IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友電装株式会社の特許一覧

特開2022-155936第1コネクタ、第2コネクタ及びコネクタアセンブリ
<>
  • 特開-第1コネクタ、第2コネクタ及びコネクタアセンブリ 図1
  • 特開-第1コネクタ、第2コネクタ及びコネクタアセンブリ 図2
  • 特開-第1コネクタ、第2コネクタ及びコネクタアセンブリ 図3
  • 特開-第1コネクタ、第2コネクタ及びコネクタアセンブリ 図4
  • 特開-第1コネクタ、第2コネクタ及びコネクタアセンブリ 図5
  • 特開-第1コネクタ、第2コネクタ及びコネクタアセンブリ 図6
  • 特開-第1コネクタ、第2コネクタ及びコネクタアセンブリ 図7
  • 特開-第1コネクタ、第2コネクタ及びコネクタアセンブリ 図8
  • 特開-第1コネクタ、第2コネクタ及びコネクタアセンブリ 図9
  • 特開-第1コネクタ、第2コネクタ及びコネクタアセンブリ 図10
  • 特開-第1コネクタ、第2コネクタ及びコネクタアセンブリ 図11
  • 特開-第1コネクタ、第2コネクタ及びコネクタアセンブリ 図12
  • 特開-第1コネクタ、第2コネクタ及びコネクタアセンブリ 図13
  • 特開-第1コネクタ、第2コネクタ及びコネクタアセンブリ 図14
  • 特開-第1コネクタ、第2コネクタ及びコネクタアセンブリ 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022155936
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】第1コネクタ、第2コネクタ及びコネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/46 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
H01R13/46 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059391
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】坂井 宏基
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE11
5E087FF02
5E087FF06
5E087QQ04
5E087RR01
(57)【要約】
【課題】接点の摩耗を抑制できる第1コネクタ、第2コネクタ及びコネクタアセンブリを提供する。
【解決手段】第2コネクタ70と着脱可能な第1コネクタ20は、先端部が第1方向X1に向かって延びる複数の第1端子部材21と、複数の第1端子部材21を保持する第1コネクタハウジング30とを有する。第1コネクタハウジング30は、先端部が第1方向X1に向かって延びる側壁43を有する。側壁43は、第2コネクタ70に設けられる第2嵌合部100と凹凸嵌合する第1嵌合部50を有する。第1嵌合部50は、第1コネクタ20と第2コネクタ70との組付方向D1と交差する第2方向Y1において第2嵌合部100と係合する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2コネクタと着脱可能な第1コネクタであって、
先端部が第1方向に向かって延びる複数の第1端子部材と、
複数の前記第1端子部材を保持する第1コネクタハウジングと、を有し、
前記第1コネクタハウジングは、先端部が前記第1方向に向かって延びる第1壁を有し、
前記第1壁は、前記第2コネクタに設けられる第2嵌合部と凹凸嵌合する第1嵌合部を有し、
前記第1嵌合部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの組付方向と交差する第2方向において前記第2嵌合部と係合する第1コネクタ。
【請求項2】
前記第1嵌合部は、前記第1壁から前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に沿って延びるとともに前記第1端子部材に向かって突出する第1凸部を有し、
前記第1端子部材は、前記第3方向において前記第1凸部と対向する第1面を有し、
前記第3方向における前記第1凸部の先端と前記第1端子部材の前記第1面との間の最短距離L1は第1距離である請求項1に記載の第1コネクタ。
【請求項3】
前記第1端子部材の前記第1面は、前記第2コネクタに設けられる第2端子部材と接続される接続面である請求項2に記載の第1コネクタ。
【請求項4】
前記第1端子部材は、前記第3方向において前記第1面と反対側に設けられる第2面を有し、
前記第1コネクタハウジングは、先端部が前記第1方向に向かって延びる第2壁を有し、
前記第2壁は、前記第3方向において、前記第1端子部材を間にして前記第1壁と反対側に設けられており、
前記第2壁は、前記第3方向において前記第1端子部材の前記第2面と対向する第3面を有し、
前記第3方向における前記第2壁の前記第3面と前記第1端子部材の前記第2面との間の最短距離L2と、前記最短距離L1とが次式:L2≦L1を満たす請求項3に記載の第1コネクタ。
【請求項5】
複数の前記第1端子部材は、前記第3方向に沿って並んで設けられており、
前記第1壁は、前記第3方向において、複数の前記第1端子部材の間に設けられる請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の第1コネクタ。
【請求項6】
前記組付方向は、前記第1方向と平行に延びる方向であり、
前記第1コネクタハウジングは、
前記第1端子部材における前記第1方向と直交する方向の周囲のうちの前記第2方向を除く部位を覆う保護部と、
前記保護部において前記第1方向に開口する第1開口部と、
前記保護部において前記第2方向に開口する第2開口部と、を有する請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の第1コネクタ。
【請求項7】
前記保護部は、前記第2開口部を構成する一対の側壁を有し、
前記第1壁は、一対の前記側壁のうちの一方の側壁であり、
前記第1凸部は、一方の前記側壁の内面から前記第1端子部材に向かって突出する請求項6に記載の第1コネクタ。
【請求項8】
複数の前記第1端子部材は、前記第3方向において隣り合う2つの前記第1端子部材を有し、
前記保護部は、2つの前記第1端子部材のうち一方の前記第1端子部材を保護する第1保護部と、2つの前記第1端子部材のうち他方の前記第1端子部材を保護する第2保護部とを有し、
前記第1嵌合部は、前記第1保護部に設けられる前記第1凸部と、前記第2保護部に設けられる第2凸部とを有し、
前記第1凸部は、前記第1保護部のうち前記第3方向において2つの前記第1端子部材の間に設けられる側壁の内面から一方の前記第1端子部材に向かって突出しており、
前記第2凸部は、前記第2保護部のうち前記第3方向において2つの前記第1端子部材の間に設けられる側壁の内面から他方の前記第1端子部材に向かって突出する請求項6又は請求項7に記載の第1コネクタ。
【請求項9】
前記第1嵌合部は、前記第1凸部と、前記第1凸部の突出先端面から凹む第1凹部とを有し、
前記第1凸部は、前記組付方向と直交する平面に対して傾斜する第1傾斜面を有し、
前記第1傾斜面は、前記第1コネクタに前記第2コネクタが組み付けられる際に、前記第2嵌合部の有する第3凸部を前記第1凹部の内部に案内する請求項2から請求項8のいずれか1項に記載の第1コネクタ。
【請求項10】
前記第1凹部は、前記組付方向と直交する平面に対して傾斜する第2傾斜面を有し、
前記第2傾斜面は、前記第1コネクタに前記第2コネクタが組み付けられる際に、前記第2嵌合部の有する第3凸部を前記第1凹部の内部に案内する請求項9に記載の第1コネクタ。
【請求項11】
前記第1コネクタハウジングは、
前記第1端子部材の基端部を保持する基部と、
前記基部から前記第1方向に向かって突出する前記第1壁と、
前記第1壁の基端部と前記基部とを連結する補強部と、を有する請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の第1コネクタ。
【請求項12】
第1コネクタと着脱可能な第2コネクタであって、
複数の第2端子部材と、
複数の前記第2端子部材を収容するインナーハウジングと、
前記インナーハウジングを収容するアウターハウジングと、を有し、
前記インナーハウジングは、前記アウターハウジングと別部品であり、
前記インナーハウジングは、前記第1コネクタに設けられる第1嵌合部と凹凸嵌合する第2嵌合部を有し、
前記第2嵌合部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの組付方向と交差する第2方向において前記第1嵌合部と係合する第2コネクタ。
【請求項13】
前記インナーハウジングは、基部と、前記基部から延びる端子収容部とを有し、
前記端子収容部は、前記第2端子部材を内部に収容しており、
前記第2嵌合部は、前記端子収容部の外面に設けられる請求項12に記載の第2コネクタ。
【請求項14】
複数の前記第2端子部材は、前記第2方向と交差する第3方向に沿って並んで設けられており、
前記端子収容部は、第1端子収容部と、前記第3方向において前記第1端子収容部と離れて設けられる第2端子収容部とを有し、
前記第1端子収容部は、前記第3方向において前記第2端子収容部と対向する第1対向面を有し、
前記第2端子収容部は、前記第1対向面と対向する第2対向面を有し、
前記第2嵌合部は、前記第1対向面から前記第2対向面に向かって突出する第3凸部と、前記第2対向面から前記第1対向面に向かって突出する第4凸部とを有する請求項13に記載の第2コネクタ。
【請求項15】
前記第2嵌合部は、前記第3凸部と、前記第3凸部の突出先端面から前記第1対向面に向かって凹む第2凹部とを有し、
前記第3凸部は、前記組付方向と直交する平面に対して傾斜する第3傾斜面を有し、
前記第3傾斜面は、前記第1コネクタに前記第2コネクタが組み付けられる際に、前記第1嵌合部の有する第1凸部を前記第2凹部の内部に案内する請求項14に記載の第2コネクタ。
【請求項16】
前記第2凹部は、前記組付方向と直交する平面に対して傾斜する第4傾斜面を有し、
前記第4傾斜面は、前記第1コネクタに前記第2コネクタが組み付けられる際に、前記第1嵌合部の有する第1凸部を前記第2凹部の内部に案内する請求項15に記載の第2コネクタ。
【請求項17】
前記アウターハウジングに取り付けられるインナー部材を更に有し、
前記インナー部材は、前記アウターハウジングの内部において前記インナーハウジングを支持する請求項14から請求項16のいずれか1項に記載の第2コネクタ。
【請求項18】
前記第1端子収容部と前記第2端子収容部とは、前記基部を通じて一体に形成されており、
前記インナー部材は、前記基部に接触して前記インナーハウジングを支持する請求項17に記載の第2コネクタ。
【請求項19】
第1コネクタと、前記第1コネクタに着脱可能な第2コネクタとを有するコネクタアセンブリであって、
前記第1コネクタは、
先端部が第1方向に向かって延びる複数の第1端子部材と、
複数の前記第1端子部材を保持する第1コネクタハウジングと、を有し、
前記第1コネクタハウジングは、先端部が前記第1方向に向かって延びる第1壁を有し、
前記第1壁は、前記第2コネクタに設けられる第2嵌合部と凹凸嵌合する第1嵌合部を有し、
