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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156061
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】コンタクトおよびコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/631 20060101AFI20221006BHJP
   H01R 13/11 20060101ALI20221006BHJP
   H01R 25/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
H01R13/631
H01R13/11 302A
H01R25/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059565
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクスジャパン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(72)【発明者】
【氏名】幸松 聖児
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA09
5E021FA16
5E021FC07
5E021FC25
5E021FC29
5E021HA01
(57)【要約】
【課題】ソケットをなすコンタクトおよびコネクタの構造の改良。
【解決手段】嵌合に用いられる第1ソケット201および第2ソケット202をなす板状のコンタクト2は、第1ソケット201を構成し、基準位置Aに対する一方側S1に向けて配置される第1嵌合部21と、第2ソケット202を構成し、基準位置Aに対する他方側S2に向けて配置される第2嵌合部22と、基準位置Aに配置されて第1嵌合部21および第2嵌合部22を連結する連結部23とを備える。連結部23と係合する係合ピン111に対し、基準位置Aにおいてコンタクト2の板厚方向(z方向)に沿って設定される第1軸線L1を中心とした回転方向D1、および基準位置Aにおいて一方側S1と他方側S2とを区分する第2軸線L2の方向D2への変位が許容される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
嵌合に用いられる第1ソケットおよび第2ソケットをなす板状のコンタクトであって、
前記第1ソケットを構成し、基準位置に対する一方側に向けて配置される第1嵌合部と、
前記第2ソケットを構成し、前記基準位置に対する他方側に向けて配置される第2嵌合部と、
前記基準位置に配置されて前記第1嵌合部および前記第2嵌合部を連結する連結部と、を備え、
前記連結部と係合する係合部に対し、前記基準位置において前記コンタクトの板厚方向に沿って設定される第1軸線を中心とした回転方向、および前記基準位置において前記一方側と前記他方側とを区分する第2軸線の方向へのいずれの方向への変位も許容される、コンタクト。
【請求項2】
前記連結部には、前記基準位置を含み、前記第2軸線の方向に長い長孔が形成されている、
請求項1に記載のコンタクト。
【請求項3】
前記第1嵌合部は、第1嵌合相手を挟んで保持する第1ビームペアを含む弾性体であって、前記第1嵌合相手に接触する第1接触部と、前記第1嵌合相手を前記第1接触部へと案内する第1ガイド部と、を含み、
前記第2嵌合部は、第2嵌合相手を挟んで保持する第2ビームペアを含む弾性体であって、前記第2嵌合相手に接触する第2接触部と、前記第2嵌合相手を前記第2接触部へと案内する第2ガイド部と、を含み、
前記第1ガイド部における前記第1ビームペア間の寸法は、前記第1接触部から離れるにつれて前記第2軸線の方向に拡大し、
前記第2ガイド部における前記第2ビームペア間の寸法は、前記第2接触部から離れるにつれて前記第2軸線の方向に拡大している、
請求項1または2に記載のコンタクト。
【請求項4】
前記第1ビームペアは、前記第1接触部において、互いに向けて凸状に滑らかに湾曲し、
前記第2ビームペアは、前記第2接触部において、互いに向けて凸状に滑らかに湾曲している、
請求項3に記載のコンタクト。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のコンタクトであり、単一の前記コンタクト、あるいは、複数が積層された状態で前記第1ソケットおよび前記第2ソケットをなす前記コンタクトと、
前記コンタクトを保持するハウジングと、を備え、
前記ハウジングは、
前記コンタクトを収容するキャビティと、
前記コンタクトの前記連結部に係合する前記係合部と、を備える、コネクタ。
【請求項6】
前記連結部には、前記基準位置を含み、前記第2軸線の方向に長い長孔が形成され、
前記係合部は、前記長孔に挿入されるピンに相当する、
請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記ハウジングは、
