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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155915
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】アプリケーションプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
G06F3/12 360
G06F3/12 304
G06F3/12 326
G06F3/12 357
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059360
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 冬湖
(57)【要約】
【課題】オペレーティングシステムに自動機能が搭載されている情報処理装置において、遠隔地に設置されたプリンタに画像を印刷させる際の、ユーザの手間を軽減する技術を提供すること。
【解決手段】電子デバイス1のOS21は、トリガとアクションとを示す手続きデータが登録されている場合に、トリガを検出したことに応じてアクションを自動的に実行する連結プログラム211を有する。印刷アプリ22は、ユーザ操作に基づいて起動される場合と連結プログラム211によって起動される場合とがあり、ユーザ操作に基づいて起動された場合、CPU11に手動出力処理を実行させる。連結プログラム211によって起動された場合、印刷アプリ22は、OS21から起動時に印刷対象のデータを含む入力情報を取得し、ローカルネットワーク外のサーバ3と接続する接続情報を取得し、印刷対象のデータに基づく印刷ジョブを、サーバ3を経由してプリンタ4に出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータによって実行可能なアプリケーションプログラムであって、前記情報処理装置のオペレーティングシステムは、自動機能を有し、前記自動機能は、複数の機能や操作の一連の手続きと、前記一連の手続きを起動する条件である起動条件と、を示す手続きデータが、前記オペレーティングシステムに登録されている場合に、前記オペレーティングシステムが、前記起動条件を満たしたことに応じて前記一連の手続きを自動的に実行する機能であり、
前記アプリケーションプログラムは、前記情報処理装置のユーザインタフェースを用いたユーザ操作に基づいて起動される場合と、前記オペレーティングシステムが有する前記自動機能に基づいて起動される場合と、があり、
さらに前記アプリケーションプログラムは、
前記コンピュータに、
前記情報処理装置の前記ユーザインタフェースを用いたユーザ操作に基づいて起動された場合に、印刷対象のデータの選択を前記ユーザインタフェースを用いて受け付け、選択された印刷対象のデータに基づく印刷ジョブを出力する手動出力処理を実行させ、
さらに前記コンピュータに、
前記オペレーティングシステムが有する前記自動機能に基づいて起動された場合に、前記オペレーティングシステムから起動時に入力される入力情報であって、印刷対象のデータを含む前記入力情報を取得する印刷対象取得処理と、ローカルネットワーク外にある特定のサーバであってプリンタと接続する前記特定のサーバと接続するための接続情報を取得する接続情報取得処理と、前記印刷対象取得処理にて取得した前記入力情報に含まれる前記印刷対象のデータに基づく印刷を行わせる印刷ジョブを、前記接続情報取得処理にて取得した前記接続情報を用いて、前記特定のサーバを経由して前記プリンタに出力する自動出力処理と、を実行させる、
ことを特徴とするアプリケーションプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載するアプリケーションプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記特定のサーバと接続するための前記接続情報を登録する接続情報登録処理を実行させ、
前記接続情報取得処理では、
前記接続情報登録処理によって登録された前記接続情報を読み出すことによって、前記接続情報を取得する、
ことを特徴とするアプリケーションプログラム。
【請求項3】
請求項1に記載するアプリケーションプログラムにおいて、
前記接続情報取得処理では、
前記印刷対象取得処理にて取得した前記入力情報から前記接続情報を取得し、前記オペレーティングシステムに登録される前記手続きデータには、出力先のプリンタの指定が含まれ、前記オペレーティングシステムは、前記自動機能によって前記アプリケーションプログラムを起動する際、指定された前記プリンタと接続される前記特定のサーバに接続するための前記接続情報を含む前記入力情報を、前記アプリケーションプログラムに渡す、
ことを特徴とするアプリケーションプログラム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載するアプリケーションプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記オペレーティングシステムが有する前記自動機能に基づいて起動された場合に、前記入力情報に基づく通知を、前記情報処理装置の前記ユーザインタフェースに行わせる通知処理を実行させ、前記情報処理装置の前記ユーザインタフェースの表示態様には、前記ユーザインタフェースによる一部の入力を制限するロック状態と、前記ロック状態ではない非ロック状態とがあり、前記ロック状態での前記通知処理による通知内容は、前記非ロック状態と異なる、
ことを特徴とするアプリケーションプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載するアプリケーションプログラムにおいて、
前記通知処理では、
前記非ロック状態では、前記通知内容に、前記印刷対象のデータの内容を示す内容情報を含め、前記ロック状態では、前記通知内容に、前記内容情報を含めない、
ことを特徴とするアプリケーションプログラム。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載するアプリケーションプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記オペレーティングシステムが有する前記自動機能に基づいて起動された場合に、前記印刷対象取得処理の後、前記自動出力処理の前に、前記通知処理を実行させ、
前記通知処理では、
前記通知として、前記入力情報に基づく印刷を行うか否かの選択を要求する通知を行い、
前記コンピュータに、