前記第1嵌合部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの組付方向と交差する第2方向において前記第2嵌合部と係合するコネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、第1コネクタ、第2コネクタ及びコネクタアセンブリに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ハイブリッド車や電気自動車などの車両に搭載されるワイヤハーネスとしては、電線と、その電線の端部に取り付けられたコネクタとを有するものが知られている。コネクタは、電線の端部に接続された金属製の端子と、その端子を保持するコネクタハウジングとを有している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-080269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上述したコネクタに振動が加わった場合には、コネクタハウジングが相手コネクタに対して相対移動し、そのコネクタハウジングに保持された端子が相手端子に対して相対移動するおそれがある。端子が相手端子に対して相対移動すると、端子と相手端子との接点が摩耗するという問題がある。
【0005】
本開示の目的は、接点の摩耗を抑制できる第1コネクタ、第2コネクタ及びコネクタアセンブリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1コネクタは、第2コネクタと着脱可能な第1コネクタであって、先端部が第1方向に向かって延びる複数の第1端子部材と、複数の前記第1端子部材を保持する第1コネクタハウジングと、を有し、前記第1コネクタハウジングは、先端部が前記第1方向に向かって延びる第1壁を有し、前記第1壁は、前記第2コネクタに設けられる第2嵌合部と凹凸嵌合する第1嵌合部を有し、前記第1嵌合部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの組付方向と交差する第2方向において前記第2嵌合部と係合する。
【0007】
本開示の第2コネクタは、第1コネクタと着脱可能な第2コネクタであって、複数の第2端子部材と、複数の前記第2端子部材を収容するインナーハウジングと、前記インナーハウジングを収容するアウターハウジングと、を有し、前記インナーハウジングは、前記アウターハウジングと別部品であり、前記インナーハウジングは、前記第1コネクタに設けられる第1嵌合部と凹凸嵌合する第2嵌合部を有し、前記第2嵌合部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの組付方向と交差する第2方向において前記第1嵌合部と係合する。
【0008】
本開示のコネクタアセンブリは、第1コネクタと、前記第1コネクタに着脱可能な第2コネクタとを有するコネクタアセンブリであって、前記第1コネクタは、先端部が第1方向に向かって延びる複数の第1端子部材と、複数の前記第1端子部材を保持する第1コネクタハウジングと、を有し、前記第1コネクタハウジングは、先端部が前記第1方向に向かって延びる第1壁を有し、前記第1壁は、前記第2コネクタに設けられる第2嵌合部と凹凸嵌合する第1嵌合部を有し、前記第1嵌合部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの組付方向と交差する第2方向において前記第2嵌合部と係合する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の第1コネクタ、第2コネクタ及びコネクタアセンブリによれば、接点の摩耗を抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態のコネクタアセンブリを示す概略分解斜視図である。
図2図2は、一実施形態のコネクタアセンブリを示す概略側面図である。
図3図3は、一実施形態の第1コネクタを示す概略斜視図である。
図4図4は、一実施形態の第1コネクタの一部を拡大して示す概略平面図である。
図5図5は、一実施形態の第1コネクタの一部を拡大して示す概略断面図(図4における5-5線断面図)である。
図6図6は、一実施形態のコネクタアセンブリを示す一部断面の概略分解斜視図である。
図7図7は、一実施形態の第1コネクタの一部を拡大して示す概略斜視図である。
図8図8は、一実施形態の第1コネクタの一部を拡大して示す概略斜視図である。
図9図9は、一実施形態のコネクタアセンブリの一部を拡大して示す概略断面図(図2における9-9線断面図)である。
図10図10は、一実施形態の第2コネクタを示す概略分解斜視図である。
図11図11は、一実施形態の第2コネクタの一部を示す概略斜視図である。
図12図12は、一実施形態の第2コネクタの一部を拡大して示す概略斜視図である。
図13図13は、一実施形態の第2コネクタの一部を拡大して示す概略斜視図である。
図14図14は、一実施形態の第2コネクタを示す一部断面の概略斜視図である。
図15図15は、一実施形態の第2コネクタの一部を示す概略分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列挙して説明する。
[1]本開示の第1コネクタは、第2コネクタと着脱可能な第1コネクタであって、先端部が第1方向に向かって延びる複数の第1端子部材と、複数の前記第1端子部材を保持する第1コネクタハウジングと、を有し、前記第1コネクタハウジングは、先端部が前記第1方向に向かって延びる第1壁を有し、前記第1壁は、前記第2コネクタに設けられる第2嵌合部と凹凸嵌合する第1嵌合部を有し、前記第1嵌合部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの組付方向と交差する第2方向において前記第2嵌合部と係合する。
【0012】
この構成によれば、相手側の第2コネクタに設けられる第2嵌合部と凹凸嵌合し、第1コネクタと第2コネクタとの組付方向と交差する第2方向において第2嵌合部と係合する第1嵌合部が第1コネクタハウジングに設けられる。この第1嵌合部が第2嵌合部に係合することにより、第1コネクタハウジングの第2方向における移動が規制される。このため、第2コネクタに組み付けられた第1コネクタに振動が加わった場合であっても、第2方向において、第2コネクタに対して第1コネクタハウジングが相対移動することを抑制できる。これにより、第1コネクタハウジングに保持された第1端子部材が第2コネクタに設けられる第2端子部材に対して相対移動することを抑制できる。この結果、第1端子部材と第2端子部材との接点が摩耗することを好適に抑制できる。
【0013】
[2]前記第1嵌合部は、前記第1壁から前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に沿って延びるとともに前記第1端子部材に向かって突出する第1凸部を有し、前記第1端子部材は、前記第3方向において前記第1凸部と対向する第1面を有し、前記第3方向における前記第1凸部の先端と前記第1端子部材の前記第1面との間の最短距離L1は第1距離であることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、第1壁から第3方向に突出する第1凸部の先端と第1端子部材の第1面との間の最短距離L1が第1距離に設定される。ここで、第1距離は、3mm以上15mm以下の範囲の距離である。第1距離は、6mm以上12mm以下の範囲の距離が好ましく、6mm以上9mm以下の範囲の距離がより好ましい。最短距離L1が第1距離に設定されることにより、第1凸部の先端と第1端子部材の第1面との間の隙間に作業者の指が入り込むことを抑制できる。このため、第1凸部の先端と第1端子部材の第1面との間の隙間を通じて作業者の指が第1端子部材に接触することを抑制できる。
【0015】
ここで、本明細書における「対向」とは、面同士又は部材同士が互いに正面の位置にあることを指し、互いが完全に正面の位置にある場合だけでなく、互いが部分的に正面の位置にある場合を含む。また、本明細書における「対向」とは、2つの部分の間に、2つの部分とは別の部材が介在している場合と、2つの部分の間に何も介在していない場合の両方向を含む。
【0016】
[3]前記第1端子部材の前記第1面は、前記第2コネクタに設けられる第2端子部材と接続される接続面であることが好ましい。この構成によれば、第1凸部の先端と第1端子部材の接続面との間の隙間に作業者の指が入り込むことを抑制できる。このため、第1凸部の先端と第1端子部材の接続面との間の隙間を通じて作業者の指が第1端子部材の接続面に接触することを抑制できる。
【0017】
[4]前記第1端子部材は、前記第3方向において前記第1面と反対側に設けられる第2面を有し、前記第1コネクタハウジングは、先端部が前記第1方向に向かって延びる第2壁を有し、前記第2壁は、前記第3方向において、前記第1端子部材を間にして前記第1壁と反対側に設けられており、前記第2壁は、前記第3方向において前記第1端子部材の前記第2面と対向する第3面を有し、前記第3方向における前記第2壁の前記第3面と前記第1端子部材の前記第2面との間の最短距離L2と、前記最短距離L1とが次式:L2≦L1を満たすことが好ましい。この構成によれば、第2壁の第3面と第1端子部材の第2面との間の最短距離L2が最短距離L1以下、つまり第1距離以下に設定される。これにより、第2壁の第3面と第1端子部材の第2面との間の隙間に作業者の指が入り込むことを抑制できる。このため、第2壁の第3面と第1端子部材の第2面との間の隙間を通じて作業者の指が第1端子部材に接触することを抑制できる。
【0018】
[5]複数の前記第1端子部材は、前記第3方向に沿って並んで設けられており、前記第1壁は、前記第3方向において、複数の前記第1端子部材の間に設けられることが好ましい。この構成によれば、複数の第1端子部材の間に設けられる第1壁に第1嵌合部が設けられる。このため、複数の第1端子部材の近傍に第1嵌合部を設けることができる。したがって、第1嵌合部の近傍に設けられる第1端子部材の相対移動を好適に抑制できる。
【0019】
[6]前記組付方向は、前記第1方向と平行に延びる方向であり、前記第1コネクタハウジングは、前記第1端子部材における前記第1方向と直交する方向の周囲のうちの前記第2方向を除く部位を覆う保護部と、前記保護部において前記第1方向に開口する第1開口部と、前記保護部において前記第2方向に開口する第2開口部と、を有することが好ましい。この構成によれば、第2開口部は、第1嵌合部と第2嵌合部とが係合する第2方向に開口している。換言すると、第2開口部が開口する第2方向において、第1嵌合部と第2嵌合部とが互いに係合する。ここで、第1コネクタと第2コネクタとの組付方向と交差する第2方向に開口する第2開口部を有する場合には、第1コネクタに第2コネクタが組み付けられた場合に、第2開口部が開口する第2方向において第1コネクタハウジングが第2コネクタに対して相対移動しやすくなる。これに対し、上記構成では、第1嵌合部が第2方向において第2嵌合部と係合するように設けられるため、第2方向において第1コネクタハウジングが第2コネクタに対して相対移動することを好適に抑制できる。
【0020】
[7]前記保護部は、前記第2開口部を構成する一対の側壁を有し、前記第1壁は、一対の前記側壁のうちの一方の側壁であり、前記第1凸部は、一方の前記側壁の内面から前記第1端子部材に向かって突出することが好ましい。この構成によれば、第1端子部材の外周を包囲する保護部を構成する側壁の内面に第1嵌合部が設けられる。このため、第1端子部材の近傍に第1嵌合部を設けることができる。したがって、第1嵌合部の近傍に設けられる第1端子部材の相対移動を好適に抑制できる。
【0021】