前記第1嵌合部に対応する第1嵌合相手が挿入される第1開口部と、
前記第2嵌合部に対応する第2嵌合相手が挿入される第2開口部と、を備える、
請求項5または6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記ハウジングは、
前記コンタクトに当接することで前記第1軸線の回転方向への変位を一定範囲内に規制し、前記コンタクトに当接することで前記第2軸線の方向への変位を一定範囲内に規制する規制部を備える、
請求項5から7のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記ハウジングは、
前記第1嵌合部に対応する第1嵌合相手が挿入される第1開口部と、
前記第2嵌合部に対応する第2嵌合相手が挿入される第2開口部と、を備え、
前記第1嵌合部の接点に相当する第1接触部には、前記第1嵌合相手が挿入される第1間隙が設定され、
前記第2嵌合部の接点に相当する第2接触部には、前記第2嵌合相手が挿入される第2間隙が設定され、
前記規制部により前記コンタクトの変位が規制されることで、
前記第1嵌合部の先端の可動範囲が前記第1開口部の投影範囲の外側に設定されているとともに、前記第2嵌合部の先端の可動範囲が前記第2開口部の投影範囲の外側に設定されている、
請求項8に記載のコネクタ。
【請求項10】
請求項1から4のいずれか一項に記載のコンタクトであり、複数が積層された状態で前記第1ソケットおよび前記第2ソケットをなす前記コンタクトと、
前記係合部を含み、複数の前記コンタクトの前記連結部に組み付けられて前記コンタクトを積層された状態に維持する支持体と、を備える、コンタクト組付体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソケットを備えたコンタクト、および当該コンタクトを備えた電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、両端にそれぞれ一対のばねビームが形成された同一形状の複数のコンタクトと、それらのコンタクトを保持するハウジングとを備えたコネクタを開示する。一対のばねビームは、嵌合相手を受容するソケットをなす。例えば、一端側のソケットには基板コネクタのピンコンタクトが嵌合し、他端側のソケットにはフレキシブル基板が支持部材と共に嵌合する。
特許文献1のコンタクトは、ハウジングの複数のキャビティに個別に収容されており、それぞれが一極に相当する。したがって、特許文献1は多極のコネクタを開示する。
【0003】
一方、特許文献2は、両端にそれぞれ一対のばねビームが形成された複数のコンタクトの積層体と、コンタクトの積層体を保持するハウジングとを備えたヘッダコネクタを開示する。積層された複数のコンタクトは、全体として一極に相当する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平4-011346号公報
【特許文献2】特表2019-523537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1,2に記載されたコンタクトのいずれも、ハウジングにより所定の位置に保持される。しかし、コンタクトがなすソケットと嵌合相手との相対位置のばらつきが大きいと、両者を嵌合させることが難しい。嵌合させることができるとしても、ソケットに過大な負荷が加えられることを避ける必要がある。
以上を踏まえ、本発明は、ソケットをなすコンタクトおよびコネクタの構造の改良を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコンタクトは、嵌合に用いられる第1ソケットおよび第2ソケットをなす板状のコンタクトであって、第1ソケットを構成し、基準位置に対する一方側に向けて配置される第1嵌合部と、第2ソケットを構成し、基準位置に対する他方側に向けて配置される第2嵌合部と、基準位置に配置されて第1嵌合部および第2嵌合部を連結する連結部と、を備える。
連結部と係合する係合部に対し、基準位置においてコンタクトの板厚方向に沿って設定される第1軸線を中心とした回転方向、および基準位置において一方側と他方側とを区分する第2軸線の方向のいずれの方向への変位も許容される。
【0007】
本発明のコンタクトにおいて、連結部には、基準位置を含み、第2軸線の方向に長い長孔が形成されていることが好ましい。
【0008】
本発明のコンタクトにおいて、第1嵌合部は、第1嵌合相手を挟んで保持する第1ビームペアを含む弾性体であって、第1嵌合相手に接触する第1接触部と、第1嵌合相手を第1接触部へと案内する第1ガイド部と、を含み、第2嵌合部は、第2嵌合相手を挟んで保持する第2ビームペアを含む弾性体であって、第2嵌合相手に接触する第2接触部と、第2嵌合相手を第2接触部へと案内する第2ガイド部と、を含み、第1ガイド部における第1ビームペア間の寸法は、第1接触部から離れるにつれて第2軸線の方向に拡大し、第2ガイド部における第2ビームペア間の寸法は、第2接触部から離れるにつれて第2軸線の方向に拡大していることが好ましい。
