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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156019
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】鞍乗り型車両
(51)【国際特許分類】
B62J 25/00 20200101AFI20221006BHJP
B62H 1/02 20060101ALI20221006BHJP
【ＦＩ】
B62J25/00
B62H1/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2021059509
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊東 理基
(72)【発明者】
【氏名】トゥブナン，マキシム
(72)【発明者】
【氏名】武藤 裕輔
(57)【要約】
【課題】スタンドとして容易に利用できるステップを備える鞍乗り型車両を提供する。
【解決手段】スタンドとして利用可能なステップ（２８）を備え、前記ステップ（２８）は、車両側に固定される固定部（８０）と、前記固定部（８０）に支持される可動部（８１）と、を備え、前記可動部（８１）は、車両前後方向にスライドさせることで、車両上下方向に回動可能に構成される。
【選択図】図８
【解決手段】スタンドとして利用可能なステップ（２８）を備え、前記ステップ（２８）は、車両側に固定される固定部（８０）と、前記固定部（８０）に支持される可動部（８１）と、を備え、前記可動部（８１）は、車両前後方向にスライドさせることで、車両上下方向に回動可能に構成される。
【選択図】図８
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタンドとして利用可能なステップ（２８）を備え、
前記ステップ（２８）は、車両側に固定される固定部（８０）と、前記固定部（８０）に支持される可動部（８１）と、を備え、
前記可動部（８１）は、車両前後方向にスライドさせることで、車両上下方向に回動可能に構成されることを特徴とする鞍乗り型車両。
前記ステップ（２８）は、車両側に固定される固定部（８０）と、前記固定部（８０）に支持される可動部（８１）と、を備え、
前記可動部（８１）は、車両前後方向にスライドさせることで、車両上下方向に回動可能に構成されることを特徴とする鞍乗り型車両。
【請求項2】
前記固定部（８０）と前記可動部（８１）との接続部（９５）にラッチ構造（９６）を備えることを特徴とする請求項１に記載の鞍乗り型車両。
【請求項3】
前記ラッチ構造（９６）は、前記可動部（８１）を車両前後方向にスライドさせることで、前記接続部（９５）を離脱可能に構成されることを特徴とする請求項２に記載の鞍乗り型車両。
【請求項4】
前記ラッチ構造（９６）は、前記固定部（８０）の支持部（８３、８４）に設けた複数のラッチ溝（９７、９７Ａ、９７Ｂ、９７Ｃ）と、前記可動部（８１）の係合部（９３、９４）に設けた突起（９８）とを備えることを特徴とする請求項２又は３に記載の鞍乗り型車両。
【請求項5】
前記ラッチ溝（９７）は、溝角（θ１）を持つ第１のラッチ溝（９７Ａ）と、溝角（θ２）を持つ第２のラッチ溝（９７Ｂ）と、溝角（θ３）を持つ第３のラッチ溝（９７Ｃ）とを備え、前記突起（９８）は、第２のラッチ溝（９７Ｂ）の溝角（θ２）と、第３のラッチ溝（９７Ｃ）の溝角（θ３）に嵌る突角（θ）を持ち、前記突起（９８）は、複数のラッチ溝（９７Ａ、９７Ｂ、９７Ｃ）のすべてに係合可能であり、溝角の大きさが、溝角（θ１）＞溝角（θ２）＝溝角（θ３）であることを特徴とする請求項４に記載の鞍乗り型車両。
【請求項6】
前記支持部（８３、８４）と前記係合部（９３、９４）をつなぐボルト部材（８６）を備え、前記ボルト部材（８６）が前記係合部（９３、９４）と一体となって車両前後方向に可動し、前記係合部（９３、９４）が一の方向に動く際に圧縮し、他の方向に動く際に前記係合部（９３、９４）に付勢力を付与する弾性部材（８７）を備えることを特徴とする請求項４又は５に記載の鞍乗り型車両。