前記通知処理の後、前記入力情報に基づく印刷を行うか否かの選択を受け付ける受付処理を実行させ、前記受付処理にて前記入力情報に基づく印刷を行うことの選択を受け付けたことを条件として、前記自動出力処理を実行させる、
ことを特徴とするアプリケーションプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載するアプリケーションプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記受付処理にて前記入力情報に基づく印刷を行うことの選択を受け付けた際、前記非ロック状態であれば、前記自動出力処理を実行させる一方、前記ロック状態であれば、前記ロック状態を解除させる画面を前記情報処理装置の前記ユーザインタフェースに表示させ、前記ロック状態から前記非ロック状態に移行したことを条件として、前記自動出力処理を実行させる、
ことを特徴とするアプリケーションプログラム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載するアプリケーションプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記オペレーティングシステムが有する前記自動機能に基づいて起動された場合に、前記自動出力処理を実行させる前に、前記ローカルネットワーク内にあるプリンタを検索する検索処理を実行させ、さらに前記検索処理によって前記ローカルネットワーク内にプリンタが検索された場合には、その検索された前記プリンタに出力先を変更するか否かを問い合わせる問合せ処理を実行させ、前記問合せ処理によって出力先を変更する指示が入力された場合には、前記自動出力処理を実行させず、出力先を前記検索処理によって検索されたプリンタにして前記印刷ジョブを出力する変更出力処理を実行させ、前記問合せ処理によって出力先を変更する指示が入力されなかった場合、あるいは前記検索処理によってプリンタが検索されなかった場合、前記自動出力処理を実行させる、
ことを特徴とするアプリケーションプログラム。
【請求項9】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載するアプリケーションプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記オペレーティングシステムが有する前記自動機能に基づいて起動された場合に、前記自動出力処理を実行させる前に、前記接続情報取得処理にて取得した前記接続情報を用いて前記特定のサーバとの接続確認を行う確認処理を実行させ、さらに前記確認処理による前記接続確認にて前記特定のサーバとの接続を確認できた場合には、前記自動出力処理を実行させ、前記確認処理による前記接続確認にて前記特定のサーバとの接続を確認できなかった場合には、前記自動出力処理を実行させず、前記情報処理装置の前記ユーザインタフェースを用いて前記プリンタに出力できないことを示す報知を行う報知処理を実行させる、
ことを特徴とするアプリケーションプログラム。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1つに記載するアプリケーションプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
テンプレートの情報を登録するテンプレート登録処理を実行させ、
前記自動出力処理では、
前記印刷対象取得処理にて取得した前記入力情報に含まれる前記印刷対象のデータを前記テンプレート登録処理によって登録された前記テンプレートに配置した配置画像に基づく印刷を行わせる前記印刷ジョブを、前記接続情報取得処理にて取得した前記接続情報を用いて、前記特定のサーバを経由して前記プリンタに出力する、
ことを特徴とするアプリケーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術分野は、プリンタに印刷ジョブを出力するアプリケーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遠隔地に設置されたプリンタに印刷指示を出力する技術が知られている。例えば特許文献1には、管理サーバと、管理者端末と、遠隔地にある複数の店舗のプリンタと、を有し、ウェブサーバが印刷用データをメールに添付して各店舗のPCに送信し、各店舗のプリンタが印刷を行い、ウェブサーバが印刷結果を各店舗のPCから受信し、印刷結果を管理者端末に送信する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-193302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、複数の機能や操作の一連の手続きを示す手続きデータをオペレーティングシステム(OS)に登録し、登録された手続きデータに従って機能や操作を自動的にOSが実行する自動機能がOSに搭載されている。この自動機能を利用することで、所定のアウトプットを得られるまでのユーザの作業を自動化できるため、ユーザの操作負担を大幅に軽減できる。前述したような遠隔地のプリンタに印刷指示を送信する場合においてもこのOSによる自動機能を利用することでさらなる負担軽減が期待できる。しかしながら、特許文献1にはOSとの関連が記載されておらず、改善の余地がある。
【0005】
本明細書は、オペレーティングシステムに自動機能が搭載されている情報処理装置において、遠隔地に設置されたプリンタに画像を印刷させる際の、ユーザの手間を軽減する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題の解決を目的としてなされたアプリケーションプログラムは、情報処理装置のコンピュータによって実行可能なアプリケーションプログラムであって、前記情報処理装置のオペレーティングシステムは、自動機能を有し、前記自動機能は、複数の機能や操作の一連の手続きと、前記一連の手続きを起動する条件である起動条件と、を示す手続きデータが、前記オペレーティングシステムに登録されている場合に、前記オペレーティングシステムが、前記起動条件を満たしたことに応じて前記一連の手続きを自動的に実行する機能であり、前記アプリケーションプログラムは、前記情報処理装置のユーザインタフェースを用いたユーザ操作に基づいて起動される場合と、前記オペレーティングシステムが有する前記自動機能に基づいて起動される場合と、があり、さらに前記アプリケーションプログラムは、前記コンピュータに、前記情報処理装置の前記ユーザインタフェースを用いたユーザ操作に基づいて起動された場合に、印刷対象のデータの選択を前記ユーザインタフェースを用いて受け付け、選択された印刷対象のデータに基づく印刷ジョブを出力する手動出力処理を実行させ、さらに前記コンピュータに、前記オペレーティングシステムが有する前記自動機能に基づいて起動された場合に、前記オペレーティングシステムから起動時に入力される入力情報であって、印刷対象のデータを含む前記入力情報を取得する印刷対象取得処理と、ローカルネットワーク外にある特定のサーバであってプリンタと接続する前記特定のサーバと接続するための接続情報を取得する接続情報取得処理と、前記印刷対象取得処理にて取得した前記入力情報に含まれる前記印刷対象のデータに基づく印刷を行わせる印刷ジョブを、前記接続情報取得処理にて取得した前記接続情報を用いて、前記特定のサーバを経由して前記プリンタに出力する自動出力処理と、を実行させる、ことを特徴としている。
