IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社関電工の特許一覧

特開2022-156003測定データ入力支援装置、測定データ入力支援装置を用いた方法、及び測定データ入力支援装置に手順を実行させる複数のプログラム
<>
  • 特開-測定データ入力支援装置、測定データ入力支援装置を用いた方法、及び測定データ入力支援装置に手順を実行させる複数のプログラム 図1
  • 特開-測定データ入力支援装置、測定データ入力支援装置を用いた方法、及び測定データ入力支援装置に手順を実行させる複数のプログラム 図2
  • 特開-測定データ入力支援装置、測定データ入力支援装置を用いた方法、及び測定データ入力支援装置に手順を実行させる複数のプログラム 図3
  • 特開-測定データ入力支援装置、測定データ入力支援装置を用いた方法、及び測定データ入力支援装置に手順を実行させる複数のプログラム 図4
  • 特開-測定データ入力支援装置、測定データ入力支援装置を用いた方法、及び測定データ入力支援装置に手順を実行させる複数のプログラム 図5
  • 特開-測定データ入力支援装置、測定データ入力支援装置を用いた方法、及び測定データ入力支援装置に手順を実行させる複数のプログラム 図6
  • 特開-測定データ入力支援装置、測定データ入力支援装置を用いた方法、及び測定データ入力支援装置に手順を実行させる複数のプログラム 図7
  • 特開-測定データ入力支援装置、測定データ入力支援装置を用いた方法、及び測定データ入力支援装置に手順を実行させる複数のプログラム 図8
  • 特開-測定データ入力支援装置、測定データ入力支援装置を用いた方法、及び測定データ入力支援装置に手順を実行させる複数のプログラム 図9
  • 特開-測定データ入力支援装置、測定データ入力支援装置を用いた方法、及び測定データ入力支援装置に手順を実行させる複数のプログラム 図10
  • 特開-測定データ入力支援装置、測定データ入力支援装置を用いた方法、及び測定データ入力支援装置に手順を実行させる複数のプログラム 図11
  • 特開-測定データ入力支援装置、測定データ入力支援装置を用いた方法、及び測定データ入力支援装置に手順を実行させる複数のプログラム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156003
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】測定データ入力支援装置、測定データ入力支援装置を用いた方法、及び測定データ入力支援装置に手順を実行させる複数のプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01D 9/00 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
G01D9/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059487
(22)【出願日】2021-03-31
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000141060
【氏名又は名称】株式会社関電工
(74)【代理人】
【識別番号】100075410
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 則昭
(74)【代理人】
【識別番号】100135541
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 昭太郎
(72)【発明者】
【氏名】中島 栄一
(72)【発明者】
【氏名】山口 紘輝
【テーマコード(参考)】
2F070
【Fターム(参考)】
2F070AA01
2F070BB01
2F070CC04
2F070DD05
2F070FF13
2F070GG07
2F070GG08
2F070HH07
2F070HH08
(57)【要約】
【課題】測定器が測定データを出力する際の通信方式や出力する測定データの形式に関わらず、任意の記憶媒体に測定データを記憶させる、測定データ入力支援装置を提供する。
【解決手段】測定データ入力支援装置2は、複数の測定器1に夫々対応して設けられ、対応する測定器1から測定データを受信して解釈・特定し、解釈・特定後の測定データを通信制御手段に出力するプログラムを呼び出して実行する複数の測定器制御手段と、前記測定器制御手段から受信した測定データを記憶媒体制御手段に出力するプログラムを呼び出して実行する前記通信制御手段と、前記通信制御手段から受信した測定データを記憶媒体入力制御手段に出力するプログラムを呼び出して実行する前記記憶媒体制御手段と、前記記憶媒体制御手段から受信した測定データを記憶媒体に出力するプログラムを呼び出して実行する前記記憶媒体入力制御手段と、を有する構成とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の測定器及び複数の記憶媒体と接続可能な測定データ入力支援装置であって、
当該測定データ入力支援装置は、
前記複数の測定器に夫々対応して設けられ、対応する測定器から測定データを受信して解釈・特定し、解釈・特定後の測定データを通信制御手段に出力するプログラムを呼び出して実行する複数の測定器制御手段と、
前記測定器制御手段から受信した測定データを記憶媒体制御手段に出力するプログラムを呼び出して実行する前記通信制御手段と、
前記通信制御手段から受信した測定データを記憶媒体入力制御手段に出力するプログラムを呼び出して実行する前記記憶媒体制御手段と、
前記記憶媒体制御手段から受信した測定データを記憶媒体に出力するプログラムを呼び出して実行する前記記憶媒体入力制御手段と、を有することを特徴とする、測定データ入力支援装置。
【請求項2】
前記測定器制御手段が、前記複数の測定器に夫々対応して設けられ、対応する測定器から測定データを受信して解釈・特定し、解釈・特定後の測定データを前記通信制御手段に出力すると共に、前記通信制御手段から受信した測定に係る命令を前記測定器に出力するプログラムを呼び出して実行し、
前記通信制御手段が、前記測定器制御手段から受信した測定データを前記記憶媒体制御手段に出力すると共に、前記記憶媒体制御手段から受信した測定に係る命令を前記測定器制御手段に出力するプログラムを呼び出して実行し、
前記記憶媒体制御手段が、前記通信制御手段から受信した測定データを前記記憶媒体入力制御手段に出力すると共に、ユーザから測定に係る命令の入力を受け付けるユーザインタフェイスを外部出力させ、当該ユーザインタフェイスを通じて入力された測定に係る命令を前記通信制御手段に出力するプログラムを呼び出して実行することを特徴とする、請求項1に記載の測定データ入力支援装置。
【請求項3】
複数の測定器及び複数の記憶媒体と接続可能な測定データ入力支援装置を用いた方法であって、
当該測定データ入力支援装置は、
前記複数の測定器に夫々対応して設けられる複数の測定器制御手段と、通信制御手段と、記憶媒体制御手段と、記憶媒体入力制御手段と、を備え、
前記測定器制御手段が、対応する測定器から測定データを受信して解釈・特定し、解釈・特定後の測定データを前記通信制御手段に出力するプログラムを呼び出して実行するステップと、
前記通信制御手段が、前記測定器制御手段から受信した測定データを前記記憶媒体制御手段に出力するプログラムを呼び出して実行するステップと、