【請求項7】
前記ステップ（２８）は、車両の両側に設けられることを特徴とする請求項１乃至６の何れか一項に記載の鞍乗り型車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗り型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鞍乗り型車両には、乗員が足を置くためのステップが設けられている。この種のステップには、スタンドを兼ねるものが提案されている（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第５４３６１１７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の構成では、ステップをスタンドとして利用する場合に、スタンド部分を足で一回転させなければならない。さらに、従来、スタンド状態を任意の所定の角度でキープするための構造においては改善の余地があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、スタンドとして容易に利用できるステップを備える鞍乗り型車両を提供することを目的とする。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、スタンドとして容易に利用できるステップを備える鞍乗り型車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による鞍乗り型車両は、スタンドとして利用可能なステップを備え、前記ステップは、車両側に固定される固定部と、前記固定部に支持される可動部と、を備え、前記可動部は、車両の前後方向にスライドさせることで、車両の上下方向に回動可能に構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、足で可動部を車両の前後方向にスライドさせ、上下方向に回動させることにより、スタンドとして容易に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両の側面図である。
【図2】同車両の斜視図である。
【図3】同車両のカバー類を外して示した側面図である。
【図4】ハンドルの折り畳み手順を説明する図である。
【図5】同説明する図である。
【図6】鞍乗り型車両の電装系統を示す図である。
【図7】乗員が足を載せるステップを示す斜視図である。
【図8】同ステップの斜視図である。
【図9】同ステップの斜視図である。
【図10】接続部の断面図である。
【図11】固定部の支持部に設けたラッチ溝を示す図である。
【図12】ラッチ溝と突起の係合（ステップ）を示す図である。
【図13】ラッチ溝と突起の係合（サイドスタンド）を示す図である。
【図14】ラッチ溝と突起の係合（メインスタンド）を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の各実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車両に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号ＦＲは車両前方を示し、符号ＵＰは車両上方を示し、符号ＬＨは車両左方を示す。
【0009】
図１は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両１０の側面図、図２は、同車両１０の斜視図、図３は、同車両１０のカバー類を外して示した側面図である。
鞍乗り型車両１０は、図３に示すように、車体フレーム１１と、前輪１３を操舵自在に支持するフロントフォーク１４と、後輪１５を支持するスイングアーム１６と、乗員用のシート１７（図１参照）とを備える電動の車両である。
鞍乗り型車両１０は、乗員がシート１７に跨るようにして着座する車両である。シート１７は、シートレール３９に配置される。
鞍乗り型車両１０は、図３に示すように、車体フレーム１１と、前輪１３を操舵自在に支持するフロントフォーク１４と、後輪１５を支持するスイングアーム１６と、乗員用のシート１７（図１参照）とを備える電動の車両である。