【0007】
本明細書に開示されるアプリケーションプログラムは、OSが有する自動機能に基づいて起動された場合に、起動時に、印刷対象のデータを示す情報を含む入力情報を受け取り、さらに、ローカルネットワーク外のサーバと接続するプリンタを利用するための接続情報を取得する。そして、アプリケーションプログラムは、印刷対象のデータに基づく印刷を行わせる印刷ジョブを、取得した接続情報を用いて出力する。これにより、登録された手続きデータに含まれる起動条件を満たした際に、印刷ジョブは、サーバを経由してそのプリンタに自動的に出力される。従って、ローカルネットワーク外のプリンタへの印刷を望む度にそのプリンタへの接続情報を入力する場合と比較して、ローカルネットワーク外の遠隔地に配置されたプリンタで印刷する際のユーザの手間を軽減できる。
【0008】
上記アプリケーションプログラムの機能を実現する電子デバイス、アプリケーションプログラムの機能を実現するための制御方法、アプリケーションプログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
【発明の効果】
【0009】
本明細書に開示される技術によれば、オペレーティングシステムに自動機能が搭載されている情報処理装置において、遠隔地に設置されたプリンタに画像を印刷させる際の、ユーザの手間を軽減する技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態にかかる電子デバイスの概略構成図である。
図2】手動出力処理の手順を示すフローチャートである。
図3】スケジュールの通知によって起動された場合の印刷アプリによる処理の手順を示すシーケンス図である。
図4】印刷対象の画像の例を示す説明図である。
図5】印刷対象の画像の例を示す説明図である。
図6】出力先決定処理の手順を示すフローチャートである。
図7】スケジュールの通知によって起動された場合の印刷アプリによる処理の手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、電子デバイスに組み込まれたプログラムを具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は、スマートフォンやタブレットコンピュータなどの携帯可能な電子デバイスに組み込まれたアプリケーションプログラム(以下、「アプリ」とする)を開示するものである。
【0012】
本形態の電子デバイス1は、図1に示すように、CPU11と、メモリ12と、を含むコントローラ10を備える。さらに、電子デバイス1は、ユーザインタフェース(以下、「ユーザIF」とする)13と、通信インタフェース(以下、「通信IF」とする)14と、カメラ15と、を備え、これらがコントローラ10に電気的に接続されている。電子デバイス1は、情報処理装置の一例である。なお、図1中のコントローラ10は、電子デバイス1の制御に利用されるハードウェアやソフトウェアを纏めた総称であって、実際に電子デバイス1に存在する単一のハードウェアを表すとは限らない。
【0013】
CPU11は、メモリ12から読み出したプログラムに従って、また、ユーザの操作に基づいて、各種の処理を実行する。CPU11は、コンピュータの一例である。メモリ12は、例えば、ROM、RAM、HDD、フラッシュメモリ、を含み、各種のプログラムやデータを記憶する。
【0014】
ユーザIF13は、表示機能を備える構成と操作受付機能を備える構成とを含む。ユーザIF13は、例えば、表示機能とタッチ受付機能とを備えるタッチパネルを含み、さらに、音声入力機能を備えるマイクや音声出力機能を備えるスピーカを含んでもよい。
【0015】
通信IF14は、各種の外部装置との通信を行うためのハードウェアを含む。通信IF14の通信方式は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB、NFC(Near Field Communicationの略)等である。また、電子デバイス1は、通信IF14として、複数の通信方式に対応可能であっても良い。
【0016】
カメラ15は、写真の撮影機能を備え、ユーザの操作に基づいて、静止画や動画を撮影して、画像データをメモリ12に記憶させるためのハードウェアを含む。カメラ15によって撮影された写真の画像データには、撮影日時、撮影場所、撮影条件、等の各種の情報が付加されて記憶されても良い。
【0017】
電子デバイス1は、さらに、電子デバイス1の各種の状態を検出する各種の検出部を備えていても良い。電子デバイス1は、検出部として、例えば、電子デバイス1の地表面方向の位置をGPS等によって検知する位置検知部、電子デバイス1の重力方向に対する傾きをジャイロ等によって検知する姿勢検知部、電子デバイス1の周辺の明るさを照度センサ等によって検知する光量検知部、等を備えていても良い。
【0018】
本形態の電子デバイス1のメモリ12には、図1に示すように、オペレーティングシステム(以下、「OS」とする)21と、各種のアプリと、が組み込まれている。OS21は、複数のタスクを管理して切り換えることにより複数のタスクを並行して処理できるマルチタスクOSであり、例えば、iOS(登録商標)、Android(登録商標)、Windows(登録商標)、macOS(登録商標)、Linux(登録商標)のいずれかである。
【0019】
本形態の電子デバイス1のOS21には、連結プログラム211が組み込まれている。連結プログラム211は、あらかじめ登録された手続きデータに基づいて、その手続きデータに登録された処理を自動的に実行するプログラムである。連結プログラム211は、自動機能を実現するためのプログラムの一例である。連結プログラム211は、例えば、iOS上で動作可能なSiriShortcutである。
【0020】
連結プログラム211には、1以上の手続きデータを登録可能であり、各手続きデータには、その手順の実行を開始する条件であるトリガと、実行される手順の内容であるアクションと、が関連付けて記憶される。連結プログラム211は、登録されている手続きデータのトリガの検知を常時行い、トリガを検知すると、そのトリガに対応して記憶されているアクションの実行を開始する。なお、手続きデータのアクションには、複数の機能や操作を所定の順序で順に実行する一連の手続きを登録することができる。トリガは、自動機能の起動条件の一例であり、アクションは、自動機能の手続きの一例である。
