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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156056
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059558
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土師 由子
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088BC22
2C088EB78
2C333AA11
2C333CA29
2C333GA03
(57)【要約】
【課題】低コストで演出を盛り上げることができる装飾部材を備えた遊技機を提供すること。
【解決手段】本発明の遊技機は、可視光線を透過する透光性を有する板状部材52に、有色の塗料により所定の画像502が印刷された装飾部材5を備えた遊技機である。装飾部材5は、板面に画像501が凹凸をなすレリーフ状に形成された第1の板状部材51と、平らな板面に画像502が有色の塗料により印刷された第2の板状部材52とを備える。そして第1の板状部材51と第2の板状部材52とが前後方向に互いに対向するように配置せしめ、且つ第2の板状部材52の後方において、遊技の進行に応じて発光させることが可能な装飾発光器40を光源として利用するようになし、第2の板状部材の後方から入射する光により画像50を表出せしめる。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視光線を透過する透光性を有する板状部材に、有色の塗料により所定の画像が印刷された装飾部材を備えた遊技機であって、
前記装飾部材は、板面に前記画像が凹凸をなすレリーフ状に形成された第1の板状部材と、平らな板面に前記画像が前記有色の塗料により印刷された第2の板状部材と、を備え、
前記第1の板状部材と前記第2の板状部材とが前後方向に互いに対向するように配置せしめ、且つ前記第2の板状部材の後方において、遊技の進行に応じて発光させることが可能な装飾発光器を光源として利用するようになし、前記第2の板状部材の後方から入射する光により前記画像を前側へ表出せしめる前記装飾部材を備えたことを特徴とする遊技機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機、特に画像を強調して表す装飾部材を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機であるパチンコ機やスロットマシンでは、遊技の進行状況に応じて装飾部材を用いて演出を盛り上げることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-18241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の装飾部材には、図13及び図14に示すように、可視光線を透過する透光性を有する板状部材の板面に凹凸をなすレリーフ状に所定の画像500を形成し、且つ画像500を例えば立体的に印刷することにより透光性の有色の塗料を着色するようになし、板状部材の後方から入射した光により板状部材の前面側へレリーフ状の画像500を強調して表出する装飾部材5Eがある。
【0005】
ところで、従来の装飾部材5Eは、画像500を立体的に着色することによりは高級感があるものの、立体的に印刷する技法は平面に印刷する技法に比べて印刷の過程が複雑な構成になる。そのため、立体的に印刷する技法を用いた装飾部材5Eは、平面に印刷する技法のものに比べて印刷が複雑な分、二次的な開発、加工費がかかるうえ、印刷後の画像のずれ等の製品の不良率が高くなることから製品単価が割高となる問題がある。
【0006】
そこで本発明は、低コストで演出を盛り上げることができる装飾部材を備えた遊技機を提供することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遊技機は、可視光線を透過する透光性を有する板状部材に、有色の塗料により所定の画像が印刷された装飾部材を備えた遊技機であって、
前記装飾部材は、板面に前記画像が凹凸をなすレリーフ状に形成された第1の板状部材と、平らな板面に前記画像が前記有色の塗料により印刷された第2の板状部材と、を備え、
前記第1の板状部材と前記第2の板状部材とが前後方向に互いに対向するように配置せしめ、且つ前記第2の板状部材の後方において、遊技の進行に応じて発光させることが可能な装飾発光器を光源として利用するようになし、前記第2の板状部材の後方から入射する光により前記画像を表出せしめる前記装飾部材を備える。