【0009】
本発明のコンタクトにおいて、第1ビームペアは、第1接触部において、互いに向けて凸状に滑らかに湾曲し、第2ビームペアは、第2接触部において、互いに向けて凸状に滑らかに湾曲していることが好ましい。
【0010】
また、本発明のコネクタは、上述のコンタクトであり、単一のコンタクト、あるいは、複数が積層された状態で第1ソケットおよび第2ソケットをなすコンタクトと、コンタクトを保持するハウジングと、を備える。
ハウジングは、コンタクトを収容するキャビティと、コンタクトの連結部に係合する係合部と、を備える。
【0011】
本発明のコネクタにおいて、連結部には、基準位置を含み、第2軸線の方向に長い長孔が形成され、係合部は、長孔に挿入されるピンに相当することが好ましい。
【0012】
本発明のコネクタにおいて、ハウジングは、第1嵌合部に対応する第1嵌合相手が挿入される第1開口部と、第2嵌合部に対応する第2嵌合相手が挿入される第2開口部と、を備えることが好ましい。
【0013】
本発明のコネクタにおいて、ハウジングは、コンタクトに当接することで第1軸線の回転方向への変位を一定範囲内に規制し、コンタクトに当接することで第2軸線の方向への変位を一定範囲内に規制する規制部を備えることが好ましい。
【0014】
本発明のコネクタにおいて、ハウジングは、第1嵌合部に対応する第1嵌合相手が挿入される第1開口部と、第2嵌合部に対応する第2嵌合相手が挿入される第2開口部と、を備え、第1嵌合部の接点に相当する第1接触部には、第1嵌合相手が挿入される第1間隙が設定され、第2嵌合部の接点に相当する第2接触部には、第2嵌合相手が挿入される第2間隙が設定され、規制部によりコンタクトの変位が規制されることで、第1嵌合部の先端の可動範囲が第1開口部の投影範囲の外側に設定されているとともに、第2嵌合部の先端の可動範囲が第2開口部の投影範囲の外側に設定されていることが好ましい。
【0015】
そして、本発明のコンタクト組付体は、上述のコンタクトであり、複数が積層された状態で第1ソケットおよび第2ソケットをなすコンタクトと、係合部を含み、複数のコンタクトの連結部に組み付けられてコンタクトを積層された状態に維持する支持体と、を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、第1軸線の軸回りの回転方向および第2軸線の方向(スライド方向)への係合部に対するコンタクトの変位が可能であることにより、コンタクトや嵌合相手等の寸法形状や組立の公差を吸収することができる。そのため、コンタクトや嵌合相手に過大な応力が加えられることを避けながら、第1嵌合部および第2嵌合部にそれぞれ嵌合相手を安定して接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】(a)は、本発明の実施形態に係るコネクタの斜視図であり、ハウジングの本体から蓋が取り外された状態を示している。(b)は、(a)のIb矢視側面図である。
図2図4(c)のIa-Ia線によるコネクタの断面図である。
図3図2と同じ断面図であり、位置、方向、および変位量が示されている。
図4】(a)は、コネクタの全体の斜視図である。(b)は、(a)のIVb矢視側面図である。(c)は、(a)のIVc矢視側面図である。
図5】(a)は、コンタクトのビームの先端の可動範囲とハウジングの開口部の投影範囲とを示す図である。(b)は、コンタクトのソケットに嵌合相手が挿入される過程の一例を説明するための図である。
図6】コンタクトの両側のソケットにそれぞれ嵌合相手が挿入された状態を示す平面図である。
図7】(a)は、コンタクトの積層体の平面図である。(b)は、コンタクトの積層体の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
図1図4に示すように、コネクタ1は、積層されている板状の複数のコンタクト2(図2)と、積層されているコンタクト2を保持するハウジング10とを備えている。コネクタ1は、例えば、車両等に搭載される電力搬送回路に用いることができる。
【0019】
本実施形態のコネクタ1に備わるコンタクト2は、積層された状態で、例えば、バスバー、回路基板、ピン状やタブ状のコンタクト等の適宜な嵌合相手3-1,3-2との嵌合に用いられる。嵌合相手3-1,3-2は、装置筐体等の適宜な支持部材に設けられている。コンタクト2は、積層された状態の全体として、第1ソケット201と第2ソケット202とをなしている。第1ソケット201は第1嵌合相手3-1を受容する。第2ソケット202は第2嵌合相手3-2を受容する。
【0020】
まず、ハウジング10の構成の一例を説明する。
ハウジング10は、ハウジング本体11と、ハウジング本体11に組み付けられる蓋12(図4(a)および(b))とを備えている。ハウジング本体11および蓋12はそれぞれ、絶縁性樹脂材料を用いる射出成形により形成される。ハウジング10は、全体として直方体状に形成されている。
【0021】