前記記憶媒体制御手段が、前記通信制御手段から受信した測定データを前記記憶媒体入力制御手段に出力するプログラムを呼び出して実行するステップと、
前記記憶媒体入力制御手段が、前記記憶媒体制御手段から受信した測定データを前記記憶媒体に出力するプログラムを呼び出して実行するステップと、を有することを特徴とする、方法。
【請求項4】
複数の測定器及び複数の記憶媒体と接続可能な測定データ入力支援装置に手順を実行させる複数のプログラムであって、
前記測定データ入力支援装置に、前記複数の測定器のうち、対応する測定器から測定データを受信して解釈・特定し、解釈・特定後の測定データを通信制御手段に出力する測定器制御手段として機能させるプログラムと、
前記測定データ入力支援装置に、前記測定器制御手段から受信した測定データを記憶媒体制御手段に出力する前記通信制御手段として機能させるプログラムと、
前記測定データ入力支援装置に、前記通信制御手段から受信した測定データを記憶媒体入力制御手段に出力する前記記憶媒体制御手段として機能させるプログラムと、
前記測定データ入力支援装置に、前記記憶媒体制御手段から受信した測定データを前記記憶媒体に出力する前記記憶媒体入力制御手段として機能させるプログラムと、を有することを特徴とする、複数のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定器が測定データを出力する際の通信方式や出力する測定データの形式に関わらず、任意の記憶媒体に測定データを入力させる、測定データ入力支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、測定器が測定データを出力する際の通信方式や出力する測定データの形式に関わらず、任意の記憶媒体に測定データを記憶させることを目的とする、測定データ入力支援装置が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、第1通信手段としての、CPUが、測定データが格納されたBLE汎用アトリビュートファイルを、測定器から受信する。また、解釈手段としての、CPUが、当該BLE汎用アトリビュートファイルのキャラクタリスティックスに格納されている測定データを解釈・特定する。そして、第2通信手段としての、CPUが、解釈・特定された測定データを、記憶媒体としての描画アプリに入力(読み込み)可能な形式に、変換する構成の測定データ入力支援装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019―133442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1で開示されている構成を、プログラムとして実装した結果、図12に示すように、個別の測定器・個別の記憶媒体に密に対応した1つのプログラムになってしまった。
【0006】
そのため、使用上、開発上複数の課題が生じている。使用上の課題としては、具体的には例えば、一の測定器から別の測定器に切り替える際に、一度、記憶媒体に係るアプリケーションプログラム(以下、「アプリ」ともいう。)を閉じて、別の測定器用の記憶媒体に係るアプリを起動する必要がある。
【0007】
また、開発上の課題としては、具体的には例えば、論理構成は同じであっても、実体としては異なるプログラムであるため、開発するのに負担がかかる。また、記憶媒体に係るアプリの仕様に基づき制限が生じる等、プログラムの拡張性に影響が生じる。
【0008】
そこで本発明は、上記問題点に対処するため、測定器が測定データを出力する際の通信方式や出力する測定データの形式に関わらず、任意の記憶媒体に測定データを記憶させることが可能なように、それぞれの役割に応じて独立したプログラムが、それぞれのI/F(インタフェイス)を介して疎に連携するモジュール群として動作する、測定データ入力支援装置、測定データ入力支援装置を用いた方法、及び測定データ入力支援装置に手順を実行させる複数のプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
複数の測定器及び複数の記憶媒体と接続可能な測定データ入力支援装置であって、
当該測定データ入力支援装置は、
前記複数の測定器に夫々対応して設けられ、対応する測定器から測定データを受信して解釈・特定し、解釈・特定後の測定データを通信制御手段に出力するプログラムを呼び出して実行する複数の測定器制御手段と、
前記測定器制御手段から受信した測定データを記憶媒体制御手段に出力するプログラムを呼び出して実行する前記通信制御手段と、
前記通信制御手段から受信した測定データを記憶媒体入力制御手段に出力するプログラムを呼び出して実行する前記記憶媒体制御手段と、
前記記憶媒体制御手段から受信した測定データを記憶媒体に出力するプログラムを呼び出して実行する前記記憶媒体入力制御手段と、を有する、測定データ入力支援装置とした。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、
前記測定器制御手段が、前記複数の測定器に夫々対応して設けられ、対応する測定器から測定データを受信して解釈・特定し、解釈・特定後の測定データを前記通信制御手段に出力すると共に、前記通信制御手段から受信した測定に係る命令を前記測定器に出力するプログラムを呼び出して実行し、
前記通信制御手段が、前記測定器制御手段から受信した測定データを前記記憶媒体制御手段に出力すると共に、前記記憶媒体制御手段から受信した測定に係る命令を前記測定器制御手段に出力するプログラムを呼び出して実行し、
前記記憶媒体制御手段が、前記通信制御手段から受信した測定データを前記記憶媒体入力制御手段に出力すると共に、ユーザから測定に係る命令の入力を受け付けるユーザインタフェイスを外部出力させ、当該ユーザインタフェイスを通じて入力された測定に係る命令を前記通信制御手段に出力するプログラムを呼び出して実行する、請求項1に記載の測定データ入力支援装置とした。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、
複数の測定器及び複数の記憶媒体と接続可能な測定データ入力支援装置を用いた方法であって、
当該測定データ入力支援装置は、
前記複数の測定器に夫々対応して設けられる複数の測定器制御手段と、通信制御手段と、記憶媒体制御手段と、記憶媒体入力制御手段と、を備え、
前記測定器制御手段が、対応する測定器から測定データを受信して解釈・特定し、解釈・特定後の測定データを前記通信制御手段に出力するプログラムを呼び出して実行するステップと、
前記通信制御手段が、前記測定器制御手段から受信した測定データを前記記憶媒体制御手段に出力するプログラムを呼び出して実行するステップと、
前記記憶媒体制御手段が、前記通信制御手段から受信した測定データを前記記憶媒体入力制御手段に出力するプログラムを呼び出して実行するステップと、
前記記憶媒体入力制御手段が、前記記憶媒体制御手段から受信した測定データを前記記憶媒体に出力するプログラムを呼び出して実行するステップと、を有する、方法とした。
【0012】
また、請求項4に係る発明は、
複数の測定器及び複数の記憶媒体と接続可能な測定データ入力支援装置に手順を実行させる複数のプログラムであって、