【0008】
本発明の遊技機において、第1の板状部材は、平坦な一般面を備え、レリーフ状の画像が一般面から直角方向に凹凸をなす形状を含め、画像が一般面から斜め傾斜方向に凹凸をなす構成が望ましい。例えば、画像が「一」の文字であれば、その縦断面が一般面から略三角形状に突出する構成が考えられる。
【0009】
また本発明の遊技機において、第2の板状部材は画像を可視光線が透過する透光性を有する有色の塗料により印刷することが望ましい。一方、第2の板状部材の画像は透光性の無い有色の塗料により印刷することも考えられる。
【0010】
尚、本発明の遊技機において、装飾部材は遊技者と対向する側を前方となし、第1の板状部材を前方に、第2の板状部材を後方に配置せしめるようになす。
【0011】
本発明の遊技機によれば、第1の板状部材のレリーフ状の画像と第2の板状部材の印刷された画像とを重ねて見せるようにすることにより画像を立体形状以上(レリーフ状)に奥行きのあるように表することができる。特に、装飾部材の第2の板状部材の後方から装飾発光器の光を当てることにより、第2の板状部材及び第1の板状部材を透過する光により画像を立体形状以上に奥行きのあるように表出する効果がより顕著に表れて演出を盛り上げることができる。また装飾部材は、2枚の板状部材からなるので構成部材が増えるが、印刷に関する二次的な開発、加工費等を抑え且つ印刷後の製品の精度を向上することができ、結果的に装飾部材を低コストに抑えることとなり、低コストで演出を盛り上げることができる装飾部材を備えた遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明を適用した遊技機の正面図である。
図2】前記遊技機に用いられる遊技盤の正面図である。
図3】前記遊技機に用いられるセンターケースの正面図である。
図4】前記遊技機に用いられる第1の実施例の装飾部材の構成を示す概略斜視図である。
図5】前記第1の実施例の装飾部材を上方から見た概略俯瞰図である。
図6】前記第1の実施例の装飾部材の概略正面図である。
図7】前記遊技機に用いられる第2の実施例の装飾部材の構成を示す概略斜視図である。
図8】前記第2の実施例の装飾部材の第1の概略正面図である。
図9】前記第2の実施例の装飾部材の第2の概略正面図である
図10】前記遊技機に用いられる第3の実施例の装飾部材の構成を示す概略斜視図である。
図11】前記第3の実施例の装飾部材を上方から見た概略俯瞰図である。
図12】前記第3の実施例の装飾部材の概略正面図である。
図13】従来の遊技機に用いられる装飾部材の概略斜視図である。
図14】従来の遊技機に用いられる装飾部材の概略俯瞰図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔第1実施例〕
以下、本発明を適用した第1の実施例の遊技機(パチンコ機)について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
(1.パチンコ機1の概略構成)
図1に示すように、パチンコ機1は、遊技者が遊技可能な遊技機であり、遊技施設に設置される。
【0015】
(1-1.パチンコ機1の前面構成)
パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101,101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11及び内枠が開閉可能に設けてある。尚、これら前枠11及び内枠はシリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して内枠を開放するようになし、反時計回りの操作により前枠11を開放可能である。
前枠11の板ガラス110の奥には内枠に保持された遊技盤2(図2参照)が設けてある。
【0016】
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112,112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けてある。
【0017】
前枠11の下半部には上皿12と下皿13とが一体に形成してある。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けてあり、該発射ハンドル14を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また上皿12には賞球が払い出される。
