(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156112
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】パネルの固定部材、パーテーション、及びパーテーションの固定構造
(51)【国際特許分類】
A47B 13/00 20060101AFI20221006BHJP
A47B 96/04 20060101ALI20221006BHJP
A47B 17/00 20060101ALI20221006BHJP
A47G 5/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
A47B13/00 Z
A47B96/04 Z
A47B17/00 Z
A47G5/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059643
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100088856
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 佳之夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(72)【発明者】
【氏名】千田 勝紀
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 修
(72)【発明者】
【氏名】野口 卓朗
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NP00
3B053NQ08
3B053NQ09
3B053NQ10
3B053SE10
(57)【要約】
【課題】テーブルにパネルを固定する固定部材及びパーテーションであって、様々な形状のテーブルに対応可能であって、衛生的な状態を確保できるものを提供する。
【解決手段】パネル6をテーブル7に固定する固定部材2は、テーブル7に取り付けられる取付部3と、パネル6を保持する保持部4とを有し、保持部4は、取付部3に対して自在な角度で連結される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルをテーブルに固定する固定部材であって、
前記テーブルに取り付けられる取付部と、
前記パネルを保持する保持部と、を有し、
前記保持部は、前記取付部に対して自在な角度で連結される、
パネルの固定部材。
【請求項2】
前記保持部は、前記取付部に回動可能に連結されている、
請求項1記載のパネルの固定部材。
【請求項3】
パネルと、
テーブルに取り付けられる取付部と、当該取付部に連結され、前記パネルを保持する保持部とを有する固定部材と、から構成される、
パーテーション。
【請求項4】
テーブルに取り付けられる取付部、パネルを保持する保持部、及び当該パネルから構成されたパーテーションの固定構造であって、
複数の前記取付部が、テーブルの天板の縁に正対して取り付けられ、
前記テーブルに取り付けられた複数の前記取付部それぞれに対し、前記保持部が、前記パネルの向きに応じた所定の角度で連結され、
前記パネルが前記保持部に保持されている、
パーテーションの固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルの固定部材、パーテーション、及びパーテーションの固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、感染予防対策として、会議や食事の際に隣席との間をパーテーションで仕切ることが多くなっている。
例えば、特許文献1では、長手方向の両端面および上面に開口するレール溝を有するベース体と、下部が前記レール溝に収容されることで両面が鉛直方向を向くように設置され、前記レール溝に沿ってスライド可能なパネル体とを備えるデスクパーティションが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この点、テーブルの形状を問わずにしっかりと取り付けることができるパーテーションが求められている。
【0005】
そこで本発明は、テーブルにパネルを固定する固定部材及びパーテーションであって、様々な形状のテーブルに対応可能であって、衛生的な状態を確保できるものを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る固定部材は、パネルをテーブルに固定する固定部材であって、前記テーブルに取り付けられる取付部と、前記パネルを保持する保持部と、を有し、前記保持部は、前記取付部に対して自在な角度で連結される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係るパーテーション及び固定部材の一の取付例を示す図であって、(a)上方からみた外観斜視図を、(b)下方からみた外観斜視図、である。
