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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155931
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】割り勘システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/24 20120101AFI20221006BHJP
   G06Q 20/40 20120101ALI20221006BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G06Q20/24
G06Q20/40 330
G07G1/12 321H
G07G1/12 361C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059384
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001830
【氏名又は名称】東京UIT国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】阿部 裕太
【テーマコード(参考)】
3E142
5L055
【Fターム(参考)】
3E142AA07
3E142DA08
3E142DA09
3E142EA02
3E142EA04
3E142FA03
5L055AA52
5L055AA78
(57)【要約】
【課題】割り勘払いと個別払いとが混在する場合であっても,支払いを簡単にできるようにする。
【解決手段】割り勘システムは,複数のユーザのそれぞれが所有するユーザ端末10A~10Cとタブレット注文端末30を含む。ユーザ端末10A~10Cおよびタブレット注文端末30はいずれも飲食物の注文に用いられる。タブレット注文端末30から受け付けられた飲食物の料金は,上記複数のユーザのユーザ数に応じて案分される割り勘払いとされる。ユーザ端末10A~10Cから受け付けられた飲食物の料金は注文をしたユーザの個別払いとされる。複数のユーザのそれぞれの支払金額は,上記割り勘払い金額と各ユーザの個別払い金額を加算することによって算出される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザのそれぞれが所有するクレジットカードのクレジットカード番号を表す一つのコードを作成するコード作成手段,および
上記コード作成手段によって作成されるコードによって表される複数のクレジットカード番号のそれぞれに,上記複数のユーザのそれぞれの支払金額を関連付ける関連付け手段を備えている,
割り勘システム。
【請求項2】
複数のユーザのそれぞれが所有するクレジットカードのクレジットカード番号および上記複数のユーザのそれぞれの支払金額の組を表す一つのコードを作成するコード作成手段を備えている,
割り勘システム。
【請求項3】
上記複数のユーザのそれぞれの支払金額が,上記複数のユーザのそれぞれが割り勘払いで負担する割り勘払い金額と,複数のユーザのそれぞれが個別払いで負担する個別払い金額の合計である,
請求項1または2に記載の割り勘システム。
【請求項4】
割り勘払い用注文受付端末と,複数のユーザのそれぞれが所有する複数の個別払い用注文受付端末とを含み,
上記割り勘払い用注文受付端末から受け付けられた注文商品の料金は上記複数のユーザがそれぞれ負担する割り勘払いとされ,上記個別払い用注文受付端末から受け付けられた注文商品の料金は注文をしたユーザの個別払いとされる,
請求項3に記載の割り勘システム。
【請求項5】
上記複数の個別払い用注文端末のそれぞれが,グループチャットが可能なチャットプログラムを備え,
上記チャットプログラムにしたがって個別払い用注文端末に表示されるグループチャット画面に注文情報が入力される,
請求項4に記載の割り勘システム。
【請求項6】
商品の注文を受け付ける注文受付端末を含み,
注文商品ごとに,上記注文受付端末から上記複数のユーザのそれぞれの負担割合が入力され,
上記入力される負担割合によって,複数のユーザのそれぞれの上記割り勘払い金額および個別払い金額が特定される,
請求項3に記載の割り勘システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は割り勘システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は,クレジットカードを用いた支払いを割り勘で決済する決済管理システムを開示する。ユーザA,ユーザB,ユーザCのうちの一名(ユーザA)が商品購入金額(9,000円)をユーザAのクレジットカードを用いて決済する。その後に,ユーザB,ユーザCのクレジットカードを用いて割り勘された購入金額(3,000円)が決済される。さらにユーザAの決済金額が,商品購入金額(9,000円)から割り勘購入金額(3,000円)に訂正される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-151785号公報