下皿13は上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0018】
本パチンコ機1は、所謂、CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)CRが隣接してある。パチンコ機1には上皿12の右側に精算表示装置170の球貸スイッチ171、精算スイッチ172及び精算表示器が設けてある。また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な演出ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が設置されている。
【0019】
(1-2.パチンコ機1の遊技盤の構成)
図2に示すように、遊技盤2は、前記内枠に対して着脱可能に取り付けられており、背面側が目視可能なように透明な合成樹脂製の板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。遊技盤2には外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。遊技領域20には中央付近にセンターケース30が配置されている。そしてセンターケース30には、後述する特別図柄に対応する演出用の擬似演出図柄の変動表示を可能とするLCDパネルを有する演出図柄表示装置40が、透明な遊技盤2を透して目視できるように、遊技盤2の背面側に設けられている。尚、遊技領域20には風車や多数の遊技釘が植設されている。
【0020】
遊技領域20にはセンターケース30の左横位置に、遊技球が通過可能であり、通過時に普通図柄(以下、単に普図という)の抽選が実行される普図作動口22が設けられている。
【0021】
センターケース30の中央直下位置には、常時、遊技球の入球が可能で、入球に起因して第1特別図柄(以下、第1特図という)の当否判定が実行される第1特図始動口23が配置されている。更にその直下位置には、入球に起因して第2特別図柄(以下、第2特図という)の当否判定が実行される第2特図始動口24が設置されている。第2特図始動口24は、チューリップ式の開放部材により開放可能に構成されている。第2特図始動口24は、前記普図の抽選で当りとなり、普通電動役物(普電役物ともいう)が作動することで、開放部材が所定の時間、所定の開放態様で開放され、開放部材の開放時にのみ入球(入賞)可能である。
【0022】
第2特図始動口24の直下位置には、開閉板にて開閉可能に設けられ、大当り遊技に開放される大入賞口25が設置されている。大入賞口25は、特別電動役物が作動することで、開閉板が所定の時間、所定の開放態様で開放され、開放板の開放時にのみ入球(入賞)可能である。尚、第1特図又は第2特図の当否判定で大当りとなると、役物連続作動装置が作動し、役物連続作動装置が作動することで、特別電動役物が連続して作動する。これにより大入賞口25が連続して開放される。
【0023】
センターケース30の左側斜め下方位置で、第1特図始動口23乃至大入賞口25の左側位置には複数(4つ)の一般入賞口27が配されている。また、大入賞口25の直下の盤面最下部にはアウト口203が設けられている。アウト口203には、発射された遊技球のうち、第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、一般入賞口27のいずれにも入球(入賞)しなかった遊技球が取り込まれる。
【0024】
遊技盤2の右下端部には、外レール201の外部に、第1特図表示装置281、第1特図保留数表示装置282、第2特図表示装置283、第2特図保留数表示装置284、普図表示装置285及び普図保留数表示装置286が配置されている。
【0025】
(1-3.パチンコ機1の遊技)
パチンコ機1は、普図作動口22に遊技球が入球すると、普図の当否判定に関する複数種の乱数値を抽出し、抽出した乱数値に基づいて当否判定を行う。この当否判定の結果に基づき、パチンコ機1は、普通図柄表示装置285において普図の変動表示を開始し、所定時間後に確定表示を行う。
【0026】
そして、普図の当否判定の結果が当りであれば、パチンコ機1は、普電役物を開放し、第2特図始動口24への入球を可能とする。第2特図始動口24の開放時間及び開放回数は、例えば、通常状態で1.0秒×1回、遊技者にとって有利な遊技状態(後述の時短遊技状態)では、3.0秒×1回に設定される。
【0027】