【
図2】本発明の実施形態に係るパーテーションにおいて、固定部材によってテーブルに固定されている部分を拡大した部分拡大図であって、(a)上方からみた外観を、(b)下方からみた外観、を示す。
【
図3】本発明の実施形態に係る固定部材を示す図であって、(a)正面図、(b)背面図、(c)平面図、(d)底面図、(e)左側面図、(f)右側面図、(g)正面・左上からみた斜視図、(h)正面・右上からみた斜視図、(i)正面・左下からみた斜視図、(j)正面・右下からみた斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る固定部材を示す分解斜視図であって、(a)固定部材全体(b)第一挟持体に滑り止め部材が取り付けられる位置、を示す。
【
図5】本発明の実施形態に係る固定部材とパネルの取付構造を示す分解斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るパーテーションの他の取付例を示す外観斜視図である。
【
図7】本発明の他の実施形態に係るパーテーション及び固定部材の一の取付例を示す外観斜視図である。
【
図8】本発明の他の実施形態に係る固定部材を示す外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
●概要
以下、図を参照して、本発明の実施形態に係るパーテーション1及び固定部材2について説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係るパーテーション1は、固定部材2によってテーブル7の天板71の縁に取り付けられ、パネル6によって隣接する他のテーブル7等との間を仕切る。
【0009】
このパーテーション1は、
図1の例ではテーブル7の一端側にのみ取り付けられているが、これにかかわらず、対向する他端側にもパーテーション1を取り付け、テーブル7が左右両側から挟まれるように取り付けることもできる。また、パーテーション1をテーブル7の三方に取り付け、テーブル7が三方から囲われるようにすることもできる。
【0010】
また、パーテーション1は、後述する構成により、様々な形状のテーブル7に取り付けることができる。この点、
図1は、円形の天板71を備えたテーブル7(所謂、ラウンドテーブル又は丸テーブル)にパーテーション1を取り付けた例を示しているが、これ以外にも、天板71の形状が矩形、楕円、多角形、半円、三日月状など、様々な形状のものにも取り付けることができる。
また、テーブル7に限らず、カウンターなどに取り付けることもできる。
【0011】
本実施形態に係るパーテーション1は、
図1及び
図2に示されるように、パネル6と当該パネル6をテーブル7に固定する固定部材2によって構成され、テーブル7の天板71の縁に取り付けられる。
さらに、固定部材2は、テーブル7に取り付けられる取付部3と、取付部3に連結され、パネル6を保持する保持部4とを有する。
なお、
図3は、固定部材2の全体形状をあらわしている。
【0012】
●取付部3
取付部3は、テーブル7に取り付けられる部分であって、
図2及び
図4に示されるように、二つ一組で用いられるC字状の第一挟持体31と第二挟持体32、締付ネジ33、及び一対の滑り止め部材34によって構成される。
【0013】
第一挟持体31は、テーブル7の天板71の厚み方向に長さを有する矩形状の基体311、基体311の上下端それぞれから直角に折曲して延び出した挟持片312と基底片313によって構成される。
【0014】
挟持片312と基底片313は、基体311の上端と下端それぞれから、同一方向に且つ互いに対して平行に延び出している。
挟持片312の上面には、内周面にネジが切られたネジ穴312aが設けられている。このネジ穴312aには、保持部4を挟持片312の上面側に連結させる連結ネジ53が螺合する。また挟持片312の下面は、滑り止め部材34-1を介装させて、天板71の天面に押し当てられる。
基底片313には、内周面にネジが切られた貫通孔313aが設けられており、この貫通孔313aには締付ネジ33が螺入する。
この挟持片312上には、後述する保持体41の基底片412が当接するところ、当該挟持片312の上面が平滑であることから、基底片412は当該挟持片312上でスムーズに回動する。これにより、取付部3に連結する保持部4の角度を自在に調整できる。
【0015】