前記測定データ入力支援装置に、前記複数の測定器のうち、対応する測定器から測定データを受信して解釈・特定し、解釈・特定後の測定データを通信制御手段に出力する測定器制御手段として機能させるプログラムと、
前記測定データ入力支援装置に、前記測定器制御手段から受信した測定データを記憶媒体制御手段に出力する前記通信制御手段として機能させるプログラムと、
前記測定データ入力支援装置に、前記通信制御手段から受信した測定データを記憶媒体入力制御手段に出力する前記記憶媒体制御手段として機能させるプログラムと、
前記測定データ入力支援装置に、前記記憶媒体制御手段から受信した測定データを前記記憶媒体に出力する前記記憶媒体入力制御手段として機能させるプログラムと、を有する、複数のプログラムとした。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、測定器が測定データを出力する際の通信方式や出力する測定データの形式に関わらず、任意の記憶媒体に測定データを記憶させるという目的を達成するために、プログラム(≒機能モジュール群)の組み合わせでシステムを構築した。そのため、様々なニーズに対して適切に対応することがより容易になった。
【0014】
具体的には例えば、同機種、異機種を問わず、複数の測定器を同時に使用したいというニーズがある場合、記憶媒体制御手段に係るプログラムの改修(詳しくは、記憶媒体制御手段に係るプログラムを測定器の同時使用に対応させる)を行うだけで容易に、かつ、フレキシブルにこのニーズを実現することができる。
【0015】
また、「ある測定器専用のシステムが欲しい」、「測定業務において各種の条件設定(測定器個体の指定やタイムアウト時間の変更等)を行いたい」、「測定データの入力先である記憶媒体に係るアプリに新たな機能を持たせたい」といった多様な要望に対して、一部のプログラム(機能モジュール)の改修や組み合わせの変更、あるいは簡単な設定の変更によって容易に対応することができる。
【0016】
また特に請求項2に係る発明では、ユーザから測定に係る命令の入力を、ユーザインタフェイスを通じて受け付ける記憶媒体制御手段と、測定データを記憶媒体に出力する記憶媒体入力制御手段が、別々のプログラムとして分離しているため、1つの記憶媒体のアプリに係るファイルを開いた状態で別の測定器に変更すること、1つの測定器と接続された状態で別の記憶媒体のアプリに係るファイルを開くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態例1の測定データ入力支援システムの全体的な構成を例示的に示す図である。
図2】本発明の実施の形態例1の測定データ入力支援システムの測定データ入力支援装置の構成を例示的に示す図である。
図3】本発明の実施の形態例1の測定データ入力支援システムに係る測定データ入力支援装置の図面データ記憶領域の構造を模式的に示した図である。
図4】本発明の実施の形態例1の測定データ入力支援システムに係る測定データ入力支援装置のディスプレイ上に図面データ及びユーザインタフェイスが表示された状態を例示的に示す図である。
図5】本発明の実施の形態例1の測定データ入力支援システムに係る測定データ入力支援装置の表示装置上にワークシート及びユーザインタフェイスが表示された状態を例示的に示す図である。
図6】本発明の実施の形態例1の測定データ入力支援システムが実行する処理の手順を示す流れ図である。
図7】本発明の実施の形態例1の測定データ入力支援システムが実行する処理の手順を示す流れ図である。
図8】本発明の実施の形態例1の測定データ入力支援システムが実行する処理の手順を示す流れ図である。
図9】本発明の実施の形態例1の測定データ入力支援システムが実行する処理の手順を示す流れ図である。
図10】本発明の実施の形態例1の測定データ入力支援システムに係る測定データ入力支援装置のディスプレイ上に表示されるユーザインタフェイスの構成を例示的に示す図である。
図11】本発明の実施の形態例1の測定データ入力支援システムに係る測定データ入力支援装置のディスプレイ上に表示されるユーザインタフェイスの構成を例示的に示す図である。
図12】従来の測定データ入力支援システムの構成を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態例を詳細に説明する。ただし、この実施の形態例に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0019】
<実施の形態例1>
図1は、本実施の形態例1に係る測定データ入力支援システムの全体的な構成を示した図である。
【0020】
本システムは、測定器1による測定データをタブレット端末、モバイル等の情報処理装置である、測定データ入力支援装置2へ出力する。そして、当該測定データ入力支援装置2は、受信した測定データを、自身内に格納されている、AutoCAD(登録商標)、Excel(登録商標)等のアプリを用いて表示する。また、測定データを、当該アプリに入力(読み込み)可能なデータ形式に変換して記憶する。なお、本実施の形態例1では、照度計を測定器1として用いる構成を示す。また、本実施の形態例1では、測定データを、入力(読み込み)可能なデータ形式で記憶するための「記憶媒体」としてアプリを用いる構成を示す。また、「測定データ」には、数値データとレンジデータが含まれる。
【0021】
図1に示すように、本実施の形態例1の測定データ入力支援システムは、主として2個の測定器1(測定器1a、測定器1b)と測定データ入力支援装置2とから構成されている。各測定器1と測定データ入力支援装置2は、相互に情報の送受信が可能なように有線あるいは無線の、ネットワーク3で接続されており、例えば、ネットワーク3は、無線のBluetooth Low Energy(=BLE、Bluetooth4.2)である。
【0022】
<測定器1の構成>
測定器1は、光の照度を測定して、測定データを表示する照度計である。また、測定データ入力支援装置2に測定データを出力する。
【0023】
次に、測定器1のハードウェア構成について、図1を参照して説明する。
【0024】
測定部11は、Siフォトダイオード等の受光素子(図示省略)を有しており、当該受光素子が受けた光の照度に応じたアナログ信号(測定データ)を、A/D変換部12に出力する。A/D変換部12は、例えば、A/Dコンバータで実現され、入力された測定データに係るアナログ信号を、デジタル信号に変換して出力する。
【0025】
表示部13は、例えば7セグメントディスプレイで実現され、測定データを表示する。また、入力部14は、ユーザから入力操作を受け付けるボタン、スイッチである。特に、ユーザから測定器1に対する電源のオン/オフ操作を受け付ける。また、表示部13上に表示されている測定データの表示を、ホールド(そのまま継続)させる旨の表示ホールド命令の入力を受け付ける。
【0026】
通信部15は、インタフェイス(以下、I/Fという)であり、測定器1は、この通信部15を介して測定データ入力支援装置2とのデータのやり取りを行う。例えば、本実施の形態例1では、通信部15は、BLEI/F(Peripheral)である。通信部15は、測定器1の電源がオンの場合、アドバタイズパケットを一定の間隔で外部に出力する。また、測定データ入力支援装置2のBLEI/F(Central)であるI/F27が開始するコネクション(接続)確立手順に応答し、測定データ入力支援装置2との間でコネクションを確立する。また、通信部15は、制御部16からの命令に応じて、測定データが格納されたBLE汎用アトリビュートファイルを、測定データ入力支援装置2のBLEI/F(Central)であるI/F27に対して出力する。