パチンコ機1は、第1特図始動口23に遊技球が入球すると、第1特図の当否判定に関する複数種の乱数値を抽出し、抽出した乱数値を第1特図の保留記憶として所定数記憶する。そして、パチンコ機1は、保留記憶された乱数値に基づいて当否判定を行い、大当りであるか又はハズレであるか判定される。この当否判定の結果に基づき、パチンコ機1は、第1特図表示装置281において第1特図の変動表示を開始し、所定時間経過後に確定表示を行う。
【0028】
同様に、パチンコ機1は、第2特図始動口24に遊技球が入球すると、第2特図の当否判定に関する複数種の乱数値を抽出し、抽出した乱数値を第2特図の保留記憶として所定数記憶する。そして、パチンコ機1は、保留記憶された第2特図の乱数値に基づいて当否判定を行い、大当り、小当り、ハズレの何れであるか判定される。この当否判定に基づき、パチンコ機1は、第2特図表示装置283において第2特図の変動表示を開始し、所定時間経過後に第2特図の確定表示を行う。
【0029】
パチンコ機1は、第1特図又は第2特図当否判定の結果が、第1特図又は第2特図の確定表示された態様に応じて大当りであれば、大当り遊技が実施される。この大当り遊技において、パチンコ機1は、大入賞口25の開閉を行う。具体的に、パチンコ機1は、大入賞口25の開放を開始してから所定時間(例えば、29秒)が経過した際、或いは、大入賞口25の開放を開始してから入球した遊技球が規定入賞数(本実施例では9個)に到達した際に、大入賞口25を閉鎖する、といった一連の動作を1ラウンドとするラウンド遊技を所定回数行う。例えば、大当り遊技は、所定の開放態様で大入賞口25を開放するラウンド遊技を10ラウンド又は15ラウンド行う構成である。
【0030】
パチンコ機1は、第2特図当否判定の結果が、第2特図の確定表示した態様に応じて小当りであれば、小当り遊技が実施される。この小当り遊技において、パチンコ機1は、大入賞口25の開閉を行う。小当り遊技では、例えば、大入賞口25を1.600秒開放する開放動作が1回実行される。
【0031】
尚、第1特図及び第2特図の変動表示及び確定表示は、遊技盤2の隅に小さく表示される。そこで、図3(a)に示すように、パチンコ機1は、遊技領域20の中央に設けた演出図柄表示装置40において第1特図及び第2特図に対応する疑似演出図柄410による疑似演出表示を行い、疑似演出表示を通して遊技者に当否判定の結果を報知する。パチンコ機1は、疑似演出表示において、3つの疑似演出図柄410の変動表示を行い、当否判定の結果が大当りであれば、3つの疑似演出図柄410を同一図柄で停止させる。また、パチンコ機1は、疑似演出表示において、図例のように2つの疑似演出図柄410を同じ図柄で停止させた状態で残り1つの疑似演出図柄410の変動表示を行うリーチ演出を行うことにより、当否判定において大当りになることの期待感を遊技者に与えることができる。
【0032】
(2.第1の実施例の装飾部材)
またパチンコ機1は、図3(b)に示すように、特定の大当り発生時において、演出図柄表示装置40の疑似演出図柄410と、機構部材からなる装飾部材5の画像50とを組み合わせることで、大当りを報知するようになす。例えば、装飾部材5は、通常、センターケース30の上縁内部の退避位置にあり、所定のタイミングで演出図柄表示装置40の略中央の進出位置に進出するようになす(矢印F1)。そして装飾部材5は、その画像50と疑似演出図柄410とで三つの画像が揃う大当りの演出を行う構成である。
【0033】
(2-1.第1の実施例の装飾部材の構成)
装飾部材5は、可視光線を透過する透光性を有する構成で、演出図柄表示装置40の発光を利用して画像50を表出する構成である。図4及び図5に示すように、装飾部材5は、第1の板状部材51と第2の板状部材52とを備える。
【0034】
第1の板状部材51は透明な合成樹脂板にて形成されている。第1の板状部材51にはその前面に所定の画像501(図例は「七」)が凹凸をなすレリーフ状に形成されている(以下、画像501をレリーフ画像という)。
【0035】
レリーフ画像501は、第1の板状部材51の一般面から前方へ浮き出るように立体的に形成されている。レリーフ画像501は、画像の輪郭が前記一般面から前方へ直角方向に凸状に突出する形状を含め、例えば文字の一辺においてはその中央が最も大きく突出するように断面略三角形をなすように形成してある。レリーフ画像501は、第1の板状部材51の一般面と同様に透明である。
【0036】
第2の板状部材52は透明な合成樹脂板にて形成されている。第2の板状部材52は第1の板状部材51とほぼ同一の外形、寸法である。第2の板状部材52にはその前面に、第1の板状部材51のレリーフ画像501と同様の画像502(図例は「七」)が平坦面への印刷により透光性を有する塗料により着色してある(以下、画像502をプリント画像という)。