なお、滑り止め部材34-1は例えば、ゴムやシリコン等からなる肉薄のシートあるいは板状物によって構成されるが、特にこれらのものに限られず、テーブル7の天板71と挟持片312との間の摩擦を高め、テーブル7に取り付けられた固定部材2がずれるのを防ぐことができればよい。また、滑り止め部材34-1は、挟持片312とテーブル7の天板71との間の緩衝材ともなり、天板71を傷つけることを防ぐこともできる。なお、後述する滑り止め部材34-2も同様に構成される。
【0016】
第二挟持体32は、第一挟持体31と同様の形状からなり、基体321、基体321の上下端それぞれから直角に折曲して延び出した挟持片322と基底片323によって構成される。
【0017】
挟持片322と基底片323は、基体321の上端と下端それぞれから、同一方向に且つ互いに対して平行に延び出している。
挟持片322の上面は、滑り止め部材34-2を介装させて、天板71の底面に押し当てられる。
基底片323には、内周面にネジが切られた貫通孔323aが設けられており、この貫通孔323aには締付ネジ33が螺入する。
【0018】
締付ネジ33は、第一挟持体31の貫通孔313aと第二挟持体32の貫通孔323aに螺入する。
この締付ネジ33は、ネジが切られたネジ軸331と、ネジ軸331の一端側に設けられたネジ頭332によって構成されており、ネジ頭332は、締付ネジ33を貫通孔313aと貫通孔323aに螺入させる際、施工者が把持する把持部を構成する。そのため、ネジ頭332は、施工者が把持するのに適した厚みと大きさを備えるのが好ましく、また外周面には締付時の滑りを防ぐための波状の凹凸が形成されているとよい。
【0019】
第一挟持体31と第二挟持体32は、それぞれの挟持片312と挟持片322が向き合うと共に、挟持片322が挟持片312と基底片313の間に位置するように組み合わせて用いられる。このように組み合わせて用いられるとき、挟持片312と挟持片322の間は、
図2に示されるように、テーブル7の天板71を挟持する挟持部3aを構成する。
【0020】
また、第一挟持体31と第二挟持体32は、下方から貫通孔313aと貫通孔323aに螺入する締付ネジ33によって一体的に連結される。
挟持部3aにはテーブル7の天板71が挟持され、締付ネジ32が貫通孔313aと貫通孔323aに深く螺入するほどに挟持部3aは狭められ、テーブル7の天板71が挟持される。
【0021】
●保持部4
保持部4は、取付部3に連結され、パネル6を保持する部分であって、
図2及び
図4に示されるように、保持体41、保持板42、及び取付ネジ43によって構成される。
【0022】
保持体41は、一枚の金属板をL字状に折曲させた形状からなり、保持片411と基底片412によって構成される。
【0023】
保持片411は、矩形状からなり、保持板42との間にパネル6を保持する。
この保持片411には、幅方向に一対の貫通孔411aが設けられている。この貫通孔411aの内周面にはネジが切られており、取付ネジ43が螺合する。
【0024】
基底片412は、第一挟持体31の挟持片312の上面に取り付けられる。この基底片412には貫通孔412aが設けられている。貫通孔412aには、後述するカラー51が回動可能に嵌め込まれる。
【0025】
保持板42は、保持片411と同様に矩形状からなり、保持片411との間にパネル6を保持する。
この保持板42には、保持片411の貫通孔411aに対応した貫通孔42aが幅方向に一対、設けられている。
【0026】
保持片411、保持板42、及びパネル6それぞれに設けられている貫通孔411a、貫通孔42a、及び貫通孔6aは、互いに対応する間隔及び径で設けられている。これにより、保持片411と保持板42の間にパネル6を挟み込み、それぞれの貫通孔411a、貫通孔42a、及び貫通孔6aの位置を対応させて取付ネジ43を螺入させることで、パネル6が保持片411と保持板42の間に保持される。
【0027】
なお、本実施形態では、保持板42側から貫通孔42aと貫通孔6aを介して保持片411の貫通孔411aに取付ネジ43を螺合させると共に、パネル6が保持板42と保持片411によって挟圧されるように取付ネジ43で締め付け、これにより保持板42と保持片411の間にパネル6を固定的に保持している。もっとも、パネル6を保持する態様はこの例に限られない。例えば、保持板42の貫通孔42aの内周面にネジを形成し、保持体41側から貫通孔411aと貫通孔6aを介して保持板42の貫通孔42aに取付ネジ43を螺合させるようにしてもよい。また、保持板42を用いることなく、パネル6の貫通孔6aから保持体41の保持片411に設けれている貫通孔411aに取付ネジ43を螺合させるようにしてもよい。
また、保持体41と保持板42を下端でC字状に連結させ、これにより保持体41と保持板42の間に形成された隙間にパネル6を挟み込むようにしてもよい。この場合には必ずしも、保持体41、保持板42、及びパネル6に貫通孔411a、貫通孔42a、及び貫通孔6aを設けなくてもよい。
