(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155886
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】洗浄機
(51)【国際特許分類】
A47L 15/42 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
A47L15/42 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059321
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】岡田 勝城
(72)【発明者】
【氏名】山本 剛一
(72)【発明者】
【氏名】津森 衛
【テーマコード(参考)】
3B082
【Fターム(参考)】
3B082BE00
(57)【要約】
【課題】ダクトの内部にファンが設けられた洗浄機において、ダクトの上部内面に付着した結露がファンに落下することを抑制できる洗浄機を提供する。
【解決手段】食器洗浄機1は、洗浄機本体2と、洗浄室3と洗浄機本体2の外部空間との間を連通し、上下方向に延在する第一連通路S1と、前後方向に第一連通路S1から外部空間まで延在する第二連通路S2とを有する排気ダクト61と、第一連通路S1に配置され、洗浄室3において発生した水蒸気を凝縮して、水蒸気の包含量が減少した空気に変換する熱交換器90と、第二連通路S2の内部に配置され、空気を吸い込んで外部空間に向かって送り出す排気ファン95と、排気ファン95と第二連通路S2を形成する排気ダクト61の内面76aとの間に配置され、排気ファン95の一部であるファンケーシング95aを上方から覆う第一カバー81を有するカバー80と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物を収容する洗浄室を形成する本体部と、
前記洗浄室と前記本体部の外部空間との間を連通しており、前記洗浄室に形成された開口部から上方に向かって延在する第一連通路と、前記第一連通路が延在する第一方向と交差する第二方向に前記第一連通路から前記外部空間まで延在する第二連通路と、を有するダクトと、
前記第一連通路に配置されており、前記洗浄室において発生した水蒸気を凝縮して、前記水蒸気の包含量が減少した空気に変換する熱交換部と、
前記第二連通路の内部に配置されており、前記空気を吸い込んで前記外部空間に向かって送り出すファンと、
前記ファンと前記第二連通路を形成する前記ダクトの上部内面との間に配置され、前記ファンの少なくとも一部を上方から覆う第一カバーを有するカバーと、を備える、洗浄機。
【請求項2】
前記第二連通路は、前記外部空間に向かって上方に傾斜するように形成されており、
前記ファンは、前記第二連通路に沿って斜め上方に前記空気を送り出すように配置されている、請求項1記載の洗浄機。
【請求項3】
前記カバーは、前記ファンによって前記空気が吸い込まれる領域を上方から覆う第二カバーを有しており、
前記第二カバーは、前記第一カバーから前記ファンの送り出し方向とは反対方向に向かって延在している、請求項1又は2記載の洗浄機。
【請求項4】
前記カバーは、前記第二方向において前記ファンから離れるにつれて下方に傾斜するように形成されている、請求項1~3の何れか一項記載の洗浄機。
【請求項5】
前記第二連通路を形成する前記ダクトに固定されると共に、前記ファン及び前記カバーを前記第二連通路に配置するブラケットを更に備え、
前記ブラケットの上端と前記ダクトの上部内面との間には隙間が形成されており、
前記カバーは、前記カバーの上面と前記ダクトの上部内面との間を前記空気が流通可能となるように、前記ブラケットの上端に固定されている、請求項1~4の何れか一項記載の洗浄機。
【請求項6】
前記第二連通路を形成する前記ダクトに固定されると共に、前記ファン及び前記カバーを前記第二連通路に配置するブラケットを更に備え、
前記ブラケットは、樹脂製のスペーサを介して前記ダクトに固定されている、請求項1~4の何れか一項記載の洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
被洗浄物を収容する洗浄室と、洗浄室において発生した水蒸気を凝縮して水蒸気の包含量が減少した空気に変換する熱交換部と、熱交換部によって変換された空気を排出する排出部に連通するダクトと、ダクトの内部に配置され、空気を排出部方向に誘導するファンと、を備えた洗浄機が知られている。特許文献1の洗浄機のダクトは、上下方向(延長方向)に延在する部分と、上下方向と交差する前後方向に延在する部分とを有しており、ファンは、上記ダクトのうち前後方向に延在する部分に設けられている。この洗浄機では、上下方向に延在する部分にファンが設けられる構成と比べ、結露の発生によってファンに結露水が落下することによる不具合の発生を抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の洗浄機では、ダクトのうち上下方向に延在する部分にファンを設ける場合と比べて、ファンに直接落下する結露水の量を抑えることができるものの、それでもなお、使用環境や条件によっては、前後方向に延在するダクトの上部内面に付着した結露水がファンに落下することがある。