鞍乗り型車両１０は、乗員がシート１７に跨るようにして着座する車両である。シート１７は、シートレール３９に配置される。
【0010】
車体フレーム１１は、車体フレーム１１の前端部に設けられるヘッドパイプ１８と、ヘッドパイプ１８の後方に位置するフロントフレーム１９と、フロントフレーム１９の後方に位置するリアフレーム２０とを備える。フロントフレーム１９の前端部は、ヘッドパイプ１８に接続される。
シート１７は、リアフレーム２０に支持される。
シート１７は、リアフレーム２０に支持される。
【0011】
フロントフォーク１４は、ヘッドパイプ１８によって左右に操舵自在に支持される。前輪１３は、フロントフォーク１４の下端部に支持され、前輪モータ１３ａを備える。
乗員が把持する操舵用のハンドル２１は、フロントフォーク１４の上端部に取り付けられる。
乗員が把持する操舵用のハンドル２１は、フロントフォーク１４の上端部に取り付けられる。
【0012】
スイングアーム１６は、車体フレーム１１に支持されるピボット軸２２に支持される。ピボット軸２２は、車幅方向に水平に延びる軸である。
スイングアーム１６の前端部には、ピボット軸２２が挿通される。スイングアーム１６は、ピボット軸２２を中心に上下に揺動する。
後輪１５は、スイングアーム１６の後端部に支持され、後輪モータ１５ａを備える。
スイングアーム１６の前端部には、ピボット軸２２が挿通される。スイングアーム１６は、ピボット軸２２を中心に上下に揺動する。
後輪１５は、スイングアーム１６の後端部に支持され、後輪モータ１５ａを備える。
【0013】
フロントフレーム１９とリアフレーム２０との間にクロスパイプ２３が設けられる。クロスパイプ２３は、前方に向けて斜め下に傾斜し、クロスパイプ２３が一辺を構成する三角フレームの領域にコントローラ（制御部）２４が配置される。クロスパイプ２３が斜め下に傾斜するため、たわみ強度が向上する。
また、上記の領域にコントローラ２４を配置したため、コントローラ２４に走行風が当たり易くなり、冷却効果が高められる。クロスパイプ２３の上方にはバッテリー２５が配置される。
また、上記の領域にコントローラ２４を配置したため、コントローラ２４に走行風が当たり易くなり、冷却効果が高められる。クロスパイプ２３の上方にはバッテリー２５が配置される。
【0014】
鞍乗り型車両１０は、図１、図２に示すように、前輪１３を上方から覆うフロントフェンダー２６と、後輪１５を上方から覆うリアフェンダー２７と、乗員が足を載せるステップ２８とを備える。
フロントフェンダー２６は、フロントフォーク１４に取り付けられる。リアフェンダー２７及びステップ２８は、シート１７よりも下方に設けられる。
鞍乗り型車両１０の両側面は、サイドカバー２９により覆われる。フロントフォーク１４の上部は、フロントカバー３０により覆われる。
サイドカバー２９の上方には、グラブレール７２が配置される。グラブレール７２は、車両の左右側面に配置され、車体フレーム１１に支持される。
フロントフェンダー２６は、フロントフォーク１４に取り付けられる。リアフェンダー２７及びステップ２８は、シート１７よりも下方に設けられる。
鞍乗り型車両１０の両側面は、サイドカバー２９により覆われる。フロントフォーク１４の上部は、フロントカバー３０により覆われる。
サイドカバー２９の上方には、グラブレール７２が配置される。グラブレール７２は、車両の左右側面に配置され、車体フレーム１１に支持される。
【0015】
図４は、操舵用のハンドル２１を示す。
操舵用のハンドル２１は折り畳みが可能である。
ハンドル２１は、Ｔ字状のハンドル軸６０と、一対のバー部材６１とを備える。ハンドル軸６０の縦軸部６０Ａは、フロントフォーク１４の上端部に、第１ロックナット６２を介して固定される。ハンドル軸６０の横軸部６０Ｂは、一対の第２ロックナット６３を介して一対のバー部材６１に固定される。バー部材６１にはグリップ６４と、ブレーキレバー６５とが配置される。
操舵用のハンドル２１は折り畳みが可能である。
