(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156046
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
G03G21/00 370
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059544
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】深澤 佑樹
【テーマコード(参考)】
2H270
【Fターム(参考)】
2H270KA55
2H270LA34
2H270LA37
2H270LB14
2H270LC13
2H270LD08
2H270MB28
2H270MB35
2H270MC59
2H270MH09
2H270ZC04
2H270ZC06
(57)【要約】
【課題】2次給紙を開始するタイミングを動的に制御する画像形成装置を提供する。
【解決手段】算出部12は、レジストローラー70から転写ローラー36までの距離、エンジン部60が出力用紙23を搬送する速度、画像読取部80が原稿を読み取る速度、原稿のサイズ、及び画像編集部11が編集処理に要する処理時間に基づいて、出力用紙23における先行搬送バンド数を算出する。エンジン制御部13は、レジストローラー70が先行搬送バンド数だけ出力用紙23を転写ローラー36へ搬送するようにエンジン部60を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取って画像データを生成する画像読取部と、
前記画像データをバンド単位で編集処理する画像編集部と、
搬送路に配置されたレジストローラーを駆動して転写ローラーへ出力用紙を搬送させるエンジン部と、
前記レジストローラーから前記転写ローラーまでの距離、前記エンジン部が前記出力用紙を搬送する速度、前記画像読取部が前記原稿を読み取る速度、前記原稿のサイズ、及び前記画像編集部が編集処理に要する処理時間に基づいて、前記出力用紙における先行搬送バンド数を算出する算出部と、
前記レジストローラーが前記先行搬送バンド数だけ前記出力用紙を前記転写ローラーへ搬送するように前記エンジン部を制御するエンジン制御部と
を備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記算出部は、以下の数式を計算することによって前記先行搬送バンド数を算出する、請求項1に記載の画像形成装置。
未処理バンド数=(L1/V1)/(L2/V2+T1)
総バンド数=(L3/L2)
先行搬送バンド数=(総バンド数-未処理バンド数)
L1:レジストローラーから転写ローラーまでの距離
L2:1バンドの長さ
L3:原稿のサイズ
V1:エンジン部が出力用紙を搬送する速度
V2:画像読取部が原稿を読み取る速度
T1:画像編集部が編集処理に要する1バンドあたりの処理時間
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、原稿の拡大、縮小処理及び回転処理等の画像編集を伴うコピーにおけるファーストコピースピードを上げることができる画像形成装置が開示されている。特許文献1に記載された画像形成装置は、原稿読み取り開始から、読み取られた画像の編集処理が終了するまでの間に、出力用紙を給紙カセットからレジストローラーに到達させる1次給紙を開始する。また、特許文献1に記載された画像形成装置は、読み取られた画像の編集処理が終了した後、出力用紙をレジストローラーから転写位置を経て排出させる2次給紙を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された画像形成装置は、読み取った画像データすべての編集処理が終了するまで、2次給紙を開始しなかった。しかしながら、画像読取部によって読み取られた画像データは、帯状に区切られたバンド単位で編集処理されるため、理論上、画像形成装置は、編集処理が終了したバンドに相当する出力用紙部分をレジストローラーから転写位置へ搬送させることが可能である。
【0005】