【0005】
そこで、本発明は、ダクトの内部にファンが設けられた洗浄機において、ダクトの上部内面に付着した結露水がファンに落下することを抑制できる洗浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る洗浄機は、被洗浄物を収容する洗浄室を形成する本体部と、洗浄室と本体部の外部空間との間を連通しており、洗浄室に形成された開口部から上方に向かって延在する第一連通路と、第一連通路が延在する第一方向と交差する第二方向に第一連通路から外部空間まで延在する第二連通路と、を有するダクトと、第一連通路に配置されており、洗浄室において発生した水蒸気を凝縮して、水蒸気の包含量が減少した空気に変換する熱交換部と、第二連通路の内部に配置されており、空気を吸い込んで外部空間に向かって送り出すファンと、ファンと第二連通路を形成するダクトの上部内面との間に配置され、ファンの少なくとも一部を上方から覆う第一カバーを有するカバーと、を備える。
【0007】
この構成の洗浄機では、ファンと第二連通路を形成するダクトの上部内面との間に、ファンの少なくとも一部を上方から覆う第一カバーを有するカバーが設けられているので、ダクトの上部内面に発生し、付着した結露水の一部は、ファンには落下せず、カバーに落下するようになる。これにより、ダクトの内部にファンが設けられた洗浄機において、ダクトの上部内面に付着した結露水がファンに落下することを抑制できる。
【0008】
本発明に係る洗浄機では、第二連通路は、外部空間に向かって上方に傾斜するように形成されており、ファンは、第二連通路に沿って斜め上方に空気を送り出すように配置されていてもよい。この構成では、第二連通路を形成するダクトの上部内面に発生し、付着した結露水は、第一連通路に向かって下方傾斜するダクトの上部内面を伝って第一連通路側に流れていく。これにより、ダクトの上部内面からファンに結露水が落下する可能性を小さくすることができる。
【0009】
本発明に係る洗浄機では、カバーは、ファンによって空気が吸い込まれる領域を上方から覆う第二カバーを有しており、第二カバーは、第一カバーからファンの送り出し方向とは反対方向に向かって延在していてもよい。この構成では、ファンが作動することによって発生する風に、ダクトの上部内面から落下する結露水が流されてファンに付着することを抑制できる。
【0010】
本発明に係る洗浄機では、カバーは、第二方向においてファンから離れるにつれて下方に傾斜するように形成されていてもよい。この構成では、ダクトの上部内面からカバーに落下した結露水が、第二方向に沿って流れやすくして、カバーに結露水が滞留することを抑止することができる。
【0011】
本発明に係る洗浄機は、第二連通路を形成するダクトに固定されると共に、ファン及びカバーを第二連通路に配置するブラケットを更に備え、ブラケットの上端とダクトの上部内面との間には隙間が形成されており、カバーは、カバーの上面とダクトの上部内面との間を空気が流通可能となるように、ブラケットの上端に固定されていてもよい。この構成では、ダクトの上部内面とカバーの上面との間に隙間が設けられるので、ダクトからブラケットへの熱影響を低減できる。すなわち、この構成では、外気の冷たい熱がダクトからブラケットへ伝わることを低減して、ブラケットにおいて結露が発生することを抑制できる。また、この構成では、ダクトの上部内面とカバーの上面との間に隙間が設けられることで、その隙間に風の流れを生じさせることができる。これにより、ダクトの上部内面に結露が発生することを抑制できる。
【0012】
本発明に係る洗浄機は、第二連通路を形成するダクトに固定されると共に、ファン及びカバーを第二連通路に配置するブラケットを更に備え、ブラケットは、樹脂製のスペーサを介してダクトに固定されていてもよい。この構成では、ダクトとブラケットとの間に樹脂スペーサが設けられることで、外気の冷たい熱がダクトからブラケットへ伝わることが低減され、ブラケットにおいて結露が発生することを抑制できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ダクトの内部にファンが設けられた洗浄機において、ダクトの天板に付着した結露水がファンに落下することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る食器洗浄機の斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係る食器洗浄機の概略構成を示す断面図である。
【
図3】
図3は、食器洗浄機の熱交換ユニットを示す断面図である。
【
図4】
図4は、熱交換ユニットを示す斜視図である。
【
図5】
図5は、左右方向から見た第二筐体の構成を示した断面図である。
【
図6】
図6は、第二筐体から上面部を外した状態を示した斜視図である。
【
図7】