ハンドル２１は、Ｔ字状のハンドル軸６０と、一対のバー部材６１とを備える。ハンドル軸６０の縦軸部６０Ａは、フロントフォーク１４の上端部に、第１ロックナット６２を介して固定される。ハンドル軸６０の横軸部６０Ｂは、一対の第２ロックナット６３を介して一対のバー部材６１に固定される。バー部材６１にはグリップ６４と、ブレーキレバー６５とが配置される。
【0016】
ハンドル２１の折り畳み手順を説明する。
第２ロックナット６３を反時計方向に回し、外側にスライドさせることで、第２ロックナット６３によるロックが外される。一対の第２ロックナット６３によるロックが外されると、図５に示すように、節Ｆ１の部分を９０°回転させて、折り畳みが可能である。図５では、第１ロックナット６２、第２ロックナット６３の図示を省略する。
第２ロックナット６３を反時計方向に回し、外側にスライドさせることで、第２ロックナット６３によるロックが外される。一対の第２ロックナット６３によるロックが外されると、図５に示すように、節Ｆ１の部分を９０°回転させて、折り畳みが可能である。図５では、第１ロックナット６２、第２ロックナット６３の図示を省略する。
【0017】
次いで、第１ロックナット６２を左方向に回し、上側にスライドさせることで、第１ロックナット６２によるロックが外される。そして、節Ｆ２の部分を矢印Ａの方向に回転させて、ハンドル軸６０の縦軸部６０Ａの折り畳みが可能とされる。折り畳まれたハンドル２１は、図２において、シート１７下の空間Ｋに格納される。なお、ハンドル２１の組み立て手順は、折り畳み手順と逆の手順となる。
【0018】
図６は、鞍乗り型車両１０の電装系統を示す図である。
コントローラ２４には、シート１７の位置を検出するシートセンサ３１と、ハンドルセンサ３２と、ブレーキセンサ３３と、キー装置４４とが接続される。
また、コントローラ２４には、前輪モータ１３ａと、後輪モータ１５ａと、バッテリー２５とが接続される。バッテリー２５には、インバーター３４が接続される。インバーター３４には、灯体等の電装部品３５と、充電用のコンセント３６と、出力用のコンセント３７とが接続される。
コントローラ２４には、シート１７の位置を検出するシートセンサ３１と、ハンドルセンサ３２と、ブレーキセンサ３３と、キー装置４４とが接続される。
また、コントローラ２４には、前輪モータ１３ａと、後輪モータ１５ａと、バッテリー２５とが接続される。バッテリー２５には、インバーター３４が接続される。インバーター３４には、灯体等の電装部品３５と、充電用のコンセント３６と、出力用のコンセント３７とが接続される。
【0019】
充電用のコンセント３６は、図２に示すように、車両の左側面で、スイングアーム１６の上方に配置される。
コンセント３６は蓋体７３で覆われる。スイングアーム１６の上辺部には、蓋体７３との干渉を防止するため、窪み部７４が設けられる。
出力用のコンセント３７は、車両の右側面に配置される。コントローラ２４の近傍に、充電用のコンセント３６と、出力用のコンセント３７とが配置されるため、配線を短くできる。
コンセント３６は蓋体７３で覆われる。スイングアーム１６の上辺部には、蓋体７３との干渉を防止するため、窪み部７４が設けられる。
出力用のコンセント３７は、車両の右側面に配置される。コントローラ２４の近傍に、充電用のコンセント３６と、出力用のコンセント３７とが配置されるため、配線を短くできる。
【0020】
ハンドルセンサ３２は、図５に示す第２ロックナット６３に内蔵される。第２ロックナット６３が完全にロックされると、ハンドルセンサ３２が検知し、車両が起動可能な状態となる。ただし、第２ロックナット６３が緩んでいるとき、前輪モータ１３ａと後輪モータ１５ａの駆動を弱くしてもよい。
【0021】
図７は、乗員が足を載せるステップ２８を示す図である。図８、図９は、ステップ２８の斜視図である。
本実施形態において、ステップ２８は、図７に示すように、スタンドとして利用可能である。ステップ２８は、車体フレーム１１の下部に略水平に固定される固定部８０と、固定部８０に支持される可動部８１とを備える。固定部８０は、図８、図９に示すように、上面視で略コの字状に形成される。
固定部８０の両端には一対の支持部８３、８４を備える。また、可動部８１は、一対の係合部９３、９４を備える。各係合部９３、９４は、車両の前後方向において、各支持部８３、８４の後ろ側に配置される。