本発明は、2次給紙を開始するタイミングを動的に制御する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、画像読取部と、画像編集部と、エンジン部と、算出部と、エンジン制御部とを備える。前記原稿読取部は、原稿を読み取って画像データを生成する。前記画像編集部は、前記画像データをバンド単位で編集処理する。前記エンジン部は、搬送路に配置されたレジストローラーを駆動して転写ローラーへ出力用紙を搬送させる。前記算出部は、前記レジストローラーから前記転写ローラーまでの距離、前記エンジン部が前記出力用紙を搬送する速度、前記画像読取部が前記原稿を読み取る速度、前記原稿のサイズ、及び前記画像編集部が編集処理に要する処理時間に基づいて、前記出力用紙における先行搬送バンド数を算出する。前記エンジン制御部は、前記レジストローラーが前記先行搬送バンド数だけ前記出力用紙を前記転写ローラーへ搬送するように前記エンジン部を制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、2次給紙を開始するタイミングを動的に制御する画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態1に係る画像形成装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】実施形態1に係る画像形成装置の構造例を示す図である。
【
図3】実施形態1に係る画像形成装置の動作例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
<実施形態1>
図1~
図3を参照して、実施形態1に係る画像形成装置1について説明する。
図1は、実施形態1に係る画像形成装置1の構成例を示すブロック図である。
図2は、実施形態1に係る画像形成装置1の構造例を示す図である。
【0011】
画像形成装置1は、操作部2、表示部3、制御部10、給送部20、画像形成部30、定着部40、排出部50、エンジン部60、及び画像読取部80を含む。
【0012】
操作部2は、ユーザーによる操作を受け付けるタッチパネル又は物理ボタン等である。例えば、操作部2は、コピーする原稿のサイズ、解像度、及び出力用紙の紙種等を指定する操作を受け付ける。また、操作部2は、コピー開始指示を受け付ける。操作部2は、受け付けた操作内容を制御部10へ出力する。
【0013】
表示部3は、制御部10から受け付けた画面を表示するディスプレー等である。表示部3のディスプレー表面に、操作部2のタッチパネルが取り付けられた構成であってもよい。例えば、表示部3は、コピーする原稿のサイズ、解像度、及び出力用紙の紙種等を変更するボタン、並びにコピー開始ボタン等が配置された画面を表示する。
【0014】
制御部10は、画像形成装置1の各要素を制御する。制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーと、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)のようなメモリーとを有する。制御部10は、メモリーに予め記憶されたコンピュータープログラムをプロセッサーが実行することにより、操作部2、表示部3、給送部20、画像形成部30、定着部40、排出部50、エンジン部60、及び画像読取部80の動作を制御する。
【0015】
また、制御部10は、メモリーに記憶されたコンピュータープログラムをプロセッサーが実行することにより、画像編集部11、算出部12、及びエンジン制御部13の動作を制御する。即ち、制御部10は、画像編集部11、算出部12、及びエンジン制御部13を含む。画像編集部11、算出部12、及びエンジン制御部13の詳細については後述する。
【0016】
給送部20は、給送カセット21と給送ローラー群22とを有する。給送カセット21は、複数の出力用紙23を収容可能である。出力用紙23は、普通紙、コピー紙、再生紙、薄紙、厚紙、光沢紙、又はOHP(Overhead Projector)用紙等である。
【0017】
給送ローラー群22は、給送カセット21に収容されている出力用紙23を1枚ずつレジストローラー70へ搬送する。なお、給送部20は、手差しトレイ24を有してもよい。レジストローラー70は、出力用紙23を、画像形成部30の転写ローラー36へ搬送する。
【0018】
画像形成部30は、レジストローラー70が搬送した出力用紙23に、トナーを用いて画像を形成する。画像形成部30は、トナー補給装置31と露光装置32と感光体ドラム33と現像ローラー34と中間転写ベルト35と転写ローラー36とを含む。