【0021】
連結プログラム211の各手続きデータには、トリガとして、例えば、ユーザIF13への所定の操作の受け付け、電子デバイス1が備える各種の検知部による所定の情報の検知、電子デバイス1に組み込まれている各種のアプリによる所定の情報の出力、の登録が可能である。また、連結プログラム211の各手続きデータには、アクションとして、例えば、ユーザIF13への出力や操作入力の受け付け、所定のアプリの起動や停止、所定のアプリへの所定の情報の出力、の登録が可能である。
【0022】
なお、本形態の電子デバイス1は、ユーザIF13の表示態様として、ロック状態と非ロック状態とを切り替えるロック機能を備えている。電子デバイス1は、例えば、所定時間以上連続して操作を受け付けなかった場合に、ロック状態となって、例えば、所定のロック状態用の画面を表示し、ユーザIF13への操作の一部を制限する。
【0023】
電子デバイス1は、ロック状態では、ロック状態を解除するための解除情報の入力を受け付け、入力を受け付けた情報がメモリ12に記憶している解除情報と一致する場合、ロック状態を解除して非ロック状態に移行する。非ロック状態となると、電子デバイス1は、ロック状態用の画面を非表示とし、各種の操作を受け付け可能な画面である非ロック状態用の画面を表示する。
【0024】
ただし、OS21や連結プログラム211は、ロック状態でも、各検知部による検知や登録されている手続きデータのトリガに該当するか否かの判断を行っている。連結プログラム211は、登録されている手続きデータのトリガを検知したと判断した場合には、ロック状態でも、検知したトリガに対応するアクションの実行を自動的に開始する。
【0025】
電子デバイス1には各種のアプリを組み込み可能であり、本形態の電子デバイス1には、少なくとも印刷アプリ22を含む各種のアプリが組み込まれている。印刷アプリ22は、プリンタに印刷を実行させるための印刷ジョブを生成して、生成した印刷ジョブを、指定された出力先に宛てて出力する機能を備えるプログラムである。印刷ジョブの出力先は、電子デバイス1に直接接続されているプリンタであってもよいし、直接接続されていないプリンタと共用するサーバであってもよい。印刷アプリ22は、アプリケーションプログラムの一例である。印刷アプリ22による動作の詳細については、後述する。
【0026】
なお、印刷アプリ22は、所定のモデルのプリンタに対応する専用のプログラムであってもよいし、各種のプリンタに対応する汎用のプログラムであってもよい。印刷アプリ22は、A4等の定型サイズの用紙に印刷するプリンタ用のプログラムであってもよいし、ラベル紙への印刷を行ってラベルを作成するプリンタ用のプログラムであってもよいし、いずれも可能なプログラムであってもよい。
【0027】
本形態の電子デバイス1には、図1に示すように、さらに、カレンダアプリ23と、写真アプリ24と、が組み込まれている。カレンダアプリ23は、ユーザによるスケジュールの入力と通知の指定とを受け付け、受け付けた指定に基づいてスケジュールを通知するアプリである。カレンダアプリ23は、例えば、イベントなどの参加予定日の指定と、当日の朝の通知指定と、を受け付けた場合、指定された参加予定日の朝に通知情報をOS21に出力する。カレンダアプリ23は、毎月の月末などの定期的なスケジュールの設定や通知の指示も受け付け、設定されたスケジュールに基づいて定期的な通知を行う。
【0028】
写真アプリ24は、カメラ15によって撮影された写真や動画等の画像データを管理し、ユーザの指示に基づいて、表示や編集を行うアプリである。写真アプリ24は、例えば、メモリ12に記憶される写真から、撮影日や撮影対象等に基づいて、指定された条件に該当する写真を抽出することができる。
【0029】
本形態の電子デバイス1は、通信IF14を介して、インターネット100への接続が可能である。また、本形態では、図1に示すように、サーバ3と、プリンタ4と、がそれぞれインターネット100に接続されている。図1に示す状態では、プリンタ4は、電子デバイス1のローカルネットワーク外にあり、電子デバイス1とプリンタ4とは、直接接続されていない。なお、電子デバイス1とプリンタ4とは、直接接続可能であってもなくても良い。
【0030】
サーバ3は、例えば、インターネット100上のクラウドサーバであり、アカウント情報の登録を受け付け、登録済みのアカウント情報を用いたアクセスを受け付ける。そして、サーバ3は、アカウント情報を用いてアップロードされたデータを、アカウント情報に関連付けて記憶する。電子デバイス1とプリンタ4とは、アカウント情報を共用することで、サーバ3の共通の領域にアクセスできる。具体的には、電子デバイス1は、アカウント情報を用いてサーバ3に印刷ジョブをアップロードでき、プリンタ4は、同じアカウント情報を用いて、電子デバイス1によってアップロードされた印刷ジョブをダウンロードして取得できる。
【0031】
プリンタ4は、印刷アプリ22によって生成される印刷ジョブに基づく印刷を実行可能な装置である。プリンタ4の印刷方式は、例えば、電子写真方式またはインクジェット方式である。本形態のプリンタ4は、サーバ3のアドレス情報とアカウント情報とを記憶しており、定期的に、あるいは、サーバ3からの通知を受けて、自動的にサーバ3にアクセスし、サーバ3から印刷ジョブをダウンロードして印刷する。
【0032】
続いて、印刷アプリ22による各種の動作の例について、シーケンス図等を参照して説明する。なお、以下の処理および各処理ステップは、基本的に、各プログラムに記述された命令に従ったCPU11の処理を示す。CPU11による処理は、電子デバイス1のOS21のAPIを用いたハードウェア制御も含む。本明細書では、OS21の記載を省略してプログラムの動作を説明する。
【0033】
まず、ユーザの操作に基づいて手動で起動された場合の印刷アプリ22の処理である、手動出力処理の手順について、図2のフローチャートを参照して説明する。手動出力処理は、ユーザIF13へのユーザの操作に基づいて、例えば、ユーザによってアプリのアイコンが操作されることで、印刷アプリ22が指定されて起動された場合に、印刷アプリ22に基づいて、電子デバイス1のCPU11にて実行される。
【0034】
手動出力処理では、CPU11は、あらかじめ備えているトップ画面を表示して(S101)、ユーザの操作を受け付ける。CPU11は、ユーザの操作に基づいて、印刷対象のデータや印刷パラメータの選択を受け付ける(S102)。CPU11は、プリンタが選択されていない場合には、プリンタの選択も受け付ける。そして、CPU11は、印刷実行の指示を受け付けたか否かを判断し(S103)、受け付けていない場合には(S103:NO)、さらにユーザの操作を受け付ける。