さらに、保持体41にパネル6を当接させた上、当接箇所をクリップ等で挟圧するようにして、パネル6が保持部4に保持されるようにしてもよい。この場合には、保持板42は不要であり、また、保持体41とパネル6それぞれに貫通孔411aと貫通孔6aを設けなくてもよい。
【0028】
●取付部3と保持部4の連結
取付部3と保持部4は、カラー51、押止体52、及び連結ネジ53により、互いに対して回動可能に連結されている。
カラー51は、一定の厚みを有する円筒状の部材である。このカラー51は、基底片412に設けられている貫通孔412aに回動可能に嵌め込まれている。即ち、カラー51は僅かに遊びをもたせて貫通孔412aに嵌め込まれ、これにより保持体41はカラー51に対して周方向に摺動するように回動する。
また、カラー51は、基底片412の厚みよりも僅かに大きい厚みを有しているとよい。これにより、押止体52と挟持片312の間に保持部4の基底片412を介装させて、これらの部材を連結ネジ53で一体的に連結させた際、保持体41が押止体52と挟持片312の間で挟圧されず、押止体52と挟持片312に対して自由且つスムーズに回動する。
【0029】
押止体52は、保持体41の基底片412を第一挟持体31の挟持片312上に押止する。
この押止体52は、円形状の部材であって、中心部に貫通孔52aが設けられている。この貫通孔52aは、連結ネジ53が出る下面側の径に比して、連結ネジ53が入る上面側の径が大きく構成されている。連結ネジ53は、このような貫通孔52aの形状に即した形状を備えており、連結ネジ53を押止体52の貫通孔52aに貫挿させると、
図2に示されるように、連結ネジ53の頭部が貫通孔52a内に埋入し、押止体52の上面が面一となる。
【0030】
●パネル6
パネル6は、
図1に示されるように、隣接するテーブル7や空間との間を物理的に仕切る平板状の部材である。
このパネル6は例えば、透明なプラスチック板である。ただし、パネル6は仕切りの機能を備える限り、他の材質あるいは性質を有するものであってもよい。例えば、パネル6の材質として木材、ボール紙、金属、ガラス等を採用してもよい。また、パネル6は不透明なものであってもよく、この場合には周りからの視線を遮ることができる。また、パネル6には広告や飲食店におけるメニューなどが貼り付けられたり印刷されたりしていてもよい。さらに、パネル6自体が薄型の液晶ディスプレイ等で構成されていてもよい。
【0031】
なお、本実施形態では、パネル6は略矩形状の平面形状からなり、角がR状に面取りされている。これにより、人が接触したときの怪我などを防ぐことができる。ただし、パネル6は固定部材2が取付可能であって、主として仕切りとしての機能を果たす限り、他の形状で構成されていてもよい。例えば、三角形状、多角形状、半円状などの形状に構成されていてもよい。また、パネル越しに物品を受け渡したりするための開口部等が下方に設けられるなどしていてもよい。
【0032】
パネル6の下端、即ちテーブル7に取り付けられる側の端部近傍には、幅方向に複数の貫通孔6aが一定間隔で設けられている。
図5に示されるように、この貫通孔6aには、パネル6に固定部材2を取り付ける取付ネジ43が貫挿され、これにより固定部材2はパネル6を保持する。この点においてパネル6の貫通孔6aは、固定部材2の保持部4によって保持される被保持部を構成している。
また、複数の貫通孔6aについて、隣り合う貫通孔6a同士の間隔は、保持片411に設けられた一対の貫通孔411a及び保持板42に設けられた一対の貫通孔42aの幅に応じたものとなっている。
【0033】
本実施形態において、固定部材2はパネル6に対して二つ一組で取り付けられるところ、パネル6には少なくとも計4つの貫通孔6aが必要とされる。これに対して、パネル6には、必要とされる以上の数の貫通孔6aが設けられている。これにより、固定部材2を取り付けるテーブル7の形状やサイズに応じて固定部材2を取り付ける貫通孔6aを選ぶことができる。
【0034】
ここで、パネル6を固定部材2に取り付ける工程を説明する。
まず、保持体41と保持板42の間にパネル6を挟み込む。このとき、固定部材2を取り付ける貫通孔6aをテーブル7のサイズに応じて選び、貫通孔411a、貫通孔42a、及び貫通孔6aを対応させる。そして、保持板42側から貫通孔42aと貫通孔6aに取付ネジ43を貫挿させ、そのまま貫通孔411aに螺入させる。このように、パネル6に設けられている貫通孔6aの位置に対応させて、パネル6の下端の両端近傍に一つずつ固定部材2が取り付ける。なお、一対の固定部材2の取付位置は、バランスを考慮して線対称な位置とするとよい。