【0004】
複数人の友人同士で食事をする場合,友人同士でシェアする飲食物を注文する場合もあるし,個々人が好みの飲食物を注文する場合もある。友人同士でシェアする飲食物については割り勘払いで,個々人の飲食物は個別払いで,それぞれ支払いたい状況では,特許文献1に記載の決済管理システムは使いづらい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は,割り勘払いと個別払いとが混在する場合であっても,支払いを簡単にできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明による割り勘システム(支払いシステム)は,複数のユーザのそれぞれが所有するクレジットカードのクレジットカード番号を表す一つのコードを作成するコード作成手段を備えている。好ましくはさらに,上記コード作成手段によって作成されるコードによって表される複数のクレジットカード番号のそれぞれに,上記複数のユーザのそれぞれの支払金額を関連付ける関連付け手段を備えている。
【0007】
第2の発明による割り勘システムは,複数のユーザのそれぞれが所有するクレジットカードのクレジットカード番号および上記複数のユーザのそれぞれの支払金額の組を表す一つのコードを作成するコード作成手段を備えている。クレジットカード番号と支払金額の組はユーザごとのものとされ,複数のユーザに対応する複数の組が一つのコードによって表される。
【0008】
作成されるコードは,バーコードのような1次元コードであってもよいし,一般には矩形の形状を持つ2次元コードであってもよい。
【0009】
第1の発明によると,複数のユーザのそれぞれが所有するクレジットカードのクレジットカード番号を表す一つのコードが作成されるので,その一つのコードを用いて複数のクレジットカードを用いたカード払いを簡単に済ませることができる。
【0010】
第2の発明によると,複数のユーザのそれぞれが所有するクレジットカードのクレジットカード番号と上記複数のユーザのそれぞれの支払金額の組を表す一つのコードが作成されるので,その一つのコードを用いて複数のクレジットカードを用いたカード払いを簡単に済ませることができる。
【0011】
好ましくは,上記複数のユーザのそれぞれの支払金額が,上記複数のユーザのそれぞれが割り勘払いで負担する割り勘払い金額と,複数のユーザのそれぞれが個別払いで負担する個別払い金額の合計である。
【0012】
割り勘払い金額は,ユーザ数に応じて均等割とした金額であってもよいし,複数のユーザの立場等に応じて,均等に割らず,重み付けした金額であってもよい。
【0013】
クレジットカード番号ごとに,割り勘払い金額と個別払い金額の合計である支払金額が関連付けられる,または割り勘払い金額と個別払い金額の合計である支払金額とクレジットカード番号とが組にされるので,割り勘払いと個別払いとが混在する場合であっても支払いを簡単に済ませることできる。
【0014】
一実施態様では,割り勘払い用注文受付端末と,複数のユーザのそれぞれが所有する複数の個別払い用注文受付端末とを含み,上記割り勘払い用注文受付端末から受け付けられた注文商品の料金は上記複数のユーザがそれぞれ負担する割り勘払いとされ,上記個別払い用注文受付端末から受け付けられた注文商品の料金は注文をしたユーザの個別払いとされる。
【0015】
たとえば友人同士でシェアする商品については割り勘払い用注文受付端末を用いて商品注文し,個々人が独占する商品については個別払い用注文受付端末を用いて商品注文することで,友人同士でシェアする商品については割り勘払いで,個々人が独占する商品は個別払いで,複数のユーザのそれぞれの支払金額が算出される。割り勘払いの注文に用いられる端末と個別払いの注文に用いられる端末を別端末とすることで,割り勘払い対象の注文商品と個別払い対象の注文商品を分かりやすく区別することができる。
【0016】
好ましくは,上記複数の個別払い用注文端末のそれぞれが,グループチャットが可能なチャットプログラムを備え,上記チャットプログラムにしたがって個別払い用注文端末に表示されるグループチャット画面に注文情報が入力される。一の個別払い用注文端末のグループチャット画面に入力された情報は複数の個別払い用注文端末のそれぞれに表示される。既存のグループチャットを用いることで複数のユーザのそれぞれの注文内容を相互に確認することができる。
【0017】
上記グループチャット画面に表示される注文情報は,上記割り勘払い用注文受付端末から受け付けられた注文商品に関する注文情報を含んでもよい。割り勘対象の商品が注文されたことを複数のユーザは確認することができる。
【0018】