[8]複数の前記第1端子部材は、前記第3方向において隣り合う2つの前記第1端子部材を有し、前記保護部は、2つの前記第1端子部材のうち一方の前記第1端子部材を保護する第1保護部と、2つの前記第1端子部材のうち他方の前記第1端子部材を保護する第2保護部とを有し、前記第1嵌合部は、前記第1保護部に設けられる前記第1凸部と、前記第2保護部に設けられる第2凸部とを有し、前記第1凸部は、前記第1保護部のうち前記第3方向において2つの前記第1端子部材の間に設けられる側壁の内面から一方の前記第1端子部材に向かって突出しており、前記第2凸部は、前記第2保護部のうち前記第3方向において2つの前記第1端子部材の間に設けられる側壁の内面から他方の前記第1端子部材に向かって突出することが好ましい。この構成によれば、2つの第1端子部材を個別に保護する第1保護部及び第2保護部が設けられる。また、第1嵌合部は、第1保護部に設けられる第1凸部と、第2保護部に設けられる第2凸部とを有する。換言すると、第1保護部及び第2保護部の双方に第1嵌合部が設けられる。このため、2つの第1端子部材の各々の近傍に第1嵌合部を設けることができる。したがって、2つの第1端子部材の相対移動を好適に抑制できる。
【0022】
[9]前記第1嵌合部は、前記第1凸部と、前記第1凸部の突出先端面から凹む第1凹部とを有し、前記第1凸部は、前記組付方向と直交する平面に対して傾斜する第1傾斜面を有し、前記第1傾斜面は、前記第1コネクタに前記第2コネクタが組み付けられる際に、前記第2嵌合部の有する第3凸部を前記第1凹部の内部に案内することが好ましい。この構成によれば、第1凸部は、第1コネクタに第2コネクタが組み付けられる際に、第2コネクタの第2嵌合部が有する第3凸部を第1凹部の内部に案内する第1傾斜面を有する。このため、第1コネクタに第2コネクタが組み付けられる際に、第1嵌合部と第2嵌合部とを容易に凹凸嵌合させることができる。これにより、第1コネクタに第2コネクタを容易に組み付けることができる。
【0023】
[10]前記第1凹部は、前記組付方向と直交する平面に対して傾斜する第2傾斜面を有し、前記第2傾斜面は、前記第1コネクタに前記第2コネクタが組み付けられる際に、前記第2嵌合部の有する第3凸部を前記第1凹部の内部に案内することが好ましい。この構成によれば、第1凹部は、第1コネクタに第2コネクタが組み付けられる際に、第2コネクタの第2嵌合部が有する第3凸部を第1凹部の内部に案内する第2傾斜面を有する。このため、第1コネクタに第2コネクタが組み付けられる際に、第1嵌合部と第2嵌合部とを容易に凹凸嵌合させることができる。これにより、第1コネクタに第2コネクタを容易に組み付けることができる。
【0024】
[11]前記第1コネクタハウジングは、前記第1端子部材の基端部を保持する基部と、前記基部から前記第1方向に向かって突出する前記第1壁と、前記第1壁の基端部と前記基部とを連結する補強部と、を有することが好ましい。この構成によれば、第1コネクタハウジングの基部と第1壁の基端部とが補強部により連結される。このため、補強部を有さない構成に比べて、第1コネクタに振動が加わった場合に第1壁が揺動することを抑制できる。これにより、第1コネクタハウジングの相対移動を抑制でき、ひいては第1端子部材の相対移動を抑制できる。
【0025】
[12]本開示の第2コネクタは、第1コネクタと着脱可能な第2コネクタであって、複数の第2端子部材と、複数の前記第2端子部材を収容するインナーハウジングと、前記インナーハウジングを収容するアウターハウジングと、を有し、前記インナーハウジングは、前記アウターハウジングと別部品であり、前記インナーハウジングは、前記第1コネクタに設けられる第1嵌合部と凹凸嵌合する第2嵌合部を有し、前記第2嵌合部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの組付方向と交差する第2方向において前記第1嵌合部と係合する。
【0026】
この構成によれば、相手側の第1コネクタに設けられる第1嵌合部と凹凸嵌合し、第1コネクタと第2コネクタとの組付方向と交差する第2方向において第1嵌合部と係合する第2嵌合部がインナーハウジングに設けられる。この第2嵌合部が第1嵌合部に係合することにより、インナーハウジングの第2方向における移動が規制される。このため、第1コネクタに組み付けられた第2コネクタに振動が加わった場合であっても、第2方向において、第1コネクタに対してインナーハウジングが相対移動することを抑制できる。これにより、インナーハウジングに収容された第2端子部材が第1コネクタに設けられる第1端子部材に対して相対移動することを抑制できる。この結果、第1端子部材と第2端子部材との接点が摩耗することを好適に抑制できる。
【0027】
[13]前記インナーハウジングは、基部と、前記基部から延びる端子収容部とを有し、前記端子収容部は、前記第2端子部材を内部に収容しており、前記第2嵌合部は、前記端子収容部の外面に設けられることが好ましい。この構成によれば、第2端子部材を内部に収容する端子収容部の外面に第2嵌合部が設けられる。このため、第2端子部材の近傍に第2嵌合部を設けることができる。したがって、第2嵌合部の近傍に設けられる第2端子部材の相対移動を好適に抑制できる。
【0028】
[14]複数の前記第2端子部材は、前記第2方向と交差する第3方向に沿って並んで設けられており、前記端子収容部は、第1端子収容部と、前記第3方向において前記第1端子収容部と離れて設けられる第2端子収容部とを有し、前記第1端子収容部は、前記第3方向において前記第2端子収容部と対向する第1対向面を有し、前記第2端子収容部は、前記第1対向面と対向する第2対向面を有し、前記第2嵌合部は、前記第1対向面から前記第2対向面に向かって突出する第3凸部と、前記第2対向面から前記第1対向面に向かって突出する第4凸部とを有することが好ましい。この構成によれば、第2嵌合部は、第1端子収容部の第1対向面に設けられる第3凸部と、第2端子収容部の第2対向面に設けられる第4凸部とを有する。換言すると、第1端子収容部及び第2端子収容部の双方に第2嵌合部が設けられる。このため、第1端子収容部に収容される第2端子部材の近傍及び第2端子収容部に収容される第2端子部材の近傍に第2嵌合部を設けることができる。したがって、第2嵌合部の近傍に設けられる第2端子部材の相対移動を好適に抑制できる。また、第3凸部と第4凸部とが第3方向において互いに対向するように設けられる。このため、第1コネクタに第2コネクタが組み付けられた際に、第1コネクタの第1嵌合部が第3方向において第3凸部と第4凸部との間に設けられる。したがって、第1嵌合部に対して、第3方向の両側から第2嵌合部の第3凸部及び第4凸部が凹凸嵌合される。これにより、第1コネクタに対するインナーハウジングの相対移動をより好適に抑制でき、第2端子部材の相対移動をより好適に抑制できる。
【0029】
[15]前記第2嵌合部は、前記第3凸部と、前記第3凸部の突出先端面から前記第1対向面に向かって凹む第2凹部とを有し、前記第3凸部は、前記組付方向と直交する平面に対して傾斜する第3傾斜面を有し、前記第3傾斜面は、前記第1コネクタに前記第2コネクタが組み付けられる際に、前記第1嵌合部の有する第1凸部を前記第2凹部の内部に案内することが好ましい。この構成によれば、第3凸部は、第1コネクタに第2コネクタが組み付けられる際に、第1コネクタの第1嵌合部が有する第1凸部を第2凹部の内部に案内する第3傾斜面を有する。このため、第1コネクタに第2コネクタが組み付けられる際に、第1嵌合部と第2嵌合部とを容易に凹凸嵌合させることができる。これにより、第1コネクタに第2コネクタを容易に組み付けることができる。
【0030】
[16]前記第2凹部は、前記組付方向と直交する平面に対して傾斜する第4傾斜面を有し、前記第4傾斜面は、前記第1コネクタに前記第2コネクタが組み付けられる際に、前記第1嵌合部の有する第1凸部を前記第2凹部の内部に案内することが好ましい。この構成によれば、第1凹部は、第1コネクタに第2コネクタが組み付けられる際に、第1コネクタの第1嵌合部が有する第1凸部を第2凹部の内部に案内する第4傾斜面を有する。このため、第1コネクタに第2コネクタが組み付けられる際に、第1嵌合部と第2嵌合部とを容易に凹凸嵌合させることができる。これにより、第1コネクタに第2コネクタを容易に組み付けることができる。
【0031】
[17]前記アウターハウジングに取り付けられるインナー部材を更に有し、前記インナー部材は、前記アウターハウジングの内部において前記インナーハウジングを支持することが好ましい。この構成によれば、インナーハウジングがアウターハウジングの内部においてインナー部材により支持される。このため、第2コネクタに振動が加わった場合に、インナー部材を有さない構成に比べて、インナーハウジングがアウターハウジングの内部で揺動することを抑制できる。これにより、インナーハウジングの相対移動を抑制でき、ひいては第2端子部材の相対移動を抑制できる。
【0032】
[18]前記第1端子収容部と前記第2端子収容部とは、前記基部を通じて一体に形成されており、前記インナー部材は、前記基部に接触して前記インナーハウジングを支持することが好ましい。
【0033】
この構成によれば、第1端子収容部と第2端子収容部とが基部を通じて一体に形成される。このため、第1端子収容部と第2端子収容部とが別部品で構成される場合に比べて、部品点数を削減できる。また、インナー部材が基部に接触することにより、第1端子収容部及び第2端子収容部の両方を支持できる。このため、第1端子収容部及び第2端子収容部を支持するための構造を個別に設ける場合に比べて、インナー部材の構造を簡素化できる。
【0034】
[19]本開示のコネクタアセンブリは、第1コネクタと、前記第1コネクタに着脱可能な第2コネクタとを有するコネクタアセンブリであって、前記第1コネクタは、先端部が第1方向に向かって延びる複数の第1端子部材と、複数の前記第1端子部材を保持する第1コネクタハウジングと、を有し、前記第1コネクタハウジングは、先端部が前記第1方向に向かって延びる第1壁を有し、前記第1壁は、前記第2コネクタに設けられる第2嵌合部と凹凸嵌合する第1嵌合部を有し、前記第1嵌合部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの組付方向と交差する第2方向において前記第2嵌合部と係合する。
【0035】
この構成によれば、第2コネクタに設けられる第2嵌合部と凹凸嵌合し、第1コネクタと第2コネクタとの組付方向と交差する第2方向において第2嵌合部と係合する第1嵌合部が第1コネクタハウジングに設けられる。この第1嵌合部が第2嵌合部に係合することにより、第1コネクタハウジングの第2方向における移動が規制される。このため、第2コネクタに組み付けられた第1コネクタに振動が加わった場合であっても、第2方向において、第2コネクタに対して第1コネクタハウジングが相対移動することを抑制できる。これにより、第1コネクタハウジングに保持された第1端子部材が第2コネクタに設けられる第2端子部材に対して相対移動することを抑制できる。この結果、第1端子部材と第2端子部材との接点が摩耗することを好適に抑制できる。
【0036】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の第1コネクタ、第2コネクタ及びコネクタアセンブリの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。本明細書における「平行」や「直交」は、厳密に平行や直交の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね平行や直交の場合も含まれる。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0037】
