(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155848
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20221006BHJP
G01N 21/84 20060101ALI20221006BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G06Q50/04
G01N21/84 Z
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059275
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】391053696
【氏名又は名称】JOHNAN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】特許業務法人あーく特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森山 孝三
(72)【発明者】
【氏名】亀山 晋
(72)【発明者】
【氏名】ヴ ヤ チュン
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス ブルックス
【テーマコード(参考)】
2G051
3C100
5L049
【Fターム(参考)】
2G051AA90
2G051AB02
2G051AC30
2G051CA04
2G051DA05
2G051EA14
2G051EB05
2G051EB09
2G051EC06
3C100AA22
3C100AA29
3C100AA58
3C100AA70
3C100BB15
3C100BB17
3C100BB27
3C100BB33
5L049CC04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】作業品質の向上を促すことが可能な情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理システム100は、ワークに対して作業を行う作業者の動作を取得する動作取得装置1と、作業者による作業後のワークの外観を検査する外観検査装置2と、動作取得装置1により取得された作業者の動作と、外観検査装置2の検査結果とを関連付けて記憶するデータベースと、データベースに蓄積された情報に基づいて、作業者の動作と検査結果との相関を推定する情報処理装置3と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに対して作業を行う作業者の動作を取得する動作取得装置と、
作業者による作業後のワークの外観を検査する外観検査装置と、
前記動作取得装置により取得された作業者の動作と、前記外観検査装置の検査結果とを関連付けて記憶するデータベースと、
前記データベースに蓄積された情報に基づいて、作業者の動作と検査結果との相関を推定する情報処理装置とを備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記データベースは、作業者の動作および検査結果に加えて、作業者を識別するためのデータを関連付けて記憶するように構成され、
前記情報処理装置は、前記データベースに蓄積された情報に基づいて、作業者の動作と検査結果と作業者を識別するためのデータとの相関を推定するように構成されていることを特徴とする情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業者の異常を検出して通報するシステムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のシステムは、作業者の動作を取得するウェアラブルデバイスと、作業者の異常動作を検出するモバイルPCとを備え、モバイルPCが作業者の異常動作を検出した場合にオペレータ端末に通報するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、少量多品種生産、変種変量生産などのニーズの高まりにより、セル生産方式などにおいて作業者が複雑な作業を行うことが多くなっており、作業品質を向上させることについて改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、作業品質の向上を促すことが可能な情報処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による情報処理システムは、ワークに対して作業を行う作業者の動作を取得する動作取得装置と、作業者による作業後のワークの外観を検査する外観検査装置と、動作取得装置により取得された作業者の動作と、外観検査装置の検査結果とを関連付けて記憶するデータベースと、データベースに蓄積された情報に基づいて、作業者の動作と検査結果との相関を推定する情報処理装置とを備える。
【0008】
このように構成することによって、作業者の動作と検査結果との相関を作業者にフィードバックすることにより、作業品質の向上を促すことができる。
【0009】
上記情報処理システムにおいて、データベースは、作業者の動作および検査結果に加えて、作業者を識別するためのデータを関連付けて記憶するように構成され、情報処理装置は、データベースに蓄積された情報に基づいて、作業者の動作と検査結果と作業者を識別するためのデータとの相関を推定するように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の情報処理システムによれば、作業品質の向上を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態による情報処理システムの概略構成を示したブロック図である。
【
図2】本実施形態の情報処理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を説明する。
【0013】
まず、
図1を参照して、本発明の一実施形態による情報処理システム100の構成について説明する。
【0014】
情報処理システム100は、作業者の動作とその作業結果との相関を推定するように構成されている。たとえば、情報処理システム100は、セル生産方式の生産現場などを管理するために用いられる。この情報処理システム100は、
図1に示すように、動作取得装置1と、外観検査装置2と、情報処理装置3とを備えている。
【0015】
動作取得装置1は、ワークに対して作業を行う作業者の動作を取得するように構成されている。作業者の動作には、たとえば、作業者が作業を行う際の位置、姿勢および移動速度などが含まれる。動作取得装置1は、ワークに対して作業を行う作業者を撮像する三次元カメラと、三次元カメラの撮像結果が入力される動作推定部とを含んでいる。