他の実施態様では,商品の注文を受け付ける注文受付端末を含み,注文商品ごとに,上記注文受付端末から上記複数のユーザのそれぞれの負担割合が入力され,上記入力される負担割合によって,複数のユーザのそれぞれの上記割り勘払い金額および個別払い金額が特定される。複数のユーザのそれぞれの割り勘払いの負担率を注文商品ごとに制御することができる。また,特定ユーザの負担割合を100%とすることで,その注文商品については特定ユーザの個別払いに位置付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】割り勘システムの全体構成を示すブロック図である。
図2】個人情報データベースを示す。
図3】グループ情報データベースを示す。
図4】注文データベースを示す。
図5】(A)は入店前のグループ情報データベースを,(B)は入店後のグループ情報データベースを,それぞれ示す。
図6】(A)はタブレット注文端末を用いた注文データの流れを,(B)はユーザ端末10Aを用いた注文データの流れを,それぞれ示す。
図7】チャット画面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は割り勘システムの全体構成を示すブロック図である。
【0021】
割り勘システムは,ネットワーク,たとえばインターネットを通じて相互にデータ通信可能に接続されるユーザ端末10A,10B,10C,SNS管理装置20,タブレット注文端末30,および店舗注文受付装置40を含む。ユーザ端末10A~10C,SNS管理装置20,タブレット注文端末30および店舗注文受付装置40は,いずれもCPU,メモリ,記憶装置,通信装置,入力装置,表示装置等を備えるコンピュータ装置によって実現される。
【0022】
ユーザ端末10A,10B,10Cは典型的にはスマートフォンであり,ユーザ(この実施例では,「ユウタ」,「タケシ」および「ハナ」とする)のそれぞれが所有する端末である。ユーザ端末10A,10B,10CにはあらかじめSNS(Social Networking System)アプリケーション・プログラム(以下,SNSアプリという)がインストールされており,SNSアプリを用いてあらかじめ設定されるグループに属するユーザ同士でチャット(テキスト・メッセージの送受信)をすることができる。後述するように,ユーザ端末10A,10B,10C(ユーザ端末10A,10B,10CにインストールされるSNSアプリ)は店舗において商品(この実施例では飲食物)を注文するときに利用され,ユーザ端末10A,10B,10Cを用いて注文された飲食物の料金は,注文をしたユーザの個別払いの対象となる。
【0023】
SNS管理装置20は,上述したSNSアプリケーション・プログラムの利用ユーザに関する情報の管理,利用ユーザのチャット内容の管理その他処理を実行する。
【0024】
タブレット注文端末30は,店舗において飲食物を注文するときに利用されるコンピュータ装置である。後述するように,タブレット注文端末30を用いて注文された飲食物の料金はグループに属する複数のユーザの割り勘払いの対象となる。分かりやすくするために,この実施例では割り勘を均等割りとする例を説明するが,ユーザごとに重み付けをした金額を割り勘として位置付けてもよい。
【0025】
店舗注文受付装置40は,ユーザ端末10A,10B,10Cおよびタブレット注文端末30を用いた飲食物の注文を受け付けるもので,店舗注文受付装置40によって受け付けられた注文内容にしたがって店舗の従業員等による調理,料理の配膳等が行われる。
【0026】
SNS管理装置20には,チャットサービスの利用ユーザ(登録ユーザ)の氏名,住所等が登録される個人(会員)情報データベース22,および互いにチャット可能なグループに属するユーザ管理,チャット内容(トーク内容)の管理のためのグループ情報データベース23が接続されている。個人情報データベース22およびグループ情報データベース23の詳細は後述する。
【0027】
タブレット注文端末30には,注文料理の内容,個数,注文が行われた端末等を記憶する注文データベース31が接続されている。注文データベース31はタブレット注文端末30が備える記憶装置に作成することもできるし,タブレット注文端末30にネットワークを介して接続される別の装置に作成することもできる。
【0028】
図2は個人情報データベース22の一例を示している。
【0029】
個人情報データベース22は,SNS管理装置20が管理するSNSサービスの利用ユーザのユーザID,氏名,性別,住所,クレジットカード番号その他の情報が記憶される。クレジットカード番号は店舗等におけるクレジット払いに用いることができる。複数枚のクレジットカードを所有している場合には複数のクレジットカード番号を記憶させてもよい。
【0030】
図3はグループ情報データベース23の一例を示している。
【0031】
グループ情報データベース23はSNSサービスの複数の利用ユーザによって構成されるグループを特定するグループID,グループIDによって特定されるグループに属するユーザを特定するユーザID,グループ内におけるチャット履歴(トークデータ)が登録される。