(コネクタアセンブリ11の全体構成)
図1及び図2に示すように、コネクタアセンブリ10は、第1コネクタ20と、第1コネクタ20に着脱可能な第2コネクタ70とを有している。コネクタアセンブリ10は、車両に設けられるものである。例えば、車両は、高圧バッテリやインバータ等の複数の車載機器を有している。複数の車載機器同士はワイヤハーネスを介して接続される。そして、コネクタアセンブリ10は、例えば、車載機器とワイヤハーネスの端部に設けられるものである。第1コネクタ20と第2コネクタ70とは、組付方向D1に沿って互いに組み付けられている。なお、組付方向D1は、第1コネクタ20に対する第2コネクタ70の相対的な組付方向を示しているものであって、第1コネクタ20を固定側として限定しているわけではない。また、各図面における上下方向は、必ずしも第1コネクタ20及び第2コネクタ70の使用時の姿勢を表すものではない。
【0038】
(第1コネクタ20の構成)
図3及び図4に示すように、第1コネクタ20は、1つ又は複数(本実施形態では、2つ)の第1端子部材21と、第1端子部材21を保持する第1コネクタハウジング30と、1つ又は複数(本実施形態では、2つ)のスライド部材60とを有している。スライド部材60は、第1コネクタハウジング30に保持されている。
【0039】
(第1端子部材21の構成)
図5に示すように、各第1端子部材21は、金属製の第1端子22と、保護部材25とを有している。第1端子22は、基部23と、基部23から第1方向X1に向かって延びる接続部24とを有している。接続部24の先端部、つまり第1端子22の先端部は、基部23から第1方向X1に向かって延びている。本実施形態では、第1端子22の先端部が延びる方向を第1方向X1とし、その第1方向X1の反対方向を第1反対方向X2として説明する。なお、本実施形態の第1方向X1及び第1反対方向X2は、組付方向D1と平行な方向である。第1端子22は、例えば、基部23と接続部24とが連続して一体に形成された単一部品である。第1端子22は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金等からなる金属板材をプレス加工することにより形成されている。
【0040】
図3に示すように、接続部24は、平板状に形成されている。接続部24の軸方向は、第1方向X1に沿って延びている。接続部24の幅方向は、第1方向X1と直交する第2方向Y1に沿って延びている。接続部24の厚さ方向は、第1方向X1及び第2方向Y1の双方と直交する第3方向Z1に沿って延びている。接続部24の幅方向の一方の端面が第2方向Y1を向いており、接続部24の幅方向の他方の端面が第2方向Y1の反対方向である第2反対方向Y2を向いている。接続部24の厚さ方向の一方の端面が第3方向Z1を向いており、接続部24の厚さ方向の他方の端面が第3方向Z1の反対方向である第3反対方向Z2を向いている。接続部24の厚さ方向の両端面のうち一方の端面が第2コネクタ70の第2端子部材71(図1参照)と接続される接続面24Aであり、接続部24の厚さ方向の両端面のうち他方の端面が第2端子部材71と接続されない非接続面24Bである。接続面24Aは、第1方向X1に平行に延びる平面に形成されている。非接続面24Bは、第1方向X1に平行に延びる平面に形成されている。なお、図3では、2つの第1端子部材21のうち一方の第1端子部材21における保護部材25の図示を省略している。
【0041】
図5に示すように、2つの第1端子22は、第3方向Z1に沿って並んで設けられている。2つの第1端子22は、例えば、第3方向Z1において、2つの接続面24A同士が互いに対向するように配置されている。
【0042】
保護部材25は、接続部24の先端部に取り付けられている。保護部材25は、接続部24の先端面を被覆するように形成されている。保護部材25は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料により構成されている。
【0043】
(第1コネクタハウジング30の構成)
図3に示すように、第1コネクタハウジング30は、例えば、基部31と、基部31から第1方向X1に延びる周壁部32と、周壁部32の内側における基部31から第1方向X1に延びる保護部40とを有している。第1コネクタハウジング30は、例えば、基部31と周壁部32と保護部40とが一体に形成された単一部品である。第1コネクタハウジング30は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料により構成されている。
【0044】
(基部31の構成)
基部31は、第1端子22の基部23(図5参照)を保持する。基部31は、例えば、周壁部32よりも外側に突出した固定部31Aを有している。固定部31Aは、例えば、図示しない車載機器のケースに固定される。
【0045】
(周壁部32の構成)
周壁部32は、一部が切り欠かれた環状に形成されている。周壁部32は、例えば、全体として第1方向X1に延びる四角環状に形成されている。周壁部32は、例えば、四角環状における第2方向Y1の面において第1方向X1側が切り欠かれた形状に形成されている。周壁部32は、2つの第1端子部材21の外周を一括して包囲している。
【0046】
ここで、本明細書における「環」は、全体がつながって切れ目がなく輪になっている構造、つまり始点と終点とが一致する無端状の構造を意味する。また、本明細書における「環」は、外縁形状が円形の円環、外縁形状が楕円形や長円形の環、外縁形状が多角形の多角形環、外縁形状が角丸多角形の環を含み、外縁形状が直線又は曲線で結ばれる任意の閉じた形状からなるものを言う。「環」は、平面視において貫通孔を有する形状であり、外縁形状と貫通孔の内周形状とが同じ形状であるものや、外縁形状と貫通孔の内周形状とが異なる形状であるものを含む。「環」は、貫通孔の中心を通る中心軸が延びる軸方向に沿って延びる所定の長さを有するものを含み、その長さの大小は問わない。また、本明細書における「環状」は、全体として環と見做せればよく、C字状のように一部に切り欠きやスリット等を有するものを含む。
【0047】
(保護部40の構成)
保護部40は、2つの第1端子部材21を個別に保護する2つの保護部40A,40Bを有している。各保護部40A,40Bは、各第1端子部材21の外周を包囲している。保護部40Aは、2つの第1端子部材21のうち第3方向Z1側に配置された第1端子部材21、つまり図中左側の第1端子部材21の外周を包囲している。保護部40Bは、2つの第1端子部材21のうち第3反対方向Z2側に配置された第1端子部材21、つまり図中右側の第1端子部材21の外周を包囲している。
【0048】
各保護部40A,40Bは、一部が切り欠かれた環状に形成されている。各保護部40A,40Bは、例えば、全体として第1方向X1に延びる四角環状に形成されている。各保護部40A,40Bは、第1端子部材21における第1方向X1と直交する方向の周囲のうちの第2方向Y1を除く部位を覆うように形成されている。各保護部40A,40Bは、四角環状における第2方向Y1の面において第1方向X1側が切り欠かれた形状に形成されている。この構成により、各保護部40A,40Bは、第1方向X1に開口する第1開口部41と、第2方向Y1に開口する第2開口部42とを有している。各保護部40A,40Bの先端は、第1端子部材21の先端よりも第1方向X1に突出している。
【0049】
各保護部40A,40Bは、一対の側壁43,44と、下壁45と、上壁46とを有している。側壁43と側壁44とは、第3方向Z1において、互いに対向している。側壁43の内面は、接続部24の接続面24Aに対向している。側壁44の内面は、接続部24の非接続面24Bに対向している。下壁45は、四角環状をなす各保護部40A,40Bにおける第2方向Y1の周壁である。上壁46は、四角環状をなす各保護部40A,40Bにおける第2反対方向Y2の周壁である。第2開口部42は、下壁45に設けられている。第2開口部42は、下壁45の第1方向X1側が切り欠かれて形成されている。第2開口部42は、一対の側壁43,44と下壁45とによって囲まれている。
【0050】
2つの保護部40A,40Bは、第3方向Z1に沿って並んで設けられている。本実施形態では、保護部40Aの側壁43と保護部40Bの側壁43とは両方とも、第3方向Z1において、2つの第1端子部材21の間に設けられている。保護部40Aの側壁43と保護部40Bの側壁43とは、例えば、連結壁47により一体に形成されている。
【0051】
(第1嵌合部50の構成)
図6に示すように、第1コネクタ20は、例えば、第1嵌合部50を有している。第1嵌合部50は、第2コネクタ70の有する第2嵌合部100と凹凸嵌合する。第1嵌合部50は、第1コネクタ20と第2コネクタ70との組付方向D1と交差する方向において第2嵌合部100と係合する。第1嵌合部50は、例えば、第2開口部42が開口する方向である第2方向Y1において第2嵌合部100と係合する。第1嵌合部50は、第1コネクタハウジング30に設けられている。第1嵌合部50は、例えば、保護部40A,40Bの周壁に設けられている。第1嵌合部50は、例えば、保護部40A,40Bの周壁のうち第1端子22の接続面24Aと対向する側壁43の内面に設けられている。本実施形態の第1嵌合部50は、一方の保護部40Aの側壁43の内面に設けられるとともに、他方の保護部40Bの側壁43の内面に設けられている。すなわち、本実施形態の第1コネクタハウジング30は、2つの第1嵌合部50を有している。
【0052】
図4に示すように、各第1嵌合部50は、1つ又は複数(本実施形態では、7つ)の凸部51と、1つ又は複数(本実施形態では、6つ)の凹部52とを有している。各第1嵌合部50は、第2方向Y1において、7つの凸部51と6つの凹部52とが1つずつ交互に並んで設けられている。
【0053】
図7に示すように、各凸部51は、各凹部52の底面から第1端子22の接続面24Aに向かって突出している。各凸部51は、例えば、各凹部52の底面から第3方向Z1又は第3反対方向Z2に沿って延びるように突出している。各凸部51は、例えば、第2開口部42が開口する第2方向Y1と直交する第3方向Z1に沿って延びるように突出している。本実施形態では、保護部40Aの側壁43に設けられた凸部51(第1凸部)と、保護部40Bの側壁43に設けられた凸部51(第2凸部)とが互いに反対方向に向かって突出している。具体的には、保護部40Aの側壁43に設けられた凸部51が側壁43の内面から第3方向Z1に向かって突出し、保護部40Bの側壁43に設けられた凸部51が側壁43の内面から第3反対方向Z2に向かって突出している。各凸部51は、側壁43の先端部から第1反対方向X2に沿って延びている。各凸部51の中心軸が延びる各凸部51の軸方向は、第1方向X1と平行に延びている。
【0054】
各凸部51は、突出先端面51Aと、一対の側面51Bと、端面51Cとを有している。各突出先端面51Aは、各凸部51の端面のうち凹部52の底面から第3方向Z1において最も離れた位置に設けられた端面である。換言すると、各突出先端面51Aは、各凸部51の端面のうち第1端子22に最も近い位置に設けられた端面である。各突出先端面51Aは、第1端子22と対向している。突出先端面51Aは、第1方向X1に広がるとともに、第2方向Y1に広がっている。各側面51Bは、第1方向X1に広がるとともに、第3方向Z1に広がっている。各側面51Bは、凹部52の内側面を構成している。端面51Cは、凸部51における第1方向X1の面である。端面51Cは、例えば、側壁43の先端面と面一に形成されている。各端面51C及び側壁43の先端面は、第1方向X1において、第2コネクタ70(図6参照)と対向する。