【0035】
●パーテーション1の取付工程と取付例
パーテーション1をテーブル7に取り付ける工程について、
図1及び
図2を参照して説明する。
取付工程の一例ではまず、保持部4は上述した工程により、予めパネル6に取り付けておく。また、取付部3については、第一挟持体31と第二挟持体32を締付ネジ33によって連結させつつ、挟持部3aの幅がテーブル7の天板71の厚みよりも十分大きくなるよう、締付ネジ33を緩めておく。
【0036】
そして、挟持部3a内にテーブル7の天板71の縁が収まるようにして、一対の固定部材2をそれぞれ、テーブル7の天板71の縁にあてがう。このとき、取付部3と保持部4を互いに対して適宜に回動させ、取付部3の第一挟持体31の基体311がテーブル7の天板71の縁に正対するよう、当該基体311の内側を天板71の縁に当接させる。
【0037】
テーブル7の天板71と、第一挟持体31の挟持片312及び第二挟持体32の挟持片322の間それぞれに、
図4に示した滑り止め部材34を介装させて、締付ネジ33を締め付けていく。これにより挟持部3aが狭まると、挟持片312と挟持片322の間にテーブル7の天板71の縁が挟持され、パーテーション1がテーブル7に固定される。
【0038】
また、取付工程の他の一例では、取付部3、保持部4、パネル6を固定部材2を構成する部品又は部材として、テーブル7に順次、取り付けていくこともできる。
即ち、まず、挟持部3a内にテーブル7の天板71の縁が収まるようにして、一対の取付部3をテーブル7の所定の位置に取り付ける。そして、この取付部3に対し、保持部4をパネル6の向きに応じた角度で連結する。ここで、保持部4の向きは、保持片411がパネル6に対して平行となる向きであり、テーブル7に対するパネル6の向きは、一対の取付部3の取付位置によって規定される。
パネル6は、保持部4を取付部3に対して所定の角度で連結した後、保持部4に保持させてもよいし、予め保持部4に保持させておき、パネル6を保持した保持部4を取付部3に連結させてもよい。なお、保持部4を取付部3に連結させた後、保持部4にパネル6を保持させる場合には、保持部4を取付部3に連結させる際には緩く仮止めし、パネル6を保持させた後にしっかりと本締めするとよい。
【0039】
図1は、このようにパーテーション1をテーブル7に取り付けた例の一つであり、パネル6の両端近傍に取り付けた固定部材2によりパネル6を保持し、テーブル7の一端側を仕切っている。
ここで、取付部3と保持部4は互いに対して自在な角度で連結される。そのため、取付部3は、挟持部3aがテーブル7の中央を向いて、テーブル7の天板71の縁に正対するように確実に取り付けられ、一方、保持部4は、パネル6がテーブル7の中心にその面を向ける角度で取付部3上に連結されている。この結果、テーブル7の形状によらず、固定部材2を確実にテーブル7に固定することができる。
【0040】
一方、このようなパーテーション1は
図1に示した取付例に限らず、
図6に示すとおりに取り付けることもできる。即ち、
図6の例は、二つのテーブル7-1、7-2の境界をまたぐようにパーテーション1を取り付けている。パネル6に取り付けられている一対の固定部材2のうち、一の固定部材2-1は、一方のテーブル7-1の天板71-1に取り付けられ、他の固定部材2-2は、他方のテーブル7-2の天板71-2に取り付けられている。
【0041】
このような取付例によれば、複数のテーブル7を隙間なく隣り合わせた場合において、一方のテーブル7のみにパーテーション1を取り付けてテーブル7間を仕切る場合のように、パーテーション1を取り付けたテーブル7の方のみ、天板71上のスペースが狭くなるといったことがない。
【0042】
また、さらに別の取付例について、隣り合うテーブル7の間に、一対のパーテーション1を十字状に交差させて設けることもできる。即ち、一対のパーテーション1について、一方のパーテーション1のパネル6には、上端から中心に向かって伸びる縦長のスリットを中央に設け、他方のパーテーション1のパネル6には、下端から中心に向かって伸びる縦長のスリットを中央に設ける。そして、一対のパーテーション1をそれぞれ、隣り合うテーブル7のうちの一のテーブル7から他方のテーブル7にまたがるように取り付けると共に、それぞれのパネル6が十字に交差させるようにスリット同士を嵌め合わせる。これにより、一対のパーテーション1が十字状に交差するように取り付けられる。この取付例によれば、剛性を高いものとすることができ、パーテーション1が容易に倒れたり、ぐらついたりすることがない。
【0043】
以上の本実施形態に係るパーテーション1及び固定部材2によれば、一対の取付部3に連結された保持部4によってパネル6が保持されるため、テーブル7の天板71の縁の形状が直線状であるか曲線状であるかを問わず、様々な形状のテーブル7に仕切りを設けることができる。