【0019】
トナー補給装置31は、トナーカートリッジCaのトナーを現像ローラー34へ補給する。この例では、トナーカートリッジCaは、ブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローの4種類ある。
【0020】
露光装置32は、感光体ドラム33にレーザー光を照射して露光し、露光部分に静電潜像を形成する。現像ローラー34は、感光体ドラム33にトナーを供給して静電潜像を現像する。これにより、感光体ドラム33に画像が形成される。
【0021】
中間転写ベルト35は、感光体ドラム33に形成された画像を転写する。レジストローラー70は、転写ローラー36に対して出力用紙23を搬送する。転写ローラー36は、中間転写ベルト35に転写された画像を、出力用紙23に転写する。画像が転写されたシートは、定着部40に搬送される。
【0022】
定着部40は、加熱ローラー41及び加圧ローラー42を有する。加熱ローラー41及び加圧ローラー42が出力用紙23を加熱及び加圧することにより、出力用紙23に転写された画像を出力用紙23に定着させる。排出部50は、画像を定着させたシートを装置本体の外部へ排出する。
【0023】
エンジン部60は、レジストローラー70を回転駆動させるモーターである。
図2では、レジストローラー70を駆動させるエンジン部60のみが図示されているが、給送ローラー群22、転写ローラー36、加熱ローラー41及び加圧ローラー42等の各ローラーに対してもエンジン部(図示せず)が設けられている。エンジン部60を含む各エンジン部は、エンジン制御部13によって制御される。
【0024】
画像読取部80は、図示しないコンタクトガラス、光源、イメージセンサー、及び移動機構を有する。コンタクトガラスは、原稿がセットされるセット面を有する。光源は、セット面にセットされた原稿に光を照射する。イメージセンサーは、主走査方向に並ぶ複数の光電変換素子を有する。イメージセンサーは、原稿で反射された反射光を受光することにより、原稿をライン単位で読み取り、読み取った画像データを制御部10へ出力する。移動機構は、光源を副走査方向に移動させることにより、イメージセンサーが読み取る読取ラインを副走査方向に移動させる。
【0025】
画像編集部11は、画像読取部80が読み取った画像データをバンド単位で編集処理する。編集処理は、回転処理及びスクリーン処理等である。画像編集部11は、画像編集後の画像データを、露光装置32へ出力する。
【0026】
次に、出力用紙23の搬送について説明する。出力用紙23は、給送部20から排出部50まで、搬送路に沿って搬送される。画像形成装置1がコピー処理を行う場合、出力用紙23は、給送カセット21からレジストローラー70に到達するまでの1次給紙、レジストローラー70から転写ローラー36による転写を経て排出部50に排出されるまでの2次給紙の工程を経る。
【0027】
制御部10は、画像読取部80が原稿の読取処理を開始するタイミングで、エンジン制御部13に対して1次給紙開始を指示する。エンジン制御部13は、エンジン部(図示せず)を制御することによって給送ローラー群22を駆動させ、出力用紙23を給送カセット21からレジストローラー70まで搬送させる。
【0028】
特許文献1に記載された画像形成装置は、画像データすべての編集処理が完了すると2次給紙を開始し、1次給紙完了後にレジストローラーの位置で待機させていた出力用紙を転写ローラーへ送り出していた。
【0029】
他方、実施形態1に係る画像編集部11は、原稿の読取処理と画像データの編集処理をバンド単位で行う。そのため、実施形態1に係る画像形成装置1は、画像データすべての編集処理の完了を待たずに、算出部12が算出する先行搬送バンド数だけ前倒しで2次給紙を開始可能である。
【0030】
算出部12は、レジストローラー70から転写ローラー36までの距離、エンジン部60が出力用紙23を搬送する速度、画像読取部80が原稿を読み取る速度、原稿のサイズ、及び画像編集部11が編集処理に要する処理時間に基づいて、出力用紙23における先行搬送バンド数を算出する。
【0031】
エンジン制御部13は、算出部12の算出結果に基づき、レジストローラー70が先行搬送バンド数だけ出力用紙23を転写ローラー36へ搬送するようにエンジン部60を制御する。