【0055】
各凹部52は、各凸部51の突出先端面51Aから凹むように形成されている。各凹部52は、側壁43の先端面から第1反対方向X2に沿って延びている。各凹部52の底面は、例えば、第1端子22の接続面24Aに対向している。各凹部52の先端部、つまり各凹部52における第1方向X1の端部は、例えば、組付方向D1と平行な第1方向X1に開口している。
【0056】
図8に示すように、各凸部51の先端部、つまり各凸部51の第1方向X1側の端部は、先細り形状に形成された案内部53を有している。案内部53は、例えば、凸部51の端面51Cに向かうに連れて細くなるように形成されている。案内部53は、組付方向D1の手前側に設けられている。案内部53は、突出先端面51Aに設けられた傾斜面54と、各側面51Bに設けられた傾斜面55とを有している。
【0057】
傾斜面54は、凸部51の先端部における突出先端面51Aに設けられている。傾斜面54は、凸部51の端面51Cに向かうに連れて凸部51の中心軸に近づくように傾斜している。傾斜面54は、組付方向D1と直交する平面に対して傾斜している。また、傾斜面54は、組付方向D1と平行な平面に対して傾斜している。傾斜面54は、例えば、端面51Cと突出先端面51Aとの角部が面取りされて形成されている。面取りは、R面取りでもC面取りでもよい。本実施形態の傾斜面54は、端面51Cと突出先端面51Aとの角部がC面取りされて形成されている。
【0058】
傾斜面55は、凸部51の先端部における側面51Bに設けられている。傾斜面55は、凸部51の端面51Cに向かうに連れて凸部51の中心軸に近づくように傾斜している。傾斜面55は、組付方向D1と直交する平面に対して傾斜している。また、傾斜面55は、組付方向D1と平行な平面に対して傾斜している。傾斜面55は、凹部52の先端部における凹部52の第2方向Y1に沿う開口幅を広げるように形成されている。傾斜面55は、例えば、端面51Cと側面51Bとの角部がR面取り又はC面取りされて形成されている。本実施形態の傾斜面55は、端面51Cと側面51Bとの角部がC面取りされて形成されている。
【0059】
各凹部52の底面は、凹部52の先端部に設けられた傾斜面56を有している。傾斜面56は、側壁43の先端面に向かうに連れて連結壁47に近づくように傾斜している。傾斜面56は、凹部52の先端部における凹部52の第3方向Z1に沿う開口幅を広げるように形成されている。傾斜面56は、組付方向D1と直交する平面に対して傾斜している。また、傾斜面56は、組付方向D1と平行な平面に対して傾斜している。傾斜面56は、例えば、側壁43の先端面と凹部52の底面との角部がR面取り又はC面取りされて形成されている。本実施形態の傾斜面56は、側壁43の先端面と凹部52の底面との角部がC面取りされて形成されている。
【0060】
案内部53、つまり傾斜面54,55と傾斜面56とは、第1コネクタ20に第2コネクタ70を組み付ける際に、第2嵌合部100の凸部101(図12参照)を凹部52の内部に案内する機能を有している。
【0061】
図5に示すように、凸部51が第1端子22に向かって突出する方向、詳しくは第3方向Z1又は第3反対方向Z2において、凸部51の突出先端面51Aと第1端子22の接続面24Aとの間の最短距離L1は、第1距離に設定されている。ここで、第1距離は、3mm以上15mm以下の範囲の距離である。換言すると、突出先端面51Aと接続面24Aとを含み、保護部40の中心軸と垂直な断面において、突出先端面51Aと接続面24Aとの最短距離L1は、例えば、3mm以上15mm以下の範囲の距離に設定されている。なお、第1距離は、6mm以上12mm以下の範囲の距離が好ましく、6mm以上9mm以下の範囲の距離がより好ましい。このように最短距離L1を第1距離に設定することにより、凸部51と第1端子22との間の隙間に作業者の指が入り込むことを抑制できる。これにより、作業者の指が第1端子22の接続面24Aに接触することを好適に抑制できる。なお、最短距離L1は、第2コネクタ70に設けられた第2端子部材71(図1参照)が挿入可能な距離に設定されている。
【0062】
また、第3方向Z1において、側壁44の内面(第3面)と第1端子22の非接続面24B(第2面)との間の最短距離L2は、最短距離L1以下の距離に設定されている(L2≦L1)。換言すると、突出先端面51Aと接続面24Aとを含み、保護部40の中心軸と垂直な断面において、側壁44の内面と非接続面24Bとの間の最短距離L2は、最短距離L1以下の距離に設定されている。このように最短距離L2を設定することにより、側壁44の内面と第1端子22との間の隙間に作業者の指が入り込むことを好適に抑制できる。これにより、作業者の指が第1端子22の非接続面24Bに接触することを好適に抑制できる。本実施形態の最短距離L2は、最短距離L1よりも短い。すなわち、各保護部40の内部では、第3方向Z1において、第1端子部材21が側壁43,44のうち側壁44側に片寄って配置されている。
【0063】
図3に示すように、第1コネクタハウジング30は、第1嵌合部50を有する側壁43と基部31とを連結する補強部33を有している。補強部33は、例えば、各保護部40A,40Bの内部に設けられている。補強部33は、例えば、側壁43の基端部、つまり側壁43の第1反対方向X2側の端部と、保護部40A,40Bに露出する基部31とを連結している。補強部33は、第2方向Y1に延びている。補強部33は、例えば、下壁45及び上壁46には連結されていない。図5及び図7に示すように、補強部33は、基部31から第1方向X1に延びている。補強部33は、基部31から第1方向X1に沿って側壁43の長さ方向の途中まで延びている。補強部33は、第3方向Z1に所定の厚みを有している。補強部33は、側壁43の基端部と基部31とを一体化している。この補強部33を設けたことにより、側壁43の剛性を高めることができる。
【0064】
(スライド部材60の構成)
図3に示すように、各スライド部材60は、各保護部40A,40Bに取り付けられる。各スライド部材60は、第2開口部42を塞ぐ閉位置(図1参照)から第1反対方向X2の開位置(図3参照)までの間においてスライド移動可能である。ここで、第2開口部42を塞ぐ閉位置とは、第2開口部42を通じて指が第1端子22に到達しない程度に第2開口部42を塞ぐことができる位置であればよく、スライド部材60は閉位置においても第2開口部42を密閉するとは限らない。また、開位置とは、第2開口部42を開放する位置である。スライド部材60は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料により構成されている。
【0065】
(第2コネクタ70の構成)
図1に示すように、第2コネクタ70は、1つ又は複数(本実施形態では、2つ)の金属製の第2端子部材71と、第2端子部材71を保持する第2コネクタハウジング80とを有している。本実施形態では、2つの第2端子部材71が第3方向Z1に沿って並んだ状態で第2コネクタハウジング80に保持されている。第2コネクタハウジング80は、第1コネクタハウジング30と着脱可能である。なお、第2コネクタ70における第3方向Z1を含む方向の説明は、第2コネクタ70が第1コネクタ20に接続された状態を基準として記載する。
【0066】
(第2端子部材71の構成)
各第2端子部材71の先端部は、第2反対方向Y2に向かって延びている。第2端子部材71は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金等からなる金属板材をプレス加工することにより形成されている。
【0067】
図9に示すように、複数の第2端子部材71は、複数の第1端子22のそれぞれに対応して設けられている。各第2端子部材71の先端部は、各第1端子22の接続面24Aに接続される接続部72を有している。各第2端子部材71の接続部72は、第1コネクタ20に第2コネクタ70が組み付けられた状態において、第1端子22の接続面24Aと接触して電気的に接続される。第2端子部材71は、第1コネクタ20に第2コネクタ70が嵌合された状態において、保護部40A,40Bの第2開口部42を通るように配置される。
【0068】
(第2コネクタハウジング80の構成)
図10に示すように、第2コネクタハウジング80は、第2端子部材71を収容するインナーハウジング81と、インナーハウジング81を覆うアウターハウジング110とを有している。インナーハウジング81とアウターハウジング110とは別部品である。
【0069】
(インナーハウジング81の構成)
インナーハウジング81は、例えば、基部82と、基部82から第2反対方向Y2に突出する端子収容部90とを有している。インナーハウジング81は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料により構成されている。
【0070】
図11に示すように、基部82は、インナーハウジング81の第2方向Y1側の端部に設けられている。基部82は、環状に形成されている。基部82は、例えば、第2端子部材71と電気的に接続される電線75が貫通する貫通孔82Xを有している。基部82は、2本の電線75が個別に貫通する2つの貫通孔82Xを有している。各貫通孔82Xは、基部82を第2方向Y1に貫通している。基部82は、2つの貫通孔82Xを仕切る仕切壁83を有している。仕切壁83は、第3方向Z1において、2つの貫通孔82Xの間に設けられている。仕切壁83は、例えば、基部82の第3方向Z1における中央部に設けられている。仕切壁83は、例えば、基部82の第2方向Y1の全長にわたって延びている。
【0071】
図12に示すように、端子収容部90は、2つの第2端子部材71を収容している。端子収容部90は、例えば、2つの第2端子部材71を個別に収容する2つの端子収容部90A,90Bを有している。2つの端子収容部90は、1つの基部82に共通して連結されている。換言すると、2つの端子収容部90A,90Bは、基部82を通じて一体に形成されている。
【0072】
各端子収容部90A,90Bは、例えば、基部82から第2反対方向Y2に沿って延びる箱状に形成されている。換言すると、各端子収容部90A,90Bは、例えば、底壁91を有する有底環状に形成されている。底壁91は、端子収容部90A,90Bにおける第2反対方向Y2の周壁によって構成されている。各端子収容部90A,90Bの内部空間は、基部82の各貫通孔82X(図11参照)に連通している。各端子収容部90A,90Bの内部空間には、第2端子部材71が収容されている。各端子収容部90A,90Bは、第1コネクタ20の第1端子部材21が挿入される挿入孔92を有している。各挿入孔92は、各端子収容部90A,90Bにおける第1反対方向X2の周壁93を貫通して形成されている。各挿入孔92は、組付方向D1と平行な第1方向X1に沿って周壁93を貫通している。各挿入孔92は、各端子収容部90A,90Bの内部空間に連通している。各端子収容部90A,90Bは、各端子収容部90A,90Bの内部空間において各第2端子部材71の接続部72を露出した状態で第2端子部材71を保持している。
【0073】
2つの端子収容部90A,90Bは、第3方向Z1に沿って並んで設けられている。2つの端子収容部90A,90Bは、第3方向Z1において互いに離れて設けられている。すなわち、2つの端子収容部90A,90Bの間には隙間が設けられている。端子収容部90Aは、端子収容部90Bと対向する対向面94Aを有している。対向面94Aは、端子収容部90Aにおける第3反対方向Z2の面である。端子収容部90Bは、端子収容部90Aと対向する対向面94Bを有している。