【0037】
装飾部材5は、第1の板状部材51と第2の板状部材52とが前後方向に所定の間隔X(図5参照)をおいて配置してある。即ち、装飾部材5は、第1の板状部材51を遊技者側の前方に、その後方に第2の板状部材52を配し、且つ正面視(遊技者側から見て)で第1の板状部材51のレリーフ画像501と第2の板状部材52のプリント画像502とが重合して画像50を表すように配置してある(図6参照)。
【0038】
尚、装飾部材5は、図略の外枠部材により第1の板状部材51の外周部及び第2の板状部材52の外周部を一体に保持せしめ、第1の板状部材51と第2の板状部材52とを前後方向に組付けてある。また装飾部材5は、図略の前記外枠部材から上方へ延びるアーム部を設け、該アーム部を介して作動機構により、センターケース30の上縁内部の退避位置と演出図柄表示装置40の前面の略中央の進出位置とに移動可能に設けてある。例えば、装飾部材5は、作動機構としてモータにより正逆回転する歯車と、前記アーム部に設けてギヤ部とを噛合して歯車の回転によりの前記退避位置と前記進出位置とを昇降させることが望ましい。
【0039】
(2-2.第1の実施例の装飾部材の作用効果)
本実施例のパチンコ機1は、以下の構成を有するものである。即ち、可視光線を透過する透光性を有する板状部材502に、有色の塗料により所定の画像502(50)が印刷された装飾部材5を備えたパチンコ機1である。装飾部材5は、板面に画像501(50)が凹凸をなすレリーフ状に形成された第1の板状部材51と、平らな板面に画像502が有色の塗料により印刷された第2の板状部材52と、を備える。そして第1の板状部材51と第2の板状部材52とが前後方向に互いに対向するように配置せしめた装飾部材5を備える。
【0040】
本実施例によれば、第1の板状部材51のレリーフ画像501と第2の板状部材52のプリント画像502とを重ねて見せることにより画像50を立体形状(レリーフ状)以上に奥行きのあるように表すことができる。特に装飾部材5を演出図柄表示装置40の前方の進出位置へ進出せしめた状態で、演出図柄表示装置40の発光で第2の板状部材52の後方から光が入射することにより画像50を表出することができる。この場合、装飾部材5は、光が第2の板状部材52を透過することで、プリント画像502により画像が色付けされ、更に光が第1の板状部材51のレリーフ画像501により屈折拡散されるので、画像50を立体形状以上に奥行きのあるように表出することができ演出を盛り上げることができる。更に第1の板状部材51と第2の板状部材52との間に所定の間隔Xをおいたので、遊技者側の視点を移動することでより奥行きのあるように画像50を表出することができる。これによりリーチ演出からの特定の大当り発生に、装飾部材5を用いた面白味のある演出が実施でき、遊技の興趣を高めることができる。
【0041】
また本実施例の装飾部材5は、第1の板状部材51及び第2の板状部材52を備え従来よりも構成部品が増えるが、画像50の着色を平坦なプリント画像502としたのでプリントにかかる二次的な開発、加工費等を抑えことができ、且つプリント後の製品の精度を向上することができる。従って、結果的に装飾部材5はコストを低く抑えることとなり、低コストで演出を盛り上げることができる装飾部材を提供することができる。
【0042】
尚、本実施例において、第1の板状部材51のレリーフ画像501は、一般部の前面を凸状に形成するようにしたが、これに限らず、一般部の後面を凹状に形成するような構成でもよい。更にレリーフ画像501は、一般部の前面を凸状に形成する部位と一般部の後面を凹状に形成するよう部位とを組み合わせることも考えられる。
【0043】
また、本実施例において、第2の板状部材52のプリント画像502は、一般部の前面と同一面にプリントしたが、これに限らず、一般部から突出する平坦な凸面を設けて、当該凸面にプリント画像502を設けることも考えられる。またプリント画像502は必ずしも透光性を必要とするものではない。
【0044】
更に、本実施例において、装飾部材5は演出図柄表示装置40以外の光を利用する構成でもよい。この場合、第2の板状部材52の後方側に遊技の進行に応じて発光させることが可能なLEDなど装飾用の発光器を配置し、当該発光器の発光により前面側に画像50を表出することができる。例えば、装飾部材5はセンターケース30の上縁の退避位置でも発光演出を実施することができる。この場合、発光器は装飾部材5と一体に設ける構成が考えられる。これに限らず、装飾部材5はパチンコ機1の遊技盤2や前枠11に配置された遊技の進行に応じて発光させることが可能など装飾用の発光器(例えば枠側装飾ランプ113等)を光源に用いる構成も考えられる。