ハウジング本体11は、コンタクト2が積層されてなる積層体20をそれぞれ収容する2つのキャビティ110と、各キャビティ110に配置されて積層体20のコンタクト2に係合する係合ピン111とを備えている。なお、ハウジング本体11は、積層体20が収容される単一のキャビティ110を備えるものであってもよい。
ハウジング本体11は、矩形状の下壁112と、下壁112の四辺からそれぞれ立ち上がる側壁113~116とから箱状に形成されている。側壁113,115は、下壁112の長辺に対応している。側壁114,116は、下壁112の短辺に対応している。
【0022】
ハウジング本体11の内側は、側壁113,115に対して平行に設定されている区分壁117によって2つのキャビティ110に区分されている。
各キャビティ110には、積層体20の全体を収容するために必要な長さと、幅と、高さとが与えられている。キャビティ110の長さ、幅、および高さのそれぞれの方向をx,y,zで表すものとする。2つのキャビティ110は、y方向に並んでいる。
【0023】
各キャビティ110において、コンタクト2はz方向に積層されている。下壁112に対して垂直にz方向に起立した係合ピン111は、コンタクト2を板厚方向に貫通している。
【0024】
後述するように、係合ピン111に対し、コンタクト2の変位が許容されている。ハウジング本体11は、コンタクト2に当接することでコンタクト2の回転方向D1への変位を一定範囲内に規制し、コンタクト2に当接することでコンタクト2のスライド方向D2への変位を規制する規制部に相当する。本実施形態のハウジング本体11は、複数の規制要素としての側壁113,115、区分壁117、および規制要素118を含んでいる。 側壁113,115および区分壁117は、コンタクト2の変位を規制する第1の規制要素に相当する。x方向におけるキャビティ110の中央部の付近には、x方向に対して平行であって、下壁112に対してz方向に起立している一対の第2の規制要素としての規制要素118(図3)が形成されている。規制要素118は、y方向におけるコンタクト2の両側に配置されている。
【0025】
蓋12は、矩形状に形成され、ハウジング本体11の開口119を覆うカバー部121と、複数のロック部122とを備えている。複数のロック部122は、ハウジング本体11の側壁113,115に設けられているロック用の複数の突起11Aに対応している。各突起11Aは、ロック部122をz方向にガイドするリブ11Bの間に配置されている。
各ロック部122を撓ませて先端部122Aを突起11Aに係止させると、蓋12がハウジング本体11に組み付けられる。そうすると、下壁112に対して平行に配置されるカバー部121に係合ピン111の先端部が係合するので(図4(b)参照)、係合ピン111により、コンタクト2の積層状態が維持される。
【0026】
x方向に対して直交している側壁114には、2つの積層体20のそれぞれの第1ソケット201に対応する2つの第1開口部101がy方向に並んで形成されている。同じくx方向に対して直交している側壁116には、2つの積層体20のそれぞれの第2ソケット202に対応する2つの第2開口部102がy方向に並んで形成されている。
第1開口部101は、側壁114の高さの全体に亘り一定の幅で形成されている。側壁116に形成される第2開口部102も同様である。
【0027】
ハウジング本体11の外側から、第1嵌合相手3-1が第1開口部101を介して第1ソケット201に挿入され、第2嵌合相手3-2が第2開口部102を介して第2ソケット202に挿入される。
【0028】
第1開口部101は、側壁114をx方向に貫通している。第1開口部101には、第1嵌合相手3-1をキャビティ110へ案内するガイド面101Aが形成されている。ガイド面101Aは、第1開口部101のキャビティ110側の幅に対し、側壁114の外表面に向けて幅が次第に拡大するように形成されている。
側壁116をx方向に貫通する第2開口部102にも、同様のガイド面102Aが形成されている。
【0029】
次に、コンタクト2は、図2および図3に示すように、第1ソケット201を構成する第1嵌合部21と、第2ソケット202を構成する第2嵌合部22と、コンタクト2の基準位置Aに配置され、第1嵌合部21および第2嵌合部22を連結する連結部23とを備えている。例えば、基準位置Aは、上述の係合ピン111の軸心に相当する。本実施形態において、基準位置Aは、ハウジング10の平面視におけるキャビティ110の中心に位置していることが好ましい。連結部23は、係合ピン111と係合している。
【0030】
コンタクト2は、アルミニウム合金や銅合金等の金属材料からなる板材の打ち抜き加工により一体に形成されている。積層体20は、同一形状のコンタクト2が平滑な表面を重ね合わせた状態に積層されてなる。
【0031】
基準位置Aには、コンタクト2の板厚方向(積層方向)であるz方向に対して平行な第1軸線L1(図1(b))が設定されている。また、基準位置Aにおいて、第1ソケット201が指向する一方側(第1の側S1)と、第2ソケット202が指向する他方側(第2の側S2)とを区分する第2軸線L2が設定されている(図3)。