図7は、第二筐体を分解して示した斜視図である。
【
図8】
図8は、水平面に沿って第二筐体を切断したときの斜め上方から見た斜視図である。
【
図9】
図9は、左右方向から見た第二筐体の構成を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。以下の説明においては、説明の便宜のため、
図1で規定する方向(上下方向、前後方向、左右方向(幅方向))を定義する。
図8では、ブラケットを簡略化して示し、排気ファンの図示を省略している。
【0016】
図1及び
図2に示されるように、食器洗浄機(洗浄機)1は、ステンレス製のパネルで覆われた洗浄機本体(本体部)2を有している。洗浄機本体2は、洗浄室3が形成された上側部分2Aと、機械室4が形成された下側部分2Bとに仕切られている。洗浄機本体(本体部)2の背面側におけるコーナ部には、上側部分2Aと下側部分2Bとに渡って上下方向に延びる支柱6が配置され、支柱6,6間には背面パネル5が配置されている。
【0017】
洗浄機本体2の上側部分2Aには、洗浄室3の開閉を行うための箱型のドア7が設けられている。このドア7は、ステンレス製の一対の支柱6,6により上下動自在に案内されると共に、前方において水平方向に延在するハンドル8Aによって上下動する。ドア7は、上下方向において最下高さ位置に位置して、洗浄室3を閉じる第一位置P1(
図3参照)と、上下方向において最高高さ位置に位置して、洗浄室3を開く第二位置P2(
図3参照)と、の間で移動する。
【0018】
このハンドル8Aの両端には左右一対の回動アーム8B,8Bの先端が固定され、回動アーム8B,8Bはドア7の側面7Aに沿って斜めに配置されている。回動アーム8B,8Bには、ドア7の側面7Aに沿って配置されたリンク部8Cの一端が回動自在に連結され、リンク部8Cの他端は、軸ピン8Dを介してドア7に連結されており、ハンドル8Aの回動運動に対してドア7が上下運動可能となっている。洗浄機本体2の底面の四隅には脚部9が取り付けられている。
【0019】
図2に示されるように、洗浄室3内には、ラックレール11が着脱自在に配置されており、このラックレール11上に、飲食後の皿や茶碗等の食器(被洗浄物)が並べられた格子状の食器ラックが載置される。洗浄室3の上部には、放射状に延びる三本のアームからなる上側洗浄ノズル12Aと、二本のアームからなる上側すすぎノズル13Aとがそれぞれ回転自在に配置されている。同様に、洗浄室3の下部には、放射状に延びる三本のアームからなる下側洗浄ノズル12Bと、二本のアームからなる下側すすぎノズル13Bとがそれぞれ回転自在に配置されている。食器ラックに並べられた食器は、上側洗浄ノズル12A及び下側洗浄ノズル12Bによって上下から洗浄水が噴射され、上側すすぎノズル13A及び下側すすぎノズル13Bによって上下からすすぎ水が噴射される。
【0020】
洗浄室3の底部には、機械室4内に突出するように洗浄水タンク15が設けられている。洗浄室3と洗浄水タンク15との間には、フィルタ18が着脱自在に配置されている。洗浄水タンク15の前面には、洗浄水吸込口を介して洗浄ポンプ23が接続されている。洗浄ポンプ23の吐出口には洗浄水吐出管21が接続されている。洗浄水吐出管21は、第一洗浄水吐出管21Aと第二洗浄水吐出管21Bとに分岐する。第一洗浄水吐出管21Aは上側洗浄ノズル12Aに接続され、第二洗浄水吐出管21Bは下側洗浄ノズル12Bに接続されている。
【0021】
機械室4内には、外部から給水管(図示せず)を介してすすぎ水が供給されるすすぎ水タンク25が配置されている。すすぎ水タンク25には、すすぎ水吸込管29を介してすすぎポンプ27が接続されている。すすぎポンプ27の吐出口にはすすぎ水吐出管31が接続されている。すすぎ水吐出管31は、第一すすぎ水吐出管31Aと第二すすぎ水吐出管31Bとに分岐して、第一すすぎ水吐出管31Aは上側すすぎノズル13Aに接続され、第二すすぎ水吐出管31Bは下側すすぎノズル13Bに接続されている。第一すすぎ水吐出管31Aは、第一洗浄水吐出管21A内に配置されている。すなわち、第一洗浄水吐出管21A及び第一すすぎ水吐出管31Aは、二重管構造を成している。
【0022】
機械室4内には、食器洗浄機1の動作全般を制御するコントローラ50が内蔵された電装ボックス(図示せず)等が収容されている。
【0023】
洗浄機本体2は、洗浄室3を形成する。
図3に示されるように、洗浄機本体2は、洗浄室3内の水蒸気を排気する開口部2Hを有する。開口部2Hは、背面パネル5を厚み方向(前後方向)に貫通して形成されている。開口部2Hは、洗浄機本体2の背面パネル5の上方に配置されている。開口部2Hは、洗浄機本体2の幅方向に沿って延在している。
【0024】
図1、
図3~
図5に示されるように、食器洗浄機1は、熱交換ユニット60を備えている。熱交換ユニット60は、洗浄機本体2の洗浄室3から排出された水蒸気を取り込んで、取り込んだ水蒸気を凝縮して水蒸気の包含量が減少した空気(以下、単に「空気」とも称する。)を外部空間に排出するユニットである。外部空間とは、洗浄室3を形成する洗浄機本体2の外部空間を意味している。熱交換ユニット60は、排気ダクト(ダクト)61と、熱交換器(熱交換部)90と、排気ファン(ファン)95と、ブラケット78と、カバー80と、を有している。