また、テーブル7にネジ穴を設けるなどする必要がなく、取り付けも容易である。
また、固定部材2をテーブル7に取り付けた後は、取付ネジ43を取り外すだけで容易にパネル6を交換することができる。これにより、一定期間ごと、あるいは汚れ等の状態に応じてパネル6を取り替えることができる。なお、上述したように、保持体41と保持板42を下端でC字状に連結させ、これにより保持体41と保持板42の間に形成された隙間にパネル6を挟み込むようにした例や、保持体41にパネル6を当接させた上、当接箇所をクリップ等で留めた例では、連結ネジ53を取り外すことで、パネル6を交換することができる。
【0044】
なお、以上の本実施形態では、取付部3と保持部4は、カラー51、押止体52、及び連結ネジ53により、互いに対して回動可能に連結されるものとしたが、取付部3と保持部4とが互いに対して自在な角度で連結可能であれば、様々な形状のテーブル7にパーテーション1を取り付けることが可能である。
即ち、第一挟持部31の挟持片312に対し、パネル6の向きに応じた所定の角度で保持部41を固定的に連結してもよい。この場合には例えば、カラー51や押止体52はなくてもよく、保持部41をパネル6の向きに応じた角度で挟持片312上に当接させた上、連結ネジ53で保持部41を挟持片312上に固定する。
【0045】
●他の実施形態
図7及び
図8は、本発明の他の実施形態に係るパーテーション8及び固定部材9を示している。
パーテーション8は、パネル6と当該パネル6をテーブル7に固定する固定部材9によって構成され、テーブル7の天板71の縁に取り付けられる。
【0046】
固定部材9は、
図8に示されるように、二つ一組で用いられるC字状の第一挟持体91と第二挟持体92、及び締付ネジ93によって構成される。
【0047】
第一挟持体91は、テーブル7の天板71の厚み方向に長さを有する矩形状の基体911、基体911の上下端それぞれから直角に折曲して延び出した挟持片912と基底片913、基体911から突出し、基体911と平行に延びだした突出部914によって構成される。
【0048】
基体911は、基体911から突出して設けられている板状の突出部914との間にパネル6を保持する。
この基体911には、取付ネジ915が貫挿される縦長の貫挿孔911aが設けられており、突出部914にも、当該貫挿孔911aに対応して貫通孔914aが設けられている。取付ネジ915が貫通孔914aに螺入すると共に、パネル6に設けられた貫通孔と貫挿孔911aに貫挿されることで、パネル6が第一挟持体91によって保持される。
【0049】
挟持片912と基底片913は、基体911の上端と下端それぞれから、同一方向に且つ互いに対して平行に延び出している。
挟持片912の下面は、天板71の天面に押し当てられる。
基底片913には、内周面に雌ネジが切られた貫通孔913aが設けられており、この貫通孔913aには締付ネジ93が螺入する。
なお、挟持片912と天板71の間には適宜、上述した滑り止め部材34を介装させるとよい。
【0050】
第二挟持体92は、上述した第二挟持体32と同様に構成された部材であって、基体921、基体921の上下端それぞれから直角に折曲して延び出した挟持片922と基底片923によって構成される。
【0051】
挟持片922と基底片923は、基体921の上端と下端それぞれから、同一方向に且つ互いに対して平行に延び出している。
挟持片922の上面は、天板71の底面に押し当てられる。
基底片923には、内周面に雌ネジが切られた貫通孔(貫通孔323aと同様のもの)が設けられており、この貫通孔923aには締付ネジ93が螺入する。
【0052】
締付ネジ93は、上述した締付ネジ33と同様の部材であって、第一挟持体91の貫通孔913aと第二挟持体92の貫通孔に螺入し、第一挟持体91と第二挟持体92を連結する。
第一挟持体91と第二挟持体92は、それぞれの挟持片912と挟持片922が向き合うと共に、挟持片922が挟持片912と基底片913の間に位置するように組み合わせて用いられ、挟持片912と挟持片922の間にテーブル7の天板71が挟持される。
【0053】
本実施形態において、隣接するテーブル7や空間との間を物理的に仕切るパネル6は、テーブル7の天板71の形状に応じて撓められて取り付けられるため可撓性を有するものが用いられる。例えば、プラスチック板等で実現される。ただし、予めテーブル7の天板71の形状に即したパネル6を用意する限りは、撓める必要がないため、可撓性を備えたものでなくてもよい。
【0054】