第1嵌合部21は、基準位置Aに対する第1の側S1に向けて配置されている。第2嵌合部22は、基準位置Aに対する第2の側S2に向けて配置されている。
【0032】
連結部23には、基準位置Aを含み、第2軸線L2の方向に長い長孔230が形成されている。長孔230は、略矩形状に形成されている連結部23の中心に位置している。長孔230には、円形の横断面を呈する係合ピン111が挿入される。係合ピン111の径は、積層されているコンタクト2の長孔230の内側を係合ピン111が貫通している範囲に亘り一定である。
第2軸線L2の方向における長孔230の端部230Aは円弧状に形成されているが、その限りではない。長孔230が、例えば、全体として矩形状に形成されていてもよい。
【0033】
長孔230の長さに対して係合ピン111の径は短く、かつ、第2軸線L2に対して直交する方向における長孔230の幅の寸法と係合ピン111の径とは同等である。長孔230の内周縁であって第2軸線L2に対して平行な部分と、係合ピン111の外周部との間にはクリアランスが設定されている。
【0034】
仮に、係合ピン111が通されるコンタクト2の孔が円形の孔であり、かつ、規制要素118の間に隙間なく連結部23が配置されているとするならば、コンタクト2とハウジング10とは剛結合の状態に一体化されている。その場合、コンタクト2は、ハウジング10と、ハウジング10の開口部101,102を通じてキャビティ110に挿入される嵌合相手3-1,3-2に対して位置自由度を持たない。
【0035】
本実施形態においては、長孔230と係合ピン111との係合、およびキャビティ110におけるコンタクト2の可動スペースの存在により、コンタクト2に位置自由度が与えられている。キャビティ110には、連結部23や、第1嵌合部21および第2嵌合部22のそれぞれの可動域(可動範囲)が含まれている。
【0036】
コンタクト2の位置自由度に基づいて、本実施形態は、コンタクト2、ハウジング10、および嵌合相手3-1,3-2等のそれぞれの寸法形状や組立の公差をコンタクト2の変位により吸収する。
コンタクト2は、係合ピン111によりハウジング本体11に保持されつつも、係合ピン111にガイドされながら第2軸線L2の方向D2(スライド方向D2)へのスライド変位が許容されている。加えて、第1軸線L1を中心とした回転方向D1へのコンタクト2の回転変位も許容されている。
【0037】
図2に「N」で示すコンタクト2は、xy面上における設計上の正規の位置(設計位置)に配置されている。設計位置に配置されているコンタクト2の第1嵌合部21に対して、設計上は、xy面において第2軸線L2と直交する第3軸線L3の方向から第1嵌合相手3-1が挿抜される。
設計位置に配置されているコンタクト2の第2嵌合部22に対しても同様に、設計上は、第4軸線L4の方向から第2嵌合相手3-2が挿抜される。
本実施形態において、第3軸線L3の位置が0°であるとすると、第4軸線L4は180°の位置にある。
【0038】
コンタクト2が設計位置にあるとき、第3軸線L3および第4軸線L4のいずれも、ハウジング10に設定されているx方向に一致していることが好ましい。このとき第2軸線L2はy方向に一致している。
【0039】
図2および図3には、一例として、積層体20のコンタクト2のいずれも、回転方向D1(x回転方向)における同一位相にあり、かつ、スライド方向D2における同一位置にある状態が示されている。この状態に限らず、積層体20のコンタクト2はそれぞれ、回転方向D1における任意の位相、スライド方向D2における任意の位置への変位が可能である。特に、コンタクト2が嵌合相手3-1,3-2と嵌合していない無負荷の状態のとき、各コンタクト2の回転方向D1およびスライド方向D2における位置は、典型的にはばらついている。
【0040】
コンタクト2のより詳細な構成を説明する。
第1嵌合部21は、第1嵌合相手3-1を挟んで保持するビームペアB1を含む弾性体(バネ)に相当する。
ビームペアB1に設定されている区間または部位として、第1嵌合部21は、第1嵌合相手3-1を受容する受容部21Aと、第1嵌合相手3-1に接触する接点に相当する接触部21Bと、第1嵌合相手3-1を接触部21Bへと案内するガイド部21Cとを含んでいる。
【0041】
ビームペアB1は、連結部23に連なる受容部21Aの区間において、スライド方向D2における連結部23の両側の位置から、ビームペアB1間の寸法を狭めながら接触部21Bまで延びている。
無負荷の状態において、接触部21Bには、第1嵌合相手3-1が挿入される間隙G1が設定されていることが好ましい。ガイド部21CにおけるビームペアB1間の寸法は、接触部21Bから離れるにつれて、間隙G1に対してスライド方向D2に次第に拡大している。
【0042】
ビームペアB1は、全体の形状としては、接触部21Bの位置で、互いに向けて(内向きに)凸状に屈曲している。但し、接触部21Bは内側に向けて尖ってはおらず、2つのビームペアB1は、接触部21Bにおいて、互いに向けて凸状に滑らかに湾曲している。