【0032】
図4は注文データベース31の一例を示している。
【0033】
注文データベース31には会計単位(テーブル単位)にデータが記憶される。この実施例では,上述したSNSサービスの同一グループに属する3名のユーザ(ユウタ,タケシおよびハナ)が一緒に店舗に来店し,一つのテーブルに着座したものとする(図1参照)。
【0034】
注文データベース31には,飲食物の注文が行われるたびに,新たなレコードが登録される。
【0035】
注文データベース31に登録されるレコードには,注文端末(注文端末を特定するID等であってもよい),注文内容,注文個数および案分に関するデータが記録される。
【0036】
「注文端末」は飲食物の注文に用いられた端末である。上述したように,飲食物の注文には,3名のユーザのそれぞれが所持するユーザ端末10A~10C,およびテーブルごとに設置されるタブレット注文端末30を用いることができる。「注文端末」にはユーザ端末10A~10Cおよびタブレット注文端末30のいずれか(これらを識別する端末ID)が記録される。注文に用いられたユーザ端末10A~10Cの端末IDを記録するのに代えて,ユーザごとに付与されるユーザIDを記録してもよい。
【0037】
「注文内容」および「個数」は,ユーザ端末10A~10Cまたはタブレット注文端末30を用いて注文された飲食物の内容(オーダー番号等でもよい)および発注数である。
【0038】
「案分」には,タブレット注文端末30を用いた注文であればグループに属するユーザのそれぞれについて「1」のフラグが立てられ,ユーザ端末10A~10Cを用いた注文であれば注文に用いられたユーザ端末10A~10Cのいずれかのユーザについて「1」のフラグが立てられる。これは,タブレット注文端末30を用いて注文された飲食物の料金はグループ内における割り勘払いの対象とされること,より詳細には割り勘払いの対象となる注文内容および個数が,注文データベース31に立てられるフラグによって記録されることを意味する。また,上述したように,ユーザ端末10A,10B,10Cを用いて注文された飲食物の料金は注文をしたユーザの個別払いの対象となり,注文データベース31に記録されるフラグによって,個別払いの対象となる注文内容および個数と,3名のユーザのうちの個別払いをすべき特定ユーザとが関連付けられる。
【0039】
図5は,上述したグループ情報データベース23の一部を示すもので,図5(A)は入店前の状態を,図5(B)は入店後の状態をそれぞれ示している。
【0040】
割り勘システムを利用するユーザは,あらかじめSNSサービスにユーザ登録し,かつグループを作成する。上述したように,グループ情報データベース23aにはグループを特定するグループIDと,そのグループIDによって特定されるグループに属する複数のユーザのユーザIDが登録される(図5(A))。
【0041】
店舗に入店しテーブルに着座した複数のユーザは,着座したテーブルまたはテーブルに設置されているタブレット注文端末30に印字または表示されている二次元コード等を用いて,テーブルまたはタブレット注文端末30をグループ参加者とする処理を行う(3名のうちの一人の操作でよい)。これによって図5(B)に示すように,テーブルまたはタブレット注文端末30に固有のID(以下,タブレットIDと呼ぶ)(図5(B)では「00003」)がグループ情報データベース23bに新たに登録される。
【0042】
図6(A)および(B)は飲食物注文時の注文データ(注文内容および個数を表すデータ)の流れを示すもので,図6(A)はタブレット注文端末30を用いた飲食物注文時の注文データの流れを,図6(B)はユーザ端末10A~10Cを用いた飲食物注文時の注文データの流れを,それぞれ示している。図7はチャット画面15の一例を示している。図7に示すチャット画面15は3名のユーザのうちの一人,ここでは「ユウタ」が所持するユーザ端末10Aの画面を示している。
【0043】
図6(A)を参照して,タブレット注文端末30を用いて飲食物を注文すると,注文データは,上述したようにタブレット注文端末30に接続された注文データベース31に割り勘払い対象として記録されるとともに,タブレット注文端末30からSNS管理装置20および店舗注文受付装置40に送信される。店舗注文受付装置40において注文データが受信されることによって,注文に応じた飲食物の調理等が開始される。他方,SNS管理装置20はタブレット注文端末30から受信した注文データに基づくチャットデータを含むチャット画面を作成し,グループに属するユーザ(ユウタ,タケシ,ハナ)のユーザ端末10A~10Cに送信する。
【0044】
図7のチャット画面15を参照して,吹き出し15a,15b,15eは,タブレット注文端末30を用いて注文が行われたときにチャット画面15に表示されるチャットデータである。「テーブル:」がタブレット注文端末30を用いて注文が行なわれたこと,すなわち割り勘払い対象の飲食物が注文されたことを意味する。
