのため、通過予想時刻において経路上の各区間で雨や雪が降るか否かだけでなく、通過予想時刻において経路上の各区間に雨水や雪が残っているか否かを予測することができる。これにより、経路情報及び経路上の気象情報に基づいて、稼働推奨区間が経路上に存在するか否かをより的確に判定することができる。
【0070】
<故障報知制御>
次に、図6を参照しつつ、制御装置26の行動計画部56が実行する故障報知制御について説明する。故障報知制御は、故障センサ45が加熱装置19の故障を検出している場合に、加熱装置19の故障を乗員に報知するか否かを決定するための制御である。以下、故障報知制御の開始時において車両1が出発地で停止していることを前提に説明を行うが、他の実施形態では、故障報知制御の開始時において車両1がすでに走行を開始していても良い。
【0071】
故障報知制御が開始されると、行動計画部56は、稼働推奨区間が経路上に存在するか否かを判定する(ステップST1)。このステップST1における判定は、前述の制御フローにおける稼働推奨判定と同様であるため、説明を省略する。
【0072】
稼働推奨区間が経路上に存在する場合(ステップST1:Yes)、行動計画部56は、加熱装置19の故障をHMI17に報知させる(ステップST2)。例えば、行動計画部56は、加熱装置19が故障したことを示すメッセージをHMI17のタッチパネルに表示させる。
【0073】
一方で、稼働推奨区間が経路上に存在しない場合(ステップST1:No)、行動計画部56は、HMI17に加熱装置19の故障を報知させることなく、車両1の走行を開始する(ステップST3)。
【0074】
次に、行動計画部56は、車外温度センサ43の検出結果に基づいて車外温度を取得する(ステップST4)。
【0075】
次に、行動計画部56は、加熱装置19の稼働条件が成立するか否かを判定する。例えば、行動計画部56は、ステップST4で取得した車外温度が所定の閾値温度(本実施形態では、20℃)以下である場合に、加熱装置19の稼働条件が成立すると判定する。一方で、行動計画部56は、ステップST4で取得した車外温度が閾値温度よりも高い場合に、加熱装置19の稼働条件が成立しないと判定する。
【0076】
加熱装置19の稼働条件が成立する場合(ステップST5:Yes)、行動計画部56は、加熱装置19の故障をHMI17に報知させる(ステップST2)。
【0077】
一方で、加熱装置19の稼働条件が成立しない場合(ステップST5:No)、行動計画部56は、車両1が目的地に到着したか否かを判定する(ステップST6)。車両1が目的地に到着した場合(ステップST6:Yes)、行動計画部56は、加熱装置19の故障をHMI17に報知させる(ステップST2)。一方で、車両1が目的地に到着していない場合(ステップST6:No)、行動計画部56は、車両1の走行を継続したまま、ステップST4~ステップST6を繰り返す。
【0078】
以上のように、故障センサ45が加熱装置19の故障を検出しており、且つ、稼働推奨区間が経路上に存在しない場合に、行動計画部56は、所定の条件(ステップST5、ステップST6参照)が成立するまでの間はHMI17による加熱装置19の故障の報知を禁止する。これにより、加熱装置19の故障の報知によって乗員が煩わされるのを抑制することができる。
【0079】
一方で、故障センサ45が加熱装置19の故障を検出しており、且つ、稼働推奨区間が経路上に存在する場合に、行動計画部56は、所定の条件が成立するか否かに関わらずHMI17による加熱装置19の故障の報知を許可する。そのため、加熱装置19が故障した状態で車両1が稼働推奨区間を通過するような事態を回避することができる。
【0080】
また、故障センサ45が加熱装置19の故障を検出しており、稼働推奨区間が経路上に存在せず、且つ、稼働条件が成立することなく車両1が目的地に到着した場合に、行動計画部56は、車両1が目的地に到着したときにHMI17による加熱装置19の故障の報知を許可する。これにより、車両1が目的地に到達するまでの間、加熱装置19の故障の報知によって乗員が煩わされるのを抑制することができる。
【0081】
また、故障センサ45が加熱装置19の故障を検出しており、稼働推奨区間が経路上に存在せず、且つ、車両1が目的地に到着するまでの間に稼働条件が成立した場合に、行動計画部56は、稼働条件が成立したときにHMI17による加熱装置19の故障の報知を許可する。これにより、加熱装置19の稼働条件が成立しているにも拘わらず乗員が加熱装置19の故障に気づかないような事態を回避することができる。
【0082】
上記の実施形態では、曇り止めシステムXによってフロントウィンドウ6の曇りを抑制しているが、他の実施形態では、曇り止めシステムXによってリアウィンドウ7やサイドウィンドウ9の曇りを抑制しても良い。言い換えると、上記の実施形態では、フロントカメラ10を撮影装置の一例としているが、他の実施形態では、リアカメラやサイドカメラ(いずれも図示せず)を撮影装置の一例としても良い。
【0083】
以上で具体的な実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態や変形例に限定されることなく、幅広く変形実施することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 :車両
6 :フロントウィンドウ(窓の一例)
10 :フロントカメラ(撮影装置の一例)
17 :HMI(報知装置の一例)
18 :ナビゲーション装置(経路設定装置及び気象情報取得装置の一例)
19 :加熱装置
24 :バッテリー
25 :発電装置
26 :制御装置
45 :故障センサ
SP1 :車内空間
SP2 :車外空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6