【0027】
制御部16は、例えば単一のLSIから成るマイコンで実現される。特に、制御部16は、入力部14を通じて、測定器1に対する電源のオン操作を認識すると、自身の電源をオン状態にする。また、制御部16は、A/D変換部12から受信した、デジタル信号に係る測定データを、一定間隔(例えば、500msec)毎に、制御部16内(例えば、制御部16内のFIFOテーブル)に格納する。格納可能な測定データの数は、例えば10個であり、格納の古い順に削除される。また、制御部16は、制御部16内に格納されている測定データを、格納された順に表示部13上に表示する。
【0028】
また、制御部16は、入力部14を通じて表示ホールド命令の入力を受け付けると、現在表示部13に表示されている測定データの表示をホールド(そのまま維持)する。また、制御部16は、通信部15を通じて、測定データの入力を開始する旨の測定データ入力開始命令を受信すると、現在表示部13に表示されている測定データの表示をホールド(そのまま維持)し、制御部16内から、表示されている測定データを呼び出して、通信部15を通じて、測定データ入力支援装置2に出力する。
【0029】
この「制御部16内から、表示されている測定データを呼び出して、通信部15を通じて、測定データ入力支援装置2に出力する」処理について、詳しく説明する。制御部16は、BLEI/F(Peripheral)である通信部15を通じて、BLE汎用アトリビュートファイル内の「キャラクタリスティクス」に測定データを格納する。そして、測定データが格納されたBLE汎用アトリビュートファイルを、測定データ入力支援装置2のBLEI/F(Central)であるI/F27に対して出力する。
【0030】
<測定データ入力支援装置2の構成>
測定データ入力支援装置2は、受信した測定データを、自身内に格納されている、描画用アプリ及び表計算用アプリを用いて表示する。また、測定データを、当該アプリに入力(読み込み)可能なデータ形式に変換して記憶する。
【0031】
次に、測定データ入力支援装置2のハードウェア構成について、図2を参照して説明する。
【0032】
CPU(=Central Processing Unit)21は、HD(=Hard Disk)22等に格納されているアプリケーションプログラム(=アプリ)、オペレーティングシステム(OS)や制御プログラム等を実行し、RAM(=Random Access Memory)23にプログラムの実行に必要なデータ、ファイル等を一時的に格納する制御を行う。
【0033】
特に、CPU21は、HD22等に格納されている「AutoCAD」(登録商標)等の描画用アプリを呼び出して、実行し、RAM23に描画用アプリの実行に必要なデータ、ファイル等を一時的に格納する。
【0034】
また、CPU21は、HD22等に格納されている「Excel」(登録商標)等の表計算用アプリを呼び出して、実行し、RAM23に表計算用アプリの実行に必要なデータ、ファイル等を一時的に格納する。
【0035】
また、CPU21は、ディスプレイ25上に表示された、特定の図面データを示すアイコンがクリック(又はタップ)される等、入力装置26を通じて、特定の図面データの選択を受け付けると、選択された当該図面データに係る図面識別データに基づいて、HD22内の図面データ記憶領域221内を検索し、同一の図面識別データに関連付けて記憶されている図面データを呼び出して、ディスプレイ25上に表示させる。
【0036】
また、CPU21は、ディスプレイ25上に表示された、特定のデータシートを示すアイコンがクリック(又はタップ)される等、入力装置26を通じて、特定のデータシートの選択を受け付けると、選択された当該データシートに係るデータシート識別データに基づいて、HD22内のデータシート記憶領域222内を検索し、同一のデータシート識別データに関連付けて記憶されているデータシートを呼び出して、ディスプレイ25上に表示させる。
【0037】
また、CPU21は、ディスプレイ25上に表示された図面上の任意の点が、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識すると、図4に示すように、当該図面上の点に測定ポイントを示す測定ポイントマーカー(目印)と測定データを入力可能な測定データ入力欄を表示させる。また、CPU21は、ディスプレイ25上に表示されている図面に係る図面識別データに関連付けて、クリック(又はタップ)された図面上の点の座標データを図面データ記憶領域221に記憶し、また、測定データを記憶する領域を確保する。
【0038】
また、CPU21は、ディスプレイ25上に表示されたデータシート内のいずれかのセルが、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識すると、データシート上の当該セルにセルポインタを移動させる。
【0039】
また、CPU21は、ディスプレイ25上に表示されたアイコン「接続開始」ボタン(図4中の「測定器1a」の「接続開始」ボタン、あるいは、図5中の「測定器1b」の「接続開始」ボタン)が、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識する。すると、CPU21(記憶媒体制御手段の一例)は、記憶媒体制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21は、測定器1a(あるいは、測定器1b)と「接続開始」の命令を解釈・特定し、通信制御手段に出力する。CPU21(通信制御手段の一例)は、通信制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21は、記憶媒体制御手段から受信した測定器1a(あるいは、測定器1b)と「接続開始」の命令を、測定器制御手段に出力する。CPU21(測定器制御手段の一例)は、測定器制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21は、通信制御手段から受信した測定器1a(あるいは、測定器1b)と「接続開始」の命令に基づき、BLE I/F(Central)であるI/F27を通じて、BLEの所定の手順に従い、測定器1a(あるいは、測定器1b)とのコネクションを確立する。以下、詳しく説明する。
【0040】
CPU21(測定器制御手段の一例)は、I/F27を通じて、BLE I/F(Peripheral)から受信したアドバタイズパケットのスキャンを実行する。その結果、自身が求めるサービスを提供していると判断すると,BLEI/F(Peripheral)に対しコネクションを要求して、コネクション確立処理(接続処理)を行う。ここでは、BLEI/F(Peripheral)である測定器1a(あるいは、測定器1b)に係る通信部15と、コネクションの確立処理を行う。
【0041】