【0045】
図6(B),図7を参照して,ユーザ端末10A~10Cを用いた飲食物の注文にはチャット画面15が用いられる。図7に示すチャット画面15において,吹き出し15c,15dがユーザ端末10A~10Cを用いて注文が行われたことを示している。吹き出し15cの「ユウタ:」は,ユウタがユーザ端末10Aを用いて注文したことを,吹き出し15fの「タケシ:」はタケシがユーザ端末10Bを用いて注文したことを,それぞれ示している。
【0046】
図6(B)を参照して,ユーザ端末10A~10Cを用いてチャット画面15から飲食物を注文すると,注文データ(注文内容および個数を表すデータ)はSNS管理装置20に送信され,SNS管理装置20からユーザ端末10A~10Cとタブレット注文端末30とに送信される。注文データを受信したユーザ端末10A~10Cではチャット画面15に注文者および注文内容が表示される(吹き出し15c,15d)。注文データを受信したタブレット注文端末30は,タブレット注文端末30に接続された注文データベース31に,注文データを個別払い対象として記録する。たとえばユウタがユーザ端末10Aを用いて注文した場合には,注文データベース31(図4)では,注文端末欄にユーザ端末10Aが記録され,案分欄にユウタが注文したことを示すフラグが立てられる。タブレット注文端末30が注文データを店舗注文受付装置40に送信することによって,店舗では注文に応じた飲食物の調理等が開始される。
【0047】
精算をする場合にもチャット画面15が用いられる。ユーザ端末10A~10Cのいずれかから「精算」の文字を含むチャットが入力されると(図7,吹き出し15f),タブレット注文端末30は注文データベース31に記憶されている注文データに基づいて,ユーザ端末10A~10Cのそれぞれのユーザについて個別に支払金額を算出する(図7,吹き出し15g)。割り勘払い対象の注文については商品金額が三等分され,三等分された金額が各ユーザの支払金額に加算される。個別払い対象の注文については,商品金額の全額が注文をしたユーザの支払金額に加算される。
【0048】
チャット画面15に「二次元コード」の文字を含むチャットが入力されると(吹き出し15h),タブレット注文端末30によって二次元コードが作成され,作成された二次元コード15iがチャット画面15に表示される(図7参照)。チャット画面15に表示される二次元コード15iは,上述した個人情報データベース22(図2)に登録されている,ユーザ端末10A~10Cを所有するユーザのそれぞれのクレジットカード番号と,それぞれのユーザについて算出された支払金額の組を含む。この実施例では,ユウタ,タケシおよびハナの3名についての,クレジットカード番号と支払金額の組(3組のデータ)が,二次元コード15iによって表される。
【0049】
二次元コード15iを店舗のキャッシュレジスタまたはタブレット注文端末30に読み取らせることによって,支払いに用いられるクレジットカードおよび支払金額が店舗に伝えられ,会計処理が終了する。
【0050】
このように,割り勘システムを用いると,割り勘払いと個別払いが混在する場合であっても,簡単に支払いを済ませることができる。
【0051】
上述した二次元コード15iは,各ユーザについてクレジットカード番号と支払金額の組を表すものであるが,各ユーザのクレジットカード番号のみを表すものであってもよい。この場合には,会計時に,レジ端末において,二次元コード15iが表す各ユーザのクレジットカード番号と注文データベース31に記憶されている各ユーザの支払金額が,ユーザID,ユーザ端末,ユーザ名等をキーにして関連付けられる。
【0052】
また,上述した実施例では,タブレット注文端末30を用いた注文商品は割り勘払い対象として,ユーザ端末10A~10Cを用いた注文商品は個別払い対象として,それぞれ取り扱われている。もちろん,タブレット注文端末30を用いて個別払い注文も可能としてもよく,ユーザ端末10A~10Cを用いて割り勘払い注文も可能としてもよい。たとえば,タブレット注文端末30を用いて商品を注文するときに,複数のユーザのそれぞれの負担割合も入力させる。特定ユーザの負担割合を100%とすることで,その注文商品については特定ユーザの個別払いとすることができる。ユーザ端末10A~10Cを用いた注文においても,たとえば「ワインを注文します。タケシと二人で払います。」といった割り勘に関する文言を入力することで,その注文商品については割り勘払いとして処理することができる。
【符号の説明】
【0053】
10A,10B,10C ユーザ端末
15 チャット画面
15i 二次元コード
20 SNS管理装置
22 個人情報データベース
23,23a,23b グループ情報データベース
30 タブレット注文端末
31 注文データベース
40 店舗注文受付端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7