本実施形態において、ステップ２８は、図７に示すように、スタンドとして利用可能である。ステップ２８は、車体フレーム１１の下部に略水平に固定される固定部８０と、固定部８０に支持される可動部８１とを備える。固定部８０は、図８、図９に示すように、上面視で略コの字状に形成される。
固定部８０の両端には一対の支持部８３、８４を備える。また、可動部８１は、一対の係合部９３、９４を備える。各係合部９３、９４は、車両の前後方向において、各支持部８３、８４の後ろ側に配置される。
【0022】
支持部８３は、図１０に示すように、外側が開口する凹部８５を備える。 凹部８５にはボルト部材８６と、ワッシャー８９と、コイルばね（弾性部材）８７とが挿入される。ボルト部材８６は、底部８５Ａの孔８８を貫通し、可動部８１の係合部９３のボス部９３Ａに設けた雌ねじ孔９３Ｂに螺合される。コイルばね８７は、ワッシャー８９と、底部８５Ａとの間に圧縮して介装される。
各支持部８３、８４および各係合部９３、９４は左右対称形状であるため、支持部８４および係合部９４の説明は省略する。
各支持部８３、８４および各係合部９３、９４は左右対称形状であるため、支持部８４および係合部９４の説明は省略する。
【0023】
図８に示すように、一方の支持部８３と係合部９３、および、他方の支持部８４と係合部９４は、接続部９５において接続される。接続部９５には、ラッチ構造９６が配置される。このラッチ構造９６は、可動部８１を車両前後方向にスライドさせることで、接続部９５を離脱可能に構成される。
【0024】
ラッチ構造９６は、図１１に示すように、支持部８３に設けられた複数のラッチ溝９７を備える。ラッチ溝９７は、溝角θ１を持つ第１のラッチ溝９７Ａと、溝角θ２を持つ第２のラッチ溝９７Ｂと、溝角θ３を持つ第３のラッチ溝９７Ｃとを備える。複数のラッチ溝９７は放射状に設けられる。溝角の大きさは、溝角θ１＞溝角θ２＝溝角θ３である。
また、ラッチ構造９６は、図９に示すように、係合部９３に設けられた突起９８を備える。突起９８は、溝角θ２、溝角θ３に嵌る突角θを持ち、複数のラッチ溝９７Ａ、９７Ｂ、９７Ｃのすべてに係合可能である。突起９８は直線状に設けられる。
また、ラッチ構造９６は、図９に示すように、係合部９３に設けられた突起９８を備える。突起９８は、溝角θ２、溝角θ３に嵌る突角θを持ち、複数のラッチ溝９７Ａ、９７Ｂ、９７Ｃのすべてに係合可能である。突起９８は直線状に設けられる。
【0025】
次に、実施形態の作用を説明する。
乗員は、足で可動部８１を後方にスライドさせる。可動部８１は、図９に示すように、コイルばね８７の付勢力に抗して、ボルト部材８６と一体に車両後方にスライド移動する。これにより、ラッチ溝９７と突起９８の係合が外され、接続部９０のラッチ構造９６が離脱される。
乗員は、足で可動部８１を後方にスライドさせる。可動部８１は、図９に示すように、コイルばね８７の付勢力に抗して、ボルト部材８６と一体に車両後方にスライド移動する。これにより、ラッチ溝９７と突起９８の係合が外され、接続部９０のラッチ構造９６が離脱される。
【0026】
この状態で、可動部８１を車両上下の何れかの方向に適宜回動させる。可動部８１を回動させた後、コイルばね８７の付勢力により、可動部８１が元の位置に戻され、ラッチ構造９６が接続されて、可動部８１が固定される。
【0027】
ラッチ構造９６は、図１２に示すように、複数のラッチ溝９７のうち、第１のラッチ溝９７Ａに突起９８（斜線で示す。）が係合した状態で、可動部８１は、ステップＳ１となる。走行時の可動部８１は水平状態にある。走行時には、例えば可動部８１に上方向の衝撃が加わっても、第１のラッチ溝９７Ａの溝角θ１が、突起９８の突角θよりも大きいため、溝角θ１の範囲内で、可動部８１が上方向に回動可能である。
【0028】
可動部８１が水平の状態において、可動部８１を後方にスライドさせ、可動部８１を下方向に回動させる。すると、コイルばね８７の付勢力で可動部８１が元の位置に戻され、図１３に示すように、突起９８（斜線で示す。）が第２のラッチ溝９７Ｂに係合する。可動部８１は、７５°開いてサイドスタンドＳ２となる。
【0029】