また、CPU21は、ディスプレイ25上に表示されたアイコン「測定値入力」ボタン(図4中の「測定器1a」の「測定値入力」ボタン、あるいは、図5中の「測定器1b」の「測定値入力」ボタン)が、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識する。すると、CPU21(記憶媒体制御手段の一例)は、記憶媒体制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、測定器1a(あるいは、測定器1b)に対する「測定値入力」の命令を解釈・特定し、通信制御手段に出力する。CPU21(通信制御手段の一例)は、通信制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、記憶媒体制御手段から受信した測定器1a(あるいは、測定器1b)に対する「測定値入力」の命令を、測定器制御手段に出力する。そして、CPU21(測定器制御手段の一例)は、測定器制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21(測定器制御手段の一例)は、測定器1a(あるいは、測定器1b)に対する測定データの入力を開始する旨の測定データ入力開始命令を、測定器1a(あるいは、測定器1b)に入力可能なデータ形式に変換して、変換後の測定データ入力開始命令を、I/F27を通じて測定器1a(あるいは、測定器1b)に出力する。
【0042】
CPU21は、I/F27を通じて、BLE I/F(Peripheral)である、測定器1a(あるいは、測定器1b)の通信部15から出力された、測定データが格納されたBLE汎用アトリビュートファイルを受信する。
【0043】
すると、CPU21(測定器制御手段の一例)は、測定器制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21(測定器制御手段の一例)は、I/F27を通じて受信した、BLE汎用アトリビュートファイルのキャラクタリスティックスに格納されている測定データを解釈・特定し、通信制御手段に出力する。例えば、測定データに含まれる数値データが「4」でレンジデータが「×100」の場合には、当該測定データは「400(Lux)」と解釈・特定し、通信制御手段に出力する。
【0044】
また、CPU21(通信制御手段の一例)は、通信制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21(通信制御手段の一例)は、解釈・特定された測定データを、描画用アプリ、あるいは表計算用アプリに入力(読み込み)可能な形式に、当該測定データの形式を変換し、記憶媒体制御手段に出力する。
【0045】
また、CPU21(記憶媒体制御手段の一例)は、記憶媒体制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21(記憶媒体制御手段の一例)は、形式を変換した測定データを、記憶媒体入力制御手段に出力する。
【0046】
そして、CPU21(記憶媒体入力制御手段の一例)は、記憶媒体入力制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21(記憶媒体入力制御手段の一例)は、形式を変換した測定データを、図面データ記憶領域221、あるいはデータシート記憶領域222内に出力して、記憶させる。
【0047】
RAM23は、各種データを一時記憶するためのものであり、CPU21の主メモリ、ワークエリア等として機能する。ROM(=Read Only Memory)24は、内部に基本I/Oプログラム等のプログラム、基本処理において使用する各種データを記憶する。
【0048】
HD22は、大容量メモリとして機能し、このHD22には、図面データ記憶領域221、データシート記憶領域222及びプログラム記憶領域223が設けられている。図面データ記憶領域221には、図3に示すように、測定ポイントマーカーの図面上の位置を示す座標データ及び測定データが、図面識別データに関連付けて記憶される。データシート記憶領域222には、測定データが、データシート識別データに関連付けて記憶される。
【0049】
プログラム記憶領域223には、CPU21に、上述した測定器制御手段として機能させるプログラムが記憶されている。また、CPU21に、上述した通信制御手段として機能させるプログラムが記憶されている。更に、CPU21に、上述した記憶媒体制御手段として機能させるプログラムが記憶されている。また、CPU21に、上述した記憶媒体入力制御手段として機能させるプログラムが記憶されている。
【0050】
ディスプレイ25は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ドットマトリクス型のディスプレイであり、入力装置26から入力された命令や、それに対する測定データ入力支援装置2の応答出力等を表示するものである。
【0051】
入力装置26は、ユーザから測定データ入力支援装置2に対するデータや命令の入力を受け付ける、例えば、キーボード、タッチパネル、ポインティングデバイス(マウス)である。
【0052】
バス28は、測定データ入力支援装置2内のデータの流れを司るものである。
【0053】
I/F27はインタフェイスであり、測定データ入力支援装置2は、このI/F27を通じて測定器1a(あるいは、測定器1b)と命令やデータのやり取りを行う。例えば、本実施の形態例1では、I/F27は、BLEI/F(Central)である。
【0054】
なお、本実施の形態例1では、CPU21が、I/F27を通じて、測定器1a(あるいは、1b)の通信部15との間でコネクションを確立する構成を示したが、この構成に限定されるものではない。例えば、測定データ入力支援装置2は、データカード(ハードウェアデバイス)等からなる、通信制御手段を有する(図示省略)。そして、通信制御手段が、I/F27を通じて、測定器1a(あるいは、1b)からのアドバタイズパケットの受信を契機として、測定器1a(あるいは、1b)の通信部15との間でコネクションを確立する、また、データ入力開始命令を、測定器1a(あるいは、1b)に入力可能なデータ形式に変換して、変換後の測定データ入力開始命令を、I/F27を通じて測定器1a(あるいは、1b)に出力する、更に、測定データが格納されたBLE汎用アトリビュートファイルを受信する構成としても良い。
【0055】
また、以上の各装置と同等の機能を実現するソフトウェアにより、ハードウェア装置の代替として構成することもできる。
【0056】
<測定データ入力支援システムの処理の流れ1>
次に、本実施の形態例1に係る測定データ入力支援システムの処理の流れについて図6及び図7を用いて説明する。以下では、測定器1aの測定値を描画用アプリに係る記憶媒体に入力する処理の流れについて説明する。
【0057】
これから説明する測定データ入力支援システムの処理を実行する前提として、ディスプレイ25上に表示された描画用のアプリのアイコンをクリックする等して、ユーザは測定データ入力支援装置2を操作し、測定データ入力支援装置2に、描画用のアプリをHD22から呼び出させ、描画用アプリを実行(起動)させておく必要がある。
【0058】
測定データ入力支援装置2は、ディスプレイ25上に表示された、特定の図面データを示すアイコンがクリック(タップ)される等、入力装置26を通じて、特定の図面データの選択を受け付けると(ステップS601)、選択された当該図面データに係る図面識別データに基づいて、HD22の図面データ記憶領域221内を検索し、同一の図面識別データに関連付けて記憶されている図面データを呼び出して、ディスプレイ25上に表示させる(ステップS602)。
【0059】