【0025】
排気ダクト61は、洗浄室3と洗浄機本体2の外部空間との間を連通しており、洗浄室3に形成された開口部2Hから上方に向かって延在する第一連通路S1と、第一連通路S1が延在する上下方向(第一方向)と交差する前後方向(第二方向)に第一連通路S1から外部空間まで延在する第二連通路S2と、を有している。本実施形態の第二連通路S2は、外部空間に向かって上方に傾斜するように形成されている。また、排気ダクト61は、第一連通路S1を形成する第一筐体62と、第一連通路S1の一部及び第二連通路S2を形成する第二筐体70とを有している。第一筐体62及び第二筐体70は、例えばステンレス鋼によって形成されている。
【0026】
第一筐体62は、洗浄機本体2の背面に設けられており、上下方向に延在している。第一筐体62には、吸気口62aと、連通口62bとが形成されている。吸気口62aは、水蒸気を第一筐体62の内部(第一連通路S1)に取り入れる。吸気口62aは、第一筐体62の下部に設けられており、洗浄機本体2の背面パネル5に設けられた開口部2Hに接続されている。これにより、洗浄機本体2の洗浄室3と第一筐体62とが連通する。連通口62bは、第二筐体70の連通口70aに連通している。これにより、第一筐体62と第二筐体70とが連通する。
【0027】
第一筐体62は、フレーム63,63と、フレーム63,63を覆うパネル64と、ブラケット65,65と、を有している。パネル64によって囲まれる空間は、第一連通路S1であり、かつ後段にて詳述する熱交換器90が配置される空間である。ブラケット65,65は、第一筐体62を、洗浄機本体2の背面パネル5に固定する。より詳細には、ブラケット65,65は、第一筐体62の下端部に設けられており、洗浄機本体2の背面パネル5の上端部に固定されている。
【0028】
熱交換器90は、第一筐体62の内部である第一連通路S1に配置されている。熱交換器90は、洗浄室3において発生した水蒸気を凝縮して、水蒸気の包含量が減少した空気に変換する。熱交換器90は、フィン及び流路管(いずれも図示せず)等を有している。流路管の一端には、給水管(図示せず)が接続されている。給水管は、流路管に水を供給する。給水管には、図示しない水道等の水源から水が供給される。流路管の他端には、排水管(図示せず)が接続されている。排水管は、流路管を通過した水を排出する。排水管は、すすぎ水タンク25(
図2参照)に接続されている。すなわち、熱交換器90の流路管を流通した水は、すすぎ水タンク25(
図2参照)に排出される。熱交換器90は、第一筐体62の内部である第一連通路S1を流通する水蒸気と接触する。熱交換器90は、流路管を流通する水と水蒸気との間で熱交換を行う。
【0029】
第二筐体70は、第一筐体62の上方かつ洗浄機本体2の上方に設けられており、前後方向に延在している。第二筐体70は、連通口70aと、開口部77aとが形成されている。連通口70aは、第一筐体62の連通口62bに連通している。これにより、第一筐体62と第二筐体70とが連通する。開口部77aは、第二筐体70の前側端部に形成されている。開口部77aは、水蒸気の包含量が減少した空気を外部空間に排出する。
【0030】
図5~
図8に示されるように、第二筐体70は、本体部71と、背面部74と、上面部75と、を有している。
【0031】
本体部71は、第二連通路S2の底面部分及び側面部分を形成する。本体部71は、底面部72と、一対の側面部73,73と、固定部71aと、を有している。底面部72と一対の側面部73,73と固定部71aとは、例えばプレス加工等によって一体的に形成されている。底面部72は、前方に向かって上方に傾斜している。底面部72の水平面に対する傾きは、例えば7度である。
【0032】
一対の側面部73,73は、第二連通路S2の側面部分を形成する。固定部71aは、第一筐体62のフレーム63に固定される部分である。側面部73の後端には後フランジ73aが形成されており、ネジ等で背面部74に固定される。側面部73の上端には上フランジ73bが形成されており、ネジ等で天面部76に固定される。側面部73の前端には前フランジ73cが形成されており、ネジ等で上面部75の前面部77に固定される。
【0033】
背面部74は、第二連通路S2の背面部分を形成する。言い換えれば、背面部74は、第二連通路S2の前後方向における一方の端部である後端を形成する。背面部74の下端には下フランジ74aが形成されており、ネジ等で第一筐体62のフレーム63に固定される。背面部74の上端には上フランジ74bが形成されており、ネジ等で天面部76に固定される。
【0034】
上面部75は、第二連通路S2の上面部分及び前面部分を形成する。上面部75は、天面部76と、前面部77と、を有している。天面部76と前面部77とは、例えばプレス加工等によって一体的に形成されている。天面部76は、前方に向かって上方に傾斜している。天面部76の水平面に対する傾きは、例えば7度である。