【0074】
図6に示すように、第2コネクタハウジング80は、第1コネクタ20の第1嵌合部50と凹凸嵌合する第2嵌合部100を有している。第2嵌合部100は、組付方向D1と交差する方向において第1嵌合部50と係合する。第2嵌合部100は、インナーハウジング81に設けられている。図12に示すように、第2嵌合部100は、例えば、端子収容部90Aの対向面94Aに設けられるとともに、端子収容部90Bの対向面94Bに設けられている。すなわち、本実施形態の第2コネクタハウジング80は、2つの第2嵌合部100を有している。
【0075】
図9に示すように、各第2嵌合部100は、1つ又は複数(本実施形態では、6つ)の凸部101と、1つ又は複数(本実施形態では、7つ)の凹部102とを有している。各第2嵌合部100は、第2方向Y1において、6つの凸部101と7つの凹部102とが1つずつ交互に並んで設けられている。6つの凸部101は、6つの凹部52にそれぞれ嵌合する。7つの凹部102は、7つの凸部51とそれぞれ嵌合する。第1コネクタ20に第2コネクタ70が組み付けられた状態では、第1嵌合部50の凸部51と第2嵌合部100の凸部101とが第2方向Y1において互いに係合する。第1コネクタ20に第2コネクタ70が嵌合された状態では、2つの端子収容部90A,90Bの対向面94A,94Bの間の隙間に、2つの保護部40A,40Bの側壁43及び連結壁47が嵌合される。本実施形態では、2つの側壁43に設けられた2つの第1嵌合部50に対して、第3方向Z1及び第3反対方向Z2の両側から2つの第2嵌合部100が凹凸嵌合される。具体的には、保護部40Aの側壁43に設けられた第1嵌合部50には対向面94Aに設けられた第2嵌合部100が凹凸嵌合され、保護部40Bの側壁43に設けられた第1嵌合部50には対向面94Bに設けられた第2嵌合部100が凹凸嵌合される。より具体的には、対向面94Aに設けられた凸部101(第3凸部)が保護部40Aの側壁43に設けられた凹部52(第1凹部)に嵌合する。また、対向面94Aに設けられた凹部102(第2凹部)に保護部40Aの側壁43に設けられた凸部51(第1凸部)が嵌合する。同様に、対向面94Bに設けられた凸部101(第4凸部)が保護部40Bの側壁43に設けられた凹部52に嵌合する。また、対向面94Bに設けられた凹部102に保護部40Bの側壁43に設けられた凸部51(第2凸部)が嵌合する。このため、本実施形態の2つの第1嵌合部50は、第3方向Z1において、2つの第2嵌合部100により挟持されている。
【0076】
2つの第2嵌合部100のうち一方の第2嵌合部100における各凸部101は、他方の第2嵌合部100における凸部101に向かって突出している。例えば、対向面94Aに設けられた各凸部101は、対向面94Aに設けられた各凹部102の底面から対向面94Bに向かって突出している。例えば、対向面94Bに設けられた各凸部101は、対向面94Bに設けられた各凹部102の底面から対向面94Aに向かって突出している。各凸部101は、例えば、各凹部102の底面から第3方向Z1又は第3反対方向Z2に沿って延びるように突出している。
【0077】
図12に示すように、各凸部101は、周壁93における第1反対方向X2の端面93Aから第1方向X1に沿って延びている。各凸部101の中心軸が延びる各凸部101の軸方向は、第1方向X1と平行に延びている。各凸部101は、突出先端面101Aと、一対の側面101Bと、端面101Cとを有している。各突出先端面101Aは、各凸部101の端面のうち凹部102の底面から第3方向Z1において最も離れた位置に設けられた端面である。2つの第2嵌合部100のうち一方の第2嵌合部100における突出先端面101Aは、他方の第2嵌合部100における突出先端面101Aと対向している。突出先端面101Aは、第1方向X1に広がるとともに、第2方向Y1に広がっている。各側面101Bは、第1方向X1に広がるとともに、第3方向Z1に広がっている。各側面101Bは、凹部102の内側面を構成している。端面101Cは、凸部101における第1反対方向X2の面である。
【0078】
各凹部102は、各凸部101の突出先端面101Aから凹むように形成されている。各凹部102は、周壁93の端面93Aから第1方向X1に沿って延びている。2つの第2嵌合部100のうち一方の第2嵌合部100における各凹部102の底面は、他方の第2嵌合部100における各凹部102の底面と対向している。各凹部102の先端部、つまり各凹部102における第1反対方向X2の端部は、例えば、組付方向D1と平行な第1反対方向X2に開口している。
【0079】
図13に示すように、各凸部101の先端部、つまり各凸部101の第1反対方向X2側の端部は、先細り形状に形成された案内部103を有している。各案内部103は、各凸部101のうち第1コネクタ20(図6参照)に最も近い端部に設けられている。各案内部103は、例えば、周壁93の端面93Aに向かうに連れて細くなるように形成されている。各案内部103は、端面101Cに設けられた傾斜面104と、各側面101Bに設けられた傾斜面105とを有している。
【0080】
傾斜面104は、周壁93の端面93Aに向かうに連れて凹部102の底面に近づくように傾斜している。傾斜面104は、端面101Cの全面に設けられている。傾斜面104は、組付方向D1と直交する平面に対して傾斜している。また、傾斜面104は、組付方向D1と平行な平面に対して傾斜している。
【0081】
傾斜面105は、凸部101の先端部における側面101Bに設けられている。傾斜面105は、凸部101の端面101Cに向かうに連れて凸部101の中心軸に近づくように傾斜している。傾斜面105は、組付方向D1と直交する平面に対して傾斜している。傾斜面105は、組付方向D1と平行な平面に対して傾斜している。傾斜面105は、凹部102の先端部における凹部102の第2方向Y1に沿う開口幅を広げるように形成されている。傾斜面105は、例えば、端面101Cと側面101Bとの角部がR面取り又はC面取りされて形成されている。本実施形態の傾斜面105は、端面101Cと側面101Bとの角部がC面取りされて形成されている。
【0082】
各凹部102の底面は、凹部102の先端部に設けられた傾斜面106を有している。傾斜面106は、周壁93の端面93Aに向かうに連れて突出先端面101Aから離れるように傾斜している。傾斜面106は、凹部102の先端部における凹部102の第3方向Z1に沿う開口幅を広げるように形成されている。傾斜面106は、組付方向D1と直交する平面に対して傾斜している。傾斜面106は、組付方向D1と平行な平面に対して傾斜している。傾斜面106は、例えば、周壁93の端面93Aと凹部102の底面との角部がR面取り又はC面取りされて形成されている。本実施形態の傾斜面106は、端面93Aと凹部102の底面との角部がC面取りされて形成されている。傾斜面106の一部は、例えば、傾斜面104と連続して一体に形成されている。
【0083】
案内部103、つまり傾斜面104,105と傾斜面106とは、第1コネクタ20に第2コネクタ70を組み付ける際に、第1嵌合部50の凸部51(図7参照)を凹部102の内部に案内する機能を有している。
【0084】
(アウターハウジング110の構成)
図10及び図14に示すように、アウターハウジング110は、インナーハウジング81の外周を包囲している。換言すると、インナーハウジング81は、アウターハウジング110の内部に収容されている。アウターハウジング110は、底壁111を有する有底環状に形成されている。例えば、アウターハウジング110は、第2方向Y1に開口するとともに、第2反対方向Y2の開口が底壁111により閉塞された有底環状に形成されている。アウターハウジング110は、端子収容部90A,90Bの周壁93を露出する開口部112を有している。開口部112は、アウターハウジング110における第1反対方向X2の周壁113に設けられている。開口部112は、周壁113の第2反対方向Y2側の端部、つまり周壁113のうち底壁111側の端部に設けられている。開口部112は、組付方向D1と平行な第1方向X1に沿って周壁113を貫通している。開口部112は、アウターハウジング110の内部空間に連通している。
【0085】
アウターハウジング110の外周面は、1つ又は複数(本実施形態では、4つ)の係合部120を有している。係合部120は、例えば、周壁113のうち第2方向Y1側の端部における外面に設けられている。図10に示すように、第2方向Y1側の端部における周壁113の外面に2つの係合部120が設けられている。2つの係合部120は、例えば、第3方向Z1において互いに離れて設けられている。各係合部120は、例えば、周壁113の外面からアウターハウジング110の径方向外側に突出するように形成されている。図1に示すように、アウターハウジング110における第1方向X1の周壁にも同様に2つの係合部120が設けられている。
【0086】
(第2コネクタ70の構成)
図14に示すように、第2コネクタ70は、例えば、インナーハウジング81を支持するインナー部材130を有している。第2コネクタ70は、例えば、インナー部材130の内側に嵌合する1つ又は複数(本実施形態では、2つ)の環状のシール部材140と、インナー部材130の外側に嵌合する環状のシール部材150とを有している。
【0087】
(インナー部材130の構成)
インナー部材130は、アウターハウジング110の第2方向Y1側の端部に取り付けられている。インナー部材130は、例えば、インナーハウジング81とは別部品である。インナー部材130は、例えば、アウターハウジング110とは別部品である。インナー部材130の一部は、アウターハウジング110の内部に収容されている。インナー部材130は、アウターハウジング110の内部において、インナーハウジング81を支持している。インナー部材130は、例えば、アウターハウジング110の内部において、インナーハウジング81を底壁111の内面に向かって押圧することにより、インナーハウジング81を支持している。
【0088】
図15に示すように、インナー部材130は、本体部131と、本体部131における第2反対方向Y2の端面から第2反対方向Y2に向かって突出する突出部132と、1つ又は複数(本実施形態では、4つ)の係合部133とを有している。インナー部材130は、例えば、本体部131と突出部132と係合部133とが一体に形成された単一部品である。インナー部材130は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料により構成されている。
【0089】
本体部131は、環状に形成されている。本体部131は、全体として四角環状に形成されている。本体部131は、例えば、2本の電線75(図10参照)が個別に貫通する2つの貫通孔131Xを有している。2つの貫通孔131Xには、2つのシール部材140が個別に嵌合される。各貫通孔131Xは、本体部131を第2方向Y1に貫通している。各貫通孔131Xは、例えば、貫通孔131Xの貫通方向から見た平面形状が四角形状に形成されている。本体部131は、2つの貫通孔131Xを仕切る仕切壁134を有している。仕切壁134は、第3方向Z1において、2つの貫通孔131Xの間に設けられている。仕切壁134は、例えば、本体部131の第3方向Z1における中央部に設けられている。仕切壁134は、例えば、本体部131の第2方向Y1の全長にわたって延びている。
【0090】