測定データ入力支援装置2は、ディスプレイ25上に表示された図面上の任意の点が、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識すると(ステップS603)、図4に示すように、当該図面上の点に測定ポイントを示す測定ポイントマーカー(目印)と測定データを入力可能な測定データ入力欄を表示させる(ステップS604)。また、測定データ入力支援装置2は、ディスプレイ25上に表示されている図面に係る図面識別データに関連付けて、クリック(又はタップ)された図面上の点の座標データを図面データ記憶領域221に記憶し、また、測定データを記憶する領域を確保する(ステップS605)。このステップS603~ステップ605の処理が完了することによって、1つの測定ポイントの作成が完了する。複数の測定ポイントを作成する場合には、ステップS603~ステップ605の処理を繰り返す。
【0060】
測定器1は、入力部14を通じて、測定器1に対する電源のオン操作を認識すると(ステップS606)、自身の電源をオン状態にする(ステップS607)。
【0061】
測定器1は、測定部11で受光素子が受けた光の照度に応じたアナログ信号(測定データ)を、A/D変換部12に出力し、A/D変換部12で、入力された測定データに係るアナログ信号を、デジタル信号に変換して制御部16に出力する。また、測定器1は、A/D変換部12から受信した、デジタル信号に係る測定データを、一定間隔(例えば、500msec)毎に、制御部16内(例えば、制御部16内のFIFOテーブル)に格納する。また、測定器1は、制御部16内に格納されている測定データを、格納された順に表示部13上に表示する。
【0062】
測定データ入力支援装置2は、ディスプレイ25上に表示されたアイコン「接続開始」ボタン(図4中の「測定器1a」の「接続開始」ボタン)が、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識する(ステップS608)。すると、測定データ入力支援装置2のCPU21(記憶媒体制御手段の一例)は、記憶媒体制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21は、測定器1aに対する「接続開始」の命令を解釈・特定し、通信制御手段に出力する(ステップS609)。
【0063】
測定データ入力支援装置2のCPU21(通信制御手段の一例)は、通信制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21は、記憶媒体制御手段から受信した、測定器1aに対する「接続開始」の命令を、測定器制御手段に出力する(ステップS610)。
【0064】
CPU21(測定器制御手段の一例)は、測定器制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21は、通信制御手段から受信した測定器1aに対する「接続開始」の命令に基づき、BLE I/F(Central)であるI/F27を通じて、BLEの所定の手順に従い、測定器1aとのコネクションを確立する(ステップS611)。
【0065】
次に、図7に示すように、測定データ入力支援装置2は、ディスプレイ25上に表示されたアイコン「測定値入力」ボタン(図4中の「測定器1a」の「測定値入力」ボタン」)が、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識し(ステップS701)、ディスプレイ25上の図面に表示されたいずれかの測定ポイントマーカーが、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識すると(ステップS702)、測定データ入力支援装置2のCPU21(記憶媒体制御手段の一例)は、記憶媒体制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、「測定値入力」の命令を解釈・特定し、通信制御手段に出力する(ステップS703)。
【0066】
CPU21(通信制御手段の一例)は、通信制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、記憶媒体制御手段から受信した「測定値入力」の命令を、測定器制御手段に出力する(ステップS704)。
【0067】
そして、CPU21(測定器制御手段の一例)は、測定器制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21(測定器制御手段の一例)は、測定データの入力を開始する旨の測定データ入力開始命令を、測定器1aに入力可能なデータ形式に変換して、変換後の測定データ入力開始命令を、I/F27を通じて測定器1aに出力する(ステップS705)。
【0068】
測定器1aは、通信部15を通じて、測定データの入力を開始する旨の測定データ入力開始命令を受信すると、現在表示部13に表示されている測定データの表示をホールド(そのまま維持)し、制御部16内から、表示されている測定データを呼び出して、通信部15を介して、測定データ入力支援装置2に出力する(ステップS706)。詳しくは、測定器1aは、BLE I/F(Peripheral)である通信部15を通じて、BLE汎用アトリビュートファイル内の「キャラクタリスティクス」に測定データを格納する。そして、測定データが格納されたBLE汎用アトリビュートファイルを、測定データ入力支援装置2のBLEI/F(Central)であるI/F27に対して出力する。
【0069】
測定データ入力支援装置2は、I/F27を通じて、BLE I/F(Peripheral)である、測定器1aの通信部15から出力された、測定データが格納されたBLE汎用アトリビュートファイルを受信する(ステップS707)。
【0070】
すると、測定データ入力支援装置2のCPU21(測定器制御手段の一例)は、測定器制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21(測定器制御手段の一例)は、I/F27を通じて受信した、BLE汎用アトリビュートファイルのキャラクタリスティックスに格納されている測定データを解釈・特定し、通信制御手段に出力する。例えば、測定データに含まれる数値データが「4」でレンジデータが「×100」の場合には、当該測定データは「400(Lux)」と解釈・特定し、通信制御手段に出力する(ステップS708)。
【0071】
また、測定データ入力支援装置2のCPU21(通信制御手段の一例)は、通信制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21(通信制御手段の一例)は、解釈・特定された測定データを、描画用アプリに入力(読み込み)可能な形式に、当該測定データの形式を変換し、記憶媒体制御手段に出力する(ステップS709)。
【0072】
そして、測定データ入力支援装置2のCPU21(記憶媒体制御手段の一例)は、記憶媒体制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21(記憶媒体制御手段の一例)は、形式を変換した測定データを、記憶媒体入力制御手段に出力する(ステップS710)。
【0073】
そして、CPU21(記憶媒体入力制御手段の一例)は、記憶媒体入力制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21(記憶媒体入力制御手段の一例)は、形式を変換した測定データを、クリック(又は、タップ)された測定ポイントマーカーの座標データに関連付けて記憶する(ステップS711)。