【0035】
前面部77は、第二連通路S2の前面部分を形成する。言い換えれば、前面部77は、第二連通路S2の前後方向における他方の端部である前端を形成する。前面部77の下端には下フランジ77bが形成されており、ネジ等で本体部71の底面部72に固定される。前面部77は、複数の開口部77aが形成されている。前面部77に形成される複数の開口部77aは、前方に空気を排出する。前面部77は、後段にて詳述する排気ファン95を前方から覆い、空気の排出を可能にしつつも作業者等が排気ファン95に接触することを防止する。前面部77は、上下方向において最高高さ位置に位置するドア7(すなわち、洗浄室3を開放状態にするドア7の第二位置P2)よりも上方かつドア7の上方の空間に向けて前方に空気を排出するように設けられている(
図3参照)。
【0036】
ブラケット78は、第二連通路S2を形成する第二筐体70に固定されると共に、排気ファン95及びカバー80を第二連通路S2に配置する部材である。ブラケット78は、平板部78aと、取付口78bと、上フランジ78cと、側方フランジ78dと、下フランジ78eと、を有している。平板部78aと、上フランジ78cと、側方フランジ78dと、下フランジ78eとは、例えばプレス加工等によって一体的に形成されている。
【0037】
平板部78aには、各取付口78bを覆うように、後段にて詳述する排気ファン95が固定される。排気ファン95は、ネジ98Aによって平板部78aに固定される。本実施形態では、平板部78aの取付面側にナット98Bが設けられており、ファンケーシング95aに形成された挿通孔95b及びナット98Bに挿通したネジ98Aを平板部78aにネジ固定することによって、排気ファン95をブラケット78に固定する。平板部78aの取付面とファンケーシング95aとの間には、ナット98Bの高さに相当する隙間G2が形成されている。隙間G2は、例えば、3mm~5mmである。
【0038】
ブラケット78の両側端に形成される側方フランジ78dは、ネジ等で本体部71の側面部73に固定される。これにより、ブラケット78は、第二筐体70に固定される。本体部71の側面部73とブラケット78の側方フランジ78dとの間には、平板状の樹脂性のスペーサ79が配置される。熱伝導性が相対的に低い樹脂性のスペーサ79の材料の例には、ABS樹脂が含まれる。
【0039】
ブラケット78の上端に形成される上フランジ78cは、ネジ等で後段にて詳述するカバー80が固定される。上フランジ78cに取り付けられるカバー80の上面80aと天面部76の内面76aとの間には、上下方向に2mm~4mm程度の隙間G3が形成されている。
【0040】
ブラケット78の下端の一部には下フランジ78eが形成されている。本実施形態のブラケット78の下端と本体部71の底面部72との間、及びブラケット78の下フランジ78eと本体部71の底面部72との間には、上下方向に0.8mm~4mm程度の隙間G1が形成されている。
【0041】
排気ファン95は、空気を吸い込んで外部空間に向かって送り出す。排気ファン95は、開口部2Hから熱交換ユニット60に水蒸気を取り込んで開口部77aから空気を排出する空気の流れを作り出す機能も有している。排気ファン95は、羽根等を収容すると共に、羽根の回転軸と当該回転軸に沿う内面との間に環状の流路を形成するファンケーシング95aと、羽根を回転駆動するモータを水密に格納するモータケーシング95cと、を有している。モータケーシング95cは、ファンケーシング95aの前面に、前方に向かって突出するように設けられている。排気ファン95は、上記環状の流路に配置される羽根を回転させることによって、ファンケーシング95aの後面から空気を取り込み、ファンケーシング95aの前面に空気を送り出す。なお、
図6及び
図7では、ファンケーシング95aから風が送り出される環状の流路の図示は省略している。排気ファン95は、上述したとおり、ブラケット78に固定されることによって第二連通路S2に固定される。本実施形態の排気ファン95は、第二連通路S2に沿って斜め上方に空気を送り出すように配置されている。排気ファン95は、左右方向に沿って並んで配置されている。排気ファン95の数は、適宜(例えば、四個)設置される。
【0042】
カバー80は、第一カバー81と、第二カバー82と、を有している。第一カバー81は、ブラケット78に固定するための取付部83を有している。第二カバー82は、ブラケット78に固定するための取付部83を有している。取付部83は、第一カバー81と第二カバー82とで共有されている。第一カバー81と、第二カバー82と、取付部83とは、一体的に形成されている。第一カバー81は、排気ファン95と天面部76の内面76a(ダクトの上部内面)との間に設けられており、排気ファン95の少なくとも一部を上方から覆っている。本実施形態の第一カバー81は、排気ファン95の一部であるファンケーシング95aを上方から全て覆えるようなサイズに形成されている。
【0043】