【0032】
先行搬送バンド数の算出は、ファーストコピーの1次給紙中、即ち、操作部2がユーザーからコピー開始指示を受け付けた時点から出力用紙23がレジストローラー70に到達した時点までの間に行われる。
【0033】
例えば、算出部12は、以下の数式を計算することにより、未処理バンド数と総バンド数を求め、未処理バンド数と総バンド数とを用いて先行搬送バンド数を求める。未処理バンド数は、出力用紙23がレジストローラー70から転写ローラー36まで搬送される時間中に、画像編集部11が編集処理できるバンド数に相当する。
【0034】
未処理バンド数=(L1/V1)/(L2/V2+T1)
総バンド数=(L3/L2)
先行搬送バンド数=(総バンド数-未処理バンド数)
L1:レジストローラー70から転写ローラー36までの距離
L2:1バンドの長さ
L3:原稿のサイズ
V1:エンジン部60が出力用紙23を搬送する速度
V2:画像読取部80が原稿を読み取る速度
T1:画像編集部11が編集処理に要する1バンドあたりの処理時間
【0035】
レジストローラー70から転写ローラー36までの距離L1、及び1バンドの長さL2は、画像形成装置1のモデルごとに一意に定義される値であり、算出部12に対して予め設定されている。
【0036】
原稿のサイズL3は、原稿の副走査方向の長さである。算出部12は、サイズL3を、画像読取部80又は操作部2から取得する。
【0037】
エンジン部60が出力用紙23を搬送する速度V1は、即ち、プロセス線速である。算出部12は、出力用紙23をレジストローラー70から転写ローラー36へ搬送する際の実際の速度V1をエンジン制御部13から取得する。なお、速度V1は、出力用紙23の重み等に応じて変化する。そのため、算出部12は、出力用紙23の紙種を検出するメディアセンサー等から紙種検出結果を取得し、取得した紙種検出結果等に基づいて速度V1を補正してもよい。
【0038】
画像読取部80が原稿を読み取る速度V2は、即ち、読取線速である。速度V2は、原稿読み取りの解像度等に応じて変化する。そのため、算出部12は、実際の速度V2を、画像読取部80の移動機構を制御する制御部10、又は操作部2から取得する。
【0039】
画像編集部11が編集処理に要する1バンドあたりの処理時間T1は、算出部12に対して予め設定されている。あるいは、算出部12は、操作部2がユーザーから指示された操作内容に基づいて、より実際に近い処理時間T1を推定してもよい。
【0040】
ここで、先行搬送バンド数の算出例を示す。
レジストローラー70から転写ローラー36までの距離L1
:100mm
1バンドのライン数 :128ライン
画像読取部80の解像度 :600dpi
1バンドの長さL2 :600/128=5.42mm
原稿のサイズL3 :215.9mm
エンジン部60が出力用紙23を搬送する速度V1
:250mm/秒
画像読取部80が原稿を読み取る速度V2
:300mm/秒
画像編集部11が編集処理に要する1バンドあたりの処理時間T1
:10ミリ秒
【0041】
レジストローラー70から転写ローラー36までの搬送に要する時間
=L1/V1
=100/250=0.4秒=400ミリ秒
【0042】
1バンドあたりの読取時間+1バンドあたりの処理時間T1
=L2/V2+T1
=5.42/300+10=0.01807秒+10ミリ秒
=28.07ミリ秒
【0043】
未処理バンド数
=(L1/V1)/(L2/V2+T1)
=400/28.07=14.25ミリ秒≒15バンド
なお、(L1/V1)及び(L2/V2+T1)の単位は時間であるが、(L2/V2+T1)は1バンドあたりの時間であるため、(L1/V1)/(L2/V2+T1)の単位はバンドとなる。
【0044】
総バンド数
=(L3/L2)
=215.9/5.42=39.8ミリ秒≒40バンド
【0045】
先行搬送バンド数
=(総バンド数-未処理バンド数)
=40-15=25バンド
【0046】
図3は、実施形態1に係る画像形成装置1の動作例を示すタイミングチャートである。
図3における「コピー開始指示」は、操作部2がユーザーによるコピー開始指示を受け付けたタイミングを示す。操作部2は、コピー開始指示を受け付けると、コピー開始指示を制御部10へ出力する。
【0047】