【0074】
図6で示したステップS601~ステップS611の処理の順序や図7で示したステップS701~ステップS711の処理の順序は、説明の便宜上のものであって、この順序に限定されるものではない。
【0075】
例えば、上記では、ステップS608~ステップS611の処理を行った後に、ステップS701の処理を行う構成を示したが、ステップS701の処理を行った後に、ステップS608~ステップS611の処理を行う構成としても良い。
【0076】
<測定データ入力支援システムの処理の流れ2>
次に、測定器1bの測定値を表計算用アプリに係る記憶媒体に入力する本実施の形態例1に係る測定データ入力支援システムの処理の流れについて図8及び図9を用いて説明する。
【0077】
また、これから説明する測定データ入力支援システムの処理を実行する前提として、ディスプレイ25上に表示された表計算用のアプリのアイコンをクリックする等して、ユーザは測定データ入力支援装置2を操作し、測定データ入力支援装置2に、表計算用のアプリをHD22から呼び出させ、表計算用アプリを実行(起動)させておく必要がある。
【0078】
また、測定データ入力支援装置2は、ディスプレイ25上に表示された、アイコン「切断」ボタン(図5中の「測定器1a」の「切断ボタン」)を、入力装置26を通じて、クリック(タップ)する等して、ユーザは測定データ入力支援装置2を操作し、測定データ入力支援装置2と、測定器1aとの通信を切断しておく必要がある。
【0079】
測定データ入力支援装置2は、ディスプレイ25上に表示された、特定の図面データを示すアイコンがクリック(タップ)される等、入力装置26を通じて、特定のデータシートの選択を受け付けると(ステップS801)、選択された当該データシートに係るデータシート識別データに基づいて、HD22のデータシート記憶領域222内を検索し、同一のデータシート識別データに関連付けて記憶されているデータシートを呼び出して、ディスプレイ25上に表示させる(ステップS802)。
【0080】
測定器1bは、入力部14を通じて、測定器1に対する電源のオン操作を認識すると(ステップS803)、自身の電源をオン状態にする(ステップS804)。
【0081】
測定器1bは、測定部11で受光素子が受けた光の照度に応じたアナログ信号(測定データ)を、A/D変換部12に出力し、A/D変換部12で、入力された測定データに係るアナログ信号を、デジタル信号に変換して制御部16に出力する。また、測定器1bは、A/D変換部12から受信した、デジタル信号に係る測定データを、一定間隔(例えば、500msec)毎に、制御部16内(例えば、制御部16内のFIFOテーブル)に格納する。また、測定器1bは、制御部16内に格納されている測定データを、格納された順に表示部13上に表示する。
【0082】
測定データ入力支援装置2は、ディスプレイ25上に表示されたアイコン「接続開始」ボタン(図5中の「測定器1b」の「接続開始」ボタン)が、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識する(ステップS805)。
【0083】
すると、測定データ入力支援装置2のCPU21(記憶媒体制御手段の一例)は、記憶媒体制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21は、測定器1bに対する「接続開始」の命令を解釈・特定し、通信制御手段に出力する(ステップS806)。
【0084】
測定データ入力支援装置2のCPU21(通信制御手段の一例)は、通信制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21は、記憶媒体制御手段から受信した、測定器1bに対する「接続開始」の命令を、測定器制御手段に出力する(ステップS807)。
【0085】
CPU21(測定器制御手段の一例)は、測定器制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21は、通信制御手段から受信した測定器1bに対する「接続開始」の命令に基づき、BLE I/F(Central)であるI/F27を通じて、BLEの所定の手順に従い、測定器1bとのコネクションを確立する(ステップS808)。
【0086】
次に、図9に示すように、測定データ入力支援装置2は、ディスプレイ25上に表示されたアイコン「測定値入力」ボタン(図5中の「測定器1b」の「測定値入力」ボタン)が、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識し(ステップS901)、ディスプレイ25上に表示されたデータシート内のいずれかのセルが、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識すると(ステップS902)、測定データ入力支援装置2のCPU21(記憶媒体制御手段の一例)は、記憶媒体制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、「測定値入力」の命令を解釈・特定し、通信制御手段に出力する(ステップS903)。
【0087】
CPU21(通信制御手段の一例)は、通信制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、記憶媒体制御手段から受信した「測定値入力」の命令を、測定器制御手段に出力する(ステップS904)。
【0088】
そして、CPU21(測定器制御手段の一例)は、測定器制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21(測定器制御手段の一例)は、測定データの入力を開始する旨の測定データ入力開始命令を、測定器1に入力可能なデータ形式に変換して、変換後の測定データ入力開始命令を、I/F27を通じて測定器1bに出力する(ステップS905)。
【0089】
測定器1bは、通信部15を通じて、測定データの入力を開始する旨の測定データ入力開始命令を受信すると、現在表示部13に表示されている測定データの表示をホールド(そのまま維持)し、制御部16内から、表示されている測定データを呼び出して、通信部15を介して、測定データ入力支援装置2に出力する(ステップS906)。詳しくは、測定器1bは、BLE I/F(Peripheral)である通信部15を通じて、BLE汎用アトリビュートファイル内の「キャラクタリスティクス」に測定データを格納する。そして、測定データが格納されたBLE汎用アトリビュートファイルを、測定データ入力支援装置2のBLEI/F(Central)であるI/F27に対して出力する。
【0090】
測定データ入力支援装置2は、I/F27を通じて、BLE I/F(Peripheral)である、測定器1bの通信部15から出力された、測定データが格納されたBLE汎用アトリビュートファイルを受信する(ステップS907)。
【0091】
すると、測定データ入力支援装置2のCPU21(測定器制御手段の一例)は、測定器制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21(測定器制御手段の一例)は、I/F27を通じて受信した、BLE汎用アトリビュートファイルのキャラクタリスティックスに格納されている測定データを解釈・特定し、通信制御手段に出力する。例えば、測定データに含まれる数値データが「4」でレンジデータが「×100」の場合には、当該測定データは「400(Lux)」と解釈・特定し、通信制御手段に出力する(ステップS908)。