具体的には、第一カバー81の前後方向におけるサイズは、その前端81aが、ファンケーシング95aの前端(本実施形態では、下側のネジ98Aが挿通される位置)よりも前方に位置するように形成されている。前後方向におけるブラケット78の前端から第一カバー81の前端81aまでの長さL1の例は、例えば40mmである。また、第一カバー81の左右方向(幅方向)におけるサイズは、その左右両端が、左右方向における排気ファン95の両端部よりも外側に位置するように形成されている。
【0044】
第一カバー81は、その取付部83がブラケット78の上フランジ78cにネジ等で固定されることによって、ブラケット78に固定される。すなわち、第一カバー81は、ブラケット78から前方に張り出すように配置されている。第一カバー81は、前後方向において排気ファン95から離れるにつれて下方に傾斜するように形成されている。第一カバー81の水平方向に対する傾きは、例えば3度である。
【0045】
第二カバー82は、排気ファン95と天面部76の内面76a(ダクトの上部内面)との間に設けられており、排気ファン95によって空気が吸い込まれる領域SBを上方から覆っている。本実施形態の第二カバー82は、天面部76から落下する結露水Wが、排気ファン95の作動によって作り出される風の流れ(
図9参照)によってブラケット78又は排気ファン95の吸込口に付着しないようなサイズに形成されている。前後方向におけるブラケット78の後端から第二カバー82の後端82aまでの長さL2の例は、例えば40mmである。また、第二カバー82の左右方向(幅方向)のサイズは、第一カバー81と同様に、その左右両端が、左右方向における排気ファン95の両端部よりも外側に位置するように形成されている。
【0046】
第二カバー82は、その取付部83がブラケット78の上フランジ78cにネジ等で固定されることによって、ブラケット78に固定される。すなわち、第二カバー82は、第一カバー81がブラケット78から張り出す前方とは反対方向の後方に張り出すように配置されている。第二カバー82は、前後方向において排気ファン95から離れるにつれて下方に傾斜するように形成されている。第二カバー82の水平方向に対する傾きは、例えば17度である。
【0047】
ブラケット78の上フランジ78cに固定されるカバー80の上面80aと天面部76の内面76aとの間には、上述した隙間G3が形成されている。すなわち、カバー80は、カバー80の上面80aと天面部76の内面76aとの間の隙間G3を空気が流通可能となるように、ブラケット78の上端である上フランジ78cに固定されている。
【0048】
続いて、食器洗浄機1の動作について説明する。食器洗浄機1は、電源スイッチがONされると、すすぎ水タンク25内の温水をすすぎポンプ34によって洗浄室3へ噴射することにより、洗浄水タンク15内へ温水が供給される。すすぎ水タンク25内の温水の温度は、例えば、80℃前後に設定されている。これにより初期給湯が行われる。そして、初期給湯量に合った量の洗剤が洗浄水タンク15内へ供給されて、洗浄水タンク15内の洗浄水の洗剤濃度が所定濃度となる。
【0049】
初期給湯後、ユーザが食器をラッキングして、ドア7を閉めると、ドアスイッチにより、ドアが閉められたことが検知されると共に、運転開始信号がコントローラ50へ入力される。運転開始信号がコントローラ50へ入力されると、食器の洗浄が開始される。食器の洗浄は、洗浄水タンク15内の洗浄水を洗浄室3内の食器に向けて噴射することにより行われる。洗浄水タンク15内の洗浄水の温度は、例えば、60℃~70℃となるように設定されている。
【0050】
洗浄ポンプ23が始動することにより、洗浄水タンク15内に貯留された洗浄水は、洗浄水吐出管24等を介して上側洗浄ノズル12A及び下側洗浄ノズル12Bに圧送されて、上側洗浄ノズル12A及び下側洗浄ノズル12Bから洗浄室3内の食器に向けて噴射される。このとき、上側洗浄ノズル12A及び下側洗浄ノズル12Bは噴射力の反力によって回転し続けるため、洗浄水が食器に満遍なく当てられて、食器の汚れが効率良く洗い落とされる。
【0051】
この洗浄室3内に噴射された洗浄水は、食器から洗い落とされた残菜等がフィルタ18によって取り除かれつつ洗浄水タンク15内に回収される。洗浄水タンク15内に回収された洗浄水は、洗浄ポンプ23により再び洗浄室3内に循環供給される。洗浄水による食器の洗浄が所定時間行われると、洗浄ポンプ23の作動を停止する。これにより、食器洗浄機1の動作が一時的に休止する。
【0052】
次に、すすぎポンプ34が始動することにより、すすぎ水タンク25内に貯留されたすすぎ水は、すすぎ水吐出管36等を介して上側すすぎノズル13A及び下側すすぎノズル13Bに圧送されて、上側すすぎノズル13A及び下側すすぎノズル13Bから食器に向けて噴射される。すすぎ水タンク25から圧送されるすすぎ水の温度は、例えば、80℃前後に設定されている。このとき、上側すすぎノズル13A及び下側すすぎノズル13Bもまた、噴射力の反力によって回転し続けるため、すすぎ水が食器に満遍なく当てられて、食器のすすぎが効率良く行われる。
【0053】