【0045】
〔第2実施例〕
(3.第2の実施例の装飾部材)
次に図7乃至図9を参照しつつ第2の実施例を説明する。
本実施例の装飾部材5Bは、第1の板状部材51と第2の板状部材52とを上下左右方向に相対的に移動可能に配置し、画像50をぶれるように見せたり、他の画像となるように見せたりすることで演出効果を高めるものである。尚、本実施例の基本構成は、先の第1の実施例のそれと同一で、以下、相違点を中心に説明し、図において同一部材は同一符号で示す。
【0046】
(3-1.第2の実施例の装飾部材の構成)
装飾部材5Bは、第1の板状部材51を支える図略のアーム部、当該アーム部を介して第1の板状部材51を上下左右方向に移動可能とする図略の作動機構を備える。更に装飾部材5Bは、第2の板状部材52を支える図略のアーム部、当該アーム部を介して第2の板状部材52を上下左右方向に移動可能とする図略の作動機構を備える。
【0047】
装飾部材5Bは、通常、第1の板状部材51及び第2の板状部材52のそれぞれがセンターケース30の上縁に内の退避位置に退避している。そして、特定の大当り時などに、第1の板状部材51及び第2の板状部材52は各々の作動機構により演出図柄表示装置40の前面の進出位置へ進出する。この時に、装飾部材5Bは、演出図柄表示装置40からの光が第2の板状部材52の後方から入射して第1の板状部材51の前面側に画像を表出する。
【0048】
そして、装飾部材5Bは、第1の板状部材51に対して第2の板状部材52を上下左右方向に移動させるようにして画像50の見え方を変化させるようになす。
【0049】
(3-2.第2の実施例の装飾部材の作用効果)
本実施例のパチンコ機1は、以下の構成を有するものである。即ち、可視光線を透過する透光性を有する板状部材52に印刷された有色の塗料により所定の画像502(50)を、少なくとも板状部材52の後方から入射する光により前面側へ表出するようになす装飾部材5Bを備えた遊技機1である。そして装飾部材5Bは、板面に画像501(50)が凹凸をなすレリーフ状に形成された第1の板状部材51と、平らな板面に画像502が有色の塗料により印刷された第2の板状部材52と、を備える。第1の板状部材51と第2の板状部材52とが前後方向に互いに対向するように配置せしめ、且つ第1の板状部材51と第2の板状部材52とが前後方向と直交する板面方向に沿って相対移動可能となし、第2の板状部材52の後方から入射する光により画像50を表出せしめる装飾部材5Bを備える。
【0050】
本実施例によれば、第1の実施例と同様に、第1の板状部材51のレリーフ画像501と第2の板状部材52のプリント画像502とを重ねて見せることにより画像50を立体形状(レリーフ状)以上に奥行きのあるように表すことができる。特に装飾部材5Bを演出図柄表示装置40の前方の進出位置へ進出せしめた状態で、演出図柄表示装置40の発光により第2の板状部材52の後方から光が入射することにより画像50を表出することができる。この場合、装飾部材5Bは、光が第2の板状部材52を透過することで、プリント画像502により画像が色付けされ、更に光が第1の板状部材51のレリーフ画像501により屈折拡散されるので、画像50を立体形状以上に奥行きのあるように表出することができ演出を盛り上げることができる。更に第1の板状部材51と第2の板状部材52との間に所定の間隔Xをおいたので、遊技者側の視点を移動することでより奥行きのあるように画像50を表出することができる。これによりリーチ演出からの特定の大当り発生に、装飾部材5Bを用いた面白味のある演出が実施でき、遊技の興趣を高めることができる。
【0051】
また本実施例によれば、装飾部材5Bを演出図柄表示装置40の前方の進出位置へ進出せしめた状態で、第1の板状部材51に対して第2の板状部材52を上下左右方向に振動するように小刻みに移動させることで(図7参照)、レリーフ画像501に対してプリント画像502がずれることにより画像50が振動してあたかも変動しているように見せることができる(図8参照)。これにより、装飾部材5Bによる演出は、大当りの確定表示に限らずリーチ演出に用いることができ、演出の多様化を実現することができる。
【0052】
更に本実施例によれば、図9に示すように、装飾部材5BBの画像50を例えば「夕」の文字とし、第1の板状部材51に対して第2の板状部材52を右斜め下方へずらすことにより第1の板状部材51のレリーフ画像501と第2の板状部材52のプリント画像502と「多」の文字を形成し、画像の多様化が図れる。