【0035】
印刷実行の指示を受け付けたと判断した場合(S103:YES)、CPU11は、印刷ジョブを生成し(S104)、生成した印刷ジョブを、指定された出力先に送信する(S105)。印刷ジョブの出力先は、電子デバイス1に接続されているプリンタであってもよいし、プリンタ4と共用するサーバ3であってもよい。
【0036】
本形態の印刷アプリ22は、印刷ジョブを送信した後、印刷ログを記憶する(S106)。印刷ログには、印刷対象のデータを示す情報と、印刷させる装置であるプリンタを示す情報と、印刷を実行した日時を示す情報と、が互いに関連付けて記憶される。印刷ログには、印刷パラメータを示す情報が含まれても良い。また、印刷対象のデータを示す情報には、そのデータの印刷に使用する着色材の色を示す情報が含まれても良い。
【0037】
さらに、CPU11は、ユーザの操作による印刷アプリ22を終了させる指示を受け付けたか否かを判断する(S107)。終了の指示を受け付けていない場合(S107:NO)、CPU11は、例えば、トップ画面の表示などに戻り、さらにユーザの操作を受け付ける。ユーザの操作によって終了の指示を受け付けたと判断した場合(S107:YES)、CPU11は、印刷アプリ22を終了させる。
【0038】
本形態の印刷アプリ22は、ユーザの操作とは異なる手順で起動される場合もある。本形態の電子デバイス1には、アクションに印刷アプリ22の起動手順が含まれる1以上の手続きデータが登録されている。印刷アプリ22は、登録された手続きデータのトリガが検出された際に、連結プログラム211によって自動的に起動される。アクションに印刷アプリ22の起動手順が含まれる手続きデータのアクションには、起動した印刷アプリ22に、手続きデータのトリガの情報である起動情報を含む入力情報を渡す手順が含まれる。
【0039】
なお、手続きデータの登録は、例えば、印刷アプリ22とともに提供される登録ファイルを利用することで、印刷アプリ22のインストールに伴って、自動的にあるいはユーザの選択に基づいて行われる。また、印刷アプリ22とは別のアプリとして、手続きデータを登録するための登録アプリであって、あらかじめ複数の手続きデータが用意されている登録アプリが提供されてもよい。登録アプリを実行することで、例えば、ユーザの選択に基づいて、選択された手続きデータが電子デバイス1に登録される。
【0040】
印刷アプリ22は、連結プログラム211の機能によって手続きデータに基づいて起動された場合、連結プログラム211から入力される入力情報を受け取り、受け取った入力情報に基づいて、起動後の処理手順を決定する。例えば、入力情報に含まれる起動情報ごとに、印刷対象のデータを決定する決定手順が異なる。
【0041】
本形態の印刷アプリ22は、連結プログラム211を介さずに、ユーザの通常の操作に基づいて手動で起動された場合、入力情報を受け取らない。印刷アプリ22は、起動時に入力情報を受け取らなかった場合、前述した手動出力処理を実行する。本形態の印刷アプリ22は、ユーザ操作に基づいて手動で起動された場合、すなわち、起動時に入力情報を受け取らなかった場合と、連結プログラム211によって自動的に起動された場合、すなわち、起動時に入力情報を受け取った場合と、でそれぞれ異なる動作を実行する。
【0042】
次に、電子デバイス1に登録されている手続きデータに基づいて、連結プログラム211によって起動された場合の印刷アプリ22の動作の例について説明する。以下の処理は、基本的に、印刷アプリ22等に基づいて、電子デバイス1のCPU11にて実行される処理である。
【0043】
本形態の電子デバイス1には、カレンダアプリ23からの通知情報の出力をトリガに含む手続きデータ(以下、「カレンダ手続きデータ」とする)が登録されているものとする。本形態のカレンダ手続きデータのトリガには、例えば、カレンダアプリ23からのスケジュールの通知と、所定時刻の到達または所定位置範囲内への進入と、の両方を満たしたことが含まれる。所定時刻の到達とは、終業後など、あらかじめ指定された時刻になったことを意味する。所定の位置範囲内への進入とは、例えば、登録されている自宅位置から所定の距離内への進入、すなわち、帰宅を意味する。
【0044】
本形態のカレンダ手続きデータのアクションには、例えば、写真アプリ24による写真の抽出と、印刷アプリ22の起動と、通知されたスケジュールの情報および写真アプリ24によって抽出された写真の情報とを入力情報として印刷アプリ22へ渡す手順と、が含まれる。
【0045】
カレンダ手続きデータのアクションには、さらに、印刷ジョブの出力先を示す情報、例えば、出力先と接続するための接続情報を、入力情報として印刷アプリ22へ渡す手順が含まれても良い。前述した登録アプリ等は、例えば、カレンダ手続きデータを電子デバイス1に登録する際に、出力先の指定を受け付け、受け付けた情報に基づいて接続情報をカレンダ手続きデータに組み込むことができる。登録アプリ等は、出力先の指定に基づいて、OS21から接続情報を取得しても良い。登録アプリ等は、例えば、出力先としてプリンタ4が指定された場合、サーバ3の接続情報を取得して、手続きデータに組み込んでも良い。
【0046】
カレンダ手続きデータに基づく印刷アプリ22等の処理について、図3のシーケンス図を参照して説明する。なお、カレンダ手続きデータが登録されていない場合、電子デバイス1は、図3に示す動作を実行しない。図3中に示すOS21の処理には、連結プログラム211による処理が含まれる。
【0047】
なお、印刷アプリ22は、ユーザ操作によってあらかじめ、印刷ジョブの出力先を示す情報の登録指示を受け付ける(S201)。印刷アプリ22は、例えば、ユーザの指示に基づいて、指定された装置に接続するための接続情報を、印刷ジョブの出力先の1つとして登録する(S202)。S202は、接続情報登録処理の一例である。印刷アプリ22は、例えば、プリンタ4に印刷させる場合の出力先を示す接続情報として、サーバ3のアドレス情報とアカウント情報との登録を受け付ける。印刷アプリ22は、前述した手動出力処理では、印刷ジョブの出力先として、印刷アプリ22に登録されている接続情報の1つの選択を受け付ける。
【0048】
カレンダアプリ23は、前述したように、スケジュールの入力と通知の指定とをあらかじめ受け付け(S203)、受け付けた指定に基づいて、通知タイミングに到達したら、OS21に通知情報を出力する(S204)。連結プログラム211は、OS21に通知情報が入力された場合、入力された通知情報に基づいて、電子デバイス1に登録されている各手続きデータに、トリガとして登録されている条件を満たしたか否かを判断する(S205)。