本体部131は、各貫通孔131Xの内周面に設けられた1つ又は複数(本実施形態では、4つ)の規制壁135を有している。各規制壁135は、第2反対方向Y2側の端部における貫通孔131Xの内周面から貫通孔131Xの径方向内側に突出して形成されている。各規制壁135は、例えば、本体部131の第2方向Y1における中央部から本体部131の第2反対方向Y2の端面まで延びている。
【0091】
本体部131の外周面は、シール部材150が装着される溝部136を有している。溝部136は、第2反対方向Y2側の端部における本体部131の外周面に設けられている。溝部136は、本体部131の外周面から本体部131の径方向内側に凹むように形成されている。溝部136は、本体部131の周方向全周にわたって連続して形成されている。溝部136は、例えば、本体部131の第2方向Y1における中央部から本体部131の第2反対方向Y2の端面まで延びている。
【0092】
突出部132は、例えば、仕切壁134における第2反対方向Y2の端面から第2反対方向Y2に向かって突出している。突出部132は、例えば、第1方向X1に延びるとともに、第3方向Z1に所定の厚みを有している。図14に示すように、突出部132は、インナー部材130がアウターハウジング110に取り付けられた場合に、基部82の仕切壁83に接触する。突出部132の先端面、つまり突出部132における第2反対方向Y2の端面は、仕切壁83の第2方向Y1の端面に接触する。突出部132は、例えば、仕切壁83に接触してインナーハウジング81を底壁111に向かって押圧することにより、アウターハウジング110の内部においてインナーハウジング81を支持している。
【0093】
4つの係合部133は、アウターハウジング110の4つの係合部120に対応して設けられている。各係合部133は、例えば、本体部131の第2方向Y1の端部から第2反対方向Y2に向かって突出するように形成されている。各係合部133は、第1方向X1において、本体部131の外周面と離れて設けられている。各係合部133は、本体部131に接続された基端部を固定端とし、基端部とは第2方向Y1において反対側の先端部を自由端とする片持ち状に形成されている。各係合部133は、弾性変形による第1方向X1への撓みが可能に構成されている。各係合部133は、係合部120が係合される係合孔133Xを有している。係合孔133Xは、例えば、第2方向Y1に沿って延びている。係合部133と係合部120とは、例えば、スナップフィット方式により互いに係合される。係合部133と係合部120とが互いに係合されることにより、インナー部材130がアウターハウジング110に固定される。
【0094】
(シール部材140,150の構成)
2つのシール部材140は、2つの電線75にそれぞれ対応して設けられている。2つのシール部材140は、2つの電線75の外周面にそれぞれ取り付けられている。各シール部材140は、各貫通孔131Xの内側に嵌合されている。各シール部材140は、貫通孔131Xの内周面に沿った外周面を有する環状に形成されている。各シール部材140は、各電線75が貫通する貫通孔141を有している。貫通孔141の内周面は、電線75の外周面に沿った形状に形成されている。各シール部材140は、弾性変形可能に構成されている。各シール部材140は、電線75の外周面に密着するとともに、貫通孔131Xの内周面に密着している。各シール部材140は、電線75の外周面とインナー部材130の内周面との間をシールする。なお、各シール部材140における第2反対方向Y2の端面は、貫通孔131Xの内部において、図15に示した規制壁135に接触している。各シール部材140が規制壁135に接触することにより、各貫通孔131Xに対する各シール部材140の挿入量が規制されている。換言すると、規制壁135は、各貫通孔131Xの内部において各シール部材140を位置決めする機能を有している。
【0095】
図14に示すように、シール部材150は、インナー部材130の外周面に取り付けられている。シール部材150は、例えば、本体部131の溝部136の底面に取り付けられている。シール部材150は、アウターハウジング110の内部に設けられている。シール部材150は、インナー部材130の周方向全周にわたって連続した環状に形成されている。シール部材150の外周面は、アウターハウジング110の内周面に沿った形状に形成されている。シール部材150の内周面は、インナー部材130の外周面に沿った形状に形成されている。シール部材150は、弾性変形可能に構成されている。シール部材150は、例えば、インナー部材130の外周面に密着するとともに、アウターハウジング110の内周面に密着している。シール部材150は、インナー部材130の外周面とアウターハウジング110の内周面との間をシールする。
【0096】
シール部材140,150は、例えば、ゴム製である。シール部材140,150の材料としては、例えば、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴムなどを用いることができる。
【0097】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
(1)第1コネクタハウジング30は、相手側の第2コネクタ70に設けられる第2嵌合部100と凹凸嵌合し、第1コネクタ20と第2コネクタ70との組付方向D1と交差する第2方向Y1において第2嵌合部100と係合する第1嵌合部50を有する。この第1嵌合部50が第2嵌合部100に係合することにより、第1コネクタハウジング30の第2方向Y1における移動が規制される。このため、第2コネクタ70に組み付けられた第1コネクタ20に振動が加わった場合であっても、第2方向Y1において、第2コネクタ70に対して第1コネクタハウジング30が相対移動することを抑制できる。これにより、第1コネクタハウジング30に保持された第1端子部材21が第2コネクタ70に設けられる第2端子部材71に対して相対移動することを抑制できる。この結果、第1端子部材21と第2端子部材71との接点が摩耗することを好適に抑制できる。
【0098】
(2)第1嵌合部50は、側壁43の内面から第3方向Z1に沿って延びるとともに第1端子部材21に向かって突出する凸部51を有する。第1端子部材21は、第3方向Z1において凸部51と対向する接続面24Aを有する。そして、第3方向Z1における凸部51の突出先端面51Aと第1端子部材21の接続面24Aとの間の最短距離L1を第1距離に設定した。ここで、第1距離は、3mm以上15mm以下の範囲の距離である。第1距離は、6mm以上12mm以下の範囲の距離が好ましく、6mm以上9mm以下の範囲の距離がより好ましい。最短距離L1が第1距離に設定されることにより、凸部51の先端と第1端子部材21の接続面24Aとの間の隙間に作業者の指が入り込むことを抑制できる。このため、凸部51の先端と第1端子部材21の接続面24Aとの間の隙間を通じて作業者の指が第1端子部材21の接続面24Aに接触することを抑制できる。これにより、感電防止対策をしつつも接点の摩耗を抑制できる。
【0099】
(3)第1コネクタハウジング30は、第3方向Z1において第1端子部材21を間にして、第1嵌合部50の設けられる側壁43と反対側に設けられる側壁44を有する。そして、第3方向Z1における側壁44の内面(第3面)と第1端子部材21の非接続面24B(第2面)との間の最短距離L2を最短距離L1以下、つまり第1距離以下に設定した。これにより、側壁44の内面と第1端子部材21の非接続面24Bとの間の隙間に作業者の指が入り込むことを抑制できる。このため、側壁44の内面と第1端子部材21の非接続面24Bとの間の隙間を通じて作業者の指が第1端子部材21に接触することを抑制できる。
【0100】
(4)複数の第1端子部材21の間に設けられる側壁43に第1嵌合部50を設けた。このため、複数の第1端子部材21の近傍に第1嵌合部50を設けることができる。したがって、第1嵌合部50の近傍に設けられる第1端子部材21の相対移動を好適に抑制できる。
【0101】
(5)保護部40の第2開口部42が開口する第2方向Y1において、第1嵌合部50と第2嵌合部100とが互いに係合するようにした。ここで、組付方向D1と交差する第2方向Y1に開口する第2開口部42を有する場合には、第1コネクタ20に第2コネクタ70が組み付けられた場合に、第2方向Y1において第1コネクタハウジング30が第2コネクタ70に対して相対移動しやすくなる。これに対し、上記構成では、第1嵌合部50が第2方向Y1において第2嵌合部100と係合されるため、第2方向Y1において第1コネクタハウジング30が第2コネクタ70に対して相対移動することを好適に抑制できる。
【0102】
(6)第1端子部材21の外周を包囲する保護部40を構成する側壁43の内面に第1嵌合部50を設けるようにした。このため、第1端子部材21の近傍に第1嵌合部50を設けることができる。したがって、第1嵌合部50の近傍に設けられる第1端子部材21の相対移動を好適に抑制できる。
【0103】
(7)保護部40は、2つの第1端子部材21を個別に保護する2つの保護部40A,40Bを有する。また、第1嵌合部50は、保護部40Aに設けられる凸部51(第1凸部)と、保護部40Bに設けられる凸部51(第2凸部)とを有する。換言すると、2つの保護部40A,40Bの双方に第1嵌合部50が設けられる。このため、2つの第1端子部材21の各々の近傍に第1嵌合部50を設けることができる。したがって、2つの第1端子部材21の相対移動を好適に抑制できる。
【0104】
(8)第1嵌合部50は、凸部51と、凸部51の突出先端面51Aから凹む凹部52とを有する。凸部51は、第1コネクタ20に第2コネクタ70が組み付けられる際に、第2コネクタ70の第2嵌合部100が有する凸部101を凹部52の内部に案内する傾斜面54,55(第1傾斜面)を有する。このため、第1コネクタ20に第2コネクタ70が組み付けられる際に、第1嵌合部50と第2嵌合部100とを容易に凹凸嵌合させることができる。これにより、第1コネクタ20に第2コネクタ70を容易に組み付けることができる。
【0105】
(9)凹部52は、第1コネクタ20に第2コネクタ70が組み付けられる際に、第2コネクタ70の第2嵌合部100が有する凸部101を凹部52の内部に案内する傾斜面56(第2傾斜面)を有する。このため、第1コネクタ20に第2コネクタ70が組み付けられる際に、第1嵌合部50と第2嵌合部100とを容易に凹凸嵌合させることができる。これにより、第1コネクタ20に第2コネクタ70を容易に組み付けることができる。
【0106】
(10)第1コネクタハウジング30は、基部31と、第1嵌合部50が設けられる側壁43の基端部とを連結する補強部33を有する。このため、補強部33を有さない構成に比べて、第1コネクタ20に振動が加わった場合に側壁43が揺動することを抑制できる。これにより、第1コネクタハウジング30の相対移動を抑制でき、ひいては第1端子部材21の相対移動を抑制できる。
【0107】
(11)第2コネクタ70は、相手側の第1コネクタ20に設けられる第1嵌合部50と凹凸嵌合し、第1コネクタ20と第2コネクタ70との組付方向D1と交差する第2方向Y1において第1嵌合部50と係合する第2嵌合部100を有する。第2嵌合部100は、第2端子部材71を収容するインナーハウジング81に設けられる。この第2嵌合部100が第1嵌合部50に係合することにより、インナーハウジング81の第2方向Y1における移動が規制される。このため、第1コネクタ20に組み付けられた第2コネクタ70に振動が加わった場合であっても、第2方向Y1において、第1コネクタ20に対してインナーハウジング81が相対移動することを抑制できる。これにより、インナーハウジング81に収容された第2端子部材71が第1コネクタ20に設けられる第1端子部材21に対して相対移動することを抑制できる。この結果、第1端子部材21と第2端子部材71との接点が摩耗することを好適に抑制できる。