【0053】
更にまた本実施例の装飾部材5B、5BBは、第1の実施例と同様に、第1の板状部材51及び第2の板状部材52を備え従来よりも構成部品が増えるが、画像50の着色を平坦なプリント画像502としたのでプリントにかかる二次的な開発、加工費等を抑えことができ、且つプリント後の製品の精度を向上することができる。従って、結果的に装飾部材5はコストを低く抑えることとなり、低コストで演出を盛り上げることができる装飾部材を提供することができる。
【0054】
尚、本実施例において、第1の実施例と同様に、第1の板状部材51のレリーフ画像501は、第1の板状部材51の一般部の後面を凹状に形成するよう構成でもよい。更にレリーフ画像501は、一般部の前面を凸状に形成する部位と一般部の後面を凹状に形成するよう部位とを組み合わせることも考えられる。
【0055】
また、本実施例において、第2の板状部材52のプリント画像502は、一般部の前面と同一面にプリントしたが、これに限らず、一般部から突出する平坦な凸面を設けて、当該凸面にプリント画像502を設けることも考えられる。またプリント画像502は必ずしも透光性を必要とするものではない。
【0056】
更に、本実施例において、装飾部材5B、5BBは、第1の実施例と同様に、演出図柄表示装置40以外の光を利用する構成でもよい。この場合、第2の板状部材52の後方側に遊技の進行に応じて発光させることが可能なLEDなど装飾用の発光器を配置し、当該発光器の発光により前面側に画像50を表出することができる。例えば、装飾部材5はセンターケース30の上縁の退避位置でも発光演出を実施することができる。この場合、発光器は装飾部材5と一体に設ける構成が考えられる。これに限らず、装飾部材5はパチンコ機1の遊技盤2や前枠11に配置された遊技の進行に応じて発光させることが可能など装飾用の発光器(例えば枠側装飾ランプ113等)を光源に用いる構成も考えられる。
【0057】
〔第3実施例〕
(4.第3の実施例の装飾部材)
次に図10乃至図12を参照しつつ第3の実施例を説明する。
本実施例の装飾部材5Cは、第1の板状部材51と第2の板状部材52との間に、透光性を有する板本体に、その端部から入射する光により板本体の板面に所定の導光装飾を表出する導光板53を配置する。そして、装飾部材5Cの第2の板状部材52の後方から光を当てることにより、第2の板状部材52及び第1の板状部材51を透過する光により画像50を表出するとともに、導光板53の導光装飾531を表出せしめて画像50を強調する様に見せることで演出効果を高めるものである。尚、本実施例の基本構成は、先の第1の実施例のそれと同一で、以下、相違点を中心に説明し、図において同一部材は同一符号で示す。
【0058】
(4-1.第3の実施例の装飾部材の構成)
図10乃至図12に示すように、装飾部材5Cは、遊技者側の前方から第1の板状部材51、導光板53、及び第2の板状部材52が前後方向に所定の間隔をおいて配置してある。そして装飾部材5Cは、正面視(遊技者側から見て)で第1の板状部材51のレリーフ画像501と第2の板状部材52のプリント画像502とが重合して画像50を表出するように配置してある。
【0059】
尚、装飾部材5Cは、図略の外枠部材により第1の板状部材51の外周部、導光板53の外周部、及び第2の板状部材52の外周部を一体に保持せしめ、第1の板状部材51、導光板53、及びと第2の板状部材52とを前後方向に組付けてある。尚、導光板53は、板本体の一辺に(図例は右側端縁)に図略の発光器が一体に組み込んである。そして導光板53は発光器を発光させることにより板面に導光装飾531(図12参照)を表出する。
【0060】
また装飾部材5Cは、図略の前記外枠部材から上方へ延びるアーム部を設け、該アーム部を介して作動機構により、センターケース30の上縁内部の退避位置と演出図柄表示装置40の略中央の進出位置とに移動可能に設けてある。例えば、装飾部材5Cは、作動機構としてモータにより正逆回転する歯車と、前記アーム部に設けてギヤ部とを■合して歯車の回転によりの前記退避位置と前記進出位置とを昇降させることが望ましい。
【0061】
(4-2.第3の実施例の装飾部材の作用効果)