【0049】
カレンダ手続きデータのトリガとして、イベントの参加予定日の帰宅後が登録されていれば、連結プログラム211は、例えば、カレンダアプリから参加予定日の通知を受け付けた後、当日の帰宅後に、トリガを検出したと判断する。また、カレンダ手続きデータのトリガとして、毎月の月末の夜が登録されていれば、連結プログラム211は、例えば、カレンダアプリ23から月末の通知を受け付けた後、当日の所定の時刻に、トリガを検出したと判断する。
【0050】
OS21の連結プログラム211は、カレンダアプリ23からの通知情報に基づいて、トリガを満たしたと判断した場合(alt:[トリガ])、カレンダ手続きデータのアクションを開始する。
【0051】
連結プログラム211は、カレンダ手続きデータのアクションとして、まず、写真アプリ24を起動し、カレンダアプリ23から出力された通知情報に基づいて写真の抽出を指示する(S211)。写真アプリ24は、連結プログラム211からの指示に基づいて、写真を抽出する(S212)。例えば、カレンダ手続きデータには、抽出対象として、通知情報に該当する期間中、例えば、当日中や当月中に撮影された写真であって、人物が撮影されている写真を抽出する指示が登録されても良い。その場合、写真アプリ24は、指定された期間中に撮影された人物写真を抽出する。連結プログラム211は、写真アプリ24から抽出結果の情報を受け取ると(S213)、写真アプリ24を終了させる(S214)。
【0052】
連結プログラム211は、写真アプリ24から受け取った情報に基づいて、該当する写真が有ると判断した場合(alt:[写真有])、印刷アプリ22を起動し(S221)、カレンダアプリ23からの通知に基づくスケジュールの情報と、写真アプリ24によって抽出された写真の情報と、を含む入力情報を印刷アプリ22に渡す(S222)。S222は、印刷対象取得処理の一例である。これにより、印刷アプリ22が起動され、印刷アプリ22は、入力情報を連結プログラム211から受け取る。
【0053】
S221とS222との後、連結プログラム211は、カレンダ手続きデータのアクションを終了する。なお、写真アプリ24によって抽出条件に該当する写真が抽出されなかった場合、連結プログラム211は、印刷アプリ22を起動せずにカレンダ手続きデータのアクションを終了しても良い。
【0054】
印刷アプリ22は、起動時に、スケジュールの情報を含む入力情報を受け取った場合、前述した手動出力処理を実行せず、入力情報に対応してあらかじめ設定されている動作を開始する。印刷アプリ22は、設定されている動作として、まず、電子デバイス1がロック状態であるか否かを、OS21に問い合わせて回答を得る(S225)。
【0055】
ロック状態である場合(alt:〔ロック状態〕)、印刷アプリ22は、通知をユーザIF13に表示させる指示をOS21に渡す(S226)。S226は、ロック状態における通知処理の一例である。印刷アプリ22は、例えば、通知を受けたスケジュールの情報と、遠隔地のプリンタでの写真の印刷を推奨するメッセージと、写真を印刷するか否かの入力を受け付けるボタンとを含む通知画面を表示させる。これにより、OS21を介して、印刷を推奨する通知画面がユーザIF13に表示され、OS21は、ユーザの選択を受け付ける。S226に基づく通知画面にて選択を受け付ける処理は、受付処理の一例である。印刷の実行可否の選択を受け付けることで、望まない印刷を回避できる。
【0056】
OS21は、表示中の通知画面にて印刷を実行する指示を受け付けた場合、ロック状態を解除する解除情報の入力を受け付ける解除画面を、ユーザIF13に表示させる(S227)。ユーザは、解除画面にて、ロック状態を解除するための解除情報を入力する(S228)。OS21は、入力された解除情報が適切な解除情報であるか否かを判断し、適切な解除情報ではないと判断した場合、再度解除画面を表示させ、適切な解除情報の入力を受け付けるまでロック状態を維持する。一方、適切な解除情報が入力されたと判断した場合、OS21は、ロック状態を解除して非ロック状態となる。
【0057】
OS21は、ユーザの操作によって非ロック状態となった場合、非ロック状態となったことを示す情報を印刷アプリ22に渡す。これにより、印刷アプリ22は、次の動作に進む。なお、OS21は、通知画面にて印刷を実行しない指示を受け付けた場合、その情報を印刷アプリ22に渡す。印刷アプリ22は、印刷を実行しない指示の情報をOS21から受け取った場合、または、通知画面の表示後に非ロック状態となったことを示す情報を受け取らないまま所定時間が経過した場合、自身を終了させても良い。
【0058】
印刷アプリ22は、ロック状態でも印刷の実行可否の選択は受け付けるが、実行が選択された場合にはロック状態の解除を要求する。これにより、第三者による印刷を抑制し、安全性を高めることができる。
【0059】
S225にてロック状態ではないとの回答を得た場合、または、S225の後、非ロック状態となった情報を受け取った場合、印刷アプリ22は、印刷対象の画像の選択を受け付けるための画像選択画面をユーザIF13に表示させる(S231)。S231は、非ロック状態における通知処理の一例である。印刷アプリ22は、例えば、写真アプリ24によって抽出された写真の一覧を、選択対象の画像として表示させ、ユーザの選択を受け付ける(S232)。
【0060】
本形態では、ロック状態と非ロック状態とで通知内容が異なる。ロック状態と非ロック状態とでは入力可能な情報が異なることから、それぞれの状態にあった通知を行うことで適切な入力を受け付けることができる。具体的には、非ロック状態の通知には、サムネイル等の印刷対象のデータの内容を示す内容情報が含まれ、ロック状態の通知には内容情報が含まれない。ロック状態では第三者が電子デバイス1を保持している可能性が少なからずあるため、内容情報を通知に含めないことで、安全性を高めることができる。一方で、非ロック状態では本人が電子デバイス1を保持している可能性が高いため、内容情報を含めて報知することで、どのような印刷が行われるのかをユーザが把握し易い。なお、ロック状態では画面に表示可能なデータ量に制約がある場合もあり、メッセージの量を非ロック状態よりも少なくしてもよい。
【0061】
なお、印刷アプリ22は、画像選択画面にて印刷を実行しない指示を受け付けても良い。印刷アプリ22は、S231にて画像選択画面を表示させた後、所定時間が経過しても指示入力を受け付けない場合、または、画像選択画面にて印刷を実行しない指示を受け付けた場合、自身を終了させても良い。
【0062】
印刷対象の写真の選択を受け付けた場合、印刷アプリ22は、選択された写真の画像データに基づいて、印刷ジョブを生成する(S235)。なお、印刷アプリ22は、例えば、カレンダ手続きデータに基づいて起動された場合、起動時に入力情報として取得したスケジュールの情報に基づいて、テンプレートを利用して印刷ジョブを生成しても良い。例えば、起動時に印刷アプリ22に渡される入力情報に、テンプレートを指定する情報も含まれていても良い。