【0108】
(12)インナーハウジング81は、基部82と、基部82から延びる端子収容部90とを有する。そして、第2嵌合部100を、インナーハウジング81のうち第2端子部材71を内部に収容する端子収容部90の外面に設けるようにした。このため、第2端子部材71の近傍に第2嵌合部100を設けることができる。したがって、第2嵌合部100の近傍に設けられる第2端子部材71の相対移動を好適に抑制できる。
【0109】
(13)端子収容部90は、2つの第2端子部材71を個別に収容する2つの端子収容部90A,90Bを有する。端子収容部90Aは、第3方向Z1において端子収容部90Bと対向する対向面94Aを有し、端子収容部90Bは、対向面94Aと対向する対向面94Bを有する。そして、第2嵌合部100は、対向面94Aに設けられる凸部101(第3凸部)と、対向面94Bに設けられる凸部101(第4凸部)とを有する。換言すると、2つの端子収容部90A,90Bの双方に第2嵌合部100が設けられる。このため、端子収容部90A,90Bのそれぞれに収容される第2端子部材71の近傍に第2嵌合部100を設けることができる。したがって、第2嵌合部100の近傍に設けられる第2端子部材71の相対移動を好適に抑制できる。
【0110】
(14)対向面94Aに設けられる凸部101(第3凸部)と、対向面94Bに設けられる凸部101(第4凸部)とが第3方向Z1において互いに対向するように設けられる。このため、第1コネクタ20に第2コネクタ70が組み付けられた際に、第1コネクタ20の2つの第1嵌合部50が、2つの第2嵌合部100によって第3方向Z1の両側から挟まれる。したがって、2つの第1嵌合部50に対して、第3方向Z1の両側から2つの第2嵌合部100が凹凸嵌合される。これにより、第1コネクタハウジング30及びインナーハウジング81の第2方向Y1及び第3方向Z1における移動を好適に規制できる。この結果、第1コネクタハウジング30及びインナーハウジング81の相対移動をより好適に抑制でき、第1端子部材21及び第2端子部材71の相対移動をより好適に抑制できる。
【0111】
(15)対向面94Aに設けられる第2嵌合部100は、凸部101(第3凸部)と、凸部101の突出先端面101Aから対向面94Aに向かって凹む凹部102(第2凹部)とを有する。同様に、対向面94Bに設けられる第2嵌合部100は、凸部101と、凸部101の突出先端面101Aから対向面94Bに向かって凹む凹部102とを有する。各凸部101は、第1コネクタ20に第2コネクタ70が組み付けられる際に、第1コネクタ20の第1嵌合部50が有する凸部51を凹部102の内部に案内する傾斜面104,105(第3傾斜面)を有する。このため、第1コネクタ20に第2コネクタ70が組み付けられる際に、第1嵌合部50と第2嵌合部100とを容易に凹凸嵌合させることができる。これにより、第1コネクタ20に第2コネクタ70を容易に組み付けることができる。
【0112】
(16)凹部102は、第1コネクタ20に第2コネクタ70が組み付けられる際に、第1コネクタ20の第1嵌合部50が有する凸部51を凹部102の内部に案内する傾斜面106(第4傾斜面)を有する。このため、第1コネクタ20に第2コネクタ70が組み付けられる際に、第1嵌合部50と第2嵌合部100とを容易に凹凸嵌合させることができる。これにより、第1コネクタ20に第2コネクタ70を容易に組み付けることができる。
【0113】
(17)第2コネクタ70は、アウターハウジング110の内部において、インナーハウジング81を支持するインナー部材130を有する。このため、第2コネクタ70に振動が加わった場合に、インナー部材130を有さない構成に比べて、インナーハウジング81がアウターハウジング110の内部で揺動することを抑制できる。これにより、インナーハウジング81の相対移動を抑制でき、ひいては第2端子部材71の相対移動を抑制できる。
【0114】
(18)端子収容部90Aと端子収容部90Bとを基部82を通じて一体に形成した。このため、端子収容部90Aと端子収容部90Bとが別部品で構成される場合に比べて、部品点数を削減できる。また、インナー部材130が基部82に接触することにより、端子収容部90A及び端子収容部90Bの両方を支持できる。このため、端子収容部90A及び端子収容部90Bを支持するための構造を個別に設ける場合に比べて、インナー部材130の構造を簡素化できる。
【0115】
(他の実施形態)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0116】
・上記実施形態の凸部51は、傾斜面54,55を有する構成としたが、これに限定されない。例えば、凸部51を、傾斜面54を有していない構成としてもよい。例えば、凸部51を、傾斜面55を有していない構成としてもよい。例えば、凸部51を、傾斜面54,55の双方を有していない構成としてもよい。
【0117】
・上記実施形態の凹部52は、傾斜面56を有する構成としたが、これに限定されない。例えば、凹部52を、傾斜面56を有していない構成としてもよい。
・上記実施形態の第1嵌合部50における凸部51及び凹部52の数は特に限定されない。例えば、第1嵌合部50を、1つの凸部51のみを有する構成としてもよい。
【0118】
・上記実施形態の第1嵌合部50の数は、2つに限定されず、1つや3つ以上に変更してもよい。
・上記実施形態の第1コネクタハウジング30では、保護部40のうち複数の第1端子部材21の間に設けられる側壁43に第1嵌合部50を設けたが、これに限定されない。例えば、保護部40の側壁44に第1嵌合部50を設けてもよい。この場合に、側壁44の内面に第1嵌合部50を設けてもよいし、側壁44の外面に第1嵌合部50を設けてもよい。例えば、保護部40の上壁46に第1嵌合部50を設けてもよい。この場合に、上壁46の内面に第1嵌合部50を設けてもよいし、上壁46の外面に第1嵌合部50を設けてもよい。
【0119】
・上記実施形態の第1コネクタハウジング30では、先端部が第1方向X1に延びる壁のうち保護部40を構成する周壁に第1嵌合部50を設けたが、これに限定されない。例えば、周壁部32に第1嵌合部50を設けてもよい。
【0120】
・上記実施形態の保護部40では、保護部40Aの側壁43と保護部40Bの側壁43とを連結壁47を介して一体に形成したが、これに限定されない。例えば、保護部40から連結壁47を省略し、保護部40Aの側壁43と保護部40Bの側壁43とが一体化されていない構成としてもよい。
【0121】
・上記実施形態では、保護部40を、第2方向Y1に開口する第2開口部42を有する構成としたが、これに限定されない。保護部40を、第2開口部42を有していない構成としてもよい。この場合の保護部40は、第1端子部材21における第1方向X1と直交する方向の周囲を全周にわたって包囲しており、第1開口部41により第1方向X1のみに開口する。この場合には、スライド部材60が省略される。
【0122】
・上記実施形態の第1コネクタハウジング30における補強部33を省略してもよい。
・上記実施形態の第1端子部材21は、第1端子22と、保護部材25とを有する構成としたが、これに限定されない。例えば、第1端子部材21を、保護部材25を有していない構成、つまり第1端子22のみを有する構成としてもよい。
【0123】
・上記実施形態の凸部101は、傾斜面104,105を有する構成としたが、これに限定されない。例えば、凸部101を、傾斜面104を有していない構成としてもよい。例えば、凸部101を、傾斜面105を有していない構成としてもよい。例えば、凸部101を、傾斜面104,105の双方を有していない構成としてもよい。
【0124】
・上記実施形態の凹部102は、傾斜面106を有する構成としたが、これに限定されない。例えば、凹部102を、傾斜面106を有していない構成としてもよい。
・上記実施形態の第2嵌合部100における凸部101及び凹部102の数は特に限定されない。例えば、第2嵌合部100を、1つの凸部101のみを有する構成としてもよい。
【0125】
・上記実施形態の第2嵌合部100の数は、2つに限定されず、1つや3つ以上に変更してもよい。
・上記実施形態のインナーハウジング81では、2つの端子収容部90A,90Bのうち第3方向Z1において互いに対向する対向面94A,94Bに第2嵌合部100を設けたが、これに限定されない。例えば、端子収容部90A,90Bのうち他方の端子収容部90と対向しない外面に第2嵌合部100を設けてもよい。
【0126】
・上記実施形態のインナーハウジング81では、端子収容部90Aと端子収容部90Bとを基部82を通じて一体に形成したが、これに限定されない。例えば、端子収容部90Aと端子収容部90Bとを別部品としてもよい。
【0127】
・上記実施形態の第2コネクタ70におけるインナー部材130を省略してもよい。
・上記実施形態の第2コネクタ70におけるシール部材140,150を省略してもよい。
【0128】
・上記実施形態の第1コネクタ20は、2つの第1端子部材21を有する構成としたが、1つや3つ以上の第1端子部材21を有する構成としてもよい。
・上記実施形態の第2コネクタ70は、2つの第2端子部材71を有する構成としたが、1つや3つ以上の第2端子部材71を有する構成としてもよい。
【0129】
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0130】
10 コネクタアセンブリ
20 第1コネクタ
21 第1端子部材
22 第1端子
23 基部
24 接続部
24A 接続面(第1面)
24B 非接続面(第2面)
25 保護部材
30 第1コネクタハウジング
31 基部
31A 固定部
32 周壁部
33 補強部
40 保護部
40A 保護部(第1保護部)
40B 保護部(第2保護部)
41 第1開口部
42 第2開口部
43 側壁(第1壁)
44 側壁(第2壁)
45 下壁
46 上壁
47 連結壁
50 第1嵌合部
51 凸部(第1凸部、第2凸部)
51A 突出先端面
51B 側面
51C 端面
52 凹部(第1凹部)
53 案内部
54,55 傾斜面(第1傾斜面)
56 傾斜面(第2傾斜面)
60 スライド部材
70 第2コネクタ
71 第2端子部材
72 接続部
75 電線
80 第2コネクタハウジング
81 インナーハウジング
82 基部
82X 貫通孔
83 仕切壁
90 端子収容部
90A 端子収容部(第1端子収容部)
90B 端子収容部(第2端子収容部)
91 底壁
92 挿入孔
93 周壁
93A 端面
94A 対向面(第1対向面)
94B 対向面(第2対向面)
100 第2嵌合部
101 凸部(第3凸部、第4凸部)
101A 突出先端面
101B 側面
101C 端面
102 凹部(第2凹部)
103 案内部
104,105 傾斜面(第3傾斜面)
106 傾斜面(第4傾斜面)
110 アウターハウジング
111 底壁
112 開口部
113 周壁
120 係合部
130 インナー部材
131 本体部
131X 貫通孔
132 突出部
133 係合部
133X 係合孔
134 仕切壁
135 規制壁
136 溝部
140 シール部材
141 貫通孔
150 シール部材
D1 組付方向
L1 最短距離
L2 最短距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15