この食器に噴射されたすすぎ水は、フィルタ18を介して洗浄水タンク15内に回収されて洗浄水と混ざり合い、次回の洗浄工程における洗浄水として使用される。洗浄室3内にすすぎ水が噴射されて洗浄水タンク15内に回収されると、一定水位を超える余剰な洗浄水は、オーバーフロー管(図示省略)から外部に排出される。
【0054】
上側すすぎノズル13A及び下側すすぎノズル13Bから食器Pにすすぎ水が噴射されると、洗浄室3内に水蒸気が発生する。本実施形態の食器洗浄機1では、すすぎ工程が開始されると排気ファン95が作動を開始し、洗浄室3内で発生した水蒸気を開口部2Hを介して熱交換ユニット60に取り込む。なお、排気ファン95の作動開始タイミングは、このタイミングに限定されず、上側洗浄ノズル12A及び下側洗浄ノズル12Bから水が噴射される洗浄工程から開始されてもよい。
【0055】
熱交換ユニット60に取り込まれた水蒸気は、熱交換器90が配置された第一連通路S1を流通する。熱交換器90では、第一連通路S1を流通する「水蒸気」と、熱交換器90を流通する「水」との間で熱交換が行われる。これにより、熱交換器90からは、水蒸気の包含量が減少した空気が送り出される。排気ファン95の作動により洗浄室3内の水蒸気の回収が所定時間行われると、排気ファン95の作動が停止される。排気ファン95の作動が停止されると、熱交換器90への水蒸気の流通が停止する。このとき、洗浄室3内には、水蒸気(湯気)がほとんど存在していない。
【0056】
熱交換器90から送り出される空気は、比較的暖かい空気であるので、
図9に示されるように、熱交換器90より下流側の第二筐体70の内面には、第二筐体70の外面との温度差により、結露が発生し易い状態となる。特に、第二筐体70の天面を形成する天面部76の内面76aは結露が発生し、結露水Wが付着し易い状況となる。当該内面76aは、後方に向かって下方に傾斜しているので当該内面76aに付着した結露水Wは、内面76aに沿って後方に流れ、第一筐体62(第一連通路S1)を通過して洗浄室3に回収される。
【0057】
上述した通り、天面部76の内面76aに付着した結露水Wは後方に流れるものの、その一部は、排気ファン95が設置された領域SAや、排気ファン95が空気を取り込む領域SBに落下する。このように排気ファン95が設置された領域SAや、排気ファン95が空気を取り込む領域SBに落下しようとする結露水Wは、カバー80の上面80aに落下する。第一カバー81の上面80aに落下した結露水Wは、前方に向かって下方に傾斜している第一カバー81に沿って前方に流れ、第一カバー81の前端81aから落下する。第一カバー81の前端81aから落下する結露水Wは、前後方向におけるファンケーシング95aより前方の底面部72に落下する。底面部72に落下した結露水Wは、後方に向かって下方に傾斜している底面部72に沿って、ブラケット78と底面部72との隙間G1を通過して後方に流れる。そして、その結露水Wは、第一筐体62(第一連通路S1)を通過して洗浄室3に回収される。
【0058】
第二カバー82の上面80aに落下した結露水Wは、後方に向かって下方に傾斜している第二カバー82に沿って流れ、第二カバー82の後端82aから落下する。第二カバー82の後端82aから落下する結露水Wは、排気ファン95の作動によって作り出される風の流れに沿って前方に流されるが、ブラケット78にまで流されることはなく、第一筐体62(第一連通路S1)に落下して洗浄室3に回収される。
【0059】
続いて、本実施形態の食器洗浄機1の作用効果について説明する。上記実施形態の食器洗浄機1では、排気ファン95と天面部76の内面76aとの間に、排気ファン95の一部であるファンケーシング95aを上方から覆う第一カバー81を有するカバー80が設けられている。これにより、天面部76の内面76aに付着した結露水Wの一部は、カバー80に落下するようになり、天面部76の内面76aに付着した結露水Wが排気ファン95の一部であるファンケーシング95aに落下することを抑制できる。これにより、結露水Wがファンケーシング95aに落下することによる不具合、例えば、結露水Wによるファンケーシング95aの汚れ、腐食、結露水Wによる汚れ部分と排気ファン95の羽根又は回転軸等とが接触することによって発生する異常音等の不具合の発生を抑制できる。
【0060】
なお、上記実施形態では、第一カバー81は、ファンケーシング95aを上方から覆うように設けられているので、結露水Wの一部は、モータケーシング95cに落下する。ところが、上述したとおりモータケーシング95cは水密にモータを格納しているので、結露水Wによるモータの不具合を心配する必要はない。また、モータケーシング95cに結露水Wが落下して付着したとしても、ファンケーシング95aから送り出される風によって結露水Wは吹き飛ばされる。
【0061】
また、本実施形態の食器洗浄機1では、排気ファン95と天面部76の内面76aとの間にカバー80を設けることで、当該カバー80が風向板として機能し、排気ファン95による風の流量を向上させることができる。
【0062】