制御部10は、操作部2からコピー開始指示を受け付けると、画像読取部80へ読取処理の開始を指示する。画像読取部80は、制御部10の指示に従い、原稿の読取処理を開始し、読み取った画像データを画像編集部11へ出力する。画像編集部11は、画像読取部80から受け付けた画像データを1バンドずつ編集処理し、編集処理後の画像データを画像形成部30へ出力する。
【0048】
また、制御部10は、操作部2からコピー開始指示を受け付けると、エンジン制御部13に対して1次給紙開始を指示する。エンジン制御部13は、図示しないエンジン部を制御することによって給送ローラー群22を駆動し、出力用紙23を給送カセット21からレジストローラー70まで搬送させる。
【0049】
また、制御部10は、操作部2からコピー開始指示を受け付けると、算出部12に対して先行搬送バンド数の算出処理を行うよう指示する。算出部12は、制御部10からの指示に従い、先行搬送バンド数を算出する。算出部12は、算出した先行搬送バンド数をエンジン制御部13へ出力する。
【0050】
エンジン制御部13は、1次給紙の制御中に、算出部12から先行搬送バンド数を受け付ける。エンジン制御部13は、1次給紙が完了すると、続けて2次給紙を開始する。即ち、エンジン制御部13は、エンジン部60を制御することによってレジストローラー70を駆動し、出力用紙23をレジストローラー70から転写ローラー36へ搬送させる。また、エンジン制御部13は、2次給紙の開始タイミングにあわせて転写ローラー36のエンジン部を制御することにより、画像形成部30の画像形成処理を開始させる。
【0051】
エンジン制御部13は、レジストローラー70が先行搬送バンド数分の出力用紙23を搬送した後、続けて、未処理バンド数分の出力用紙23も転写ローラー36へ搬送させる。
【0052】
図3の例では、画像形成部30の読取処理及び画像編集部11の編集処理の途中で1次給紙が完了する。そのため、2次給紙開始後、出力用紙23のレジストローラー70から転写ローラー36への搬送と並行して、画像形成部30の読取処理及び画像編集部11の編集処理が行われる。
【0053】
以上、
図1~
図3を参照して説明したように、画像形成装置1は、画像読取部80と、画像編集部11と、エンジン部60と、算出部12と、13とを備える。画像読取部80は、原稿を読み取って画像データを生成する。画像編集部11は、画像データをバンド単位で編集処理する。エンジン部60は、搬送路に配置されたレジストローラー70を駆動して転写ローラー36へ出力用紙23を搬送させる。算出部12は、レジストローラー70から転写ローラー36までの距離、エンジン部60が出力用紙23を搬送する速度、画像読取部80が原稿を読み取る速度、原稿のサイズ、及び画像編集部11が編集処理に要する処理時間に基づいて、出力用紙23における先行搬送バンド数を算出する。エンジン制御部13は、レジストローラー70が先行搬送バンド数だけ出力用紙23を転写ローラー36へ搬送するようにエンジン部60を制御する。このように、画像形成装置1は、先行搬送バンド数分だけ先行して2次給紙を開始するようにしたので、2次給紙を開始するタイミングを動的に制御できる。これにより、画像形成装置1は、画像読取部80の読取処理及び画像編集部11の編集処理が終了する前に2次給紙を開始可能になるため、ファーストコピーのパフォーマンス向上が期待できる。
【0054】
なお、図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示している。したがって、図示された各構成要素の厚み、長さ等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、家庭用、業務用を問わず、様々な画像形成装置に適用できる。
【符号の説明】
【0056】
1 画像形成装置
2 操作部
3 表示部
10 制御部
11 画像編集部
12 算出部
13 エンジン制御部
20 給送部
21 給送カセット
22 給送ローラー群
23 出力用紙
24 手差しトレイ
30 画像形成部
31 トナー補給装置
32 露光装置
33 感光体ドラム
34 現像ローラー
35 中間転写ベルト
36 転写ローラー
40 定着部
41 加熱ローラー
42 加圧ローラー
50 排出部
60 エンジン部
70 レジストローラー
80 画像読取部
Ca トナーカートリッジ