【0043】
第1嵌合部21は、第1接触部21Bの間隙G1を押し広げながら受容部21Aに挿入される第1嵌合相手3-1を弾性力により挟んで保持する。第1嵌合相手3-1を十分に保持するために必要な剛性を接触部21Bに与えるため、接触部21Bは、ビームペアB1の他の部位と比べて、第1嵌合相手3-1を挟む方向に厚く形成されている。
積層体20のコンタクト2のそれぞれの接触部21Bのいずれにも第1嵌合相手3-1が接触して導通することにより、積層枚数分の接点がもたらされる。そのため、コネクタ1が電力回路に組み込まれると、多数の接点に基づいて電流搬送容量の増大に寄与することができる。
【0044】
キャビティ110におけるコンタクト2の変位が許容されている条件において、接触部21Bには、コネクタ1が組み込まれる装置の使用時の振動や衝撃等により作用する荷重よりも大きい接触荷重が確保されている。そのため、使用時においてコンタクト2の接触部21Bと嵌合相手3-1との位置がずれることなく、嵌合状態が維持される。
【0045】
ガイド部21Cは、嵌合相手3-1を接触部21Bに向けて案内する。ビームペアB1の先端21Dに向けて拡がったガイド部21Cにより、嵌合相手3-1を接触部21Bの間隙G1に向けて案内することができる。
ビームペアB1の先端21D間のスライド方向D2への距離が大きいほど、ビームペアB1間に嵌合相手3-1を捕捉し易い。
本実施形態のガイド部21Cは、先端21DにおけるビームペアB1間の距離dが、連結部23の幅(スライド方向D2の寸法)を超えるほど、スライド方向D2の広い範囲に亘り配置されている。このガイド部21Cが、コンタクト2の変位により側壁113,115や区分壁117に当接すると、それ以上のコンタクト2の変位が規制される。
【0046】
第1嵌合部21と同様、第2嵌合部22も、第2嵌合相手3-2を挟んで保持するビームペアB2を含む弾性体に相当する。
本実施形態において、第1嵌合部21と第2嵌合部22とは、基準位置Aに対して点対称に形成され、かつ、第2軸線L2に対して線対称に形成されている。そのため、第2嵌合部22の受容部22A、接触部22B、およびガイド部22Cはそれぞれ、第1嵌合部21の受容部21A、接触部21B、およびガイド部21Cと同様に構成されている。接触部22Bにも、第2嵌合相手3-2が挿入される間隙G2が設定されている。
【0047】
本実施形態によると、バネの一部であるガイド部21Cによりスライド方向D2の広い範囲に亘り嵌合相手3-1,3-2を捕捉可能としつつ、ハウジング10に保持されているコンタクト2が変位可能であることに基づいて、公差を十分に吸収し、コンタクト2や嵌合相手3-1,3-2に過大な応力が加えられることを避けることができる。
【0048】
コンタクト2には、公差吸収に必要な限度で変位量を与えるとよい。コンタクト2が公差を大幅に超える変位量で変位することで、ビームペアB1の先端21DやビームペアB2の先端22Dが嵌合相手3-1,3-2に干渉してしまわないように、コンタクト2の変位量を公差吸収に足りる一定範囲内に規制することが好ましい。
【0049】
スライド方向D2へのコンタクト2の変位量は、係合ピン111に対する長孔230のスライド方向D2への可動域に制限される。あるいは、y方向に対向する規制要素118の間における連結部23の可動域に制限される。
連結部23の可動域(α,α)は、長孔230の可動域(β,β)よりも小さいため、本実施形態は後者に該当するが、これは一例である。本実施形態では、図6の紙面における上側に示されたコンタクト2の如く、係合ピン111と長孔230の端部230Aとの当接に先立ち、連結部23が規制要素118に当接するので、それ以上にコンタクト2が変位することが規制される。
【0050】
回転方向D1へのコンタクト2の変位量は、第1の規制要素として機能する長辺側の側壁113(または側壁115)と区分壁117との間における嵌合部21,22の可動域に制限される。
例えば、図2に示す「N」の如く、コンタクト2が設計位置にある状態から、側壁115と区分壁117との間に示されている状態にコンタクト2が回転変位することで、第1嵌合部21が区分壁117に当接し、第2嵌合部22が側壁115に当接するならば、コンタクト2はそれ以上回転方向D1には変位しない。このとき、コンタクト2のスライド方向D2への変位も規制されている。設計位置(N)にあるコンタクト2を基準とすると、係合ピン111を中心とするコンタクト2の回転変位量は、設計位置(N)を基準として回転方向D1の両側へ一定の角度範囲θ内に規制される。
【0051】
なお、係合ピン111に対するコンタクト2のスライド方向D2の位置によっては、区分壁117と側壁115との間に配置されているコンタクト2の第1嵌合部21および第2嵌合部22のいずれか一方(例えば第1嵌合部21)のみが規制壁(例えば区分壁117)に当接することで、コンタクト2の回転変位が規制される。このとき第1嵌合部21および第2嵌合部22の他方(例えば第2嵌合部22)は規制壁に当接していないので、スライド方向D2の一方側(例えば図2の紙面における下側)へのコンタクト2の変位は許容される。