【0092】
また、測定データ入力支援装置2のCPU21(通信制御手段の一例)は、通信制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21(通信制御手段の一例)は、解釈・特定された測定データを、表計算用アプリに入力(読み込み)可能な形式に、当該測定データの形式を変換し、記憶媒体制御手段に出力する(ステップS909)。
【0093】
そして、測定データ入力支援装置2のCPU21(記憶媒体制御手段の一例)は、記憶媒体制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21(記憶媒体制御手段の一例)は、形式を変換した測定データを、記憶媒体入力制御手段に出力する(ステップS910)。
【0094】
そして、CPU21(記憶媒体入力制御手段の一例)は、記憶媒体入力制御手段として機能させるプログラムをプログラム記憶領域223から呼び出して実行する。即ち、CPU21(記憶媒体入力制御手段の一例)は、形式を変換した測定データを、データシート記憶領域222内のクリック(タップ)されたセルに出力して、記憶させる(ステップS911)。
【0095】
図8で示したステップS801~ステップS808の処理の順序や図9で示したステップS901~ステップS911の処理の順序は、説明の便宜上のものであって、この順序に限定されるものではない。
【0096】
例えば、上記では、ステップS805~ステップS808の処理を行った後に、ステップS901の処理を行う構成を示したが、ステップS901の処理を行った後に、ステップS805~ステップS808の処理を行う構成としても良い。
【0097】
このように測定データ入力支援装置は、測定器制御手段としての、CPU21が、プログラム記憶領域223から測定器制御手段として機能させるプログラムを呼び出して実行する。即ち、測定器制御手段としての、CPU21が、個々の測定器1と相互通信を行い、測定器1とのコネクションを確立し、測定器1に対し測定データ入力開始命令を出力し、測定器1から測定データを受信し、解釈・特定する。解釈・特定後の測定データを通信制御手段に出力する。
【0098】
また、通信制御手段としての、CPU21が、プログラム記憶領域223から通信制御手段として機能させるプログラムを呼び出して実行する。即ち、通信制御手段としての、CPU21が、記憶媒体制御手段から受けた命令を測定器制御手段に出力すると共に、測定器制御手段から受信した解釈・特定された測定データを、描画用アプリ、あるいは表計算用アプリに入力(読み込み)可能な形式に、当該測定データの形式を変換し、記憶媒体制御手段に出力する。
【0099】
また、記憶媒体制御手段としての、CPU21が、プログラム記憶領域223から記憶媒体制御手段として機能させるプログラムを呼び出して実行する。即ち、記憶媒体制御手段としての、CPU21が、ユーザからの「接続開始」及び「測定値入力」の命令を解釈・特定し、通信制御手段に出力すると共に、通信制御手段から受信した形式を変換した測定データを、記憶媒体入力制御手段に出力する。
【0100】
更に、記憶媒体入力制御手段としての、CPU21が、プログラム記憶領域223から記憶媒体入力制御手段として機能させるプログラムを呼び出して実行する。即ち、記憶媒体入力制御手段としての、CPU21が、形式を変換した測定データを、クリック(又は、タップ)された測定ポイントマーカーの座標データに関連付けて、記憶させる。あるいは、形式を変換した測定データを、データシート記憶領域222内のクリック(タップ)されたセルに出力して、記憶させる。
【0101】
つまり、測定データ入力支援装置2では、測定器制御手段として機能させるプログラム、通信制御手段として機能させるプログラム、記憶媒体制御手段として機能させるプログラム及び記憶媒体入力制御手段として機能させるプログラムが別々に分離して格納されており、CPU21は、それらのプログラムを呼び出して実行する構成となっている。言い換えれば、夫々の役割に応じて独立したプログラムが、それぞれのI/Fを介して疎に連携するモジュール群として動作する構成となっている。
【0102】
このような構成であることによって、様々なニーズに対して適切に対応することがより容易になった。
【0103】
具体的には例えば、同機種、異機種を問わず、複数の測定器1を同時に使用したいというニーズがある場合、記憶媒体制御手段に係るプログラムの改修(詳しくは、記憶媒体制御手段に係るプログラムを測定器1の同時使用に対応させる)を行うだけで容易に、かつ、フレキシブルにこのニーズを実現することができる。
【0104】
「ある測定器1専用のシステムが欲しい」、「測定業務において各種の条件設定(測定器1個体の指定やタイムアウト時間の変更等)を行いたい」、「測定データの入力先である記憶媒体に係るアプリに新たな機能を持たせたい」といった多様な要望に対して、図10に示すように、一部のプログラム(機能モジュール)の改修や組み合わせの変更、あるいは簡単な設定の変更によって容易に対応することができる。
【0105】
また、記憶媒体に係るアプリと記憶媒体制御手段が、別々のプログラムとして分離しているため、図11に示すように、1つの記憶媒体のアプリに係るファイルを開いた状態で別の測定器1に変更すること(例えば、ディスプレイ25上では、表計算用アプリに係るファイルを開いた状態で、照度計用のユーザインタフェイスから、図11のような電圧計用のユーザインタフェイスに変更すること)、1つの測定器1と接続された状態で別の記憶媒体のアプリに係るファイルを開くこと(例えば、測定器1aと接続された状態で、描画用アプリに係るファイルを閉じて、表計算用アプリに係るファイルを開く)ができる。
【0106】
<変形例1>
なお、本実施の形態例1では、照度計である測定器1が、測定データを「Bluetooth Low Energy(=BLE)」という無線通信方式を用いて出力し、任意のAutoCAD(登録商標)図面(記憶媒体)、あるいはExcel(登録商標)ワークシート(記憶媒体)に入力(記憶)する構成を示したが、測定器1の種類、測定器1の数、測定データを記憶する記憶媒体としてアプリの種類等、この構成に限定されるものではない。例えば、絶縁抵抗計である測定器が測定データを、有線シリアル通信を用いて出力し、任意のデータベース(記憶媒体)に入力(記憶)する。また、ノギスの測定データを、Bluetooth(=BR/EDR)、シリアル通信及びWeb I/Fを用いて出力し、所定のテキストファイル(記憶媒体)に入力(記憶)する構成としても良い。
【符号の説明】
【0107】
1a:測定器、1b:測定器、11:測定部、12:A/D変換部、13:表示部、14:入力部、15:通信部、16:制御部、
2:測定データ入力支援装置、21:CPU、22:HD、221:図面データ記憶領域、222:データシート記憶領域、223:プログラム記憶領域、23:RAM、24:ROM、25:ディスプレイ、26:入力装置、27:I/F、28:バス、
3:ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12