なお、図示省略しているが、パネル6の下端には、固定部材9を取付ネジ915によって取り付けるための貫通孔が設けられている。この貫通孔は、上述した貫通孔6aと同様、幅方向に複数、設けられ、適宜の位置を選択して固定部材9が取り付けられるようになっていてもよい。
【0055】
パーテーション8をテーブル7に取り付ける工程及び取付例について、
図7及び
図8を参照して説明する。
まず、予めパネル6に固定部材9を取り付けておく。本実施形態では、パネル6をテーブル7の天板71の形状に即して撓ませるため、
図7に示されるように、等間隔で3つ以上の固定部材9をパネル6に取り付けておくことが好ましい。ただし、このことは一対の固定部材9によりパネル6をテーブル7に取り付ける例を本実施形態の範疇から除外するものではない。
また、第一挟持体91と第二挟持体92を締付ネジ93によって連結させつつ、挟持部9aの幅がテーブル7の天板71の厚みよりも十分大きくなるよう、締付ネジ93を緩めておく。
【0056】
そして、挟持部9a内にテーブル7の天板71の縁が収まるようにして、固定部材9をテーブル7の天板71の縁にあてがう。このとき、パネル6を天板71の形状に応じて撓ませ、第一挟持体91の基体911が天板71の縁に正対するよう、当該基体911の内側を天板71の縁に当接させる。そして、締付ネジ93を締め付けていくと、挟持部3aが狭まって天板71の縁が挟持され、パーテーション8がテーブル7に固定される。
【0057】
なお、ここでは、パーテーション8をテーブル7に取り付けるに際し、予めパネル6に固定部材9を取り付けておくものとしたが、先に固定部材9のみを天板71の所定の位置に取り付けておいてから、パネル6を撓ませて固定部材9に保持させるようにしてもよい。
【0058】
このような本実施形態に係るパーテーション8及び固定部材9によっても、様々な形状のテーブル7に仕切りを設けることができる。
また、パーテーション1と同様、テーブル7にネジ穴を設けるなどする必要がなく、取り付けも容易であるし、簡単にパネル6を交換することもできる。
【0059】
●実施形態総括
【0060】
本発明は、パネルの固定部材、パーテーション、及びパーテーションの固定構造に関する。
【0061】
近年、感染予防対策として、会議や食事の際に隣席との間をパーテーションで仕切ることが多くなっている。
例えば、特開2013-220129号公報では、長手方向の両端面および上面に開口するレール溝を有するベース体と、下部が前記レール溝に収容されることで両面が鉛直方向を向くように設置され、前記レール溝に沿ってスライド可能なパネル体とを備えるデスクパーティションが提案されている。
【0062】
この点、テーブルの形状を問わず、にしっかりと取り付けることのできるパーテーションが求められている。
【0063】
そこで本発明は、テーブルにパネルを固定する固定部材及びパーテーションであって、様々な形状のテーブルに対応可能であって、衛生的な状態を確保できるものを提供することを目的の一つとする。
【0064】
上記目的を達成するため、本発明に係るパネルの固定部材は、パネルをテーブルに固定する固定部材であって、前記テーブルに取り付けられる取付部と、前記パネルを保持する保持部と、を有し、前記保持部は、前記取付部に対して自在な角度で連結される。
【0065】
前記保持部は、前記取付部に回動可能に連結されているものとしてもよい。
【0066】
本発明の別の観点に係るパーテーションは、パネルと、テーブルに取り付けられる取付部と、当該取付部に連結され、前記パネルを保持する保持部とを有する固定部材と、から構成される。
【0067】
本発明のさらに別の観点に係るパーテーションの固定構造は、テーブルに取り付けられる取付部、パネルを保持する保持部、及び当該パネルから構成されたパーテーションの固定構造であって、複数の前記取付部が、テーブルの天板の縁に正対して取り付けられ、前記テーブルに取り付けられた複数の前記取付部それぞれに対し、前記保持部が、前記パネルの向きに応じた所定の角度で連結され、前記パネルが前記保持部に保持されている。
【0068】
本発明に係るパーテーション及び固定部材によれば、様々な形状のテーブルに仕切りを設けることができ、衛生的な状態を確保できる。
また、テーブルにネジ穴を設けるなどする必要がなく、取り付けも用意である。
また、固定部材をテーブルに取り付けた後も容易にパネルを交換することができる。これにより、一定期間ごと、あるいは汚れ等の状態に応じてパネルを取り替えることができる。
【符号の説明】
【0069】
1 :パーテーション
2 :固定部材
3 :取付部
3a :挟持部
31 :第一挟持体
32 :第二挟持体
33 :締付ネジ
4 :保持部
41 :保持体
42 :保持板
43 :取付ネジ
51 :カラー
52 :押止体
53 :連結ネジ
6 :パネル
6a :貫通孔
7 :テーブル
71 :天板