【0063】
あるいは、印刷アプリ22は、例えば、通知されたスケジュールの種類に対応して、利用するテンプレートの登録をあらかじめ受け付けても良い。印刷アプリ22は、例えば、学校行事や家族イベントのスケジュールに対応して、図4に示すように、日付や行事内容を示す文字情報と、選択された写真の画像データと、の配置を指定するテンプレートの登録を受け付ける。また、印刷アプリ22は、例えば、毎月の月末等の定期的な作成スケジュールに対応して、図5に示すように、翌月のカレンダのデータと、選択された写真の画像データと、の配置を指定するテンプレートの登録を受け付ける。なお、カレンダのデータは、印刷アプリ22がOS21から取得しても良いし、入力情報に含まれても良い。印刷アプリ22がテンプレートの登録を受け付ける処理は、テンプレート登録処理の一例である。
【0064】
テンプレートが登録されていれば、印刷アプリ22は、入力情報に含まれるスケジュールの種類に基づいて、登録されているテンプレートを選択し、テンプレートに画像を配置した配置画像に基づく印刷ジョブを生成する。登録したテンプレートへの画像の配置も印刷アプリ22が自動的に行うことで、配置画像の印刷に必要なユーザの手間も軽減できる。なお、スケジュールの種類に該当するテンプレートが無い場合には、印刷アプリ22は、テンプレートの選択を受け付けても良いし、テンプレートを利用せずに印刷ジョブを生成しても良い。
【0065】
印刷ジョブの生成後、印刷アプリ22は、生成した印刷ジョブの出力先を決定する出力先決定処理を実行する(S236)。出力先決定処理の手順について、図6のフローチャートを参照して説明する。この出力先決定処理は、印刷アプリ22に基づいて、電子デバイス1のCPU11にて実行される。
【0066】
CPU11は、カレンダ手続きデータに関連付けて、出力先のプリンタ等を示す情報が印刷アプリ22に登録されているか否かを判断する(S301)。印刷アプリ22は、起動時にスケジュールの情報を含む入力情報を受け取った場合の印刷ジョブの出力先として、あらかじめ、出力先の接続情報の登録を受け付けても良い。印刷アプリ22は、例えば、入力情報に含まれるスケジュールの種類に対応して、それぞれ異なる出力先の登録を受け付けても良い。あらかじめ印刷アプリ22に出力先を登録しておくことによって、印刷アプリ22によって出力先を管理できる。
【0067】
出力先のプリンタが印刷アプリ22に登録されていないと判断した場合(S301:NO)、CPU11は、起動時に受け取った入力情報に、出力先のプリンタ等を示す情報が含まれているか否かを判断する(S302)。前述したように、カレンダ手続きデータのアクションとして、接続情報を含む入力情報を印刷アプリ22に渡す手続きを設定することもできる。入力情報に出力先の情報が含まれていれば、印刷アプリ22は、入力情報に基づいて、出力先の情報を取得できる。入力情報に出力先の情報を含めることによって、手続きデータごとに出力先を割り当てることができる。
【0068】
なお、出力先の情報は、印刷ジョブを出力する宛先の装置と接続するための接続情報を、印刷アプリ22が取得するための情報であればよい。出力先の情報は、例えば、プリンタに接続するための接続情報であっても良いし、プリンタを識別するプリンタ名等の情報でも良いし、プリンタが接続可能なサーバの接続情報であっても良い。印刷アプリ22は、例えば、出力先の情報が遠隔地のプリンタ4を示す情報であった場合、プリンタ4に対応する出力先の接続情報として、サーバ3の接続情報を取得できる。
【0069】
入力情報に出力先の情報が含まれていないと判断した場合(S302:NO)、CPU11は、ユーザによる出力先の指定を受け付ける(S303)。CPU11は、例えば、印刷アプリ22に接続情報が記憶されている出力先の一覧を、ユーザIF13に表示させ、ユーザによる選択を受け付ける。CPU11は、例えば、プリンタの選択を受け付けて、選択されたプリンタに接続するための接続情報を取得する。S303は、接続情報取得処理の一例である。
【0070】
一方、カレンダ手続きデータに対応するプリンタが登録されていると判断した場合(S301:YES)、または、入力情報にプリンタの情報が含まれていると判断した場合(S302:YES)、CPU11は、そのプリンタに対応する接続情報を取得する(S304)。S304は、接続情報取得処理の一例である。
【0071】
接続情報は、そのプリンタに直接接続するための接続情報であっても良いし、そのプリンタに印刷ジョブを渡すことのできる他の装置に接続するための接続情報であっても良い。接続情報は、例えば、プリンタに対応付けられたメールアドレス、MACアドレス、プリンタの名称、その他のプリンタに対応する情報を含んでいても良い。例えば、プリンタとして、遠隔地にある祖父母宅のプリンタ4が指定されていれば、CPU11は、S304にて、ローカルネットワーク外の特定のサーバであるサーバ3に接続するための接続情報を取得する。なお、サーバ3の接続情報は、プリンタ4の情報に関連付けて、印刷アプリ22に記憶されていても良いし、入力情報に含まれていても良い。
【0072】
S303またはS304の後、CPU11は、ローカルネットワーク内にプリンタが有るか否かを判断する(S306)。S306は、検索処理の一例である。CPU11は、例えば、ローカルネットワークを介して、プリンタを検索する検索信号を送出し、プリンタからの応答信号を受信したか否かを判断する。
【0073】
ローカルネットワーク内にプリンタが有ると判断した場合(S306:YES)、CPU11は、出力先を、S303またはS304にて取得した接続情報からローカル接続のプリンタに変更するか否かを、ユーザに問い合わせる(S307)。S307は、問合せ処理の一例である。
【0074】
ユーザの回答に基づいて、出力先を変更すると判断した場合(S307:YES)、CPU11は、出力先を示す接続情報を、ローカル接続の接続情報に変更する(S309)。S309は、変更出力処理の一例である。
【0075】
例えば、電子デバイス1が祖父母宅に有る場合、電子デバイス1は、通常は遠隔地にある祖父母宅のプリンタ4とローカル接続が可能である。電子デバイス1がプリンタ4とローカル接続されている場合には、ローカル接続に切り替えることで、サーバ3を利用せずにプリンタ4に印刷ジョブを出力することができる。また、ローカルネットワーク内に他のプリンタがある場合、すなわち電子デバイス1の近くにプリンタがある場合には、そのプリンタに出力する方がユーザにとって使い易い場合もある。本形態の印刷アプリ22は、ローカルネットワーク内にプリンタがある場合には、出力先の変更を問い合わせて変更可能にするので、ユーザの希望に応じて出力先を変更できる。