上記実施形態の食器洗浄機1の第二連通路S2は、外部空間に向かって上方に傾斜するように形成されており、排気ファン95は、第二連通路S2に沿って斜め上方に空気を送り出すように配置されている。この構成では、第二連通路S2を形成する天面部76の内面76aに付着した結露水Wは、後方に向かって下方傾斜する天面部76の内面76aを伝って第一筐体62側に流れていく。これにより、天面部76の内面76aから排気ファン95のファンケーシング95aに結露水Wが落下する可能性を小さくすることができる。
【0063】
上記実施形態の食器洗浄機1は、第一カバー81から排気ファン95の送り出し方向とは反対方向に向かって延在する第二カバー82が設けられている。これにより、排気ファン95が作動することによって発生する風に、天面部76の内面76aから落下した結露水Wが流されて排気ファン95のファンケーシング95aに付着することを抑制できる。
【0064】
上記実施形態の食器洗浄機1のカバー80は、前後方向において排気ファン95から離れるにつれて下方に傾斜するように形成されているので、天面部76の内面76aからカバー80に落下した結露水Wが前後方向に沿って流れやすくしてカバー80から結露水Wを落下させ、カバー80に結露水Wが滞留することを抑止することができる。また、この構成のカバー80では、隙間G3に流れ込む流路が後方に向かって広がった構造となり、隙間G3から流れ出る流路が前方に向かって広がった構造となる。これにより、隙間G3を通過する風の流れが良くなる。
【0065】
上記実施形態の食器洗浄機1では、
図5に示されるように、天面部76の内面76aとカバー80の上面80aとの間に隙間G3が設けられるので、第二筐体70からブラケット78への熱影響を低減できる。すなわち、本実施形態の食器洗浄機1では、外気の冷たい熱が第二筐体70からブラケット78へ伝わることを低減して、ブラケット78において結露が発生することを抑制できる。本実施形態の食器洗浄機1では、天面部76の内面76aとカバー80の上面80aとの間に隙間G3が設けられることで、その隙間G3に風の流れを生じさせることができる。排気ファン95の作動によって作り出される風の一部は、天面部76の内面76aとカバー80の上面80aとの間の隙間G3を、後方から前方に流れる。これにより、天面部76の内面76aに結露が発生することを抑制できる。
【0066】
上記実施形態の食器洗浄機1のブラケット78は、樹脂性のスペーサ79を介して第二筐体70に固定されている。これにより、外気の冷たい熱が第二筐体70からブラケット78へ伝わることが低減され、ブラケット78において結露が発生することを抑制できる。
【0067】
上述したとおり、本実施形態では第一カバー81が設けられているので、天面部76の内面76aからファンケーシング95aに落下する結露水Wは抑制されるものの、第一カバー81の下面、排気ファン95のファンケーシング95a又はブラケット78において結露が発生することがある。そして、このような部位で発生した結露水Wが、ファンケーシング95aとブラケット78との間に入り込んでその場に留まり、汚れ等が堆積される場合がある。本実施形態では、ファンケーシング95aとブラケット78との隙間G2が設けられているので、ファンケーシング95aとブラケット78との間に結露水Wが流れ込んだとしても、結露水Wは、隙間G2を介して底面部72に流れでる。これにより、ファンケーシング95aとブラケット78との間に結露水Wが留まることを抑制できる。
【0068】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0069】
上記実施形態の食器洗浄機1では、第二筐体70が形成する第二連通路S2が外部空間に向かって上方に傾斜するように形成されている例を挙げて説明したが、外部空間に向かって水平方向に延在していてもよい。
【0070】
上記実施形態及び変形例の食器洗浄機1では、第一筐体62と第二筐体70とが別体として構成されている例を挙げて説明したが、一体的な筐体として構成されてもよい。
【0071】
上記実施形態及び変形例の食器洗浄機1の第一カバー81は、排気ファン95の一部であるファンケーシング95aを上方から覆っている例を挙げて説明したが、排気ファン95の全て、すなわちファンケーシング95a及びモータケーシング95cの両方を上方から覆ってもよい。
【0072】
本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態、上記変形例及びその他の変形例として記載の内容を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1…食器洗浄機(洗浄機)、2…洗浄機本体(本体部)、2H…開口部、3…洗浄室、60…熱交換ユニット、61…排気ダクト、62…第一筐体、70…第二筐体、71…本体部、72…底面部、73…側面部、74…背面部、75…上面部、76…天面部、77…前面部、78…ブラケット、79…スペーサ、80…カバー、80a…上面、81…第一カバー、82…第二カバー、90…熱交換器、95…排気ファン(ファン)、95a…ファンケーシング、95c…モータケーシング、S1…第一連通路、S2…第二連通路。