可動部８１がサイドスタンドＳ２の状態において、可動部８１を後方にスライドさせ、可動部８１を下方向に回動させる。すると、コイルばね８７の付勢力で可動部８１が元の位置に戻され、図１４に示すように、突起９８（斜線で示す。）が第３のラッチ溝９７Ｃに係合する。可動部８１は、９０°開いてメインスタンドＳ３となる。
メインスタンドＳ３からサイドスタンドＳ２に、サイドスタンドＳ２からステップＳ１に戻す手順は、上記手順と逆の手順により行われる。
メインスタンドＳ３からサイドスタンドＳ２に、サイドスタンドＳ２からステップＳ１に戻す手順は、上記手順と逆の手順により行われる。
【0030】
本実施形態では、支持部８３と係合部９３をつなぐボルト部材８６を備え、ボルト部材８６が係合部９３と一体となって車両前後方向に可動し、係合部９３が後方（一の方向）に動く際に圧縮し、前方（他の方向）に動く際に係合部９３に付勢力を付与するコイルばね（弾性部材）８７を備える。
これによれば、可動部８１を後方にスライドさせ、且つ、可動部８１を車両上下の何れかの方向に回動させるだけの簡単な操作により、ラッチ構造９６が外れて、ステップ２８をサイドスタンドＳ２、メインスタンドＳ３として利用できる。
これによれば、可動部８１を後方にスライドさせ、且つ、可動部８１を車両上下の何れかの方向に回動させるだけの簡単な操作により、ラッチ構造９６が外れて、ステップ２８をサイドスタンドＳ２、メインスタンドＳ３として利用できる。
【0031】
図８に示すように、各係合部９３、９４は、車両の前後方向において、各支持部８３、８４の後ろ側に配置される。ただし、これに限定されず、係合部９３、９４を、支持部８３、８４の前側に配置してもよい。そして、上記構成と同様に、支持部８３と係合部９３とを、ボルト部材８６と、ワッシャー８９と、コイルばね８７とを用いて接続してもよい。この場合には、可動部８１を前方にスライドさせ、且つ、可動部８１を車両上下の何れかの方向に回動させることにより、ラッチ構造９６が外れて、ステップ２８をサイドスタンドＳ２、メインスタンドＳ３として利用できる。
【0032】
上記構成のステップ２８は、車両の両側に配置される。
これによれば、一対のステップ２８の可動部８１を、図１４に示すように、それぞれ９０°開いてメインスタンドＳ３とすれば、車両を起立できる。
これによれば、一対のステップ２８の可動部８１を、図１４に示すように、それぞれ９０°開いてメインスタンドＳ３とすれば、車両を起立できる。
【0033】
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
【0034】
（構成１）スタンドとして利用可能なステップを備え、前記ステップは、車両側に固定される固定部と、前記固定部に支持される可動部と、を備え、前記可動部は、車両前後方向にスライドさせることで、車両上下方向に回動可能に構成されることを特徴とする鞍乗り型車両。
この構成によれば、乗員が足により、可動部を車両前後方向にスライドさせ、そのまま車両上下方向に回動させるだけで、ステップをスタンドとして簡単に利用できるため、ステップを大きく回転させることなくステップやスタンドとして利用できるため利便性が高い。
この構成によれば、乗員が足により、可動部を車両前後方向にスライドさせ、そのまま車両上下方向に回動させるだけで、ステップをスタンドとして簡単に利用できるため、ステップを大きく回転させることなくステップやスタンドとして利用できるため利便性が高い。
【0035】
（構成２）前記固定部と前記可動部との接続部にラッチ構造を備えることを特徴とする構成１に記載の鞍乗り型車両。
（構成３）前記ラッチ構造は、前記可動部を車両前後方向にスライドさせることで、前記接続部を離脱可能に構成されることを特徴とする構成２に記載の鞍乗り型車両。
これらによれば、乗員が足により、可動部を車両前後方向にスライドさせて、ラッチ構造の接続を外し、車両上下方向に回動させるだけで、ステップをスタンドとして簡単に利用できる。
（構成３）前記ラッチ構造は、前記可動部を車両前後方向にスライドさせることで、前記接続部を離脱可能に構成されることを特徴とする構成２に記載の鞍乗り型車両。