【0052】
変位可能なコンタクト2に対してハウジング本体11が当接することでコンタクト2の変位が規制されるとき、ハウジング本体11およびコンタクト2のそれぞれに採用され得る種々の具体的形状に応じて、ハウジング本体11とコンタクト2とにおいて互いに当接する部位が変わり、また、両者の当接により規制されるコンタクト2の変位の向きも変わる。本実施形態によれば、コンタクト2のガイド部21C,22Cに当接可能な側壁113,115および区分壁117と、コンタクト2の連結部23に当接可能な規制要素118との全体として、コンタクト2の回転方向D1およびスライド方向D2への変位が規制される。
ハウジング本体11およびコンタクト2のそれぞれの形状によっては、規制要素118と連結部23との当接によりコンタクト2の回転方向D1への変位が規制されていてもよい。
【0053】
ハウジング本体11の側壁113,115、区分壁117、および規制要素118により回転方向D1およびスライド方向D2へのコンタクト2の変位量が制限されることにより、例えば図5(a)に示すように、係合ピン111に対する回転方向D1およびスライド方向D2へのビームペアB1の先端21D側の可動域2Mの全体(γ,γ)が、ハウジング10の第1開口部101のx方向への投影範囲P1の外側に設定されていることが好ましい。
【0054】
図示を省略する第2嵌合部22のビームペアB2の可動域および第2開口部102の投影範囲は、図5(a)とは左右対称である。上記同様に、ビームペアB2の先端22D側の可動域全体が、第2開口部102をキャビティ110へとx方向へ投影したときの投影範囲の外側に設定されていることが好ましい。
【0055】
図5(a)は、第1嵌合部21の一方のビームペアB1の先端21Dが、側壁113の位置まで、紙面の上側へ最大限に変位した状態を示している。このとき他方のビームペアB1の先端21Dは、第1開口部101に最も近接するものの、投影範囲P1の外側に位置している。そのため、第1開口部101を通じて第1嵌合相手3-1をビームペアB1間に受け入れ、第1嵌合部21と嵌合させることに支障がない。
【0056】
例えば図5(b)に示すように、第1嵌合相手3-1は、ビームペアB1に干渉されることなく第1開口部101へと挿入される。そして、第1嵌合相手3-1は、ガイド部21Cを押してコンタクト2の回転変位およびスライド変位の少なくとも一方によりガイド部21Cを紙面の下方へと変位させつつ、間隙G1を押し広げて受容部21Aへと至る。このように挿入過程でコンタクト2の変位が許容されることで、コンタクト2および嵌合相手3-1に加えられる応力を抑えて嵌合部21に嵌合相手3-1を挿入させることができる。
嵌合相手3-1は、コンタクト2に対して種々の姿勢を取り得るので、種々の方向から嵌合部21に挿入され得る。種々の方向から嵌合相手3-1を間隙G1に受け入れ、接触部21Bと嵌合相手3-1とを適切に接触させることができるように、接触部21Bには滑らかに湾曲させた形状が与えられている。第2嵌合部22の接触部22Bも同様である。
【0057】
本実施形態によれば、係合ピン111と長孔230との係合により、回転方向D1およびスライド方向D2へとコンタクト2を嵌合相手3-1,3-2に追従して変位させることが可能となる。そのため、部材の寸法形状や部材間の組み付け公差を吸収し、コンタクト2や嵌合相手3-1,3-2に過大な応力が加えられることを避けながら、例えば図6に示すように、第1嵌合部21がなすソケット201と、第2嵌合部22がなすソケット202とにそれぞれ、嵌合相手3-1,3-2を嵌合させることができる。
【0058】
嵌合相手3は、必ずしもx方向に対して平行に配置されるとは限らず、二点鎖線で示すようにx方向に対して傾斜している場合もある。そうした場合であっても、回転方向D1およびスライド方向D2の合成方向へのコンタクト2の変位が可能であることによって、第1嵌合部21および第2嵌合部22にそれぞれ嵌合相手3-1,3-2をスムーズに挿入することができる。
【0059】
仮に、コンタクト2が設計位置から変位しないとすれば、ガイド部21CによりビームペアB1間に捕捉し、接触部21Bに向けて案内した嵌合相手3-1を接触部21Bおよび受容部21Aにスムーズに受け入れることができずに、過大な応力が加えられる場合がある。
コンタクト2の変位が可能であるとしても、回転方向D1にしか変位しないとすれば、特にx方向に沿って配置される嵌合相手3-1をスムーズに受け入れることができずに、過大な応力が加えられる場合がある。
【0060】
本実施形態によれば、図6の紙面の下側に示すコンタクト2に嵌合する嵌合相手3-1,3-2のように、嵌合相手3-1,3-2がy方向にシフトしているような場合でも、コンタクト2の回転変位およびスライド変位により、コンタクト2や嵌合相手3-1,3-2に過大な応力が加えられることを避けながら、第1嵌合部21および第2嵌合部22にそれぞれ嵌合相手3-1,3-2を安定して接続することができる。
【0061】