本実施例のパチンコ機1は、以下の構成を有するものである。即ち、可視光線を透過する透光性を有する板状部材52に印刷された有色の塗料により所定の画像502(50)を、少なくとも板状部材52の後方から入射する光により板状部材52の前面側へ表出するようになす装飾部材5Cを備えたパチンコ機1である。装飾部材5Cは、板面に画像501(50)が凹凸をなすレリーフ状に形成された第1の板状部材51と、平らな板面に画像502が有色の塗料により印刷された第2の板状部材52と、透光性を有する板本体に、その端部から入射する光により板本体の板面に所定の導光装飾531を表出する導光板53と、を備える。第1の板状部材51と第2の板状部材52とが前後方向に互いに対向するようになし、且つ第1の板状部材51と第2の板状部材52との間に導光板53を配置せしめ、第2の板状部材52の後方から入射する光により画像50を表出せしめる装飾部材5Cを備える。
【0062】
本実施例によれば、第1の実施例と同様に、第1の板状部材51のレリーフ画像501と第2の板状部材52のプリント画像502とを重ねて見せることにより画像50を立体形状以上(レリーフ状)に奥行きのあるように表すことができる。特に装飾部材5Cを演出図柄表示装置40の前方の進出位置へ進出せしめた状態で、演出図柄表示装置40の発光により第2の板状部材52の後方から光が入射することにより画像50を表出することができる。この場合、装飾部材5Cは、光が第2の板状部材52を透過することで、プリント画像502により画像が色付けされ、更に光が第1の板状部材51のレリーフ画像501により屈折拡散されるので、画像50を立体形状以上に奥行きのあるように表出することができ演出を盛り上げることができる。更に装飾部材5Cは、画像50を立体形状以上に奥行きのあるように表出した状態で、画像50を囲むように導光板53の導光装飾531を表出せしめて画像50を強調する様に見せて演出を盛り上げることができる。
【0063】
また本実施例の装飾部材5Cは、第1の実施例と同様に、第1の板状部材51、導光板53,及び第2の板状部材52を備え従来よりも構成部品が増えるが、画像50の着色を平坦なプリント画像502としたのでプリントにかかる二次的な開発、加工費等を抑えことができ、且つプリント後の製品の精度を向上することができる。従って、結果的に装飾部材5Cはコストを低く抑えることとなり、低コストで演出を盛り上げることができる装飾部材を提供することができる。
【0064】
尚、本実施例において、第1の実施例と同様に、第1の板状部材51のレリーフ画像501は、第1の板状部材51の一般部の後面を凹状に形成するよう構成でもよい。更にレリーフ画像501は、一般部の前面を凸状に形成する部位と一般部の後面を凹状に形成するよう部位とを組み合わせることも考えられる。
【0065】
また、本実施例において、第2の板状部材52のプリント画像502は、一般部の前面と同一面にプリントしたが、これに限らず、一般部から突出する平坦な凸面を設けて、当該凸面にプリント画像502を設けることも考えられる。またプリント画像502は必ずしも透光性を必要とするものではない。
【0066】
更に、本実施例において、装飾部材5Cは導光板53を第1の板状部材51及び第2の板状部材52との間に配置する構成に限るものではない。例えば、導光板53を第1の板状部材51の前側に配置してもよい。一方で、導光板53を第2の板状部材52の後側に配置することも考えられる。更にまた、装飾部材5Cは、第1の実施例と同様に、演出図柄表示装置40以外の光を利用する構成でもよい。この場合、第2の板状部材52の後方側に遊技の進行に応じて発光させることが可能なLEDなど装飾用の発光器を配置し、当該発光器の発光により前面側に画像50を表出することができる。例えば、装飾部材5はセンターケース30の上縁の退避位置でも発光演出を実施することができる。この場合、発光器は装飾部材5と一体に設ける構成が考えられる。これに限らず、装飾部材5はパチンコ機1の遊技盤2や前枠11に配置された遊技の進行に応じて発光させることが可能など装飾用の発光器(例えば枠側装飾ランプ113等)を光源に用いる構成も考えられる。
【0067】
本発明は上記の第1乃至第3の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。例えば、発射された遊技球を遊技機内部で回収し、再び発射装置により発射すると共に、ICカードなどの記憶媒体を用いて遊技者の持ち球数をデータとして管理する封入式遊技機や回胴式遊技機に適用してもよい。
【符号の説明】
【0068】
1:パチンコ機、
5、5B、5C:装飾部材
50:画像、501:レリーフ画像、502:プリント画像
51:第1の板状部材、
52:第2の板状部材、
53:導光板、531:導光装飾
40:演出図柄表示装置(装飾発光器、光源)

図1
図2
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