【0076】
一方、ローカルネットワーク内にプリンタが無いと判断した場合(S306:NO)、または、出力先を変更しないとの回答を得たと判断した場合(S307:NO)、CPU11は、S303またはS304にて取得した接続情報を用いて、接続先の装置との接続確認を行い、接続可能であるか否かを判断する(S311)。S311は、確認処理の一例である。例えば、取得した接続情報がサーバ3の接続情報であれば、CPU11は、通信IF14を介してインターネット100に接続し、サーバ3との接続を確認する。
【0077】
接続に成功したと判断した場合(S311:YES)、CPU11は、接続情報によって接続される装置を出力先として決定する(S312)。一方、接続に失敗したと判断した場合(S311:NO)、CPU11は、出力先を決定せず、ユーザIF13を介してエラーを報知する(S313)。S313は、報知処理の一例である。印刷ジョブの出力前に接続確認を行うことで、接続できなかった場合の処理の無駄を回避できる。S309またはS312またはS313の後、CPU11は、出力先決定処理を終了して、図3の手順に戻る。
【0078】
図3の説明に戻る。出力先決定処理のS309またはS312によって出力先が決定していれば、印刷アプリ22は、S235にて生成した印刷ジョブを、決定した出力先に出力する(S237)。S237は、自動出力処理の一例である。なお、出力先決定処理のS313にてエラーを報知した場合、印刷アプリ22は、S237を実行しない。
【0079】
S237またはエラー報知の後、印刷アプリ22は、自身を終了させる(S238)。なお、サーバ3に印刷ジョブを出力した場合、プリンタ4は、インターネット100を介して印刷ジョブをサーバ3から受け取ることができ、受け取った印刷ジョブに基づいて印刷を実行することができる。これにより、遠隔地の祖父母宅のプリンタ4にて、電子デバイス1にて撮影された写真を含む印刷物が生成される。
【0080】
以上、詳細に説明したように、本明細書に記載の印刷アプリ22は、カレンダ手続きデータに基づいて連結プログラム211によって起動された場合、連結プログラム211から入力情報を受け取り、受け取った入力情報に基づいて、印刷対象のデータと接続情報とを取得する。さらに、印刷アプリ22は、取得した印刷対象のデータに基づく印刷を行わせる印刷ジョブを生成し、取得した接続情報を用いて、生成した印刷ジョブを自動的に出力する。これにより、カレンダ手続きデータに含まれる起動条件を満たした際に、ローカルネットワーク外のサーバ3を経由して、自動的に印刷ジョブがプリンタ4に出力される。従って、ローカルネットワーク外のプリンタ4への印刷を望む度にそのプリンタ4への接続情報を入力する場合と比較して、ローカルネットワーク外の遠隔地に配置されたプリンタ4で印刷する際のユーザの手間を軽減できる。
【0081】
なお、本実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、電子デバイス1は、携帯可能なものに限らず、据え置き型のパーソナルコンピュータ等であっても良い。また、電子デバイス1に接続されるプリンタは、印刷単機能のものに限らず、複合機、複写機、FAX装置、等の印刷機能を有する装置であればよい。また、電子デバイス1に接続可能なサーバは、1台に限らず、2台以上であっても良い。
【0082】
また、本形態では、カレンダ手続きデータによる手順のみを説明したが、電子デバイス1には、さらに他の手続きデータが登録されていても良い。アクションとして印刷アプリ22の起動手順が含まれる手続きデータがさらに有れば、印刷アプリ22は、その手続きデータによる入力情報に基づいて、本形態とは異なる処理を実行しても良い。
【0083】
また、例えば、本形態のカレンダ手続きデータのアクションでは、印刷を推奨するデータを抽出して表示し、印刷するか否かをユーザに問い合わせるとしたが、これに限らない。例えば、印刷アプリ22は、写真アプリ24にて抽出された写真を印刷対象のデータに決定して印刷ジョブを生成し、自動的に出力しても良い。その場合、印刷アプリ22は、印刷ジョブの出力後に、印刷ジョブを出力したことを通知しても良い。
【0084】
また、例えば、本形態では、写真アプリ24に写真の抽出を行わせるとしたが、これに限らない。例えば、連結プログラム211またはOS21が行っても良い。また、本形態のカレンダ手続きデータのアクションでは、写真の抽出を行った後、写真が有る場合に印刷アプリ22を起動するとしたが、印刷アプリ22の起動後に写真の抽出を行っても良い。
【0085】
また、例えば、印刷アプリ22が写真の抽出を行っても良い。例えば、図7に示すように、連結プログラム211は、カレンダ手続きデータのトリガを検知した場合、印刷アプリ22を起動して、通知されたスケジュールの情報を含む入力情報を印刷アプリ22に渡しても良い。印刷アプリ22は、非ロック状態で写真データにアクセスし、スケジュールの情報に基づいて、選択対象の画像を抽出しても良い(S401)。
【0086】
また、例えば、S236の出力先決定処理は、S235の印刷ジョブの生成の前、または、S231における画像の選択受け付けの前に実行しても良い。その場合、接続の確認に失敗してエラーを報知した場合には、印刷ジョブを生成しないまたは画像の選択を受け付けないとしても良い。あるいは、印刷アプリ22は、接続が確認できなくても印刷ジョブを生成してメモリ12に記憶し、再度接続を試行して、接続が確認されたら出力するとしても良い。
【0087】
また、例えば、出力先決定処理のS301とS302の判断は逆順に行っても良い。つまり、印刷アプリ22は、印刷アプリ22に登録されている出力先よりも、手続きデータの入力情報に含まれる出力先を優先して使用するとしても良い。
【0088】
また、本形態では、印刷アプリ22は、手続きデータに基づいて起動された場合、処理が終了したら自身を終了させるとしたが、終了しなくてもよい。
【0089】
また、実施の形態に開示されている任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
【0090】
また、実施の形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICなどのハードウェア、またはそれらの組合せで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0091】
1 電子デバイス
3 サーバ
4 プリンタ
11 CPU
13 ユーザIF
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7