積層体20のコンタクト2は、例えば図7(a)に示すように回転方向D1に扇状に拡がったり、図示を省略するが、スライド方向D2に拡がったりする変位が可能であり、こうした変位挙動によっても公差を吸収可能である。例えば、嵌合相手3-1が、積層方向(z方向)に対して傾斜した状態でソケット201に挿入される場合を考える。その場合は、嵌合相手3-1に倣い、各コンタクト2の第1嵌合部21を例えば図7(a)に示すように変位させながら、ソケット201に嵌合相手3-1を挿入することができる。
【0062】
さらに、図7(b)に示すように、積層されているコンタクト2のそれぞれの嵌合部21,22が、積層方向(z方向)に沿った方向に先端21D,22D側が開くように撓んで変位することによっても、積層体20の全体として嵌合相手3-1,3-2に追従させて公差を吸収することができる。
嵌合部21,22は、z方向、回転方向D1、およびスライド方向D2のいずれへも三次元的に変位・変形することができる。
【0063】
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。 ハウジング10に収容されるコンタクト2は、積層されていなくてもよい。ハウジング10に単一のコンタクト2のみが収容されている場合であっても、上記実施形態と略同様の作用効果を得ることができる。ハウジング10に単一のコンタクト2のみが収容される場合には、コンタクト2に第2軸線L2の方向への自由度を与えるため、例えば図3に「N」で示す状態にコンタクト2が配置されているときの第2軸線L2に対して平行に延びる長孔をハウジング10に形成し、当該長孔に挿入される係合部をコンタクト2に突設することが可能である。
【0064】
上記実施形態では、コンタクト2が積層され、一つの積層体20は全体として1極をなしている。これに限らず、多極のコネクタにコンタクト2を適用することも可能である。その場合は、コネクタハウジングの複数のキャビティにそれぞれ、単一あるいは積層された複数のコンタクト2が収容される。こうした多極構成の場合は、複数のコンタクト2の連結部23にそれぞれ形成した係合ピンをコネクタハウジングの長孔に通してもよいし、上記実施形態と同様に、各コンタクト2の連結部23に形成されている長孔230に、複数のコンタクト2に共通の係合ピン111を通してもよい。
【0065】
第1嵌合部21と第2嵌合部22とは、必ずしも180°で逆向きに配置されている必要はない。第1嵌合部21に設定される第3軸線L3と、第2嵌合部22に設定される第4軸線L4とが、例えば160°をなしている場合も許容される。
また、コンタクト2は、第1嵌合部21および第2嵌合部22の他に、第3の嵌合部を備えていてもよい。
【0066】
単一のコンタクト2、あるいは積層されているコンタクト2は、必ずしもハウジング10に組み込まれて使用されるばかりでなく、適宜な支持体に組み付けられた状態で使用されてもよい。当該支持体は、例えば、図1に示すハウジング本体11であってもよい。あるいは、当該支持体は、係合ピン111およびその付近の部分のみを含むものであってもよい。そうした支持体は、例えば係合ピン111を含んでおり、積層されているコンタクト2の連結部23に組み付けられて、コンタクト2を積層された状態に維持する。
上記支持体およびコンタクト2の積層体20は、コンタクト組付体として提供することができる。支持体がハウジング本体11を含んでいない場合、第1嵌合部21および第2嵌合部22には、開口部101,102を介さずに、対応する嵌合相手3-1,3-2を直接挿入することができる。
【符号の説明】
【0067】
1 コネクタ
2 コンタクト
2M 可動域(可動範囲)
3-1 第1嵌合相手(嵌合相手)
3-2 第2嵌合相手(嵌合相手)
10 ハウジング
11 ハウジング本体(規制部)
11A 突起
11B リブ
12 蓋
20 積層体
21 第1嵌合部
21A 受容部
21B 接触部(第1接触部)
21C ガイド部(第1ガイド部)
21D 先端
22 第2嵌合部
22A 受容部
22B 接触部(第2接触部)
22C ガイド部(第2接触部)
22D 先端
23 連結部
101 第1開口部
101A ガイド面
102 第2開口部
102A ガイド面
110 キャビティ
111 係合ピン(係合部)
112 下壁
113,115 側壁
114,116 側壁
117 区分壁
118 規制要素
119 開口
121 カバー部
122 ロック部
122A 先端部
201 第1ソケット
202 第2ソケット
230 長孔
230A 端部
A 基準位置
B1 ビームペア(第1ビームペア)
B2 ビームペア(第2ビームペア)
d 距離
D1 回転方向(第1軸線の回転方向)
D2 スライド方向(第2軸線の方向)
G1 間隙(第1間隙)
G2 間隙(第2間隙)
L1 第1軸線
L2 第2軸線
L3 第3軸線
L4 第4軸線
P1 第1投影範囲
S1 第1の側(基準位置に対する一方側)
S2 第2の側(基準位置に対する他方側)
θ 角度範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7