これらによれば、乗員が足により、可動部を車両前後方向にスライドさせて、ラッチ構造の接続を外し、車両上下方向に回動させるだけで、ステップをスタンドとして簡単に利用できる。
【0036】
（構成４）前記ラッチ構造は、前記固定部の支持部に設けた複数のラッチ溝と、前記可動部の係合部に設けた突起とを備えることを特徴とする構成２又は３に記載の鞍乗り型車両。
これによれば、複数のラッチ溝のうちの、一つのラッチ溝と突起とを接続することにより、可動部の倒れ角度を変更できる。これによれば、可動部をステップ、サイドスタンド、メインスタンドに利用できる。
これによれば、複数のラッチ溝のうちの、一つのラッチ溝と突起とを接続することにより、可動部の倒れ角度を変更できる。これによれば、可動部をステップ、サイドスタンド、メインスタンドに利用できる。
【0037】
（構成５）前記ラッチ溝は、溝角（θ１）を持つ第１のラッチ溝と、溝角（θ２）を持つ第２のラッチ溝と、溝角（θ３）を持つ第３のラッチ溝とを備え、前記突起は、第２のラッチ溝の溝角（θ２）と、第３のラッチ溝の溝角（θ３）に嵌る突角（θ）を持ち、前記突起は、複数のラッチ溝のすべてに係合可能であり、溝角の大きさが、溝角（θ１）＞溝角（θ２）＝溝角（θ３）であることを特徴とする構成４に記載の鞍乗り型車両。
【0038】
これによれば、複数のラッチ溝のうちの、一つのラッチ溝と突起とを接続することにより、可動部の倒れ角度を変更できる。
これによれば、突起が、第１のラッチ溝に嵌ると、可動部がステップとなり、第２のラッチ溝に嵌ると、可動部がサイドスタンドとなり、第３のラッチ溝に嵌ると、可動部がメインスタンドになる。溝角の大きさが、溝角（θ１）＞溝角（θ２）＝溝角（θ３）であるため、突起が、第１のラッチ溝に嵌って、可動部がステップとなったとき、溝角（θ１）の範囲内で、可動部が上方向に回動できる。
これによれば、突起が、第１のラッチ溝に嵌ると、可動部がステップとなり、第２のラッチ溝に嵌ると、可動部がサイドスタンドとなり、第３のラッチ溝に嵌ると、可動部がメインスタンドになる。溝角の大きさが、溝角（θ１）＞溝角（θ２）＝溝角（θ３）であるため、突起が、第１のラッチ溝に嵌って、可動部がステップとなったとき、溝角（θ１）の範囲内で、可動部が上方向に回動できる。
【0039】
（構成６）前記支持部と前記係合部をつなぐボルト部材を備え、前記ボルト部材が前記係合部と一体となって車両前後方向に可動し、前記係合部が一の方向に動く際に圧縮し、他の方向に動く際に前記係合部に付勢力を付与する弾性部材を備えることを特徴とする構成４又は５に記載の鞍乗り型車両。
これによれば、可動部を一の方向にスライドさせ、可動部を車両上下方向に回動させ、可動部を他の方向に戻す機能を、簡単な構成により実現できる。
これによれば、可動部を一の方向にスライドさせ、可動部を車両上下方向に回動させ、可動部を他の方向に戻す機能を、簡単な構成により実現できる。
【0040】
（構成７）前記ステップは、車両の両側に設けられることを特徴とする構成１乃至６の何れか一つに記載の鞍乗り型車両。
これによれば、一対のステップを、例えば９０°開いてメインスタンドとすることにより、車両を起立できる。
これによれば、一対のステップを、例えば９０°開いてメインスタンドとすることにより、車両を起立できる。
【符号の説明】
【0041】
１０ 鞍乗り型車両
１３ 前輪
１３ａ 前輪モータ
１４ フロントフォーク
１５ 後輪
１５ａ 後輪モータ
２８ ステップ
８０ 固定部
８１ 可動部
８３、８４ 支持部
８６ ボルト部材
８７ コイルばね（弾性部材）
９３、９４ 係合部
９５ 接続部
９６ ラッチ構造
９７ ラッチ溝
９７Ａ 第１のラッチ溝
９７Ｂ 第２のラッチ溝
９７Ｃ 第３のラッチ溝
９８ 突起
１３ 前輪
１３ａ 前輪モータ
１４ フロントフォーク
１５ 後輪
１５ａ 後輪モータ
２８ ステップ
８０ 固定部
８１ 可動部
８３、８４ 支持部
８６ ボルト部材
８７ コイルばね（弾性部材）
９３、９４ 係合部
９５ 接続部
９６ ラッチ構造
９７ ラッチ溝
９７Ａ 第１のラッチ溝
９７Ｂ 第２のラッチ溝
９７Ｃ 第３のラッチ溝
９８ 突起
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】