【0016】
三次元カメラは、たとえば、RGB-Dカメラであり、作業者を撮像してRGB-D画像を取得するように構成されている。RGB-D画像は、RGB画像(カラー画像)および深度画像を含んでおり、RGB画像における各ピクセルの深さ情報を有する。
【0017】
動作推定部は、三次元カメラからのRGB-D画像に基づいて、作業者の骨格の各部位の位置(三次元位置)を算出するように構成されている。作業者の骨格の部位の一例として、肩、肘および手首などの関節を挙げることができるが、それに限定されるものではない。そして、動作推定部では、作業者の骨格の各部位の経時変化により、作業者の動作を推定することが可能である。
【0018】
外観検査装置2は、作業者による作業後のワークの外観を検査するために設けられている。外観検査装置2は、作業後のワークを撮像して、そのワークの良否判定を行うように構成されている。たとえば、ワークに傷がある場合、ワークに汚れがある場合、ワークに不要な凹みがある場合、および、ワークに部品が適切に実装されていない場合などに、ワークが不良品であると判定される。なお、外観検査装置2の検査結果には、良否に加えて、不良品である場合のその不良内容が含まれている。
【0019】
情報処理装置3は、作業者の動作と検査結果とを関連付けてDB(データベース)32aに記憶し、そのDB32aに蓄積された情報に基づいて作業者の動作と検査結果との相関を推定するように構成されている。この推定された相関が作業者にフィードバックされることにより、作業品質の向上を促すことが可能である。たとえば、作業者の所定の動作(一例として、作業者の工具の使用態様や、作業者のワークの把持態様等)と不良品の発生とに高い相関があった場合には、作業マニュアルの改定などにより、所定の動作の改善が作業者に促されるようになっている。なお、改定後の作業マニュアルには、たとえば、所定の動作と代替可能で良品との相関が高い動作が規定される。具体例として、ねじの締付作業に関して、左手での締付動作が不良品の発生と高い相関を示す一方、右手での締付動作が良品と高い相関を示す場合には、ねじの締付作業を右手で行うことが作業マニュアルに規定される。このため、作業手順を細かく規定することが可能になる。
【0020】
また、情報処理装置3は、演算部31と、記憶部32と、入力部33とを含んでいる。演算部31は、記憶部32に記憶されたプログラムなどに基づいて演算処理を実行することにより、情報処理装置3を制御するように構成されている。記憶部32には、相関を推定するためのプログラムやDB32aなどが記憶されている。入力部33には、動作取得装置1および外観検査装置2が接続されており、動作取得装置1から作業者の動作が入力されるとともに、外観検査装置2の検査結果が入力されている。DB32aでは、少なくとも作業者の動作と検査結果とがカラム(項目)として設定され、多数のレコードを格納可能である。
【0021】
-情報処理システムの動作-
次に、
図2を参照して、本実施形態による情報処理システム100の動作について説明する。
【0022】
まず、
図2のステップS1において、動作取得装置1により、ワークに対して作業を行う作業者の動作が取得される。動作取得装置1が取得した作業者の動作は、情報処理装置3に出力される。
【0023】
次に、ステップS2において、外観検査装置2により、作業者による作業後のワークの外観が検査される。すなわち、作業後のワークの良否が判定される。外観検査装置2の検査結果は、情報処理装置3に出力される。
【0024】
次に、ステップS3において、情報処理装置3により、作業者の動作と検査結果とが関連付けられてDB32aに記録される。このため、DB32aにレコードが追加される。
【0025】
次に、ステップS4において、DB32aに所定数以上のレコードが蓄積されたか否かが判断される。この所定数は、たとえば、予め設定された数であり、作業者の動作と検査結果との相関を推定するために最低限必要とされる数である。そして、DB32aに所定数以上のレコードが蓄積されている場合には、ステップS5に移る。その一方、DB32aに所定数以上のレコードが蓄積されていない場合には、ステップS1に戻り、レコードの蓄積が行われる。
【0026】
そして、ステップS5では、情報処理装置3により、作業者の動作と検査結果との相関が推定される。この推定された相関は、作業者にフィードバックされる。
【0027】
-効果-
本実施形態では、上記のように、作業者の動作と検査結果とを関連付けて蓄積して、作業者の動作と検査結果との相関を推定することによって、その相関を作業者にフィードバックすることにより、作業品質の向上を促すことができる。たとえば、作業者の所定の動作と不良品の発生とに高い相関があった場合には、作業マニュアルの改定などにより、所定の動作の改善を作業者に促して、不良品の発生を抑制することができる。
【0028】
-他の実施形態-
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0029】
たとえば、上記実施形態では、情報処理装置3がDB32aを有する例を示したが、これに限らず、情報処理装置とDBとが別個に設けられていてもよい。
【0030】
また、上記実施形態において、動作取得装置1が作業者を識別可能に構成されており、DB32aには、作業者の動作および検査結果に加えて、作業者を識別するための作業者IDが関連付けて記憶されるようにしてもよい。すなわち、DB32aのカラムに作業者IDが含まれていてもよい。そして、情報処理装置3は、DB32aに蓄積された情報に基づいて、作業者の動作と検査結果と作業者IDとの相関を推定するように構成されていてもよい。このようにすれば、作業者毎の傾向を把握することが可能となり、作業者毎に指導を行うことができる。なお、作業者IDに代えて、作業者名がDB32aに記憶されるようにしてもよい。作業者IDおよび作業者名は、本発明の「作業者を識別するためのデータ」の一例である。
【0031】
また、上記実施形態において、動作取得装置1が作業者を撮像するカメラと、外観検査装置2がワークを撮像するカメラとが、それぞれ個別に設けられていてもよいし、動作取得装置1および外観検査装置2でカメラが共用されるようにしてもよい。
【0032】
また、上記実施形態において、
図2のフローチャートのステップS4は、情報処理システム100を利用するユーザが判断するようにしてもよいし、情報処理装置3によって判断されるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、情報処理システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 動作取得装置
2 外観検査装置
3 情報処理装置
32a DB(データベース)
100 情報処理システム